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JP3949615B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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JP3949615B2
JP3949615B2 JP2003163443A JP2003163443A JP3949615B2 JP 3949615 B2 JP3949615 B2 JP 3949615B2 JP 2003163443 A JP2003163443 A JP 2003163443A JP 2003163443 A JP2003163443 A JP 2003163443A JP 3949615 B2 JP3949615 B2 JP 3949615B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸引した塵埃をこの塵埃の慣性力により分離する埃分離手段を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、集塵室と電動送風機との間にフィルタを配置した電気掃除機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかる電気掃除機は、前記フィルタをメッシュ製の第1フィルタとスポンジ製の第2フィルタで構成するとともにこの順序で集塵室側から配置し、第2フィルタに付着した塵埃を掻き落とす除塵手段を設けている。この除塵手段は、コードリールの回転に連動して第2フィルタに振動を与え、この振動により第2フィルタに付着した塵埃を落として第2フィルタの目詰まりの防止を図るものである。
【0004】
【特許文献1】
実開昭55−78050号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電気掃除機にあっては、第2フィルタに振動を与えて塵埃を掻き落としているものであるから、第2フィルタに付着した塵埃の一部がその振動によって第2フィルタ(第2塵埃分離手段)の目をくぐって電動送風機側へ進んでしまい、最終的に電動送風機に吸引されてしまう。一方、電動送風機は整流子モータが使用されるため、吸引された塵埃が整流子モータのカーボンブラシと整流子との間に付着してしまうと、スパークや整流の安定性の低下やカーボンブラシの異常磨耗などが発生してしまう。すなわち、吸引した塵埃によって電動送風機が悪影響を受けてしまうという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、第2塵埃分離手段の目詰まりの防止を図ることができるとともに、吸引した塵埃によって電動送風機が悪影響を受けることのない電気掃除機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、電動送風機の負圧により吸引した空気と塵埃とを分離する第1塵埃分離手段と、この第1塵埃分離手段で分離された塵埃を集塵する集塵部と、前記第1塵埃分離手段の下流側に設けられ濾過により塵埃を捕捉して空気と塵埃を分離する第2塵埃分離手段と、この第2塵埃分離手段に捕捉された塵埃を取り除く除塵手段とを備え、
前記電動送風機の負圧が作用する負圧室部内に前記第1塵埃分離手段を設け、
この第1塵埃分離手段は、一端開口が塵埃を吸込む吸気口に対向するとともに他端開口が前記集塵部に連通した直線状の筒状の通路と、この通路の周面に形成されたネットフィルタとを備え、前記通路内の空気を前記フィルタを介して前記電動送風機に吸込むことによって通路内の空気と塵埃とを分離する電気掃除機であって、
前記通路の径を前記一端開口から他端開口へいくにしたがって漸減させ
前記集塵部を前記第1塵埃分離手段より下に配置し、
前記通路の他端開口と前記集塵部とを案内管で連通させ、
前記集塵部と前記負圧室部とを連通させ、
前記電動送風機の電動モータをブラシレスモータにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る電気掃除機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1において、20は掃除機本体であり、この掃除機本体20にはホース21の一端が着脱自在に接続され、その他端には手元操作管22が設けられている。手元操作管22には延長管23が着脱自在に接続され、延長管23の先端部には吸込口体24が着脱自在に接続されている。手元操作管22には操作部22Aが設けられており、この操作部22Aには図示しない操作スイッチが設けられている。
【0009】
掃除機本体20は、図2ないし図4に示すように、本体ケース30と、本体ケース30に着脱自在に載置される集塵容器(ダストカップ)50と、後部が本体ケース30にヒンジ結合されて上下方向に開閉可能となっている蓋体40とを備えている。本体ケース30の上面には所定量上に引き出せるハンドル133が設けられている。
【0010】
また、本体ケース30には、電動送風機33を収納した電動室34と、この電動室34の下に形成されたコードリール室39とが形成されており、コードリール室39にはコードリール125が設けられている。電動室34とコードリール室39とは図示しない仕切壁によって仕切られている。コードリール室39の前面には前方へ突出した皿状の載置部35が設けられている。この載置部35には集塵容器50が着脱自在に載置され、蓋体40を閉じた際にこの蓋体40と載置部35とで集塵容器50を挟持して固定するようになっている。
【0011】
また、電動室34の前面は開口され、この開口(図示せず)には格子を形成した格子板116(図12参照)を有する隔壁板113が設けられている。その開口は電動送風機33の吸気開口33Aに対向している。
【0012】
本体ケース30の両側面には、前側の上部から後部側の下部に亘って膨出部36が形成され、この膨出部36の下部は後輪37を回転自在に保持している。また膨出部36と本体ケース30の両側面の前側には複数の排気孔38が形成されている。この排気孔38は図示しない排気風路を介して電動送風機33の排気口33Bと連通しており、電動送風機33の排気口33Bから排気される空気は排気風路を介して排気孔38から外へ排気されるようになっている。
【0013】
電動送風機33は、図示しないブラシレスモータと、このブラシレスモータによって回転される図示しない遠心ファンなどとから構成されている。
【0014】
蓋体40は、平面視がほぼ楕円形に形成された天板41を有し、この天板41の周囲に周壁42が一体に形成されている。周壁42の前部には集塵ホース21を着脱自在に接続する接続口(吸込口)43を有する接続パイプ44が設けられている。この接続パイプ44は前後方向に延びており、その後端は開口45を有している。
【0015】
集塵容器50は、図6ないし図9に示すように、後面(図5において右側)に開口51を有し前面に後述する管部62への入口となる吸気口52を有する容器ケース体(集塵ケース部)53と、この容器ケース体53の吸気口52の下に一体形成された把手部54とを有している。
【0016】
容器ケース体53は、下部に形成した集塵室部(第1集塵部)55と、この集塵室部55の上に形成した負圧室部56と、この負圧室部56内に設けられた塵埃分離部(第1塵埃分離部:直進慣性分離手段)60と、この塵埃分離部60で分離された塵埃を集塵室部55へ案内する案内部として機能する案内管70とを有している。集塵室部55は、負圧室部56と区画されており、吸気口52から電動送風機に至る風路とずれた位置に配置されている。集塵室部55の底部には、底板57が軸J回りに開閉可能に取り付けられており、この底板57を開けることにより集塵室部55内に蓄積される塵埃が捨てられるようになっている。集塵室部55と負圧室部56とを区画する集塵室部55の天板58には開口59が形成され、この開口59には図9に示すようにネットフィルタF1が取り付けられている。天板58の開口59の後には接続穴58Aが形成されている。この接続穴58Aの下方には集塵室部55内で旋回流を発生させるためのガイド壁55Gが設けられている。
【0017】
また、集塵室部55の後壁部55Aは容器ケース体53の開口51より内側に引き込んでおり、その開口51内にフィルタ体(第2塵埃分離手段:フィルタ)80(図10参照)が着脱自在に装着されるようになっている。
【0018】
後壁部55Aの下部55Abと、容器ケース体53の開口51の下部を形成している容器後部壁71との間にはフィルタ体80を受ける複数のリブ73が形成されている。また、後壁部55Aの下部55Abと容器後部壁71とリブ73で囲まれる空間が微細な塵埃を集塵する集塵部(副集塵部:第2集塵部)72となっている。この集塵部72の底部は開口され、この開口は集塵室部55の底板57に設けた閉塞板74によって閉塞されている。集塵部72に溜まった塵埃は、底板57を開けることにより集塵室部55の塵埃とともに捨てることができるようになっている。
【0019】
集塵室部55の後壁部55Aの上部側は傾斜しており、フィルタ体80から落とされた微細な塵埃を集塵部72へ案内するようになっている。
【0020】
塵埃分離部60は、筒状の風路61を形成した管部62を有している。この管部62の一端開口(入口開口)62Aの大きさは容器ケース体53の吸気口52の大きさより大きく形成されている。管部62の一端開口62Aは他端開口62Bより大きく形成され、例えば管部62の径は一端から他端にいくにしたがって直線的に漸減するよう形成している。管部62の他端開口62Bは案内管70の一端に接続されている。案内管70は上下に延びており、案内管70の一端の他端(下端)は天板58の接続穴58Aに接続されている。
【0021】
また、管部62の風路61は前後方向に直線状に延びており、吸気口52は管部62に対して電動部の開口とは反対側に位置しており、さらに蓋体40の接続パイプ44と、ケース体53の開口51と、電動送風機33の吸気開口33Aとが一直線上に配置されている。
【0022】
管部62の周壁には複数の開口64が全周に亘って一様に設けられており、この開口64には図5に示すようにネットフィルタF2が取り付けられている。なお、管部62全体を筒状ネットフィルタで構成することもできる。ここでは、管部62は円形の枠体W1,W2と枠体W1,W2を連結した複数の枠体W3とで構成され、開口64は各枠体W1〜W3によって囲まれた空間となっている。また、風路61は枠体W3およびネットフィルタF2によって囲まれて形成されている。
【0023】
そして、管部62の風路61は、管部62の開口64とケース体53の負圧室部56と本体ケース30の電動室34の開口を介して電動送風機33の吸気開口33Aに連通している。
【0024】
フィルタ体80は、図10に示すように、樹脂製の枠体81と、この枠体81に取り付けられたプリーツフィルタ部82とを有している。プリーツフィルタ部82は縦方向に延びたプリーツを形成し、プリーツとプリーツとの間が表裏両面に上下方向に延びた溝となっている。また、枠体81の下部81aには傾斜面85が形成されている。
【0025】
コードリール125は、図11ないし図13に示すように、支持軸122に回動自在に設けた巻取ドラム126と、ブレーキ装置131等とを有している。この巻取ドラム126は図示しないゼンマイの付勢力によって回転していくようになっており、この巻取ドラム126が回転することによって電源コードKD(図3参照)を巻き取っていく。なお、支持軸122は本体ケース30の底部に立設されている。
【0026】
巻取ドラム126は、上フランジ127と下フランジ128とを有しており、上フランジ127の上面には周方向に多数の歯を環状に配列した大径の駆動ギヤ129が設けられている。
【0027】
支持軸122に取り付けられる取付板123にブレーキ装置131が取り付けられている。
【0028】
ブレーキ装置131は、取付板123の支持軸123aに水平回動可能に保持されたブレーキアーム132と、このブレーキアーム132の自由端部に取り付けられたブレーキローラ(図示せず)と、ブレーキアーム132を回動付勢してブレーキローラを上フランジ127の周面に圧接させるスプリング(図示せず)を有する。
【0029】
このブレーキ装置131では、通常、ブレーキアーム132を回動付勢しているスプリングのバネ力と巻取ドラム126を回転付勢しているゼンマイのバネ力とにより、ブレーキローラがブレーキアーム132と上フランジ127との間に楔状に食い込むことで、巻取ドラム126の回転がロックされるようになっている。そして、このブレーキ装置131では、電源コードKDを引いて、巻取ドラム126をそのゼンマイの付勢力に抗して回転させることにより、ブレーキローラが巻取ドラム126の回転方向に僅かに移動させられて、ブレーキローラがブレーキアーム132と上フランジ127との間に楔状に食い込んだ状態が解除されることにより、ブレーキローラの上フランジ127への圧接状態が解除される様になっている。尚、電源コードKDから引き出し力を解除すると、巻取ドラム126がゼンマイにより電源コードKDを巻き取る方向に僅かに回転して、ブレーキローラがブレーキアーム132と上フランジ127との間に楔状に食い込んでロックし、巻取ドラム126の回転を停止させ、電源コードKDを引き出した状態にするようになっている。
【0030】
また、ブレーキ装置131のブレーキの解除は、図1および図2に示す位置からハンドル133を下方に押すことにより行われるようになっている。ハンドル133は、把手部134と、この把手部134の両端部に下方に向けて一体に連設された脚部135,135とから逆U字状に形成されている。
【0031】
一方の脚部135の下端部には、先細りするプレート130が設けられており、このプレート130の傾斜カム面135aがブレーキアーム132のリブ121に上方から係合している。そして、ハンドル133を下方に押し下げる押し下げ操作により、ブレーキアーム132を軸123aを中心にして反時計回りに回動させ、この回動によりブレーキローラが上フランジ127の周面から離間してブレーキ装置131のブレーキが解除するようになっている。
【0032】
他方、電動室34の格子板116には、フィルタ体80に付着した塵埃を落とすための除塵手段としての振動付与手段149が配設されている(図11および図13参照)。
【0033】
この振動付与手段149は、格子板116とフィルタ体80との間に配設した大径のギヤ150を有する。このギヤ150は、格子板116に支持軸151aで回転自在に支持されたボス151と、ボス151と一体に且つ放射状に設けられた複数のアーム152と、複数のアーム152と一体に設けられた環状ギヤ部153と、ボス151と環状ギヤ部153との間の中間に位置してアーム152と一体に設けられた環状支持部154と、アーム152と環状支持部154の交差部に突設された弾性の突起157を有する。この突起157はプリーツフィルタ部82のプリーツとプリーツとの間に浅く係合している。
【0034】
ギヤ150は、図14に示したように回転力伝達手段158でコードリール125に連動している。この回転力伝達手段158は、格子板116の筒部113a及び軸挿通孔113bを貫通して一端部が前記集塵室側の風路に突出し且つ他端部が電動室34に突出する回転軸159と、回転軸159の一端部に固定され且つギヤ150の環状ギヤ部153に噛合するピニオン(連動手段である小径のギヤ)160と、回転軸159の他端部に回転可能に保持され且つ軸線方向に移動不能保持された駆動回転体としてのピニオン(小径のギヤ)161を有する。このピニオン161は、コードリール125の駆動ギヤ129に噛合して、コードリール125に連動するようになっている。図14および図15において、159aは、回転軸159の周面に形成された軸線と平行な方向に延びるガイド凸部である。尚、ピニオン160は、軸挿通孔113bに嵌合するボス160aを有する。
【0035】
また、回転力伝達手段158は、ピニオン160と格子板116との間に位置させて回転軸159のガイド凸部159aが設けられた部分に嵌合された筒状の従動回転体162を有する。これにより、従動回転体162は、軸線方向に移動可能に且つ相対回転不能に回転軸159に保持されている。更に、回転力伝達手段158は、ピニオン160と従動回転体162の対向部に設けられたワンウエイクラッチ163を有する。このワンウエイクラッチ163は、ピニオン161に設けられたラチェット爪164と、従動回転体162に設けられ且つラチェット爪164に係合するラチェット爪165と、ラチェット爪165をラチェット爪164に押し付けているコイルスプリング166を備えている。
【0036】
しかも、このワンウエイクラッチ163は、電源コード130を引き出す方向にコードリール125を回転させるとき、コイルスプリング166のバネ力に抗して従動回転体162がピニオン160から離反する方向に回転軸159上を移動させられて、ラチェット爪164がラチェット爪165を乗り越えることにより、ラチェット爪164,165同士が相対回転するようになっている。また、ワンウエイクラッチ163は、コードリール125が電源コードKDを巻き取る方向に回転する際、ラチェット爪164,165同士が互いに係止されてピニオン160と従動回転体162が一体に回転する様になっている。
【0037】
更に、回転力伝達手段158は、回転軸159の外周に嵌合され且つ格子板116に当接させられて軸挿通孔113bと回転軸159との間をシールしている環状シール部材167を有する。この環状シール部材167と従動回転体162との間には上述したコイルスプリング166が介装されていて、このコイルスプリング166は環状シール部材167を格子板116に押し付けていると共に、従動回転体162のラチェット爪165をピニオン160のラチェット爪165に押し付けている。この際、環状シール部材167は、軸挿通孔113bとピニオン160のボス部160aとの間に跨って押し付けられることにより、回転軸159と軸挿通孔113aとの間を間接的にシールしている。
【0038】
なお、図12において、115は格子板116に設けた筒部115であり、この筒部115には図示しない環状の弾性部材を介して電動送風機33の吸気開口33Aが取り付けられている。
[動 作]
次に、上記のように構成される電気掃除機の動作について説明する。
【0039】
先ず、図4に示すように、集塵容器50を本体ケース30の載置部35に載置して蓋体40を閉じ、図1に示すようにホース21を蓋体40の接続口43に接続する。そして、操作部22Aの図示しないスイッチを操作すると電動送風機33が駆動される。この電動送風機33の駆動により、本体ケース30の開口の格子板116を介して容器ケース体53の負圧室部56が負圧となる。この負圧が管部62の開口64,管部62の風路61,容器ケース体53の吸気口52,蓋体40の接続パイプ44,ホース21,延長管23および吸込口体24に作用し、吸込口体24から空気とともに塵埃が吸引されていく。
【0040】
この吸引された塵埃および空気が延長管23およびホース21を介して蓋体40の接続口43へ吸引されていく。この接続口43へ吸引された塵埃および空気は、集塵容器50の吸気口52を通って塵埃分離部60の管部62の風路61に吸引されていく。
【0041】
風路61に吸引された空気は管部62の開口64のネットフィルタF2を介して容器ケース体53の負圧室部56に吸引され、さらに容器ケース体53の開口51に装着したフィルタ体80および本体ケース30の開口の格子板116を介して電動送風機33の吸気開口33Aに吸引されていく。
【0042】
一方、管部62の風路61に吸引された所定以上の質量のある大きな塵埃は、その風路61が前後方向に直線状に延びていることにより、その慣性により風路61を直進して案内管70により集塵室部55内へ導入されていく。すなわち、塵埃分離部60により空気と塵埃が分離されることになる。
【0043】
また、空気の一部は案内管70を介して集塵室部55内へ導入され、この導入された空気は集塵室部55のガイド壁55Gによって旋回流となり、集塵室部55内へ導入さた塵埃はその旋回流により圧縮されながら蓄積されていく。
【0044】
集塵室部55内に導入された空気は、旋回流となった後集塵室部55の天板58のネットフィルタF1を介して容器ケース体53の負圧室部56に吸引されていく。
【0045】
重さの軽い小さな塵埃は、管部62の風路61を直進することなく開口64のネットフィルタF2を通る空気に乗って流れていくので、ネットフィルタF2に付着していく。そして、この塵埃の付着によりネットフィルタF2の目詰まりが大きくなると、そのネットフィルタF2を通る風量が減少していくが、その減少した分だけ容器ケース体53の負圧室部56の負圧が大きくなり、天板58の開口59を介して集塵室部55内の負圧も大きくなる。このため、管部62の風路61を直進する空気の風速が大きくなり、その直進する風量も増加することになる。
【0046】
管部62の風路61を直進する風速が大きくなると、その直進する空気がネットフィルタF2に付着した塵埃を剥がしていく。この際、管部62の径が開口62Bに行くにしたがって直線的に漸減していることにより、ネットフィルタF2の全面に風路61を直進する風が一様に当たりやすくなり、このためネットフィルタF2に付着した塵埃は剥がれ易いものとなる。
【0047】
剥がれた塵埃は案内管70を介して集塵室部55内へ導入されて蓄積されていく。
【0048】
また、目詰まりによりネットフィルタF2を通る風量が減少しても、管部62の風路61を直進する風量が増加するので、電動送風機33が吸引する風量は一定に保たれる。このため、ネットフィルタF2の目詰まりに拘わりなく、常に所定の吸引力で塵埃を吸引することができることになる。
【0049】
また、管部62の風路61内で旋回流を生じさせて塵埃と空気とを分離させていないことにより、その風路61内での風路損は小さなものとなる。しかも、管部62の風路61からネットフィルタF2を通って容器ケース体53の負圧室部56に吸引されていく際、吸気口52と管部62と容器ケース体53の開口51と電動送風機33の吸込開口33Aとが一直線上に配置されていることにより、その空気の流れの向きは矢印Q(図3参照)で示すように大きく変わることがなく、ほぼ直線的に流れて電動送風機33に吸引されていく。
【0050】
このため、その風路損はさらに小さなものとなり、電動送風機33の機能を十分に発揮することができることになる。さらに、蓋体40の接続パイプ44と管部62とが一直線上に並んでいることにより、容器ケース体53の吸気口52に向けて導入される空気の方向が管部62の延びる方向と一直線状になるので、その風路損はより一層小さなものとなる。
【0051】
ところで、管部62の風路61に吸引された塵埃のうち、所定以上の質量のある大きな塵埃はそのまま直進して案内管70を介して集塵室部55へ集塵されていくので、微細な塵埃のみが矢印Qで示すように管部62のフィルタF2を通過し、容器ケース体53の負圧室部56を通って塵埃分離部60の後方にあるフィルタ体80に達する。ここで、微細な塵埃はフィルタ体80のプリーツフィルタ部82に捕捉されていく。
【0052】
塵埃分離部60のフィルタF2を通過する塵埃は微細な塵埃なので、フィルタ体80のプリーツフィルタ部82に捕捉される塵埃は微細な塵埃だけとなる。
【0053】
掃除機本体20から引き出された電源コードKDを巻き取るには、先ずハンドル133の把手部134を図1および図2に示す位置から下方に押してハンドル133を下方に押し下げる。
【0054】
ハンドル133が押し下げられると、コードリール125のブレーキ装置131のブレーキの解除が行われ、コードリール125の巻取ドラム126がゼンマイの付勢力によって回転して電源コードKDを巻き取っていく。
【0055】
一方、巻取ドラム126の回転により、回転力伝達手段158を介してギヤ150が回転していく。このギア150の回転により、ギア150の突起157がフィルタ体80のプリーツフィルタ部82のプリーツを乗り越えながらプリーツフィルタ部82の後面上を回転移動していく。そして、突起157がプリーツフィルタ部82のプリーツを乗り越えたときに次のプリーツに衝突してプリーツフィルタ部82に振動を与え、この振動によりプリーツフィルタ部82に捕捉された微細な塵埃がそのプリーツフィルタ部82から落下していく。プリーツフィルタ部82のプリーツは縦方向(上下方向)に延びているので、プリーツフィルタ部82に付着した塵埃は振動により効率よく落とされていくことになる。
【0056】
プリーツフィルタ部82に捕捉された塵埃は微細な塵埃だけので、その振動によってプリーツフィルタ部82から塵埃を簡単に落とせることになる。しかも、電源コードKDを巻き取ったときにプリーツフィルタ部82に振動を与えるので、プリーツフィルタ部82に付着した塵埃は掃除の終了後に常に落とされることになり、プリーツフィルタ部82を掃除する必要もない。すなわち、プリーツフィルタ部82の目詰まり、換言すればフィルタ体80の目詰まりは防止される。
【0057】
プリーツフィルタ部82から落下した塵埃は、集塵室部55の傾斜した後壁部55Aや枠体81の傾斜面85等に案内されて容器ケース体53の集塵部72へ集塵されていく。
【0058】
一方、プリーツフィルタ部82に捕捉された微細な塵埃の一部は振動によりプリーツフィルタ部82の目をくぐって電動送風機33側へ進んでしまい、次に電動送風機を駆動した際に電動送風機33の吸気開口33Aへ吸引されてしまうが、電動送風機33の電動モータがブラシレスモータであり、互いに摺動するカーボンブラシと整流子とを有していないことにより、その吸引した微細な塵埃が両者の摺動面に入り込むことによって生ずる悪影響を受けてしまうことはない。
【0059】
ところで、大きな塵埃は塵埃分離部60によって集塵室部55へ集塵されていくので、大きな塵埃がプリーツフィルタ部82に付着してしまうことがない。また、塵埃分離部60から離れた後方位置にフィルタ体80があるので、塵埃分離部60の管部62の開口64にネットフィルタF2を設けなくとも、大きな塵埃がプリーツフィルタ部82に付着してしまうことがない。
[第2実施形態]
図17は第2実施形態の掃除機本体200を示したものであり、第1実施形態と異なる点について説明する。この掃除機本体200は、電動室234の下に形成したバッテリー室201と制御室202とを有している。バッテリー室201にはバッテリー203が収納されており、このバッテリー203によって電動送風機233が駆動されるようになっている。制御室202には、電動送風機233を制御する制御回路を設けた回路基板204が取り付けられている。
【0060】
電動送風機233は、図示しないブラシレスモータと、このブラシレスモータによって回転される図示しない遠心ファンなどとから構成されている。
【0061】
また、この第2実施形態は、格子板116に回動自在に装着したギヤ150をモータ210で回動させるようにしたものであり、図18に示すように、ギヤ150に噛合したギア260をモータ210の駆動軸210Aに装着したものである。
【0062】
モータ210の駆動スイッチ(図示せず)は掃除機本体200の上面に設けられており、この駆動スイッチが押されている間だけモータ210がバッテリー203によって駆動されるようになっている。そして、モータ210が駆動されるとギア260を介してギア150が回動していき、第1実施形態と同様にしてギア150の突起157がフィルタ体80のプリーツフィルタ部82に振動を与えて塵埃を掻き落としていく。これにより、プリーツフィルタ部82の目詰まり、すなわちフィルタ体80の目詰まりが防止される。
【0063】
また、プリーツフィルタ部82に捕捉された微細な塵埃の一部は振動によりプリーツフィルタ部82の目をくぐって電動送風機233側へ進んで、最終的に電動送風機233の吸気開口233Aへ吸引されてしまうが、電動送風機233の電動モータがブラシレスモータであるので、第1実施形態と同様に電動送風機233はその吸引した微細な塵埃によって悪影響を受けてしまうことはない。
【0064】
第2実施形態の電気掃除機によれば、第1分離手段は上述したように風路損が極めて少ないものであり、しかも第2分離手段であるフィルタに除塵手段を設けて目詰まりを解除でき、さらに電動送風機にブラシレスモータを採用していることから、消費電力を抑制でき、結果として小型のバッテリーを採用することが可能となる。この第2実施形態では、駆動スイッチが押されている間だけモータ210を駆動するようにしているが、電動送風機233の駆動が停止された後、数秒間だけ自動的にモータ210を駆動するようにしてもよい。また、駆動スイッチは手元操作部22Aに設けてもよい。
【0065】
また、上記各実施例では、第1の塵埃分離部および集塵部を掃除機本体に設けているが、これらを掃除機本体以外、例えばホースの手元部に設けることも可能である。この場合、集塵容器50の吸気口52はホースの手元部に設けた接続口に接続(連通)し、集塵容器50の開口51を小さく形成するとともに、この小さく形成した開口51をホースの手元部に設けた他の接続口に接続する。そして、ホースの手元部の接続口は吸込口体24に連通し、ホースの手元部の他の接続口は電動送風機の吸気開口に連通する。
【0066】
第1,第2実施形態の集塵容器50は、掃除機本体20,200から取り外せるようになっているが、集塵容器50を掃除機本体20,200に一体に設け、掃除機本体20,200の底部に開閉蓋を設け、この開閉蓋を開けることによって集塵容器50内の塵埃を捨てるようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第2塵埃分離手段の目詰まりの防止を図ることができるとともに、吸引した塵埃によって電動送風機が悪影響を受けてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電機掃除機の外観を示した斜視図である。
【図2】図1に示す電気掃除機の掃除機本体を示した斜視図である。
【図3】図2に示す掃除機本体の一部を断面にした側面図である。
【図4】蓋体を開けた状態を示した掃除機本体の側面図である。
【図5】集塵容器の構成を示した縦断面図である。
【図6】集塵容器を示した斜視図である。
【図7】集塵容器の平断面図である。
【図8】集塵容器の後部の一部を拡大した部分拡大斜視図である。
【図9】集塵容器の底面の上から見上げた野視図である。
【図10】(A)フィルタ体を示した斜視図である。(B)フィルタ体の枠の一部を示した説明図である。(C)プリーツフィルタ部の一部を示した説明図である。
【図11】振動付与手段とコードリールの関係を示す斜視図である。
【図12】図11の振動付与手段とコードリールの関係を後側から見た斜視図である。
【図13】図10の振動付与手段とコードリール等の分解斜視図である。
【図14】回転力伝達手段の構成を示した拡大説明図である。
【図15】図14のA1−A1線に沿う断面図である。
【図16】図14のA2−A2線に沿う断面図である。
【図17】第2実施形態の掃除機本体の構成を示した断面図である。
【図18】ギアがモータで回動される構成を示した説明図である。
【符号の説明】
33 電動送風機
55 集塵部
60 塵埃分離部(第1塵埃分離手段)
72 集塵部(副集塵部)
80 フィルタ体(第2塵埃分離手段)
149 振動付与手段(除塵手段)

Claims (3)

  1. 電動送風機の負圧により吸引した空気と塵埃とを分離する第1塵埃分離手段と、この第1塵埃分離手段で分離された塵埃を集塵する集塵部と、前記第1塵埃分離手段の下流側に設けられ濾過により塵埃を捕捉して空気と塵埃を分離する第2塵埃分離手段と、この第2塵埃分離手段に捕捉された塵埃を取り除く除塵手段とを備え、
    前記電動送風機の負圧が作用する負圧室部内に前記第1塵埃分離手段を設け、
    この第1塵埃分離手段は、一端開口が塵埃を吸込む吸気口に対向するとともに他端開口が前記集塵部に連通した直線状の筒状の通路と、この通路の周面に形成されたネットフィルタとを備え、前記通路内の空気を前記フィルタを介して前記電動送風機に吸込むことによって通路内の空気と塵埃とを分離する電気掃除機であって、
    前記通路の径を前記一端開口から他端開口へいくにしたがって漸減させ
    前記集塵部を前記第1塵埃分離手段より下に配置し、
    前記通路の他端開口と前記集塵部とを案内管で連通させ、
    前記集塵部と前記負圧室部とを連通させ、
    前記電動送風機の電動モータをブラシレスモータにしたことを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記ブラシレスモータはバッテリーで駆動されることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記除塵手段によって第2塵埃分離手段から取り除かれた塵埃を集塵する副集塵部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
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