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JP3940279B2 - パワーユニット搭載装置 - Google Patents

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義和 杉浦
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーユニットを後輪側に有する後輪駆動式の電動車両における、そのパワーユニット搭載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の前輪操舵後輪駆動式の車両、特に、電動モータにて駆動される電動式ゴルフカート等においては、例えば特開平4−303478号公報に記載のものの如く、後輪側は、パワーユニット自体も含めて、全体が上下方向に揺動運動をするようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電動車両等においては、駆動輪を有する後輪側のサスペンション機構が電動モータ及び減速装置等からなる質量の重いパワーユニットをトレーリングアーム等からなるボックス型のサブフレーム上に搭載した状態で、これらを上下方向に揺動運動させるようにしているものである。従って、このようなリヤサスペンション機構を有する車両が起伏の激しい場所を走行するとバネ下質量の大きい後輪側の挙動は不安定になり、操縦安定性を損うと言う問題点があある。また、揺動運動をするサブフレーム等の強度・剛性を高めさせるためにサブフレーム自体も重くならざるを得ないと言う問題点がある。このような問題点を解決するために、上記パワーユニットをパイプ状部材にて形成されるサブフレーム上に搭載するようにするとともに、このようなサブフレームをシャシフレームに取付け、一方、サスペンションを形成するスイングアームの一端を上記サブフレームのところに所定のブッシュを介して取付けるようにし、これによってバネ下質量の軽減化を図るようにしたサブフレーム式のパワーユニット搭載装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、パワーユニットを後輪側に有する後輪駆動方式車両におけるパワーユニット搭載装置に関して、平面視において全体が井桁状に形成されるものであって、車幅方向中央部の部分が車体中心線に対して直角な方向に所定の間直線状に伸びるように形成された中央直線部を有するとともに、その両端部に形成されるものであってシャシフレームへの取付点を有し、かつ、上記中央直線部のところから前方へL字状に伸びるように形成された前方取付部を有するフロントクロスメンバと、当該フロントクロスメンバの上記中央直線部に対して平面視においてほぼ平行なように全体が形成されるものであって、その両端部のところにはシャシフレームへの取付点を有するとともに、立面視においては上記フロントクロスメンバの上記中央直線部に対向するところに所定の間水平直線状に形成された中央水平部を有し、更に当該中央水平部を基準にして両端部側が逆L字状に上方に立ち上がるように形成された後方取付部を有するリヤクロスメンバと、これら両クロスメンバの中央直線部及び中央水平部のところであって車体の中央部付近のところに車体中心線に平行なように2本並列に、かつ、直線状に、上記両クロスメンバの中央直線部と中央水平部との間を連結するように設けられる連結メンバと、からなるサブフレームを基礎に、このような井桁状サブフレームを形成する上記フロントクロスメンバの中央直線部と前方取付部との連結部付近に、後輪の取付けられるナックルの廻り止め用ラテラルロッドの一方側の端部が取付けられるラテラルロッド取付部を設けるとともに、上記2本の連結メンバのところに、左右のリヤスイングアームの取付けられるスイングアーム取付部を設け、かつ、上記両クロスメンバの中央直線部及び中央水平部のところであって車幅方向中央部付近に、左右方向の質量バランスを保つように設定されたパワーユニット搭載用のマウント部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、左右対称形の形態に形成された井桁状サブフレームの、そのほぼ中央部のところにパワーユニットが搭載されるとともに、このようなサブフレームはシャシフレームに取付けられることとなるので、質量の重いパワーユニットは質量バランスが保たれた状態で車両に搭載されることとなる。従って、本車両においては、後輪周りのバネ下質量が軽減化されることと相まって、起伏路等における走行安定性の確保が図られるようになる。
【0006】
また、本発明においては、上記井桁状のサブフレームを形成する上記フロントクロスメンバの中央直線部と前方取付部との連結部付近に、後輪の取付けられるナックルの廻り止め用ラテラルロッドの一方側の端部が取付けられるラテラルロッド取付部を設けるとともに、上記2本の連結メンバのところに、左右のリヤスイングアームの取付けられるスイングアーム取付部を設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、質量の重いパワーユニットが車幅方向中心線付近に搭載されるようになり、車両全体の質量バランスが保たれるようになるとともに、後輪の揺動運動を規制するリヤスイングアーム及びラテラルロッドが上記サブフレームのところに取付けられることとなり、パワーユニット及びリヤサスペンション機構が、すべて上記サブフレームのところに一体的にまとめられた状態で集合されるようになる。すなわち、パワーユニット及びリヤサスペンション機構がサブフレームを主体にアセンブリ状態でまとめられることとなり、車両全体の組付性(組立性)の向上、更にはパワーユニット等の整備性の向上等が図られるようになる。
【0007】
次に、請求項記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、請求項1記載のパワーユニット搭載装置に関して、上記サブフレームを形成する両クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、所定の円形横断面形態からなるスチールパイプ材にて形成するようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、サブフレームを、軽量化を図ったうえで所定の強度・剛性を発揮させるようにすることができるようになり、これによって車両全体の軽量化を図ることができるようになる。また、各クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、同じ値の径を有するパイプ材を基礎に形成させるようにしたので、サブフレーム自体の製造コストの低減化を図ることができるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図4を基に説明する。本実施の形態に関するものは、図1に示す如く、パワーユニット5が搭載されるとともに、左右のリヤスイングアーム7、7’及びラテラルロッド6、6’が取付けられる、その基礎となる井桁状のサブフレーム10を主に形成されるものである。そして、このようなサブフレーム10が、図4に示す如く、その四方の端部に設けられた取付点19、29を介してシャシフレーム9を形成するサイドフレーム91の後方部のところに取付けられるようになっているものである。
【0009】
このような構成からなるものにおいて、上記井桁状のサブフレーム10は、図1及び図2に示す如く、車幅方向中央部の部分が車体中心線に対して直角な方向に所定の間直線状に伸びるように形成された中央直線部11を有するとともに、その両端部に形成されるものであってシャシフレーム9を形成するサイドフレーム91への取付点19を有し、かつ、上記中央直線部11のところから前方へL字状に伸びるように形成された前方取付部12を有するフロントクロスメンバ1と、当該フロントクロスメンバ1の上記中央直線部11に対して平面視においてほぼ平行なように全体が形成されるものであって、その両端部のところにはシャシフレーム9のサイドフレーム91への取付点29を有するとともに、立面視においては上記フロントクロスメンバ1の上記中央直線部11に対向するところに所定の間水平直線状に形成された中央水平部21を有し、更に、当該中央水平部21を基準にして両端部側が逆L字状に上方に立ち上がるように形成された後方取付部22を有するリヤクロスメンバ2と、これら両クロスメンバ1、2の中央直線部11及び中央水平部21のところに車体中心線に平行なように2本並列に、かつ、直線状に、上記両クロスメンバ1、2の中央直線部11と中央水平部21との間を連結するように設けられる連結メンバ3、3’と、からなるものである。
【0010】
そして、このような井桁状のサブフレーム10を形成する両クロスメンバ1、2及び連結メンバ3、3’のすべては、所定の円形横断面形態からなるスチールパイプ材を基礎に形成されるようになっているものである。このような構成を採ることにより、サブフレーム10の軽量化を図ったうえで所定の強度・剛性を発揮させることができるようになり、これによって車両全体の軽量化を図ることができるようになる。また、各クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、同じ値の径を有するパイプ材を基礎に形成させるようにしたので、サブフレーム自体の製造コストの低減化を図ることができるようになる。
【0011】
このよう構成からなるものにおいて、図1及び図2に示す如く、フロントクロスメンバ1の中央直線部のところあるいはリヤクロスメンバ2の中央水平部21のところには、パワーユニット5を搭載するためのマウント部15、25が設けられるようになっている。なお、このマウント部はフロントクロスメンバ1側に設けられるもの(15,15)はパワーユニット5の、特に左右方向の質量バランスが保たれるように設定されたマウント装置に対応した状態で2箇所に設けられるようになっているとともに、リヤクロスメンバ2側に設けられるものは、ほぼ車体中心線上に一個設けられるようになっているものである。これによって、パワーユニット5は、図2に示す如く、車幅方向のほぼ中央部のところに左右のバランスを保った状態で搭載されるようになり、車両の走行安定性を向上させることができるようになる。
【0012】
また、このような構成からなる井桁状のサブフレーム10を形成するフロントクロスメンバ1の中央直線部11と前方取付部12との連結部121の付近には、図1及び図3に示す如く、後輪8の水平面内における廻り止め、すなわち、後輪ステアを阻止するためのラテラルロッド6、6’の、その一端が取付けられるラテラルロッド取付部16、16’が左右対称形の状態で設けられるようになっている。なお、このようなラテラルロッド6、6’のもう一方側の端部は、車輪(後輪)8を支持するナックル88に連結されるようになっているものである(図4参照)。
【0013】
また、このような構成からなるサブフレーム10を形成する連結メンバ3、3’のところには、図1及び図3に示す如く、リヤスイングアーム7、7’の取り付けられるスイングアーム取付部37、37’が設けられるようになっている。なお、このスイングアーム取付部37、37’への上記リヤスイングアーム7、7’の取付は、ゴムブッシュを介して行なわれるようになっているものである。そして、このようなリヤスイングアーム7、7’の先端部には、図4に示す如く、ナックル88が連結され、このナックル88のところには、車輪(後輪)8が取付けられるようになっているものである。
【0014】
このように、本実施の形態のものにおいては、井桁状の形態からなるサブフレーム10のほぼ中央部のところに質量の重いパワーユニット5を搭載するとともに、リヤサスペンション機構を形成するリヤスイングアーム7、7’及びラテラルロッド6、6’を取付け、このようにパワーユニット5及びリヤサスペンション機構が一体的にアセンブリされた状態のものをシャシフレーム9の後方部に取付けるようにしたので、パワーユニット5及びリヤサスペンション機構のシャシフレーム9への取付作業の効率化が図られるようになる。また、上記サブフレーム10を介して上記パワーユニット5の脱着作業等を行なうことができるようになり、パワーユニット5の整備作業等を効率良く行なうことができるようになる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、パワーユニットを後輪側に有する後輪駆動方式車両におけるパワーユニット搭載装置に関して、平面視において全体が井桁状に形成されるものであって、車幅方向中央部の部分が車体中心線に対して直角な方向に所定の間直線状に伸びるように形成された中央直線部を有するとともに、その両端部に形成されるものであってシャシフレームへの取付点を有し、かつ、上記中央直線部のところから前方へL字状に伸びるように形成された前方取付部を有するフロントクロスメンバと、当該フロントクロスメンバの上記中央直線部に対して平面視においてほぼ平行なように全体が形成されるものであって、その両端部のところにはシャシフレームへの取付点を有するとともに、立面視においては上記フロントクロスメンバの上記中央直線部に対向するところに所定の間水平直線状に形成された中央水平部を有し、更に当該中央水平部を基準にして両端部側が逆L字状に上方に立ち上がるように形成された後方取付部を有するリヤクロスメンバと、これら両クロスメンバの中央直線部及び中央水平部のところに車体中心線に平行なように2本並列に、かつ、直線状に、上記両クロスメンバの中央直線部と中央水平部との間を連結するように設けられる連結メンバと、からなるサブフレームを基礎に、このような井桁状サブフレームを形成する上記両クロスメンバの中央部付近にパワーユニット搭載用のマウント部を設けるようにした構成を採ることとしたので、左右対称形の形態に形成された井桁状サブフレームの、そのほぼ中央部のところにパワーユニットが搭載されるとともに、このようなサブフレームがシャシフレームに取付けられることとなり、質量の重いパワーユニットは質量バランスが保たれた状態で車両に搭載されるようになった。その結果、本車両においては、後輪周りのバネ下質量が軽減化されることと相まって、起伏路等における走行安定性が確保されるようになった。
【0016】
また、本発明においては、上記井桁状のサブフレームを形成する上記フロントクロスメンバの中央直線部と前方取付部との連結部付近に、後輪の取付けられるナックルの廻り止め用に設けられるラテラルロッドの、その一方側の端部が取付けられるラテラルロッド取付部を設けるとともに、上記2本の連結メンバのところに、左右のリヤスイングアームの取付けられるスイングアーム取付部を設けるようにした構成を採ることとしたので、質量の重いパワーユニットが車幅方向中心線付近に搭載されるようになり、車両全体の質量バランスが保たれるようになるとともに、後輪の揺動運動を規制するリヤスイングアーム及びラテラルロッドが上記サブフレームのところに取付けられることとなり、パワーユニット及びリヤサスペンション機構が、すべて上記サブフレームのところに一体的にまとめられた状態で取付けられるようになった。その結果、パワーユニット及びリヤサスペンション機構がサブフレームを基礎にアセンブリ状態でまとめられるようになり、車両全体の組付性(組立性)の向上、更にはパワーユニット等の整備性の向上等を図ることができるようになった。
【0017】
また、本発明においては、上記サブフレームを形成する両クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、所定の円形横断面形態からなるスチールパイプ材にて形成するようにした構成を採ることとしたので、サブフレームを、軽量化を図ったうえで所定の強度・剛性を発揮させるようにすることができるようになり、これによって車両全体の軽量化を図ることができるようになった。また、各クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、同じ値の径を有するパイプ材を基礎に形成させるようにしたので、サブフレーム自体の製造コストの低減化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の全体構成を示す後面図である。
【図3】本発明の全体構成を示す側面図である。
【図4】本発明の主要部を成すサブフレームのシャシフレームへの取付状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 フロントクロスメンバ
11 中央直線部
12 前方取付部
121 連結部
15 マウント部
16 ラテラルロッド取付部
16’ ラテラルロッド取付部
19 取付点
2 リヤクロスメンバ
21 中央水平部
22 後方取付部
25 マウント部
29 取付点
3 連結メンバ
3’ 連結メンバ
37 スイングアーム取付部
37’ スイングアーム取付部
5 パワーユニット
6 ラテラルロッド
6’ ラテラルロッド
7 リヤスイングアーム
7’ リヤスイングアーム
8 車輪(後輪)
88 ナックル
9 シャシフレーム
91 サイドフレーム
10 サブフレーム

Claims (2)

  1. 平面視において全体が井桁状に形成されるものであって、車幅方向中央部の部分が車体中心線に対して直角な方向に所定の間直線状に伸びるように形成された中央直線部を有するとともに、その両端部に形成されるものであってシャシフレームへの取付点を有し、かつ、上記中央直線部のところから前方へL字状に伸びるように形成された前方取付部を有するフロントクロスメンバと、当該フロントクロスメンバの上記中央直線部に対して平面視においてほぼ平行なように全体が形成されるものであって、その両端部のところにはシャシフレームへの取付点を有するとともに、立面視においては上記フロントクロスメンバの上記中央直線部に対向するところに所定の間水平直線状に形成された中央水平部を有し、更に当該中央水平部を基準にして両端部側が逆L字状に上方に立ち上がるように形成された後方取付部を有するリヤクロスメンバと、これら両クロスメンバの中央直線部及び中央水平部のところであって車体の中央部付近のところに車体中心線に平行なように2本並列に、かつ、直線状に、上記両クロスメンバの中央直線部と中央水平部との間を連結するように設けられる連結メンバと、からなるサブフレームを基礎に、このような井桁状サブフレームを形成する上記フロントクロスメンバの中央直線部と前方取付部との連結部付近に、後輪の取付けられるナックルの廻り止め用ラテラルロッドの一方側の端部が取付けられるラテラルロッド取付部を設けるとともに、上記2本の連結メンバのところに、左右のリヤスイングアームの取付けられるスイングアーム取付部を設け、かつ、上記両クロスメンバの中央直線部及び中央水平部のところであって車幅方向中央部付近に、左右方向の質量バランスを保つように設定されたパワーユニット搭載用のマウント部を設けるようにしたことを特徴とするパワーユニット搭載装置。
  2. 請求項1記載のパワーユニット搭載装置において、上記サブフレームを形成する両クロスメンバ及び連結メンバのすべてを、所定の円形横断面形態からなるスチールパイプ材を基礎に形成させるようにしたことを特徴とするパワーユニット搭載装置。
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