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JP3975810B2 - 光片側サイドバンド送信器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光片側サイドバンド送信器に関し、特に光ファイバを用いた光情報通信においてRZ(リターン・トゥ・ゼロ)変調された光信号の帯域削減に用いる、光片側サイドバンド変調(SSB)方式、およびこれを用いた光送信器の構成に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ中に波長の異なる複数の光信号を多重して情報伝送を行う波長多重(WDM)光伝送方式は光ファイバ通信の大容量化に極めて有効な手法である。近年、波長数100、総伝送容量1Tbit/ secを越える波長多重光伝送装置が製品化されつつあり、実験的にはさらに10倍もの波長数・伝送容量を持つ伝送システムの実現が検討されている。このような大容量の情報伝送には非常に広い周波数(波長)帯域を必要とするが、その上限は光ファイバの損失の低い波長帯域幅や、伝送路の途中で光信号の中継/増幅に用いられる、EDFA(Erbium−doped Fiber Amplifier)などの希土類添加光ファイバ増幅器や半導体光増幅器、光ファイバラマン増幅器などの光増幅器の増幅波長帯域によって制限されている。一般に広く用いられているC−bandのEDFAの波長帯域は1530nm〜1560nmの30nmであり、周波数幅では3.8THz程度である。L−band光増幅器やラマン増幅器を用いることでこの範囲を数倍に拡大することはできるものの、励起効率の低下によるコスト増や光アンプの性能低下などを生じてしまう。
【0003】
このような有限の波長帯域をさらに有効に活用し伝送容量を増大する手段として、光信号の持つ信号帯域幅を削減し、光信号(光チャネル)をさらに密に配置することによって光信号の周波数(波長)密度を向上する手段がある。本発明で取り扱う光片側サイドバンド変調方式はこの一手法である。本技術は無線通信などで広く用いられているものの、光ファイバ通信においては現在までに実用化された例はなく、学会などで基礎的な検討がなされている状況である。代表的な手法としては、電気領域で信号処理を行って直接に光片側サイドバンド信号を生成する光片側サイドバンド変調方式(SSB)方式、および、光フィルタを用いて両側サイドバンド光信号のうちどちらか一方のサイドバンドを切り出し、他方を除去することによって伝送帯域をおよそ1/2に低減する光残留片側サイドバンド変調方式(VSB)が提案されている。
【0004】
一方、光信号のデジタル強度変調方式としては、通常、NRZ(ノン・リターン・トゥ・ゼロ)方式および、RZ(リターン・トゥ・ゼロ)方式の2通りが用いられている。前者は光変調器の構成が簡単という利点を持つが、後者は光ファイバの非線型効果や偏波モード分散に対する耐力が大きく、また狭帯域光フィルタリングを行っても波形劣化を生じにくいという特徴を持っており、近年の大容量波長多重伝送において注目されている。しかしながら、一般にRZ変調はNRZ変調に比べ大きな信号帯域幅を必要とするため、周波数密度を高めることが難しく、周波数利用効率において不利となってしまう。
【0005】
本発明では、RZ信号を片側サイドバンド化することによって、光信号帯域を半減する技術を取り扱う。以下では、まず従来の2つの片側サイドバンド変調方式をRZ変調方式に適用した例を示し、従来方式の問題点を示す。
【0006】
従来のSSB変調方式は主としてNRZ変調方式への適用が検討されている。図4は、この従来のSSB方式を仮にRZ変調光送信器に適用した例である。本例では、互いに逆相のNRZデータ信号(QとQ')をそれぞれまずRZ信号生成回路112−1、112−2に入力し互いに逆相のRZ電気信号に変換する。RZ信号生成回路は例えばクロック信号をデータ信号でゲートすることなどで実現できる。SSB信号生成回路113内では、逆相信号Q'(−180度)の位相を90度位相器110で90度移相し、位相−90度のデータ信号を生成する。加算器111−1では本信号と正相信号Q(0度)をベクトル加算し、位相−45度の駆動信号106−1を生成する。一方、加算器111−2は上記位相−90度の信号と逆相信号Q')をベクトル加算し、位相−135度の駆動信号106−2を生成している。2つの駆動信号106−1、106−2は全周波数範囲で互いに信号位相が90度ずれており、これを両相駆動マッハツェンダ型光変調器の各電極に印加することによって、レーザ光源100から出力されたレーザ光(波長λ)を強度変調して、RZ片側サイドバンド信号を生成することが可能となる。なお移相器102は、製造上の誤差などによる両駆動信号106−1、106−2の経路長差を補償するものである。図5はこのようにして生成した片側サイドバンド信号の光スペクトルの例である。元の信号波長はλであり、データ信号の変調により通常のRZ信号では両側におよそRbの幅で光信号スペクトルが拡大するが、本例ではSSB変調の効果によって、長波長側のサイドバンドの強度が10dB以上抑圧されている。理論的には100%の抑圧が可能である。
【0007】
しかしながら本方式では、高周波の信号処理が必要となるため波形劣化が大きく、2つの駆動信号106−1、106−2の対称性が崩れ、完全なサイドバンド抑圧が困難である。典型的には図5のように片側のサイドバンドの抑圧度が10dB程度となる例が多いが、実用的なWDM伝送においては20dB以上の抑圧度を得ないと隣接チャネルからの干渉が生じ信号品質が劣化するため、本方式の実現の妨げとなっている。また本方式では複雑な変調回路が必要なため、送信器が高価になるという問題点がある。特にRZ信号はNRZ信号に比べて2倍近い電気信号帯域を持つためより高い周波数での信号処理が必要となり、高価な高周波部品がさらに多く必要となる。また、90度位相器110は数学的にはヒルベルト変換を行う回路であるが、現在のところ全周波数範囲でこの変換を行う回路を作成することは非常に困難である。実験的には90度ハイブリッドなどのマイクロ波部品を用いて近似することがあるが、この場合、信号の低周波成分が失われる問題がある。このため、通常の光通信に用いられるデジタル信号をSSB変換できず、実用上の大きな問題となっている。
【0008】
図6は従来のVSB方式を適用したRZ変調片側サイドバンド光送信器の例である。レーザ光源100の出力光(波長λ)は、光パルス生成用光変調器120に入力される。本光変調器は正弦波クロック信号(周波数Rb)で駆動されており、その結果、強度変調された繰り返し周期Rbの光パルス列が図のA点に出力される。図7は図6の各点における光信号のスペクトルである。図7(a)はA点の光スペクトルであり、光パルス列のスペクトルは波長λの中心キャリアの両側にRbずつ離れたサイドバンドを持つ。光パルス列はさらに、ビットレートRbのNRZ電気情報信号で駆動されたNRZ光変調器103に入力されてゲーティングされ、RZ光信号に変換される。図7(b)は本RZ光信号のスペクトルであり、情報信号変調によってスペクトルが拡大している。その後光信号はVSB用狭帯域光フィルタ121によってフィルタリングされ、残留サイドバンド信号に変換されて光ファイバ105から出力される。VSB用狭帯域光フィルタ121の透過特性は図7(c)に示すように、信号の片側サイドバンド(ここでは短波長側)のみを透過するように、帯域幅が信号スペクトルのおよそ1/2に、また中心波長が光信号の中心波長λに比べて短波長側にずらされている。これによって点Cにおける出力光信号は図7(d)のように長波長側のサイドバンドが抑圧され、帯域幅が約1/2に圧縮される。
【0009】
このような従来の技術を用いたVSB光送信器には以下に示す多くの問題が存在する。まず本方式では、両側サイドバンド光信号の片側サイドバンドと中心キャリアの一部を光フィルタで切り取ってしまうため、光損失の損失が大きく(最低でも3dB)、また中心キャリアの損失で受信時の信号振幅が低下し受信感度が劣化するという問題がある。
【0010】
さらに出力光信号のスペクトル形状はVSB用狭帯域光フィルタの形状で決まるため、光フィルタの形状や帯域幅誤差があると波形劣化が生じ、受信感度が劣化するという問題がある。これらを数GHz(信号ビットレートの10分の1程度)のオーダで制御するのは非常に困難である。また、光信号の波長と、狭帯域フィルタの透過帯域の中心波長の間隔も非常に高精度(信号ビットレートの10分の1程度;数GHz)に設定されている必要があり、両者が誤差を生じると受信感度劣化や隣接波長へのクロストークなどの特性に大きな劣化を生じる。特に、このような光フィルタの中心部からずれた位置への光信号の波長安定化は、入力光信号の強度変化や透過特性の経年変化などによる外乱の影響を受け制御誤差を生じやすいという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決した実用的なRZ変調方式の光片側サイドバンド光送信器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題のうち、従来のSSB方式ではヒルベルト変換回路の実現が困難な点や、波形劣化が大きくなる点、送信器が複雑・高価になる点については、本方式ではクロック周波数の正弦波信号についてのみ90度の位相差を付与すれば済むため問題が生じない。正弦波信号では、電気的な遅延線や位相器によって安価かつ簡易に90度の位相差を付与できる。さらに本発明では光源・変調器の一部に半導体などを用いた集積化光源や市販のNRZ送信器などで置きかえることが可能であり、構成の簡素化と低コスト化を実現できる。
【0013】
また、2つの駆動信号の対称性の崩れについても、本方式では帯域幅の狭い正弦波信号についてのみ対称性を維持すればよいため、簡単に回避できる。またサイドバンド抑圧比の低下についても、本方式ではクロック成分に対するSSB変調と、狭帯域光フィルタによる信号の片側サイドバンドの抽出(VSB方式)を併用することで回避できる。
【0014】
また従来のVSB光送信器における問題である、狭帯域光フィルタの損失が大となる点や受信時の信号振幅の低下や受信感度の劣化に関しては、あらかじめクロック成分についてのみ信号をSSB化しておくことによって、狭帯域光フィルタによって除去される成分を減らすことによって解決できる。
【0015】
さらに光フィルタの形状や帯域幅誤差による、波形劣化や受信感度が生じる問題についても同様に解決される。RZ信号波形は主としてクロック成分によって波形が決まるため、狭帯域光フィルタによって除去されるキャリア成分が少ない場合には波形劣化が小さく抑えられるためである。
【0016】
また光信号の波長と、狭帯域フィルタの透過帯域の中心波長の間隔を高精度(信号ビットレートの10分の1程度;数GHz)に波長安定化する問題についても、本発明ではサイドバンド抑圧比や波形に最も影響するキャリア成分があらかじめ抑圧されているため、波長安定化精度が多少劣化しても問題がない。また光信号の中心に対してオフセットした位置に光フィルタを安定化する複雑な制御が必要な点についても、本発明ではあらかじめキャリア成分を抑圧して重心位置をずらした光信号を光フィルタに入力するため、光信号のフィルタ透過強度が最大となるような最大値制御を用いることで解決できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態を示す構成図であり、本発明の光片側サイドバンド送信器の構成を示している。本構成ではレーザ光源100の出力光(波長λ)は両相駆動マッハツェンダ光変調器101に入力され、ついでその出力光はさらにNRZ光変調器103に入力されている。両相駆動マッハツェンダ光変調器101の2つの電極には、電気領域の正弦波クロック信号(周波数はRb:ビットレートに等しい)を2分岐した2つの駆動信号106−1、106−2が印加されている。これらの2つの駆動信号は、互いに振幅が等しく強度変調が生じるように直流バイアス成分が加えられており、また移相器102(遅延線)によって互いに位相が90度ずらされている。この結果、レーザ光は片側サイドバンド(SSB)の強度変調された繰り返し光パルス列に変換される。この原理は、通常の電気/光信号の変調に用いられる片側サイドバンド変調と同じものであるが、本例では変調信号が正弦波であるため、どちらか一方の信号を位相器を用いて遅延するだけで簡単に2つの駆動信号106−1、106−2の位相を90度ずらし、片側サイドバンド信号を生成することができる。
【0018】
図2(a)は図1のA点(両相駆動マッハツェンダ光変調器101の出力点)における光信号のスペクトルを示している。上記の片側サイドバンド変調の効果によって、光信号の中心キャリア(波長λの成分)から上下に変調周波数Rbだけ離れた周波数に生成されるキャリア成分のうち、片側(本例では長波長側)が、例えば10dB以上抑圧できる。
【0019】
NRZ光変調器103には、光パルスの周期に同期したNRZデータ信号が加えられ、光パルス列をデータ信号に応じてON/OFFすることによってRZ光信号を生成する。この過程はSSB変調条件を行わないため、NRZ光変調器103の出力点(点B)における光信号の光スペクトルは図2(b)のようにデータ信号によって斜線のように両側変調サイドバンドが生じる。
【0020】
この光信号はさらに狭帯域光フィルタ104に入力される。光フィルタ104の透過特性は図2(c)に示すように、光信号のスペクトル幅より透過幅の狭いバンドパスフィルタであり、透過中心波長が光信号の短波長側のサイドバンドに重なるようにずらされている。本光フィルタを透過した光信号は、図2(d)のように長波長側の光スペクトルが抑圧され、データ変調部及びキャリア部分がともに片側サイドバンド(もしくは残留サイドバンド)変調信号に変換され、光信号帯域が圧縮される。
【0021】
図3は20Gbit/sRZ光変調における実験で実際に得られた光スペクトルと波形を示している。本例では両相駆動マッハツェンダ光変調器103は互いに90度位相のずれた20GHzの正弦波電気信号で駆動されており、出力点(A点)では、図3(a)のように、長波長側(下側)サイドバンドがおよそ20dB弱抑圧され片側サイドバンド化されていることがわかる。また時間波形は、右図のように20GHzの繰り返し光パルスとなっている。さらにNRZ光変調器103の出力点Bにおいては、光信号の波形は図2(b)右のようにRZ光信号に変換されている。この点においても、キャリア成分に対しては図2(b)左図のように約10dBの抑圧効果があることがわかる。一方、図3(c)は通常のRZ光変調を行った場合であり、両相駆動マッハツェンダ光変調器103の2つの駆動信号として位相の等しい20GHz正弦波電気信号が加えられている。この場合には、波形(右)はほとんど図2(b)と同じものの、光スペクトル(左)は完全に上下対称になることが確認できる。図2(b)のように本発明ではあらかじめ、RZ光信号のキャリア部分を電気的にSSB化し、さらに光フィルタによってデータ変調部をVSB化するとともにキャリア部分のサイドバンド抑圧度を高めることができる。
【0022】
上記のように本発明では、信号間に90度の位相差を保つ必要があるのは正弦波変調部だけであるため、従来のSSB方式で必要であった高価で実現困難な90度ハイブリッド回路を用いる必要がなくなっている。またさらに光VSB方式を単独で用いた場合に比べても、キャリア部に関してサイドバンド抑圧比が高まること、あらかじめキャリア部がSSB化されているため狭帯域光フィルタ113における損失や、光信号の波形変化が極めて小さく押さえられるという利点がある。
【0023】
本発明においては2つの正弦波駆動信号106−1、106−2の位相を90度ずらす必要があるが、これは本実施形態のように位相器や遅延線、遅延回路を用いて設定可能である。これは、あらかじめ所定量の遅延を挿入する形態や、また必要に応じて手動で調整する形態や、2つの信号の位相差を検出して自動調整を行う形態であっても構わない。
【0024】
なお本発明の第1の光変調器であるマッハツェンダ光変調器101としては、両相駆動マッハツェンダ型光変調器であれば、リチウム・ナイオベイト、ポリマー、半導体などどのような材質で構成されたのものでも適用可能である。本実施形態ではクロック成分についてのみSSB化を行うため、従来のSSB方式で必要であった全帯域にわたって対称性の高い高精度な光変調器を必要とせず、半導体マッハツェンダ型光変調器のように多少変調特性の劣るものを用いることも可能である。なお、第2の光変調器としては、NRZ強度変調が可能であればどのような方式の光変調器も使用可能である。
【0025】
また本例では、長波長側のサイドバンドを抑圧する例を示したが、短波長側のサイドバンドを抑圧するようにしても本発明の効果は同じである。これは、両相駆動マッハツェンダ光変調器101に加える2つの駆動信号106−1、106−2の位相を逆方向に90度ずらし、さらに狭帯域光フィルタの中心波長を長波長側にずらすことによって実現できる。なお、これらは2つの駆動信号106−1、106−2の位相関係、および光フィルタの中心波長もしくはレーザ光源100の波長を動的に調整することによって使用時に切替可能とすることもできる。これは、位相器102を可変位相器に、また狭帯域光フィルタ104を波長チューナブル光フィルタとするかレーザ光源100を波長チューナブル光源とすることによって簡単に実現可能である。
【0026】
狭帯域光フィルタ104には、狭帯域特性なバンドパスフィルタであれば、誘電体多層膜フィルタや、光ファイバグレーティングなど基本的にどのようなものでも使用可能である。特に後述の波長多重形態においては、ファブリーペロー光共振器やマッハツェンダ型光干渉計、光リング共振器など、周期的な透過特性を持つ狭帯域光フィルタを用いることで複数の波長の光信号を一括してフィルタリングすることも可能である。
【0027】
また本例では、模式的に各光部品が光ファイバを用いて結合されるように示しているが、必ずしもこの限りではない。たとえば空間中を伝播する平行ビームを用いて各素子を結合したり、導波路を用いて結合することも可能である。また各素子を隣接して並べる場合には必ずしも必要としない。
【0028】
図8は、本発明の第2の実施形態であり、互いに送信波長の異なる本発明のRZ片側サイドバンド光送信器107−1、107−2、…107−Nの出力光(それぞれ波長λ1、λ2、…λN)を、光合波器122を用いて合波することによって波長多重RZ片側サイドバンド光送信器を実現した例である。図9は、図8の出力光ファイバに出力される光信号のスペクトルである。本発明では、RZ光信号が電気信号処理と光フィルタによって片側サイドバンド化され、十分なサイドバンド抑圧比が得られているため、各波長チャネルの波長間隔を密とし、高密度波長多重伝送を実現することができる。
【0029】
図10は本発明の第3の実施形態であり、本発明の第1の実施形態のRZ片側サイドバンド変調信号をさらにビット偏波多重し、伝送容量を倍増した例である。両相駆動マッハツェンダ光変調器103から出力されたSSB光パルス列(周波数f)は、光分岐器131で2分岐されそれぞれNRZ光変調器103−1、103−2に入力され、それぞれ独立のNRZデータ信号(ビットレートf)によって強度変調されてRZ光信号となり、光経路133−1、133−2に出力される。光経路133−2の途中には、光移相器132が配置され両RZ信号の時間差がちょうど1/2ビット(本例では1/(2f))に等しくなるように調整する。図11(a)、(b)はそれぞれ、光経路133−1、133−2から出力されるRZ光信号の波形を示している。両光信号は偏波ビームスプリッタ134に入力され、互いに偏波が直交するように合波される。図11(c)は偏波ビームスプリッタ134の出力点Bにおける波形であり、本信号は奇・偶ビットごとに偏波状態が時間的に交互に変化する、ビット偏波インタリーブ波形(ビットレート2f)となっている。さらに本波形を狭帯域光フィルタ104に入力し、片側サイドバンドのみを抽出してサイドバンド抑圧比を高めることで、SSB状態のビット偏波インタリーブ信号を得ることが可能となる。このように偏波領域を利用した多重方式と本発明の片側サイドバンド変調方式を組み合わせることによって、光周波数の利用効率を2倍にするとともに、2つの信号間で狭帯域光フィルタ104を共用し、送信器コストを低減することが可能となる。また、狭帯域光フィルタ104とレーザ光源100の出力光の波長安定化回路も共有されるため、送信器の構成が簡素化されるメリットがある。
【0030】
本例ではビット偏波多重の例を示したが、偏波領域を利用した多重であれば、例えば、直交偏波成分間のビット位相をずらさずにそのまま多重する通常の偏波多重方式他の方式にも適用可能である。また、光フィルタや波長安定化回路の共用は不可能となるが、隣接チャネルごとに偏波を直交するインタリーブ多重などにも適用可能である。
【0031】
図12は本発明の第4の実施形態であり、図8の第2の実施形態における複数の波長の異なるRZ片側サイドバンド光送信器107−1〜107−N間で、互いに共通な要素である両相駆動マッハツェンダ光変調器101を共有し、光変調器の数を低減して低コスト化を図ったものである。本例では、各レーザ光源100−1〜100−Nから出力された波長λ1〜λNのレーザ光は光合波器122で合波され一本の光ファイバから出力され、共通の両相駆動マッハツェンダ光変調器101によって光パルス列に変換される。光パルス列は光分波器135によって再び各波長成分λ1〜λNに分離され、それぞれNRZ光変調器103−1〜103−Nに入力され、互いに異なるデータ信号によって変調されたのちに、狭帯域光フィルタ104−1〜104−NによってVSB化されたのちに再び光合波器122−2によって合波されて出力光ファイバ123に出力される。一般にマッハツェンダ光変調器は変調光帯域が数10〜数100nmと極めて広いため、本例のように複数の波長の異なる光信号を一括して変調することが可能である。なお光合波器122−1、122−2としては、複数の波長の光信号を合成して一本の光ファイバに出力する機能があれば必ずしも波長依存性のあるデバイスでなくてもかまわない。例えば一部もしくは全部を光カプラや光スターカプラなどのデバイスで構成することも可能である。
【0032】
図13は本発明の第5の実施形態であり、本発明の第1の実施形態におけるNRZ光変調器103と両相駆動マッハツェンダ光変調器101の位置を前後逆にした形態である。本例では、レーザ光源100から出力されたレーザ光は、NRZ光変調器103によって強度変調されたのちに、両相駆動マッハツェンダ光変調器101に入力される。この結果得られるRZ強度変調された光信号は、さらに狭帯域光フィルタ104でRZ片側サイドバンド光信号に変換される。本例における2つの駆動信号106−1、106−2の位相関係や駆動条件は、第1の実施形態と同一である。このように、2つの変調器の位置関係を逆にした例では、レーザ光源100とNRZ変調器103の部分に、従来より広く光通信で用いられており入手の容易なNRZ光送信器や、両者が同一のパッケージ内や同一の半導体チップ上に集積化された半導体集積化光源などを適用することが可能となる。
【0033】
また、NRZ変調器103を省略し、レーザ光源100の電流をNRZデータ信号で変調する直接変調レーザを適用することもできる。通常、半導体レーザの直接変調は周波数広がり(周波数チャープ)が大きく、高速の波長多重通信に適用することは困難だが、本例では狭帯域光フィルタ104によって余分な周波数チャープ成分を除去し伝送特性を改善することが可能となる。また、レーザの変調方式は強度変調である必要はなく周波数変調であっても構わない。これは狭帯域光フィルタ104によってNRZ信号のマーク成分に対応した周波数成分のみを取り出すことによって、NRZ変調と同じ効果を実現できるからである。半導体レーザにおいては強度変調より周波数変調時の方が、周波数チャープが各段に小さくなるため、狭帯域光フィルタ104によって削られる不要な周波数チャープ成分が減り、出力光強度やサイドバンド抑圧度などの伝送特性を向上することが可能となる。
【0034】
図14は本発明の第6の実施形態であり、第5の実施形態の光送信器を波長多重化する際に互いに共通な要素である両相駆動マッハツェンダ光変調器101を共有し、光変調器の数を低減して低コスト化を図ったものである。本例では、各レーザ光源100−1〜100−Nから出力された波長λ1〜λNのレーザ光はそれぞれNRZ光変調器103−1〜103−Nに入力され、互いに異なるNRZデータ信号によって変調されたのちに、狭帯域光フィルタ104−1〜104−NによってVSB−NRZ光信号に変換される。その後、各光信号は光合波器122で合波され一本の光ファイバから出力され、全波長に共通の両相駆動マッハツェンダ光変調器101によって片側サイドバンドRZ信号に変換される。本例では、前述の第4の実施形態の波長多重送信器に比べ、光合波器・光分波器の数を削減することができるので、必要なコスト及び、合分波時に生じる損失・波形劣化を低減することが可能となる。
【0035】
なお本実施形態においても、合波器122は波長依存性のない光カプラなどで代用することが可能である。また必要に応じて、合波後に波長に対して周期的な透過特性を持つ光フィルタを用いてこれら複数の光信号を一括してフィルタリングし、サイドバンド抑圧特性を高めるなどの手段を追加することが可能である。またさらに本波長多重光送信器から得られた波長多重光信号を、一組以上の他の波長多重送信器と組み合わせ、偏波多重や波長インタリーブ多重を行っても構わない。
【0036】
図15は本発明の第7の実施形態であり、両相駆動マッハツェンダ光変調器101の代わりに用いることが可能な、SSB光パルス生成用片側駆動マッハツェンダ光変調器148の構成を示したものである。本例では2つ正弦波駆動信号106−1、106−2を同一の位相状態で印加できる構成として駆動信号数を減らし、さらに電気領域の位相器102を不要としたものである。入力光140は、光分岐部143で2つの光導波路に分離され、それぞれ電気光学効果などで位相変調された後に光カプラ部145で合成されて出力光147として出力される。2つの光導波路にはそれぞれ遅延導波路144−1、144−2が挿入されており、それぞれの遅延量はちょうど正弦波クロック信号の90度分(遅延時間T=1/4/Rb)である。この遅延導波路によって、電極142−1〜3によって2つの光導波路に印加される電界146の位相が互いに90度ずれるように構成され、上記の実施形態における駆動信号の位相を互いに90度ずらすのと同じ効果が得られる。本例では、さらに電極構造を工夫することで両相駆動の必要をなくしている。例えば本例では、市販の単一電圧駆動のゼロチャープマッハツェンダ光変調器同様、共通の電極142−3から、電気的に接続された2つの電極142−1、142−2に対し反対方向の電界146を2つの導波路に同時に印加するようにして、2つの導波路に反対方向の光位相変調を引き起こすことができる。このため、逆位相の駆動信号を用いずとも両相駆動マッハツェンダ変調器101と同一の効果を得ることができる。
【0037】
図16は本発明の第8の実施形態であり、第5の実施形態におけるレーザ光源100とNRZ光変調器103を、半導体光変調器集積化光源150に置き換えた例である。半導体光変調器集積化光源150内の半導体レーザ光源151の出力光は、吸収型半導体光変調器152によってNRZ変調されるので、必要な部品数を減らしながら第5の実施形態と完全に同一の効果が得られる。本実施形態と同様に、他の実施形態においても必要に応じて複数の縦続接続された光部品を同一チップや同一パッケージ内に集積化された集積化光部品と置きかえることが可能である。例えば第5の実施形態では、NRZ変調器103と両相駆動マッハツェンダ光変調器101の2つを集積化素子に収めることも可能である。また第1の実施形態においては、レーザ光源100と両相駆動マッハツェンダ変調器101を、もしくは両相駆動マッハツェンダ変調器101とNRZ変調器103を集積化素子と置きかえることが可能である。
【0038】
図17は本発明の第9の実施形態であり、本発明の第5の実施形態におけるレーザ光源100とNRZ光変調器103と両相駆動マッハツェンダ光変調器101の3者を、半導体半導体多段光変調器集積化光源153に置き換えた例である。本例の半導体多段光変調器集積化光源153は、NRZ光変調器103と両相駆動マッハツェンダ光変調器101の接続順序を逆にすれば、第1の実施形態にも適用することが可能である。
【0039】
図18は本発明の第10の実施形態であり、第1の実施形態における狭帯域光フィルタに本発明の波長安定化手法を適用した例である。本例では、光分岐器160によって狭帯域光フィルタ104を透過した光信号の一部を抽出し、これを光検出器161に入力し、光強度に対応した電気信号である検出信号162に変換する。最大値制御回路163は、検出信号162の強度を観測し、この強度が最大となるような方向に制御信号164をフィードバック制御する。図19は図18における光信号のスペクトルと光フィルタの透過特性の関係を示している。本発明の、狭帯域光フィルタの直前の点である図10のB点における光信号のスペクトルでは、図19(a)のようにキャリア成分の片側サイドバンド(本例では長波長側)が抑圧されている。このため、光信号スペクトルの重心点は他方のサイドバンド(本例では短波長側)にずれており、狭帯域光フィルタ104を透過する光信号の強度が最大となるのは、狭帯域光フィルタ104の波長がおよそ光信号の重心に合致した状態(図19(b))である。このため上記の最大値制御によって、一方の片側サイドバンド(本例では短波長側)のスペクトル成分のみを抽出し、図19(c)のように片側サイドバンド光信号を生成することが可能となる。最大値制御の場合、光信号強度やフィルタ損失などが変化しても制御点が変化しないため、従来のVSB方式のような光フィルタの中心周波数と信号の重心位置をずらした制御に比べて制御誤差が生じにくいという利点がある。また本発明ではRZ信号のサイドバンドスペクトルで最も強度の高いキャリア成分があらかじめ抑圧されているため、多少光フィルタの位置がずれてもサイドバンド抑圧比が大きく劣化せず有利である。
【0040】
本実施形態では、狭帯域光フィルタ104の中心波長を制御する例を示したが、レーザ光源100に波長を制御しても構わない。この場合、レーザ光源100の駆動電流や温度に制御信号164をフィードバックすることでレーザ光源の波長を変えることが可能である。またレーザ光源100に波長可変レーザを用いる場合には、波長可変レーザの共振器長や位相調整用電流などに制御信号をフィードバックしても構わない。本制御方式は、本実施形態に限らず、本発明の他の実施形態と組み合わせて用いることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の実施例では、従来のSSB方式で必要であった実現困難なヒルベルト変換回路やそれに対応する高周波信号処理が不要となるため、送信信号の波形劣化を抑え、簡易・安価なRZ光片側サイドバンド光送信器を提供できる。
【0042】
さらに本発明の実施例では光源・変調器の一部を半導体などを用いた集積化光源や市販のNRZ送信器などで置きかえることが可能であり、さらなる構成の簡素化と低コスト化を実現できる。
【0043】
またキャリア成分に対するSSB化と狭帯域光フィルタを共用することによって、サイドバンド抑圧比を高めることが可能となる。さらにキャリア成分があらかじめSSB化された信号にVSB方式を適用するので、従来のVSB光送信器における問題であった、狭帯域光フィルタの損失を小とし受信時の信号振幅の低下や受信感度の劣化を低減することができる。また光信号のフィルタ透過強度が最大となるような最大値値制御を用いることで、制御方式を簡素化しかつ制御精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1における光信号のスペクトルと光フィルタの透過特性を示す図である。
【図3】本発明のRZ−SSB変調実験で得られた光スペクトルと光波形を示す図である。
【図4】従来のRZ変調にSSB変調を適用した例を示す図である。
【図5】図4における光信号のスペクトルを示す図である。
【図6】従来のVSB方式を適用したRZ変調片側サイドバンド光送信器の例を示す図である。
【図7】図6における光信号のスペクトルと光フィルタの透過特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図9】図8の出力光信号のスペクトルを示すである。。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図11】図10における光信号の偏波状態と波形を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施形態を示す図である。
【図14】本発明の第6の実施形態を示す図である。
【図15】本発明の第7の実施形態を示す図である。
【図16】本発明の第8の実施形態を示す図である。
【図17】本発明の第9の実施形態を示す図である。
【図18】本発明の第10の実施形態を示す図である。
【図19】図18における光信号のスペクトルと光フィルタの透過特性を示す図である。
【符号の説明】
100・・・レーザ光源、101・・・両相駆動マッハツェンダ光変調器、
102・・・移相器、103・・・NRZ光変調器、104・・・狭帯域光フィルタ、
105・・・光ファイバ、106・・・駆動信号、107・・・RZ片側サイドバンド光送信器、
110・・・90度位相器(ヒルベルト変換器)、111・・・加算器、112・・・RZ信号生成回路、
113・・・SSB信号生成回路、
120・・・光パルス生成用光変調器、121・・・VSB用狭帯域光フィルタ、
122・・・光合波器、123・・・出力光ファイバ、
130・・・ビット偏波インタリーブRZ光片側サイドバンド変調器、
131・・・光分岐器、132・・・光移相器、133・・・光経路、134・・・偏波ビームスプリッタ、
135・・・光分波器、
140・・・入力光、141・・・光導波路、142・・・電極、143・・・光分岐部、
144・・・遅延導波路、145・・・光カプラ部、146・・・電界、147・・・出力光、
148・・・SSB光パルス生成用片側駆動マッハツェンダ光変調器
150・・・半導体光変調器集積化光源、151・・・半導体レーザ光源、
152・・・吸収型半導体光変調器、
153・・・半導体多段光変調器集積化光源、154・・・半導体マッハツェンダ光変調器
160・・・光分岐器、161・・・光検出器、162・・・検出信号、
163・・・最大値制御回路、164・・・制御信号。

Claims (8)

  1. レーザ光源と、第1および第2の光変調器と、光フィルタとを有し、
    下記(1)又は(2)のいずれか一方の順序で片側サイドバンド化されたRZ(リターン・トゥ・ゼロ)変調光を得るものであり、かつ、
    前記第1の光変調器としてマッハツェンダ型光変調器を用い、デジタル情報信号のビットレートに等しい2つの正弦波電気信号を、前記マッハツェンダ型光変調器の2つの光経路にそれぞれ設けられた電極に、互いに位相を90度ずらして印加することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
    (1)前記レーザ光源からの出力であるレーザ光を前記第1の光変調器へ入力して片側サイドバンド変調された周期的光パルス列に変換し、
    前記第1の光変調器の出力である前記周期的光パルス列を前記第2の光変調器へ入力し、デジタル情報信号で強度変調し、その出力を前記光フィルタによって片側サイドバンド化する。
    (2)前記レーザ光源からの出力であるレーザ光を前記第2の光変調器へ入力して前記デジタル情報信号でNRZ(ノン・リターン・トゥ・ゼロ)強度変調し、
    前記第2の光変調器の出力である前記NRZ強度変調された光信号を前記第1の光変調器へ入力し、前記第1の光変調器によって前記光信号を片側サイドバンド変調された周期的光パルス列に変換し、その出力を前記光フィルタによって片側サイドバンド化する。
  2. 請求項1の光信号を波長多重することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  3. 請求項1の前記第1のマッハツェンダ型光変調器としてLN光変調器、ポリマー光変調器、もしくは半導体光変調器を用いることを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  4. 請求項1の光片側サイドバンド送信器において、少なくともひとつ以上の光分岐器と光検出器と最大値制御回路を備え、前記光フィルタから出力される光信号の一部を光分岐器によって分岐したのち、光検出器によって電気信号に変換し、前記電気信号を最大値制御回路に入力し前記電気信号の強度が最大となるように、信号光源より出力される光信号の周波数もしくは前記光フィルタの中心周波数を制御することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  5. 少なくとも互いに波長の異なる複数のレーザ光源と第1の光変調器と光分波器と2つ以上の第2の光変調器と光フィルタを備え、デジタル情報信号によって強度波形がRZ(リターン・トゥ・ゼロ)変調された光信号を送出する光送信器において、
    前記複数のレーザ光源から出力された波長の異なるレーザ光を合波して第1の光変調器に入力し、第1の光変調器で同時に片側サイドバンド変調された周期的光パルス列に変換した後に、前記光分波器で波長ごとに分波したのちに、それぞれの波長の光パルス列を第2の光変調器によって情報信号で変調し、前記光フィルタによって片側サイドバンドを取り出して出力するものであり、
    少なくともひとつ以上の光分岐器と光検出器と最大値制御回路を備え、前記光フィルタから出力される光信号の一部を光分岐器によって分岐したのち、光検出器によって電気信号に変換し、前記電気信号を最大値制御回路に入力し前記電気信号の強度が最大となるように、信号光源より出力される光信号の周波数もしくは前記光フィルタの中心周波数を制御することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  6. 請求項の光片側サイドバンド送信器において、少なくともひとつ以上の光分岐器と光検出器と最大値制御回路を備え、前記光フィルタから出力される光信号の一部を光分岐器によって分岐したのち、光検出器によって電気信号に変換し、前記電気信号を最大値制御回路に入力し前記電気信号の強度が最大となるように、信号光源より出力される光信号の周波数もしくは前記光フィルタの中心周波数を制御することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  7. 少なくとも互いに波長の異なる複数のレーザ光源と第1の光変調器と2つ以上の第2の光変調器および1つ以上の光フィルタを備え、デジタル情報信号によって強度波形がRZ(リターン・トゥ・ゼロ)変調された光信号を送出する光送信器において、
    前記複数のレーザ光源から出力された波長の異なるレーザ光をそれぞれの波長に対応した第2の光変調器で情報信号でNRZ(ノン・リターン・トゥ・ゼロ)変調した後に前記光フィルタによって片側サイドバンドを取り出し、これらの光信号を合波して第1の光変調器に入力し、第1の光変調器で同時に片側サイドバンド変調された周期的光パルス列に変換して出力することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
  8. 請求項の光片側サイドバンド送信器において、少なくともひとつ以上の光分岐器と光検出器と最大値制御回路を備え、前記光フィルタから出力される光信号の一部を光分岐器によって分岐したのち、光検出器によって電気信号に変換し、前記電気信号を最大値制御回路に入力し前記電気信号の強度が最大となるように、信号光源より出力される光信号の周波数もしくは前記光フィルタの中心周波数を制御することを特徴とした光片側サイドバンド送信器。
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