JP3973730B2 - 帯電付与部材とその製造方法、それを用いた静電潜像現像剤、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真において静電記録法により形成される静電荷潜像を現像する際に用いる静電潜像現像用の帯電付与部材、その製造方法、それを用いた静電潜像現像剤、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
なお、本発明において、帯電付与部材とは、二成分現像剤における静電潜像現像用キャリア、二成分系、一成分系を問わず現像装置における現像スリーブ、その他トナーに帯電性を付与する部材をいう。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電記録法により形成される静電荷潜像を現像する際において、トナーに適当量の正または負の電荷を付与するために帯電付与部材が用いられている。特に二成分現像剤を使用する上では、帯電付与部材である樹脂を被覆したコートキャリアが使用されてきた。しかしながら、二成分現像剤を使用する上で、問題点としては、高温高湿下での帯電量の低下、低温低湿下での帯電量の極端な増加、トナーの構成成分である結着樹脂、帯電制御剤、外添剤等がキャリア表面を汚染することにより、帯電制御性が経時で劣化していくことである。そこで、このような問題点を解決するために従来より耐環境安定性、耐表面汚染性の優れている低表面エネルギーのフッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーやシリコーンオイル等の被覆を芯材(以下、「キャリアコア」または単に「コア」という場合がある)に施したコートキャリアが使用されてきており、また、近年では、特開昭49−51950号、特開昭57−99653号及び特開昭60−202451号公報等に記されているようにフッ素系ポリマー、あるいは、特開昭60−19156号、特開昭62−121463号、特開昭61−110159号、特開昭61−110160号公報等に記されているようにシリコーン系ポリマーや特開平3−46669号、特開平3−46670号、特開平3−46671号、特開平5−72814号公報等に記されているようにシリコーンオイル等を含有させた樹脂を被覆したキャリアも提案されている。
【0003】
しかしながら、キャリアコアとの密着性、樹脂被覆層の耐磨耗性等が不十分な点や高温高湿、低温低湿下での帯電の初期値が大きく変動したりトナーに電荷分布の広がりが生じたり、特に高温高湿下での帯電量の低下、低温低湿下での帯電量の極端な増加等の耐環境安定性に関しては未だ改善の余地が残されている。また、特開平3−217857号、特開平3−219263号公報等に記されているようにアミド系ポリマーを被覆したキャリアも提案されているが樹脂中のアミノ基を架橋反応に用いるため耐環境安定性、帯電特性に関しては未だ改善の余地が残されている。
また、キャリアの耐久性向上を目的として、フェノール樹脂で芯材を被覆したキャリアも用いられているが、通常フェノール樹脂は置換基を有しないものを使用しているため、帯電付与性が十分でない。
【0004】
一方、従来より、現像スリーブとしては、アルミやステンレス(SUS)などの金属スリーブまたはシリコーンゴムやNBR、EPDM等の弾性スリーブなどが使用されている。しかしながら、これらの現像スリーブはそれ自体帯電付与能力が低いため、初期トナーの帯電調整が難しいばかりか、長時間使用によるトナー劣化や現像スリーブの汚染により、複写枚数とともに低帯電トナーや逆極性トナーが増加し、かぶりや画像濃度の低下等の問題が発生しやすかった。
【0005】
これらの問題点を改善するために、トナーとは逆極性の帯電性を有する帯電制御材料を現像スリーブ表面に被覆する等、初期におけるトナーの帯電を高める試みが数多くなされている。負帯電トナーの帯電性を補助するために、正帯電性を示すアクリル樹脂、ナイロン樹脂等の樹脂を現像スリーブに被覆する方法、或いは前記樹脂や、その他帯電性を有さない樹脂、例えばフェノール樹脂等に、4級アンモニウム塩等の正帯電制御剤を含有させて現像スリーブに被覆する方法等が試みられている。特にフェノール樹脂は、機械的強度が高く、耐摩耗性があり、耐久性に優れるため、現像スリーブを被覆するのに好ましい材料である。
【0006】
しかしながらこれらの現像スリーブは、確かに初期においてはトナーの帯電速度を補助し帯電量アップに効果が見られるものの、いずれも環境安定性が悪く、特に低温低湿環境下においては現像スリーブ表面近傍で過剰帯電となって帯電の2層化が起こり画像濃度の低下およびゴースト等が問題となりやすい。また、正帯電制御剤をフェノール樹脂に含有させて現像スリーブに被覆する方法では、フェノール樹脂のみでは環境安定性が高くても、結局耐久性及び環境安定性において十分なものでは無い。
【0007】
また特開昭62−306,287号公報においてアミノシランカップリング剤含有シリコーン樹脂を現像スリーブ表面に被覆させる試みが提案されてる。このようにアミノ基等の窒素を含有する官能基を有する樹脂を現像スリーブ表面に含ませる試みは確かに帯電を高くする効果があるが、非常に長期にわたる使用下では帯電量が低下し、やはり安定した画質を得るには未だ課題が残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術における上記問題点に鑑みなされたものである。即ち、本発明の目的は、帯電の立ち上がりが速く、高温高湿下での帯電量の低下や低温低湿下での帯電量の極端な増加がなく、キャリアにおいてはコアと被覆層の剥離による現像剤の劣化を防止し、トナーのスペント化による劣化も生じない高い耐久性のある帯電付与部材とその製造方法、それを用いた静電潜像現像剤、画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題を解決するため鋭意検討し、特定の構造を有するフェノール樹脂を用いることによりこれらの問題を解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記構造式(I)〜(VIII)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位を有するレゾール型フェノール樹脂を有してなることを特徴とする帯電付与部材である。
・構造式(I)〜(VIII)
【0010】
【化4】
【0011】
上記各構造式ごとに、X1 〜X6 、X1 〜X8 またはX1 〜X10のうち、少なくとも2個は構造単位における結合手を表し、m個はOH基を表し、n個は−[NR2 R 3 ]を表し、残りは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。また、mは1以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す。
【0012】
(2)下記化学式(I)〜(VIII)で表されるフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一つのフェノール誘導体を用いてなるレゾール型フェノール樹脂を有してなることを特徴とする帯電付与部材である。
・化学式(I)〜(VIII)
【0013】
【化5】
【0014】
上記各化学式ごとに、X1 〜X6 、X1 〜X8 またはX1 〜X10のうち、m個はOH基を表し、n個は−[NR2 R 3 ]を表し、残りは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。また、mは1以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す。
【0015】
(3)帯電付与部材が、芯材表面上にレゾール型フェノール樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであることを特徴とする(1)乃至(2)に記載の帯電付与部材である。
(4)芯材の体積平均粒子径が10乃至150μmであることを特徴とする(2)に記載の帯電付与部材である。
(5)レゾール型フェノール樹脂の被覆量が、芯材に対して0.1乃至10.0重量%であることを特徴とする(3)乃至(4)に記載の帯電付与部材である。
【0016】
(6)帯電付与部材が、円筒状担体の外周表面上にレゾール型フェノール樹脂の被覆層を有してなる現像スリーブであることを特徴とする(1)乃至(2)に記載の帯電付与部材である。
(7)被覆層の層厚が1乃至500μmであることを特徴とする(6)に記載の帯電付与部材である。
(8)円筒状担体が金属、セラミックスおよび合成樹脂からなる群より選ばれることを特徴とする(6)乃至(7)に記載の帯電付与部材である。
【0017】
(9)トナーとキャリアとからなる静電潜像現像剤において、該キャリアが(3)乃至(5)に記載の帯電付与部材であることを特徴とする静電潜像現像剤である。
(10)静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する工程と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する工程とを有する画像形成方法において、前記現像剤が(9)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
(11)静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程と、現像スリーブ上に形成する工程と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する工程とを有する画像形成方法において、前記現像スリーブが(6)乃至(8)に記載の帯電付与部材であることを特徴とする画像形成方法である。
【0018】
(12)静電潜像保持体に静電潜像を形成する手段と、現像スリーブ上に形成する手段と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する手段とを有する画像形成装置において、前記現像スリーブが(6)乃至(8)に記載の帯電付与部材であることを特徴とする画像形成装置である。
(13)レゾール型フェノール樹脂の製造方法が、下記化学式(I)〜(VIII)で表されるフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一つのフェノール誘導体に対して、ホルムアルデヒド、またはそれと同効物質を2乃至20モル等量使用し、pH8乃至12の範囲で反応させる方法であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の帯電付与部材の製造方法である。
・化学式(I)〜(VIII)
【0019】
【化6】
【0020】
上記各化学式ごとに、X1 〜X6 、X1 〜X8 またはX1 〜X10のうち、m個はOH基を表し、n個は−[NR2 R 3 ]を表し、残りは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。また、mは1以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す。
(14)反応温度が60乃至80℃の範囲であることを(13)に記載の帯電付与部材の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における少なくとも下記構造式(I)〜(VIII)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位を有するレゾール型フェノール樹脂は、その構造の特徴、特に芳香環に直接接合した−[NR2 R 3 ]を構造単位に有することにより、高い帯電付与能力を示し、かつ環境安定性に優れるためトナーに安定した帯電を付与でき、電子写真において高品位の画像を長期に渡り維持できることが可能となる。
・構造式(I)〜(VIII)
【0022】
【化7】
【0023】
上記各構造式ごとに、X1 〜X6 、X1 〜X8 またはX1 〜X10のうち、少なくとも2個は構造単位における結合手を表し、m個はOH基を表し、n個は−[NR2 R 3 ]を表し、残りは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。また、mは1以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す。
なお、本発明において「結合手」とは、下記記載のフェノール誘導体と、例えばホルムアルデヒドとをアンモニア水または水酸化アルカリの存在下で反応させて生じる部分であり、主に−CH2 OHの形態を有し、これが反応して熱硬化性の性質を有するものである。
これら本発明におけるレゾール型フェノール樹脂は、下記化学式(I)〜(VIII)で表されるフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一つのフェノール誘導体を用いてなるものである。
・化学式(I)〜(VIII)
【0024】
【化8】
【0025】
上記各化学式ごとに、X1 〜X6 、X1 〜X8 またはX1 〜X10のうち、m個はOH基を表し、n個は−[NR2 R 3 ]を表し、残りは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を表す。また、mは1以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す。
本発明におけるフェノール誘導体としては、以下の表1〜10(但し、ベンゼン環に結合する含窒素基が「CH 2 N(CH 3 ) 2 」で示される構造を有する化合物No.5、10、14、19、23、27、31、35、39、43、および、ベンゼン環に結合する含窒素基を有さない化合物No.15は除く。なお、これらの化合物は参考例として示したものである)に記載されるものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】
【表10】
【0036】
また、これらの誘導体を用いてレゾール型フェノール樹脂を製造するためには、硬化を可能とするため、前記化学式(I)〜(VIII)中の芳香環における水酸基以外の置換基の数は1〜8個であることが必要であり、すなわち前記化学式(I)〜(VIII)で示されるフェノール誘導体を原料として用いて得られたレゾール型フェノール樹脂の構造単位は下記一般式(IX)により表すことができる。
・一般式(IX)
Z(CH2 OH)y
上記式中、Zは前記構造式(I)〜(VIII)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位を表し、yは2〜8の整数を表す。
【0037】
本発明における前記フェノール誘導体を原料としてレゾール型フェノール樹脂を製造する方法としては、好ましは以下に示す方法である。すなわち、前記化学式(I)〜(VIII)で表されるフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一つのフェノール誘導体の水酸基の数に対して等モル量のアンモニア水もしくは水酸化アルカリ溶液中で、該フェノール誘導体に対して過剰量、好ましくは2〜20倍モル等量、より好ましくは4〜10倍モル等量のホルムアルデヒドまたはこれと同効物質を使用し、水溶性媒体中で反応液のpHを8〜12に保ちつつ反応させる。
【0038】
ホルムアルデヒドの量が2倍モル等量未満であると、結合手の導入が不足し、熱硬化時に硬化が不十分となり、20倍モル等量を超えると、反応中に架橋が進行し、ゲル状物が生成してしまう。
pHが8未満であると、ホルムアルデヒドとの付加反応がしにくくなり、pHが12を超えると、フェノラートアニオンの酸化が進み、生成物の着色が進行する。
また、このときの反応温度としては60℃〜80℃が好ましい。60℃未満では樹脂の生成反応が進みにくく、80℃を超えると急な架橋反応が進行しゲル化が起きてしまうため好ましくない。
【0039】
ホルムアルデヒドと同効物質としては、例えばパラホルムアデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、ホルマリンガス、ホルマリン水溶液等が挙げられ、この中でも、パラホルムアデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、ホルマリン水溶液が反応の点で特に好ましい。
また、前記フェノール誘導体の水酸基数に対して等モル量使用する本発明における水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0040】
反応終了後、反応液を中和することにより目的のレゾール型フェノール樹脂を得ることができる。反応に用いられる水溶性媒体としては水、メチルアルコール、エチルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール類、及びこれらの混合体を使用することが好ましい。
【0041】
[レゾール型フェノール樹脂の合成例]
以下に、本発明におけるレゾール型フェノール樹脂の合成例を挙げるが、本発明におけるレゾール型フェノール樹脂の合成は以下のものに限定されるものではない。
(合成例1)
前記表1中のNo.1の化合物13.7g(0.10mol)と水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム4.0g(0.10mol)を水40mlに窒素気流化で撹拌溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液32.5g(ホルムアルデヒドとして12.0g(0.40mol))を20〜30℃にて加える。反応液を70〜75℃に加温して2時間反応を行う。反応液のpHは10〜11であった。反応が進行するに従い、固形物が析出してくる。
反応終了後、水50mlを加え氷酢酸にてpHを5〜6とし析出した固形物を吸引ろ過、水洗し、真空乾燥機30℃にて乾燥する。得られた固形物は、テトラヒドロフラン/n−ヘキサンにて再沈したのち真空乾燥機30℃にて乾燥し、14.8gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で1400であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0042】
(合成例2)
合成例1のNo.1の化合物の代わりに前記表2中のNo.6の化合物15.3g(0.10mol)と水酸化アルカリとして水酸化カリウム11.2g(0.20mol)を用い、37%ホルムアルデヒド水溶液24.3g(ホルムアルデヒドとして9.0g(0.30mol))を用いた以外は実施例1と同様に反応を行い11.5gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で1200であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0043】
(合成例3)
合成例1のNo.1の化合物の代わりに前記表4中のNo.17の化合物20.3g(0.10mol)と水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム8.0g(0.20mol)を用い、パラホルムアルデヒド15.0g(ホルムアルデヒドとして15.0g(0.50mol))を用いた以外は実施例1と同様に反応を行い17.5gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で1500であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0044】
(合成例4)
合成例1のNo.1の化合物の代わりに前記表5中のNo.20の化合物29.6g(0.10mol)と28%アンモニア水12.1g(0.20mol)を用い、パラホルムアルデヒド21.0g(ホルムアルデヒドとして21.0g(0.70mol))を用いた以外は実施例1と同様に反応を行い22.5gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で800であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0045】
(合成例5)
合成例4のNo.20の化合物の代わりに前記表6中のNo.25の化合物27.2g(0.10mol)を用いた以外は合成例4と同様に反応を行い29.5gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で1800であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0046】
(合成例6)
合成例1のNo.1化合物の代わりに前記表10中のNo.41の化合物42.2g(0.10mol)を用いた以外は合成例1と同様に反応を行い45.5gの目的のレゾール型フェノール樹脂を得た。得られたものはC13NMRスペクトルを測定し、−CH2 OHの結合が存在することを確認し、分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレンゲル換算)にて測定を行ったところ、重量平均分子量で1200であった。さらに、赤外分光光度計において置換基のジアルキルアミノ基の吸収ピークが1350cm-1付近に確認された。
【0047】
本発明における上記レゾール型フェノール樹脂を適当な芯材を被覆するのに用いれば、本発明の帯電付与部材としての静電潜像現像用キャリアを得ることができる。
本発明における上記レゾール型フェノール樹脂を静電潜像現像用のキャリアの被覆樹脂として用いる場合、その被覆される芯材としては、体積平均粒子径10〜150μmの範囲の鉄、銅、ニッケル、コバルト等の磁性金属粉末やこれらが樹脂中に分散されているもの、マグネタイト、フェライト等の磁性酸化物粉末やこれらが樹脂中に分散されているものが挙げられ、その被覆量は、通常芯材に対し0.1〜10.0重量%、好ましくは0.5〜8.0重量%である。また、抵抗制御を行う目的でこれらの被覆層にカーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン等の抵抗制御剤を含有させてもよい。
【0048】
これらの前記フェノール誘導体を原料とするレゾール型フェノール樹脂を芯材表面に被覆する方法としては、例えば、芯材粉末を、被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター法等既に公知である技術が使用できる。さらに被覆した後にレゾール型フェノール樹脂成分は加熱により硬化架橋させる必要があるが、このときの加熱温度としては、前記レゾール型フェノール樹脂が十分に硬化するために、好ましくは100℃〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃で行う。
【0049】
このようにして得られたキャリアは、トナーと混合して2成分現像剤として用いられる。該トナーは、常法にしたがって、結着樹脂に着色剤やその他の添加剤を溶融混練し、冷却して粉砕し、更に必要に応じて分級することにより得られる。
上記トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンをあげることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類をあげることができる。
【0050】
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして例示することができる。
トナーには所望により公知の帯電制御剤、定着助剤等の添加剤を含有させてもよい。トナーの平均粒径は30μm以下、好ましくは4〜20μmである。
トナーとキャリアを混合して現像剤を作製する際のトナーの比率としては、現像剤全体の0.3〜30重量%の範囲が好ましい。又、現像剤の流動性等を改善するためにシリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化ストロンチウム、各種樹脂粉、その他従来公知の外添剤を配合することができる。
【0051】
本発明における上記レゾール型フェノール樹脂を円筒状担体の外周表面上に被覆して被覆層を形成するのに用いれば、本発明の帯電付与部材としての現像スリーブを得ることができる。
円筒状担体としては、導電性を有する基体、例えば、アルミ、ステンレス等の金属、絶縁体の基体、例えば、セラミックス、合成樹脂等挙げられる。これらの円筒状担体に前記レゾール型フェノール樹脂の樹脂層を形成する方法としては、例えば、基体を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を基体表面に噴霧するスプレー法等が挙げられる。また、被覆層形成用溶液に使用できる溶剤は、前記レゾール型フェノール樹脂を溶解できるものであれば、いかなるものでも使用することができる。例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム等が使用できる。
【0052】
本発明の帯電付与部材としての現像スリーブの場合、被覆層の膜厚は、通常1〜500μm、好ましくは、5〜300μmが範囲である。
また、抵抗制御を行う目的でこれらの被覆層にカーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン等の抵抗制御剤を含有させてもよい。
この場合においても前記キャリアの作製時と同様に被覆層を硬化架橋させる必要があるが、このときの加熱温度としては、前記レゾール型フェノール樹脂が十分に硬化するために、好ましくは100℃〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃で行う。
【0053】
本発明における上記レゾール型フェノール樹脂を現像剤層規制ブレード基体の表面に被覆すれば、本発明の帯電付与部材としての現像剤層規制ブレードを得ることができる。現像剤層規制ブレード基体の材料としては、現像スリーブと同様、あるいは、ゴム、樹脂、エラストマー等の弾性体が挙げられる。
【0054】
以上のようにして得られた、本発明の帯電付与部材は、静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する工程と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する工程とを有する画像形成方法に適用することができる。即ち、該画像形成方法中の現像剤として、本発明の帯電付与部材である前記キャリアを用いた現像剤を用いることができる。また、該画像形成方法中の現像スリーブとして、本発明の帯電付与部材である前記現像スリーブを用いることができる。
【0055】
さらに、静電潜像保持体に静電潜像を形成する手段と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する手段と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する手段とを有する画像形成装置において、現像スリーブとして、本発明の帯電付与部材である前記現像スリーブを用いることができる。
【0056】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げ詳細を説明する。
実施例1〜4
(キャリア作製例1)
合成例(1)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにテトラヒドロフランを加えて溶解した後、キャリアのコア材として平均粒系50μmのCu−Zn系フェライト粒子を用い、該コア材100重量部に対して前記レゾール型フェノール樹脂溶液を溶液中の固形分重量が1.5重量部になるように添加し、加熱ヒーターを備えた1リットル小型ニーダー中で50℃で30分間混合した後、150℃に上昇させて40分間撹拌し、被覆を行った。次いでヒーターを切り、撹拌しながら冷却し、膜厚が2μmのコートキャリアを作製し、120℃、2時間加熱処理を行い、75μmの篩で篩分けして目的のキャリアを得た。
【0057】
(キャリア作製例2)
合成例(2)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにメチルエチルケトン加えて溶解した後、キャリアのコア材として平均粒系40μmのマグネタイト粒子を用い、該コア材100重量部に対して前記レゾール型フェノール樹脂溶液を溶液中の固形分重量が2.0重量部になるように添加し、ニーダーコーターにて100℃で30分間コーティングを行った後160℃で30分間硬化架橋を行い、次いでヒーターを切り、撹拌しながら冷却し、75μmの篩で篩分けして膜厚が2μmのコートキャリアを得た。
【0058】
(キャリア作製例3)
合成例(3)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにメチルエチルケトン加えて溶解した後、キャリアのコア材として平均粒系50μmのマグネタイト粒子を用い、該コア材100重量部に対して前記レゾール型フェノール樹脂溶液を溶液中の固形分重量が1.5重量部になるように添加し、ニーダーコーターにて100℃で30分間コーティングを行った後160℃で30分間硬化架橋を行い、次いでヒーターを切り、撹拌しながら冷却し、75μmの篩で篩分けして膜厚が2μmのコートキャリアを得た。
【0059】
(キャリア作製例4)
合成例(4)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにメチルエチルケトン加えて溶解した後、抵抗制御材料として平均粒径0.25μmのカーボンブラック粒子(商品名:バルカンXC72)を合成例(4)で得られたレゾール型フェノール樹脂に対して20重量%添加し20分間分散を行った後キャリアのコア材として平均粒系50μmのマグネタイト粒子を用い、該コア材100重量部に対して前記レゾール型フェノール樹脂溶液を溶液中の固形分重量が1.5重量部になるように添加し、ニーダーコーターにて100℃で30分間コーティングを行った後160℃で30分間硬化架橋を行い、次いでヒーターを切り、撹拌しながら冷却し、75μmの篩で篩分けして膜厚が2μmのコートキャリアを得た。
【0060】
(比較キャリア作製例1)
上記キャリア作製例1において、市販のフェノール樹脂を用いた以外は同様に処理を行い比較キャリア作製例1とした
(比較キャリア作製例2)
キャリア作製例6におけるポリエステル樹脂として4,4’−ジヒドロキシ−2,3,5,6,2’,3’,5’,6’−オクタブロモジフェニルスルホン/セバシン酸共重合体(重量平均分子量(Mw)40000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー値)を用い、コアに用いた平均粒系50μmのCu−Zn系フェライト粒子を3−アミノプロピルトリメトキシシランでコーティングした以外は、同様に処理を行い比較キャリア作製例2とした。
【0061】
上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散したd50=8μmのマゼンタトナー粒子を用いた。
【0062】
(現像剤の作製)
前記キャリア作製例1〜4および比較キャリア作製例1〜2;100重量部を、それぞれ上記マゼンタトナー8重量部と混合し、実施例1〜4および比較例1〜1に用いる現像剤を作製した。
【0063】
(評価試験)
得られた現像剤を使用して、電子写真複写機(A−Color630、富士ゼロックス(株)製)によって連続10,000万枚のコピーテストを行った。
評価項目は以下の通りである。
▲1▼中温中湿(23℃湿度55%)環境における初期画像の官能評価
▲2▼低温低湿(10℃湿度15%)、中温中湿および高温高湿(28℃湿度85%)の3環境における複写10枚後のトナー帯電量(μC/g)
▲3▼中温中湿環境における複写10,000枚後のトナー帯電量(μC/g)
▲4▼中温中湿環境における複写10,000枚後のキャリア表面状態の電子顕微鏡による観察
その結果を表11に示す。なお、トナー帯電量は、CSG(チャージ・スペクトログラフ法)の画像解析による値である。
【0064】
【表11】
【0065】
表11に示すように、キャリア作製例1,2,3,4のキャリアを用いた現像剤の場合は、全てカブリ、濃度ムラのない画像が得られた。更に、画像濃度も1.3前後と安定しており、環境変動に対しても安定なトナー帯電量を示した。さらに、複写10,000枚後のキャリア被覆材剥がれについて、電子顕微鏡でキャリア表面を観察したが、キャリア作製例1,2,3,4のキャリアを用いた現像剤の場合は、全て表11に示すようにキャリア被覆材の剥がれは観察できず、かつキャリア表面への外添剤及びトナー成分の付着は観察されなかった。
これに対して比較キャリア作製例1を用いた現像剤の場合は、環境変動が大きくなり、比較キャリア作製例2のキャリアを用いた現像剤の場合は、トナー帯電量が低くなり、環境変動に対しても不安定であった。更に複写10,000枚後のトナー帯電量がかなり低下しており、複写10,000枚後の比較例1、比較例2のキャリア表面を電子顕微鏡観察したが一部分でキャリア被覆材が剥がれていることが観察され、かつキャリア表面への外添剤の埋め込みや及びトナー成分の付着も観察された。
【0066】
実施例5〜6および比較例3〜4
(現像スリーブ作製例1)
合成例(5)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにメチルエチルケトン加えて溶解した後、富士ゼロックス社製レザープリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)表面に、ディッピング塗布方法にて、乾燥後の膜厚が2.5μmになるように被覆層を形成した後、加熱チャンバー中で160℃で30分間加熱硬化させ現像スリーブを得た。
【0067】
(現像スリーブ作製例2)
合成例(6)で得られたレゾール型フェノール樹脂を固形分20重量%となるようにテトラヒドロフランに加えて溶解した後抵抗制御材料として平均粒径0.25μmのカーボンブラック粒子(商品名:バルカンXC72)を合成例(4)で得られたレゾール型フェノール樹脂に対して20重量%添加し20分間分散を行った後、富士ゼロックス社製レザープリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)表面に、ディッピング塗布方法にて、乾燥後の膜厚が2.5μmになるように被覆層を形成した後、加熱チャンバー中で160℃で30分間加熱硬化させ現像スリーブを得た。
【0068】
(比較現像スリーブ作製例1)
富士ゼロックス社製レーザープリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)をそのまま使用し比較現像スリーブ作製例1とした。
【0069】
(比較現像スリーブ作製例2)
富士ゼロックス社製レザープリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)表面に、市販のフェノール樹脂を用いた以外は現像スリーブ作製例1同様に処理を行い比較現像スリーブ作製例2とした。
【0070】
(評価試験)
現像スリーブ作製例1及び作製例2と、現像スリーブ比較例1及び作製例2で得たスリーブを富士ゼロックス(株)製レーザープリンター4105改造機に装着し、実施例1のマゼンタトナーを用いて画質評価試験を行った。評価内容としては、初期および10,000枚複写後におけるソリッド部の濃度および背景部の汚れに関し、目視により評価した。その結果を下記表12に示す。表12に示す通り、現像スリーブ作製例1及び作製例2については良好な結果を得た。
【0071】
【表12】
【0072】
【発明の効果】
本発明の帯電付与部材は、上記の構成を有するため、帯電の立ち上がりが速く、高温高湿下での帯電量の低下や低温低湿下での帯電量の極端な増加がなく、キャリアにおいてはコアと被覆層の剥離による現像剤の劣化を防止し、トナーのスペント化による劣化も生じない高い耐久性があり、キャリア芯材との密着性、樹脂被覆層の耐磨耗性が優れ、長時間連続的に使用しても、良好な帯電付与能力を維持している。
Claims (11)
- 帯電付与部材が、芯材表面上にレゾール型フェノール樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであることを特徴とする請求項1乃至2にに記載の帯電付与部材。
- レゾール型フェノール樹脂の被覆量が、芯材に対して0.1乃至10.0重量%であることを特徴とする請求項3に記載の帯電付与部材。
- 帯電付与部材が、円筒状担体の外周表面上にレゾール型フェノール樹脂の被覆層を有してなる現像スリーブであることを特徴とする請求項1乃至2に記載の帯電付与部材。
- 被覆層の層厚が1乃至500μmであることを特徴とする請求項5に記載の帯電付与部材。
- 円筒状担体が金属、セラミックスおよび合成樹脂からなる群より選ばれることを特徴とする請求項5乃至6に記載の帯電付与部材。
- トナーとキャリアとからなる静電潜像現像剤において、該キャリアが請求項3乃至4に記載の帯電付与部材であることを特徴とする静電潜像現像剤。
- 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する工程と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する工程とを有する画像形成方法において、前記現像剤が請求項8に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する工程と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する工程とを有する画像形成方法において、前記現像スリーブが請求項5乃至7に記載の帯電付与部材であることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像保持体に静電潜像を形成する手段と、現像スリーブ上に現像剤層を形成する手段と、該現像剤層を用いて前記静電潜像保持体上の静電潜像を顕在化する手段とを有する画像形成装置において、前記現像スリーブが請求項5乃至7に記載の帯電付与部材であることを特徴とする画像形成装置。
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