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JP3950843B2 - 電子機器及びビデオカメラ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロホン等の音波収集手段より得た音響データを処理する技術に関するものである。
この種の装置としては、例えばカメラ一体型ビデオカメラが知られている。このような装置の場合、記録媒体として磁気テープを用い、その記録媒体への記録密度を上げるために回転ドラムを用いたヘリカルスキャン方式のメカニズムを用いている。しかしながら、このメカニズムでは、磁気テープと回転記録ヘッドが接触した時と離れた時とにヘッド叩きと呼ばれるノイズが発生する。また、回転ドラムを駆動するために磁気モータのコイルへの通電をスイッチングして行うため、その電磁音も発生していた。これらのノイズが内蔵しているマイクロフォンに混入し、本来収録すべく音声と共に記録されてしまい、耳障りなものとなっていた。
かかる点を解決するものとしては、あらがじめマイクロフォンに混入するノイズスペクトラムを調べ、その帯域の成分をノイズの大きさに合わせて引き算することによるノイズ低減方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案によれば、ノイズスペクトラムの成分を抽出する手段を設けて、本来記録するべき音声を遮断した状態でノイズのレベルを測り、混入したノイズと同じ大きさになるような制御をすることによって、ノイズのスペクトラムのレベル分だけを低減し、音声が入った時にもその音声に影響を与えることが少ないものであった。
特開平7−177596号公報
しかしながら、かかる従来の方法では、あらかじめノイズになる成分を調べる必要があり、ノイズのスペクトラムの成分の数だけノイズを抽出する手段、例えば、バンドパスフィルタを準備する必要がある。回避策としては、スペクトラムが近い周波数同士をまとめて抽出することによって、バンドパスフィルタの数を減らすことが考えられる。例えば、ノイズスペクトラムが1kHzと2kHzの2つだった場合に、中心周波数を1.5kHzにし、帯域幅を1kHzとすると、ノイズ成分の1kHzと2kHzは抜き取ることが出来る。しかし、その場合に1kHzと2kHzのレベルが違っている場合は、2つの平均値をとるかどちらかに合わせることになり、ノイズ成分と同じ大きさにならず、除去効果が薄れてしまう。さらに、収録する音声信号に1.5kHz成分がある場合には、その成分も減衰してしましい、音質に影響を与えてしまう。また、経時変化によって、そのレベルの変化が合った場合は、キャンセルするためのレベルの再調整が必要になったり、ノイズのスペクトラムの変化が生じた場合は、その対応が困難になるといった欠点がある。
本発明は、予め判明している装置が発生する機械的ノイズを除去すると共に、その機械的ノイズの計時変化にも追従可能な技術を提供しようとするものである。
この課題を達成するため、例えば本発明の電子機器は以下の構成を備える。すなわち、 音波を電気信号に変換する音波収集手段
周期的な動作を行う駆動手段と、
前記駆動手段の複数周期にわたって前記音波収集手段より出力された複数の音響データを、それぞれ同位相となる関係で平均化する演算手段と、
前記演算手段より出力された前記音響データの平均値を前記音波収集手段より出力された音響データと同位相となる関係で合成する合成手段とを備え
前記演算手段は、前記合成手段に供給される音響データを入力して前記平均化を行うことを特徴とする
本発明によれば、装置の有する例えば回転ドラムなどの周期性を持った動作をしているものから、その動作によって発生する騒音が、マイクに混入した場合であっても、騒音波形を抽出し、低減することが可能となると共に、計時変化に対しても追従することが可能になる。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態が適用するデジタルビデオカメラ装置における音声記録再生部分(ヘリカルスキャン型の記録再生部分)の主要構成を示す図である。
図中、1は記録媒体の磁気テープ(磁気テープカセットは不図示)、2は回転ドラム、3、4は回転ドラムに装着され音声や映像データを記録する磁気ヘッド、5は平均値算出部5aを有する制御用マイコン、6、7はそれぞれL、Rチャネル用のマイクロフォン、8,9はマイクアンプ、10はAGC(自動レベルコンロール回路)、11、12はA/Dコンバータ、13,14はメモリ、15,16は加算器を示している。
この構成において、マイク6、7にて電気信号に変換された音声信号は、マイクアンプ8、9でそれぞれ増幅されて、自動レベルコントロール回路10で適切な大きさに増幅され、A/Dコンバーター11、12でデジタルデータに変換される。
磁気テープ1には、マイコン5で回転制御した回転ドラム2に180度の位置関係で取り付けられた磁気ヘッド3、4を通して、ヘリカルスキャンされに記録信号が記録される。また、回転ドラム2は回転の位相を示す基準信号、すなわちヘッドスイッチングパルスを制御マイコン5に出力し、磁気ヘッド3、4の磁気テープ1との接触状態を知らせて、記録信号を磁気ヘッド3、4に流すタイミングを制御する。この時、磁気ヘッド3、4が回転ドラム2に巻き付いている磁気テープ1と接触、或いは離脱する時にノイズ(機械的振動)が発生し、前述した音声信号に混じって、マイク6、7に入ってしまう。
図2に前述した基準信号、磁気ヘッド3、4と磁気テープ1の接触タイミング、ノイズの発生の時間的関係を示す。
同図において、ヘッドスイッチングパルスがHighレベルの時に磁気ヘッド3に記録信号が印加され、ヘッドスイッチングパルスがLowレベルの時に磁気ヘッド4に記録信号が印加される。このヘッドスイッチングパルスの一周期が回転ドラム2の一回転を表している。各々の磁気ヘッドは、記録信号が印加される以前に磁気テープ1に接触して安定状態になっている必要があるため、記録信号の切り替えより少し前に接触し、記録信号の印加が終わってからも微小期間接触するようになっている。これを示したのが、図中の磁気ヘッド3接触状態と磁気ヘッド4接触状態で、Highレベルが接触、Lowレベルが非接触を示している。その下方に、この時に発生するノイズ発生のタイミングを示す。
さらに、この現象をノイズの波形で示したのが、図3で、図中、最上部に示したヘッドスイッチングパルス一周期の時間Tに対して、連続した時間を、T1,T2,T3、…,Tnと一周期の時間毎に区切って、並べたものである。同図から分かるように一回転毎に発生するノイズは、ほぼ毎回同じであることが判明している。回転ヘッドと磁気テープの動作の関係は、ほとんど変化する要素が無いためである。最下部にその平均Aveを取った波形を示す。
一方、ヘッドスイッチングパルス一周期の時間Tにおける、マイク6、7に入る音声信号の様子を示したのが図4である。すなわち、連続していた音声波形をT1,T2、…、Tnと一周期の時間毎に区切って並べたものである。これらの一周期分の音声信号の変化は、ヘッドスイッチングパルスとは無関係であるので、それらが同期する確率は小さい。したがって、その平均を取る回数を増やすと限りなくゼロに近づくことになる。
したがって、音声データを適当な期間記憶保持し、ヘッドスイッチングパルス一周期の時間Tにおける同位相のデータを加算した場合に残るのは、図3で示したノイズ成分だけとなる。本実施形態では、これら図3、図4で示した特性の違いを利用するものである。
先ず、実施形態の動作として、前述した平均値Aveの抽出動作を説明する。
A/D変換器11、12からの出力は、制御マイコン5の平均値算出部5aに入力される。ここに入力されたデジタルデータ系列を前述のヘッドスイッチングパルスの立ち上がりを基準にデータを並べていく。ヘッドスイッチングパルスの一周期づつ時間間隔の呼称をF1,F2,F3・・・・とすると、図5のような関係になる。例えば、デジタルビデオカメラの場合は、このヘッドスイッチングパルスの一周期は1/150秒、音声信号のA/D変換器のサンプリング周波数を48kHzとすると、図6のように、ヘッドスイッチングパルスの一周期の中にマイクの1チャンネル当たりのデジタルデータが320個発生することになる。そのヘッドスイッチングパルスの立ち上がりを基準にし、一つ目のデータからt0、t1,t2・・・t319とし、各周期毎の見出しを付加して、最初の周期のデータは、F1t0、F1t1,F1t2,・・・・・F1t319と定義する、次の周期のデータは、F2t0、F2t1,F2t2,・・・・・F2t319となる。例えば、1secの時間分のデータの平均を取る場合は、その最終周期のデータは、F149t0、F149t1,F149t2・・・・・・F149t319となる。この150周期分のデータを、1周期分のデータ数と周期数の行列配置として考えると、320×150となる。これらのデータ群から1周期の平均波形を得るには、同じ時刻(位相)を示す符号tn同士を合計し、個数で割ったものであるから、平均値を示す符号をAとすると、t0の時刻のサンプル値の平均At0は次式で表わされる。
Figure 0003950843
次々に入力されるサンプルデータが150個を越えると、つまり、F149行目のt319データの次のデータは、再びF0行目のt0に入力されて書き換えられていくように、制御マイコン5が、それぞれのチャンネルのメモリ13,14を制御する。
このようにして、スイッチングパルスから同じ位相のデータが入力される毎に、メモリ13、14内のデータを更新していく。前述したように、データのサンプリング周波数が48kHzの場合は、1周期で320個発生する。サンプリング周波数48kHz毎に、入力した位相のデータの平均値を計算し、その平均値をそれぞれのチャンネルのメモリ13,14に記憶する。
上記処理を実現するためには、平均値算出部5aは例えば図11に示す構成で実現できよう。同図は、メモリ13に格納する平均値を算出するための構成を示しているが、メモリ14に格納する平均値を算出する構成も同様である。
図11において、110−1乃至110−149は、それぞれA/D変換器11よりのデータを320個格納可能なFIFOメモリであり、111はA/D変換器12からのデータ及び各FIFO(149個)からのデータを加算する加算器、112は加算結果を“150”で除算する除算器である。これらの各回路は、サンプリング周波数(実施形態では48kHzとしている)に同期して動作することになる。
各FIFOメモリは320個分のデータ(ドラム2の1周期分のデータ)を格納できるわけであるから、FIFOメモリ110−1から出力されるデータは、その時点でA/D変換器11からのデータよりもちょうど1/150秒前のデータ(同位相のデータ)であることになる。また、FIFOメモリ110−1の出力データは、次段のFIFOメモリ110−2に入力されるものであるから、FIFOメモリ110−2から出力されるデータは、FIFOメモリ110−1よりも更に1/150秒前のデータとなる。そして、FIFOメモリは図示の如く149個存在するわけであるから、A/D変換器11からのデータを含めて計150個の同位相のデータが加算器111に供給されることになる。加算器111は入力した150個のデータを加算し、その結果を除算器112に出力する。そして、除算器112は加算結果を除数“150”で除算することになる。したがって、この除算器112の出力は、先に示した式(1)の値を出力していることになる。また、メモリ13、14は実質的に1個分のデータを保持できれば良いので、レジスタで構成することも可能となる。
次に騒音の低減の動作について説明する。それぞれのチャンネルの処理は同じなので、ここでも片チャンネルについて説明する。
マイク6からのマイク信号は、前述した騒音が混入した信号であり、それがA/D変換器11でデジタルデータ化されている。そのデータは、一つは加算器15に入力されていて、正相入力となっている。もう一方の加算器入力は、前述したメモリ13からのデータが逆相(符号がマイナス)で入力されており、引き算の形態をとっている。スイッチングパルスを基準としたデータ系列は、メモリ13に次々と記憶していくデータ、つまり、加算器15の正相入力信号の任意の周期Fm(m:整数)の任意のスイッチングパルスからの時刻、tn(n:整数)から騒音の平均値Atnを引き算することになり、加算器15の出力信号OUTtnは、
OUTtn=Fmtn−Atn …(2)
で表され、ドラムの回転によって発生する雑音を除去することに成功することになる。
この時の騒音の減衰量は、回転ドラム2の回転精度と発生する騒音レベルの変化幅によって決まってくる。低減したい騒音の成分の最高周波数に対して、回転ムラがその周波数において位相を、例えば、5度変化させてしまう精度だとし、前述の平均値に対して、変動幅が2dBあると仮定する。図7は、位相とレベルが異なる2信号の引き算をした時の減衰量を示したもので、前述の条件からすると、図7から15dB以上減衰することになり、十分な効果が得られることになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、装置が発する周期性機械的ノイズがマイクを介して得られた電気信号に重畳されていても、その機械的ノイズを相殺するデータをメモリ13、14に格納することで、そのノイズを除去した音声データを得ることが可能となる。また、メモリ13、14に格納するデータは、装置が発する最新の周期性機械的ノイズに相当するデータが格納されることになるので、計時変化に追従してノイズを除去することも可能になる。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態におけるノイズ除去に係る構成を示している。本第2の実施形態では、上記実施形態(第1の実施形態)の磁気テープを記録媒体とするヘリカルスキャン型の記録再生装置の騒音低減処理に加えて、キャプスタンから発する電磁騒音をも低減することを目的としたものである。
図8の1〜16は、図1で説明したものと同じ構成要素であるので、その説明については省略する。
17は、記録媒体である磁気テープ1を走行させるために設けられたピンチローラー、18は、磁気テープ1の移送を与えるキャプスタン、19、20はメモリ、21、22は加算器を示している。この構成において、第1の実施形態より追加になった構成要素について説明を付加する。
まず、回転ドラム2からの基準信号を第一の基準信号とする。磁気テープ1の移送を与えるキャプスタンの一回転において、そのどこかの位置を基準とした第二の基準信号をキャプスタン18から出力され、その基準信号が、制御マイコン5に入力される。第二の基準信号に基づいて、A/D変換器11,12のそれぞれのデータを制御マイコン5のデータ処理部に入力される。ここに入力されたデジタルデータ系列を第二の基準信号の立ち上がりを基準にデータを並べていく。例えば、キャプスタンの一回転の周期を3Hzとすると、一周期にサンプリング周波数を48kHzの場合、12000個のサンプル値が発生する。第二の基準信号の一周期づつ時間間隔の呼称をC1,C2,C3…とし、第二の基準信号の立ち上がりより、一つ目のデータからt0、t1,t2・・・t11999とし、各周期毎の見出しを付加して、最初の周期のデータは、C1t0、C1t1,C1t2,…C1t11999と定義すると、次の周期のデータは、C2t0、C2t1,C2t2,…C2t11999となる。例えば、12secの時間分のデータの平均を取る場合は、その最終周期のデータは、C39t0、C39t1,C39t2、…C39t11999となる。1周期分のデータ数と周期数の行列配置として考えると、12000×40となる。これらのデータ群から1周期の平均波形を得るには、同じ位相時刻を示す符号tn同士を合計し、個数で割ったものであるから、平均値を示す符号をAとすると、t0の時刻のサンプル値の平均Act0は、次式(3)
Figure 0003950843
で表される。
次々に入力されるサンプルデータは、40個を越えると、つまり、C39行目のt11999データの次のデータは、再びC0行目のt0に入力されて書き換えられていくように、制御マイコン5が、それぞれのチャンネルのメモリ19,20を制御する。その際の構成は、先に示した図11とほぼ同様の構成で良いであろうから、その説明は省略する。
このようにして、第二の基準信号から同じ時刻の40個のデータを時刻毎に常に蓄える。前述したように、データのサンプリング周波数が48kHzの場合は、1周期で12000個発生する。第二の基準信号の周期毎に平均値を計算し、その平均値12000個とが、それぞれのチャンネルのメモリ19,20に記憶する。
次に騒音の低減の動作について説明する。それぞれのチャンネルの処理は同じなので、片チャンネルについて説明する。マイク6からのマイク信号は、前述した回転ドラムと磁気テープの接触によって生ずる騒音と前述したキャプスタンの回転時の電磁騒音が混入した信号であり、それがA/D変換器11でデジタルデータ化されている。第1の実施形態で説明したように、回転ドラムの回転に同期した騒音の平均値がメモリ13,14に記憶されていて、加算器15,16では、その騒音を除去して、加算器21,22に出力される。加算器21,22では、加算器15,16の出力信号を正相入力となっており、もう一方の加算器入力は、前述したメモリ19、20からのデータが逆相で入力されており、引き算の形態をとっている。メモリ19、20には、前述したようにキャプスタンの回転に同期した騒音の平均値が記憶されているので、加算器21,22によって、その平均値が引き算されここで、キャプスタンが発する騒音もここで低減される。さらに詳しく説明すると、回転ドラム騒音の時間系列をDNとすると、スイッチングパルスを基準としたデータ系列は、DNt0、DNt1、DNt2、…DNt319となり、1周期が異なるキャプスタンからの騒音の時間系列をCNとすると、CNt'0、CNt'1、CNt'2、…CNt'12000となる。この時間を表すtnとt'mは前述したように周期が異なるので、この構成のある時刻での最終出力信号OUTtkは音声信号列をMtkとすると次式(4)、すなわち、
OUTtk = Mtk + DNtn + CNt'm - Atn - Act'm …(4)
となり、
DNtn ≒ Atn
CNt'm ≒ Act'm
であるから、それぞれの騒音が除去されて
OUTtk ≒ Mtk
となる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、150個のデータの平均を取るためにそれに必要なデータを全て蓄える必要があった。平均値を算出するために、必要なメモリーの数は、サンプリング周波数を48kHz、平均値を取る時間を1秒とすると計算のために保存するデータ数と平均値を保存するためのデータ数の合計Mは、1チャンネル当たり、
M=48000+320
1データを16ビットで表現すると、2チャンネル分の総数TMは、
TM=2M×16=1546240バイト
となり、無視できない容量のメモリを必要とする。
そこで本第3の実施形態では、かかるメモリ容量を削減する技術を提案する。図9は本第3の実施形態におけるメモリ容量節約のための構成を示している。
図9に示す如く、k個(kは1以上の整数)のデータの平均値を算出する場合、今回入力するデータは、その従前の平均値に対して1/kの重み付けをおこなったことに相当する。
したがって、図9に示す如く、新規に入力したデータを先ず1/kを乗算し、従前の平均値を記憶しているメモリからのデータに対しては「1−1/k」(=(k−1)/k)を重み付けて加算し、その結果でメモリを更新すれば良い。
例えば、第1の実施形態と同じように、150個のデータの平均値に相当するようにkを150とし、入力信号をIdt0、メモリーからの信号Mdt0とすると、計算された平均値Adt0は、
Adt0 = 1/150×Idt0 + 149/150×Mdt0
となる。1フレーム(ドラム1回転)のデータは320個であるから、320個分のメモリーがあれば済むことになる。
これによって、前述のメモリーの総数(2チャンネル分)は、1つのデータを16ビットとした場合、
TM=320×2×16=10240ビット
と小規模な構成で実現出来るようになる。
なお、上記の構成によれば、k=150としたとき、150フレーム分のデータを入力しないと、過去150フレームに相当する正しい平均値を算出できないが、この期間は1秒程度であるし、尚且つ、デジタルビデオカメラに適用した場合を考慮すると、電源ONしてから直ちに録画・録音することは無く、対象物が視野内にあることを確かめた上で録画・録音の指示を行うので実用上の問題はない。
<他の実施形態>
上記第1乃至第3の実施形態において、入力信号の信号レベルが、騒音データより遙かに大きいレベル(予め設定された閾値を越えるレベル)であるか否かを判定する回路を設け、入力信号レベルが十分に大きい場合には騒音以外の音声信号のデータと見なし、平均値計算の計算値として除外する制御を追加しても良いであろう。これによって、騒音の平均値を計算する場合に、騒音値より大きなレベルの騒音値でないデータを計算することによって発生する騒音のみの平均値のデータを壊してしまうことを防止することができ、より正確な騒音波形の抽出が可能になり騒音低減度が向上する。
図10は、図1に対して、A/D変換器11、12と制御マイコン5への経路中にメモリ23、24を追加して、制御方法を変更したものである。
この構成において、片チャンネルの説明をすると、A/Dコンバーター11を介して出力されたデータはメモリ23に取り込まれる。このメモリ23はスイッチングパルスの1周期分の時間だけ取り込まれて、制御マイコン5によって、その1周期分のデータの中から、あらかじめ設定したしきい値を越えた絶対値を持つデータがあるかどうかを判断する。もし、データの内一つでも前記しきい値を越えた場合は、そのスイッチングパルスの周期分全てのデータを平均値計算のデータとして扱わない処理をし、データの全てが前記しきい値以下である場合に平均値のデータとして扱う処理を行う。
この処理によって、騒音よりも大きな音声が入っているかどうかをより的確に判断することができ、騒音値より大きなレベルの騒音値でないデータを計算することによって発生する騒音のみの平均値のデータを壊してしまうことを防止することができ、より正確な騒音波形の抽出が可能になり騒音低減度が向上する。
なお、実施形態では機械的ノイズ発生源の雑音として、磁気テープに記録するドラムに搭載されたヘッドとテープの接触し非接触になる際に発生する雑音、キャプスタンの回転時の電磁雑音を例にしたが、これらによって本発明が限定されるものではない。要するに、周期性のある機械的ノイズでマイクロホンに混入するものであれば如何なるものでも構わないからである。
以上説明したように本実施形態によれば、記録再生装置の有する例えば回転ドラムなどの周期性を持った動作をしているものから、その動作によって発生する騒音が、マイクに混入した場合に、騒音波形を抽出し、低減することが可能になる。
また、記録再生装置の有する例えば回転ドラムやテープを送るためのキャプスタンモータの回転の様に周期性をもった動作部から発する騒音をそれぞれ独立した周期毎に騒音の波形を抽出することが可能となり、より騒音の低減効果が高い装置を提供することが出来る。
さらに、マイクに混入した騒音を、しかもその混入した騒音が機器によって大きさや音色がばらつく場合にも、個々に調整をする必要がなく、また、経時変化した場合にも、同じ手段を備えることと同じ処理によって、その機器固有の騒音に対応することが可能である。
また、従来技術のようにフィルタによって本来収録する音声の成分までも除去してしまうことがなく、不要な騒音の波形のみを抜き取るため、音質劣化がなく低減することが実現できる。
第1の実施形態におけるブロック構成図である。 第1の実施形態で、回転ドラムの回転と磁気ヘッド、磁気テープの接触状態によるノイズ発生タイミングを示す図である。 第1の実施形態における周期ノイズの波形を示す図である。 第1の実施形態における非同期の音声波形を示す図である。 第1の実施形態におけるデータの並びを示す図である。 第1の実施形態におけるデータ列の処理を説明するための図である。 第1の実施形態での騒音の低減量を示す図である。 第2の実施形態におけるブロック構成図である。 第3の実施形態におけるブロック構成図である。 他の実施形態におけるブロック構成図である。 第1の実施形態における平均値算出部の具体的な構成を示す図である。

Claims (14)

  1. 音波を電気信号に変換する音波収集手段
    周期的な動作を行う駆動手段と、
    前記駆動手段の複数周期にわたって前記音波収集手段より出力された複数の音響データを、それぞれ同位相となる関係で平均化する演算手段と、
    前記演算手段より出力された前記音響データの平均値を前記音波収集手段より出力された音響データと同位相となる関係で合成する合成手段と、を備え
    前記演算手段は、前記合成手段に供給される音響データを入力して前記平均化を行うことを特徴とする電子機器。
  2. 前記合成手段は、前記音波収集手段より出力された音響データから前記演算手段で算出した当該音響データと同位相の平均値を減算するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記音波収集手段は、
    音波信号を増幅する増幅手段と、
    増幅した音波信号を前記所定周波数でA/D変換するA/D変換手段と
    を含むことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
  4. 前記演算手段は、
    一周期分の音響データを記憶する複数の記憶手段と、
    該記憶手段のそれぞれに記憶された音響データの同位相のデータを加算する加算手段と、
    該加算手段で加算した結果を、音響データの個数で除算する除算手段と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  5. 前記演算手段で演算される平均値は、移動平均処理であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  6. 前記演算手段は、前記音波収集手段より出力された音響データの重み付け量をkとし、当該音響データ以前までに演算された平均値の重み付け量を1−kとし、重み付け平均演算をすることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  7. 前記演算手段は、入力された音響データのレベルが所定のしきい値以上の場合には、当該音響データを平均演算の対象から除外することを特徴とする請求項5または6記載の電子機器。
  8. 請求項1の電子機器は、前記駆動手段は記録媒体あるいはヘッドを駆動するための記録/再生系の駆動手段であることを特徴とするビデオカメラ。
  9. 音波を電気信号に変換する音波収集手段
    周期的な動作を行う第1の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段の複数周期にわたって前記音波収集手段より出力された複数の音響データを、それぞれ同位相となる関係で平均化する第1の演算手段と、
    前記第1の駆動手段とは異なる周期で動作する第2の駆動手段と、
    前記第2の駆動手段の複数周期にわたって前記音波収集手段より出力された複数の音響データを、それぞれ同位相となる関係で平均化する第2の演算手段と、
    前記第1の演算手段及び第2の演算手段より出力された前記各音響データの平均値を前記音波収集手段より出力された音響データと同位相となる関係でそれぞれ合成する合成手段と、を備え
    前記第1、第2の演算手段は、前記合成手段に供給される音響データを入力して前記平均化を行うことを特徴とする電子機器。
  10. 前記第1及び第2の演算手段で演算される平均値は、移動平均処理であることを特徴とする請求項9記載の電子機器。
  11. 前記第1及び第2の演算手段で演算される平均値は、前記音波収集手段より出力された音響データの重み付け量をkとし、当該音響データ以前までに演算された平均値の重み付け量を1−kとし、重み付け平均演算をすることを特徴とする請求項9記載の電子機器。
  12. 前記第1及び第2の演算手段は、入力された音響データのレベルが所定のしきい値以上の場合には、当該音響データを平均演算の対象から除外することを特徴とする請求項9記載の電子機器。
  13. 音波を電気信号に変換する音波収集手段
    周期的な動作を行う駆動手段と、
    前記駆動手段の前記周期に応じて基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記一周期ごとに前記基準信号から同じ時刻のタイミングで得られる音響データを、複数の周期にわたって平均演算する演算手段と、
    前記演算手段より出力された平均値を、前記音波収集手段より出力される音響データに対し前記タイミングで合成する合成手段と、を備え
    前記演算手段は、前記合成手段に供給される音響データを入力して前記平均化を行うことを特徴とする電子機器。
  14. 前記基準信号の一周期分における音響データが全て前記しきい値を越えない場合は前記一周期分の音響データ群を前記演算手段のデータとして平均演算し、前記基準信号の一周期分の音響データ群の中の1つでも前記しきい値を越えた音響データが存在した場合は当該音響データを含む前記基準信号の一周期分の音響データ群の全てを前記平均演算の対象から除外することを特徴とする請求項13記載の電子機器。
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