JP3963644B2 - 放電バルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極アッシーを封着した両端ピンチシール部に挟まれた放電発光部を有するアークチューブと、アークチューブの前端側リード線に電気的に接続された金属製のリードサポートとが平行に配設された構造の放電バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の放電バルブは、図4に示すように、絶縁性ベース5と、ベース5に後端側が固定保持されて前方に延出するアークチューブ1と、ベース5からアークチューブ1と平行に前方に延出して、アークチューブ1の前端部を支持する金属製のリードサポート3と、から主として構成されている。符号4は、アークチューブ1の後端側をベース5に接着固定する接着剤である。
【0003】
アークチューブ1は、ピンチシール部1a,1bで挟まれた放電発光部である密閉ガラス球2を有し、ピンチシール部1a,1bの前後には非ピンチシール部である円筒部1c,1cが形成されている。符号aは、放電発光部である密閉ガラス球2に対設された電極、符号bはモリブデン箔、符号cはリード線で、それぞれ電極アッシーとして一体化されている。符号3aは、リードサポート3に被装された円パイプ状の絶縁スリーブで、リードサポート3と電極アッシー間の放電を防止するとともに、アークチューブ1の放電発光時の高温にさらされるリードサポート3を保護するためのものである。
【0004】
また、符号1dは、紫外線遮蔽作用をもつ円筒形状のシュラウドガラスで、ピンチシール部1a,1bから密閉ガラス球2の領域を覆うようにアークチューブ1に溶着一体化されている。
【0005】
また、アークチューブ1の前端側ピンチシール部1aから導出するリード線cは、リードサポート3の前端部に溶接固定され、リードサポート3の後端部は、絶縁性ベース5の外周に周設されたマイナス側のベルト状端子7aに溶接固定されている。
【0006】
一方、アークチューブ1の後端側ピンチシール部1bから導出するリード線cは、絶縁性ベース背面壁を貫通し、絶縁性ベース背面側に露出するように設けられたプラス側のキャップ型端子7bに溶接固定されている。
【0007】
符号8は、すれ違いビーム形成用のリフレクタで、バルブ挿着孔8bに放電バルブが挿着されて、例えば有効反射面8aのみに密閉ガラス球2での発光を導く場合には、リフレクタの有効反射面8a以外に向かう光を遮光し、かつ配光パターンのクリアカットラインを形成する金属製の配光制御用シェード9を設けるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、小さいアークチューブを用いたコンパクトな放電バルブが開発されているが、点灯起動時の放電バルブには約20KVの高電圧が印加され、点灯中のアークチューブの放電発光中心は約1000℃の高温となる。このため、放電バルブの耐熱性、耐電圧性を確保することが望まれている。
【0009】
しかし、放電バルブのコンパクト化を追求するべく、リードサポート3とアークチューブ1間距離を短かくしすぎると、アークチューブ1の発する熱により絶縁スリーブ3aが劣化するという問題があった。また、リードサポート3とアークチューブ1間距離を短かくしすぎると、絶縁性ベース5背面側のプラス側とマイナス側の端子7b,7a間の距離も短くなって、端子7a,7b間で放電するという絶縁破壊が生じるおそれがある。一方、絶縁性(耐電圧)を高めるべく、リードサポート3とアークチューブ1間の距離を大きくしすぎると、絶縁性ベース5が大型化したり、リフレクタ8に設けるバルブ挿着孔8bがそれだけ大きくなって、リフレクタ8の有効反射面8aの面積を狭める等の問題が生じる。
【0010】
そこで、放電バルブを設計する場合には、リードサポートとアークチューブ間距離を異ならしめた複数の放電バルブを設計し、それぞれの試作品について耐熱性や絶縁性の試験を繰り返して行い、試験データが適正となったものを製品として量産するようになっていた。
【0011】
即ち、従来では、例えば、リードサポートとアークチューブ間距離等についての適切な設計基準がないため、リードサポートとアークチューブ間距離が異なる多種の放電バルブを設計し、試作し、かつ試験を行う必要があり、製品としての構成を決定するまでには、多大な時間と労力がかかるという問題があった。
【0012】
発明者は、絶縁スリーブとアークチューブ放電発光部中心間距離についての適切な設計基準を設けてやれば、それだけ設計のための選択肢が絞られて設計が容易となり、設計,試作および試験対象となる試作品の数が減少して、製品としての構成を決定するまでに費やす時間や労力を削減できる、と考えた。
【0013】
本発明は前記した従来技術の問題点および前記した発明者の知見に基づいてなされたもので、その目的は、絶縁スリーブとアークチューブ放電発光部中心間距離の適切な設計基準を設けることで、コンパクトにして絶縁スリーブが熱劣化せず、しかも絶縁ベース内におけるプラス側とマイナス側の通電経路間の絶縁を確保できる放電バルブを安価に提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するために、請求項1に係る放電バルブにおいては、絶縁性ベースと、前記絶縁性ベースの前方に前後に延出するように配置され、電極アッシーを封着した両端ピンチシール部に挟まれた放電発光部を有するアークチューブと、前記絶縁性ベースから前記アークチューブと平行に延出し、前記アークチューブの前端側リード線と導通するリードサポートと、前記リードサポートに被装された絶縁スリーブとを備え、
前記絶縁性ベースの背面側には、アークチューブ後端側の電極アッシーに導通する第1の端子がアークチューブの放電軸とほぼ同軸位置に設けられるとともに、アークチューブ前端側の電極アッシーに前記リードサポートを介して導通する第2の端子が前記絶縁スリーブとほぼ同軸位置に設けられた放電バルブにおいて、
前記アークチューブの放電発光部中心と前記絶縁スリーブとを5mm以上離間させるように構成した。
【0015】
(作用)アークチューブの中で最も高温となる放電発光部中心と絶縁スリーブ間が4mm以下の場合は、アークチューブの発する熱により絶縁スリーブが劣化するおそれがあるが、放電発光部の中心から絶縁スリーブを5mm以上離間させることで、アークチューブの発する熱による絶縁スリーブの劣化が抑制される。
【0016】
また、一般に、絶縁性ベースの背面側には、アークチューブ後端側の電極アッシーに導通する第1の端子がアークチューブの放電軸とほぼ同軸位置に設けられるとともに、アークチューブ前端側の電極アッシーに(リードサポートを介して)導通する第2の端子が絶縁スリーブとほぼ同軸位置に設けられている。実施例では、前記第2の端子は、第1の端子を取り囲む絶縁性ベースの背面側円筒部外周に、絶縁スリーブとアークチューブ放電発光部中心間距離だけ離間するベルト状に設けられている。そして、放電発光部中心と絶縁スリーブ間距離が短い(4mm以下である)と、前記第1の端子と第2の端子間の距離も短くなって、一方がプラス側で他方がマイナス側となる二つの端子間(第1の端子と第2の端子間)で放電し、両端子間の絶縁がとれず、絶縁破壊にいたるおそれがあるが、放電発光部中心と絶縁スリーブを5mm以上離間させることで、端子を含むプラス側とマイナス側の通電経路間が5mm以上離間し、プラス側とマイナス側の通電経路間の放電が抑制される。
【0017】
また、絶縁スリーブとアークチューブ放電発光部中心間距離の適切な設計基準(5mm以上)に基づいて放電バルブを設計し、試作し、試験を行うことで、製品としての放電バルブの構成を決定するまでに費やす時間と労力が削減される。
【0018】
また、請求項1においては、前記放電バルブは、前記アークチューブの放電発光部の発光を前方に反射するリフレクタを備えた車両用灯具の光源として用いられるものであって、
前記アークチューブの放電発光部中心と前記絶縁スリーブ間距離を13mm以下に構成するようにした。
(作用)絶縁スリーブとアークチューブ間距離が短すぎると(アークチューブの放電発光部中心と絶縁スリーブ間が4mm以下の場合)、リフレクタの反射光によって形成される配光の中に絶縁スリーブの影が大きく現れて目立って好ましくないが、絶縁スリーブがアークチューブの放電発光部の中心から5mm以上離間するため、灯具の配光の中に現れる絶縁スリーブの影は小さくて目立たない。
【0019】
また、放電バルブは、リフレクタの後頂部に設けられた絶縁性ベース取り付け部であるバルブ挿着孔に挿着されて灯具として使用される。そして、リフレクタは、アークチューブの放電発光部の発する光を反射して配光の形成に寄与するが、リフレクタの中央部寄りは、周辺に比べて単位面積当たりの光束量が大きい場所で、配光形成に最も影響する部位である。そして、絶縁スリーブとアークチューブ間距離が大きいと、絶縁性ベースが大型化したり、バルブ挿着孔が大きくなる分、リフレクタの有効反射面の面積が狭められて、光量が低下したり立体角が減少したりして、好ましくない。そこで、アークチューブの放電発光部中心と絶縁スリーブ間の距離を13mm以下にして、絶縁性ベースのコンパクト化およびバルブ挿着孔の小径化が図られている。
【0020】
また、請求項1においては、前記放電バルブは、金属製の配光制御用シェードを備えた車両用灯具の光源として用いられるものであって、
前記リードサポートの絶縁性ベースから露出する部分および前記前端側リード線を、それぞれ配光制御用シェードから5mm以上離間させるように構成した。
【0021】
(作用)通電路となるリードサポートの絶縁性ベースから露出する部分または前端側リード線と配光制御用シェード間距離が短すぎると、リードサポートまたは前端側リード線の配光制御用シェードに最も接近する部位が配光制御用シェードに向けて放電し、絶縁がとれないおそれがあるが、リードサポート,前端側リード線のシェードに最も接近する部位をそれぞれを5mm以上離間させることで、リードサポート,前端側リード線と配光制御用シェード間での放電を抑制できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図3は、本発明の第1の実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例である放電バルブをすれ違いビーム形成用リフレクタに挿着した状態の縦断面図、図2はアークチューブの放電発光部中心と絶縁スリーブの間距離の変化に対する、絶縁スリーブの熱劣化,絶縁性ベースの耐電圧(絶縁性)および配光の適否を示す図、図3はリードサポート/リード線と配光制御用シェード間の最短距離の変化に対する絶縁性の適否を示す図である。
【0024】
図1において、アークチューブ20は、ガラス管の長手方向途中に放電発光部である密閉ガラス球22が形成され、密閉ガラス球22の前後には横断面矩形のピンチシール部23a,23bが形成され、ピンチシール部23a,23bの前後には非ピンチシール部である円筒部24a,24bがそれぞれ延出形成された構造で、全体が棒状を呈している。
【0025】
電極a、モリブデン箔b、リード線cを一体化した電極アッシーをそれぞれ封着したピンチシール部23a,23bで密封されている密閉ガラス球22内には、電極a,aが対設されるとともに、始動用希ガス,水銀及び金属ハロゲン化物等の封入物質が封入されている。密閉ガラス球22両端のピンチシール部23a,23bからは、モリブデン箔b,bに接続されたリード線c,cがそれぞれ導出し、円筒部24a,24bを貫通して、アークチューブ20の前後に延びている。
【0026】
アークチューブ20には、円筒形状の紫外線遮蔽用のシュラウドガラス30が溶着一体化されて、密閉ガラス球22およびピンチシール部23a,23bがシュラウドガラス30で覆われた構造となっている。これにより、密閉ガラス球22の発光から人体に有害な波長域の紫外線がカットされるとともに、たとえ密閉ガラス球22が破裂してもガラスが飛散しないようになっている。
【0027】
また、シュラウドガラス30によって、アークチューブ20(密閉ガラス球22)の周りには、大気に対し隔絶された密閉空間34が形成されている。そして、この密閉空間34には、大気が排出されて水分濃度を極小にしたアルゴンガスが封入され、しかもこの密閉空間34内の圧力は、高温となるアークチューブ点灯時に約1気圧となるように、非点灯時(常温)では約0.5気圧となるように調整されている。これによって、水分がほとんど存在しない密閉空間34の気密性が保証されるので、アークチューブに失透が生じることがない。
【0028】
放電バルブは、図1に示すように、棒状のアークチューブ20と、このアークチューブ20を支持する合成樹脂製の絶縁性ベース51とから構成され、絶縁性ベース51に後端側を支持されて前方に延出するアークチューブ20の前端部が、絶縁性ベース51からアークチューブ20と平行に延出する金属製のリードサポート52によって支持されている。
【0029】
即ち、絶縁性ベース51の前面に固定された金属製把持部材54によってアークチューブ20のシュラウドガラス30後端側が把持されるとともに、絶縁性ベース51の前方に突出する一本のリードサポート52によってアークチューブ20の前端部が支持されることで、アークチューブ20が絶縁性ベース51に固定一体化されている。また、リードサポート52には、セラミック製でまっすぐに延びる円パイプ状の絶縁スリーブ53が被せられて、リードサポート52と後端側電極アッシー間の放電を抑制するとともに、アークチューブ20の放電発光時の高温からリードサポート52を保護するようになっている。
【0030】
アークチューブ20から導出する前端側リード線cは、リードサポート52の前端部に溶接固定され、リードサポート52の後端部は、絶縁性ベース51の背面側外周に周設されたマイナス側のベルト状端子55に溶接固定されている。
【0031】
一方、後端側リード線cは、ベース51の凹部51a形成底面壁51bを貫通し、絶縁性ベース背面側に露出するように設けられたプラス側のキャップ型端子56に溶接固定されている。そして、端子56はアークチューブ20と同軸位置に設けられ、端子56の中心とベルト状端子55間は、アークチューブ20の放電発光部中心Cと絶縁スリーブ53間距離だけ離間する。また、両端子55,56間には、後方に延出する円筒部が壁状に設けられて、両端子55,56間の延面距離が大きくされて、コンパクトにして大きな耐電圧が確保されている。
【0032】
符号57は、例えば灯具ボディ下部に固定されたバラスト回路ユニット(図示せず)から延びる出力コードで、コネクタ58を介して絶縁性ベース51の後端部(の端子55,56)に接続されている。
【0033】
符号60は、すれ違いビーム形成用の合成樹脂製リフレクタで、その表面には、反射面を構成するアルミ蒸着膜が形成されている。そして、アークチューブ20(密閉ガラス球22)の発光がリフレクタ60の上側の有効反射面61で前方に反射されることで、所定の配光が形成される。
【0034】
リフレクタ60における放電バルブの下方位置には、その脚72がバルブ挿着孔64の近傍に固定されて、リードサポート52の下方,前方および斜め前上方を覆う金属製の配光制御用のシェード70が配設され、シュラウドガラス40にも配光制御用の遮光塗装部40が設けられている。
【0035】
即ち、配光制御用のシェード70の上側後端縁部71は、放電発光部中心Cとリフレクタ60の有効反射面61の上側見切り線61aとを結ぶ線上に位置し、シェード70は、密閉ガラス球22から出射して下方,前方および斜め前上方(有効反射面61の上側見切り線61aより前方)に向かう光を遮光する。さらに、配光制御用のシェード70には、クリアカットライン形成用の遮光部(図示せず)が形成されており、有効反射面61での反射光によって形成されるすれ違いビームの配光における鮮明なクリアカットラインの形成に寄与する。
【0036】
また、シュラウドガラス30外周面に形成された配光制御用の遮光塗装部40は、シュラウドガラス30の左右の側面に前後に帯状に延びる左右一対のクリアカットライン形成用の直線状遮光塗装部42と、シュラウドガラス30の上面を左右に横切って帯状に延びる、リフレクタ60の有効反射面61の下側見切り線61bに一致する円弧状遮光塗装部44とから構成されている。
【0037】
そして、シェード70の上側後端縁部71と円弧状遮光塗装部44が協働して、密閉ガラス球22からリフレクタ60の有効反射面61以外に向かう光を遮光し、直線状遮光塗装部42の上側縁43と配光制御用のシェード70のクリアカットライン形成用の遮光部(図示せず)が協働して、すれ違いビームの配光におけるクリアカットラインを形成する。
【0038】
なお、すれ違いビームの配光における鮮明なクリアカットラインを形成する上で、配光制御用のシェード70のクリアカットライン形成用の遮光部(図示せず)は必要であるが、シュラウドガラス30の左右の側面に設けたクリアカットライン形成用の直線状遮光塗装部42は、必ずしも必要ではない。
【0039】
また、図2は、アークチューブの放電発光部中心Cと絶縁スリーブ53間距離d1が4mmから14mmまで1mm刻みで異ならしめた構造に対する、絶縁スリーブの熱劣化,絶縁性ベースの耐電圧(絶縁性)および配光の適否を検証した実験データであり、この実験データに基づいて、アークチューブ20の放電発光部中心Cと絶縁スリーブ53間の距離d1が、5mm以上13mm以下に設定されている。
【0040】
即ち、この距離d1が4mm以下では、図2(a)に示すように、アークチューブ20(密閉ガラス球22)の発する熱により絶縁スリーブ53が劣化するおそれがあり、絶縁スリーブ52の熱劣化を回避するためには、この距離d1を5mm以上にすることが望ましい。
【0041】
また、この距離d1が4mm以下では、絶縁性ベース51の背面側に設けられているキャップ型端子56とベルト状端子55間の距離もほぼ4mm以下となって、図2(b)に示すように、両端子55,56間で放電するおそれが高い。従って、両端子55,56間で放電しないようにして絶縁性ベース51における耐電圧を確保するためにも、この距離d1を5mm以上にすることが望ましい。
【0042】
さらに、図2(c)に示すように、この距離d1が4mm以下では、リフレクタ60によって形成されるすれ違いビームの配光の中に絶縁スリーブ53の影が大きく現れて目立って好ましくない。したがって、すれ違いビームの配光の中に現れる絶縁スリーブ53の影が小さくて目立たないようにするためにも、この距離d1を5mm以上にすることが望ましい。
【0043】
また、放電バルブは、リフレクタ60の後頂部に設けられたバルブ挿着孔64に挿着されて灯具として使用される。そして、リフレクタ60の中央部寄りは、周辺に比べて単位面積当たりの光束量が大きい場所で、配光形成に最も大きく影響する部位である。そして、絶縁スリーブ53とアークチューブ放電発光部中心間距離が大きいと、絶縁性ベース51が大型化したり、バルブ挿着孔64が大きくなる分、リフレクタ60の有効反射面の面積が狭められて、光量が低下したり立体角が減少したりして、好ましくない。そこで、本実施例では、アークチューブの放電発光部中心Cと絶縁スリーブ53間の距離が13mm以下に構成されてて、絶縁性ベース51のコンパクト化とバルブ挿着孔64の小径化が図られて、十分な適正光量の配光が形成されるようになっている。
【0044】
また、リードサポート52の絶縁スリーブ53から露出している部分と配光制御用シェード70間の最短距離d2および前端側リード線と配光制御用シェード70間の最短距離d3も、それぞれ5mm以上に設定されている。
【0045】
即ち、絶縁性ベース51の前方に延出するリードサポート52は、上方に屈曲した形状に形成されており、このリードサポート屈曲部がシェード70に最も接近する部位である。また、リードサポート52先端部に溶接固定されている前端側リード線cの先端が、シェード70に最も接近する部位である。そして、リードサポート52露出部分とシェード70間の最短距離d2および前端側リード線cとシェード70間の最短距離d3がそれぞれ4mm以下では、リードサポート52,前端側リード線cがそれぞれシェード70に放電し、最短距離d2,d3がそれぞれ4.5mmでは放電する場合があり、最短距離d2,d3が5mm以上では全く放電しないことが、図3に示す発明者の実験で検証されている。このため、本実施例では、これらの最短距離d2,d3が5mm以上に設定されて、リードサポート52と配光制御用シェード70間および前端側リード線cと配光制御用シェード70間での絶縁が確保されている。
【0046】
また、リードサポート52とリフレクタ60の反射面(アルミ蒸着膜)間の距離が小さすぎると、リードサポート52のリフレクタ反射面に接近している部位での放電が心配であるが、リードサポート52のリフレクタ反射面に接近している部位は絶縁スリーブ53で覆われて、リードサポート52とリフレクタ反射面間で絶縁破壊が生じるおそれは全くない。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1によれば、アークチューブの発熱の影響による絶縁スリーブの劣化が抑制されて、絶縁スリーブの耐熱性が保証されるとともに、絶縁性ベース内のプラス側とマイナス側の通電経路間の放電が抑制されて、絶縁性ベースの絶縁耐久性も保証される。
【0048】
また、製品としての放電バルブの構成を決定するまでに費やす時間と労力が削減されるので、絶縁スリーブが熱劣化せず、しかも絶縁ベース内における絶縁性の確保された放電バルブを低価格で提供できる。
【0049】
また、絶縁性ベースが大型化しないので、コンパクトな放電バルブが得られる。また、灯具の配光が絶縁スリーブの影の影響を受けず、バルブ挿着孔が大きくなることもないので、十分な光量をもつ目的とする適正な配光が得られる。
【0050】
また、アークチューブの前端側電極アッシーへの通電路であるリードサポートや前端側リード線と配光制御用シェード間での放電が抑制されるので、リードサポートや前端側リード線とシェード間の絶縁性の確保された放電バルブが提供される。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である放電バルブを走行ビーム形成用リフレクタに挿着した状態の縦断面図である。
【図2】アークチューブの放電発光部中心とリードサポート間距離の変化に対する、絶縁スリーブの熱劣化,絶縁性ベースの耐電圧(絶縁性)および配光の適否を示す図である。
【図3】リードサポート/リード線と配光制御用シェード間の最短距離の変化に対する絶縁性の適否を示す図である。
【図4】従来技術である放電バルブを挿着したリフレクタの縦断面図である。
【符号の説明】
a 電極
b モリブデン箔
c リード線
20 アークチューブ
22 放電発光部である密閉ガラス球
23a,23b ピンチシール部
30 シュラウドガラス
40(42、44) 配光制御用遮光膜
42 クリアカットライン形成用の直線状遮光膜
51 合成樹脂製の絶縁性ベース
52 金属製リードサポート
53 セラミック製の絶縁スリーブ
56 プラス側の第1の端子であるキャップ型端子
57 マイナス側のベルト状の第2の端子
60 リフレクタ
61 有効反射面
70 配光制御用のシェード
C 放電発光部中心
d1 アークチューブ放電発光部中心と絶縁スリーブ間の距離
d2 リードサポートと配光制御用シェード間の最短距離
d3 前端側リード線と配光制御用シェード間の最短距離
Claims (1)
- 絶縁性ベースと、前記絶縁性ベースの前方に前後に延出するように配置され、電極アッシーを封着した両端ピンチシール部に挟まれた放電発光部を有するアークチューブと、前記絶縁性ベースから前記アークチューブと平行に延出し、前記アークチューブの前端側リード線と導通するリードサポートと、前記リードサポートに被装された絶縁スリーブとを備え、
前記絶縁性ベースの背面側には、アークチューブ後端側の電極アッシーに導通する第1の端子がアークチューブの放電軸とほぼ同軸位置に設けられるとともに、アークチューブ前端側の電極アッシーに前記リードサポートを介して導通する第2の端子が前記絶縁スリーブとほぼ同軸位置に設けられた放電バルブにおいて、
前記放電バルブは、前記アークチューブの放電発光部の発光を前方に反射するリフレクタと、前記リフレクターのバルブ挿着孔の近傍にその脚が固定された金属製の配光制御用シェードとを備えた車両用灯具の光源として用いられるものであって、
前記アークチューブの放電発光部中心と前記絶縁スリーブとの距離が5mm以上13mm以下に構成されるとともに、前記配光制御用シェードと前記リードサポートの絶縁性ベースから露出する部分との距離および前記配光制御用シェードと前記前端側リード線との距離がそれぞれ5mm以上に構成されたことを特徴とする放電バルブ。
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