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JP3834085B2 - Metal coordination phthalocyanine and method for producing the same - Google Patents

Metal coordination phthalocyanine and method for producing the same Download PDF

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JP3834085B2
JP3834085B2 JP26524595A JP26524595A JP3834085B2 JP 3834085 B2 JP3834085 B2 JP 3834085B2 JP 26524595 A JP26524595 A JP 26524595A JP 26524595 A JP26524595 A JP 26524595A JP 3834085 B2 JP3834085 B2 JP 3834085B2
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和浩 清野
裕子 石原
啓輔 詫摩
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Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Chemicals Inc
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近赤外線領域に幅広い吸収を有する金属配位フタロシアニン、その簡便な製造法およびそれを用いた近赤外線吸収フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近赤外線領域に吸収を持つ化合物は、光ディスク等の光記録媒体の記録層に利用したり、インキ化することにより近赤外線検出機で読み取り可能な近赤外線吸収インキとして利用することができる。また、バインダー樹脂と組み合わせることで塗料化しプラスチックやガラスにコーティングしたり、、あるいは樹脂と混練して近赤外線吸収フィルターを製造することもできる。
【0003】
近赤外線吸収フィルターは、建造物、車、電車、船舶、航空機等の窓材として、外部からの熱線を遮断し、室内、車内の温度上昇を抑えることができる。また特定波長領域をカットすることで、光質選択利用農業用フィルムとして植物育成の制御、半導体受光素子の赤外線カット、有害な赤外線を含む光線から人間の目を保護する眼鏡等へも利用できる。
【0004】
上記の中でも、特に熱線遮断を目的とする近赤外線吸収フィルターは、省エネルギーに寄与するため、注目されている分野である。
【0005】
熱線遮断を目的とする窓材として、PETフィルムやガラス上に酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物と金、銀等の金属を交互に積層した熱線反射フィルターが知られているが、複雑な製造工程故に製品コストが高いという欠点とともに、電波障害の原因となる。それらの無機型熱線反射フィルターと比較して、近赤外線吸収色素を使った近赤外線吸収フィルターは製造が簡便かつ電波障害の問題がないため応用分野が広く、市場ニーズも大きい。しかしながら、色素のコストおよび耐久性(特に光に対する安定性)の問題で普及が進んでいないのが現状である。
【0006】
近赤外線を吸収する有機色素としては、従来、シアニン色素が良く知られている。しかし、シアニン色素は耐光堅牢性が極めて低いので、これを使用する場合には多くの制約を受けざるを得ない。また特開平3−161644に記載のアミニウム塩タイプの化合物、あるいは特公昭54−25060、特開昭50−51549等に記載の金属錯体化合物は耐熱性、耐光性の点で不十分である。また特開平3−115362、特開昭62−903記載のアントラキノン系の化合物も耐熱性はあるものの耐光性の点では不十分である。
【0007】
高耐久性を有する近赤外線吸収色素として、特公昭59−1311、特開昭60−209583、特公平2−5155、特開昭61−152685、特開昭61−223056、特開平3−62878等に記載のフタロシアニン類は製造工程が繁雑で、λmaxがせいぜい800nmと短いため熱線吸収目的としては不十分であった。
【0008】
特公平4−75916、特開昭63−308073、特開昭63−270765、では比較的長波長に吸収を有するフタロシアニンが開示されているが、いずれもλmaxは800〜1000nm程度で、熱線カットに有効といわれる1000〜1500nmにはほとんど吸収を持たない。
【0009】
また、特開昭60−23451にみられるようなナフタロシアニン化合物が知られているが、その製造工程が長く、かつ工業的には高価な化合物であり工業的使用には不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、近赤外線領域全体(700〜1800nm)、特にそれらのなかでも800〜1500nmの熱線領域に幅広い吸収を有する化合物を提供することである。更にそれらの化合物の簡便な製造方法とそれらを用いた近赤外線吸収フィルターを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フタロシアニンのベンゼン環上にある置換基が金属と配位した金属配位フタロシアニンは、800〜1500nmに幅広い吸収を持つ優れた近赤外線吸収剤が得られることを見出した。
【0012】
即ち、本発明は、フタロシアニンのベンゼン環上に金属が配位した金属配位フタロシアニン、その製造方法、およびそれを用いた近赤外線吸収フィルターに関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の金属配位フタロシアニンはフタロシアニンのベンゼン環上に金属を配位できる置換基を有し、金属を添加することでフタロシアニンと金属での電子移動が起こり吸収波長が長波長化、ブロード化するものであれば特に限定されるものではない。例えばフタロシアニン環上の置換基としてアミノ基、アミド基、ジアゾ基、チオール基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等を含む置換基、ポリエチレングリコールを含む置換基、ポリエチレンジアミンを含む置換基等が挙げられ、それらの置換基を少なくとも一つ有していれば、それ以外の置換基については限定されない。更にそれらの中でも特に好ましいものはアミノ基、アミド基等の窒素原子を含有する置換基であり、更に好ましい置換基は下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるアミノチオフェノール誘導体である。
【0014】
【化5】

Figure 0003834085
【0015】
【化6】
Figure 0003834085
〔式(1)及び(2)中、R1、R2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基を表し、Y1〜Y3は水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルキルカルボニル基、置換または未置換のアリールカルボニル基を表す。(1)においてY1とY2がイミド基を形成してもよく、窒素原子の置換位置は硫黄原子に対してオルト、メタ、パラいずれでもよい。〕
【0016】
本発明の上記フタロシアニンの置換基においてR1、R2で表されるハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。置換または未置換のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、1,2−ジメチル−プロピル基、n−ヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0017】
置換または未置換のアリール基の例としては、フェニル基、2−メルカプトフェニル基、3−メルカプトフェニル基、4−メルカプトフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0018】
置換または未置換のアルコキシ基の例としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、ベンジルオキシ基等があげられる。
【0019】
置換または未置換のアリールオキシ基の例としてはフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
【0020】
1〜Y3で表される置換または未置換のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、1,2−ジメチル−プロピル基、n−ヘキシル基、1,3−ジメチル-ブチル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デカノ基、n−ウンデカノ基、n−ドデカノ基、n−トリデカノ基、n−テトラデカノ基、n−ペンタデカノ基、n−ヘキサデカノ基、n−ヘプタデカノ基、n−オクタデカノ基、n−ノナデカノ基、n−エイコサノ基、ベンジル基、sec−フェニルエチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−フェニルエチル基、
3−ジメチルアミノプロピル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジイソプロピルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフロロメチル)エチル基、2−(1−ピペリジニル)エチル基、3−(1−ピペリジニル)プロピル基、3−(4−モルフォリニル)プロピル基、3−(4−モルフォリニル)エチル基、2−(1−ピロリジニル)エチル基、2−ピリジルメチル基、フルフリル基等が挙げられる。置換または未置換のアリール基の例としては、フェニル基、2−メルカプトフェニル基、3−メルカプトフェニル基、4−メルカプトフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0021】
置換または未置換のアルキルカルボニル基の例としては、アセチル基(メチルカルボニル基)、プロピオニル基、ブチリル基、iso−ブチリル基、バレリル基、iso−バレリル基、トリメチルアセチル基、ヘキサノイル基、t−ブチルアセチル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、オレオイル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基、6−クロロヘキサノイル基、6−ブロモヘキサノイル基等が挙げられる。
【0022】
置換または未置換のアリールカルボニル基の例としては、ベンゾイル基、o−クロロベンゾイル基、m−クロロベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、o−フルオロベンゾイル基、m−フルオロベンゾイル基、p−フルオロベンゾイル基、o−アセチルベンゾイル基、m−アセチルベンゾイル基、p−アセチルベンゾイル基、o−メトキシベンゾイル基、m−メトキシベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、o−メチルベンゾイル基、m−メチルベンゾイル基、p−メチルベンゾイル基等が挙げられる。
【0023】
同一窒素上のY1とY2を使って形成される環状のイミド基の例としてコハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタル酸イミド等が挙げられる。
【0024】
フタロシアニンの中心金属は2価の金属の例としては、特に限定されるものではないが、製造の容易さから例えばCu、Pd、AlCl、TiO、VOが好ましい。
【0025】
フタロシアニンのベンゼン環上の置換基と配位する金属としては、配位形成能力を有する金属であれば特に限定されるわけではないが、例えば、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、マンガン、マグネシウム、チタニウム、アルミニウム、スズ、クロム等の金属が挙げられる。またそれらの中で特に好ましい金属は銅である。
【0026】
本願発明の金属配位フタロシアニンの製造は上記のフタロシアニンのベンゼン環上に金属と配位できる置換基を有するフタロシアニンと金属塩を反応させて得られる。金属塩としては、上記金属のフッ素化塩、塩素化塩、臭素化塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート塩等が挙げられる。配位の生成方法としては例えば、フタロシアニンと金属塩をN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、等の非プロトン性極性溶媒中で撹拌する方法、またその場合、必要であれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム等の塩基を加えることも出来る。また化合物に合わせてメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の溶媒も使用できる。また、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン等と水の二層系溶媒で反応させることも出来る。その際必要であれば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基や、界面活性剤を元のフタロシアニンに対して0.01〜1000倍当量程度添加することも出来る。
【0027】
金属塩の使用量は元のフタロシアニンに対して1〜100当量用いる。溶媒の使用量は特に制限されるものではないが通常もとのフタロシアニンに対して、1〜1000重量倍用いる。
【0028】
金属の配位は、金属と窒素原子が1:1で配位する場合、1:2で配位する場合、1:3で配位する場合、1:4で配位する場合等がある。1:2、1:3、1:4の場合は分子内の2つ以上の窒素原子と配位する場合と、分子間で配位する場合がある。金属が配位しない場合はフタロシアニンの吸収波長は比較的シャープで吸収領域の幅が狭く、λmaxも700〜900nm程度と短い。それに対して、金属が配位した場合、吸収波長はブロード化し、吸収領域が900〜1500nmにも広がるため、近赤外線吸収フィルター用途に適した化合物となる。
【0029】
金属塩と反応させるフタロシアニンの製造方法として特に好ましいものは、下記一般式(3)で表されるフタロシアニンと少なくとも一種の一般式(4)で表されるアミノチオフェノール誘導体を塩基の存在下に反応させることによって得られる。
【0030】
【化7】
Figure 0003834085
〔式中、Xは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基、置換または未置換のアルキルアミノ基、あるいは置換または未置換のアリールアミノ基を表す。nは4〜16の整数を表し、Xの少なくとも一つはハロゲン原子あるいはニトロ基である。Mは2価の金属原子あるいは3価または4価の金属またはオキシ金属を表す。〕
【0031】
【化8】
Figure 0003834085
〔式中、R1、Y1、Y2は上記一般式(1)と同じ。〕
【0032】
上記(3)においてXで表されるハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。置換または未置換のアルコキシ基としては特に制限されるわけではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシエトキシ基、ジエチルアミノエトキシ基、ベンジルオキシ基等があげられる。
【0033】
置換または未置換のアリールオキシ基としては特に制限されるわけではないが、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
【0034】
置換または未置換のアルキルチオ基としては特に制限されるわけではないが、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、1,2−ジメチル−プロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基、メトキシメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、プロポキシエチルチオ基、ブトキシエチルチオ基、γ−メトキシプロピルチオ基、γ−エトキシプロピルチオ基、メトキシエトキシエチルチオ基、エトキシエトキシエチルチオ基、ジメトキシメチルチオ基、ジエトキシメチルチオ基、ジメトキシエチルチオ基、ジエトキシエチルチオ基等のアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキルチオ基、クロロメチルチオ基、ジメチルアミノエチルシチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基等のアルキルアミノアルキルチオ基、ジアルキルアミノアルキルチオ基等が挙げられる。
【0035】
置換また未置換のアリールチオ基としては特に制限されるわけではないが、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、4−エチルフェニルチオ基、4−プロピルフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、4−エトキシフェニルチオ基、4−アミノフェニルチオ基、4−アルキルアミノフェニルチオ基、4−ジアルキルアミノフェニルチオ基、4−フェニルアミノフェニルチオ基、4−ジフェニルアミノフェニルチオ基、4−ヒドロキシフェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基、4−ブロモフェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、2−プロピルフェニルチオ基、2−t−ブチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、2−アミノフェニルチオ基、2−アルキルアミノフェニルチオ基、2−ジアルキルアミノフェニルチオ基、2−フェニルアミノフェニルチオ基、2−ジフェニルアミノフェニルチオ基、2−ヒドロキシフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、2−ブロモフェニルチオ基等が挙げられる。
【0036】
置換または未置換のアルキルアミノ基としては特に制限されるわけではないが、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、ベンジルアミノ基等が挙げられる。
【0037】
置換又は未置換のアリールアミノ基の例としては特に制限されるわけではないが、例えば、フェニルアミノ基、アルキルフェニルアミノ基、アルコキシフェニルアミノ基、ヒドロキシフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等が挙げられる。また隣り合うXが二つのヘテロ原子を通じて5員環あるいは6員環を形成してもよい置換基としては下記式で示される置換基等が挙げられる。
【0038】
【化9】
Figure 0003834085
【0039】
式(3)中、nは4〜16の整数を表し、Xの少なくとも一つはハロゲン原子あるいはニトロ基等の式(4)と置換反応を起こしやすい置換基である。Mは2価の金属原子あるいは3価または4価の金属またはオキシ金属であれば特に限定されるものではないが製造の容易さ、フタロシアニンの安定性Cu、Pd、AlCl、TiO、或いはVOが好ましい。また上記フタロシアニンにおいて、Xが全て塩素原子、臭素原子等のものについては工業的に入手可能であるし、Xが沃素原子のものは、これらのものを、沃化カリ、沃化ナトリウム等で定法に従い処理して沃素原子と置換することにより入手できる。
【0040】
また、フッ素化フタロシアニンは、フッ素化フタロニトリルをDyes and Pigment 91頁(1992年)記載の方法で製造できる。一般式(3)で表されるフタロシアニンにおいて、特に好ましい化合物は、C.I.ピグメントグリーン 7(商品名:フタロシアニン グリーン)、C.I.ピグメントグリーン 36、C.I.ピグメントグリーン 37、あるいはC.I.ピグメントグリーン 38であり、ハロゲン化フタロシアニンとして工業的に入手容易な化合物である。
【0041】
上記一般式(4)において、式中、R1、Y1、Y2は上記一般式(1)と同じ置換基を表す。
【0042】
一般式(3)で表されるフタロシアニンと一般式(4)で表されるアミノチオフェノール誘導体との反応は、通常の求核置換反応の条件、すなわち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の塩基の存在下で行うことができる。
【0043】
この反応は、溶媒の存在下で行ってもよく、その際の溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、スルホラン等の極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒が挙げられる。
【0044】
本発明の近赤外線吸収化合物の製造方法は、通常、一般式(2)で表されるフタロシアニンと塩基(フタロシアニンに対して1〜100倍当量)を、溶媒(フタロシアニンに対して、1〜1000重量倍)に溶解、あるいは懸濁させて、攪拌しながら、一般式(3)で表されるアミノチオフェノール誘導体(フタロシアニンに対して、1〜30倍当量)を添加し、50〜220℃で反応させる。アミノチオフェノール誘導体の添加は、昇温前におこなっても、昇温途中、あるいは昇温後に行ってもよい。また、一度に添加してもよく、分割添加してもよい。また、アミノフェノール誘導体自身を溶媒として用い、塩基を加えた後に、フタロシアニンを添加してもよい。
【0045】
反応は、常圧下でも、加圧下で行ってもよい。
【0046】
反応の進行度合いは、例えば、反応液のλmaxを測定することにより判断することができる。
【0047】
反応終了後、反応混合物を冷却した水、あるいは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール溶液中に排出することにより、目的化合物を析出させる。析出した目的物を吸引濾過して分離し、さらに水洗浄、アルコール洗浄して、塩分、残塩基、未反応のアミノフェノール誘導体等を除去し、乾燥して、本発明の近赤外線吸収化合物を単離する。
【0048】
得られた本発明の近赤外線吸収化合物の中で、トルエン、キシレン、酢酸エチル等の有機溶媒によく溶解するものについては、必要により、カラムクロマトグラフィーにて精製することもできる。
【0049】
金属配位化は上記フタロシアニンをいったん単離してから行うこともできるし、求核置換反応の終了後、単離前に反応マス中に金属塩を加えて行ってもよい。
【0050】
本願発明の金属配位フタロシアニンを使った近赤外線吸収フィルターは樹脂板、フィルム、ガラス等の形で作製され、必要に応じて加工される。即ち、近赤外線吸収フィルターを作る方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の3つの方法が利用できる。
(1)樹脂に金属配位フタロシアニン化合物を混練し、加熱成形して樹脂板或いはフィルムを作製する方法。
(2)金属配位フタロシアニン化合物を含有する塗料を作製し、透明樹脂板、透明フィルム、或いは透明ガラス板上にコーティングする方法。
(3)金属配位フタロシアニン化合物を接着剤に含有させて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作製する方法。
【0051】
まず、樹脂に金属配位フタロシアニン化合物を混練、加熱成形する(1)の方法において、樹脂材料としては、樹脂板または樹脂フィルムにした場合にできるだけ透明性の高いものが好ましく、具体例としてポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることが出来るが、これらの樹脂に限定されるものではない。
【0052】
作製方法としては用いるベース樹脂によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、通常金属配位フタロシアニン化合物を、ベース樹脂の粉体或いはペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後成形して樹脂板を作製、或いは押し出し機によりフィルム化するか、或いは押し出し機により原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムにする方法で得られる。なお、混練する際に紫外線吸収剤、可塑剤等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。金属配位フタロシアニン化合物の添加量は、作製する樹脂の厚み、目的の可視透過率、目的の近赤外線吸収率等によって異なるが、通常1ppm〜20%である。
【0053】
塗料化、コーティングする(2)の方法においては、本願発明の金属配位フタロシアニン化合物をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解させて塗料化する方法と、金属配位フタロシアニン化合物を数μm以下に微粒化し、アクリルエマルジョン中に分散した水系塗料とする方法がある。前者の方法は通常、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂をバインダーとして用いる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれらの混合物系等を用いる。フタロシアニン化合物の濃度はコーティングの厚み、目的の可視透過率、目的の近赤外線吸収率等によって異なるが、バインダー樹脂の重量に対して通常0.1〜50%である。また、バインダー樹脂濃度は塗料全体に対して通常1〜50%である。アクリルエマルジョン系水系塗料の場合も同様に、未着色のアクリルエマルジョン塗料に金属配位フタロシアニン化合物を微粉砕(50〜500nm)したものを分散させることで得られる。塗料中には紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常塗料に用いるような添加物を加えてもよい。上記の方法で作製した塗料は透明樹脂フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等でコーティングして近赤外線吸収フィルターを作製する。コーティング面を保護するために保護層を設けたり、透明樹脂板、透明樹脂フィルム等コーティング面に貼り合わせることもできる。またキャストフィルムも本方法に含まれる。
【0054】
金属配位フタロシアニン化合物を接着剤に含有させて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作製する(3)の方法においては、接着剤としては一般的なシリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂用、或いは合わせガラス用のポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等の合わせガラス用の公知の透明接着剤が使用できる。金属配位フタロシアニン化合物を0.1〜50%添加した接着剤を用いて樹脂板どうし、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂板とガラス、樹脂フィルムどうし、樹脂フィルムとガラス、ガラスどうしを接着して近赤外線吸収フィルターを作製する。また熱圧着する方法もある。
【0055】
本発明の金属配位フタロシアニンは800〜1500nmの近赤外線領域全体に幅広い吸収を持ち、これを用いた近赤外線吸収フィルターは太陽光の熱線吸収能力が優れている。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これによりなんら制限されるものではない。
【0057】
実施例1
C.I.ピグメントグリーン 7(商品名:フタロシアニン グリーン)(10.0g、8.87mmol)、2−(n−オクチルアミノ)チオフェノール(33.7g、141.96mmol、16倍当量)、炭酸カリウム(39.2g、283.63mmol、32倍当量)を、ジメチルホルムアミド(200ml)中、120℃で、5時間反応させた。反応混合物は、室温に冷却後、メタノール(500ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、メタノール洗浄、水洗後、乾燥させフタロシアニン化合物(26.5g)を単離した。更に該フタロシアニン化合物(2.5g)をテトラヒドロフラン(25ml)溶媒中、塩化銅(II)2水和物(1.25g)を添加し室温で1時間撹拌し、配位させた。その混合物を濾過後、濾液をヘキサン(100ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収し、ヘキサン洗浄後、乾燥させ下記式(5)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.64g)を得た。但し、配位しているCu及びClの数は平均値である。
【0058】
【化10】
Figure 0003834085
【0059】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒またはクロロホルム、アセトン等にも良く溶け(トルエンに5%以上溶解)、λmaxは1308nm(クロロホルム溶媒)であった。そのスペクトルを図1に示す。図1から分かるように、吸収波長がブロード化しており、吸収領域が広がっていることから金属が配位していることが確認された。
元素分析
C:52.05,H:5.21,N:6.74,
S:7.59,Cu:12.5,Cl:12.7
【0060】
更に、該混合物を、デルペット806Kの15%トルエン:2ーブタノン=1:1溶液と重量比0.05:1の割合で混合し、該混合液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にロールコート法を用いて厚み5μmコート層を形成させ近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは800〜1500nmの光をよく吸収した。JIS−R−3106に従って、(株)島津製作所製分光光度計UV−3100でTV(可視光透過率)及びTE(日射透過率)を測定したところ、それぞれ28%、24%であった。
【0061】
実施例2
実施例1において、塩化銅(II)2水和物の代わりに塩化銅(I)を用いた以外は同様にして下記式(6)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.64g)を得た。但し、配位しているCu及びClの数は平均値である。
【0062】
【化11】
Figure 0003834085
【0063】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒等にも良く溶け、λmaxは1304nm(クロロホルム溶媒)であった。
【0064】
そのスペクトルを図2に示す。図2から分かるように、吸収波長がブロード化しており、吸収領域が広がっていることから金属が配位していることが確認された。
【0065】
元素分析
C:59.42,H:6.31,N:7.28,
S:9.18,Cu:11.0,Cl:5.8
【0066】
更に、該混合物を、実施例1と同様にして、厚み5μmコート層を形成させ近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは800〜1400nmの光をよく吸収した。実施例1と同様にしてTV及びTEを測定したところ、それぞれ26%、23%であった。
【0067】
実施例3
C.I.ピグメントグリーン 7(商品名:フタロシアニン グリーン)(10.0g、8.87mmol)、2−(n−オクチルアミノ)チオフェノール(19.0g、79.83mmol、9倍当量)、2−アミノチオフェノール(5.55g、44.35mmol、5倍当量)、炭酸カリウム(39.2g、283.63mmol、32倍当量)を、ジメチルホルムアミド(200ml)中、120℃で、10時間反応させた。反応混合物は室温に冷却後、メタノール(500ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、メタノール洗浄、水洗後、乾燥させフタロシアニン化合物(25.6g)を得、この化合物と4−ジメチルアミノピリジン(1.0g、8.19mmol)をピリジン(300ml)溶媒中、ベンゾイルクロリド(13.0g、92.5mmol)を添加(室温、1時間)後、50℃で2時間反応させた。反応混合物は氷水(1000ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、水洗、メタノール洗浄後、乾燥させフタロシアニン化合物(29.5g)を単離した。更に該フタロシアニン化合物(2.5g)を用い、実施例1と同様の方法により、下記式(7)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.52g)を得た。但し、配位しているCu及びClの数は平均値である。
【0068】
【化12】
Figure 0003834085
【0069】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒にも溶け、λmaxは1300nm(クロロホルム溶媒)であった。スペクトルを図3に示す。図3から分かるように、吸収波長がブロード化しており、吸収領域が広がっていることから金属が配位していることが確認された。
【0070】
元素分析
C:57.38,H:4.72,N:5.28,
S:7.19,Cu:9.8,Cl:10.3
【0071】
更に、該混合物を、ユニチカ製ポリエチレンテレフタレートペレット1203と重量比0.02:1の割合で混合し、260〜280℃で溶融させ、押出機で厚み100μmのフィルムを作製した後、このフィルムを2軸延伸して厚み25μmの近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは800〜1500nmの光をよく吸収した。実施例1と同様にしてTV及びTEを測定したところ、それぞれ48%、46%であった。
【0072】
実施例4
実施例3で、C.I.ピグメントグリーン 7と2−(n−オクチルアミノ)チオフェノール及び2−アミノチオフェノールを反応させて得られたフタロシアニン化合物(25.6g)をピリジン(300ml)溶媒中、無水酢酸(7.0g、68.56mmol)を添加(室温)後、100℃で1時間反応させた。反応混合物は氷水(1000ml)中に排出し、析出物を吸引濾過により回収後、水洗、メタノール洗浄し乾燥させてフタロシアニン化合物を単離した。更に該フタロシアニン化合物(2.5g)をテトラヒドロフラン(25ml)溶媒中、臭化銅(II)(2.0g)を添加し室温で1時間撹拌し、配位させた。その混合物を濾過後、濾液をメタノール(100ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収し、メタノール洗浄後、乾燥させ下記式(8)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.9g)を得た。但し、配位しているCu及びBrの数は平均値である。
【0073】
【化13】
Figure 0003834085
【0074】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒またはクロロホルム、アセトン等にも溶け、λmaxは1300nm(クロロホルム溶媒)であった。そのスペクトルを図4に示す。図4から分かるように、吸収波長がブロード化しており、吸収領域が広がっていることから金属が配位していることが確認された。
【0075】
元素分析
C:49.92,H:4.61,N:5.71,
S:7.91,Cu:9.5,Br:21.3
【0076】
更に、該混合物を、実施例3と同様に厚み25μmの近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは700〜1100nmの光をよく吸収した。
実施例1と同様にしてTV及びTEを測定したところ、それぞれ45%、44%であった。
【0077】
実施例5
C.I.ピグメントグリーン 7(商品名:フタロシアニン グリーン)(10.0g、8.87mmol)、2−アミノチオフェノール(16.7g、133.40mmol、15倍当量)、炭酸カリウム(39.2g、283.63mmol、32倍当量)を、ジメチルホルムアミド(200ml)中、120℃で、5時間反応させた。反応混合物は室温に冷却後、メタノール(500ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、メタノール洗浄、水洗後、乾燥させフタロシアニン化合物(19.5g)を得、該化合物と4−ジメチルアミノピリジン(1.0g、8.19mmol)をピリジン(300ml)溶媒中、2−エチルヘキサノイルクロリド(25.0g、153.69mmol)を添加(室温、1時間)後、50℃で2時間反応させた。反応混合物は氷水(1000ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、水洗、メタノール洗浄後、乾燥させフタロシアニン化合物(19.5g)を単離した。更に該フタロシアニン化合物(2.5g)をテトラヒドロフラン(25ml)溶媒中、臭化銅(II)(2.0g)を添加し室温で1時間撹拌し、配位させた。その混合物を濾過後、濾液をヘキサン(100ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収し、ヘキサン洗浄後、乾燥させ下記式(9)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.78g)を得た。但し、配位しているCu及びBrの数は平均値である。
【0078】
【化14】
Figure 0003834085
【0079】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒またはクロロホルム、アセトン等にも溶け、λmaxは1310nm(クロロホルム溶媒)であった。
【0080】
更に、該混合物を、実施例3と同様に厚み25μmの近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは700〜1100nmの光をよく吸収した。
実施例1と同様にしてTV及びTEを測定したところ、それぞれ52%、53%であった。
【0081】
実施例6
実施例1において、2−(nーオクチルアミノ)チオフェノールの代わりに、2−(メチルアミノ)チオフェノール(19.8g、142mmol、16倍当量)を使用する以外は実施例1と同様にしてフタロシアニン化合物を得、実施例1と同様にして塩化銅と配位させ、下記式(10)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.42g)を得た。但し、配位しているCu及びClの数は平均値である。
【0082】
該混合物はトルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒またはクロロホルム、アセトン等にも溶け、λmaxは1302nm(クロロホルム溶媒)であった。
【0083】
【化15】
Figure 0003834085
【0084】
更に、該混合物を、実施例3と同様に厚み25μmの近赤外線吸収フィルターを作製した。該フィルターは700〜1100nmの光をよく吸収した。
【0085】
実施例7
C.I.ピグメントグリーン 7(商品名:フタロシアニン グリーン)(10.0g、8.87mmol)、2−アミノチオフェノール(16.7g、133.40mmol、15倍当量)、炭酸カリウム(39.2g、283.63mmol、32倍当量)を、ジメチルホルムアミド(200ml)中、120℃で、3時間反応させた後、n−オクチルブロマイド(17.1g、88.5mol、10倍当量)を加え、更に2時間反応させた。反応混合物は室温に冷却後、メタノール(500ml)中に排出した。析出物を吸引濾過により回収後、メタノール洗浄、水洗後、乾燥させフタロシアニン化合物(13.5g)を単離した。そのフタロシアニン化合物(2.5g)を用いて、実施例1と同様にして塩化銅2水和物を配位させ、下記式(11)の化合物を含有する近赤外線吸収混合物(2.42g)を得た。但し、配位しているCu及びClの数は平均値である。該混合物は、トルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒に溶け、λmaxは1300nm(クロロホルム溶媒)であった。
【0086】
【化16】
Figure 0003834085
【0087】
【発明の効果】
本発明は、高耐光性を有する高溶解型フタロシアニン系近赤外線吸収化合物を、簡便に製造する方法を提供するものであり、実用上極めて価値のある方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の吸光度スペクトルを示すグラフである。
【図2】実施例2で得られた化合物の吸光度スペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例3で得られた化合物の吸光度スペクトルを示すグラフである。
【図4】実施例4で得られた化合物の吸光度スペクトルを示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a metal coordination phthalocyanine having a wide absorption in the near-infrared region, a simple production method thereof, and a near-infrared absorption filter using the same.
[0002]
[Prior art]
A compound having absorption in the near-infrared region can be used as a recording layer of an optical recording medium such as an optical disk or can be used as a near-infrared absorbing ink that can be read by a near-infrared detector by forming an ink. In addition, a near-infrared absorption filter can also be produced by combining with a binder resin to form a paint and coating on plastic or glass, or kneading with a resin.
[0003]
The near-infrared absorption filter can be used as a window material for buildings, cars, trains, ships, aircrafts, etc., to block heat rays from the outside and suppress temperature rise in the room and in the car. Moreover, by cutting a specific wavelength region, it can be used as a light quality selective use agricultural film for controlling plant growth, cutting infrared rays of a semiconductor light receiving element, and glasses for protecting human eyes from rays containing harmful infrared rays.
[0004]
Among these, near-infrared absorption filters especially for the purpose of blocking heat rays are an area that is attracting attention because they contribute to energy saving.
[0005]
As a window material for the purpose of heat ray blocking, a heat ray reflection filter in which metal oxides such as indium oxide and tin oxide and metals such as gold and silver are alternately laminated on PET film or glass is known. Along with the disadvantage that the product cost is high due to the manufacturing process, it causes radio interference. Compared to these inorganic heat ray reflective filters, near-infrared absorbing filters using near-infrared absorbing dyes are easy to manufacture and have no problem of radio interference, so they have a wide range of applications and have a great market need. However, the current situation is that the spread of dyes has not progressed due to problems of cost and durability (particularly stability to light).
[0006]
Conventionally, cyanine dyes are well known as organic dyes that absorb near infrared rays. However, since cyanine dyes have extremely low light fastness, there are many restrictions when using them. Further, the aminium salt type compounds described in JP-A-3-161644, or the metal complex compounds described in JP-B-54-25060, JP-A-50-51549, etc. are insufficient in terms of heat resistance and light resistance. The anthraquinone compounds described in JP-A-3-115362 and JP-A-62-903 are also insufficient in light resistance although they have heat resistance.
[0007]
As a near-infrared absorbing dye having high durability, JP-B-59-1311, JP-A-60-209583, JP-B-2-5155, JP-A-61-152285, JP-A-61-223056, JP-A-3-62878, etc. The phthalocyanines described in 1 are complicated in production process, and max However, since it is as short as 800 nm, it was insufficient for the purpose of absorbing heat rays.
[0008]
JP-B-4-75916, JP-A-63-308073, and JP-A-63-270765 disclose phthalocyanines having absorption at a relatively long wavelength. 1000-1500 nm, which is said to be effective, has almost no absorption.
[0009]
Further, a naphthalocyanine compound as disclosed in JP-A-60-23451 is known, but its production process is long, and it is an industrially expensive compound, which is insufficient for industrial use.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The subject of this invention is providing the compound which has wide absorption in the whole near-infrared area | region (700-1800 nm), especially the heat ray area | region of 800-1500 nm among them. Furthermore, it is providing the simple manufacturing method of those compounds, and the near-infrared absorption filter using them.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that a metal coordinated phthalocyanine in which a substituent on the benzene ring of phthalocyanine is coordinated with a metal is excellent in having a broad absorption at 800 to 1500 nm. It has been found that an infrared absorber can be obtained.
[0012]
That is, the present invention relates to a metal coordinated phthalocyanine in which a metal is coordinated on the benzene ring of phthalocyanine, a method for producing the same, and a near infrared absorption filter using the metal coordinated phthalocyanine.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The metal-coordinated phthalocyanine of the present invention has a substituent capable of coordinating a metal on the benzene ring of phthalocyanine. By adding a metal, electron transfer occurs between the phthalocyanine and the metal, and the absorption wavelength becomes longer and broader. If it is a thing, it will not specifically limit. Examples of substituents on the phthalocyanine ring include amino groups, amide groups, diazo groups, thiol groups, hydroxyl groups, carbonyl groups, carboxyl group-containing substituents, polyethylene glycol-containing substituents, and polyethylenediamine-containing substituents. As long as it has at least one of these substituents, the other substituents are not limited. Among them, particularly preferred are substituents containing nitrogen atoms such as amino groups and amide groups, and more preferred substituents are aminothiophenol derivatives represented by the following general formula (1) and / or (2). It is.
[0014]
[Chemical formula 5]
Figure 0003834085
[0015]
[Chemical 6]
Figure 0003834085
[In the formulas (1) and (2), R 1 , R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted or unsubstituted alkoxy group, a substituted or unsubstituted aryloxy group, and Y 1 ~ Y Three Represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted or unsubstituted alkylcarbonyl group, or a substituted or unsubstituted arylcarbonyl group. Y in (1) 1 And Y 2 May form an imide group, and the substitution position of the nitrogen atom may be any of ortho, meta and para with respect to the sulfur atom. ]
[0016]
In the substituent of the phthalocyanine of the present invention, R 1 , R 2 As the halogen atom represented by the formula, fluorine, chlorine, bromine and iodine can be mentioned. Examples of the substituted or unsubstituted alkyl group include methyl group, ethyl group, n-propyl group, iso-propyl group, n-butyl group, iso-butyl group, sec-butyl group, n-pentyl group, iso- Examples include a pentyl group, 1,2-dimethyl-propyl group, n-hexyl group, benzyl group and the like.
[0017]
Examples of substituted or unsubstituted aryl groups include phenyl group, 2-mercaptophenyl group, 3-mercaptophenyl group, 4-mercaptophenyl group, 2-methylphenyl group, 3-methylphenyl group, 4-methylphenyl group. And a naphthyl group.
[0018]
Examples of the substituted or unsubstituted alkoxy group include methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, iso-propoxy group, n-butoxy group, iso-butoxy group, sec-butoxy group and the like. Examples thereof include an n-pentoxy group, an iso-pentoxy group, and a benzyloxy group.
[0019]
Examples of the substituted or unsubstituted aryloxy group include phenoxy group, 2-methylphenoxy group, 3-methylphenoxy group, 4-methylphenoxy group, naphthoxy group and the like.
[0020]
Y 1 ~ Y Three Examples of the substituted or unsubstituted alkyl group represented by the formula: methyl group, ethyl group, n-propyl group, iso-propyl group, n-butyl group, iso-butyl group, sec-butyl group, n-pentyl Group, iso-pentyl group, 1,2-dimethyl-propyl group, n-hexyl group, 1,3-dimethyl-butyl group, 1,2-dimethylbutyl group, n-heptyl group, 1,4-dimethylpentyl group 1-ethyl-3-methylbutyl group, n-octyl group, 2-ethylhexyl group, n-nonyl group, n-decano group, n-undecano group, n-dodecano group, n-tridecano group, n-tetradecano group, n-pentadecano group, n-hexadecano group, n-heptadecano group, n-octadecano group, n-nonadecano group, n-eicosano group, benzyl group, sec-phenylethyl group, 2-methyl Tilbenzyl group, 3-methylbenzyl group, 4-methylbenzyl group, 2-phenylethyl group,
3-dimethylaminopropyl group, 2-dimethylaminoethyl group, 2-diisopropylaminoethyl group, 2-diethylaminoethyl group, 2,2,2-trifluoro-1- (trifluoromethyl) ethyl group, 2- (1 -Piperidinyl) ethyl group, 3- (1-piperidinyl) propyl group, 3- (4-morpholinyl) propyl group, 3- (4-morpholinyl) ethyl group, 2- (1-pyrrolidinyl) ethyl group, 2-pyridylmethyl Group, furfuryl group and the like. Examples of substituted or unsubstituted aryl groups include phenyl group, 2-mercaptophenyl group, 3-mercaptophenyl group, 4-mercaptophenyl group, 2-methylphenyl group, 3-methylphenyl group, 4-methylphenyl group. And a naphthyl group.
[0021]
Examples of the substituted or unsubstituted alkylcarbonyl group include acetyl group (methylcarbonyl group), propionyl group, butyryl group, iso-butyryl group, valeryl group, iso-valeryl group, trimethylacetyl group, hexanoyl group, t-butyl. Acetyl, heptanoyl, octanoyl, 2-ethylhexanoyl, nonanoyl, decanoyl, undecanoyl, lauroyl, tridecanoyl, tetradecanoyl, pentadecanoyl, hexadecanoyl, heptadecanoyl, octa Examples include decanoyl group, oleoyl group, cyclopentanecarbonyl group, cyclohexanecarbonyl group, 6-chlorohexanoyl group, 6-bromohexanoyl group and the like.
[0022]
Examples of substituted or unsubstituted arylcarbonyl groups include benzoyl, o-chlorobenzoyl, m-chlorobenzoyl, p-chlorobenzoyl, o-fluorobenzoyl, m-fluorobenzoyl, p-fluorobenzoyl Group, o-acetylbenzoyl group, m-acetylbenzoyl group, p-acetylbenzoyl group, o-methoxybenzoyl group, m-methoxybenzoyl group, p-methoxybenzoyl group, o-methylbenzoyl group, m-methylbenzoyl group, Examples thereof include a p-methylbenzoyl group.
[0023]
Y on the same nitrogen 1 And Y 2 Examples of the cyclic imide group formed by using succinic acid imide, maleic acid imide, phthalic acid imide and the like.
[0024]
The central metal of phthalocyanine is not particularly limited as an example of a divalent metal, but Cu, Pd, AlCl, TiO, and VO are preferable for ease of production.
[0025]
The metal that coordinates with a substituent on the benzene ring of phthalocyanine is not particularly limited as long as it has a coordination ability, but, for example, copper, zinc, cobalt, nickel, ruthenium, rhodium, palladium , Manganese, magnesium, titanium, aluminum, tin, chromium and the like. Among them, a particularly preferable metal is copper.
[0026]
The metal-coordinated phthalocyanine of the present invention can be obtained by reacting a metal salt with a phthalocyanine having a substituent capable of coordinating with a metal on the benzene ring of the phthalocyanine. Examples of the metal salt include fluorinated salts, chlorinated salts, brominated salts, sulfates, nitrates, acetates, oxalates, and acetylacetonate salts of the above metals. As a method for generating coordination, for example, a method in which phthalocyanine and a metal salt are stirred in an aprotic polar solvent such as N, N-dimethylformamide, N-methylpyrrolidone, tetrahydrofuran, or the like. Bases such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium hydride, potassium hydride, potassium carbonate and the like can also be added. A solvent such as methanol, ethanol, isopropanol, or acetone can be used according to the compound. It can also be reacted with toluene, xylene, benzene, chloroform, methylene chloride and the like in a two-layer solvent of water. At that time, if necessary, a base such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, potassium carbonate, sodium carbonate, or a surfactant may be added in an amount of about 0.01 to 1000 times equivalent to the original phthalocyanine.
[0027]
The metal salt is used in an amount of 1 to 100 equivalents based on the original phthalocyanine. Although the usage-amount of a solvent is not restrict | limited, Usually, it uses 1-1000 weight times with respect to the original phthalocyanine.
[0028]
As for the metal coordination, there are a case where the metal and the nitrogen atom are coordinated 1: 1, a case where the metal is coordinated 1: 2, a case where the metal is coordinated 1: 3, a case where the metal and nitrogen atoms are coordinated 1: 4. In the case of 1: 2, 1: 3, and 1: 4, there are cases where coordination is performed with two or more nitrogen atoms in the molecule, and coordination is performed between molecules. When the metal is not coordinated, the absorption wavelength of phthalocyanine is relatively sharp and the width of the absorption region is narrow. max Is as short as about 700 to 900 nm. On the other hand, when the metal is coordinated, the absorption wavelength is broadened, and the absorption region is extended to 900 to 1500 nm. Therefore, the compound is suitable for near infrared absorption filter applications.
[0029]
A particularly preferred method for producing phthalocyanine to be reacted with a metal salt is to react a phthalocyanine represented by the following general formula (3) and at least one aminothiophenol derivative represented by the general formula (4) in the presence of a base. To obtain.
[0030]
[Chemical 7]
Figure 0003834085
[In the formula, each X is independently a halogen atom, a nitro group, a substituted or unsubstituted alkoxy group, a substituted or unsubstituted aryloxy group, a substituted or unsubstituted alkylthio group, a substituted or unsubstituted arylthio group, substituted or It represents an unsubstituted alkylamino group or a substituted or unsubstituted arylamino group. n represents an integer of 4 to 16, and at least one of X is a halogen atom or a nitro group. M represents a divalent metal atom, a trivalent or tetravalent metal, or an oxy metal. ]
[0031]
[Chemical 8]
Figure 0003834085
[In the formula, R 1 , Y 1 , Y 2 Is the same as the above general formula (1). ]
[0032]
Examples of the halogen atom represented by X in the above (3) include fluorine, chlorine, bromine and iodine. The substituted or unsubstituted alkoxy group is not particularly limited, and examples thereof include a methoxy group, an ethoxy group, an n-propoxy group, an iso-propoxy group, an n-butoxy group, an iso-butoxy group, and a sec-butoxy group. Etc. n-pentoxy group, iso-pentoxy group, n-hexyloxy group, cyclohexyloxy group, n-heptyloxy group, n-octyloxy group, 2-ethylhexyloxy group, n-nonyloxy group, methoxyethoxy group, ethoxyethoxy group Ethoxyethoxyethoxy group, hydroxyethoxyethoxy group, diethylaminoethoxy group, benzyloxy group and the like.
[0033]
Although it does not necessarily restrict | limit as a substituted or unsubstituted aryloxy group, For example, a phenoxy group, 2-methylphenoxy group, 3-methylphenoxy group, 4-methylphenoxy group, a naphthoxy group etc. are mentioned.
[0034]
The substituted or unsubstituted alkylthio group is not particularly limited, and examples thereof include a methylthio group, an ethylthio group, an n-propylthio group, an iso-propylthio group, an n-butylthio group, an iso-butylthio group, and a sec-butylthio group. T-butylthio group, n-pentylthio group, iso-pentylthio group, neo-pentylthio group, 1,2-dimethyl-propylthio group, n-hexylthio group, cyclohexylthio group, n-heptylthio group, 2-ethylhexylthio group, n-octylthio group, n-nonylthio group, methoxymethylthio group, methoxyethylthio group, ethoxyethylthio group, propoxyethylthio group, butoxyethylthio group, γ-methoxypropylthio group, γ-ethoxypropylthio group, methoxyethoxy Ethylthio group, ethoxyeth Alkoxyalkylthio groups such as xylethylthio group, dimethoxymethylthio group, diethoxymethylthio group, dimethoxyethylthio group, diethoxyethylthio group, alkoxyalkoxyalkylthio group, alkoxyalkoxyalkoxyalkylthio group, chloromethylthio group, dimethylaminoethylcithio group, Examples thereof include alkylaminoalkylthio groups such as diethylaminoethylthio group and dialkylaminoalkylthio groups.
[0035]
The substituted or unsubstituted arylthio group is not particularly limited. For example, phenylthio group, naphthylthio group, 4-methylphenylthio group, 4-ethylphenylthio group, 4-propylphenylthio group, 4-t -Butylphenylthio group, 4-methoxyphenylthio group, 4-ethoxyphenylthio group, 4-aminophenylthio group, 4-alkylaminophenylthio group, 4-dialkylaminophenylthio group, 4-phenylaminophenylthio group 4-diphenylaminophenylthio group, 4-hydroxyphenylthio group, 4-chlorophenylthio group, 4-bromophenylthio group, 2-methylphenylthio group, 2-ethylphenylthio group, 2-propylphenylthio group, 2-t-butylphenylthio group, 2-methoxyphenylthio group, 2-e Xiphenylthio group, 2-aminophenylthio group, 2-alkylaminophenylthio group, 2-dialkylaminophenylthio group, 2-phenylaminophenylthio group, 2-diphenylaminophenylthio group, 2-hydroxyphenylthio group , 2-chlorophenylthio group, 2-bromophenylthio group and the like.
[0036]
The substituted or unsubstituted alkylamino group is not particularly limited, and examples thereof include a methylamino group, an ethylamino group, an n-propylamino group, an iso-propylamino group, a butylamino group, a pentylamino group, and dipentyl. Examples include an amino group, a hexylamino group, a heptylamino group, an octylamino group, a nonylamino group, and a benzylamino group.
[0037]
Examples of the substituted or unsubstituted arylamino group are not particularly limited, and examples thereof include a phenylamino group, an alkylphenylamino group, an alkoxyphenylamino group, a hydroxyphenylamino group, and a naphthylamino group. Further, examples of the substituent in which adjacent X may form a 5-membered ring or a 6-membered ring through two heteroatoms include a substituent represented by the following formula.
[0038]
[Chemical 9]
Figure 0003834085
[0039]
In formula (3), n represents an integer of 4 to 16, and at least one of X is a substituent that easily undergoes a substitution reaction with formula (4) such as a halogen atom or a nitro group. M is not particularly limited as long as it is a divalent metal atom or a trivalent or tetravalent metal or an oxy metal, but it is preferable to be easy to manufacture and stable to phthalocyanine Cu, Pd, AlCl, TiO, or VO. . In the above phthalocyanines, those in which X is all a chlorine atom, bromine atom and the like are industrially available, and those in which X is an iodine atom are obtained by a conventional method using potassium iodide, sodium iodide or the like. And can be obtained by substituting with iodine atoms.
[0040]
Fluorinated phthalocyanine can be produced by the method described in Dies and Pigment 91 (1992). In the phthalocyanine represented by the general formula (3), particularly preferable compounds are C.I. I. Pigment green 7 (trade name: phthalocyanine green), C.I. I. Pigment green 36, C.I. I. Pigment green 37, or C.I. I. Pigment Green 38, a compound that is industrially easily available as a halogenated phthalocyanine.
[0041]
In the general formula (4), in the formula, R 1 , Y 1 , Y 2 Represents the same substituent as in the general formula (1).
[0042]
The reaction between the phthalocyanine represented by the general formula (3) and the aminothiophenol derivative represented by the general formula (4) is performed under the usual nucleophilic substitution reaction conditions, that is, sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium carbonate. In the presence of a base such as potassium carbonate or sodium hydride.
[0043]
This reaction may be carried out in the presence of a solvent. As the solvent, polar solvents such as dimethylformamide (DMF), dimethyl sulfoxide (DMSO), N, N′-dimethylimidazolidinone (DMI), sulfolane and the like are used. Examples include solvents, ketone solvents such as acetone and methyl ethyl ketone, and aromatic hydrocarbon solvents such as toluene, xylene, monochlorobenzene and dichlorobenzene.
[0044]
In the method for producing a near-infrared absorbing compound of the present invention, the phthalocyanine represented by the general formula (2) and a base (1 to 100 times equivalent to phthalocyanine) are usually used in a solvent (1 to 1000 weights relative to phthalocyanine). The aminothiophenol derivative represented by the general formula (3) (1 to 30 times equivalent with respect to phthalocyanine) is added with stirring or stirring, and the reaction is performed at 50 to 220 ° C. Let The aminothiophenol derivative may be added before the temperature rise, during the temperature rise or after the temperature rise. Moreover, you may add at once and may add by division | segmentation. Alternatively, the aminophenol derivative itself may be used as a solvent, and after adding a base, phthalocyanine may be added.
[0045]
The reaction may be performed under normal pressure or under pressure.
[0046]
The progress of the reaction is, for example, λ of the reaction solution max It can be determined by measuring.
[0047]
After completion of the reaction, the target compound is precipitated by discharging the reaction mixture into cooled water or an alcohol solution such as methanol, ethanol, propanol, butanol, or pentanol. The precipitated target product is separated by suction filtration, and further washed with water and alcohol to remove salt, residual base, unreacted aminophenol derivative, etc., and dried to obtain the near-infrared absorbing compound of the present invention. Release.
[0048]
Among the obtained near-infrared absorbing compounds of the present invention, those that dissolve well in organic solvents such as toluene, xylene, and ethyl acetate can be purified by column chromatography if necessary.
[0049]
The metal coordination can be carried out after the phthalocyanine is once isolated, or after completion of the nucleophilic substitution reaction, and can be carried out by adding a metal salt to the reaction mass before the isolation.
[0050]
The near-infrared absorption filter using the metal coordination phthalocyanine of the present invention is produced in the form of a resin plate, a film, glass or the like, and is processed as necessary. That is, the method for producing the near-infrared absorption filter is not particularly limited. For example, the following three methods can be used.
(1) A method of preparing a resin plate or film by kneading a metal coordination phthalocyanine compound in a resin and thermoforming it.
(2) A method in which a coating material containing a metal coordination phthalocyanine compound is prepared and coated on a transparent resin plate, a transparent film, or a transparent glass plate.
(3) A method of producing a laminated resin plate, a laminated resin film, a laminated glass and the like by including a metal coordination phthalocyanine compound in an adhesive.
[0051]
First, in the method of (1) in which a metal coordination phthalocyanine compound is kneaded and heat-molded in a resin, the resin material is preferably as transparent as possible when it is made into a resin plate or a resin film. Specific examples include polyethylene, Polystyrene, polyacrylic acid, polyacrylic acid ester, polyvinyl acetate, polyacrylonitrile, polyvinyl chloride, addition compounds of vinyl compounds such as polyvinyl fluoride, polymethacrylic acid, polymethacrylic acid ester, polyvinylidene chloride, polyfluoride Vinyl compounds such as vinylidene fluoride, polycyanide vinylidene, vinylidene fluoride / trifluoroethylene copolymer, vinylidene fluoride / tetrafluoroethylene copolymer, vinylidene cyanide / vinyl acetate copolymer, and copolymers of fluorine compounds Polito Fluorine-containing compounds such as fluoroethylene, polytetrafluoroethylene, and polyhexafluoropropylene, polyamides such as nylon 6 and nylon 66, polyimides such as polyimide, polyurethane, polypeptide, and polyethylene terephthalate, polycarbonate, polyoxymethylene, polyethylene oxide, Polyethers such as polypropylene oxide, epoxy resins, polyvinyl alcohol, polyvinyl butyral and the like can be mentioned, but are not limited to these resins.
[0052]
Although the processing temperature and filming conditions differ somewhat depending on the base resin used, the metal coordination phthalocyanine compound is usually added to the base resin powder or pellets and heated to 150 to 350 ° C. and dissolved. Post-molding to produce a resin plate, or forming into a film with an extruder, or producing an original fabric with an extruder, stretching 2 to 5 times at 30 to 120 ° C., uniaxially or biaxially, and 10 Obtained by a method of forming a film having a thickness of ˜200 μm When kneading, additives used for normal resin molding such as an ultraviolet absorber and a plasticizer may be added. The addition amount of the metal coordination phthalocyanine compound varies depending on the thickness of the resin to be produced, the target visible transmittance, the target near-infrared absorptivity, etc., but is usually 1 ppm to 20%.
[0053]
In the method (2) of coating and coating, the metal coordinated phthalocyanine compound of the present invention is dissolved in a binder resin and an organic solvent to form a paint, and the metal coordinated phthalocyanine compound is atomized to several μm or less. There is a method of making a water-based paint dispersed in an acrylic emulsion. The former methods are usually aliphatic ester resins, acrylic resins, melamine resins, urethane resins, aromatic ester resins, polycarbonate resins, aliphatic polyolefin resins, aromatic polyolefin resins, polyvinyl resins, polyvinyl alcohol resins, polyvinyl resins. System-modified resins (PVB, EVA, etc.) or their copolymer resins are used as binders. As the solvent, a halogen-based, alcohol-based, ketone-based, ester-based, aliphatic hydrocarbon-based, aromatic hydrocarbon-based, ether-based solvent, or a mixture thereof is used. The concentration of the phthalocyanine compound varies depending on the thickness of the coating, the target visible transmittance, the target near-infrared absorptivity, etc., but is usually 0.1 to 50% based on the weight of the binder resin. Moreover, binder resin density | concentration is 1-50% normally with respect to the whole coating material. Similarly, the acrylic emulsion water-based paint can be obtained by dispersing a finely pulverized (50 to 500 nm) metal coordination phthalocyanine compound in an uncolored acrylic emulsion paint. Additives such as ultraviolet absorbers and antioxidants that are used in ordinary paints may be added to the paint. The paint produced by the above method is coated on a transparent resin film, transparent resin, transparent glass, etc. with a bar coder, blade coater, spin coater, reverse coater, die coater, or spray to produce a near infrared absorption filter. . In order to protect the coating surface, a protective layer may be provided, or it may be bonded to a coating surface such as a transparent resin plate or a transparent resin film. A cast film is also included in the method.
[0054]
In the method of (3) in which a metal coordination phthalocyanine compound is contained in an adhesive to produce a laminated resin plate, a laminated resin film, a laminated glass, etc., as the adhesive, general silicon-based, urethane-based, acrylic-based adhesives are used. For example, a known transparent adhesive for laminated glass such as polyvinyl butyral adhesive (PVB) or ethylene-vinyl acetate adhesive (EVA) for resin such as laminated glass can be used. Adhesives containing 0.1 to 50% of metal coordination phthalocyanine compound are used to bond resin plates to each other, resin plates to resin films, resin plates to glass, resin films to each other, and resin films to glass and glass to each other. Make an infrared absorption filter. There is also a method of thermocompression bonding.
[0055]
The metal coordination phthalocyanine of the present invention has a wide absorption in the entire near infrared region of 800 to 1500 nm, and a near infrared absorption filter using this has excellent heat ray absorbing ability of sunlight.
[0056]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not restrict | limited at all by this.
[0057]
Example 1
C. I. Pigment Green 7 (trade name: Phthalocyanine Green) (10.0 g, 8.87 mmol), 2- (n-octylamino) thiophenol (33.7 g, 141.96 mmol, 16-fold equivalent), potassium carbonate (39.2 g) , 283.63 mmol, 32 times equivalent) was reacted in dimethylformamide (200 ml) at 120 ° C. for 5 hours. The reaction mixture was cooled to room temperature and then discharged into methanol (500 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with methanol, washed with water, and dried to isolate the phthalocyanine compound (26.5 g). Further, copper (II) chloride dihydrate (1.25 g) was added to the phthalocyanine compound (2.5 g) in a tetrahydrofuran (25 ml) solvent, and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour to be coordinated. After filtering the mixture, the filtrate was drained into hexane (100 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with hexane, and dried to obtain a near-infrared absorbing mixture (2.64 g) containing a compound of the following formula (5). However, the number of coordinated Cu and Cl is an average value.
[0058]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003834085
[0059]
The mixture is well soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene or chloroform, acetone and the like (dissolved in toluene by 5% or more). max Was 1308 nm (chloroform solvent). The spectrum is shown in FIG. As can be seen from FIG. 1, the absorption wavelength is broadened, and the absorption region is widened, so that it was confirmed that the metal is coordinated.
Elemental analysis
C: 52.05, H: 5.21, N: 6.74,
S: 7.59, Cu: 12.5, Cl: 12.7
[0060]
Further, the mixture was mixed with a Delpet 806K 15% toluene: 2-butanone = 1: 1 solution at a weight ratio of 0.05: 1, and the mixture was applied onto a polyethylene terephthalate film using a roll coating method. A near-infrared absorption filter was produced by forming a 5 μm thick coating layer. The filter absorbed light of 800-1500 nm well. According to JIS-R-3106, spectrophotometer UV-3100 manufactured by Shimadzu Corporation V (Visible light transmittance) and T E (Solar radiation transmittance) was measured and found to be 28% and 24%, respectively.
[0061]
Example 2
In Example 1, a near-infrared absorbing mixture (2.64 g) containing a compound of the following formula (6) was similarly used except that copper (I) chloride was used instead of copper chloride (II) dihydrate. Obtained. However, the number of coordinated Cu and Cl is an average value.
[0062]
Embedded image
Figure 0003834085
[0063]
The mixture is well soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene. max Was 1304 nm (chloroform solvent).
[0064]
The spectrum is shown in FIG. As can be seen from FIG. 2, the absorption wavelength is broadened, and the absorption region is widened, so that it was confirmed that the metal is coordinated.
[0065]
Elemental analysis
C: 59.42, H: 6.31, N: 7.28,
S: 9.18, Cu: 11.0, Cl: 5.8
[0066]
Further, the mixture was formed in the same manner as in Example 1 to form a 5 μm-thick coating layer to produce a near-infrared absorbing filter. The filter absorbed well light of 800-1400 nm. T as in Example 1. V And T E Were 26% and 23%, respectively.
[0067]
Example 3
C. I. Pigment Green 7 (trade name: Phthalocyanine Green) (10.0 g, 8.87 mmol), 2- (n-octylamino) thiophenol (19.0 g, 79.83 mmol, 9 times equivalent), 2-aminothiophenol ( 5.55 g, 44.35 mmol, 5 times equivalent) and potassium carbonate (39.2 g, 283.63 mmol, 32 times equivalent) were reacted in dimethylformamide (200 ml) at 120 ° C. for 10 hours. The reaction mixture was cooled to room temperature and then discharged into methanol (500 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with methanol, washed with water, and dried to obtain a phthalocyanine compound (25.6 g). This compound and 4-dimethylaminopyridine (1.0 g, 8.19 mmol) were dissolved in a pyridine (300 ml) solvent. In the solution, benzoyl chloride (13.0 g, 92.5 mmol) was added (room temperature, 1 hour), followed by reaction at 50 ° C. for 2 hours. The reaction mixture was drained into ice water (1000 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with water, washed with methanol, and dried to isolate a phthalocyanine compound (29.5 g). Further, using the phthalocyanine compound (2.5 g), a near-infrared absorbing mixture (2.52 g) containing a compound of the following formula (7) was obtained in the same manner as in Example 1. However, the number of coordinated Cu and Cl is an average value.
[0068]
Embedded image
Figure 0003834085
[0069]
The mixture is also soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene, and λ max Was 1300 nm (chloroform solvent). The spectrum is shown in FIG. As can be seen from FIG. 3, the absorption wavelength is broadened, and the absorption region is widened, so that it was confirmed that the metal is coordinated.
[0070]
Elemental analysis
C: 57.38, H: 4.72, N: 5.28,
S: 7.19, Cu: 9.8, Cl: 10.3
[0071]
Further, the mixture was mixed with unitika polyethylene terephthalate pellets 1203 at a weight ratio of 0.02: 1, melted at 260 to 280 ° C., and a film having a thickness of 100 μm was produced with an extruder. A near-infrared absorption filter having a thickness of 25 μm was produced by axial stretching. The filter absorbed light of 800-1500 nm well. T as in Example 1. V And T E Were 48% and 46%, respectively.
[0072]
Example 4
In Example 3, C.I. I. Pigment Green 7 and a phthalocyanine compound (25.6 g) obtained by reacting 2- (n-octylamino) thiophenol and 2-aminothiophenol with acetic anhydride (7.0 g, 68) in a pyridine (300 ml) solvent. .56 mmol) was added (room temperature), followed by reaction at 100 ° C. for 1 hour. The reaction mixture was discharged into ice water (1000 ml), and the precipitate was collected by suction filtration, washed with water, washed with methanol and dried to isolate the phthalocyanine compound. Further, copper (II) bromide (2.0 g) was added to the phthalocyanine compound (2.5 g) in a tetrahydrofuran (25 ml) solvent, and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour for coordination. After filtering the mixture, the filtrate was drained into methanol (100 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with methanol, and dried to obtain a near-infrared absorbing mixture (2.9 g) containing a compound of the following formula (8). However, the number of coordinated Cu and Br is an average value.
[0073]
Embedded image
Figure 0003834085
[0074]
The mixture is also soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene, or chloroform and acetone. max Was 1300 nm (chloroform solvent). The spectrum is shown in FIG. As can be seen from FIG. 4, the absorption wavelength is broadened, and the absorption region is widened, so that it was confirmed that the metal is coordinated.
[0075]
Elemental analysis
C: 49.92, H: 4.61, N: 5.71,
S: 7.91, Cu: 9.5, Br: 21.3
[0076]
Further, a near-infrared absorption filter having a thickness of 25 μm was produced from the mixture in the same manner as in Example 3. The filter absorbed light of 700-1100 nm well.
T as in Example 1. V And T E Were 45% and 44%, respectively.
[0077]
Example 5
C. I. Pigment green 7 (trade name: phthalocyanine green) (10.0 g, 8.87 mmol), 2-aminothiophenol (16.7 g, 133.40 mmol, 15 times equivalent), potassium carbonate (39.2 g, 283.63 mmol), 32 equivalents) was reacted in dimethylformamide (200 ml) at 120 ° C. for 5 hours. The reaction mixture was cooled to room temperature and then discharged into methanol (500 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with methanol, washed with water, and dried to obtain a phthalocyanine compound (19.5 g). The compound and 4-dimethylaminopyridine (1.0 g, 8.19 mmol) were dissolved in a pyridine (300 ml) solvent. 2-ethylhexanoyl chloride (25.0 g, 153.69 mmol) was added (room temperature, 1 hour), followed by reaction at 50 ° C. for 2 hours. The reaction mixture was drained into ice water (1000 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with water, washed with methanol, and dried to isolate a phthalocyanine compound (19.5 g). Further, copper (II) bromide (2.0 g) was added to the phthalocyanine compound (2.5 g) in a tetrahydrofuran (25 ml) solvent, and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour for coordination. After filtering the mixture, the filtrate was drained into hexane (100 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with hexane, and dried to obtain a near-infrared absorbing mixture (2.78 g) containing a compound of the following formula (9). However, the number of coordinated Cu and Br is an average value.
[0078]
Embedded image
Figure 0003834085
[0079]
The mixture is also soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene, or chloroform and acetone. max Was 1310 nm (chloroform solvent).
[0080]
Further, a near-infrared absorption filter having a thickness of 25 μm was produced from the mixture in the same manner as in Example 3. The filter absorbed light of 700-1100 nm well.
T as in Example 1. V And T E Were 52% and 53%, respectively.
[0081]
Example 6
In Example 1, a phthalocyanine compound was used in the same manner as in Example 1 except that 2- (methylamino) thiophenol (19.8 g, 142 mmol, 16-fold equivalent) was used instead of 2- (n-octylamino) thiophenol. And coordinated with copper chloride in the same manner as in Example 1 to obtain a near-infrared absorbing mixture (2.42 g) containing a compound of the following formula (10). However, the number of coordinated Cu and Cl is an average value.
[0082]
The mixture is also soluble in aromatic solvents such as toluene and benzene, or chloroform and acetone. max Was 1302 nm (chloroform solvent).
[0083]
Embedded image
Figure 0003834085
[0084]
Further, a near-infrared absorption filter having a thickness of 25 μm was produced from the mixture in the same manner as in Example 3. The filter absorbed light of 700-1100 nm well.
[0085]
Example 7
C. I. Pigment green 7 (trade name: phthalocyanine green) (10.0 g, 8.87 mmol), 2-aminothiophenol (16.7 g, 133.40 mmol, 15 times equivalent), potassium carbonate (39.2 g, 283.63 mmol), (32-fold equivalent) was reacted in dimethylformamide (200 ml) at 120 ° C. for 3 hours, and then n-octyl bromide (17.1 g, 88.5 mol, 10-fold equivalent) was added, followed by further reaction for 2 hours. . The reaction mixture was cooled to room temperature and then discharged into methanol (500 ml). The precipitate was collected by suction filtration, washed with methanol, washed with water, and dried to isolate a phthalocyanine compound (13.5 g). Using the phthalocyanine compound (2.5 g), copper chloride dihydrate was coordinated in the same manner as in Example 1, and a near-infrared absorbing mixture (2.42 g) containing a compound of the following formula (11) was obtained. Obtained. However, the number of coordinated Cu and Cl is an average value. The mixture is dissolved in an aromatic solvent such as toluene and benzene, and λ max Was 1300 nm (chloroform solvent).
[0086]
Embedded image
Figure 0003834085
[0087]
【The invention's effect】
The present invention provides a method for easily producing a highly soluble phthalocyanine-based near-infrared absorbing compound having high light resistance, and is a practically extremely valuable method.
[Brief description of the drawings]
1 is a graph showing the absorbance spectrum of the compound obtained in Example 1. FIG.
2 is a graph showing the absorbance spectrum of the compound obtained in Example 2. FIG.
3 is a graph showing the absorbance spectrum of the compound obtained in Example 3. FIG.
4 is a graph showing the absorbance spectrum of the compound obtained in Example 4. FIG.

Claims (7)

フタロシアニンのベンゼン環上に少なくとも一つの窒素原子を含有する置換基を有し、それら窒素原子の少なくとも一つが金属イオンと配位している金属配位フタロシアニンであって、窒素原子を含有する置換基が下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるアミノチオフェノール誘導体を含む金属配位フタロシアニン。
Figure 0003834085
Figure 0003834085
〔式(1)及び(2)中、R1、R>2は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基を表し、Y1〜Y>3は水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルキルカルボニル基、置換または未置換のアリールカルボニル基を表す。(1)においてY1とY>2がイミド基を形成してもよく、窒素原子の置換位置は硫黄原子に対してオルト、メタ、パラいずれでもよい。〕
A metal-coordinated phthalocyanine having a substituent containing at least one nitrogen atom on the benzene ring of phthalocyanine, wherein at least one of the nitrogen atoms is coordinated with a metal ion, the substituent containing a nitrogen atom Is a metal coordination phthalocyanine containing an aminothiophenol derivative represented by the following general formula (1) and / or (2).
Figure 0003834085
Figure 0003834085
[In the formulas (1) and (2), R 1 and R > 2 are each independently a hydrogen atom, a halogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted or unsubstituted alkoxy group. Represents a substituted or unsubstituted aryloxy group, and Y 1 to Y > 3 are hydrogen atoms, substituted or unsubstituted alkyl groups, substituted or unsubstituted aryl groups, substituted or unsubstituted alkylcarbonyl groups, substituted or unsubstituted Represents a substituted arylcarbonyl group. In (1), Y 1 and Y > 2 may form an imide group, and the substitution position of the nitrogen atom may be any of ortho, meta, and para with respect to the sulfur atom. ]
フタロシアニン環の中心金属がCu、Pd、AlCl、TiOまたはVOであり、フタロシアニンのベンゼン環上の置換基と配位する金属が銅である請求項1記載の金属配位フタロシアニン。  The metal coordinated phthalocyanine according to claim 1, wherein the central metal of the phthalocyanine ring is Cu, Pd, AlCl, TiO or VO, and the metal coordinated with a substituent on the benzene ring of phthalocyanine is copper. フタロシアニンのベンゼン環上に少なくとも一つの金属を配位できる置換基を有するフタロシアニンと金属塩を反応させて、前記置換基に前記金属塩由来の金属イオンを配位させることを特徴とする金属配位フタロシアニンの製造方法。 A metal coordination characterized by reacting a metal salt with a phthalocyanine having a substituent capable of coordinating at least one metal on the benzene ring of the phthalocyanine to coordinate a metal ion derived from the metal salt to the substituent. A method for producing phthalocyanine. 金属を配位できる置換基が窒素原子を含有する置換基である請求項3に記載の金属配位フタロシアニンの製造方法。The method for producing a metal coordinated phthalocyanine according to claim 3, wherein the substituent capable of coordinating the metal is a substituent containing a nitrogen atom. 下記一般式(3)で表されるフタロシアニンと少なくとも一種の一般式(4)で表されるアミノチオフェノール誘導体を塩基の存在下に反応させた後、金属塩を反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属配位フタロシアニンの製造方法。
Figure 0003834085
〔式中、Xは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基、置換または未置換のアルキルアミノ基、あるいは置換または未置換のアリールアミノ基を表す。nは4〜16の整数を表し、Xの少なくとも一つはハロゲン原子あるいはニトロ基である。Mは2価の金属原子あるいは3価または4価の金属またはオキシ金属を表す。〕
Figure 0003834085
〔式中、R1、Y>1、Y2は上記一般式(1)と同じ。〕
The phthalocyanine represented by the following general formula (3) and at least one aminothiophenol derivative represented by the general formula (4) are reacted in the presence of a base, and then a metal salt is reacted. Item 3. A method for producing a metal coordination phthalocyanine according to Item 1 or 2 .
Figure 0003834085
[In the formula, each X is independently a halogen atom, a nitro group, a substituted or unsubstituted alkoxy group, a substituted or unsubstituted aryloxy group, a substituted or unsubstituted alkylthio group, a substituted or unsubstituted arylthio group, substituted or It represents an unsubstituted alkylamino group or a substituted or unsubstituted arylamino group. n represents an integer of 4 to 16, and at least one of X is a halogen atom or a nitro group. M represents a divalent metal atom, a trivalent or tetravalent metal, or an oxy metal. ]
Figure 0003834085
[Wherein R 1 , Y > 1 and Y 2 are the same as those in the general formula (1). ]
請求項1又は2に記載の金属配位フタロシアニンを含有する近赤外線吸収樹脂組成物。The near-infrared absorption resin composition containing the metal coordination phthalocyanine of Claim 1 or 2 . 請求項1又は2記載の金属配位フタロシアニンを使った近赤外線吸収フィルター。A near-infrared absorption filter using the metal coordination phthalocyanine according to claim 1 or 2 .
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