JP3834480B2 - クランプ回路および入力インターフェース回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる電圧系の信号間のレベル変換回路、例えば車載用半導体集積回路装置で電圧制限のために用いられるクランプ回路および入力インターフェース回路に関する
【0002】
【従来の技術】
車載用半導体集積回路装置ではバッテリー電源、例えば12Vから直接入力信号を作っている。そのため、5V系のロジック回路への信号としては電圧が高すぎ、低耐圧のロジック回路を破壊する恐れがあるため、直接ロジック回路へ入力できない。
【0003】
このため図11のようなレベル変換回路を用いる。図11は、入力抵抗Rinと、ハイ側を5V、ロー側を0V(GND電圧)に制限する図12と図13で示す2つのクランプ回路107、109で12V系信号を0V〜5Vの範囲に制限し、5V系のロジック回路に使えるようにしたものである。なお105は、入力端子である。
【0004】
ここで用いられるロー側クランプ回路107は、一般に図12のようなものが用いられる。
【0005】
図12のクランプ回路107は、NPNトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の4個の各ベース・エミッタ順方向電圧がほぼ等しいことを利用している。バイアスの値は、トランジスタQ3とQ4を飽和させない値であればよい。
【0006】
このクランプ回路107は、比較的に簡単な回路構成となっている。そしてクランプ回路107のクランプ端子101では、理想的にはGND電圧となる。
【0007】
しかし、車載の場合バッテリーの電圧変動は比較的大きく、更にバッテリーが外れた場合インダクタの逆起電力により非常に大きな正または負の電圧(例えば−40V〜+40V)が、入力端子105を介して、クランプ端子101に印加される。
【0008】
したがって、クランプ回路107のトランジスタQ3とQ4に流れる電流変化範囲が大きいため、トランジスタQ3とQ4の順方向電圧変化も大きくなる。
【0009】
具体的にはトランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ電圧はほぼ一定だが、Q3,Q4のベース・エミッタ電圧は大きく変化する。
【0010】
このため、本来クランプされるべき電圧からずれた電圧にクランプするという欠点があった。特に、クランプ端子101の電圧が、GND電圧を大きく下回る場合には、寄生素子が動作し後述するロジック回路が誤動作してしまう。また最悪の場合、後述するロジック回路等の素子が破壊される恐れがあった。
【0011】
図13に、従来のハイ側クランプ回路109の構成を示す。PNPトランジスタQ5とQ6のベース・エミッタ順方向電圧を利用する。PNPトランジスタQ5とQ6としては、通常ラテラルPNPトランジスタが用いられるが、一般にニー(Knee)電流が低いため大きな電流が流せない。
【0012】
このため、トランジスタQ6のコレクタに負荷抵抗Rcを接続し、負荷抵抗Rcに発生する電圧でNPNトランジスタQ7のベース・エミッタ電圧を制御し、トランジスタQ7のコレクタをトランジスタQ6のエミッタと接続することで、複合PNPトランジスタ(Q6とQ7)構成として大電流が流せるようにしている。
【0013】
クランプ回路109のクランプ端子103では、理想的には5Vとなる。しかし、クランプ回路109の特にトランジスタQ6に流れる電流変化範囲が大きいため、トランジスタQ5とQ6のベース・エミッタ順方向電圧が異なり、本来クランプされるべき電圧からずれた電圧にクランプするという欠点があった。
【0014】
また、クランプ回路107、109をレベル変換回路に利用し、5V系のロジック回路へ信号を入力する入力インターフェース回路の従来構成は、図14の様になる。
【0015】
図14は、図11にコンパレータ回路111を追加し、その出力をロジック回路、例えばインバータ回路113に入力する。
【0016】
図14の構成によれば、クランプ回路107および/または109の動作速度の遅れなどからクランプ波形に大きなヒゲ状のパルス信号を生じた場合でも、コンパレータ回路111により波形整形されるので、後段のインバータ回路113へ異常電圧がかかることもなく動作異常を生じないというメリットがある。
【0017】
しかし、当然ながらコンパレータ回路111の動作電流が増加する。例えば、図15に示す具体的な回路図では、バイアス電流源I3と出力負荷電流源I4の電流が必要であり、車載用半導体集積回路装置では、通常複数の入力インターフェース回路が用いられることから、これらの電流増加は低消費電流化を図る上で非常に不利になる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来のロー側クランプ回路とハイ側クランプ回路では、本来クランプされるべき電圧からずれた電圧にクランプするという欠点があった。またロー側クランプ回路のクランプ端子の電圧が、GND電圧を大きく下回る場合には、寄生素子が動作しロジック回路が誤動作してしまう。更に最悪の場合、ロジック回路等の素子が破壊される恐れがあった。
【0019】
また従来のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路では、新たに複数の電流源が必要であり、これらは、低消費電流化を図る上で非常に不利であった。
【0020】
本発明は、ほぼ正確なクランプ動作が可能なクランプ回路を提供することを目的とする。また本発明は、クランプ回路の応答性に関わらず異なる電圧系の信号を所定の電圧範囲に抑制可能で、かつ低消費電流化が可能なクランプ回路を用いた入力インターフェース回路を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明のクランプ回路は、信号入力端子と、エミッタに所定のバイアス電圧が供給される第1のPNPトランジスタと、エミッタが前記信号入力端子に接続され、ベースが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のPNPトランジスタのベースに接続された第2のPNPトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続された第3のPNPトランジスタと、エミッタが前記第2のPNPトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のPNPトランジスタのベースに接続された第4のPNPトランジスタと、前記第4のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に接続された第1の抵抗と、コレクタが前記信号入力端子に接続され、ベースが前記第4のPNPトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが基準電位点に接続されたNPNトランジスタと、前記第3のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に設けられた電流源と、を具備したことを特徴とする。
【0022】
本発明は、第1の回路から第2の回路へ信号を供給するための入力インターフェース回路であって、前記第1の回路からの信号が供給される入力端子と、前記入力端子に供給される信号のローレベル側を第1の電位にクランプするための第1のクランプ回路と、前記入力端子に供給される信号のハイレベル側を前記第1の電位よりも高い第2の電位にクランプするための第2のクランプ回路と、前記入力端子に接続されたフィルタ手段と、前記フィルタ手段の出力端と前記第2の回路の入力端との間に設けられ前記第2の回路に所定電圧を超える信号が入力するのを抑制する保護回路とを有し、
前記第2のクランプ回路は、エミッタに所定のバイアス電圧が供給される第1のPNPトランジスタと、エミッタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のPNPトランジスタのベースに接続された第2のPNPトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続された第3のPNPトランジスタと、エミッタが前記第2のPNPトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のPNPトランジスタのベースに接続された第4のPNPトランジスタと、前記第4のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に接続された第1の抵抗と、コレクタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第4のPNPトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが基準電位点に接続されたNPNトランジスタと、前記第3のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に設けられた電流源と、から成ることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、第1の回路から第2の回路へ信号を供給するための入力インターフェース回路であって、前記第1の回路からの信号が供給される入力端子と、前記入力端子に供給される信号のローレベル側を第1の電位にクランプするための第1のクランプ回路と、前記入力端子に供給される信号のハイレベル側を前記第1の電位よりも高い第2の電位にクランプするための第2のクランプ回路と、前記入力端子に接続されたフィルタ手段と、前記フィルタ手段の出力端と前記第2の回路の入力端との間に設けられ前記第2の回路に所定電圧を超える信号が入力するのを抑制する保護回路とを有し、
前記第1のクランプ回路は、第1のNPNトランジスタと、エミッタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のNPNトランジスタのベースに接続された第2のNPNトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが電流源に接続された第3のNPNトランジスタと、エミッタが前記第2のNPNトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のNPNトランジスタのベースに接続され、コレクタに所定のバイアス電圧が供給された第4のNPNトランジスタと、前記第1のNPNトランジスタのエミッタと基準電位点間に設けられた第3の抵抗又は電圧源を含み前記第1のNPNトランジスタのエミッタに前記第1の電位に相当する電圧を発生する電圧発生手段と、を備え、
前記保護回路は、前記フィルタ手段の出力端と基準電位点にコレクタ・エミッタ路が接続されたNPN型の保護用トランジスタと、この保護用トランジスタのベースと前記フィルタ手段の出力端との間に接続され、前記フィルタ手段の出力端の電圧が所定値を超えたときに導通するツェナーダイオードと、前記保護用トランジスタのベースと前記基準電圧の間に設けられた第2の抵抗と、を備えて成ることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1のクランプ回路(ロー側))13
図1に、本発明の第1のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す。これから説明するNPNトランジスタQ21〜Q24は、単にトランジスタという。以下に、トランジスタQ21〜Q24の接続関係を説明する。
【0025】
トランジスタQ21のエミッタは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続されている。トランジスタQ24のエミッタは、第1のクランプ端子1に接続され、これのベースは、トランジスタQ21のコレクタに接続され、これのコレクタは、トランジスタQ21のベースに接続されている。
【0026】
トランジスタQ22のエミッタは、トランジスタQ21のコレクタに接続され、
これのベースは、自己のコレクタに接続されている。トランジスタQ23のエミッタは、トランジスタQ24のコレクタに接続され、これのベースは、トランジスタQ22のベースに接続され、これのコレクタに、バイアスが供給されている。バイアスの値は、トランジスタQ23を飽和させない値であればよい。
【0027】
電流源I20の一端は、トランジスタQ22のコレクタに接続されている。
【0028】
第1のクランプ端子1に、トランジスタQ24とQ23を通じて電流が流れる。このためトランジスタQ21とQ23のベース・エミッタ順方向電圧の和と、トランジスタQ24とQ22のベース・エミッタ順方向電圧の和は、略等しくなる。そして両和は、打ち消されて、第1のクランプ端子1は、ほぼ正確にGND電圧となる。
【0029】
第1のクランプ端子1に流れる電流が変化した場合でも、トランジスタQ21とQ23のベース・エミッタ順方向電圧の和と、トランジスタQ24とQ22のベース・エミッタ順方向電圧の和は、略等しくなる。そして両和は、打ち消されて、第1のクランプ端子1は、ほぼ正確にGND電圧となる。
【0030】
(第2のクランプ回路(ロー側))13
図2に、本発明の第2のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す。図1のクランプ回路との違いは、トランジスタQ21のエミッタと基準電圧(この例では、GND電圧)の間に、電圧源Vosが設けられている点である。
【0031】
トランジスタQ21〜Q24の動作は、図1のクランプ回路(ロー側)のトランジスタQ21〜Q24の動作と同じである。異なるのは、第1のクランプ端子1の電圧が、ほぼ正確に電圧源Vosの電圧となる点である。
【0032】
(第3のクランプ回路(ロー側))13
図3に、本発明の第3のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す。図1のクランプ回路との違いは、トランジスタQ21のエミッタと基準電圧(この例では、GND電圧)の間に、抵抗Rosが設けられている点である。
【0033】
トランジスタQ21〜Q24の動作は、図1のクランプ回路(ロー側)13のトランジスタQ21〜Q24の動作と同じである。異なるのは、第1のクランプ端子1の電圧が、ほぼ正確にRos×I20の電圧となる点である。なおRosは、抵抗Rosの抵抗値である。I20は、電流源I20の電流値である。
【0034】
(第4のクランプ回路(ロー側))13
図4に、本発明の第4のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す。NPNトランジスタQ31〜Q38は、単にトランジスタという。以下に、トランジスタQ31〜Q38の接続関係を説明する。
【0035】
トランジスタQ31のエミッタは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続され、これのベースは、自己のコレクタに接続されている。トランジスタQ32のエミッタは、トランジスタQ31のコレクタに接続されている。
【0036】
トランジスタQ34のエミッタは、第1のクランプ端子1に接続されている。トランジスタQ33のエミッタは、トランジスタQ34のベースに接続され、これのベースは、トランジスタQ32のコレクタに接続され、これのコレクタは、トランジスタQ32のベースとトランジスタQ34のコレクタに接続されている。
【0037】
トランジスタQ35のエミッタは、トランジスタQ32のコレクタに接続され、これのベースは、自己のコレクタに接続されている。トランジスタQ36のエミッタは、トランジスタQ35のコレクタに接続され、これのベースは、自己のコレクタに接続されている。
【0038】
トランジスタQ38のエミッタは、トランジスタQ33のコレクタに接続され、コレクタに、バイアスが供給されている。トランジスタQ37のエミッタは、トランジスタQ38のベースに接続され、これのベースは、トランジスタQ36のベースに接続され、これのコレクタは、トランジスタQ38のコレクタに接続されている。
【0039】
バイアスの値は、トランジスタQ38とQ37を飽和させない値であればよい。
【0040】
電流源I20の一端は、トランジスタQ36のコレクタに接続されている。
【0041】
第1のクランプ端子1に、トランジスタQ34とQ33とQ38とQ37を通じて電流が流れる。このためトランジスタQ31とQ32とQ38とQ37のベース・エミッタ順方向電圧の総和と、トランジスタQ34とQ33とQ35とQ36のベース・エミッタ順方向電圧の総和は、略等しくなる。そして両総和は、打ち消されて、第1のクランプ端子1は、ほぼ正確にGND電圧となる。
【0042】
第1のクランプ端子1に流れる電流が変化した場合でも、トランジスタQ31とQ32とQ38とQ37のベース・エミッタ順方向電圧の総和と、トランジスタQ34とQ33とQ35とQ36のベース・エミッタ順方向電圧の総和は、略等しくなる。そして両総和は、打ち消されて、第1のクランプ端子1は、ほぼ正確にGND電圧となる。
【0043】
またトランジスタQ34とQ33の存在により、電流源I20の電流値を小さくすることができる。
【0044】
(第5のクランプ回路(ハイ側))15
図5に、本発明の第5のクランプ回路(ハイ側)15の構成を示す。PNPトランジスタQ41〜Q44は、単にトランジスタという。NPNトランジスタQ45は、単にトランジスタという。以下、トランジスタQ41〜Q45の接続関係を説明する。
【0045】
トランジスタQ41のエミッタに、5Vの電圧が供給されている。トランジスタQ44のエミッタは、第2のクランプ端子3に接続され、これのベースは、トランジスタQ41のコレクタに接続され、これのコレクタは、トランジスタQ41のベースに接続されている。
【0046】
トランジスタQ42のエミッタは、トランジスタQ41のコレクタに接続され、これのベースは、自己のコレクタに接続されている。トランジスタQ43のエミッタは、トランジスタQ44のコレクタに接続され、これのベースは、トランジスタQ42のベースに接続されている。
【0047】
抵抗Rcが、基準電圧(この例では、GND電圧)とトランジスタQ43のコレクタの間に設けられている。
【0048】
トランジスタQ45のコレクタは、トランジスタQ44のエミッタに接続され、これのベースは、トランジスタQ43のコレクタに接続され、これのエミッタは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続されている。
【0049】
電流源I21が、トランジスタQ42のコレクタと基準電圧(この例では、GND電圧)の間に設けられている。
【0050】
第2のクランプ端子3に、主にトランジスタQ44とQ43を通じて電流が流れる。このためトランジスタQ41とQ43のベース・エミッタ順方向電圧の和と、トランジスタQ44とQ42のベース・エミッタ順方向電圧の和は、略等しくなる。そして両和は、打ち消されて、第2のクランプ端子3は、ほぼ正確に5Vとなる。
【0051】
第2のクランプ端子3に流れる電流が変化した場合でも、トランジスタQ41とQ43のベース・エミッタ順方向電圧の和と、トランジスタQ44とQ42のベース・エミッタ順方向電圧の和は、略等しくなる。そして両和は、打ち消されて、第2のクランプ端子3は、ほぼ正確に5Vとなる。
【0052】
(入力インターフェース回路の第1の実施例)
図6に、本発明の入力インターフェース回路の第1の実施例の構成を示す。
【0053】
12V系の信号が、入力抵抗Rinを介して、入力端子11に供給される。入力端子11には、ロー側クランプ回路13の第1のクランプ端子1とハイ側クランプ回路15の第2のクランプ端子3が接続されている。これにより、ロー側クランプ回路13とハイ側クランプ回路15が、入力インターフェース回路に接続される。
【0054】
また入力端子11には、フィルタ17が接続されている。フィルタ17の出力が、ロジック回路、例えばインバータ回路19に供給されている。
【0055】
図7に、図6のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の具体的な回路構成を示す。
【0056】
ロー側クランプ回路13は、図1で示した第1のクランプ回路13を採用している。ハイ側クランプ回路15は、図5に示した第5のクランプ回路15を採用している。ロー側クランプ回路13としては、図1のクランプ回路の代わりに、図2乃至図4で示す第2乃至第4のクランプ回路13の内の1つを採用してもよい。
【0057】
フィルタ17は、抵抗R1とコンデンサC1からなる。抵抗R1の一端は、入力端子11に接続され、これの他端は、ロジック回路、例えばインバータ回路19に接続されている。コンデンサC1は、抵抗R1の他端と基準電圧(この例では、GND電圧)の間に設けられている。
【0058】
インバータ回路19は、NチャンネルMOS FET(以下、単にFETという)M1と、PチャンネルMOS FET(以下、単にFETという)M2からなる。
【0059】
FETM1のソースは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続され、これのゲートは、フィルタ17の抵抗R1の他端に接続され、これのドレインは、出力となる。FETM2のソースに、5Vが供給され、これのゲートは、フィルタ17の抵抗R1の他端に接続され、これのドレインは、FETM1のドレインに接続されている。
【0060】
入力端子11に供給された信号は、ロー側クランプ回路13とハイ側クランプ回路15により、GND電圧〜5Vの間の信号にレベル変換される。
【0061】
フィルタ17は、ロー側およびハイ側クランプ回路13と15で除去できない信号成分をカットする。またフィルタ17は、次段のロジック回路が、入力端子11に印加されるサージ(静電気放電)電圧で破壊されるのを防止する。更にフィルタ17は、電流源を必要としないので、低消費電流化が図られる。
【0062】
(入力インターフェース回路の第2の実施例)
図8に、本発明の入力インターフェース回路の第2の実施例の構成例を示す。図6の第1の実施例との違いは、フィルタ17とインバータ回路19の間に、保護回路21を設けた点である。
【0063】
保護回路21は、NチャンネルMOS FET(以下、単にFETという)M3と、PチャンネルMOS FET(以下、単にFETという)M4からなる。
【0064】
FETM3のソースは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続され、これのゲートは、自己のソースに接続され、これのドレインは、フィルタ17の出力端に接続されている。FETM4のソースに、5Vが供給されており、これのゲートは、自己のソースに接続され、これのドレインは、FETM3のドレインに接続されている。
【0065】
フィルタ17の出力が5Vを超えたときFETM4が導通して、次段のインバータ回路19に5Vを超えた信号を供給しない。
【0066】
フィルタ17の出力が、GND電圧未満のときFETM3が導通して、次段のインバータ回路19にGND電圧未満の信号を供給しない。
【0067】
(入力インターフェース回路の第3の実施例)
図9に、本発明の入力インターフェース回路の第3の実施例の構成を示す。図6の第1の実施例との違いは、フィルタ17とインバータ回路19の間に、保護回路23を設けた点である。
【0068】
保護回路23は、ツェナーダイオードZ1からなる。ツェナーダイオードZ1のアノードは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続され、これのカソードは、フィルタ17の出力端に接続されている。
【0069】
フィルタ17の出力が、ツェナー電圧を超えたときツェナーダイオードZ1が導通して、次段のインバータ回路19に、ツェナー電圧を超える信号を供給しない。
【0070】
(入力インターフェース回路の第4の実施例)
図10に、本発明の入力インターフェース回路の第4の実施例の構成を示す。図6の第1の実施例との違いは、フィルタ17とインバータ回路19の間に、保護回路25を設けた点である。
【0071】
保護回路25は、NPNトランジスタ(以下、単にトランジスタという)Q51と、ツェナーダイオードZ1と、抵抗R51からなる。
【0072】
トランジスタQ51のコレクタは、フィルタ17の出力端に接続され、これのエミッタは、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続されている。ツェナーダイオードZ1のアノードは、トランジスタQ51のベースに接続され、これのカソードは、トランジスタQ51のコレクタに接続されている。抵抗R51の一端は、トランジスタQ51のベースに接続され、これの他端は、基準電圧(この例では、GND電圧)に接続されている。
【0073】
フィルタ17の出力が、ツェナー電圧およびトランジスタQ51のベース・エミッタ順方向電圧の和を超えたときツェナーダイオードZ1とトランジスタQ51が導通して、次段のインバータ回路19に、ツェナー電圧およびトランジスタQ51のベース・エミッタ順方向電圧の和を超える信号を供給しない。
【0074】
なお、これまでに述べたクランプ回路を用いた入力インターフェース回路のロー側クランプ回路13として、図12の従来のクランプ回路107を、およびハイ側クランプ回路15として、図13の従来のクランプ回路109を用いてもよい。この場合、図12のクランプ端子101と、図13のクランプ端子103を、入力端子11に接続する。
【0075】
この場合、クランプ回路107と109でクランプ電圧がずれても、フィルタ17で緩和し、次段のインバータ回路19に対する影響を小さくできる。
【0076】
ロジック回路として、インバータ回路19を説明したが、インバータ回路に限定されない。
【0077】
クランプされる電圧は、GND電圧、5Vに限定されない。
なお、本発明の入力インターフェース回路の第1の変形例として、図6において、ロー側クランプ回路13の代わりに保護ダイオードを使用してもよい。そして、ハイ側クランプ回路15の代わりに保護ダイオードを使用してもよい。
本発明の入力インターフェース回路の第2の変形例として、図9において、ロー側クランプ回路13またはハイ側クランプ回路15を使用しない場合、フィルタ17に抵抗を含んでいれば入力抵抗Rinを使用しなくてもよい。そしてロー側クランプ回路13またはハイ側クランプ回路15の代わりに、保護ダイオードを使用してもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上本発明のクランプ回路によれば、ほぼ正確なクランプ動作が可能である。また本発明のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路によれば、クランプ回路の応答性に関わらず異なる電圧系の信号を所定の電圧範囲に抑制でき、かつ低消費電流化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第4のクランプ回路(ロー側)13の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第5のクランプ回路(ハイ側)15の構成を示す回路図である。
【図6】本発明のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】図6のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の具体的な回路構成図である。
【図8】本発明のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の第2の実施例の構成を示す図である。
【図9】本発明のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の第3の実施例の構成を示す図である。
【図10】本発明のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の第4の実施例の構成を示す図である。
【図11】従来のレベル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図12】従来のクランプ回路(ロー側)107の構成を示す回路図である。
【図13】従来のクランプ回路(ハイ側)109の構成を示す回路図である。
【図14】従来のクランプ回路を用いた入力インターフェース回路の構成を示すブロック図である。
【図15】図14の具体的な回路図である。
【符号の説明】
1・・第1のクランプ端子、Q21〜Q24・・NPNトランジスタ、I20・・電流源、Vos・・電圧源、Ros・・抵抗、Q31〜Q38・・NPNトランジスタ、3・・第2のクランプ端子、Q41〜Q44・・PNPトランジスタ、Q45・・NPNトランジスタ、I21・・電流源、Rc・・抵抗、Rin・・入力抵抗、11・・入力端子、13・・ロー側クランプ回路、15・・ハイ側クランプ回路、17・・フィルタ、19・・インバータ回路、21,23,25・・保護回路、M3・・NチャンネルMOS FET、M4・・PチャンネルMOS FET、Z1・・ツェナーダイオード、Q51・・NPNトランジスタ、R51・・抵抗。
Claims (6)
- 信号入力端子と、
エミッタに所定のバイアス電圧が供給される第1のPNPトランジスタと、
エミッタが前記信号入力端子に接続され、ベースが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のPNPトランジスタのベースに接続された第2のPNPトランジスタと、
ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続された第3のPNPトランジスタと、
エミッタが前記第2のPNPトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のPNPトランジスタのベースに接続された第4のPNPトランジスタと、
前記第4のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に接続された第1の抵抗と、
コレクタが前記信号入力端子に接続され、ベースが前記第4のPNPトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが基準電位点に接続されたNPNトランジスタと、
前記第3のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に設けられた電流源と、を具備して成るクランプ回路。 - 第1の回路から第2の回路へ信号を供給するための入力インターフェース回路であって、
前記第1の回路からの信号が供給される入力端子と、
前記入力端子に供給される信号のローレベル側を第1の電位にクランプするための第1のクランプ回路と、
前記入力端子に供給される信号のハイレベル側を前記第1の電位よりも高い第2の電位にクランプするための第2のクランプ回路と、
前記入力端子に接続されたフィルタ手段と、
前記フィルタ手段の出力端と前記第2の回路の入力端との間に設けられ前記第2の回路に所定電圧を超える信号が入力するのを抑制する保護回路とを有し、
前記第2のクランプ回路は、エミッタに所定のバイアス電圧が供給される第1のPNPトランジスタと、エミッタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のPNPトランジスタのベースに接続された第2のPNPトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のPNPトランジスタのコレクタに接続された第3のPNPトランジスタと、エミッタが前記第2のPNPトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のPNPトランジスタのベースに接続された第4のPNPトランジスタと、前記第4のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に接続された第1の抵抗と、コレクタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第4のPNPトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが基準電位点に接続されたNPNトランジスタと、前記第3のPNPトランジスタのコレクタと基準電位点間に設けられた電流源と、から成ることを特徴とする入力インターフェース回路。 - 前記保護回路は、ソースが基準電位点に接続され、ゲート・ソース同士が接続され、ドレインが前記フィルタ手段の出力端に接続されたNチャンネルMOS FETと、ソースに所定のバイアス電圧が供給され、ゲート・ソース同士が接続され、ドレインが前記フィルタ手段の出力端に接続されたPチャンネルMOS FETと、から成ることを特徴とする請求項2記載の入力インターフェース回路。
- 前記保護回路は、前記フィルタ手段の出力端と基準電位点にコレクタ・エミッタ路が接続されたNPN型の保護用トランジスタと、この保護用トランジスタのベースと前記フィルタ手段の出力端との間に接続され、前記フィルタ手段の出力端の電圧が所定値を超えたときに導通するツェナーダイオードと、前記保護用トランジスタのベースと前記基準電圧 の間に設けられた第2の抵抗と、から成ることを特徴とする請求項2記載の入力インターフェース回路。
- 第1の回路から第2の回路へ信号を供給するための入力インターフェース回路であって、
前記第1の回路からの信号が供給される入力端子と、
前記入力端子に供給される信号のローレベル側を第1の電位にクランプするための第1のクランプ回路と、
前記入力端子に供給される信号のハイレベル側を前記第1の電位よりも高い第2の電位にクランプするための第2のクランプ回路と、
前記入力端子に接続されたフィルタ手段と、
前記フィルタ手段の出力端と前記第2の回路の入力端との間に設けられ前記第2の回路に所定電圧を超える信号が入力するのを抑制する保護回路とを有し、
前記第1のクランプ回路は、第1のNPNトランジスタと、エミッタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のNPNトランジスタのベースに接続された第2のNPNトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、エミッタが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが電流源に接続された第3のNPNトランジスタと、エミッタが前記第2のNPNトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第3のNPNトランジスタのベースに接続され、コレクタに所定のバイアス電圧が供給された第4のNPNトランジスタと、前記第1のNPNトランジスタのエミッタと基準電位点間に設けられた第3の抵抗又は電圧源を含み前記第1のNPNトランジスタのエミッタに前記第1の電位に相当する電圧を発生する電圧発生手段と、を備え、
前記保護回路は、前記フィルタ手段の出力端と基準電位点にコレクタ・エミッタ路が接続されたNPN型の保護用トランジスタと、この保護用トランジスタのベースと前記フィルタ手段の出力端との間に接続され、前記フィルタ手段の出力端の電圧が所定値を超えたときに導通するツェナーダイオードと、前記保護用トランジスタのベースと前記基準電圧の間に設けられた第2の抵抗と、を備えて成ることを特徴とする入力インターフェース回路。 - 第1の回路から第2の回路へ信号を供給するための入力インターフェース回路であって、
前記第1の回路からの信号が供給される入力端子と、
前記入力端子に供給される信号のローレベル側を第1の電位にクランプするための第1のクランプ回路と、
前記入力端子に供給される信号のハイレベル側を前記第1の電位よりも高い第2の電位にクランプするための第2のクランプ回路と、
前記入力端子に接続されたフィルタ手段と、
前記フィルタ手段の出力端と前記第2の回路の入力端との間に設けられ前記第2の回路に所定電圧を超える信号が入力するのを抑制する保護回路とを有し、
前記第1のクランプ回路は、第1のNPNトランジスタと、ベースが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記第1のNPNトランジスタのベースに接続された第2のNPNトランジスタと、ベース・コレクタ同士が接続され、コレクタが電流源に接続された第3のNPNトランジスタと、ベースが前記第3のNPNトランジスタのベースに接続され、コレクタに所定のバイアス電圧が供給された第4のNPNトランジスタと、エミッタが基準電位点に接続され、コレクタ及びベースが前記第1のNPNトランジスタのエミッタに接続された第5のNPNトランジスタと、エミッタが前記入力端子に接続され、ベースが前記第2のNPNトランジスタのエミッタに接続され、コレクタが前記第2のNPNトランジスタのコレクタに接続された第6のNPNトランジスタと、エミッタが前記第1のNPNトランジスタのコレクタに接続され、コレクタ及びベース が前記第3のNPNトランジスタのエミッタに接続された第7のNPNトランジスタと、エミッタが前記第2のNPNトランジスタのコレクタに接続され、ベースが前記第4のNPNトランジスタのエミッタに接続され、コレクタが前記第4のNPNトランジスタのコレクタに接続された第8のNPNトランジスタと、を備えて成り、
前記保護回路は、前記フィルタ手段の出力端と基準電位点にコレクタ・エミッタ路が接続されたNPN型の保護用トランジスタと、この保護用トランジスタのベースと前記フィルタ手段の出力端との間に接続され、前記フィルタ手段の出力端の電圧が所定値を超えたときに導通するツェナーダイオードと、前記保護用トランジスタのベースと前記基準電圧の間に設けられた第2の抵抗と、を備えて成ることを特徴とする入力インターフェース回路。
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