JP3975218B2 - プラスチック成形機の冷却システム - Google Patents
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Description
最近では、プラスチック成形の省エネルギー化による製造コスト低減や高精度化を目的として、プラスチック成形機が、従来の油圧駆動式から電動モータ駆動式へと急速に変化してきている。プラスチック成形機を電動モータ駆動式にすることによって、油圧駆動式で使用されていたオイルクーラが必要なくなり、冷却熱量負荷が少なくなる。
また、最近のプラスチック成形品では、精密成形品が多くなってきている。精密成形品は、通常の成形品より高い金型温度(例えば60℃〜80℃)で成形するものが多く、そのために冷却水温が高くても成形が可能になっている。
また、従来使用されてきた冷却塔には、開放式冷却塔と密閉式冷却塔が存在するが、開放式冷却塔では、空気中からの汚染物質や藻等の発生によって冷却水中の不純物が濃縮蓄積して機器に悪影響を及ぼすという問題点があった。また、密閉式冷却塔では、冷却水が大気に触れない分、冷却水中に不純物が蓄積するのを防止できるが、密閉式冷却塔内に散水用ポンプとその散布水を循環させる配管が存在しているので、構造が複雑であった。さらに、散布水を補充しなければならないという問題点があった。
また、従来の冷却システムは、季節,時間帯による温度変化や寒冷地における使用等で外気温度が0℃以下になった場合、配管内の冷却水をヒータにて温めながら循環させ、冷却水の凍結防止を図っていた。しかしながら、ヒータの使用は、動かすのに電気代等の多くのコストがかかるという欠点があった。
そこで、本発明は、従来の冷却塔を必要とせず、省エネルギー化を図り得るプラスチック成形機用の冷却システムを提供することを目的とする。
本発明に係る冷却システムは、従来の冷却塔の代わりに熱交換ユニットを使用し、従来の冷却塔に備わっていた散水ポンプ,散布水を循環させる配管等を省略することができ、冷却システムの簡素化を図り得る。また、散水ポンプ等を駆動させるエネルギーが必要なくなるので、省エネルギー化を図り得る。
また、冷凍機付水冷却機を熱交換ユニットと併用して使用することによって、外気温度が冷却設定温度より高くなる場合にも、対応することができる。
また、制御手段にて、熱交換ユニット単独で冷却可能な温度範囲では、多くの電力を消費する冷凍機付水冷却機をなるべく使用しないようにでき、より省エネルギー化を図り得る。
この第1実施形態に係る冷却システムは、冷却水Mを所定の温度に調整してプラスチック成形機2に供給する冷却調整手段3を備えている(なお、本発明において冷却水Mとは、通常の水に加えてケミカルクーラントも含むものとする)。
プラスチック成形機2は、例えば電動モータ駆動式が好ましく使用され、外部に設けられたヒータにより加熱される加熱シリンダ46と、加熱シリンダ46の内部に固形のプラスチック原料樹脂を導入するためのホッパー47と、加熱シリンダ46とホッパー47との間に設けられたホッパー下冷却部45と、金型を冷却する金型冷却部48, 48と、金型の開閉及び樹脂の射出動作を行なう駆動手段等を有している。
また、ホッパー下冷却部45と金型冷却部48, 48で昇温された冷却水Mは、戻り配管16を通じて、冷却水タンク4へ戻されるようになっている。
また、冷却水タンク4には、タンク内水温センサ35が付設されている。
空冷式熱交換ユニット6には、外気温度センサ32が付設され、空冷式熱交換ユニット6の水・空気熱交換器5へ冷却水Mを送る配管19の途中には、凍結防止温度センサ33が付設されている。また、空冷式熱交換ユニット6から冷却水タンク4へ冷却水Mを送る配管20の途中には、冷却水温度センサ34が付設されている。
また、制御手段8は、タンク内水温センサ35,冷却水温度センサ34,外気温度センサ32の情報に基いて、(第1切換え温度T1 ,第2切換え温度T2 を境として)空冷式熱交換ユニット6を動かすか、冷凍機付水冷却機7を動かすかを判断する。
臨時循環ポンプ9,排熱活用補助ポンプ12,臨時循環ポンプ31は、図3に示すように、制御手段8と電気的に接続されている。また、臨時循環ポンプ9,排熱活用補助ポンプ12,臨時循環ポンプ31は、制御手段8と電気的に接続される凍結防止温度センサ33の情報に基いて、制御されるようになっている。
第2実施形態では、このような既設の冷却調整手段3Aに、第1実施形態と同様の空冷式熱交換ユニット6が増設されている。そして、冷却水Mを冷却水タンク4と水・空気熱交換器5に循環させる第1通常循環ポンプ21と、冷却水Mの冷却設定温度T0 近傍の第1切換え温度T1 よりも外気温度が低い場合に熱交換ユニット6を使用し、かつ、冷却設定温度T0 近傍の第2切換え温度T2 よりも外気温度が高い場合に冷凍機付水冷却機7を使用するように制御する制御手段8も、増設されている。
さらに、システム全体休止状態下で、冷却水Mを冷却水タンク4と熱交換ユニット6と冷凍機付水冷却機7に循環させる駆動エンジン10付の臨時循環ポンプ9と、駆動エンジン10の排熱を凍結防止用熱量とするために冷却水Mを冷却水タンク4と駆動エンジン10のラジエータ13との間で循環させる排熱活用補助ポンプ12と、電動式の臨時循環ポンプ31と、を有する第1実施形態と同様の凍結防止手段も増設されている。
つまり、第2実施形態では、既設の冷却調整手段3Aを使用して、第1実施形態と同様の構成の冷却システムが構築されている。
また、第1,第2実施形態では、空冷式熱交換ユニット6を動かすときは第1通常循環ポンプ21を駆動させ、冷凍機付水冷却機7を動かす場合には第2通常循環ポンプ30を駆動させるように構成したが、本発明はこれに限らず、配管の途中に3方バルブを設ける等して、通常循環ポンプを1台としてもよい。
また、冷凍機付水冷却機7は、屋内・屋外のどちらに設置してもよい。
また、凍結防止手段14は冷却水Mを冷却水タンク4と熱交換ユニット6と冷凍機付水冷却機7に循環させる(あるいは、冷却水タンク4と熱交換ユニット6との間で循環させる)臨時循環ポンプ9と、駆動エンジン10のラジエータ13の排熱活用補助ポンプ12と、電動式の臨時循環ポンプ31と、)で構成したが、本発明はこれに限らず、容量を増加した1台のポンプ(及び分岐配管)によって構成してもよい。
また、制御手段8にて、熱交換ユニット6単独で冷却可能な温度範囲では熱交換ユニット6のみを使用することによって、多くの電力を消費する冷凍機付水冷却機7をなるべく使用しないようにでき、より省エネルギー化を図り得る。
3 冷却調整手段
4 冷却水タンク
5 水・空気熱交換器
6 熱交換ユニット
7 冷凍機付水冷却機
8 制御手段
9 臨時循環ポンプ
10 駆動エンジン
11 冷媒・水熱交換器
12 補助ポンプ
14, 38 凍結防止手段
M 冷却水
T0 冷却設定温度
Claims (2)
- 冷却水(M)を所定の温度に調整してプラスチック成形機(2)に供給する冷却調整手段(3)を備え、
上記冷却調整手段(3)は、上記冷却水(M)を貯留する冷却水タンク(4)と、該冷却水(M)が通る水・空気熱交換器(5)に室外空気を直接的に当てて該冷却水(M)を冷却する空冷式熱交換ユニット(6)と、冷媒・水熱交換器(11)にて該冷却水(M)を冷却する空冷式冷凍機付水冷却機(7)と、を有し、
さらに、上記冷却水(M)と外気温度を監視・比較し、上記冷却水(M)を所定の冷却設定温度(T0 )に維持するように制御すると共に、該冷却設定温度(T0 )よりも高く設定した第1切換温度(T 1 )よりも外気温度が低い場合に上記熱交換ユニット(6)を使用し、かつ、上記冷却設定温度(T0 )よりも低く設定した第2切換温度(T 2 )よりも外気温度が高い場合に上記冷凍機付水冷却機(7)を使用し、そして、上記第1切換温度(T 1 )と上記第2切換温度(T 2 )の温度範囲で、上記熱交換ユニット(6)と上記冷凍機付水冷却機(7)とを同時運転するように、制御する、制御手段(8)を、上記冷却手段(3)が具備していることを特徴とするプラスチック成形機の冷却システム。 - 上記冷却調整手段(3)は、システム全体休止状態下で、上記冷却水(M)を上記冷却水タンク(4)と上記熱交換ユニット(6)と上記冷凍機付水冷却機(7)に循環させる駆動エンジン(10)付の臨時循環ポンプ(9)と、該駆動エンジン(10)の排熱を凍結防止用熱量とするために該冷却水(M)を上記冷却水タンク(4)と該駆動エンジン(10)のラジエータ(13)との間で循環させる排熱活用補助ポンプ(12)と、を有する凍結防止手段(14)を備えた請求項1記載のプラスチック成形機の冷却システム。
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