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JP3974693B2 - 表面改質剤 - Google Patents

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JP3974693B2
JP3974693B2 JP26797297A JP26797297A JP3974693B2 JP 3974693 B2 JP3974693 B2 JP 3974693B2 JP 26797297 A JP26797297 A JP 26797297A JP 26797297 A JP26797297 A JP 26797297A JP 3974693 B2 JP3974693 B2 JP 3974693B2
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勝 尾崎
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Co Ltd
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  • Silicon Polymers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面改質剤に関し、詳しくは、耐熱性に優れた表面改質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子内にポリオキシアルキレン基を有するジオルガノポリシロキサンは、繊維表面に良好な平滑性や帯電防止性を付与することから、各種繊維の表面改質剤として利用されている(例えば、特開平2−127569公報、特開昭52−96297号公報、特開昭52−91994号公報および特開昭54−142400公報参照)。またこのポリオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンは各種有機樹脂に添加配合して、その表面特性を改質するための表面改質剤としても使用されている。例えば、農業用ビニルハウス等のフイルムに使用されている塩化ビニル樹脂中に添加配合して、このフィルムの防曇性や防霧性を向上させるための表面改質剤として使用されている(例えば、特公平3−2906号公報および特開昭55−91663号公報参照)。しかし、この種のポリオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンは一般に耐熱性に劣り、比較的低温度条件下で熱分解する等の欠点があった。このため、例えばこれを高温度条件下にさらされる合成繊維用油剤やフィルム添加剤等として使用した場合にその表面改質効果が低下するといった問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、耐熱性に優れた表面改質剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明は、一般式:
【化3】
Figure 0003974693
{式中、Rは1価炭化水素基であり、Bは、一般式:
−(R1b−O−(R4O)c−R5
(式中、R1は2価炭化水素基であり、R4は同種もしくは異種の炭素原子数1〜4の2価炭化水素基であり、R5は水素原子、1価炭化水素基、またはアシル基であり、bは0または1であり、cは1〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基含有有機基であり、Dは、一般式:
【化4】
Figure 0003974693
(式中、R1は2価炭化水素基であり、R2は1価炭化水素基またはアルコキシ基であり、aは0〜4の整数である。)
で表されるフェノール基含有有機基であり、Aは、R、B、およびDから選択される基であり、xは1〜500の数であり、yは1〜50の数であり、zは0〜50の数であり、かつ(x+y+z)は2〜500の数であり、但し、zが0である場合、AはDで示されるフェノール基含有有機基である。}
で表されるジオルガノポリシロキサンを主剤とするフィルム用の内部添加表面改質剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルム用の内部添加表面改質剤の主剤であるジオルガノポリシロキサンは、下記一般式で示される化合物である。
【化5】
Figure 0003974693
上式中、Rは1価炭化水素基であり、具体的には、炭素原子数1〜30のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基が代表的である。Bは一般式:−(R1b−O−(R4O)c−R5で表されるポリオキシアルキレン基含有有機基であり、Dは上記一般式で表されるフェノール基含有有機基である。ここで、R1は2価炭化水素基であり、R2は1価炭化水素基またはアルコキシ基であり、R4は同種もしくは異種の炭素原子数1〜4の2価炭化水素基であり、R5は水素原子,1価炭化水素基またはアシル基である。また、aは0〜4の整数であり、bは0または1であり、cは1〜100の整数である。AはR,BおよびDから選択される基である。xは1〜500の数であり、yは1〜50の数であり、zは0〜50の数であり、かつ(x+y+z)は2〜500の範囲の数である。但し、zが0である場合、AはDで示されるフェノール基含有有機基である。また、本発明に使用されるジオルガノポリシロキサンは、上記フェノール基含有有機基の平均当量(総分子量/フェノール基含有有機基の数)が50,000以下であることが好ましく、30,000以下であることがより好ましい。
【0006】
このようなジオルガノポリシロキサンとしては、下記式で表されるような化合物が例示される。
【化6】
Figure 0003974693
【化7】
Figure 0003974693
【化8】
Figure 0003974693
【化9】
Figure 0003974693
【0007】
このような本発明に使用されるジオルガノポリシロキサンは、例えば、式:
【化10】
Figure 0003974693
で示される直鎖状または環状のメチル水素ポリシロキサンに、式:CH2=CHCH2O(C24O)10Hで表されるアルケニル基含有ポリオキシアルキレン化合物と、式:
【化11】
Figure 0003974693
で表されるアルケニル基含有フェノール化合物とを、塩化白金酸等の触媒の存在下、必要に応じてトルエン等の反応溶媒を加えて、80〜120℃の温度条件下にて約3時間付加反応させた後、120〜130℃の温度条件下で溶媒等を減圧除去することにより製造することができる。尚、分子鎖両末端にフェノール基、側鎖にポリオキシアルキレン基を導入する場合には、先ずテトラメチルジシロキサンとアルケニル基含有フェノール化合物を上記と同様にして付加反応させる。次いで得られた反応生成物と、オクタメチルテトラシクロシロキサンおよびメチル水素テトラシクロシロキサンを活性白土等の触媒を用いて反応させることにより、例えば、式:
【化12】
Figure 0003974693
で示されるジオルガノポリシロキサンを合成する。触媒を濾別した後、このジオルガノポリシロキサンに、式:CH2=CHCH2O(C24O)12CH3で表されるようなアルケニル基含有ポリオキシアルキレン化合物を白金触媒等を用いて付加反応させることにより製造することができる。
【0008】
本発明の表面改質剤は上記したジオルガノポリシロキサンを主剤とするものであり、本発明の表面改質剤をフィルム等の各種樹脂の内部に添加する場合には、上記ジオルガノポリシロキサンをそのまま樹脂ペレットまたはポリ塩化ビニルゾル中に添加し、その後溶融してフィルム化すればよい。
【0009】
以上のような本発明の表面改質剤は、主剤であるジオルガノポリシロキサンがフェノール基とポリオキシアルキレン基とを含有しているので、フェノール基を含有しないポリオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサンに比べて、耐熱性が飛躍的に向上しているという特徴を有する。このため本発明の表面改質剤は、高温度条件下で使用しても,ポリオキシアルキレン基含有ジオルガノポリシロキサン特有の優れた平滑性,帯電防止性,防曇性,防霧性等の効果が低下しないという利点を有する。このような本発明の表面改質剤を、ポリエチレン製、ポリプロピレン製あるいは塩化ビニル製のハウス栽培、トンネル栽培用フィルムの内部に添加することにより、耐久性を有する防曇効果および防霧効果を付与することができる。
【0010】
【実施例】
次に本発明を実施例にて説明する。実施例中、部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃における測定値である。
【0011】
【合成例1】
撹拌機、温度計、冷却管を備えた200ミリリットルの4つ口フラスコに、式:
【化13】
Figure 0003974693
で表されるジオルガノポリシロキサン30.5部、式:
【化14】
Figure 0003974693
で示される2−アリルフェノール9.6部およびトルエン30部を仕込み、これらを40℃に加熱昇温した後加熱を一旦停止して、塩化白金酸10ppm(イソプロピルアルコール溶液)を加えた。このとき、付加反応熱により78℃まで液温が上昇した。反応が終了した段階で、式:CH2=CHCH2O(C24O)11CH3で示されるポリオキシアルキレンアリルメチルエーテル59.9部と塩化白金酸10ppmを加えて、90℃まで加熱昇温した後2時間保持し、反応が完結したことを確認した。次いで、140℃の温度条件下で20Torrまで減圧して、トルエンや低沸点の未反応物を除去した。このようにして得られた反応生成物をNMRおよびIRにより分析したところ、次式で示される、フェノール性水酸基当量1,340のジオルガノポリシロキサンであることが判明した。
【化15】
Figure 0003974693
【0012】
【実施例1】
ポリ塩化ビニルパウダー100重量部(重合度1,300),可塑剤としてジオクチルフタレート50部,Ba−Zn系複合安定剤3部および合成例1で得られたジオルガノポリシロキサン1部を配合し、190℃の温度条件下でカレンダリングして、100μm厚のフィルムを作製した。得られたフィルムの透明性および防曇性を下記の方法に従って測定した。その結果を表に示した。上記ジオルガノポリシロキサンを主剤とする本発明の表面改質剤は190℃という高温度条件下におけるカレンダリングにも耐え、熱分解も殆どなく、得られたフィルムの防曇性は非常に良好であった。
○透明性
フィルムの透明性を肉眼にて判定した。
◎---透明であった。
○---やや濁りがあった。
×---白濁していた。
○防曇性
予め用意しておいた水温40℃の恒温槽の液面上部にフィルムを張り、24時間経過後の防曇性(曇り状態、水滴付着状態)を評価した。
◎---全面に薄い水膜が認められたものの、透明性は良好であった。
○---水滴が認められ、やや透明度が低かった。
×---微細水滴が多数付着して、フィルムの透明度が低かった。
【0013】
【比較例1】
式:
【化16】
Figure 0003974693
で表される粘度320mm 2 /sのジオルガノポリシロキサンを用いて、実施例と同様にしてフィルムを作製し、その透明性および防曇性を測定した。その結果を表に示した。このジオルガノポリシロキサンは190℃の温度条件下で熱分解し、フィルムへの分散性も低いため、得られたフィルムの透明性が幾分低下するとともに防曇性も不十分であった。
【0014】
【表1】
Figure 0003974693
【0015】
【発明の効果】
以上のような本発明の表面改質剤は、分子内にポリオキシアルキレン基含有有機基とフェノール基含有有機基とを有するジオルガノポリシロキサンを主剤としているので、耐熱性に非常に優れており、フィルムの表面を改質するための処理剤として有用であるという特徴を有する。

Claims (1)

  1. 一般式:
    Figure 0003974693
    {式中、Rは1価炭化水素基であり、Bは、一般式:
    −(R1b−O−(R4O)c−R5
    (式中、R1は2価炭化水素基であり、R4は同種もしくは異種の炭素原子数1〜4の2価炭化水素基であり、R5は水素原子、1価炭化水素基、またはアシル基であり、bは0または1であり、cは1〜100の整数である。)
    で表されるポリオキシアルキレン基含有有機基であり、Dは、一般式:
    Figure 0003974693
    (式中、R1は2価炭化水素基であり、R2は1価炭化水素基またはアルコキシ基であり、aは0〜4の整数である。)
    で表されるフェノール基含有有機基であり、Aは、R、B、およびDから選択される基であり、xは1〜500の数であり、yは1〜50の数であり、zは0〜50の数であり、かつ(x+y+z)は2〜500の数であり、但し、zが0である場合、AはDで示されるフェノール基含有有機基である。}
    で表されるジオルガノポリシロキサンを主剤とするフィルム用の内部添加表面改質剤。
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