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JP3835823B2 - フォトレジスト組成物のための反射防止膜 - Google Patents

フォトレジスト組成物のための反射防止膜 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、新規の反射防止膜組成物および反射性基体とフォトレジストコーティングとの間の薄い層を形成するためにそれを使用する方法に関する。このような組成物は、特にフォトリソグラフィー技術により半導体デバイスを製造する際に有用である。
フォトレジスト組成物は、例えばコンピューターチップおよび集積回路の製造における小型化された電子製品の製造のためのマイクロリソグラフィー工程に使用される。一般に、これらの工程では、フォトレジスト組成物のフィルムの薄膜が、最初に基体材料、例えば集積回路の製造に使用されるシリコンウエハーに塗布される。次いで、このコーティングされた基体は、フォトレジスト組成物中の全ての溶媒を蒸発させ、そして基体上にコーティングを固着させるためにベーキングされる。次に、このベーキングされた基体のコーティングされた表面は、放射線で画像形成露光される。
この放射線露光は、コーティングされた表面の露光された領域における化学的変化を生ずる。可視光、紫外(UV)光、電子線およびX-線放射エネルギーは、今日マイクロリソグラフィー工程に通常使用される放射線源である。この画像形成露光の後に、このコーティングされた基体は、フォトレジストの放射線露光された領域または放射線露光されていない領域のいずれかを溶解しそして取り除くために、現像剤溶液で処理される。
半導体デバイスの小型化に対する傾向から、そのような小型化に伴う問題を解決するために複雑なマルチレベルシステムが使用されている。フォトリソグラフィーに吸収性の高い反射防止膜を使用することは、反射性の高い基体からの光の背面反射に起因する問題を減少するためのより簡単なアプローチである。背面反射の2つの有害な作用は、薄膜干渉および反射性ノッチング(reflective notching)である。薄膜干渉により、レジストの厚さの変化に伴い、レジスト膜の全体の光強度の変化によって起こる線幅の微小寸法の変化が起こる。線幅の変化は、スイングレシオ(S)に比例し、そして良好に線幅を制御するために最小化されなければならない。スイングレシオは、下記式
S=4(R1R2)1/2e-αD
(式中、
R1は、レジスト/空気またはレジスト/頂部コート境界面での反射率であり、
R2は、レジスト/基体境界面での反射率であり、
αは、レジスト光学吸収係数(optical absorption coefficient)であり、そしてDは、膜厚である)
によって定義される。
反射防止膜は、フォトレジストを露光するために使用した放射線を吸収することによって作用し、すなわちR2を減少させ、そしてそれによってスイングレシオを減少させる。反射性ノッチングは、表面特徴(topographic feature)を含む基体にフォトレジストをパターン化する際に、より深刻になり、これはフォトレジスト膜を通る光を散乱させ、線幅を変化させ、そして極端な場合には完全にレジストの失われた領域を形成する。
これまでに、染色されたフォトレジストが、これらの反射性の問題を解決するために使用されている。しかしながら、染色されたレジストは基体からの反射だけを低減し、全体的にそれを排除するわけではないことが一般に知られている。さらに、染色されたレジストは、起こりうる染料の昇華およびレジスト膜中の染料の非相溶性とともに、フォトレジストのリソグラフィー性能の低下の原因にもなり得る。スイングレシオをさらに減少させるかまたは排除することが必要な場合には、フォトレジストのコーティングの前および露光の前に、反射防止膜が塗布される。このレジストは、画像形成露光されそして現像される。次いで、露光された領域内の反射防止膜は、代表的には酸素プラズマ中でエッチングされ、そしてレジストパターンが基体に転写される。反射防止膜のエッチング速度は比較的高いので、反射防止膜は、エッチング工程の際に極端なレジスト膜の損失なしに、エッチングされる。
光の吸収のための染料およびコーティング特性を付与する有機ポリマーを含有する反射防止膜が公知である。しかしながら、加熱工程の際に起こりうるフォトレジスト層への染料の昇華および拡散のために、これらの種類の反射防止膜は望ましくない。
ポリマー性有機反射防止膜は、ヨーロッパ特許第583,205号明細書および米国特許第5,525,457号明細書に記載されているように公知であり、これらは参考としてここに取り込まれる。しかしながら、これらの反射防止膜は、有機溶媒、例えばシクロヘキサノンおよびシクロペンタノンからキャストされる。有機溶媒を用いた処理の潜在的な危険性という観点から、反射防止膜の固形成分がより毒性の危険の低い溶媒に溶解性であり、かつその溶媒からスピンキャストすることのできる、本発明の反射防止膜組成物が開発された。中でも低い毒性しか有していない、半導体産業に公知である好ましい溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、およびエチルラクテートである。
その他の態様では、求電子性置換基およびコモノマーの賢明な選択により、本発明によるポリマーは、水からキャストすることができる。水ベースのコーティングは、好ましいだけでなく、その取り扱いの容易さ故に半導体産業において顕著な長所を提供する。
本発明による新規の染料官能性は、使用される特別な種類のモノマーとともに、本発明のフォトレジスト技術における大きな意義を構成する。反射防止膜は、良好なコーティングを与え、そしてさらに反射防止膜とフォトレジスト膜との間に相互混合(intermixing)が存在しない。これは、レジストから基体への良好な画像転写を可能とする良好な乾燥エッチング特性、および反射性ノッチングおよび線幅変化を避けるための良好な吸収特性を有している。
発明の要約
本発明は、新規の反射防止膜組成物およびフォトリソグラフィーにそれを使用する方法に関する。反射防止膜組成物のポリマーは、染料官能基を有する少なくとも1つの単位および架橋基を有する少なくとも1つの単位を含有する。この染料官能基は、約180nm(ナノメートル)から約450nmの範囲の放射線を強く吸収するものである。使用することのできる種類の染色されたモノマー性単位は、以下の構造によって定義される:
Figure 0003835823
構造1
(式中、
R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
nは、0−2であり、
Aは、電子求引性基、好ましくはCOR4、CNまたはCNZであり、
R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキル、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムであり、
Yは、例えばN=N、CW=CW、CW=N、またはN=CWのような共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして
mは、1−5である)
染料単位のためのより好ましい構造は、以下の通りである。
Figure 0003835823
(式中、
R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
nは、0−2であり、
R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキル、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムであり、
Yは、例えばN=N、CW=CW、CW=N、またはN=CWのような共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして
mは、1−5である)
架橋基を含有する単位は、以下の構造によって定義される。
Figure 0003835823
構造2
ここでGは、架橋性官能基を含有し、そしてR1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして架橋基は、代表的にはメチレンロールアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド、エチレンエンド基、エポキシド、およびイソシアネートである。
反射防止膜が水溶性である、他の好ましい態様では、コポリマーの水溶性を促進しそして以下の構造で表される親水性モノマー単位が、ポリマー中に存在してもよい:
Figure 0003835823
(式中、
R1-R3は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシであり、そしてWは、親水性基である)
親水性基Wの例をここに記載するが、これに限定されるものではない:O(CH2)2-O-(CH2)-OH、O(CH2)2-OH、(CH2)n-OH(式中n=1-4)、COO(C1-C4)アルキル、COOX、SO3X(式中、XはH、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムである)、CONHCH2OH。ポリマー中に使用することのできるその他の親水性ビニルモノマーは、無水マレイン酸、無水フマル酸、ビニルピリジンおよびビニルピロリドンである。
さらに、本発明は、基体に画像を形成する方法を包含する。基体は、本発明による反射防止膜のフィルムでコーティングされ、そして残余の溶媒を全て取り除き、膜を非可溶性にするために加熱される。次いで、フォトレジスト溶液からの膜が、反射防止膜の頂部に形成され、そしてさらに実質的にフォトレジスト溶媒を取り除くために加熱される。フォトレジスト膜は、約180nm〜約450nmの範囲の紫外線照射でマスクを通して画像形成露光され、そして水性アルカリ性現像剤で処理されてフォトレジストパターンが形成される。この基体は、品質の優れた画像を得るために、現像段階の前および後に、加熱することができる。次いで、露光された反応防止膜は、通常酸素プラズマ中で、エッチングマスクのように作用するフォトレジストパターンで乾燥エッチングすることができる。
発明の詳細な説明
本発明による反射防止膜組成物は、染料官能基を有する少なくとも一種のモノマーと架橋基を有する少なくとも一種のモノマーとを反応させることによって得られるポリマーを含有し、その際得られるポリマーは、180nm〜約450nmの範囲の波長を有する紫外光を強く吸収する。さらに、本発明は、基体に反射防止膜をコーティングしそしてベーキングし、そして反射防止膜の頂部にフォトレジスト膜を適用しそして画像形成し、そして反射防止膜をエッチングする方法を提供する。
本発明のポリマーは、染料官能基を含有する少なくとも一種のビニルモノマーと架橋基を含有する少なくとも一種のビニルモノマーとを反応させることによって得られる。染料基は、約180nm〜約450nmの範囲の放射線を強く吸収するものである。使用することのできる好ましい種類の染色されたモノマー性単位は、以下の構造によって定義される;
Figure 0003835823
構造1
(式中、
R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
nは、0−2であり、
Aは、電子求引性基、好ましくはCOR4、CNまたはCNZであり、
R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキルであり、
Yは、例えばN=N、CW=CW、CW=N、またはN=CWのような共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして
mは、1−5である)
染料単位のためのより好ましい構造は、以下の通りである。
Figure 0003835823
(式中、
R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
nは、0−2であり、
R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキルであり、
Yは、例えばN=N、CW=CW、CW=N、またはN=CWのような共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして
mは、1−5である)
反射防止ポリマー中に存在する架橋基は、代表的にはメチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド、エチレンエンド基、エポキシド、イソシアネートであるが、メチロールアクリルアミドおよびエポキシ基が好ましい。膜がフォトレジストの溶媒およびレジストの現像剤の両方に不溶性でなければならず、その際現像剤は水性アルカリ性溶液であるので、反射防止膜中の架橋基の存在は、本発明では必須である。コーティング工程の後に反射防止膜を加熱することによって、ポリマーが架橋され、そしてコーティングが水性現像剤に不溶性になる。しかしながら、架橋官能性は、反射防止ポリマーの溶液中で安定でなければならず、そして約70℃を超える温度に加熱した際に架橋しなければならない。架橋モノマー性単位は、以下の構造によって表される:
Figure 0003835823
構造2
ここでGは、架橋性官能基を含有し、そしてR1-R3は、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシである。
架橋官能性の特定の例は、以下の式で示されるが、これに限定されない。
Figure 0003835823
ここで、(1)はカルボジイミドであり、(2)はイソシアネートまたはブロック等価物、(3)グリシジルアクリレートまたはメタクリレート、(4)アルキロールアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよび(5)メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテルであり、Rは(C1-C10)アルキルであり、そしてR'はHまたは(C1-C10)アルキルである。
他の態様では、コポリマーの水溶性を促進する親水性モノマー単位は、染料官能性を含有する単位および架橋官能性を含有する単位とともにポリマー中に存在し、そしてここで親水性モノマーは以下の構造によって表すことができる:
Figure 0003835823
(式中、R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシであり、そしてWは、親水性基である)
親水性基Wの例をここに記載するが、これに限定されるものではない:O(CH2)2-O-(CH2)-OH、O(CH2)2-OH、(CH2)n-OH(式中n=1-4)、COO(C1-C4)アルキル、COOX、SO3X(式中、XはH、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムである)、CONHCH2OH。ポリマー中に使用することのできるその他の親水性ビニルモノマーは、無水マレイン酸、無水フマル酸、ビニルピリジンおよびビニルピロリドンである。
水溶性反射防止ポリマーは、構造1に記載された少なくとも1つの染料官能基を含有する所望の数のビニルモノマー、少なくとも1つの架橋官能基(構造2)を含有する所望の数のビニルモノマーおよび所望の数の親水性ビニルモノマーを反応させることによって合成することができる。異なる染料モノマー、異なる架橋モノマーおよび異なる親水性モノマーの混合物を重合して、最適の所望のリソグラフィーおよび物理特性を有する反射防止膜を得ることができる。その他の不飽和モノマーは、反射防止膜の機能に大きく影響しないか、または反射防止膜の水溶性を低下させないように重合混合物に添加することができる。そのような不飽和モノマーの例は、無水マレイン酸、ビニルアクリレート、ビニルエーテル、ビニルアクリルアミド、ビニルカルボン酸、ビニルスルホン酸およびN-(3-ヒドロキシフェニルメタクリルアミド)である。その代わりに、染料をコポリマーに官能化して本発明のポリマーを得ることができる。
有機溶媒に可溶性である反射防止ポリマーは、構造1に記載された少なくとも1つの染料官能基を含有する所望の数のビニルモノマーと構造2に記載された少なくとも1つの架橋官能基を含有する所望の数のビニルモノマーを反応させることによって合成することができる。構造1からの、異なる置換基を有する異なる染料モノマーと構造2からの、異なる架橋モノマーとの混合物を重合して、所望のリソグラフィーおよび物理特性を有する反射防止膜を得ることができる。それぞれのモノマー上の置換基は、これらのモノマーから形成されるポリマーが有機溶媒中に溶解性であるように選択することができる。その他の不飽和モノマーは、反射防止膜の機能に大きく影響しないように重合混合物に添加することができる。そのような不飽和モノマーの例は、無水マレイン酸、ビニルアクリレートおよびメタクリレート、ビニルエーテル、ビニルアクリルアミド、ビニルフェノール類、ビニルカルボン類、ビニルスルホン酸およびN-(3-ヒドロキシフェニルメタクリルアミド)である。その代わりに、染料をコポリマーに官能化して本発明のポリマーを得ることができる。
重合に使用される工程は、ビニルポリマーを重合するためにこの分野に公知のもののいずれでもよく、例えばイオン性またはフリーラジカル重合がある。形成されるポリマー構造は、ブロックまたはランダムコポリマーのいずれかで構成することができる。このポリマーの重量平均分子量は、約2,500〜約1,000,000の範囲である。
モノマーは、有機溶媒中で重合することができ、その際溶媒は、反射防止膜のキャスティング溶媒と同一であり、好ましくはPGMEA、PGMEまたはエチルラクテートである。
染料含有モノマーのモル%は、最終ポリマー中に約5〜95の範囲であることができ、そして架橋モノマーのモル%は、約1〜約50の範囲であることができる。水ベースの反射防止膜は、約5〜95モル%の染料単位、約1〜50モル%の架橋単位および約1〜50モル%の親水性単位を含有することができる。さらに、ポリマーは、ポリマーの製造における合成段階からの未反応の前駆体および/またはモノマーを含有していてもよい。
反射防止膜組成物は、本発明のポリマーおよび好適な溶媒または溶媒の混合物を含有する。その他の成分、例えばモノマー性架橋剤、モノマー性染料、低級アルコール、架橋を促進する添加剤、酸発生剤(acid generator)、熱的に活性化された酸発生剤、表面平坦化剤、接着促進剤、消泡剤等を、コーティングの性能を高めるために添加することができる。架橋剤の例は、メラミン、ヒドロキシアルキルアミド、エポキシおよびエポキシアミン樹脂、ブロックイソシアネートおよびジビニルモノマーを包含するが、これに限定されない。熱的に活性化された酸発生剤は、主にマルチヒドロキシフェノール性化合物の2,1,4-ジアゾナフトキノンエステルであるが、これに限定されない。モノマー性染料を反射防止膜に添加することができ、その例はスーダンオレンジ(sudan orange)、2,4-ジニトロナフトール、クルクミン、クマリン等である。
反射防止膜の吸収は、染料官能性の置換基を適当に選択することによって特定の波長または波長範囲に対して最適化することができる。電子求引性または電子供与性である置換基を使用することによって、一般に吸収波長はそれぞれより長いまたは短い波長にシフトする。さらに、特に好ましい溶媒への反射防止ポリマーの溶解性は、モノマーの置換基を適当に選択することによって調整することができる。
反射防止膜組成物のポリマーは、溶液の全体重量に対して約1%〜約30%の範囲で存在する。使用される正確な重量は、ポリマーの分子量および所望のコーティングの膜厚に応じて異なる。混合物としてまたは単独で使用することのできる代表的な溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート、水、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびガンマブチロラクトンであるが、PGME、PGMEAおよびエチルラクテートまたはその混合物が好ましい。一般に、毒性が低く、そして良好なコーティングおよび溶解特性を有する溶媒が好ましい。
反射防止膜は、基体の頂部にコーティングされ、そしてさらに乾燥エッチングされるので、半導体デバイスの特性が悪影響を受けないように、膜が十分に低い金属イオンレベルおよび純度であると考えられる。イオン交換カラムまたはアニオンおよびカチオン交換カラムの組み合わせを通してポリマーの溶液を流し、濾過し、そして抽出する工程のような処理は、金属イオンの濃度を減少させそして粒子を減少させるために使用することができる。ポリマー中の金属イオンレベルは、各金属50ppb未満であることが好ましく、10ppb未満であることがより好ましく、そして1ppb未満であることが最も好ましい。
反射防止膜組成物は、当業者に公知である技術、例えば浸漬、スピンコーティングまたは噴霧によって基体にコーティングされる。反射防止膜の膜厚は、約0.1ミクロンから約1ミクロンの範囲である。このコーティングは、さらに残余の全ての溶媒を取り除き、そして膜を不溶性にするための架橋を適度に引き起こすために、ホットプレートまたは対流オーブンで加熱される。
反射防止膜上にコーティングされるフォトレジストは、フォトレジスト中の光活性化合物の感度が反射防止膜のそれと適合することを条件に、半導体産業に使用されるいずれの種類のものであってもよい。
現在、二種類のフォトレジスト組成物があり、それはネガ型とポジ型である。ネガ型フォトレジスト組成物が放射線に画像形成露光されると、放射線で露光されたレジスト組成物の領域は現像剤溶液に対して溶解性が低くなり(例えば架橋反応が起こる)、一方でフォトレジストコーティングの非露光領域はそのような溶液に対して比較的溶解性のままである。従って、露光されたネガ型レジストを現像剤で処理することにより、フォトレジストコーティングの非露光領域が取り除かれ、そしてコーティングにネガ型イメージが生じる。これによって、フォトレジスト組成物が付着している。その下にある基体表面の所望の部分が裸出する。
他方で、ポジ型フォトレジスト組成物が放射線に画像形成露光されると、放射線で露光されたフォトレジスト組成物の領域は、現像剤溶液に対してより溶解性になり(例えば転移反応が起こる)、一方で露光されていない領域は現像剤溶液に対して比較的不溶性のままである。従って、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理することにより、コーティングの露光された領域が取り除かれ、そしてフォトレジストコーティングにポジ型イメージが生じる。ここでも、下にある基体表面の所望の領域が裸出する。
ポジ型フォトレジスト組成物は、現在ネガ型レジストよりも支持されている。というのも、前者は一般に良好な解像能力およびパターン転移特性を有しているからである。フォトレジスト解像度は、レジスト組成物が露光および現像の後に高度のイメージエッジアキュイティーでフォトマスクから基体へ転移することのできる最も小さなフィーチャーとして定義される。今日の多くの製造工程では、1ミクロン未満の単位のレジスト解像度が必要である。さらに、現像されたフォトレジスト壁面が基体に対してほぼ垂直であることもほとんど常に望まれる。レジストコーティングの現像領域と非現像領域との間のこのような境界は基体へマスクイメージの正確なパターン転移を移す。小型化に対する要求からデバイスの微小寸法が減少しているので、これはさらに重要になってきている。
ノボラック樹脂および光活性化合物としてのキノンジアジド化合物を含有するポジ型フォトレジストは、この分野で公知である。ノボラック樹脂は、代表的には酸触媒、例えばシュウ酸の存在下に、ホルムアルデヒドと一種またはそれ以上の多置換されたフェノール類とを縮合させることによって製造される。光活性化合物は、一般にマルチヒドロキシフェノール性化合物とナフトキノンジアジド酸またはその誘導体とを反応させることによって得られる。これらの種類のレジストの感度は、代表的には350nm〜440nmの範囲である。
約180nm〜約300nmの範囲の短い波長に感度のあるフォトレジストも使用することができる。これらのレジストは、一般にポリヒドロキシスチレンまたは置換されたポリヒドロキシスチレン誘導体、光活性化合物および任意の溶解性抑制剤(dissolution inhibitor)を含有する。以下の文献が、使用されるフォトレジストの種類を例示しており、そして参考としてここに取り込まれる:米国特許第4,491,628号明細書、米国特許第5,069,997号明細書および米国特許第5,350,660号明細書。
さらに、本発明による方法は、新規の反射防止膜で基体をコーティングし、そしてコーティング溶媒を取り除きそしてフォトレジストのコーティング溶液または水性アルカリ性現像剤に溶解しないように十分な程度にポリマーを架橋するためにホットプレートまたは対流オーブンで十分に高い温度で十分に長い時間加熱することを包含する。好ましい範囲の温度は、約70℃〜約250℃である。温度が70℃未満である場合には、溶媒の損失が不十分であるかまたは架橋の程度が不十分となり、250℃を超える温度では、ポリマーが化学的に不安定になる。次いで、フォトレジストのフィルムが、反射防止膜の頂部にコーティングされ、そして実質的にフォトレジスト溶媒を取り除くためにベーキングされる。このフォトレジストは、画像形成露光され、そして処理されたレジストを取り除くために水性現像剤で現像される。現像の前および露光の後に、任意の加熱段階をこの工程に取り込むことができる。フォトレジストのコーティングおよび画像形成の工程は当業者に公知であり、使用される特定の種類のレジストに対して最適化される。次いで、パターン化された基体は、エッチングマスクとして作用するフォトレジストを残して、反射防止膜の露光された部分を取り除くために好適なエッチングチャンバーで乾燥エッチングすることができる。
相互混合を避けるために反射防止膜とフォトレジストの間に中間層を配置することができ、これは本発明の範囲内にあると考えられる。この中間層は、溶媒からキャスティングされた不活性ポリマーであり、このポリマーの例はポリスルホンおよびポリイミドである。
以下の特定の実施例は本発明の組成物の製造および使用方法を詳細に説明するものである。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲をどのようにも限定または制限するものではなく、そして本発明を実施するために独占的に使用しなければならない条件、パラメーターまたは値を提供するものとして解釈されるべきではない。
実施例
ポリマー1−実施例1
エチル-4-アミノベンゾエートのジアゾニウム製の製造
エチル4-アミノベンゾエート(50.57g、0.3モル)を、1000mlの丸底フラスコ中に含まれる61ml(0.75モル)の濃塩酸および600mlのメタノール中に溶解した。次いで、このフラスコを砕氷の浴に浸し、そして溶液の温度が3℃を下回るまで冷却した。この溶液は白色懸濁液になった。次いで、5℃未満の温度で33.3g(0.31モル)の亜硝酸第三ブチルを添加することによってジアゾ化を促進した。次いで、ジアゾニウム溶液を氷水浴で約1時間攪拌した。この生成物は、メタノール中で黄色溶液を形成し、そして単離せず、実施例2で試薬として使用した。
ポリマー1−実施例2
メタクリレートモノマーの製造
2-(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(66.25g、0.3モル)およびトリエチルアミン(76.66g、0.75モル)をメタノール(1500ml)に添加し、そして氷水浴中でこの溶液を攪拌し、5℃未満に冷却した。この溶液に実施例1で形成された冷たいジアゾニウム塩溶液をゆっくりと添加し、その際温度を5℃から10℃の間に保持した。この反応混合物を4時間攪拌し、その際室温に温めることにより赤色懸濁液として生成物が形成された。次いで、これを濾過し、メタノールで洗浄し、そして減圧下に乾燥して89.7g(77%)の黄色生成物を得る。
ポリマー1−実施例3
コポリマーの製造
実施例2で形成されたメタクリレートモノマー(21.47g、0.055モル)を125mlのγ−ブチロラクトン溶媒に溶解した。この溶液を攪拌しながら65℃に温めた。完全に溶解するために、密閉したゴム隔壁の入口針を通して約2時間溶液に激しくアルゴンを泡立てることによって、この溶液を脱気した。次いで、隔壁を通してN-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(0.899ml、4.58ミリモル)およびメチルメタクリレート(3.47ml、32ミリモル)を溶液に注入し、そしてこの重合混合物をさらに30分間脱気した。次いで、γ−ブチロラクトン(1.5ml)中のAIBNの溶液からのアリコート(0.1843g、0.92ミリモル、1モル%の全体のモノマー)を注入し、そしてこの溶液をさらに30分間脱気した。全体で2のアリコートを5時間のインターバルで添加した。入口および出口針の両方を取り除きそして密閉した容器を65℃で20時間攪拌した。次いで、この溶液をエチルアセテート(500ml)で希釈し、次いで5倍過剰の2-プロパノールで沈殿させた。このポリマーは、黄色固体(23.25g)を形成し、次いで濾過および乾燥により収集した。収率は92%であった。
ポリマー2−実施例4
4-アミノ安息香酸のジアゾニウム塩の製造
4-アミノ安息香酸(13.85g、0.1モル)を、300mlの丸底フラスコ中に含まれる20ml(0.25モル)の濃塩酸および150mlのメタノール中に溶解した。次いで、このフラスコを砕氷の浴に浸し、そして溶液の温度が3℃を下回るまで冷却した。この溶液は白色懸濁液になった。次いで、5℃未満の温度で11.82g(0.11モル)の亜硝酸第三ブチルを添加することによってジアゾ化を促進した。次いで、ジアゾニウム溶液を氷水浴で約1時間攪拌した。この生成物は、メタノール中でオフホワイト色の懸濁液を形成し、そして単離せず、実施例5で試薬として使用した。
ポリマー2−実施例5
メタクリレートモノマーの製造
2-(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(22.08g、0.1モル)およびトリエチルアミン(25.55g、0.25モル)をメタノール(200ml)に添加し、そして氷水浴中でこの溶液を攪拌し、5℃未満に冷却した。この溶液に実施例4で形成された冷たいジアゾニウム塩溶液をゆっくりと添加し、その際温度を10℃から20℃の間に保持した。この反応混合物を2.5時間攪拌し、その際室温に温めることにより黄色懸濁液として生成物が形成される。次いで、これを2000mlの蒸留水に注ぎ、次いで濾過し、そして減圧下に乾燥して黄色固体生成物を得る。
ポリマー2−実施例6
コポリマーの製造
実施例5で形成されたメタクリレートモノマー(5.25g、0.02モル)を35mlのγ−ブチロラクトン溶媒に溶解した。この溶液を攪拌しながら65℃に温めた。完全に溶解するために、密閉したゴム隔壁の入口針を通して約2時間溶液に激しくアルゴンを泡立てることによって、この溶液を脱気した。次いで、隔壁を通してN-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(1.53g、0.012モル)およびメチルメタクリレート(1.2g、0.12モル)を溶液に注入し、そしてこの重合混合物をさらに30分間脱気した。次いで、γ−ブチロラクトン(3.5ml)中のAIBNの溶液からのアリコート(0.6138g、3.66ミリモル、1モル%の全体のモノマー)を注入し、そしてこの溶液をさらに30分間脱気した。全体で2のアリコートを5時間のインターバルで添加した。入口および出口針の両方を取り除きそして密閉した容器を65℃で20時間攪拌した。次いで、この溶液をエチルアセテート(500ml)で希釈し、次いで5倍過剰の2-プロパノールで沈殿させた。このポリマーは、黄色固体を形成し、次いで濾過および乾燥により収集した。
ポリマー3−実施例7
コポリマーの製造
実施例2で形成されたメタクリレートモノマー(21.47g、55ミリモル)を125mlのγ−ブチロラクトン溶媒に溶解した。この溶液を攪拌しながら65℃に温めた。完全に溶解するために、密閉したゴム隔壁の入口針を通して約2時間溶液に激しくアルゴンを泡立てることによって、この溶液を脱気した。次いで、隔壁を通してメチル2-アクリルアミド-2-メトキシアセテート(1.94g、11ミリモル)およびメチルメタクリレート(4.45g、44ミリモル)を溶液に注入し、そしてこの重合混合物をさらに30分間脱気した。次いで、γ−ブチロラクトン(1.5ml)中のAIBNの溶液からのアリコート(0.1843g、0.92ミリモル、1モル%の全体のモノマー)を注入し、そしてこの溶液をさらに30分間脱気した。全体で2のアリコートを5時間のインターバルで添加した。入口および出口針の両方を取り除きそして密閉した容器を65℃で20時間攪拌した。次いで、この溶液をエチルアセテート(500ml)で希釈し、次いで5倍過剰の2-プロパノールで沈殿させた。このポリマーは、黄色固体(20.82g)を形成し、次いで濾過および乾燥により収集した。収率は75%であった。
実施例8
46.5gのPGMEA中の実施例3からの3.5gのポリマー(ポリマー1)の溶液に、0.035gの2,1,4-ジアゾナフトキノンスルホン酸エステルを添加した。この溶液を0.2μmのPTFEフィルターで濾過し、4"シリコンウエハーにスピンコーティングし、そしてホットプレートで170℃で60秒間ベーキングし、約2000Åの厚さにした。コーティングしたウエハーを、種々のレジストキャスティング溶媒、例えばPGMEA、85/15エチルラクテート(EL)/n-ブチルアセテート(n-BA)溶媒混合物、並びにAZ▲R▼300MIF現像剤(Hoechst Celanese Corporation,70 Meister Ave.,Somerville,NJ 08876から入手される)中に浸漬した。この浸漬の前と後に、NANOSPEC-AFTで膜厚を測定した。以下の表に記載されたポリマー膜厚の変化に応じて、ポリマーと溶媒との間の内部層混合の程度を測定した。
Figure 0003835823
T1〜T4に記載された工程条件は、底部反射防止膜上のポジ型フォトレジストの代表的なコーティングおよび現像手段に類似している。代表的なフォトレジストキャスティング溶媒および現像剤への本発明によるポリマーの溶解性は無視してよいことが明らかである。
実施例9
46.5gのPGMEA中の実施例3からの3.5gのポリマー(ポリマー1)の溶液に、0.52gのCYMEL▲R▼303および0.05gのCYCAT▲R▼296-6(ともにCytec Industries Inc.から入手される)を添加した。この溶液を0.2μmのPTFEフィルターで濾過し、4"シリコンウエハーにスピンコーティングし、そしてホットプレートで170℃で60秒間ベーキングした。このコーティングしたウエハーを、PGMEAおよびELに20秒間、そしてAZ▲R▼300MIF現像剤に40秒間浸漬した。スピン乾燥した後に、膜厚の変化は観察されなかった。
実施例10
実施例8および9で調製されたポリマー溶液を、複数の4"シリコンウエハーにスピンコーティングし、そしてホットプレートで170℃で60秒間ベーキングし、2000Åの厚さにした。次いで、このウエハーを、AZ▲R▼7805(Hoechst Celanese Corporation,70 Meister Ave.Somerville,NJ 08876から入手される)でコーティングし、そして90℃の温度で90秒間ベーキングして0.5μm(マイクロメートル)の厚さを得た。5000ÅのAZ▲R▼7805フォトレジストでコーティングし、そしてホットプレートで90℃で60秒間ベーキングした4"シリコンウエハーを参考として使用した。0.2μm〜1.0μmのラインサイズを有するレクチルおよび2mJ/cm2の線量増分および0.2μmの焦点増分で15×21焦点/露光マトリックスを印刷するためにステッパーを誘導するプログラムを使用して、NIKON▲R▼ 0.54NA I-線ステッパーで、これらのウエハーを画像形成露光した。露光されたウエハーを、110℃で60秒間ベーキングし、そしてAZ▲R▼300MIF現像剤で35秒間パドル現像した。これらのウエハー上に形成されたレジストパターンを、Hitachi S-4000電界放出走査電子顕微鏡で評価した。表2は、むき出しのシリコンウエハー上のAZ▲R▼7805に対する本発明による底部反射防止膜上のAZ▲R▼7805の比較を示す。
Figure 0003835823
本発明による底部ポリマーコーティングは、解像度を明らかに改善し、そして感光性を犠牲にすることなく定在波、すなわち反射率を効果的に排除する。
実施例11
46.5gのPGMEA中の実施例7からの3.5gのポリマー(ポリマー3)の溶液に、0.52gのCYMEL▲R▼303および0.05gのCYCAT▲R▼296-6を添加した。この溶液を0.2μmのPTFEフィルターで濾過し、4"シリコンウエハーにスピンコーティングし、そしてホットプレートで170℃で60秒間ベーキングし、2000Åの厚さにした。次いで、このウエハーを、AZ▲R▼7805でコーティングし、そして90℃の温度で90秒間ベーキングして0.5μm(マイクロメートル)の厚さを得た。5000ÅのAZ▲R▼7805フォトレジストでコーティングし、そしてホットプレートで90℃で60秒間ベーキングした4"シリコンウエハーを参考として使用した。0.2μm〜1.0μmのラインサイズを有するレクチルおよび2mJ/cm2の線量増分および0.2μmの焦点増分で15×21焦点/露光マトリックスを印刷するためにステッパーを誘導するプログラムを使用して、NIKON▲R▼ 0.54NA I-線ステッパーで、これらのウエハーを画像形成露光した。露光されたウエハーを、110℃で60秒間ベーキングし、そしてAZ▲R▼300MIF現像剤で35秒間パドル現像した。これらのウエハー上に形成されたレジストパターンを、Hitachi S-4000電界放出走査電子顕微鏡で評価した。表3は、むき出しのシリコンウエハー上のAZ▲R▼7805に対する本発明による底部ポリマーコーティング上のAZ▲R▼7805の比較を表す。
Figure 0003835823
この実施例に記載されているポリマー膜は、明らかに底部反射防止膜のないフォトレジストと比較して改善された解像度を示し、そして感光性を著しく犠牲にすることなく定在波、すなわち反射率を排除する能力がある。
実施例12
スイングレシオ低減テスト
フォトレジストのスイングレシオは、半導体デバイス製造に一般的に直面する反射性の高い基体または表面特徴上のフォトレジストパターンの線幅変化に密接に関係している。スイングレシオが低ければ低いほど、反射性基体または表面特徴上の線幅制御が良好になる。スイングレシオは、以下の式によって計算される:
(Emax-Emin)/(Emax+Emin)
式中、EmaxおよびEminは、定在波の最高値および最低値でのレジスト厚のドーズトゥークリア(dose-to-clear)に相当する。
現像後にレジスト膜をクリアーにするために必要な線量をレジスト厚の関数としてプロットすることによって、定在波が生じた。
複数の4'ウエハーをAZ▲R▼7805でコーティングし、90秒間90℃のソフトベーキング温度を使用して膜厚を0.5μmから1.0μmとした。これらのウエハーを、NIKON▲R▼ 0.5NA I-線ステッパーで画像形成露光し、次いで110℃で60秒間ベーキングし、そしてAZ▲R▼300MIF現像剤で35秒間パドル現像した。膜をクリアーにするために必要な最低の線量を、対応するレジスト厚の関数としてプロットし、そして定在波と言われる正弦曲線を得た。
実施例9および11のポリマーのスイングレシオを以下の表に示す。
Figure 0003835823
本発明による両方のポリマーは約92%まで定在波比を効果的に低減することが明らかに示されている。
ポリマー4−実施例13
2-(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(57.42g、0.26モル)およびジエチレングリコールモノビニルエーテル(18.5g、0.14モル)を330mlのγ−ブチロラクトン溶媒に溶解した。この溶液を攪拌しながら65℃に温めた。次いで、密閉したゴム隔壁の入口針を通して約2時間溶液に激しくアルゴンを泡立てることによって、この溶液を脱気した。次いで、γ−ブチロラクトン(3.5ml)中のAIBNの溶液からのアリコート(0.657g、4ミリモル、1モル%の全体のモノマー)を注入し、そしてこの溶液をさらに30分間脱気した。全体で2のアリコートを5時間のインターバルで添加した。入口および出口針の両方を取り除きそして密閉した容器を65℃で20時間攪拌した。次いで、形成された生成物を、実施例15で試薬として使用した。
ポリマー4−実施例14
水中のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(固形分25%)(72ml、0.2モル)および水(150ml)の溶液に、スルファニル酸(34.99g、0.2モル)を添加し、次いで亜硝酸イソブチル(26ml、0.21モル)を添加し、そして得られる懸濁液温度を10℃未満に保持した。HClの溶液(水中37.8重量%)(32.5ml、0.4モル)を水(35ml)に添加し、そしてこの溶液をゆっくりと反応混合物に添加してジアゾニウム塩を形成させ、次いでこれを圧力平衡(pressure equalizing)滴下漏斗に移し、実施例15で試薬として使用した。
ポリマー4−実施例15
実施例13で形成されたポリマー溶液に、DMSO(500ml)および水中のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(144ml、0.4モル)を添加し、そしてこの混合物を10℃未満に冷却しながら攪拌した。次いで、これに、実施例14からの生成物を滴下して加え、得られる赤色溶液を室温で一晩攪拌した。次いで、この溶液を2-プロパノール(2000ml)に沈殿させ、固体生成物としてポリマーを形成させた。
このポリマーを水中に溶解させ、シリコンウエハーにコーティングした。このポリマーは、フォトレジスト組成物のための底部反射防止膜として機能した。

Claims (28)

  1. フォトリソグラフィーに使用するための反射防止膜組成物において、
    a)以下の構造
    Figure 0003835823
    (式中、
    R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
    X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
    X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
    nは、0−2であり、
    Aは、電子求引性基、好ましくはCOR4、CNまたはCNZであり、
    R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキル、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムであり、Yは、N=N、CW=CW、CW=NまたはN=CWの共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
    mは、1−5である)
    を有する少なくとも一種の染料単位および構造
    Figure 0003835823
    (式中、Gは、架橋性官能基を含有し、そしてR1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシである)
    を有するポリマーを架橋することのできる少なくとも一種の単位を含有するポリマー、および
    b)好適な溶媒
    を含有する上記反射防止膜組成物。
  2. 染料単位が、以下の構造
    Figure 0003835823
    (式中、
    R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、
    X1は、C=O、OCO、CONH、O、アリール、(C1-C10)アルキル、シクロヘキシル、ピリジンまたはピロリドンであり、
    X2は、S、S(C1-C10)アルキル、O、O(C1-C10)アルキル、NH、N(C1-C10)アルキル、アルキル、またはヒドロキシ(C1-C10)アルキルであり、
    nは、0−2であり、
    R4は、H、(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アリール、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニルまたはSO2CF3、COOZ、SO3Z、COZ、OZ、NZ2、SZ、SO2Z、NHCOZ、SO2NZ2、ここで、Zは、Hまたは(C1-C10)アルキルであり、
    Yは、N=N、CW=CW、CW=NまたはN=CWの共役部分であり、ここでWは、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そして
    mは、1−5である)
    を有している請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  3. 溶媒が、有機溶媒の混合物を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  4. 溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  5. 溶媒が、水を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  6. 架橋基が、カルボジイミド、イソシアネート、ブロックイソシアネート、グリシジルメタクリレート、アルキロールアクリルアミド、アルキロールメタクリルアミドおよびメチルアクリルアミドグリコレートからなる群から選択される請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  7. 染料単位のYが、アゾ部分である請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  8. 染料単位がポリマーの約5〜約95モル%の範囲でありそして架橋単位がポリマーの約1〜約50モル%の範囲である請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  9. ポリマーが、さらに一種またはそれ以上の、非吸収性および非架橋性のビニルモノマーを含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  10. ビニルモノマーが、無水マレイン酸、ビニルアクリレート、ビニルフェノール類、ビニルエーテル、ビニルアクリルアミド、ビニルカルボン酸、ビニルスルホン酸およびN-(3-ヒドロキシフェニルメタクリルアミド)からなる群から選択される請求項9に記載の反射防止膜組成物。
  11. 親水性ビニルモノマーまたは親水性になることができるビニルモノマーから誘導される少なくとも1つの単位をさらに含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  12. 親水性ビニルモノマーが、以下の構造
    Figure 0003835823
    (式中、R1-R3は、互いに無関係に、H、(C1-C10)アルキルまたは(C1-C10)アルコキシであり、そしてWは、親水性基である)を有する請求項11に記載の反射防止膜組成物。
  13. 親水性基が、O(CH2)2-O-(CH2)-OH、O(CH2)2-OH、(CH2)n-OH(式中n=1-4)、COO(C1-C4)アルキル、COOX、SO3X(式中、XはH、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムである)およびCONHCH2OHからなる群から選択される請求項12に記載の反射防止膜組成物。
  14. 親水性ビニルモノマーが、無水マレイン酸、無水フマル酸、ビニルピリジンおよびビニルピロリドンからなる群から選択される請求項11に記載の反射防止膜組成物。
  15. ポリマーに対して、染料単位が約5〜約95モル%の範囲であり、架橋単位が約1〜約50モル%の範囲であり、そして親水性ビニルモノマーが約1〜約50モル%の範囲である請求項11に記載の反射防止膜組成物。
  16. さらに染料を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  17. さらに架橋剤を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  18. さらに酸を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  19. さらに熱により生じる酸を含有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  20. 酸が、マルチヒドロキシベンゾフェノンのジアゾナフトキノンエステルである請求項19に記載の反射防止膜組成物。
  21. ポリマーが、約2,500〜約1,000,000の範囲の重量平均分子量を有する請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  22. ポリマー中の金属イオンレベルが、各金属イオン50ppb未満である請求項1に記載の反射防止膜組成物。
  23. 基体に画像を形成する方法において、
    a)請求項1に記載の反射防止膜組成物で基体をコーティングすること、
    b)反射防止膜を加熱すること、
    c)反射防止膜の上にフォトレジスト溶液をコーティングすること、
    d)実質的にフォトレジストコーティングから溶媒を取り除くためにフォトレジストコーティングを加熱すること、
    e)フォトレジストコーティングを画像形成露光すること、
    f)水性アルカリ性現像剤を使用して画像を現像すること、
    g)場合によっては、現像の前および後に基体を加熱すること、
    h)反射防止膜を乾燥エッチングすること
    を包含する上記方法。
  24. フォトレジスト溶液が、ノボラック樹脂、感光性化合物および溶媒を含有する請求項23に記載の方法。
  25. フォトレジスト溶液が、置換されたポリヒドロキシスチレン、光活性化合物および溶媒を含有する請求項23に記載の方法。
  26. フォトレジスト溶液が、ポリヒドロキシスチレン、光活性化合物、溶解性抑制剤および溶媒を含有する請求項23に記載の方法。
  27. 反射防止膜の加熱温度が、約70℃〜約250℃の範囲である請求項23に記載の方法。
  28. 現像剤が、金属イオン不含のアルカリ水酸化物の水溶液である請求項23に記載の方法。
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