JP3976338B2 - 原子炉容器の一体形防護手段を構成する断熱障壁及び中性子遮蔽体 - Google Patents
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Description
発明の属する技術分野
本発明は、原子炉内の中性子ストリーミングからの断熱及び防護を行うと同時に炉心材料が溶解する重大事故の場合に、原子炉容器を受動的に冷却水で包囲することができる装置に関する。
従来技術の説明
原子炉設備の原子炉容器は、原子炉の炉心中で生じた高中性子束及び放射線から作業員及び周囲領域を保護するための生体遮蔽を備えなければならない。典型例を説明すると、商用原子力プラントでは、この生体遮蔽は、原子炉容器がその入口ノズルを支持体で支持した状態で吊り下げるキャビティを画定する格納容器内の分厚いコンクリート構造物で構成される。原子炉キャビティのコンクリート壁を高温から保護すると共に作業の熱効率を考慮して、原子炉容器は、断熱手段を備えている。代表的には、断熱材が原子炉容器の外面に直接施される。このために、原子炉容器の溶接部を定期的に点検する際、断熱材を取り外す必要がある。米国特許第5,268,944号は、形状が八角形の断熱パネルが直立した円筒形原子炉容器の周りに配置され、それにより、断熱材を取り外さないでも遠隔操作の点検機器が溶接部を検査できる空間又はスペースが得られる。
断熱材を設けることに加えて、冷却用空気を原子炉キャビティの壁全体に沿って循環させるのが通例である。この冷却用空気は、原子炉容器支持体を通って原子炉キャビティから横方向に流出する。
原子力プラントの設計者にとってもう一つの考慮すべき事項は、原子炉キャビティからの上方への中性子の流出又は漏出である中性子ストリーミングである。典型例では,入口ノズル及び出口ノズルの上方で原子炉容器の周りには中性子吸収材料が設けられている。しかしながら、防護領域が広ければ広いほど、それだけ一層炉心から離れたところで中性子流を遮断する必要がある。
本出願人は、受動式防護システム、即ち、原子炉運転中の異常状態に応動するのに人間の介在を必要としないシステムを備えた原子力発電プラントの設計を開発した。最近では、炉心のメルトダウン、即ち炉心融解を前提とする重大事故に対する受動式応答に関心が向けられている。原子炉容器の健全性は、もし原子炉容器を自由に蒸発して熱を蒸気として運び去ることができる冷却水中に浸漬すれば維持できる。現在利用できる受動式システムのうち一つは、原子炉キャビティを冠水させるために格納容器内に保持されている燃料交換用の多量の水を利用している。炉心が溶解するような重大事故の場合、多量の冷却水を原子炉容器に直接使用することが肝要である。
したがって、重大事故に応動し、蒸発して原子炉キャビティから放散させることができる冷却水中に直接、原子炉容器を受動的に浸漬できる装置が要望されている。
また、原子炉キャビティのコンクリート壁を防護するために原子炉容器を断熱し続けることが要望されている。
また、原子炉容器自体を冷却しないで、原子炉キャビティの壁を空気で冷却し続けることが要望されている。
また、原子炉キャビティ外部の場所への中性子ストリーミングが生じないよう防護を行うことが要望されている。
また、人間の介在を必要としないで、上記要望を全て同時に、経済的且つ確実に満たす必要がある。
発明の概要
上記要望及び他の要望は、原子炉容器の断熱、中性子ストリーミングを減少させる中性子遮蔽、及び原子炉の通常運転中における原子炉キャビティの壁の空気による冷却を行う装置に関する本発明によって満たされる。本発明の装置は又、原子炉容器に冷却水を直接使用できると共に重大事故の際に結果として生じる蒸気を逃がすことができる。断熱障壁が、原子炉キャビティ内に吊り下げられている原子炉容器の一部から間隔を置いた状態でこれを包囲している。断熱障壁は又、原子炉キャビティの壁から間隔を置いて位置していて、通常運転中、冷却用空気を原子炉キャビティ壁に沿って循環させることができるようになっている。重大事故の際、冷却水は、原子炉容器と断熱障壁との間の室内へ、好ましくは、高温状態の原子炉容器により冷却水の蒸発によって生じた蒸気を断熱障壁の上端部のところで放出する冷却手段によって注入される。冷却手段は、断熱障壁の下方逆円錐形部分に位置したノズル内に設けられている第1の弁手段を含む。この第1の弁手段は、弁座に着座したままで通常運転中における室内への冷却用空気の流入を遮断するほどの重量を有しているが、浮力を有していて、重大事故に応答して冷却水が原子炉キャビティ内へ注入されると、弁座から離れ、それにより冷却水を原子炉容器の周りで室内へ注入する一又は二以上の弁部材を有する。
冷却手段は又、断熱障壁の上方円筒形部分の上端部に設けられていて、室を通気させるよう蒸気によって開放される第2の弁手段を更に含む。第2の弁手段は、蒸気圧によって閉鎖位置から開放位置に動作する双安定弁部材を含む。好ましくは、双安定弁部材は、その下端部に隣接して位置した水平軸線の周りに回動し、閉鎖位置がこの水平軸線から垂直上方へ延びる垂直線の一方の側にある状態で配置され、蒸気圧によって動作して垂直線を通過して開放位置に至り、ここで再設定されるまでそのままの状態でいる。
中性子遮蔽体は、原子炉キャビティの上端部に隣接した原子炉容器の周りでノズルの下方に延びる着脱自在なモジュール式遮蔽体である。この着脱自在なモジュール式中性子遮蔽体は、その内縁部に上方且つ外方にテーパした表面を有し、このテーパ面は、原子炉キャビティの壁と断熱障壁との間の空間から延びる迷路状チャンネルを形成するようノズルの下において原子炉容器に設けられた上方且つ外方にテーパした表面に対向した状態でこれから間隔を置いて位置している。この構成により、通常運転中は冷却用空気を逃がし、重大事故の際は蒸気を逃がすと同時に中性子ストリーミングを減少させることができる。
好ましくは、断熱障壁の上端部は、中性子遮蔽体の下で上方且つ内方にテーパしている。有利には、断熱障壁と原子炉容器との間の室内で生じた蒸気を放出するこの第2の双安定弁手段が配置されるのは、このテーパ面内である。
本発明によれば、断熱障壁と中性子遮蔽体は互いに協働して、中性子ストリーミングの減少に加えて通常運転中における原子炉容器のための熱保持及び原子炉キャビティ壁の空気による冷却を行う。重大事故の際、断熱障壁及び中性子遮蔽体は、原子炉容器の水による直接的な冷却及び生じた蒸気の放出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の内容は、添付の図面と関連して好ましい実施形態についての以下の説明を読むと完全に理解されよう。
図1は、本発明を具体化した原子炉設備の縦断面図である。
図2は、想像線の上の上半分は、図1に示す原子炉設備のノズルの上方から見た平面図、下半分はノズルの下方に見た平面図である。
図3は、図1の下方部分の拡大部分図であり、冷却水を断熱障壁と原子炉容器との間の空間に注入できる弁を示している図である。
図4は、蒸気を原子炉容器と断熱障壁との間の室から逃がすことができる弁を示すと共にホットレッグノズルの谷設けられた本発明の中性子遮蔽体を示す拡大部分図である。
図5は、図1の原子炉設備の5−5線矢視断面図である。
図6は、図1の原子炉設備の6−6線矢視断面図である。
図7は、本発明の断熱障壁の詳細な構造を示す部分側面図である。
図8は、コールドレッグノズルの下に設けられていて、本発明の中性子遮蔽体の一部の拡大部分図である。
好ましい実施の形態の説明
図1は、改良形加圧水型原子炉(APWR)の形態の原子炉設備1の該当部分を示している。原子炉は、半球形の下端部5を備えた直立の円筒形容器3を有している。原子炉容器3は、核分裂性物質からなる炉心7を収容している。周知のように、軽水の形の原子炉冷却材が、炉心を通って循環する。高温の冷却材は、ホットレッグノズル9を通って排出され、蒸気発生器(図示せず)を通って循環し、蒸気発生器は、冷却材中の熱を利用してタービン発電機(図示せず)のための蒸気を発生する。冷却材は、コールドレッグノズル11を通って原子炉容器3に戻される。例示のプラントは、2ループ型構成のものであり、即ち、単一の原子炉が加熱状態の冷却材を2つの蒸気発生器のために供給する。図2に示すように、各ループは、ホットレッグノズル9に連結された1つのホットレッグ13及びコールドレッグノズル11に連結された2つのコールドレッグ15を有している。図2は1ループ型のためのノズル構成を示しているにすぎないが、他のループの対応のノズルは直径方向反対側に配置されている。
原子炉容器3は、コールドレッグノズル11を支持した4つの支持体17によって原子炉キャビティ19内に吊り下げられた状態で支持されている。容器が支持されるノズル室20は矩形であり、原子炉容器19は平面図で見て八角形である。原子炉キャビティ19は、ぶ厚いコンクリート構造物21によって構成され、このコンクリート構造物は、作業員及び隣接の構造物及び機器を原子炉の炉心7内で生じる高中性子束及び放射線から保護する生体遮蔽を形成している。
原子炉容器3は、全体として円筒形の上方部分25及び逆円錐形下方部分27を備えた下方断熱障壁23を備えている。断熱障壁23は、原子炉容器3から間隔を置いて位置していて室29が形成されている。断熱障壁23は、熱効率のために原子炉容器3を断熱し、しかも原子炉キャビティ19のコンクリート壁31を原子炉容器の外面の高温から保護する。加うるに、トンネル33を通って原子炉キャビティ19の底部に導入された冷却用空気は、矢印35で示すように壁31に沿って壁と断熱障壁23との間の空間37を通って上方に流れる。空気のための放出経路について以下に詳細に説明する。
冷却材喪失事故(LOCA)の場合、冷却水を冷却水トンネル39を通って原子炉キャビティ19内に注入する。炉心7が融解して原子炉容器の半球形下端部5に向かって沈下するような重大事故の場合、冷却水が原子炉容器3と直接接触することが必要不可欠である。他方、非事故条件下にあっては、冷却用空気はキャビティ壁31に沿って流れるだけにすべきであり、原子炉容器3に接触してはならない。したがって、室29内への空気の流入を阻止するが、冷却水の注入を可能にする受動式弁装置41が設けられている。原子炉容器が高温であるために冷却水は蒸発し、それゆえ受動式弁装置はまた、蒸気を逃がすことができなければならない。かくして、受動式弁装置41は、断熱障壁23の逆円錐形部分27の下端部に設けられているノズル45内に取り付けられた第1の炉心入口弁43を有している。冷却水は、逆円錐形部分27を支持する円錐形スカート49内に設けられた開口部47を通って入口弁43に到達する。原子炉容器キャビティ19のコンクリート床を原子炉容器の高温から保護するための断熱材51が設けられている。
弁43は、図3に一層詳細に示されている。この弁は、重力で弁座55に着座する複数の好ましくは球形の弁要素53を有している。弁要素53は、冷却用空気35の流れによって浮き上がって弁座55から離れることのないほどの重量を有している。しかしながら、弁要素53は浮力があるので、原子炉キャビティ19内に注入される冷却水のレベルの上昇により浮き上がって弁座から離れる。弁要素53は、ケージ57によってそれぞれの弁座と整列状態に維持される。これら弁の総入口面積は一般に、弁43前後の無視できるほどの圧力降下を維持するよう設定されている。その結果、断熱障壁の内外の水頭の差に起因して、断熱障壁23に加わる正味の力は本質的には0である。
入口弁43を通って室29に流入する冷却水は、原子炉容器3から熱を吸収して蒸気を発生するが、この蒸気は抜く必要がある。この目的のため、受動式弁装置41は、断熱障壁23の円筒形上方部分25の上端部に隣接して位置決めされた第2の出口弁59を有している。図1の左側から理解できるように、断熱障壁23の上方部分は、原子炉容器に向かって上方且つ内方にテーパしたセクション又は面取り部61を有している。図4の拡大部分図を参照すると、原子炉容器と断熱障壁23との間の室29と断熱障壁と原子炉キャビティ19の壁31との間の空間とを連通させる開口部63が、この面取り部61の部分に設けられていることが分かる。出口弁59は各々、水平に回動するヒンジ67の周りに下端部の近くで回動するフラッパ弁要素65を有している。弁要素65の上端部及びこれに隣接した断熱障壁23の面取り部61の縁部は、さねはぎ継ぎにより互いに連結されていて、出口弁59の各々は、重力の作用のもとで閉鎖状態になっている。フラッパ弁要素65は浮力があるので、室29内で上昇する水、恐らくは蒸気によりフラッパ弁要素65はヒンド67の水平軸線から垂直上方へ延びる垂直線69を通って図4の破線で示す開放位置までヒンジ67の周りに回転する。図1及び図5から分かるように、出口弁59はホットレッグノズル9の下に設けられているに過ぎない。
断熱障壁23の上方円筒形部分25は、図5〜図7で分かるようにセクター71の状態で構成されている。8つのセクター71は各々、原子炉容器キャビティ19の8つの側壁31のそれぞれと整列している。従前通り、8つの管状炉外検出器ユニット73が、六角形原子炉キャビティ19のコーナーの各々の中に設けられている。断熱障壁23のセクター71は各々、次々に上に積み重ねられた多数のセクション75を有している。各セクション75は、上方フレーム部材77及び下方フレーム部材79を有し、これらフレーム部材は各々、弧状の内縁部及び真っ直ぐな外縁部を有している。上方及び下方のフレーム部材75,77は、垂直チャンネル81によってそれらの端が連結されており、この垂直チャンネルは管状炉外検出器ユニット73に係合した状態でこの上を摺動できる。上方フレーム部材77と下方フレーム部材79との間のブレース83が、セクション75を補剛している。弧状断熱パネル85が、フレーム部材77,79にクリップ留めされている。各セクター71内の積重ね状態のセクション75は、隣合うフレーム部材を貫通するボルト86によって互いに固定されている。断熱障壁23の円筒形部分25のセクションは、原子炉容器キャビティ19の底部から挿入され、ブラケット87によって定位置に保持される。コールドレッグノズル11の下のセクターのための追加の支持体が設けられており、これについては後述する。
原子炉容器キャビティ19の上縁部のところにおいて原子炉容器3と生体遮蔽21との間で、ノズル9,11の下に配置された着脱自在なモジュール式遮蔽リング89の形態の中性子遮蔽手段又は遮蔽体が設けられている。これにより、中性子遮蔽手段は、ノズルのための厚肉取付け部を構成するように原子炉容器の壁の外面91が上方且つ外方にテーパしている原子炉容器の高さ位置に配置される。薄い断熱層93がこのテーパ表面91に直接被着されていて、断熱障壁23に結合するよう下方に延びると共に厚い円筒形上方断熱障壁95に結合するよう上方に延びている。この構成は図8で最もよく分かる。
遮蔽リング89は、コールドレッグノズル11の下のセクター内の大きな単一モジュール97と、セクター71の残部内の多数の小さなモジュール99とで構成されている。小さなモジュール99の取付け状態が、図4に最もよく示されている。原子炉容器キャビティ19の上縁部は、符号101のところで面取りされていることは理解されよう。モジュール99は、面取り表面101と形状が相補する外面103を有している。モジュール99の内縁部は、軸方向部分105及びチャンネル109を形成するよう原子炉容器3のテーパ表面91に対向したテーパ部分107を有している。モジュール99は、ボルト111又は他の適当な保持具によって定位置に固定される。チャンネル109は、断熱障壁23と原子炉容器キャビティ19との間の空間37から延びる迷路を構成している。シールプレート113が、全セクターのチャンネル109からの冷却用空気及び蒸気の流出を阻止する。ただし、コールドレッグノズル11の下で原子炉容器支持体17を通る場合を除く。図4に示す構成によれば、上方からのモジュール99の取付け取外しが可能である。
コールドレッグノズル11の下でセクター71内に位置した大きなモジュール97が、図8に示されている。モジュール97は、支持体17から係止バー117によって吊り下げられたL字形ブラケット115によって支持されている。小さなモジュール99の場合と同様に、モジュール97は軸方向部分119及びこれまた迷路状チャンネル109を形成するよう原子炉容器のテーパ表面91に対向しているが、これから離隔した関係で上方且つ外方にテーパした部分121を備えた内縁部を有している。冷却用空気及び蒸気は、チャンネル109を通り、そして支持体17に設けられた開口部123を通って上方に流れる。かくして、通常運転中、冷却空気は、原子炉容器キャビティ19の壁31を冷却し、しかも支持体17を冷却する。シールプレート125が、原子炉容器3と支持体17との間の空間を封鎖し、したがって矢印35で指示された空気流の全てが支持体を通過するようになる。
中性子遮蔽リング89は、中性子を吸収し、これらのうちの幾分かを迷路を通って散乱させ、次に冷却用空気を通すことにより中性子流を減衰する。中性子の方向の付加的な変化が、原子炉容器に設けられたテーパ表面91によって行なわれ、これは中性子遮蔽体89と協働してチャンネル109を形成する。
大きな遮蔽モジュール97を支持したブラケット115も又、コールドレッグノズル11の下でセクター71の上部の上方フレーム部材77に連結された垂直ブレース127により、断熱障壁23の上方部分25のための追加の支持手段を構成している。モジュール97を原子炉容器キャビティ97の底部を通って取り出して交換するためには、これを断熱障壁のセクターと一緒に下降させる必要がある。この目的のため、ブラケット115の上端部は、アイ129を有し、これを用いることによりウィンチ131(図1参照)によってモジュールを下降させることができる。
本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、開示内容に照らして細部の種々の設計変更及び変形を想到できることは理解されよう。したがって、開示した特定の構造は、例示に過ぎず、本発明の内容を限定するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的事項及びその均等範囲に基づいて定められる。
Claims (12)
- 原子炉設備(1)の原子炉キャビティ(19)内に吊り下げられた原子炉容器(3)を断熱する装置であって、
原子炉容器(3)との間に室(29)を形成するように原子炉容器(3)を包囲する、原子炉キャビティ内に設けられた断熱障壁(23)と、
重大事故の場合に前記室(29)に冷却水を注入して原子炉容器(3)を冷却し、前記室(29)内の冷却水の蒸発により生じた蒸気を放出する冷却手段とより成り、
冷却手段は、原子炉キャビティ(19)内へ注入される冷却水によって開放され、冷却水を前記室(29)内へ注入する第1の弁手段(43)と、前記室(29)内に生じた蒸気により開放され、蒸気を前記室(29)から放出させる第2の弁手段(59)とを有することを特徴とする原子炉容器断熱装置。 - 重大事故が生じていない場合、空気が、断熱障壁(23)の外部に位置する原子炉キャビティ内へ導入されて原子炉キャビティの壁を冷却する原子炉設備(1)に用いられ、第1の弁手段(43)は、前記室(29)内への空気の流入は遮断するが、断熱障壁(23)の外部の原子炉キャビティ(19)から冷却水が前記室(29)内へ流入できるようにする手段(53)を含み、第2の弁手段(59)は、原子炉キャビティ(19)から前記室(29)内への空気の流入は遮断するが、蒸気が前記室(29)から流出できるようにする手段(65)を含むことを特徴とする請求項1記載の原子炉容器断熱装置。
- 第1の弁手段(43)は、前記室(29)の底端部に隣接して位置し、第1の弁手段は、少なくとも一つの弁座(55)と、弁座(55)に着座して原子炉キャビティ(19)から前記室(29)内への空気の流入を遮断するほどの重量を有しているが、原子炉キャビティ(19)内の水により浮き上がって弁座(55)から離れることにより水を前記室(29)内へ注入するほどの浮力を有する少なくとも一つの弁部材(53)と、少なくとも一つの弁部材(53)を少なくとも一つの弁座(55)と整列状態に維持するケージ手段(57)とから成ることを特徴とする請求項2記載の原子炉容器断熱装置。
- 原子炉容器(3)が半球形下端部(5)を備えた円筒形のものであるような原子炉設備(1)に用いられ、断熱障壁(23)は、円筒形上方部分(25)及び第1の弁手段(43)が収納されているノズル(45)で終端する逆円錐形下方部分(27)を有することを特徴とする請求項3記載の原子炉容器断熱装置。
- 第2の弁手段(59)は、断熱障壁(23)の円筒形上方部分(25)の上端部に隣接して設けられていて、閉鎖位置及び蒸気によって作動されて位置する開放位置を有する双安定弁部材(65)を含むことを特徴とする請求項3記載の装置。
- 第2の弁手段(59)は、双安定弁部材(65)を下端部に隣接する全体として水平方向の軸線の周りに回動させるピボット部材(67)を有し、閉鎖位置は前記軸線から垂直上方へ延びる垂直線(69)の一方の側にあり、開放位置が垂直線(69)の他方の側にあることを特徴とする請求項5記載の原子炉容器断熱装置。
- 原子炉容器(3)が半球形下端部(5)を備えた円筒形のものであるような原子炉設備(1)に用いられ、断熱障壁(23)は、円筒形上方部分(25)及び逆円錐形下方部分(27)を有し、第1の弁手段(43)は、逆円錐形下方部分(27)内に配置され、第2の弁手段(59)は円筒形上方部分(25)の上端部に隣接して配置されていることを特徴とする請求項2記載の原子炉容器断熱装置。
- 第1の弁手段(43)は、逆円錐形下方部分(27)の底部に配置され、断熱障壁(23)は、円筒形上方部分の直径よりも小さな直径の円筒形スカート(49)を更に有し、円筒形スカート(49)は、逆円錐形下方部分(27)を支持し、また、水を第1の弁手段(43)に流すための開口部(47)を有していることを特徴とする請求項7記載の原子炉容器断熱装置。
- 断熱障壁(23)の円筒形上方部分(25)の上端部は、原子炉容器(3)に向かって上方且つ内方へテーパした面取り部(61)を有し、第2の弁手段(59)は、面取り部(61)の周りに間隔を置いて設けられた複数の開口部(63)と、各開口部に設けられていて、開口部を閉じる閉鎖位置と、開放位置との間で回動する第2の弁部材(65)とを有することを特徴とする請求項7記載の原子炉容器断熱装置。
- 原子炉容器(3)から間隔を置いて位置した状態で原子炉キャビティ(19)内に設けられている複数の円周方向に間隔を置いて配置された垂直方向に延びる炉外検出器ユニット(73)を有する前記原子炉設備(1)に用いられ、断熱障壁(23)の円筒形上方部分(25)は、炉外検出器ユニット(73)相互間に支持されたセクター(71)から成ることを特徴とする請求項7記載の原子炉容器断熱装置。
- セクター(71)は各々、複数の垂直方向に整列したセクション(75)から成り、各セクションは、側縁部に沿って設けられていて、炉外検出器ユニットに摺動自在に係合するガイド(81)を備えたフレーム(77、79)と、フレーム(77、79)に取り付けられた断熱材料のパネル(85)とから成ることを特徴とする請求項10記載の原子炉容器断熱装置。
- 第1の弁手段(43)は、前記室(29)内部の冷却水のヘッドを、断熱障壁(23)と原子炉キャビティ(19)の壁との間における冷却水のヘッドの所定のマージン内に維持するよう寸法決めされていることを特徴とする請求項2記載の原子炉容器断熱装置。
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