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JP3949386B2 - ストーカ式ごみ焼却炉の酸素富化燃焼方法 - Google Patents

ストーカ式ごみ焼却炉の酸素富化燃焼方法 Download PDF

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JP3949386B2
JP3949386B2 JP2001060122A JP2001060122A JP3949386B2 JP 3949386 B2 JP3949386 B2 JP 3949386B2 JP 2001060122 A JP2001060122 A JP 2001060122A JP 2001060122 A JP2001060122 A JP 2001060122A JP 3949386 B2 JP3949386 B2 JP 3949386B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はストーカ式ごみ焼却炉の燃焼方法の改良に関するものであり、後燃焼ストーカの上部空間の燃焼ガスを引き抜いて炉内へ再循環する燃焼方式と局部的な酸素富化燃焼を組み合せることにより、より少ない酸素消費量でもってダイオキシン類やNOxの抑制、燃焼排ガス量の低減等の点で、これ迄の酸素富化燃焼方式に優るとも劣ることない高度な燃焼を行なえるようにしたストーカ式ごみ焼却炉の燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ストーカ式ごみ焼却炉は多くの稼動実績を有するごみ焼却炉であり、都市ごみを比較的安定して燃焼させることが出来ると云う秀れた実用的効用を有するものである。
ところで、近年環境保全の観点から、ごみ焼却炉から排出されるダイオキシン類やNOx等に対する規制が強化されて来ている。そのため、ストーカ式ごみ焼却炉に於いても、これらの規制に対応すべく天然ガス再燃焼方式や排ガス再循環・酸素富化燃焼方式を用いた所謂低公害型焼却炉の開発が進められて来た。
【0003】
しかし、前者の天然ガス再燃焼方式を用いたストーカ式ごみ焼却炉では、被焼却物である都市ごみの熱量の約10%に相当する熱量の天然ガスを常時燃焼させる必要があり、NOxやCOの排出量を大幅に減少させることが可能な反面、焼却炉のランニングコストや廃熱回収装置のイニシャルコストが著しく上昇すると云う問題がある。
【0004】
また、後者の排ガス再燃焼式酸素富化燃焼方式を用いたストーカ式ごみ焼却炉は、図3に示すように、空気Aに純度93〜95%の酸素O2を混合するか、或いは酸素富化膜を用いて酸素濃度が約24〜28%の酸素富化空気とし、この酸素富化空気を一次燃焼空気A′としてストーカ2の下方から供給すると共に、排ガス処理装置15の出口側から分岐した燃焼排ガスG′を炉本体1の1次燃焼室6の上方へ供給する構成としたものである。尚、図3に於いて3はホッパー、4はごみフィーダー、8は2次燃焼空気供給口、13は酸素発生器、14は酸素混合器、16は廃熱ボイラ、17は押込送風機、18は再循環ガスG′の噴出ノズルである。
【0005】
上記酸素富化空気を1次燃焼空気A′とするストーカ式ごみ焼却炉は、(イ)炉内ガス温度が高温となり、ダイオキシン類(DXN)の発生を抑制できること、(ロ)排ガス量が約30%程度減少し、廃熱ボイラや排ガス処理装置の小形化が図れること、(ハ)高温燃焼及び排ガス量の減少により、廃熱ボイラの熱回収率が向上し、プラントの総合的熱利用率が向上すること、(ニ)排ガス内の未燃分の減少及び焼却灰の熱灼減量の低減が図れること、及び(ホ)排ガスG′を再循環させることにより、1次燃焼室上方に於ける燃焼ガスの混合が活発となり、NOxの発生が抑制されること等の優れた効用を奏することができる。
【0006】
しかし、図3の酸素富化燃焼方式のストーカ式ごみ焼却炉では、1次燃焼空気A′の酸素濃度を約24〜28%に保持する必要があり、多量の酸素O2の供給を必要とする。その結果、酸素発生装置13が大形化すると共に、酸素発生装置13のランニングコストが高騰すると云う問題がある。
【0007】
また、図3のストーカ式ごみ焼却炉では、再循環ガスG′を供給しても2次空気吹込み前に還元ゾーンを形成できず、NOxの低減を十分に達成できないと云う問題がある。
更に、排ガス処理装置15によって処理したあとの燃焼排ガスを再循環排ガスG′として炉本体1へ供給しているため、排ガス処理装置15の設備費やランニングコストが割り高になると云う難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従前の酸素富化燃焼方式を用いたストーカ式ごみ焼却炉に於ける上述の如き問題、即ち(イ)大容量の酸素発生装置を必要とし、酸素発生装置のランニングコストが高騰すること、(ロ)再循環排ガスG′の供給によるNOxの低減作用が、不十分であり、安定したNOxの低減が困難なこと及び(ハ)排ガス処理装置の設備費やランニングコストが割り高になること等の問題を解決せんとするものであり、ストーカ式ごみ焼却炉の1次燃焼室と2次燃焼室との間の空間部へ、後燃焼ストーカの上方空間より引き抜いた燃焼ガスを供給して主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成すると共に、総合的な燃焼空気比を約1.3〜1.4に引下げ、更に、後燃焼ストーカへ供給する1次燃焼空気若しくは2次燃焼空気のみを酸素富化空気とすることにより、より少ない酸素消費量でもって、有害ガスの発生の抑制、排ガス量の減少及び灰の熱灼減量の低減等の点で従前の酸素富化燃焼方式を用いたストーカ式ごみ焼却炉と同等若しくはそれ以上の高度燃焼を行なえるようにしたストーカ式ごみ焼却炉の燃焼方法を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室の間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、後燃焼ストーカへ供給する1次燃焼空気の酸素濃度を24〜26%に調整して、前記1次燃焼室と2次燃焼室との間の空間へ供給する燃焼ガスの酸素濃度が15〜18となるようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室の間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、前記後燃焼ストーカへ供給する燃焼ガスの酸素濃度を調整して燃焼ガスの温度が700℃〜800℃となるようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0011】
請求項3の発明は、ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室の間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、前記2次燃焼室へ供給する2次燃焼空気の酸素濃度を24〜26%に調整するようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0012
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を適用したストーカ式ごみ焼却炉の系統概要図である。図1に於いて、1はストーカ式ごみ焼却炉の炉本体、2はストーカ、2aは乾燥ストーカ、2bは燃焼ストーカ、2cは後燃焼ストーカ、3はホッパー、4はごみフィーダー、5は灰排出口、6は1次燃焼室、7は2次燃焼室、8は2次燃焼空気供給口、9は後燃焼ストーカの上部空間の燃焼ガス引抜き口、10はエコノマイザ、11は燃焼ガス吹込口、12は攪拌混合・還元領域、13は酸素発生装置、14は酸素混合器、15は酸素濃度検出器、16は酸素ガス流量制御弁である。
【0013
尚、前記図1に示したストーカ式ごみ焼却炉の構成は、(イ)後燃焼ストーカの上部空間6cから引抜いた燃焼ガスG2を燃焼ガス吹込口11から炉本体1内へ吹き込んで、2次燃焼室7の完全燃焼領域7aと1次燃焼室6の燃焼ストーカの上部空間6bとの間に攪拌混合・還元領域12を形成している点、及び(ロ)後燃焼ストーカ2cへ供給する1次燃焼空気に混合器14を介して酸素発生装置13からの酸素O2を混合し、1次燃焼空気A1Cを酸素富化空気としている点を除いて、その他の各部の構成は、従前のストーカ式ごみ焼却炉の構成と全く同一である。従って、ここでは上記(イ)及び(ハ)の相違点を中心にして説明する。
【0014
図1の第1実施形態では、炉本体1の後燃焼ストーカ2cの上方位置に約2000mm×炉巾と同一寸法の燃焼ガス引抜き口9が穿設されている。
そして、ここから引抜いた後燃焼ストーカ2cの上方空間部6cの燃焼ガスG2 が燃焼ガス吹込口11から、1次燃焼室6の燃焼ストーカ2bの上部空間6bの上方(即ち、2次燃焼室7の下方位置)へ吹き込みされており、この吹き込みされた燃焼ガスG2 により、前記2次燃焼室7の下方位置に後述する主燃焼ガスG1 の攪拌混合・還元領域12が形成され、主燃焼ガスG1 内のNOxが還元除去される。
【0015
また、前記燃焼ガス引抜口9の出口側にはエコノマイザ10が設けられており、脱気器(図示省略)からのボイラ給水を加熱することにより、約700〜800℃の燃焼ガスG2が約300〜350℃に減温されたあと、攪拌混合・還元領域12へ吹き込まれて行く。
【0016
前記酸素発生装置13にはPSA式の酸素発生装置13が用いられており、純度約93〜94%の酸素ガスO2を発生する。
また、発生した酸素O2は酸素混合器14で後燃焼ストーカ2cへの1次空気と混合され、所謂酸素富化された1次燃焼空気A1cが後燃焼ストーカ2cへ供給される。
【0017
次に、図1の実施形態のストーカ式ごみ焼却炉の燃焼について説明する。
ポッパー3からごみフィーダー4を介して炉本体1内へ繰り出された都市ごみ、例えば発熱量が約2000kcal/kgの都市ごみCは、乾燥ストーカ2a上で約20〜30分間乾燥されることにより含有水分を放出して乾燥される。また、乾燥されたごみCは、燃焼ストーカ2b上で約40〜60分間に亘って約800℃〜1000℃の温度下で燃焼され、この間に固定分中の各種成分の揮発並びに燃焼が行なわれる。更に、燃焼ストーカ2cからの燃焼残滓は後燃焼ストーカ2c上で約30〜40分間に亘って後燃焼をされ、この間に、燃焼残渣内の固定炭素や未燃焼可燃物のおき燃焼が行なわれる。
【0018
本発明に於いては、ストーカ式ごみ焼却炉へ供給する燃焼用空気Aの総燃焼空気比λを約1.3〜1.4に、また、1次燃焼空気A1の総1次空気比λ1を0.9〜1.0に、更に、2次燃焼空気A2の総2次空気比λ2を0.3〜0.4に夫々設定しており、従前のこの種ストーカ式ごみ焼却炉に於ける総燃焼空気比λ=1.7〜1.8、総1次空気比λ1=1.2〜1.4、及び総2次空気比0.4〜0.5の各値に対して、総1次燃焼空気比λ1の設定値が大きく異なっている。
【0019
即ち、空気比λ1=0.9〜1.0に相当する量の1次燃焼空気A1は、空気比λ1の約0.80〜0.85分A1bが燃焼ストーカ2bへ、また、空気比λ1の約0.10〜0.15分A1Cが後燃焼ストーカ2cへ夫々供給される。
【0020
燃焼ストーカ2b上で約800℃〜1000℃の温度下で都市ごみCが燃焼されることにより、燃焼ストーカ2bの上部空間6bにはH2O、HClやSOx、CO、NOx、HCN、煤塵等の各種物質を含む主燃焼ガスG1が形成され、これが2次燃焼室7内へ上昇する。尚、前記主燃焼ガスG1の温度は約900℃〜1000℃位いである。
【0021
一方、前記後燃焼ストーカ2cへ供給する1次燃焼空気A1cには、酸素混合器14にて酸素発生装置13からの酸素O2が混合されており、酸素富化された1次燃焼空気A1cが後燃焼ストーカ2cへ供給される。
前記1次燃焼空気A1cの酸素富化の程度は24〜28%とし、後燃焼ストーカ2cの上方空間6b内の燃焼ガスG2の酸素濃度が約15〜18となるようにその量と温度を制御されており、具体的には後燃焼空気A1cの酸素濃度を酸素濃度検出器15で検出し、その検出値により酸素ガス流量制御弁16を作動させ、酸素混合器14への酸素O2の供給量を制御するようにしている。
尚、燃焼ガスG2中の酸素濃度の上昇を約15〜18%とするのは、O2濃度が約18%以上になると、攪拌混合・還元領域12に於いて局部的な燃焼に伴う温度上昇が生じ、NOx濃度の引下げが十分に達成されなくなるからであり、また、O2濃度が約18%程度に上昇するまで後燃焼ストーカ2cへ供給する1次燃焼空気A1cを酸素富化すれば、焼却残渣の灼熱減量を十分に引下げすることが可能となるからである。
【0022
前記1次燃焼空気A1cの酸素富化により、後燃焼ストーカ2c上の燃焼残渣の燃焼温度は700℃〜800℃に、また、後燃焼ストーカ2cの上部空間6c内の燃焼ガスG2 の温度も約700℃〜800℃となり、従前のストーカ式ごみ焼却炉の場合の燃焼残渣の温度(約550〜650℃)及び燃焼ガスG2の温度(500〜650℃)よりも高温度となる。
【0023
前記後燃焼ストーカ2cの上部空間6b内の約700℃〜800℃の燃焼ガスG1は、燃焼ガス引抜口9を通して炉本体1外へ導出され、エコノマイザ10により約300〜350℃に冷却されたあと、前述の如く燃焼ガス吹込口11から炉本体1内へ吹込みされる。
即ち、前記後燃焼ストーカ2bの上部空間6bからの酸素濃度が約15〜18%の燃焼ガスG2が炉内へ再循環されることにより、2次燃焼室7の下方部に燃焼空気比が約0.9〜1.0程度の所謂攪拌混合・還元領域12が形成される。
【0024
一方、都市ごみが低空気比燃焼されると、ごみ内のアンモニア化合物等が分解され、アンモニアガスが発生する。このアンモニアガス等により1次燃焼室6から上昇して来た主燃焼ガスG1内の窒素酸化物(NOx)が、燃焼ガスG2の吹込による燃焼ガスG2の攪拌混合作用と相俟ってこの攪拌混合・還元領域12に於いて、還元除去されると共に、ダイオキシン類の生成が抑制されることになる。
【0025
尚、前記燃焼ガスG2の再循環流量は、1次燃焼排ガスG1+G2の10〜15%程度に選定されている。燃焼ガスG2の再循環流量を10%以下とした場合には十分な攪拌混合・還元作用が得難くくなり、また再循環流量を15%以上とすると、再循環ガス送風機の動力が大きくなったり、再循環ガス系統の設備が大きくなるという経済的な問題が発生する。
【0026
2次燃焼空気A2は、前記攪拌混合・還元領域12の上方に設けた2次燃焼空気供給口8から炉本体1内へ供給されており、これによって攪拌混合・還元領域12から上昇して来た燃焼ガスGa内のCOや未燃固形物が所謂2次燃焼されると共に、燃焼ガスGaが約900℃〜1000℃の高温となることにより、燃焼ガスGa 内のダイオキシン類が熱分解されることになる。
【0027
尚、図1の実施形態に於いては、後燃焼ストーカ2cに供給する1次燃焼空気A1cの酸素濃度を検出し、当該酸素濃度が約24〜28%となるように調整しているが、図1の1次燃焼空気A1cの酸素濃度の検出に代えて燃焼ガスG2の温度を検出し、燃焼ガスG2 の温度が約700℃〜800℃となるように後燃焼ストーカ2cへの1次燃焼空気Ac1の酸素富化レベルを制御するようにしてもよい。
【0028
また、後燃焼ストーカ2cの上方空間6cの燃焼ガスG2の酸素濃度を検出し、燃焼ガスG2の酸素濃度が約15〜18%となるように、後燃焼ストーカ2cへの1次燃焼空気A1cの酸素富化レベルを制御するようにしてもよい。
【0029
前記後燃焼ストーカ2cへの1次燃焼空気Ac1の酸素富化レベルの調整と、後燃焼ストーカ2cの上部空間6cから引抜いた燃焼ガスG2の再循環と、1次燃焼空気A1の適正な分配及び総燃焼空気比λの大幅な低減との有機的な組み合せにより、本願発明に於いては、発熱量2000kcal/kg程度の一般的な都市ごみCを、従前のストーカ式ごみ焼却炉の場合よりも約30%程度少ない燃焼空気量でもって、且つ燃焼排ガスG内のダイオキシン濃度を0.5ngTEQ/m3N以下、NOx濃度を60ppm以下及びCO濃度を10ppm以下に保持しつつ、しかも燃焼残渣の熱灼減量が約1%(従来例の場合の約3%)となる状態下で、連続的に焼却処理することが可能となる。
【0030
図2は、本発明の他の実施形態を適用したストーカ式ごみ焼却炉の系統概要図である。この実施形態に於いては、第1実施形態の後燃焼ストーカ2cへの1次燃焼空気A1cを酸素富化空気とする構成に替えて、2次燃焼空気A2を酸素富化空気とするようにしており、当該2次燃焼空気A2の酸素富化の点を除くその他の構成は、前記図1の第1実施形態の場合と略同一である。
【0031
図2の実施形態に於いては、酸素発生装置13からの酸素ガスO2が酸素混合器14に於いて空気Aと混合され、酸素濃度を約24〜28%に高めた酸素富化空気が2次燃焼空気A2として、2次燃焼空気供給口8から二次燃焼室7へ供給される。
【0032
尚、2次燃焼空気A2を酸素富化空気とすることにより、2次燃焼空気A2の供給量は減少されるが、その2次燃焼空気比λ2は約0.3〜0.4に保持される。また、完全燃焼領域7aに於ける燃焼ガスGa の温度は約1000℃前後となり、未燃ガス及びダイオキシン類は略完全に分解され、燃焼排ガスG内のCOは10ppm以下に、またダイオキシン類は0.5ngTEQ/m3N以下にまで低減する。
【0033
【発明の効果】
請求項1の発明では、総燃焼空気比λを1.3〜1.4としてごみをストーカ燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間から引き抜いた燃焼ガスG2を炉本体内へ供給して燃焼ガスG2を再循環させることにより、2次燃焼室と1次燃焼室の間に攪拌混合・還元領域を形成し、更に、後燃焼ストーカへ供給する1次燃焼空気A1cを酸素濃度24〜26%酸素富化空気とすることにより、前記燃焼ガスG2の酸素濃度が15〜18%となるようにしている。
その結果、従前のストーカ式ごみ焼却炉の場合に比較して燃焼排ガスGの排出量を約30%程度減らすことができると共に、より少ない空気消費量でもって、燃焼排ガスG内のNOxやダイオキシン類、CO等の濃度を大幅に引下げることが可能となる。
また、後燃焼ストーカからの燃焼残渣の熱灼減量も大幅に減らすことが可能となる。
同様に、請求項2の発明では、1次燃焼空気A1cの酸素濃度を前記燃焼ガスG2の温度が700℃〜800℃となるように制御していることから、請求項1の場合と同様の効用が奏される。
また、請求項3の発明に於いては、2次燃焼空気A2の方を酸素富化空気とし、その酸素濃度を約24〜26%程度に調整するようにしている。その結果、より少量の2次燃焼空気A2でもって2次燃焼室の燃焼ガスを高温下で完全燃焼させることができ、従前のストーカ式ごみ焼却炉の場合に比較して燃焼排ガスGの排出量を約30%程度減少させることが可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を適用したストーカ式ごみ焼却炉の系統概要図である。
【図2】 本発明の他の実施形態を適用したストーカ式ごみ焼却炉の系統概要図である。
【図3】 従前のストーカ式ごみ焼却炉の系統概要図である。
【符号の説明】
Cは都市ごみ、O2は酸素ガス、Aは空気、A1は1次燃焼空気、A2は2次燃焼空気、Gは燃焼排ガス、G1は主燃焼ガス(燃焼ストーカの上部空間の燃焼ガス)、G2は後燃焼ストーカの上部空間の燃焼ガス、Gaは攪拌混合・還元領域の燃焼ガス、λは後燃焼空気比、λ1は1次燃焼空気比、λ2は2次燃焼空気比、1はストーカ式ごみ焼却炉の炉本体、2はストーカ、2aは乾燥ストーカ、2bは燃焼ストーカ、2cは後燃焼ストーカ、3はホッパー、4はごみフィーダー、5は灰排出口、6は1次燃焼室、6bは燃焼ストーカの上部空間、6cは後燃焼ストーカの上部空間、7は2次燃焼室、7aは完全燃焼領域、8は2次燃焼空気供給口、9は燃焼ガス引抜き口、10はエコノマイザ、11は燃焼ガス吹込口、12は攪拌混合・還元領域、13は酸素発生装置、14は酸素混合器、15は酸素濃度検出器、16は酸素ガス流量制御弁。

Claims (3)

  1. ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室との間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、後燃焼ストーカへ供給する1次燃焼空気の酸素濃度を24〜26%に調整して、前記1次燃焼室と2次燃焼室との間の空間へ供給する燃焼ガスの酸素濃度が15〜18となるようにしたことを特徴とするストーカ式ごみ焼却炉の酸素富化燃焼方法。
  2. ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室の間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、前記後燃焼ストーカへ供給する1次燃焼空気の酸素濃度を調整して、1次燃焼室と2次燃焼室との間の空間へ供給する燃焼ガスの温度が700℃〜800℃となるようにしたことを特徴とするストーカ式ごみ焼却炉の酸素富化燃焼方法。
  3. ストーカ式ごみ燃焼炉により総燃焼空気比を1.3〜1.4に、1次燃焼空気比を0.9〜1.0に、2次燃焼空気比を0.3〜0.4に夫々し、且つ、前記1次燃焼空気比の0.8〜0.85分に相当する1次燃焼空気を乾燥ストーカ及び燃焼ストーカの下方から、また、1次燃焼空気比の0.1〜0.15分に相当する1次燃焼空気を後燃焼ストーカの下方から供給するようにした状態でごみ等を燃焼させると共に、後燃焼ストーカの上部空間より引き抜いた燃焼排ガス量の10〜15%の量の燃焼ガスを、300〜350℃に減温したあと1次燃焼室と2次燃焼室の間の空間へ供給し、前記燃焼ガスの供給により1次燃焼室と2次燃焼室との間に空気比が0.9〜1.0の主燃焼ガスの攪拌混合・還元領域を形成し、更に、前記2次燃焼室へ供給する2次燃焼空気の酸素濃度を24〜26%に調整するようにしたことを特徴とするストーカ式ごみ焼却炉の酸素富化燃焼方法。
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