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JP3945943B2 - 冷却装置 - Google Patents

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JP3945943B2 JP20060199A JP20060199A JP3945943B2 JP 3945943 B2 JP3945943 B2 JP 3945943B2 JP 20060199 A JP20060199 A JP 20060199A JP 20060199 A JP20060199 A JP 20060199A JP 3945943 B2 JP3945943 B2 JP 3945943B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、断熱体内に設けられた冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の冷却装置は、第1の従来例として、例えば特開平7−71862号公報(F25D21/08)の如く、断熱壁にて構成された貯蔵室内に冷気を供給して冷却する冷却装置において、冷却装置内に冷却器と、冷却器に通風するファンと、このファンの霜取用ヒータを設け、前記ヒータは吐出口より離間してファンの下部に取り付けたものがある。
【0003】
また、冷却装置の他の第2の従来例を、図4乃至図6により説明する。図4は、冷却貯蔵庫1の冷却装置2部分の断面図、図5はその斜視図、図6は図5のB−B線断面図を示している。冷却装置2は、断熱壁にて構成された冷却貯蔵庫1内に冷却器7と、電動機20と、その電動機20に取り付けられた複数枚の羽根を持つ鋼板製のファン8と、そのファンと電動機との周囲に設けられたファンケーシング4と、ファン8用の霜取用ヒータ10を有し、電動機20の運転により吸込口11から吸込まれて前記冷却器7と熱交換した冷気を吐出口12から前記冷却貯蔵庫1内に強制循環する。ファン8に付着した霜を融解するための霜取用ヒータ10は、略W字の形状をしており、この霜取用ヒータ10の中央部にある屈曲部10A、10Aをファン8の略正面に設けられた金属ワイヤ製のファンガード13の差込部13A、13Aに差込み、さらに薄肉の鋼板性の2個の固定部材22を屈曲させて霜取用ヒータ10の両端部10B、10Bをファンガード13のワイヤに固定して、この霜取用ヒータ10を前記ファン8の略正面に位置させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷却装置のファンは冷気によって冷やされるため、貯蔵室内の湿気が霜となって付着するので、適宜除霜を行う必要がある。そのために、上記第1の従来例においては送風機の下部に霜取用ヒータを設けて、ファンに付着した霜を融解するようにしている。しかしながら、ファンは除霜時に停止しているため、霜取用ヒータからの距離が遠い位置で停止している羽根もあり、そのような部分には霜取用ヒータの熱がほとんど届かず、ファンの霜が完全に融解しないうちに冷却装置の冷却運転を開始してしまうこともあり、ファンのバランスを崩し、ファンの破損や電動機の故障等を招くことがあった。そのうえ、貯蔵室内の空気温度が低いため、甚だしいときは徐々に氷となって成長し、つららになってファン、ファンガードまたはファンケーシング等に付着したままになることもあった。そのため、従来は、霜取用ヒータの発熱容量を大きくすることにより、ファンおよびファンケーシングの表面の温度を水の凝固点以上に上昇させて除霜し、その除霜水を下部に設けられた露受板で受け、排水ホースから外部に排水するようにしていた。しかし、この方法では、霜の付着したファンと霜取用ヒータとの距離があるため除霜時間が長く、その間の霜取用ヒータの熱によって冷却貯蔵庫内の温度が上昇し、食品等の品質の低下を招いていた。
【0005】
一方、上記第2の従来例においては、霜取用ヒータ10は固定部材22によりファンガード13に固定されているため、ファン8の点検や交換の際、ファンガード13と一緒に霜取用ヒータ10を外し、同時にその電源線を図示しない電装箱からも外す必要があった。このように、ファン8の点検や交換の際に、回転物であるファン8の周囲の電源線の固定に細心の注意を払う必要があるため、冷却装置2のメンテナンスの面から不便であった。
【0006】
この発明は上記の問題を解決するためになされたもので、貯蔵室内に設置された冷却装置において霜によるファンの破損や電動機の故障を防止し、貯蔵室内の食品に与える影響を回避するとともに、点検、補修作業時の作業性を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の冷却装置は、断熱箱体内に、ファンケーシングと、このファンケーシング内に収納された冷却器と、この冷却器に通風するファンと、このファン保護用のファンガードと、前記ファンの霜取用ヒータとを備えた冷却装置であって、前記ヒータは前記ファンケーシングに設けられた固定部材によって固定され、かつ前記ヒータは前記ファンと前記ファンガードとの間に位置し、前記固定部材は、前記ファンによる冷気の吐出方向に対し所定の角度の面を有するものである。
【0008】
本発明によれば、霜取用ヒータとファンとの距離が近接し、霜取用ヒータの熱がファンまで届きやすくなり、ファンに付着した霜を完全に融解させることができる。したがって、融解した除霜水が再度凝結し、つららとなってファンに付着することがなく、ファンの破損や電動機の故障を防止できる。そして、ファンと霜取用ヒータとの距離が近いので効率よく除霜でき、除霜時間が短くなるため、その間のヒータの熱による庫内の温度上昇が少なく、貯蔵室内の食品等の品質の低下を生じない。また、前記ヒータはファンケーシングに設けられた固定部材によって固定されているので、固定部材によりヒータの熱が熱輻射の他、熱伝導によっても伝わるため、ファンケーシングに付着した霜を除くこともできる。
【0009】
また、前記固定部材は前記ファンによる冷気の吐出方向に対し所定の角度の面を有するものであるから、固定部材が冷気の吐出方向を規制し、貯蔵室内の隅々にまで届き、その温度を均質にすることができ、食品等の品質を適正に維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用した冷却装置の実施例として、冷却貯蔵庫1の冷却装置2部分の断面図を示している。冷却貯蔵庫1は、例えばプレハブ冷凍・冷蔵庫であり、複数枚のプレハブ断熱パネルを組立てることにより構成され、食品等を急速に冷却する急速冷却庫として使用されるものである。この冷却貯蔵庫1の庫内3の天井面3Aとなる天壁1Aの下面に冷却装置2が取り付けられている。冷却装置2は鋼板製のファンケーシング4と、このファンケーシング4内に収納され、ファンケーシング4の天板6にネジ止めされた冷却器7と、この冷却器7に設けられた冷却器除霜用の電気ヒータ5と、庫内冷却用の鋼板製のファン8と、ファンケーシング4の下端部に取り付けられた鋼板製の露受板9と、この露受板9に設けられた発熱体Hなどから構成されている。ファンケーシング4には冷却器7側に吸込口11が、ファン8側に吐出口12がそれぞれ開口形成されている。また、この吐出口12の外側には金属ワイヤ製のファンガード13が取り付けられている。
【0012】
下面の露受板9には排水口15が形成され、排水時の凍結を防止するためにその外周部に樹脂性の発熱体18が巻かれた排水ホース14が、露受板9の排水口15に連通接続されて庫外に引き出されている。そして、この冷却装置2はファンケーシング4の四隅にネジ止めされたハンガー16,16および17、17によって天井面3Aに取り付けられている。
【0013】
次に、図2を参照して本発明の実施例の冷却装置2を説明する。図2はファンガード13側から見た冷却装置2の斜視図である。鋼板性のファンケーシング4は、冷却器7、電動機20およびファン8を内部に収容しており、略4隅に脚状の取付け部を有する金属ワイヤ製のファンガード13がファンケーシング4の吐出口12側にネジ止めされて固定されている。ファンガード13は、金属製ワイヤをその交叉部でスポット溶接し組立てられたもので網目状であり、冷却貯蔵庫1の庫内3で食品等の搬入や搬出を行う作業者のファン8の回転による怪我や、障害物によるファンの破損を防止するとともに、ファンケーシング4から吐出する冷気の流れを阻害しないようにしている。そして、ファンケーシング4に固定された霜取用ヒータ固定部材19、19により支持された霜取用ヒータ10を略W字の形状とすることによって、この霜取用ヒータ10の中央部10Cをファン8の略正面に位置させ、その中央部を加熱できるようにしている。また、ヒータ10の両端の電源線は冷却装置2にある図示しない電装箱内の制御回路の所定部分に接続されている。ファン8は、ファンケーシング4の上部の図示しない取付板に固定された電動機20に回動自在に取り付けられている。また、ファンケーシング4に冷気の吐出口12を開口形成し、その開口の縁にはバーリング21を施し、冷気の流れが円滑になるようにしている。
【0014】
次に図3を参照してこの霜取用ヒータ10を固定する霜取用ヒータ固定部材19、19を説明する。図3は図2のA−A線断面図である。霜取用ヒータ固定部材19、19は鋼板製で、その一端にフランジ19A、19Aを有しそのフランジ19A、19Aによりファン8の周囲のファンケーシング4にスポット溶接される。一方、他端部に略J字形状部19B、19Bを有し、略W字の形状をしている霜取用ヒータ10をその略J字形状部19B、19Bにて挟持しており、さらに、ファンケーシング4に対して略直立した面19Cを有し、ファン8の周囲にこの霜取用ヒータ固定部材19、19が複数個固定されている。
【0015】
以上の構成で、冷却運転を開始すると、図示しないコンプレッサが駆動され、図示しないコンデンシングユニットから冷却器7に冷媒が供給され、ファン8によって、冷却器7は冷却作用を発揮する。ファン8の回転により、吸込口11からは庫内3の冷気が吸引され、ファンケーシング4内の冷却器7と熱交換した後、吐出口12から庫内に吐出される。
【0016】
この冷却運転を続けていると、冷却器7およびファン8に霜が付着するため、定期的に霜取運転を行う必要があり、冷却器7への冷媒供給を停止するとともに、冷却器7に設けられた除霜用電気ヒータ5に通電、発熱させる。冷却器7に付着した霜は融解し、除霜水や氷塊となって露受板9上に落下する。一方、ファン8に付着した霜は霜取用ヒータ10により除霜され、ファンケーシング4の下部に置かれた露受板9上に落下する。
【0017】
本実施例では、霜取用ヒータ10は略W字の形状をしており、固定部材19、19によりその発熱部はファン8の略正面に位置し、しかも前記第2の従来例と異なり霜取用ヒータ10がファンガード13に固定されていないから、霜取用ヒータ10とファン8との距離がより近接し、霜取用ヒータ10の熱がファン8に届きやすくなり、ファン8に付着した霜を完全に融解させることができる。したがって、ファン8に付着する霜や氷の量に偏りを生じてファン8のバランスを崩すことがなく、その破損や電動機20の故障を防止できる。また、霜の付着したファン8と霜取用ヒータ10との距離が近接しているため、除霜時間を短くすることができ、その間の霜取用ヒータ10の熱による冷却貯蔵庫1内の温度上昇が少なくなり、食品等の品質低下を生ずることもない。また、小さな発熱容量のもので済み、コストが安くなる。
【0018】
次に、霜取用ヒータ10およびファンガード13の固定方法を図2および図3により説明する。霜取用ヒータ固定部材19、19は他端部に略J字形状部19B,19Bを有しているので、略W字の形状をしている霜取用ヒータ10をファン8の前面上方から差し込んでから、霜取用ヒータ10の両端側直線部10B、10Bを霜取用ヒータ固定部材19、19の略J字形状部19B、19Bに前面方向に向けて押し込むことにより挟持させる。その後、霜取用ヒータ10の電源線を冷却装置2内にある図示しない電装箱内の制御回路の所定部分に接続し、ファンガード13の略4隅の脚状部をファンケーシング4にネジ止めする。このように簡単な作業で霜取用ヒータ10の固定作業が完了する。
【0019】
逆に、ファン8の交換や電動機20の点検、補修をする場合、霜取用ヒータ10は霜取用ヒータ固定部材19、19によりファンケーシング4に固定されているため、ファンガード13を外しても霜取用ヒータ10が一緒に外れてくることはないので、霜取用ヒータ10の電源線を図示しない電装箱から外す必要がない。即ち、ファンケーシング4からファンガード13を外す作業をするだけでファン8の交換や電動機20の点検をすることができ、ファン8の点検、補修等のメンテナンスの面からも便宜となる。
【0020】
また、霜取用ヒータ固定部材19、19は、前記ファン8による冷気の吐出方向に対し所定の角度をもたせた面、即ち、本実施例ではファンケーシング4に対して略直立した面19C、19Cを有しており、ファンケーシング4に複数個固定されているため、ファン8による冷気に方向性を持たせ、冷却貯蔵庫1内の隅々まで冷気を行き渡らせることができるようにしている。本実施例に示したプレハブ冷凍・冷蔵庫は一般に数坪から数十坪にもおよぶものが使用されており、冷気に方向性を持たせ、冷却装置の設置場所に係わらず隅々まで冷気を届かせることができるようにしている。すなわち、本発明の冷却装置を中央部に設けた場合に霜取用ヒータ固定部材19、19の面を直立させて用いることによって冷却貯蔵庫1の庫内3の温度分布が均一になるので、食品等の品質を長期間適正に維持することができるようにしている。
【0021】
尚、冷却装置2が冷却貯蔵庫1の中央部でなく隅部に置かれている場合は、上記と異なり、冷気の吐出方向をファンケーシング4に対して略直立した面19C、19Cとしない方が冷却貯蔵庫1の庫内3の空気温度は均質になる。即ち、上記霜取用ヒータ固定部材19、19の面19C、19Cとファンケーシング4のなす角度を適宜変えて、前記ファン8による冷気の吐出方向に対し所定の角度をもたせると、冷気の風向きを所定の方向に吐出させることができ、冷却貯蔵庫1内の隅々まで冷気を行き渡らせることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、霜取用ヒータとファンとの距離が近接し、霜取用ヒータの熱がファンまで届きやすくなり、ファンに付着した霜を完全に融解させることができるため、ファンの破損や電動機の故障等を防止できる。そして、ファンと霜取用ヒータとの距離が近いので効率よく除霜できるため、除霜時間が短くなり、その間のヒータの熱による庫内の温度上昇が少なく、食品等の品質の低下を生じない。
【0023】
また、前記固定部材は前記ファンによる冷気の吐出方向に対し所定の角度の面を有するものであるから、固定部材が冷気の吐出方向を規制し、貯蔵室内の温度を均質にすることができ、食品等の品質を適正に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す冷却貯蔵庫の断面図である。
【図2】この発明の実施例の冷却装置の斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】従来例を示す冷却貯蔵庫の断面図である。
【図5】従来例の冷却装置の斜視図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 冷却貯蔵庫
2 冷却装置
4 ファンケーシング
7 冷却器
8 ファン
10 霜取用ヒータ
10B 直線部
10C 中央部
12 吐出口
19 霜取用ヒータ固定部材
19A フランジ
19B 略J字形状部
19C 面
22 固定部材

Claims (1)

  1. 断熱箱体内に、ファンケーシングと、このファンケーシング内に収納された冷却器と、この冷却器に通風するファンと、このファン保護用のファンガードと、前記ファンの霜取用ヒータとを備えた冷却装置において、前記ヒータは前記ファンケーシングに設けられた固定部材によって固定され、かつ前記ヒータは前記ファンと前記ファンガードとの間に位置し、前記固定部材は、前記ファンによる冷気の吐出方向に対し所定の角度の面を有することを特徴とする冷却装置。
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