JP3832444B2 - 編集方法及びシステム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばVTRを用いた編集システム等に適用して好適な編集方法及び編集システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば放送局では、放送すべき素材を編集してビデオテープカセットに記録する作業が行われている。例えば複数のコマーシャル(CM)素材を1本のビデオテープカセットに編集して収録し、いわゆるCM1本化テープを作成する作業、1つの番組で用いる素材をビデオテープカセットに編集して収録する放送用(送出用)の編集作業等がこれに相当する。
【0003】
通常、元の素材の収録されているビデオテープカセットを素材テープ等と称している。この素材テープとしてのビデオテープカセットをVTRで再生し、再生信号に各種信号処理を行い、この信号処理を行って得られた素材信号を放送用に使用するビデオテープカセットに収録して放送用のビデオテープカセットを作成する。
【0004】
さて、図18は、従来の編集システムの一例を示す構成図であり、以下、この図18を参照して従来の編集システムについて説明する。
【0005】
図18において、1は素材テープとしてのビデオテープカセット、13は放送用のビデオテープカセットである。素材テープとしてのビデオテープカセット1は再生側VTR2にセットされて再生され、放送用のビデオテープカセット13は記録側VTRにセットされ、DME(ディジタル・マルチ・エフェクタ)7からの出力が記録される。この例ではDME7を用いた例を示しているが、単純に放送用のテープを作成するだけであれば、編集機を用いたシステムでも良いし、また、再生側VTR2と記録側VTR8を接続したものでも良い。
【0006】
つまり、この図18に示すシステムでは、再生側VTR2で素材テープとしてのビデオテープカセット1が再生され、その再生信号に対してDME7で特殊効果処理が施され、この特殊効果処理が施された再生信号が記録側VTR8にセットされた放送用のビデオテープカセット13に記録される。
【0007】
また、この図18に示す再生側VTR2は再生ヘッド3がヘッド切り換え用のスイッチ5の一方の固定接点5aに接続され、再生ヘッド4がヘッド切り換え用のスイッチ5の他方の固定接点5bに接続され、VTR本体6の図示しないシステムコントローラからのスイッチング信号によってスイッチ5の可動接点5cが一方または他方の固定接点5aまたは5bに選択的に接続されるようになっている。
【0008】
この再生側VTR2がアナログVTRでもディジタルVTRでも、再生側VTR2から出力される映像および音声信号は、NTSC方式の場合においては60フィールド/秒、PAL方式の場合においては50フィールド/秒を基準とした転送速度でDME7に供給される。アナログVTRで説明すると、再生側VTR2から出力される映像信号はNTSC方式で60フィールド/秒、PAL方式で50フィールド/秒の転送速度となる。尚、この例では、DME7の入力端子として、アナログ映像及び音声入力端子、ディジタル映像及び音声入力端子を有しているものとしている。
【0009】
そして、DME7においては、再生側VTR2からの映像信号に対し、特殊効果、例えばモザイク効果、画像の移動、縮小、拡大、回転等の様々な処理が施される。この処理は例えばNTSC方式であれば60フィールド/秒、PAL方式では50フィールド/秒を基準として行われる。このDME7の出力は記録側VTR8に供給され、この記録側VTR8のVTR本体12においてアナログ、或いはディジタルでの所定の記録のための信号処理が施された後にセットされているビデオテープカセット13に記録される。
【0010】
記録側VTR8も再生側VTR2と同様に、記録ヘッド9がヘッド切り換え用のスイッチ11の一方の固定接点11aに接続され、記録ヘッド10がヘッド切り換え用のスイッチ11の他方の固定接点11bに接続されている。そして、スイッチ11はVTR本体12に図示しないシステムコントローラから供給されるスイッチング信号によって可動接点11cが一方または他方の固定接点11aまたは11bに選択的に接続される。この記録も上述と同様のタイミング、即ち、NTSC方式では60フィールド/秒、PAL方式では50フィールド/秒を基準として行われる。
【0011】
尚、本出願人は先に、所定単位の画像データの第1及び第2のポイントを表示手段に表示し、表示手段上に表示された所定単位の第1及び第2のポイントの画像データを指定手段で指定し、指定手段に指定された第1または第2のポイントの画像データのタイムコードデータ、関連する機器の状態、識別番号を制御手段により表示することで、編集効率を向上させると共に、使い勝手を向上させることができるようにした編集装置、例えば画面上に表示したエディット単位の画像データをポインティングデバイスやキーボードを用いて削除、コピー、移動、位置交換することにより、エディットファイルEDL1〜EDLnの内容を変更できるようにしたので、複数のVTRを再生して再チェックしたり、キーボード等で記憶アドレス等を確認し、これを入力したりする等の煩わしい作業を一切行うことなく編集作業ができ、これによって、編集作業の効率化を図ることができようにした編集装置を提案している(特願平5−87413号参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、従来では、編集システム内における映像信号の転送速度は、NTSC方式の場合では60フィールド/秒、PAL方式の場合では50フィールド/秒と、映像信号の転送速度は映像信号のフィールド周波数、或いはフレーム周波数を基準としたものとなる。
【0013】
図18に示すような編集システムの例で説明すると、再生側VTR2ではビデオテープカセット1に収録されている素材を再生して60フィールド秒で映像信号を出力し、この60フィールド/秒の映像信号がDME7で60フィールド秒を基準として処理され、この処理された60フィールド秒の映像信号が記録側VTR8にセットされているビデオテープカセット13に記録されることになる。
【0014】
つまり、図18に示したように従来の編集システムは、必ず映像信号のフィールド或いはフレーム周波数で一義的に転送速度が決められてしまうので、映像信号(勿論音声信号も)を編集して、編集結果としてのビデオテープカセット13を得るために、非常に膨大な時間を費やす必要が生じていた。特に、編集過程において、DME7(或いはスイッチャ等)を操作して再生映像信号に所望の加工を施す処理過程以外の処理過程、即ち、編集作業を行うオペレータが直接関係しない、再生、転送、記録等(オペレータがDME7のように操作して処理するものではないからである)でよけいな時間が費やされることは、編集作業効率を悪化させている原因ともなっている。
【0015】
逆をいえば、オペレータが直接操作して処理を行うDME7における処理時間は長くても良いが、再生側VTR2での再生、再生側VTR2からDME7への再生信号の転送、DME7から記録側VTR8への処理信号の転送、記録側VTR8における記録等に費やされる時間は短い方がより編集処理に費やされる時間を短くすることができる。しかしながら、現状では、上述したように、全ての処理が映像信号のフィールド或いはフレーム周波数を基準として行われているので、編集作業に費やされる時間を短縮し、オペレータに操作し易い良好な編集環境を提供することができないでいる。
【0016】
また、オペレータがもしもDME7を用いて処理を行い、その処理結果としての映像信号を記録側VTR8に記録した後に、DME7による処理を再度行う必要があると判断した場合は、再生側VTR2にセットされているビデオテープカセット1を元のテープ位置にすると共に、記録側VTR8にセットされているビデオテープカセット13を元のテープ位置にし、この後、再生側VTR2を再生状態にすると共に記録側VTR8を記録状態にし、再度DME7を操作して編集処理をやり直さなければならなくなる。これは編集における作業効率を大幅に悪化させることになる。しかしながら、記録媒体をビデオテープカセットとしているので、このように作業効率の悪い編集処理のやり直し作業は避けられないものであり、現状では、このような問題を解決できないでいる。また、何度もやり直しを行うと、それだけ貴重な素材テープにダメージを与える可能性がある。
【0017】
また、もしも、2つの素材の混合、切り換えを行って編集するような場合においては、図18に示す編集システムに更にもう1台の再生側VTR2を追加しなければならず、同時に使用する素材の数が増えれば増えるだけ再生側VTR2を増やさなければならなくなる。
【0018】
また、図18に示したような編集システムでは、再生側VTR2で再生した再生信号をDME7で処理し、DME7で処理した信号を記録側VTR8に記録するという方法を採用しているので、編集を行ってその結果をビデオテープカセットに記録するという作業を1つのビデオテープカセットに複数回行うことになり、この場合は図18に示したビデオテープカセット13上には、前の記録処理で形成された磁気トラックと現時点の記録処理で形成された磁気トラックからなる編集ポイントが多数形成されることになる。そして、この編集ポイント(或いは前の記録部分と現時点の記録部分からなる継ぎ目部分)が存在するために、この多数の編集ポイントが存在するビデオテープカセット13を再生した場合、その編集ポイントで例えば画乱れ等を引き起こしたり、再生画像に編集ポイントの影響が現れたりする可能性が高くなる。
【0019】
本発明はこのような点を考慮してなされたもので、編集システムの構成要素を簡易にし、編集作業を簡単、且つ、効率良くし、しかも編集して作成したビデオテープカセットを再生したときに、その再生画像に編集ポイントに起因する影響が現れることを防止することのできる編集方法及びシステムを提案しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明編集システム(第1の編集システム)は、半導体メモリ155と、書き込み/読み出し制御手段156とを含んでおり、入力情報を半導体メモリ155に記憶する際に、書き込み/読み出し制御手段156が、半導体メモリ155に書き込みのための制御信号を供給し、半導体メモリ155から記憶した情報を読み出す際には、通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出せるように、書き込み/読み出し制御手段156が、少なくとも入力情報を半導体メモリ155に記憶する際に用いる書き込み用の制御信号のn倍の速度の読み出し用の制御信号を半導体メモリ155に供給することにより、編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力する高速再生部21と、この高速再生部21からの再生情報を記録或いは記憶する、記録或いは記憶部22と、この記録或いは記憶部22から読み出された情報に所定の信号処理を施す信号処理部25と、この信号処理部25から出力され、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶された情報が通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出されたときに、この読み出された情報を通常の記録或いは記憶速度のn倍の速度で記録或いは記憶する高速記録或いは記憶部26と、高速再生部21、記録或いは記憶部22、信号処理部25、高速記録或いは記憶部26を制御する制御部28とを有し、この記録或いは記憶部22を、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を複数個の情報に分割する第1のデマルチプレクサ61と、通常の転送速度の入力情報を複数個の情報に分割する第2のデマルチプレクサ75と、第1または第2のデマルチプレクサ61,75からの各複数個の情報を記録或いは記憶する記録或いは記憶手段78−1〜78−mと、記録或いは記憶手段78−1〜78−mから読み出された複数個の情報を選択的に出力するマトリクススイッチャ65と、記録或いは記憶手段78−1〜78−mから読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の複数個の情報を元の情報に変換して出力するマルチプレクサ81とで構成したものである。
また本発明編集システム(第2の編集システム)は、編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力する高速再生部21と、この高速再生部21からの再生情報を記録或いは記憶する、記録或いは記憶部22と、この記録或いは記憶部22から読み出された情報に所定の信号処理を施す信号処理部25と、半導体メモリ155と、書き込み/読み出し制御手段156とを含んでおり、信号処理部25から出力され、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶された情報が通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出されて、この読み出された情報を半導体メモリ155に記憶する際に、書き込み/読み出し制御手段156が、半導体メモリ155に書き込みのための制御信号を供給することにより、この読み出された情報を通常の記憶速度のn倍の速度で記憶し、半導体メモリ155から記憶した情報を読み出す際には、通常の転送速度で読み出せるように、書き込み/読み出し制御手段156が、少なくとも半導体メモリ155に情報を記憶する際に用いる書き込み用の制御信号の1/n倍の速度の読み出し用の制御信号を半導体メモリ155に供給する高速記憶部26と、高速再生部21、記録或いは記憶部22、信号処理部25、高速記録或いは記憶部26を制御する制御部28とを有し、この記録或いは記憶部22を、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を複数個の情報に分割する第1のデマルチプレクサ61と、通常の転送速度の入力情報を複数個の情報に分割する第2のデマルチプレクサ75と、第1または第2のデマルチプレクサ61,75からの各複数個の情報を記録或いは記憶する記録或いは記憶手段78−1〜78−mと、記録或いは記憶手段78−1〜78−mから読み出された複数個の情報を選択的に出力するマトリクススイッチャ65と、記録或いは記憶手段78−1〜78−mから読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の複数個の情報を元の情報に変換して出力するマルチプレクサ81とで構成したものである。
【0028】
更に本発明編集システムは上述において、記録或いは記憶部22を、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報をn個の情報に分割する第1のデマルチプレクサ61と、通常の転送速度の入力情報をn個の情報に分割する第2のデマルチプレクサ75と、第1または第2のデマルチプレクサ61、75からの各n個の情報を記録或いは記憶する記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mと、記録或いは記憶手段から読み出された複数個の情報を選択的に出力するマトリクススイッチャ65と、記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mから読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度のn個の情報を元の情報に変換して出力するマルチプレクサ81とで構成したものである。
【0029】
更に本発明編集システムは上述において、第1及び第2のデマルチプレクサ61及び75、記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mとマトリクススイッチャ65との間を第1または第2のデマルチプレクサ61及び75または記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mからの情報の個数と同一の数のバス62−1、62−2、・・・・62−mで接続し、バス62−1、62−2、・・・・62−m上における入出力情報の時間的配分を制御する制御部64、76を設けたものである。
【0031】
更に本発明編集システムは上述において、記録或いは記憶部22の出力側及び信号処理部25の入力側間に高速再生部からの通常速度のn倍の転送速度の情報を時間的に伸長する伸長手段23−1、23−2、・・・・23−kと、記録或いは記憶部22の入力側及び信号処理部の出力側或いは外部との間に信号処理部の出力或いは外部からの入力情報を時間的に圧縮する圧縮手段24とを設けたものである。
【0032】
更に本発明編集システムは上述において、伸長手段23−1、23−2、・・・・23−kを、記録或いは記憶部22から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を記憶するバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94と、このバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94からの通常の転送速度の出力情報を変速再生処理する変速再生処理手段96、97と、この変速再生処理手段96、97からの出力情報を出力する出力手段102、104、98、100と、制御部27からの制御信号に基いてバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94、変速再生処理部96、97を制御する再生制御通信手段107とで構成したものである。
【0034】
更に本発明編集システムは上述において、圧縮手段を、信号処理部25或いは外部からの通常の転送速度の情報を入力するための入力手段111、113、116、118と、この入力手段111、113、116、118からの出力情報を一時的に記憶するバッファメモリ121と、入力手段111、113、116、118及びバッファメモリ121を制御する記録制御通信手段124とで構成したものである。
【0036】
【作用】
上述せる本発明編集システムの構成によれば、高速再生部21により、編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力し、この高速再生部21からの再生情報を記録或いは記憶部22で記録或いは記憶し、この記録或いは記憶部22から読み出された情報に信号処理部25で所定の信号処理を施し、この信号処理部25から出力され、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶された情報が通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出されたときに、この読み出された情報を高速記録或いは記憶部26で通常の記録或いは記憶速度のn倍の速度で記録或いは記憶し、記録或いは記憶部22、信号処理部25、高速記録或いは記憶部26を制御部28で制御する。これによって、情報を編集する際に、編集すべき情報を再生し、その再生情報を転送する速度及び編集の後に転送し、記録する速度を大幅に向上させることができる。
更に本発明の第1の編集システムの構成によれば、半導体メモリを用いた場合においても、編集すべき情報の再生、転送を通常のn倍の速度で行うことができる。
更に本発明の第2の編集システムの構成によれば、半導体メモリを用いた場合においても、編集済み情報の記録、転送を通常の速度のn倍の速度で行うことができ、編集済み情報の再生時には、通常の速度の再生信号を得ることができる。
【0044】
更に上述において本発明編集システムの構成によれば、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を第1のデマルチプレクサ61でn個の情報に分割し、通常の転送速度の入力情報を第2のデマルチプレクサ75でn個の情報に分割し、第1または第2のデマルチプレクサ61、75からの各n個の情報を記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mで記録或いは記憶し、記録或いは記憶手段から読み出された複数個の情報をマトリクススイッチャ65で選択的に出力し、この記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mから読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度のn個の情報をマルチプレクサ81で元の情報に変換して出力する。これによって、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を記録或いは記憶し、記録或いは記憶した通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を読み出し、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を出力することができる。
【0045】
更に上述において本発明編集システムの構成によれば、第1のデマルチプレクサ61、記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mとマトリクススイッチャ65との間を第1または第2のデマルチプレクサ61及び75、記録或いは記憶手段78−1、78−2、・・・・78−m、80−1、80−2、・・・・80−mからの情報の個数と同一の数のバス62−1、62−2、・・・・62−mで接続し、バス62−1、62−2、・・・・62−m上における入出力情報の時間的配分を制御部64、76で制御する。これによって、記録或いは記憶部22における記録或いは記憶、読み出し等を効率良く行うことができる。
【0048】
更に上述において本発明編集システムの構成によれば、記録或いは記憶部22の出力側及び信号処理部25の入力側間に設けた伸長手段23−1、23−2、・・・・23−kにより、高速再生部21からの通常速度のn倍の転送速度の情報を時間的に伸長し、記録或いは記憶部22の入力側及び信号処理部の出力側或いは外部との間に設けた圧縮手段で信号処理部の出力或いは外部からの入力情報を時間的に圧縮する。これによって、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶した通常速度のn倍の転送速度の情報を信号処理部25で使用できるように出力でき、記録或いは記憶部22から通常の転送速度のn倍の転送速度で情報を出力し、高速記録或いは記憶部26に供給し、高速記録或いは記憶させることができる。
【0049】
更に上述において本発明編集システムの構成によれば、記録或いは記憶部22から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の情報をバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94に記憶し、このバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94からの通常の転送速度の出力情報を変速再生処理手段96、97で変速再生処理し、この変速再生処理手段96、97からの出力情報を出力手段102、104、98、100で出力し、制御部27からの制御信号に基いて再生制御通信手段107がバッファメモリ手段91−1、91−2、・・・・91−n、92−1、92−2、・・・・92−n、94、変速再生処理部96、97を制御する。これによって、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶されている通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を通常の転送速度で出力できる。
【0051】
更に上述において本発明編集システムの構成によれば、信号処理部25或いは外部からの通常の転送速度の情報を入力手段111、113、116、118で入力し、この入力手段111、113、116、118からの出力情報をバッファメモリ121に一時的に記憶し、入力手段111、113、116、118及びバッファメモリ121を記録制御通信手段124で制御する。これによって、記録或いは記憶部22に記録或いは記憶されている通常の転送速度の情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力することができる。
【0053】
【実施例】
以下に、図1を参照して本発明編集方法及びシステムの一実施例について詳細に説明する。先ず、図1に示す高速転送機21及び26をVTRで構成した場合を例にとり説明する。
【0054】
[第1実施例]
【0055】
この図1において、20は例えば編集すべき素材が収録されているいわゆる素材メディアとしてのビデオテープカセットであり、このビデオテープカセット20を高速転送機21にセットする。高速転送機21の具体的内部構成例は図2を参照して後述するが、この高速転送機21をVTRとした場合、記録または記憶媒体20はビデオテープカセットとなる。この高速転送機21をVTRとした場合は、この高速転送機21は、後述する制御部27からの再生制御信号Pcに基いて、記録または記憶媒体20に記録されている映像及び音声信号を多数のヘッドで高速に走査して再生し、通常のn倍の転送速度で再生した映像及び音声信号の転送を行う。
【0056】
つまり、NTSC方式の場合、通常のテープ走行速度のn倍の速度で走行させているテープを、通常の回転速度のn倍の回転速度で回転させている回転ドラム上に登載した通常の個数のヘッドで走査することにより、通常の転送速度のn倍の転送速度で再生映像及び音声信号を転送する。
【0057】
この高速転送機21で結果的に時間軸が圧縮されて出力されることにより、通常の転送速度のn倍とされた再生映像及び音声信号48pは一時記録または記憶装置22に供給される。この場合、この再生映像及び音声信号48pはディジタル映像及び音声データであるが、アナログ映像及び音声信号でも良い。アナログ映像及び音声信号(つまり、図1の高速転送機21をアナログVTRとした場合)とする場合は、当然、これらアナログ映像及び音声信号を一旦A−Dコンバータでディジタルデータにしなければならない。
【0058】
ディジタルフォーマットとしては、例えばコンポーネントディジタル方式のD1フォーマット、コンポジットディジタル方式のD2フォーマット、或いは圧縮符号化を用いたコンポーネント或いはコンポジットディジタル方式等のフォーマット等各種ディジタルフォーマットを使用することができる。
【0059】
この一時記録または記憶装置22は、高速転送機21からの通常の転送速度のn倍とされた再生映像及び音声信号48pを、後述する制御部27からの高速記録再生制御信号FPcに基いて記録エリアAr1に高速に記録する。ここで、この一時記録または記憶装置22で用いる記録媒体としては、光ディスク(光磁気ディスク、ライトワンスの光ディスク、相変化メディアとしての光ディスク)、ハードディスク(固定型であっても着脱自在のリムーバルタイプでも良い)、いわゆるシリコンディスク(半導体メモリを媒体とする)或いは1枚のディスク上に少なくとも20MByte以上情報を記録できるフレキシブルディスクを用いることが可能である。
【0060】
現時点においては、アクセスが速く、且つ、単位容量あたりのコストの安価なハードディスクを用いるのが良いであろう。しかしながら、アクセスを最も高速にするという点から考えると、シリコンディスクが良い。
【0061】
一時記録または記憶装置22のエリアAr1が例えば複数のディスクと1つのヘッドからなる複数のユニットで構成されているか、或いは1つのディスクと複数のヘッドからなるユニットで構成されているか、或いは1つのディスクと1つのヘッドと出力用のメモリで構成されている場合は、記録されている複数の素材を同時に再生することができる。
【0062】
つまり、一時記録または記憶装置22は、一時記録または記憶装置22のエリアAr1に1つ或いは複数の素材を記録または記憶し、エリアAr1に記録または記憶した1つの素材を再生或いは複数の素材を同時に再生することができる。
【0063】
また、図に示すように、この一時記録または記憶装置22は高速転送され記録された映像及び音声データを読み出し時に60フィールド/秒にして出力する出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kを有する。この出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kは、後述するDME(ディジタル・マルチ・エフェクタ)や音声ミクサ等からなる映像特殊効果ミクサ25において処理ができるようにするために必要とされるものである。つまり、同時にエリアAr1から再生された複数の素材は図1に示した出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kを介して60フィールド/秒で出力され、映像特殊効果ミクサ25に供給される。
【0064】
また、図に示すように、この一時記録または記憶装置22は映像特殊効果ミクサ25からの60フィールド/秒の転送速度の処理済みの映像及び音声データ或いは外部からの映像及び音声データを再び一時記録または記憶装置22のエリアAr2に記録または記憶するための入力インターフェース回路24を有する。この入力インターフェース回路24は、映像特殊効果ミクサ25からの通常の転送速度の映像及び音声データや外部からの映像及び音声データを一時記録または記憶装置22のエリアAr2に記録するために必要なものである。
【0065】
さて、この一時記録または記憶装置22に高速転送機21から供給されて高速に記録された映像及び音声データは制御部27からの高速記録再生制御信号FPcによって高速に読み出され、再生映像及び音声データにその時点で割り当てられている出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・または23−kに供給される。
【0066】
出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・または23−kに供給された映像及び音声データは、制御部27からの通常速度(NTSC方式の場合再生映像信号が出力時に60フィールド/秒となる速度)のkチャンネル分の再生制御信号NPcに基いて60フィールド/秒で出力され、映像特殊効果ミクサ25に夫々供給される。
【0067】
この映像特殊効果ミクサ25は、既に説明したが、例えばDME、スイッチャ、音声ミクサからなるものであり、出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kからの各映像及び音声データ、或いは出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・または23−kからの映像及び音声データの内、映像データについては映像特殊効果処理を施し、音声データについては音声ミクサによる処理を施す。これら映像及び音声に対する処理は制御部27からの効果制御信号Ecに基いて行われる。
【0068】
この映像特殊効果ミクサ25からの各種処理された60フィールド/秒の出力は、再び一時記録または記憶装置22に供給され、このときには60フィールド/秒で図1に示すエリアAr2に記録される。記録された映像及び音声データは制御部27からの高速記録再生制御信号FPcに基いて高速に読み出され、図に示すように、高速に読み出された映像及び音声データ31rとして60フィールド/秒のn倍の転送速度で高速転送機26に供給される。
【0069】
この高速転送機26の具体的内部構成例は図2を参照して後述するが、この高速転送機26をVTRとした場合、この高速転送機26は、後述する制御部27からの記録制御信号Rcに基いて、ビデオテープカセット29に供給された映像及び音声データ31rを高速に記録する。
【0070】
NTSC方式の場合、通常のテープ走行速度のn倍の速度で走行させているテープを通常の回転速度のn倍の回転速度で回転させた回転ドラムに搭載した通常の個数の記録/再生ヘッドで順次に走査することにより、通常の速度のn倍の速度で映像及び音声信号を記録する。この記録速度は通常(NTSC方式の場合では60フィールド/秒、PAL方式では50フィールド/秒)のn倍となる。
【0071】
この高速転送機26で再生を行う場合には、通常の再生速度で再生する。そして結果的に時間軸が伸長されて(記録時に対して)出力されることにより、60フィールド/秒の映像及び音声信号としてディジタル或いはアナログで出力される。もし、この編集システムが送出システム等と接続されている場合は、60フィールド/秒で出力される映像及び音声信号が送出システムの制御系の制御の元に、マスタスイッチャを介して送信機に供給され、この送信機のアンテナから電波として送出されることになる。この場合の再生映像及び音声信号はディジタル映像及び音声データであるが、アナログ映像及び音声信号でも良い。
【0072】
上述した編集システムは、図1に示す操作部28の操作に基いて制御部27が上述したような各種制御信号を高速転送機21、一時記録または記憶装置22、映像特殊効果ミクサ25及び高速転送機26に供給することによって行われる。操作部28は図示せずも高速転送機21及び26、一時記録または記憶装置22、映像特殊効果ミクサ25を直接操作することのできる操作キー、一時記録または記憶装置22に記録した映像及び音声データの読み出し方法の設定等を行うための各種キー、編集情報や編集メニューや高速転送機21及び26からのタイムコードを時、分、秒、フレームで表示するための表示部を備えるものとする。
【0073】
ここで、上述した編集システムの編集過程について、オペレータによる操作部28の操作、この操作による制御部27の制御、この制御による各構成要素の動作を念頭に入れて説明する。
【0074】
先ず、オペレータは素材メディアとしてのビデオテープカセット20を高速転送機21にローディングさせる。この後、オペレータが操作部28または高速転送機21の図示しない操作キーや操作パネルを操作することにより、編集で用いる素材カット(1つの素材として使用する1つ或いは連続した画像及び音声データ)を探す。
【0075】
再生中に使用する素材カットの先頭を決定した場合に、オペレータは例えば操作部27或いは高速転送機21の操作キーを押圧、或いは、そのときに操作部28或いは高速転送機21の表示部に表示されたタイムコードを電子的、或いは紙等にメモし、同様に再生中に使用する素材カットの最後の部分を決定した場合に、オペレータは例えば操作部27或いは高速転送機21の操作キーを押圧、或いは、そのときに操作部28或いは高速転送機21の表示部に表示されたタイムコードを電子的、或いは紙等にメモする。
【0076】
電子的にメモ、例えば操作キーを押す等した場合は、制御部27の図示しないメモリに素材カットの先頭及び最後のタイムコード(以下、開始タイムコード、終了タイムコードと記述する)が記憶される。紙等にメモした場合は、オペレータが操作部28の操作キーを介してメモしたタイムコードを入力することになる。何れの方法を用いても、素材の開始タイムコード及び終了タイムコードは制御部27のメモリに記憶されることになる。
【0077】
ビデオテープカセット20のテープ位置を素材の開始タイムコードの位置にする処理は、オペレータが高速転送機21を操作して手動で行っても良いし、また、オペレータが操作部28の操作キーを操作した場合に、制御部27が高速転送機21に対して巻戻し或いは早送り制御を行い、このときに高速転送機21から供給されるタイムコードが保持している開始タイムコードと一致するように制御しても良い。また、タイムコードとしては、VITC(Vertical Interval Time Code)でも、LTC(LongitudinalTime Code)でも良い。
【0078】
素材の開始タイムコード及び終了タイムコードが制御部27のメモリに記憶された後に、例えばオペレータが図示しない操作部28の編集開始を指示するための操作キーを操作すると、制御部27が高速転送機21に再生制御信号Pcを供給すると共に、一時記録または記憶装置22に高速記録再生制御信号FPcを供給する。高速転送機21は制御部27から再生制御信号Pcが供給されると、セットされているビデオテープカセット20に記録されている映像及び音声信号を高速に再生する。上述したように、高速転送機21が通常のテープ走行速度のn倍で走行されているテープを、通常の回転速度のn倍の回転速度で回転する回転ドラムに登載している通常の個数の記録/再生ヘッドで走査することにより、再生映像及び音声信号は、60フィールド/秒のn倍の速度で一時記録または記憶装置22に転送される。
【0079】
これによって、通常の転送速度のn倍の転送速度で転送された映像及び音声信号は一時記録または記憶装置22のエリアAr1に記録または記憶される。尚、編集開始を示す操作部28の操作キーを操作せずに、マニュアル操作、つまり、高速転送機21を手動で再生させ、その再生信号をテレビジョンモニタ等に供給してその管面上に映出させ、その映像をモニタしながら一時記録または記憶装置22に操作部28の操作によってマニュアルで記録することもできる。勿論モニタしながらのマニュアル操作(記録開始、記録終了)となるので、この場合の高速転送機21の出力の転送速度は60フィールド/秒であることが必要である。
【0080】
尚、ビデオテープカセット20以外の素材、例えばカメラ映像、グラフィックス等の静止画素材、アナウンスやバックグラウンド音楽等の音声素材は、操作部28の操作によって、一時記録または記憶装置22の図示しない外部入力端子から一時記録または記憶装置22のエリアAr1に記録または記憶し、他の素材と同様に編集に用いる。これらの外部からの素材と、ビデオテープカセット20を再生して得られた素材の一時記録または記憶装置22への記録はどちらが先であっても良い。
【0081】
一時記録または記憶装置22のエリアAr1に全ての素材が記録または記憶された後は、操作部28、制御部27、一時記録または記憶装置22及び映像特殊効果ミクサ25を用いて編集を行うことになる。オペレータが操作部28のある再生パターンを指定するための操作キーを操作すると、制御部27から一時記録または記憶装置22に対して操作キーに割り当てられているコマンド、例えばスローモーション再生、クイックモーション再生等の各種再生コマンドが供給される。このような種々の再生速度の再生を示すコマンドが一時記録または記憶装置22の各出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kに供給されると、一時記録または記憶装置22の各出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kはそのコマンドに基いた速度で一時記録または記憶装置22のエリアAr1から高速に読み出した素材を出力する。
【0082】
この出力は映像特殊効果ミクサ25に供給される。映像特殊効果ミクサ25にはオペレータが操作部28を操作することによって制御部27から供給される効果制御信号Ecが供給される。効果制御信号Ecは効果制御が一時記録または記憶装置22から出力される映像及び音声データの転送タイミングに同期させるための信号である。
【0083】
映像特殊効果ミクサ25において処理された映像及び音声データは再び一時記録または記憶装置22に60フィールド/秒の転送速度で供給され、入力インターフェース回路24を通じて一時記録または記憶装置22のエリアAr2に記録または記憶される。
【0084】
全ての素材の編集が終了した時点においては、一時記録または記憶装置22のエリアAr2には、例えば編集された素材が1つの番組素材として記録または記憶されていることになる。オペレータが操作部28の高速読み出しを指定するための操作キーを操作すると、制御部27から一時記録または記憶装置22に高速記録再生制御信号Pcが供給され、これによって、一時記録または記憶装置22のエリアAr2に記録または記憶されている素材は高速に読み出され、高速転送機26に高速転送され、高速転送機26にセットされているビデオテープカセット29に高速に記録される。
【0085】
ビデオテープカセット29に記録された素材を例えば送出用として用いる場合は、60フィールド/秒で出力されるようにするために、高速転送機26はビデオテープカセットのテープの走行速度を通常速度にして再生を行う。これによって高速転送機26から60フィールド/秒の映像及び音声信号が出力される。
【0086】
次に、図1に示した高速転送機21及び26、一時記録または記憶装置22、映像特殊効果ミクサ25の構成例について図2〜図5を順次参照して説明する。
【0087】
先ず、図2を参照して図1に示した高速転送機21及び26をVTRとした場合について説明する。尚、図2においては、高速転送機21及び26を何れも記録再生可能とした場合の構成例である。従って、高速転送機21を図2に示す再生系のみで構成し、高速転送機26を図2に示す記録系のみで構成しても良い。
【0088】
図2において30は高速転送機21であれば外部入力端子、高速転送機26であれば図1に示した一時記録または記憶装置22から高速に転送されてくる映像及び音声データ31rが供給される入力端子である。
【0089】
この入力端子30を介して高速に転送されてくる映像及び音声データ31rは入力インターフェース回路31に供給される。この入力インターフェース回路31は高速に転送されてくる映像及び音声データをバッファリングした後に出力する。
【0090】
入力インターフェース回路31からのデータはECC(エラー・コレクション・コード)付加回路33−1に供給される。このECC付加回路33−1は映像及び音声データに対してECCを付加する。このECC付加回路33−1でECCの付加された映像及び音声データはCHCOD(チャンネルコーディング)回路34−1に供給され記録変調処理(ディジタル変調処理)が施される。
【0091】
このチャンネルコーディング回路34−1において記録変調処理された映像及び音声信号は記録増幅回路35−1を介してスイッチ36−1の可動接点36cに供給される。
【0092】
このスイッチ36−1の一方の固定接点36aをロータリートランス37−1の1次側に接続し、このスイッチ36−1の他方の固定接点36bをロータリートランス37−2の1次側に接続する。
【0093】
このスイッチ36−1は後述するシステムコントローラ50からのスイッチング信号SW1に基いて、可動接点36cを一方または他方の固定接点36aまたは36bに接続して記録/再生ヘッド38−1、38−2の切り換えを行う。また、このロータリートランス37−1、図示しないテープローディング機構、記録/再生ヘッド38−1からなるテープトランスポート部はコントローラ40によってコントロールされる。
【0094】
従って、記録時においては、記録増幅回路35−1からの映像及び音声信号がスイッチ36−1の各一方または他方の固定接点36aまたは36b並びにロータリートランス37−1、37−2を夫々介して記録/再生ヘッド38−1、38−2に順次供給され、磁気テープ39に順次傾斜トラックを形成するように記録される。
【0095】
記録/再生ヘッド38−1、38−2は、夫々図示しない回転ドラム上において対向し、且つ、記録/再生ヘッド38−1及び38−2間の間隔が均等となるように取り付ける。ここで、記録再生ヘッド38−1、38−2の個数は、磁気テープ39を通常の走行速度のn倍で走行させ、且つ、回転ドラムの回転速度を通常の回転速度のn倍の回転速度とした状態でデータの転送速度を通常の転送速度のn倍とする場合には、通常の個数(例えば2個)となる。
【0096】
記録時には、磁気テープ39は通常の走行速度のn倍速で走行させ、図示しない回転ドラムの回転数を通常の回転速度のn倍の回転速度とする。
【0097】
この例では、記録増幅回路35−1にチャンネルコーディング回路33−1から記録すべき映像及び音声データが供給されるので、各記録/再生ヘッド38−1、38−2は、記録増幅回路35−1によって順次記録電流が供給されることになる。
【0098】
さて、磁気テープ39に記録された記録データは記録/再生ヘッド38−1、38−2によって順次再生される。磁気テープ39の走行速度は上述と同様に通常の走行速度のn倍、回転ドラムの回転数を通常の回転速度のn倍の回転速度とすることにより、再生データの転送速度を通常のn倍にすることができる。
【0099】
記録/再生ヘッド38−1、38−2からの各再生信号はロータリートランス37−1、37−2を介してスイッチ36−1の一方及び他方の固定接点36a及び36bに順次(再生された順序)供給される。このスイッチ36−1には記録時と同様にシステムコントローラ50からのスイッチング信号SW1が供給される。これによってスイッチ36−1は可動接点36cを一方または他方の固定接点36aまたは36bに接続する。
【0100】
従って、順次再生された再生信号はスイッチ36−1の一方または他方の固定接点36aまたは36b、再生増幅回路42−1を介してデータ抽出回路43−1に順次供給される。このデータ抽出回路43−1は再生増幅回路42−1から供給される再生信号からクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号によって映像及び音声信号を抽出する。データ抽出回路43−1において抽出された映像及び音声データはCHDEC(チャンネルデコーディング)回路44−1に供給される。
【0101】
チャンネルデコーディング回路44−1は、データ抽出回路43−1からの映像及び音声信号(ディジタル変調されている)を復調し、元の映像及び音声データを得、復調した映像及び音声データをエラー訂正回路45−1に供給する。
【0102】
エラー訂正回路45−1はチャンネルデコーディング回路44−1から供給される映像及び音声データに付加されているECCに基いて映像及び音声データに対してエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施した映像及び音声データを出力インターフェース回路47に供給する。ここで、映像及び音声データに付加したECCを用いてエラー訂正したときに、エラー訂正しきれないデータついては、エラー修整処理が施され、元のデータに最も近いデータが復元される。
【0103】
出力インターフェース回路47はエラー訂正回路45−1から供給される映像及び音声データ46O1を一旦バッファリングした後に出力する。この出力46O1は出力端子48から出力され、図1に示した高速転送機21であれば映像及び音声データ48pとして一時記録または記憶装置22に供給される。
【0104】
ところで、高速転送機26の場合は、もし、高速転送機26を送出システムにおける出力用とする場合は、再生映像及び音声データが圧縮されたデータであると、送出システムの次段(例えばカセット・オート・チェンジャーやマスタスイッチャや送信機)で時間軸を伸長する回路を持たなければならなくなるので、次段の系を改造しないためには、エラー訂正回路45−1の出力を出力インターフェース回路41によって時間軸伸長する必要がある。
【0105】
つまり、図2に示す構成を図1に示した高速転送機26に適用する場合は、エラー訂正回路45−1の出力端を図に示すように、出力インターフェース回路41の入力端に接続し、この出力インターフェース回路41によって元のデータに変換して出力するようにすれば良い。このようにすれば、例えばこの出力インターフェース回路41の出力端子41aにテレビジョンモニタ等を接続し、その管面に映出された映像をモニタすることも可能となる。
【0106】
49は図示せずも、例えば表示部及び操作キー群を有する操作部である。この操作部49を操作するか、或いは、入力端子51を介して図1に示した制御部27からの記録/再生制御信号がシステムコントローラ50に供給されることによって、システムコントローラ50はシステムクロック/同期信号発生回路52に制御信号を供給する。
【0107】
これによってシステムクロック/同期信号発生回路52は上述した入力インターフェース回路31、ECC付加回路33−1、チャンネルコーディング回路34−1、データ抽出回路43−1、チャンネルデコーディング回路44−1、エラー訂正回路45−1、出力インターフェース回路47に夫々必要なシステムクロック及び同期信号を供給する。
【0108】
以上の説明から分かるように、上述の例においては、転送速度を通常の転送速度の4倍として説明したが、転送速度を可変することも可能である。つまり、オペレータが必要な転送速度を図1に示した操作部28の操作キーで指定した転送速度とすることができる。
【0109】
これには、指定された転送速度に応じて回転ドラムの回転数を可変する方法が採用可能である。この方法は回転ドラムに搭載する記録/再生ヘッドを必要最小限(通常のヘッドの個数)で済ませることができるという利点がある。何れにしても、このように転送速度を可変するためには、回路のシステムクロックもこれに連動して可変させるようにしなければならないが、システムクロックは周知のVCO(電圧制御発振器)や高い周波数の水晶発振器と分周器や低い周波数の水晶発振器と逓倍器があれば容易に実現できる。
【0110】
また、この方法では、ヘッドの数が決まっているので、回転ドラムの回転速度と磁気テープ39の走行速度を変えることによって転送速度を変えることができる。つまり、通常の再生、或いは記録時と同じ時間で記録或いは再生するトラック数を通常のn倍とできるように磁気テープ39の走行速度、回転ドラムの回転数を決定すれば良い。
【0111】
次に、図6から図8を順次参照して、図2に示した高速転送機21或いは26の動作について説明する。
【0112】
図6から説明する。図6において、FDはフレームデータ、TDはトラック対応データ、TPはトラックパターンを夫々示し、この例では、フレームデータP、P+1、P+2及びP+3(図において示されている分だけで説明し、他は省略する)、P+4、P+5、・・・・は夫々実時間としての1フレーム期間に転送される。また、Dn/Fは1フレーム分のデータ、TDnに添えた括弧中の符号はヘッドの番号を夫々示し、Tn/Fは1フレーム分のトラックを示し、図中上段に示す実線の矢印は転送順序、下段に示す実線の矢印はテープ走行方向(この例では4倍速走行)Tnは実時間の1フレーム期間に記録されるトラックを夫々示す。
【0113】
先ず、フレームP及びP+1に着目すると、フレームPは第1トラックTD1(H1)、TD2(H2)、・・・・TD8(H2)、・・・・TD12(H2)となる。つまり、フレームPの第1トラック対応データTD1は“H1”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−1で記録され、第2トラック対応データTD2は“H2”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−2で記録され、・・・・第8トラック対応データTD8は“H2”つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−2で記録され、・・・・第12トラック対応データTD12は“H2”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−2で記録される。
【0114】
続いて、フレームP+1の第1トラック対応データTD1は“H1”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−1で記録され、第2トラック対応データTD2は“H2”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−2で記録され、・・・・第12トラック対応データTD12は“H2”、つまり、図2に示した記録/再生ヘッド38−2で記録される。つまり、この例では、1フレーム分で丁度記録/再生ヘッド38−1、38−2が6回ずつトラック対応分のデータを記録し、トラックを形成することになる。勿論、これはこの例におけるVTRのテープフォーマットが1フレーム12トラックとなっているからである。従って、1フレームのトラック数が8トラックの場合は1フレームで記録/再生ヘッド38−1、38−2は4回ずつトラック対応データを記録し、トラックを形成する。
【0115】
この結果、図中斜線で示すように、テープ上にフレームPに対応してトラックT1、T2、・・・・T12が形成され、図中ドットで示すように、フレームP+1に対応してトラックT1、T2、・・・・T12が形成される。勿論、各フレームの各12ずつのトラックT1、T2、・・・・T12は実時間の1フレーム/4の内に記録される。従って、トラックパターンTPに示す全てのトラックT1〜T12(図中においては全部で48トラック分)は実時間の1フレームの期間中に記録される。
【0116】
次に、図7を参照して、図2に示した高速転送機26に通常の転送速度4倍の速度で転送を行い、高速転送機26の2つの記録/再生ヘッド38−1、38−2で映像及び音声データを記録する場合の動作について説明する。説明を分かりやすくするために、図7に示す信号の符号を図2にも示している。
【0117】
31rは図2の入力インターフェース回路31の入力(高速転送データ)、32I1は図2のECC付加回路33−1の入力、35O1は図2の記録増幅回路35−1の記録増幅出力、SW1は図2のスイッチ36−1に供給されるシステムコントローラ50からのスイッチング信号、38r1は図2の記録/再生ヘッド38−1の記録信号、38r2は図2の記録/再生ヘッド38−2の記録信号である。
【0118】
尚、スイッチング信号SW1には、スイッチング信号SW1のハイレベル“1”及びローレベル“0”の状態によって選択される記録/再生ヘッド38−1、38−2を示すための番号“1”〜“2”を添えてある。
【0119】
先ず、図2に示した入力インターフェース回路31には、入力端子30を介して図1に示した一時記録または記憶装置22からの通常の転送速度の4倍の転送速度の映像及び音声データ31rが供給される。図7において映像及び音声データ31rに夫々示す符号T12D、T1D、T2D、・・・・T3Dは夫々第12トラック、第1トラック、第2トラック、・・・・第3トラックの構成データを夫々示す。
【0120】
この映像及び音声データ31rが入力インターフェース回路31を介してECC付加回路33−1に供給される。この入力インターフェース回路31の出力は図7に示すような映像及び音声データ32I1となる。この映像及び音声データ32I1は、ECC付加回路33−1の入力となる。
【0121】
この映像及び音声データ32I1はECC付加回路33−1でECCが付加され、更にチャンネルコーディング回路34−1においてディジタル変調され、増幅回路35−1に供給されて記録増幅される。この記録増幅回路35−1の出力35O1は、図7に示すように、ECC付加回路33−1の入力映像及び音声データ32I1よりも遅延している。この遅延時間はECC付加回路33−1及びチャンネルコーディング回路34−1での処理によるものである。例えば、映像及び音声データ32I1は、実線の矢印で示すように、この斜線部分から記録増幅回路35−1の出力35O1の斜線部分となる。従って、各映像及び音声データに対する遅延時間は図中符号RDで示す時間となる。さて、記録増幅回路35−1から出力された映像及び音声信号(電流信号)35O1は、スイッチ36−1の可動接点36cに供給される。
【0122】
システムコントローラ50からスイッチ36−1に供給されるスイッチング信号SW1がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW1上に示すように、記録増幅回路35−1から出力される第1トラックの映像及び音声データT1Dは記録/再生ヘッド38−1によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−1から出力される第2トラックの映像及び音声データT2Dは記録/再生ヘッド38−2によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録される。以下同様に、スイッチング信号SW1によって、記録/再生ヘッド38−1または38−2が選択され、選択された記録/再生ヘッド38−1または38−2により、第3トラック以降の映像及び音声データT3D〜T12Dが、磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように交互に記録される。
【0123】
次に、図8を参照して図2に示した高速転送機21でビデオテープカセット20を再生する場合の動作について説明する。この図8においては、図2に示した高速転送機21の2つの記録/再生ヘッド38−1及び38−2で映像及び音声データを再生し、通常の転送速度の4倍の転送速度で再生データを転送する場合の動作について説明する。説明を分かりやすくするために、図8に示す信号の符号を図2にも示している。
【0124】
図8において、38p1は図2に示した記録/再生ヘッド38−1で再生された再生信号、38p2は図2に示した記録/再生ヘッド38−2で再生された再生信号、SW1はシステムコントローラ50からのスイッチング信号、42I1は再生増幅回路42−1の入力、46O1はエラー訂正回路45−1の出力、48pは出力インターフェース回路47の出力である。
【0125】
システムコントローラ50からスイッチ36−1に供給されるスイッチング信号SW1がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW1上に添えた数字“1”及び“2”で示すように、スイッチング信号SW1がハイレベル“1”のときは記録/再生ヘッド38−1からの再生信号38p1が再生増幅回路42−1に供給され、スイッチング信号SW1がローレベル“0”のときは記録/再生ヘッド38−2からの再生信号38p2が再生増幅回路42−1に供給される。
【0126】
図8に示すように、再生信号42I1は再生増幅回路42−1に供給され、この再生増幅回路42−1において再生増幅された後に出力され、データ抽出回路43−1に供給され、このデータ抽出回路43−1においてクロック信号が再生され、再生されたクロック信号でデータが抽出される。データ抽出回路43−1からの映像及び音声信号はチャンネルデコーディング回路44−1に供給され、このチャンネルデコーディング回路44−1において復調され、元の映像及び音声データにされ、次段のエラー訂正回路45−1に供給され、上述したようにエラー訂正処理が施される。エラー訂正処理が施された映像及び音声データ46O1は、出力インターフェース回路47に供給される。
【0127】
尚、PDは、チャンネルデコーディング回路44−1及びエラー訂正回路45−1での処理時間による遅延時間を示している。
【0128】
この圧縮映像及び音声データ46O1は出力インターフェース回路47に供給される。出力インターフェース回路47に供給された圧縮映像及び音声データ46O1はここで一旦バッファリングされた後、高速映像及び音声データ48pとして出力端子48から出力され、図1に示した一時記録または記憶装置22に供給される。
【0129】
この図8から分かるように、斜線で示す圧縮映像及び音声データは第1トラック対応データT1D、第5トラック対応データT5D、第9トラック対応データT9Dを示し、ドットで示す圧縮映像及び音声データは第2トラック対応データT2D、第6トラック対応データT6D、第10トラック対応データT10Dを示し、第1、第5及び第9トラックの圧縮映像及び音声データと逆の斜線で示す圧縮映像及び音声データは、第3トラック対応データT3D、第7トラック対応データT7D、第11トラック対応データT11Dを示し、白抜き(模様がないことを示す)圧縮映像及び音声データは第4トラック対応データT4D、第8トラック対応データT8D及び第12トラック対応データT12Dを示す。
【0130】
次に、図3を参照して、図1に示した一時記録または記憶装置22の構成例について説明する。
【0131】
60は図1に示した高速転送機21からの高速映像及び音声データ48pが供給される入力端子であり、この入力端子60を介して再生された高速映像及び音声データ48pはデマルチプレクサ61に供給される。このデマルチプレクサ61は高速映像及び音声データ48pを例えば1秒分毎のデータ(4倍の転送速度、且つ、NTSC方式であれば240フィールド分)に分割して伸長し、分割して伸長した各8ビットの映像及び音声データ61p1、61p2、・・・・61pmを得、これら映像及び音声データ61p1、61p2、・・・・61pmをバス62−1、62−2、・・・・62−mを介して記録或いは記憶用映像及び音声データ80r1、80r2、・・・・80rmとしてディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mに夫々供給する。ここで、バス62−1、62−2、・・・・62−mは夫々8ビットの映像及び音声データ62p1、62p2、・・・・62pmを伝送するために夫々8本のビット線で構成される。
【0132】
ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mは後述するシステムコントローラ76からのディスクアクセス制御信号に基いてバス62−1、62−2、・・・・62−mからの映像及び音声データ80r1、80r2、・・・・80rmを夫々ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mに供給する。
【0133】
ここで、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mは既に説明したが、ハードディスク、光ディスク、少なくとも20Mbyte以上の記録容量を有するフレキシブルディスクを媒体とするドライブで構成できる。また、ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mは夫々システムコントローラ76からのディスクアクセス制御信号に基いてディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアに対する書き込み、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアからのデータの読み出しを行う。
【0134】
また、システムコントローラ76は入出力端子77を介して図1に示した制御部27から供給される記録/再生制御信号、後述する出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kからのデータ再生制御信号や入力インターフェース回路24からのデータ記録制御信号に基いてディスクアクセス制御信号をディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mに供給する他、出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kに再生制御信号を、入力インターフェース回路24に記録制御信号を、デマルチプレクサ75及びマルチプレクサ81に制御信号を、バス62−1、62−2、・・・・62−mを制御するバスコントローラ64に例えば転送同期制御用のフラグFLGを、後述するマトリクススイッチャ65に選択制御信号を夫々供給する。
【0135】
ここで、制御部27から供給される記録/再生制御信号が、デマルチプレクサ61に供給される高速映像及び音声データ48pをディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mに記録することを示す場合は、オペレータが図1に示した操作部28を操作し、編集に必要な素材を映像を見ながら開始フレームと終了フレームをタイムコード入力で指定することによって行われる。一時記録または記憶装置22のディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアには、このようなオペレータの操作に連動した処理が複数回行われることによって、編集しようとする複数の素材がディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアに夫々記録、或いは記憶される。
【0136】
さて、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアに高速転送された映像及び音声データが上述したように1秒分ずつ分割されて記録された後は、入出力端子77を介して図1に示した制御部27から供給される記録/再生制御信号が再生を示す場合、システムコントローラ76はディスクアクセス制御信号をディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mに夫々供給する。
【0137】
ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mはシステムコントローラ76からのディスクアクセス制御信号に基いてディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mを各々制御し、各ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアから記録されている映像及び音声データを読み出し、読み出した映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmをバス62−1、62−2、・・・・62−mに夫々供給する。
【0138】
バス62−1、62−2、・・・・62−mに供給された映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmはマトリクススイッチャ65に夫々供給される。このマトリクススイッチャ65は、システムコントローラ76からの選択制御信号に基いて、バス62−1、62−2、・・・・62−mを介して供給される映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmを選択する。
【0139】
この選択の仕方は、バス62−1、62−2、・・・・62−mを介して供給される8ビットパラレルの映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmをタイムスロット内において選択して出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kに選択的に供給する。従って、出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−mに供給される映像及び音声データは8ビット×m個となる。
【0140】
マトリクススイッチャ65で選択された映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmは出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kに夫々供給される。つまり、マトリクススイッチャ65はバス62−1、62−2、・・・・62−mを介して供給されるm個の映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmを、図1に示した映像特殊効果ミクサ25で使用するための個数kとする。勿論、上述した“n”、“m”及び“k”を互いに等しくしても良いが、メリットとしては、現状で使用している映像特殊効果ミクサ25を使用することができる。
【0141】
出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kはマトリクススイッチャ65からのk個の映像及び音声データを60フィールド/秒に変換して各出力端子67−1、67−2、・・・・67−kを介して図1に示した映像特殊効果ミクサ25に夫々供給する。また、これら出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kには夫々入出力端子68−1、68−、・・・・68−kを介して図1に示した制御部27からの再生制御信号が供給される。また出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kは夫々システムコントローラ76にデータ再生制御信号を供給する。
【0142】
さて、図1に示した映像特殊効果ミクサ25において特殊効果処理が施され、音声処理が施された通常の転送速度の映像及び音声データは、入力端子72を介して入力インターフェース回路24に供給される。勿論、通常の転送速度の外部映像及び音声データでも良い。入力インターフェース回路24は入出力端子73を介して図1に示した制御部27から供給される記録制御信号に基いてシステムコントローラ76に記録制御信号を供給する。この入力インターフェース回路24は映像特殊効果ミクサ25、或いは外部からの映像及び音声データを一旦バッファリングして出力する。
【0143】
入力インターフェース回路24の出力はデマルチプレクサ75に供給され、このデマルチプレクサ75によって元の1秒分ずつのm個の映像及び音声データに分割される。この分割されたm個のデータは夫々バス62−1、62−2、・・・・62−mを介してディスクコントローラ80−1、80−、・・・・80−mに記録用の映像及び音声データ80r1、80r2、・・・・80rmとして供給される。
【0144】
ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mはバス62−1、62−2、・・・・62−mを介してデマルチプレクサ75から供給される映像及び音声データ80r1、80r2、・・・・80rmを、システムコントローラ76からのディスクアクセス制御信号に基いてディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアに夫々記録する。
【0145】
ここで、図1に示した一時記録または記憶装置22のエリアAr1及びAr2と、図3に示すディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mの関係について説明する。エリアの考え方としては2通りあり、1つは各ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアをエリアAr1とAr2で分割するという考え方であり、もう1つは、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mをエリアAr1用とエリアAr2用で分けるという考え方がある。
【0146】
また、前者の考え方に近いが、例えばハードディスクをメディアとした場合、ハードディスクが複数枚のディスクで構成されている場合は、ディスク毎にエリアAr1、Ar2を設定しても良いし、また、シリンダ毎にエリアAr1、Ar2を設定しても良いし、更に、ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mにテーブルを持たせ、そのテーブルにデマルチプレクサ61から供給された映像及び音声データのアドレスと、映像特殊効果ミクサ25で処理して得られた映像及び音声データのアドレスを記憶させるようにしても良い。
【0147】
何れにしても、編集時においては、編集すべき素材と、編集して得られた素材が存在することになり、また、編集すべき素材が1回の編集で不要とならない場合があるので(例えば編集をやり直す場合等)、オペレータに都合の良い編集環境を与えるためには、編集すべき素材と、編集して得られた素材を自動的に管理する状態が必要となろう。従って、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mに記録した編集単位毎の素材にオペレータが操作部28で入力操作を行うことによって名前を付けた場合に、図示しない表示部(勿論操作部28に設けても良い)に素材毎の名前、データ長(時間データ等)等の各種情報を表示できるようにしても良い。
【0148】
つまり、編集すべき素材はディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mに編集素材単位で記録、或いは記憶されていなくとも、オペレータは編集素材単位で編集作業を考え、操作することができるようになる。
【0149】
また、ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mによる再生についても、オペレータが操作部27の所定の操作キーを操作するか或いは表示部上に表示されたコマンド実行用のアイコンをマウスでクリックすること等によって、素材の選択や、再生の仕方を指定できるようにしても良い。例えばディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mにセットされているメディアから間欠的に映像及び音声データを読み出すことによってスローモーション再生を行うことができ、数フレームに1回等のように、フレームをスキップして読み出すことによっていわゆるクイックモーション等と称されている再生も行うことができるのである。
【0150】
さて、オペレータが操作部28を操作して制御部27に編集した映像及び音声データを高速転送VTR26に記録する指令を発行させた場合、システムコントローラ76には制御部27からの記録/再生制御信号が供給される。システムコントローラ76は制御部27からの記録再生制御信号に基いてディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mに夫々ディスクアクセス制御信号を供給する。
【0151】
各ディスクコントローラ80−1、80−2、・・・・80−mはシステムコントローラ76からのディスクアクセス制御信号に基いてディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mを制御する。これによって、ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mからは、映像特殊効果ミクサ25で特殊効果処理や音声処理等が施された映像及び音声データが読み出される。このときのディスクアクセス制御信号は、通常の転送速度となる読み出し速度のn倍の速度で読み出す制御を行う。
【0152】
ディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mから夫々読み出された映像及び音声データ80p1、80p2、・・・・80pmは夫々マルチプレクサ81に供給され、このマルチプレクサ81において元の連続したデータに変換され高速映像及び音声データ81pとして出力端子82から出力され、図1に示した高速転送機26に供給され、高速転送機26にセットされているビデオテープカセットの磁気テープ上に傾斜トラックを形成するように記録される。
【0153】
ところで、現在周知なディスクドライブの転送速度の限界によって、本例では複数(m)台のディスクドライブ78−1、78−2、・・・・78−mを用いているが、高速で大容量の一時記録または記憶装置22を用いれば、m=1で構成することができ、この場合は図3に示すデマルチプレクサ61及び75、マルチプレクサ81を用いなくても済む。
【0154】
次に、図9及び図10を順次参照して図3に示した一時記録または記憶装置22の動作について説明する。図9は図3に示した一時記録または記憶装置22の高速転送記録動作を説明するためのタイミングチャート、図10は図3に示した一時記録または記憶装置22の高速転送再生動作を説明するためのタイミングチャートである。以下の説明では、通常の転送速度の4倍の転送速度の場合を例にとり説明する。つまり、図2に示した高速転送機21及び26において記録/再生ヘッドを8個使用する場合である。
【0155】
先ず、図9から説明する。この図9において、48pは図1に示した高速転送機21から図3に示す入力端子60を介してデマルチプレクサ61に供給される高速映像及び音声データ、61p1、61p2、61p3及び61p4はデマルチプレクサ61で分割された映像及び音声データ、62p1、62p2、62p3及び62p4はデマルチプレクサ61で夫々時間軸伸長された後にバス62−1、62−2、62−3及び62−4に供給される映像及び音声データ、80r1、80r2、80r3及び80r4は夫々バス62−1、62−2、62−3及び62−4を介してディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4に記録用として供給される映像及び音声データである。
【0156】
入力端子60を介して図1に示した高速転送機21からの高速映像及び音声データ48p(図9においては全体を1つの素材カットとする)がデマルチプレクサ61に供給されると、デマルチプレクサ61は、高速映像及び音声データ48pを破線で示す単位(例えば1秒)毎に分割して斜線で示す映像及び音声データ61p1、ドットで示す映像及び音声データ61p2、映像及び音声データ61p1と逆の斜線で示す映像及び音声データ61p3、無地(模様の無いことを意味する)で示す映像及び音声データ61p4を夫々得る。ここで、注意しなければならないのは、この例では高速映像及び音声データ48pが12秒カットの場合であり、しかも1秒ずつ分割しているので、転送速度が4倍であるから、1秒につき240フィールド分の映像及び音声データが含まれていることになる。
【0157】
これらの映像及び音声データ61p1、61p2、62p3、61p4は夫々このデマルチプレクサ61において時間軸伸長され、時間軸伸長された映像及び音声データ62p1、62p2、62p3及び62p4にされ、実線の矢印で示すように、バス62−1、62−2、62−3及び62−4に夫々供給される。
【0158】
そして、これら時間軸伸長されバス62−1、62−2、62−3及び62−4に供給された映像及び音声データ62p1、62p2、62p3及び62p4は、ディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4に記録され、ディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4にセットされているメディア上に記録或いは記憶される。図9に記録或いは記憶タイミングを示す。映像及び音声データ80r1、80r2、80r3及び80r4はこの図9に示すようなタイミングでディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4にセットされているメディアに夫々記録或いは記憶される。
【0159】
次に図10を参照して説明する。この図10において、80p1、80p2、80p3及び80p4は図1に示した映像特殊効果ミクサ25或いは外部から入力端子72を介して入力インターフェース回路24に供給され、デマルチプレクサ75においてm個の映像及び音声データに変換された後にバス62−1、62−2、62−3及び62−4を介してディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4に供給され、更にこれらディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4によってディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4にセットされたメディアに記録或いは記憶され、この後ディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4によって読み出された映像及び音声データ、或いは図1に示したエリアAr1から読み出された映像及び音声データ、62p1、62p2、62p3及び62p4は図1に示したエリアAr1から読み出された後バス62−1、62−2、62−3及び62−4に夫々供給された映像及び音声データ、81p1、81p2、81p3及び81p4は図1に示したエリアAr2から読み出された後にマルチプレクサ81に供給され、このマルチプレクサ81において分割されて記憶された後に、書き込み時の4倍の速度で読み出されることによって時間的に圧縮された映像及び音声データ、81pはマルチプレクサ81によって時間的に圧縮された後に元の連続するデータとして出力される映像及び音声データを示す。
【0160】
オペレータが図1に示した操作部28を操作し、制御部27に一時記録または記憶装置22に記録または記憶した素材を再生し、高速転送機26にセットされているビデオテープカセットに転送して記録する指示を制御部27に通知すると、制御部27は図3に示すシステムコントローラ76に入出力端子77を介して記録/再生制御信号を供給する。
【0161】
システムコントローラ76は制御部27からの記録/再生制御信号に基いてディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4に夫々ディスクアクセス制御信号を供給し、各々にディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4を制御させ、ディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4にセットされているメディアから映像及び音声データを再生させる。この映像及び音声データ80p1、80p2、80p3及び80p4がエリアAr1から読み出された映像及び音声データの場合はデータバス62−1、62−2、62−3及び62−4に供給され、エリアAr2から読み出された映像及び音声データの場合はマルチプレクサ81に供給される。
【0162】
尚、エリアAr2に記録或いは記憶された映像及び音声データに新たに編集した映像及び音声データを追加、或いはインサートする編集を行う場合は、オペレータが図1に示した操作部28を操作することによって行うことができる。つまり、一時記録または記憶装置22で編集の後に更に編集した映像及び音声データを追加したりインサートしたりするようにすれば、高速転送機26にまとめて転送して記録することが可能となり、この場合は、何度も高速転送機26に編集結果を記録或いは記憶させるよりも、いわゆる継ぎ目のない編集後の素材テープを得ることができるのである。
【0163】
データバス62−1、62−2、62−3及び62−4からの映像及び音声データ62p1、62p2、62p3及び62p4はマルチプレクサ81に供給され、このマルチプレクサ81の図示しないメモリに一旦書き込まれる。そして、書き込み速度の4倍の速度でメモリから読み出しが行われ、これによって、通常の転送速度の4倍の転送速度の映像及び音声データ81p1、81p2、81p3及び81p4が得られ、更にマルチプレクサ81によってシリアルデータにされて高速映像及び音声データ81pとして出力端子82から出力され、図1に示した高速転送機26に供給される。
【0164】
次に、図4を参照して、図1及び図3に示した出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kの構成例について説明する。
【0165】
図4において、91は図3に示したマトリクススイッチャ65からの選択された映像及び音声データ(8m)が供給される入力端子であり、この入力端子91を介してFIFO(ファースト・イン・ファースト・アウト)92−1、92−2、・・・・92−mに夫々マトリクススイッチャ65からの映像及び音声データが供給される。
【0166】
91−1、91−2、・・・・91−mはデコード及び書き込み制御回路で、これらデコード及び書き込み制御回路91−1、91−2、・・・・91−mは入力端子91を介して供給される映像及び音声データ(8ビット×m個)を夫々デコードしてフラグFLG1、FLG2、・・・・FLGmを得、フラグFLG1、FLG2、・・・・FLGmを書き込み制御信号と共にFIFO92−1、92−2、・・・・92−mに夫々供給する。従って、各FIFO92−1、92−2、・・・・92−mには入力端子91を介して供給される映像及び音声データが書き込まれる。
【0167】
FIFO92−1、92−2、・・・・92−mに書き込まれた映像及び音声データは読み出し制御回路94からの読み出し制御信号によって読み出される。この読み出し制御回路94は、再生制御通信コントローラ107からのバッファリング制御信号に基いて各FIFO92−1、92−2、・・・・92−mに読み出し制御信号を供給する。
【0168】
この再生制御通信コントローラ107は、図1に示した制御部27からの再生制御信号に基いてバッファリング制御信号、音声変速再生制御信号、映像変速再生制御信号を発生すると共に、入出力端子108を介して図3に示した一時記録または記憶装置22のシステムコントローラ76にデータ再生制御信号を供給する。
【0169】
95は圧縮復号化処理回路であり、この圧縮復号化回路95はFIFO92−1、92−2、・・・・92−mからバス93を介して供給される映像及び音声データが圧縮された圧縮映像及び音声データの場合に用いるものである。圧縮の形態がDCT(離散コサイン変換)、量子化、ランレングスやハフマン等の可変長符号化であれば、この圧縮復号化回路95は、復号化回路、逆量子化回路、IDCT(逆離散コサイン変換)回路で構成されることになる。勿論、ウエーブレット変換やADRC(アダプティブ・ダイナミック・レンジ・コーディング)等でも同様である。
【0170】
変速再生処理回路97は圧縮復号化処理回路95或いはバス93から供給される映像データを変速再生処理する。変速再生処理回路97にメモリを持たせた場合は、メモリに映像データを通常の転送速度の4倍の転送速度を基準として高速に書き込み、この後メモリから書き込み速度の1/4の速度で読み出し、読み出した映像データを出力インターフェース回路98{例えばRS232C、RS422、SCSI(Small Computer Systems Interface)インターフェース等の各種シリアル或いはパラレルインターフェース回路)}に供給する。出力インターフェース回路98は変速再生処理回路97からの映像データを映像特殊効果ミクサ25で使用できるフォーマットにし、出力端子99を介して図1に示した映像特殊効果ミクサ25に処理した映像データを供給する。
【0171】
一方、100はD−Aコンバータであり、このD−Aコンバータ100は変速再生処理回路97からの映像データをアナログ映像信号に変換し、出力端子101を介して出力する。この出力端子101から出力するアナログ映像信号の用途としては、例えば次段に使用する機器がアナログ仕様だった場合や、或いは図示しないテレビジョンモニタに供給し、その管面上に画像として映出させてモニタする用途等が考えられる。
【0172】
変速再生処理回路96はバス93から供給される音声データを変速再生処理する。変速再生処理回路96にメモリを持たせた場合は、メモリに音声データを通常の転送速度の4倍の転送速度を基準として高速に書き込み、この後メモリから書き込み速度の1/4の速度で読み出し、読み出した音声データを出力インターフェース回路102に供給する。出力インターフェース回路102{例えばRS232C、RS422、SCSI(Small Computer Systems Interface)インターフェース等の各種シリアル或いはパラレルインターフェース回路)}は変速再生処理回路96からの映像データを映像特殊効果ミクサ25で使用できるフォーマットにし、出力端子103を介して図1に示した映像特殊効果ミクサ25に処理した音声データを供給する。
【0173】
一方、104はD−Aコンバータであり、このD−Aコンバータ104は変速再生処理回路96からの音声データをアナログ音声信号に変換し、出力端子105を介して出力する。この出力端子105から出力するアナログ音声信号の用途としては、例えば次段に使用する機器がアナログ仕様だった場合や、或いは図示しないオーディオアンプに供給し、そのオーディオアンプに接続されているスピーカから音声として出力させてモニタする用途等が考えられる。
【0174】
次に、図11を参照して、図3に示した一時記録または記憶装置22及び図4に示した出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kの動作について説明する。この例においても、転送速度を通常の転送速度の4倍で行う場合について説明する。
【0175】
この図11において、FLGは図3に示したシステムコントローラ76からバスコントローラ64に供給されるバス転送制御用のフラグを示し、62p1、62p2、62p3及び62p4は夫々図3に示したバス62−1、62−2、・・・・62−m上の映像及び音声データ、これら映像及び音声データ62p1、62p2、・・・・62pm内に示す符号は夫々再生データや記録データを示し、FLG1、FLG2、FLG3及びFLG4は夫々図4に示したデコード及び書き込み制御回路91−1、91−2、・・・・91−mが映像及び音声データ62p1、62p2、62p3及び62p4をデコードすることによって得るフラグを示し、92I1、92I2、92I3及び92I4は夫々図4に示したFIFO92−1、92−2、・・・・92−mに供給され、書き込まれる映像及び音声データを示し、93pはバス93から出力される映像及び音声データである。
【0176】
図3に示すように、システムコントローラ76からバスコントローラ64にはフラグFLGが供給される。このフラグFLGにおいてローレベル“0”の各期間は夫々タイムスロットとなり、この例では、4番目と8番目のタイムスロットが記録タイムスロット、これ以外のタイムスロットは再生タイムスロットとなる。
【0177】
つまり、図11においては、バス62−1、62−2、62−3及び62−4における転送内容とディスクコントローラ80−1、80−2、80−3及び80−4によるディスクドライブ78−1、78−2、78−3及び78−4の動作を示している。つまり、ディスクドライブ78−1では最初の再生タイムスロットで映像及び音声データDp11を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp21を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk1を再生してバス62−1に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr1をディスクドライブ78−1にセットされているメディアに記録し、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp15を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp24を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk5を再生してバス62−1に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr5をディスクドライブ78−1にセットされているメディアに記録する。
【0178】
ディスクドライブ78−2では最初の再生タイムスロットで映像及び音声データDp12を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp22を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk2を再生してバス62−2に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr2をディスクドライブ78−2にセットされているメディアに記録し、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp16を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp25を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk6を再生してバス62−2に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr6をディスクドライブ78−2にセットされているメディアに記録する。
【0179】
ディスクドライブ78−3では最初の再生タイムスロットで映像及び音声データDp13を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp23を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk3を再生してバス62−3に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr3をディスクドライブ78−3にセットされているメディアに記録し、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp17を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp26を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk7を再生してバス62−3に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr7をディスクドライブ78−3にセットされているメディアに記録する。
【0180】
ディスクドライブ78−4では最初の再生タイムスロットで映像及び音声データDp14を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp24を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk4を再生してバス62−4に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr4をディスクドライブ78−4にセットされているメディアに記録し、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp18を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDp27を、次の再生タイムスロットで映像及び音声データDpk8を再生してバス62−4に供給し、次の記録タイムスロットで入力インターフェース回路24から供給される映像及び音声データDr8をディスクドライブ78−4にセットされているメディアに記録する。
【0181】
さて、この例では、バス62−1、62−2、62−3及び62−4上の映像及び音声データ62p1、62p2、62p3及び62p4の内、映像及び音声データDp11〜Dp14並びにDp15〜Dp18を例えば映像特殊効果ミクサ25に供給する場合について説明する。
【0182】
バス62−1、62−2、62−3及び62−4上の映像および音声データ62p1、62p2、62p3および62p4は夫々マトリクススイッチャ65に供給されて選択された後に、出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kに供給される。
【0183】
図4に示した出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kの入力端子91を介して各デコード回路91−1、91−2、・・・・91−4に夫々バス62−1、62−2、62−3及び62−4上の映像及び音声データが供給されると、各デコード及び書き込み制御回路91−1、91−2、91−3及び91−4は夫々映像特殊効果ミクサ25に供給するデータだけをデコードしてデータ再生フラグFLG1、FLG2、FLG3及びFLG4を生成し、生成したデータ再生フラグFLG1、FLG2、FLG3及びFLG4をFIFO92−1、92−2、92−3及び92−4に夫々供給すると共に、書き込み制御信号をも供給する。
【0184】
これによって、FIFO92−1、92−2、92−3及び92−4には映像及び音声データ92I1、92I2、92I3及び92I4が夫々書き込まれる。従って、データ再生フラグFLG1、FLG2、FLG3及びFLG4はFIFO92−1、92−2、92−3及び92−4にとってのライトイネーブル信号と考えることもできよう。つまり、データ再生フラグFLG1、FLG2、FLG3及びFLG4がハイレベル“1”となっているときにFIFO92−1、92−2、92−3及び92−4に供給された映像及び音声データ62p1、62P2、62p3及び62p4の内、映像及び音声データDp11、Dp12、Dp13、Dp14、Dp15、Dp16、Dp17及びDp18がFIFO92−1、92−2、92−3及び92−4に書き込まれる。
【0185】
FIFO92−1、92−2、92−3及び92−4に書き込まれた映像及び音声データ92I1、92I2、92I3及び92I4は読み出し制御回路94からの読み出し制御信号によって順番に読み出され、図11に示すように、映像及び音声データDp11、Dp12、・・・・Dp18の順序で並べられた連続した出力となってバス93に供給される。
【0186】
次に、図5を参照して図1及び図3に示した入力インターフェース回路24の構成例について説明する。
【0187】
この図5において、110は図1及び図3に示した映像特殊効果ミクサ25或いは外部からの60フィールド/秒の転送速度の映像データ(ディジタルデータの場合)が供給される入力端子、112は図1及び図3に示した映像特殊効果ミクサ25或いは外部からの60フィールド/秒の転送速度の映像信号(ディジタル映像信号)が供給される入力端子、115は図1及び図3に示した映像特殊効果ミクサ25或いは外部からの60フィールド/秒の転送速度の音声データ(ディジタル音声データ)が供給される入力端子、117は図1及び図3に示した映像特殊効果ミクサ25或いは外部からの60フィールド/秒の転送速度の音声信号(アナログ音声信号)が供給される入力端子である。
【0188】
ここで想定しているのは、外部入力がディジタル映像データ及びディジタル音声データの場合、外部入力がアナログ映像信号及びアナログ音声信号の場合、映像特殊効果ミクサ25がディジタル映像及び音声データを処理する仕様の場合、映像特殊効果ミクサ25がアナログ映像及び音声信号を処理する仕様の場合である。従って、111はディジタル映像データ用の入力インターフェース回路(例えばRS232C、RS422、SCSIインターフェース等の各種シリアル或いはパラレルインターフェース回路)、112はアナログ映像信号をディジタル映像データに変換するためのA−Dコンバータ、115はディジタル音声データ用の入力インターフェース回路(例えばRS232C、RS422、SCSIインターフェース等の各種シリアル或いはパラレルインターフェース回路)、117はアナログ音声信号用をディジタル音声データに変換するためのA−Dコンバータである。
【0189】
入力インターフェース回路111の出力端をスイッチ114の一方の固定接点114dに接続し、A−Dコンバータ113の出力端をスイッチ114の他方の固定接点114aに接続し、スイッチ114の可動接点114cを圧縮符号化回路120の入力端に接続し、入力インターフェース回路116の出力端をスイッチ119の一方の固定接点119dに接続し、A−Dコンバータ118の出力端をスイッチ119の他方の固定接点119aに接続し、スイッチ119の可動接点119cをバッファメモリ121の入力端に接続する。
【0190】
124は記録制御通信コントローラであり、この記録制御通信コントローラ124は入出力端子125を介して図1に示した制御部27からの記録を示す記録/再生制御信号に基いてスイッチング信号を得、このスイッチング信号をスイッチ114及び119に夫々供給すると共に、図3に示したシステムコントローラ76にデータ記録制御信号を供給しする。また、データバッファリング制御信号をバッファメモリ121に供給し、スイッチ114やスイッチ119から供給される映像及び音声データのバッファメモリ121に対する書き込み、読み出し制御を行う。
【0191】
圧縮符号化回路120はスイッチ114を介して供給される映像データに対して上述したように、DCT、量子化、ランレングスやハフマン等の可変長符号化、ADRC、ウエーブレット変換等の各種圧縮処理を行う場合において選択されるものであり、もしこのような圧縮を行わないのであれば、スイッチ114の可動接点114cはバッファメモリ121に接続することになる。
【0192】
さて、入力端子110及び入力インターフェース回路111を介してスイッチ114の一方の固定接点114dに映像データが供給され、入力端子115及び入力インターフェース回路116を介してスイッチ119の一方の固定接点119dに音声データが供給されたときには、記録制御通信コントローラ124からのスイッチング信号によって、各スイッチ114及び119の可動接点114c及び119cが夫々一方の固定接点114d及び119dに接続される。
【0193】
これによって、スイッチ114を介して入力インターフェース回路111からの映像データが圧縮符号化処理回路120に供給され、映像データは圧縮符号化処理回路120において圧縮符号化処理され、この後バッファメモリ121に供給される。また、スイッチ119を介して入力インターフェース回路116からの音声データがバッファメモリ121に供給される。
【0194】
バッファメモリ121には記録制御通信コントローラ124からのデータバッファリング制御信号が供給され、これによってバッファメモリ121に映像及び音声データが順次書き込まれる。バッファメモリ121に書き込まれた映像及び音声データはデータバッファリング制御信号によって読み出され、出力端子122を介して図3に示したデマルチプレクサ75に供給される。
【0195】
一方、入力端子112及びA−Dコンバータ113を介してスイッチ114の他方の固定接点114aに映像データが供給され、入力端子117及びA−Dコンバータ118を介してスイッチ119の他方の固定接点119aに音声データが供給されたときには、記録制御通信コントローラ124からのスイッチング信号によって、各スイッチ114及び119の可動接点114c及び119cが夫々他方の固定接点114a及び119aに接続される。
【0196】
これによって、スイッチ114を介してA−Dコンバータ113からの映像データが圧縮符号化処理回路120に供給され、映像データは圧縮符号化処理回路120において圧縮符号化処理され、この後バッファメモリ121に供給される。また、スイッチ119を介してA−Dコンバータ118からの音声データがバッファメモリ121に供給される。
【0197】
バッファメモリ121には記録制御通信コントローラ124からのデータバッファリング制御信号が供給され、これによってバッファメモリ121に映像及び音声データが順次書き込まれる。バッファメモリ121に書き込まれた映像及び音声データはデータバッファリング制御信号によって読み出され、出力端子122を介して図3に示したデマルチプレクサ75に供給される。
【0198】
このように、本例においては、高速転送機21で通常の速度のn倍で再生して得た映像及び音声データを通常の転送速度のn倍の転送速度で出力し、この通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを一時記録または記憶装置22に高速に記録或いは記憶し、この一時記録または記憶装置22に記録または記憶した映像及び音声データを出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kで通常の転送速度に変換し、この通常の転送速度に変換した映像及び音声データに対して映像特殊効果ミクサ25で映像特殊効果処理及び音声信号処理を施し、この映像特殊効果ミクサ25の通常の転送速度の出力映像及び音声データを一時記録または記憶装置22に記録または記憶し、この一時記録または記憶装置22から高速に読み出し、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データとして出力し、この通常の転送速度の映像及び音声データを高速転送機26で通常の記録速度の4倍の記録速度で記録するようにしたので、編集システムにおいてオペレータが必要とする映像特殊効果ミクサ25における処理だけは通常の転送速度で行え、これ以外の処理においては、通常の転送速度のn倍の転送速度で転送ができるので、編集効率を大幅に向上させると共に、編集しようとする素材を一時記録または記憶装置22へ記録または記憶させる時間や一時記録または記憶装置22から読み出した映像及び音声データを高速転送機26で記録或いは記憶する時間(オペレータにとっては待ち時間となる)を大幅に短縮することができる。また、素材を一時記録または記憶装置22に一旦記録または記憶し、この一時記録または記憶装置22に一旦記録または記憶した素材を編集するようにしているので、全ての編集が終了した後に高速転送機26に編集済み素材を記録するようにすると共に、次の編集時においては、一時記録または記憶装置22に記録または記憶されている編集済み素材に新たな編集済み素材を追加したり、或いは、新たに編集して得た素材を前に編集し記録或いは記憶されている編集済み素材のインサート部分以降を再度記録或いは記憶し、インサートすべき部分にインサート用の素材を記録或いは記憶すること等が一時記録または記憶装置22内で行うことができるので、高速転送機26にセットされているビデオテープカセットのテープ上にいわゆる継ぎ目をなくすようにでき、極めて精度の高い編集済みのテープ、例えばCM1本化テープ等の送出用のテープを作成することができる。
【0199】
また、高速転送機21及び26をVTRで構成した場合に再生系で高速に再生する場合は、通常の個数の記録/再生ヘッド38−1及び38−2を搭載した回転ドラムを通常の回転速度のn倍の回転速度で回転させ、通常の走行速度のn倍の走行速度で走行させている磁気テープ39の記録トラックを走査し、各記録/再生ヘッド38−1及び38−2で再生して得た再生映像及び音声データをデータ抽出回路43−1、チャンネルデコーディング回路44−1、エラー訂正回路45−1で夫々信号処理し、この信号処理した映像及び音声データを出力インターフェース回路47で出力するようにしたので、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データをシリアルに出力して通常の処理時間の1/nの速度で一時記録または記憶装置22に記録または記憶することができる。
【0200】
一方、高速転送機21及び26をVTRで構成した場合に記録系で高速に記録する場合は、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを入力インターフェース回路31でバッファリングし、その映像及び音声データをECC付加回路33−1、チャンネルコーディング回路34−1で信号処理し、信号処理した映像及び音声データを通常の個数の記録/再生ヘッド38−1及び38−2を搭載した回転ドラムを通常の回転速度のn倍の回転速度で回転させ、通常の走行速度のn倍の走行速度で走行させている磁気テープ39を走査して記録するようにしたので、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを通常の処理時間の1/nの速度で磁気テープ39上に記録することができる。
【0201】
また、一時記録または記憶装置22のデマルチプレクサ61で通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データをm個の映像及び音声データでタイムスロット毎に分割し、分割して得られたm個の映像及び音声データをm個のディスクドライブ78−1〜78−mにセットされているメディアに記録或いは記憶し、これら記録或いは記憶したm個の映像及び音声データをマトリクススイッチャ65で1つにまとめ(この1つとは、例えば1つの素材単位等)、この1つの映像及び音声データを出力インターフェース回路23−1〜23−kに選択的に供給すると共に、入力インターフェース回路24を介して供給される映像特殊効果ミクサ25からの映像及び音声データ、或いは外部からの音声データをデマルチプレクサ75でm個の映像及び音声データに分割し、分割したm個の映像及び音声データをディスクドライブ78−1〜78−mにセットしてあるメディアに夫々記録或いは記憶するようにし、これらのメディアに記録或いは記憶した映像及び音声データを読み出してマルチプレクサ81に供給し、マルチプレクサ81においてシリアルデータに変換して出力するようにしたので、編集効率を大幅に向上させ、記録、再生処理の待ち時間を少なくとも通常の1/nにでき、しかも、一時記録または記憶装置22を高速転送機21及び26間に介在させているので、例えば複数の編集すべき素材を夫々ディスクドライブ78−1〜78−mにセットされている各メディア或いは1つのメディアに記録または記憶し、これら一時記録または記憶装置22に記録或いは記憶している複数の素材をパラレルに映像特殊効果ミクサ25に供給して編集を行うことが簡単にできると共に、オペレータが何度も同じ素材で編集を行うという作業をいとも簡単に行うことができるようになる。
【0202】
また、出力インターフェース回路23−1〜23−kにおいて、映像及び音声データが圧縮符号化されている場合に圧縮復号化処理回路95によって圧縮復号化処理を施せるようにし、しかも、入力インターフェース回路24において、映像及び音声データを圧縮符号化を行えるようにしたので、映像データに対する圧縮符号化を選択できると共に、この選択の有無に関係なく、編集作業を行うことができる。また、上述の例においては、映像データにのみ圧縮符号化を行えるようにした場合について説明したが、当然音声データも映像データと同様に圧縮復号化することができることは明白であろう。このように、圧縮符号化を選択できるようにした編集システムにおいて、もしも圧縮符号化した場合においては、一時記録または記憶装置22の記録または記憶容量を等化的に大幅に増大させることができる。
【0203】
また、通常の個数のヘッドを回転ドラムに登載した場合に、通常の転送速度を必要とする場合は、磁気テープ39を通常の走行速度で、回転ドラムを通常の回転速度で回転させるようにしたので、編集作業においては、例えば確認、モニタリング等をそのための構成を追加することなく行うことができる。
【0204】
また、通常の個数のヘッドを回転ドラムに登載した場合に、通常の転送速度の1/nの転送速度を必要とする場合は、磁気テープ39を通常の走行速度の1/n倍で、回転ドラムを通常の回転速度の1/n倍の回転速度で回転させるようにしたので、編集作業においては、例えばエラーの少ない映像及び音声データの選択を行うことにより、より精度の高い編集結果を得ることができる。
【0205】
尚、上述の例においては映像及び音声データをNTSC方式の場合として説明したが、PAL方式、SECAM方式、或いは高精細度テレビジョン方式でもシステムクロックの周波数、回転ドラムの回転数等、各構成要素における各種パラメータを設定すれば実現できる。勿論、映像及び音声データが高精細度テレビジョン方式の場合は、圧縮符号化、復号化処理を用いれば更に転送速度を向上させることができる。
【0206】
[第2実施例]
【0207】
次に、図12を参照して図1に示した編集システムにおいて、高速転送機21及び高速転送機26を半導体メモリ装置で構成した場合の例について説明する。従って、この場合においては、図1に示したビデオテープカセット20及び29はこの例ではカード型のメモリとなるか、或いは高速転送機21及び26内部に持つ大容量のメモリ装置となるが、説明の便宜上、図12の説明では、高速転送機21及び26内部に大容量のメモリ装置を搭載した場合について説明する。
【0208】
高速転送機21内部に大容量のメモリ装置を持たせる場合においては、当然シリアル、或いはパラレルに映像及び音声データが通常の転送速度のn倍の転送速度で伝送されてくる場合となる。勿論、高速転送機21を半導体メモリ装置で構成し、高速転送機21に更にVTR等で構成した高速転送機からの通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを供給するようにした場合も考えられるが、このようにすると転送のための機器が1つ増加することになるので得策とはいえない。
【0209】
しかしながら、例えば放送局内において、或部屋にVTRで構成した高速転送機を設置し、この高速転送機からの通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを別の部屋に設置してある図1に示した編集システムの高速転送機21に供給する場合においては、一時記録または記憶装置22に記録または記憶する前のバッファリング用として高速転送機21を半導体メモリ装置で構成することも1つの方法である。
【0210】
また、高速転送機26に関しては、半導体メモリ装置で構成することに何等問題はない。勿論、ビデオテープカセットで編集済みの媒体が必要な場合は別であるが、高速転送機26を送出用として使用する場合や、或いは、カード型のメモリで編集済みの媒体が必要な場合では問題なく用いることができる。
【0211】
図12において、150は高速転送機21の場合は例えば外部からの通常の転送速度のn倍の転送速度(勿論、通常の転送速度でも良い)の映像及び音声データが供給される入力端子、高速転送機26の場合は例えば一時記録または記憶装置22からの通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データが供給される入力端子である。
【0212】
この入力端子150を介して供給される映像及び音声データは時間軸伸長回路151に供給され(勿論、通常の転送速度のn倍の転送速度の場合であり、通常の転送速度の場合は必要がなくなる)、この時間軸伸長回路151において時間軸が伸長される。この時間軸伸長回路151において時間軸が伸長された映像及び音声データはECC(エラー・コレクション・コード)付加回路152に供給され、このECC付加回路152においてECCが付加され、この後入出力制御回路154に供給される。
【0213】
入出力制御回路154はECC付加回路152からの映像及び音声データを半導体メモリ155に供給するための入出力回路と圧縮符号化回路及び復号化回路を有する。この圧縮符号化回路としては、映像及び音声データであるので、上述したDCT、量子化、ハフマンやランレングス等の可変長符号化、或いはADRCやウエーブレット変換等を行う回路であり、復号化回路としては、圧縮符号化回路の逆の処理を行って圧縮符号化処理された映像及び音声データを伸長する回路である。
【0214】
また、入出力回路の構成としては、映像及び音声データを例えばフィールド毎、フレーム毎、或いはセグメント毎等で半導体メモリ155のどのエリアに記憶されているかを記憶するテーブル(メモリ)と、入出力の方向を切り換える切り換え回路等の構成が考えられる。
【0215】
半導体メモリ155は、例えばSRAM(スタティックRAM)、DRAM(ダイナミックRAM)、EEPROM等、SRAMやDRAM用のバッテリバックアップ回路(1次或いは2次電池等を含む)で構成する。この半導体メモリ155に対する映像及び音声データの書き込み/読み出しは、書き込み/読み出し回路156で行う。この書き込み/読み出し回路156はシステムクロック/同期信号発生回路160からのシステムクロック及び同期信号に基いて書き込み/読み出し制御信号を生成し、生成した書き込み/読み出し制御信号を半導体メモリ155に供給する。
【0216】
また、157は例えば半導体メモリ155の記憶データのリセットやマニュアル操作による半導体メモリ155での書き込み、読み出しを指示する等の各種操作内容を指示ための操作部、158は操作部157の操作に基いてシステムクロック/同期信号発生回路160に操作内容を通知するシステムコントローラである。また、このシステムコントローラ158は入出力端子159を介して図1に示した制御部27に記録/再生制御信号を供給する。
【0217】
半導体メモリ155から読み出された映像及び音声データは入出力回路154の図示しない復号化回路によって伸長された後にエラー訂正回路163に供給され、エラー訂正処理が施され、この後時間軸圧縮回路164及び出力用信号処理回路165に夫々供給される。
【0218】
出力用信号処理回路165はエラー訂正回路163からの映像及び音声データをNTSC方式であれば、60フィールド/秒のディジタル或いはアナログ映像及び音声信号にし、ディジタル或いはアナログ映像及び音声信号を出力端子166から出力する。
【0219】
時間軸圧縮回路164はエラー訂正回路163からの映像及び音声データの時間軸を内部のメモリから高速(例えば書き込み時のn倍)に読み出すことによって圧縮し、圧縮した映像及び音声データを出力端子165を介して出力する。
【0220】
システムクロック/同期信号発生回路160は、入力端子150を介して供給される映像及び音声データから同期信号を得、これに基いてシステムクロック及び同期信号を生成し、システムクロック及び同期信号を夫々時間軸伸長回路151、ECC付加回路152、書き込み/読み出し回路156、エラー訂正回路163、時間軸伸長回路164及び出力用信号処理回路165に夫々供給する。
【0221】
さて、図1に示した高速転送機26を図12に示した構成とした場合、高速転送機21及び26における映像及び音声データの書き込み、読み出し速度は書き込み、読み出し回路156が生成する書き込み/読み出し制御信号のタイミングを可変することによって可能となる。従って、図12においては、時間軸伸長回路151と時間軸圧縮回路164を用いた場合について説明したが、これらの回路を用いなくとも、書き込み/読み出し回路156による書き込み、読み出しタイミングの変更で実現することができる。また、ECC付加回路152とエラー訂正回路163も省略した構成としても良い。
【0222】
以上のように、図1に示した高速転送機21及び26を半導体メモリ装置を用いた構成とすれば、構成及び処理を簡単にすることができると共に、編集システムで使用した場合に処理速度を更に向上させることができる。
【0223】
尚、上述の例では、高速転送機21及び26を半導体メモリ装置で構成した場合について説明したが、現在最も映像及び音声データの媒体として用いられているビデオテープカセットが大容量のカード型メモリ(勿論、RAM等のバックアップの必要なメモリ、或いはフラッシュメモリのようなバックアップを必要としないメモリで良い)に移行した場合に、高速転送機21及び26をカード型メモリ用ドライブとし、記憶媒体をカード型メモリにすれば問題なく対応することができる。
【0224】
また、上述の各例(高速転送機21及び26を夫々VTRや半導体メモリ装置で構成した例)以外に、高速転送機21及び26を例えば光ディスク(光磁気ディスク、ライトワンスの光ディスク、相変化メディアとしての光ディスク等)、ハードディスクを駆動するドライブで構成するようにしても良い。
【0225】
高速転送機21及び26をディスクドライブで構成する場合には、1枚のディスクに対して必要な転送速度に対応して複数のヘッドを設け、複数のヘッドからの再生データを信号処理複数の系を搭載させると共に、複数の記録すべきデータを信号処理する複数の系を搭載させるか、或いは複数のディスクに対して必要な転送速度に対応して1つずつ、或いは複数ずつのヘッドを設けると共に、記録、再生用の複数の信号処理回路を設けるといった方法で実現することができる。
【0226】
ディスクをメディアとすることのメリットとしては、ビデオテープカセットよりもアクセスが簡単、且つ、速いので、オペレータが編集のやり直しを行うときには簡単に行うことができると共に、高速転送機21において必要な素材をサーチする作業を簡単に行うことができる。更に、高速転送機21をディスクドライブで構成した場合は、1つのディスクを複数のエリアに分割して使用するといったフォーマット、或いは、複数のディスク(例えばハードディスクのように、複数のディスクを使用しているメディアの場合)を夫々1つのエリアとしたフォーマットを用いれば、図1に示した一時記録または記憶装置22と兼用することも可能となる。
【0227】
また、一時記録または記憶装置22をディスクドライブで構成した場合は、編集済みのエリアAr2に記録或いは記憶されている映像及び音声データに対する編集済みの映像及び音声データの追加、インサートを行うことができ、このようにした場合は、高速転送機26の媒体(特にビデオテープの場合)に一度に記録することができるので、いわゆる継ぎ目のないビデオテープカセット29を得ることができ、このビデオテープカセットを再生し、再生信号をテレビジョンモニタ等に供給し、その管面に映出した場合、例えば継ぎ目を再生することによって発生する画乱れ等をなくすことができる。
【0228】
[第3実施例]
【0229】
次に、本発明編集方法及びそのシステムの第3実施例について図13〜図17を参照して説明する。この第3実施例においては、図1に示した高速転送機21及び26の構成を変えるようにする。具体的には、記録/再生ヘッドのリード角を磁気テープが走行していない停止状態において、記録/再生ヘッドがトラックをn本走査するよう設定する。そして、通常の転送速度のn倍の転送速度を必要とする場合に、回転ドラムに登載する記録/再生ヘッドの個数をxn個(但しxは通常の転送速度において必要とされるヘッドの個数である)とし、磁気テープを通常の走行速度のn倍で走行させ、リード角を上記記録媒体の走行を停止させた状態で上記ヘッドで上記記録媒体を走査する際に上記記録媒体上に形成されているトラックをnm個(但し、mは通常のリード角を設定し、記録媒体の移動を停止させた状態で回転ドラムを1回転させた場合に1つのヘッドが跨ぐトラックの数)跨ぐよう設定し、回転ドラムを通常の回転速度で回転させる。尚、以下の説明では、図1に示したシステムにおいて、高速転送機21及び26の構成を変えた場合であり、図1に示した他の回路等の構成は同様であるから、高速転送機21及び26についてのみ説明する。
【0230】
図13において30は高速転送機21であれば外部入力端子、高速転送機26であれば図1に示した一時記録または記憶装置22から高速に転送されてくる映像及び音声データ31pが供給される入力端子である。
【0231】
この入力端子30を介して高速に転送されてくる映像及び音声データ31pはデマルチプレクサ31に供給される。このデマルチプレクサ31は高速に転送されてくる映像及び音声データを分割して出力する。分割とはいっても、例えば一時記録または記憶装置22からのデータと考えれば、高速転送機21の再生ヘッドの分、つまり、トラック毎のデータが1つのデータ列として供給されるので、元のデータ列、つまり、トラック毎のデータに変換(セグメント分割等と称する)される。
【0232】
デマルチプレクサ31でトラック毎のデータに分割された各データは時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−nに夫々供給される。これらの時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−nは、夫々例えばデュアルポートメモリと書き込み/読み出し回路を有する。そしてこれらの時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−nは、通常の転送速度のn倍、且つ、間欠的に供給されるデータを同じ速度でデュアルポートメモリに間欠的に書き込み、デュアルポートメモリに書き込んだデータを通常の転送速度で読み出すことにより、通常の転送速度のn倍の転送速度のデータの時間軸の伸長を行う。
【0233】
時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−nで夫々時間軸が伸長された映像及び音声データはECC(エラー・コレクション・コード)付加回路33−1、33−2、・・・・33−nに夫々供給される。これらECC付加回路33−1、33−2、・・・・33−nは、時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−nから供給される時間軸伸長された映像及び音声データに対してECCを付加する。このECC付加回路33−1、33−2、・・・・33−nで夫々ECCの付加された映像及び音声データはCHCOD(チャンネルコーディング)回路34−1、34−2、・・・・34−nに夫々供給され記録変調処理(ディジタル変調処理)が施される。
【0234】
このチャンネルコーディング回路34−1、34−2、・・・・34−nにおいて記録変調処理された各映像及び音声信号は夫々記録増幅回路35−1、35−2、・・・・35−nを介してスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各可動接点36cに夫々供給される。
【0235】
これらのスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各一方の固定接点36aをロータリートランス37−1、37−2、・・・・37−nの1次側に接続し、これらのスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各他方の固定接点36bをロータリートランス37−n+1、37−n+2、・・・・37−2nの1次側に接続する。
【0236】
これらのスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nは後述するシステムコントローラ50からのスイッチング信号SW1、SW2、・・・・SWnに基いて、可動接点36cを一方または他方の固定接点36aまたは36bに接続して記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nの切り換えを行う。また、これらロータリートランス37−1、37−2、・・・・37−n、・・・・372n、図示しないテープローディング機構、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nからなるテープトランスポート部はコントローラ40によってコントロールされる。
【0237】
従って、記録時においては、記録増幅回路35−1、35−2、・・・・35−nからの映像及び音声信号がスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各一方または他方の固定接点36aまたは36b並びにロータリートランス37−1、37−2、・・・・37−n、・・・・37−2nを夫々介して記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nに順次供給され、磁気テープ39に順次傾斜トラックを形成するように記録される。
【0238】
各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nは夫々図示しない回転ドラム上において対向し、且つ、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2n間の間隔が均等となるように取り付ける。ここで、記録再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nの個数は、磁気テープ39を通常の走行速度のn倍で走行させ、且つ、回転ドラムの回転速度を通常の回転速度とした状態で転送速度を通常の転送速度のn倍とする場合には、2n個となる。
【0239】
ここで、図14を参照して上記記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−nについて説明する。
【0240】
図14Aは回転ドラム上に記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−nを登載した例を示し、図14Bは回転ドラム200の断面を示し、図14Cは回転ドラム200に登載した記録/再生ヘッド(記録/再生ヘッド38−1を例として図示する)のリード角を示し、図14Dは記録/再生ヘッドの通常のリード角を示し、図14Eは本例による記録/再生ヘッドのリード角を示している。
【0241】
先ず、本例においては、図14Aに示すように、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8を、回転ドラム200上において、互いにその間隔が均一、且つ、記録/再生ヘッド38−1及び38−5、記録/再生ヘッド38−2及び38−6、記録/再生ヘッド38−3及び38−7、記録/再生ヘッド38−4及び38−8が対向するよう回転ドラム200に取り付けられる。
【0242】
次に、図14Bに示すように、回転ドラム200にはその上下に段差がつけられており、この段差部分によって磁気テープ39が案内された場合に、記録/再生ヘッド(記録/再生ヘッド38−1を例として図示する)が意図したリード角で磁気テープ39を走査するようになっている。これを正面から見た図が図14Cであり、ここでリード角をθとする。
【0243】
図14Dは通常のリード角θ1を示している。通常のリード角θ1を設定した場合、磁気テープ39の走行を停止させた状態で記録/再生ヘッドを登載した回転ドラム200を1回転させると、記録/再生ヘッドは、実線の矢印で示すように、トラックをその下から上まで1回走査する。
【0244】
図14Eは本例において設定するリード角の一例であり、この図では通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合のリード角θ2を示している。このリード角θ2を設定した場合、磁気テープ39の走行を停止させた状態で記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8を登載した回転ドラム200を回転させると、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8は、実線の矢印で示すように、トラックT1、T2、T3、T4を跨いで走査する。
【0245】
この図14Eに示すように、通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合は、リード角θ2を、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8が夫々1回の走査で4つのトラックを跨ぐリード角に設定し、磁気テープ39の走行速度を通常の走行速度の4倍、回転ドラム200の回転速度を通常の回転速度とすれば良い。
【0246】
磁気テープ39の走行を通常の走行速度の4倍の走行速度で走行させ、回転ドラム200の回転速度を通常の回転速度とした場合、トラックT1、T2、T3、T4を走査する記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8の走査軌跡が、磁気テープ39を停止させているときよりも立ってくる。言い換えれば、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8の走査軌跡が磁気テープ39の下から上の場合、磁気テープ39の下端と走査軌跡とでおりなす角度が大となる。そして、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8の内の1つの記録/再生ヘッドについて考えると、その1つの記録再生ヘッドは、トラックT1、T2、T3、T4の内何れか1つのトラックT1、T2、T3またはT4を、図14Dに示すように、回転ドラム200が1回転する間に1回走査することになる。
【0247】
以上の条件で通常の転送レートのn倍の転送レートを得るためには、2×n個の記録/再生ヘッドが必要となる。つまり、この例では、2×n個である。ここでxを“2”としているのは、「通常のテープ走行速度」(いわゆる1倍速等)を、回転ドラム上に180度対向で記録/再生ヘッドが合計2個設けられている場合に、回転ドラムがy回転する間に磁気テープ39上に傾斜トラックが1フレーム分形成される時間と考えると、同じ回転ドラムy回転の間で2×n個の記録/再生ヘッドで1フレーム分の傾斜トラックを磁気テープ39上に形成できるようにするためには、通常の走行速度のn倍で磁気テープ39を走行させれば良いことになるからである。
【0248】
例えばコンポーネントディジタルフォーマット(D1フォーマット等)では、4つのヘッドを用いて150回転/秒で回転ドラムを回転させ、1フィールドにつき10トラックの割合で傾斜トラックを形成するいわゆるセグメント記録を行っている。従って、もしも、このフォーマットでn倍速の転送速度を得る場合は、回転ドラムの回転速度を通常のまま、磁気テープの走行速度をn倍速とする場合には、ヘッドは4n個必要となり、また、ヘッドを4つのままとし、磁気テープの走行速度を通常のn倍の速度で走行させるのであれば、回転ドラムの回転速度は通常の回転速度のn倍の回転速度となり、4n個のヘッドを用いて転送速度を通常の転送速度の1倍とするには、テープの走行速度を1倍速、回転ドラムの回転速度を1倍速とし、4n個のヘッドを用いて転送速度を通常の転送速度の1/n倍とするには、テープの走行速度を1倍速、回転ドラムの回転速度を1/n倍速とする。勿論D2フォーマットや他のディジタルフォーマットでも同様である。
【0249】
この例では、記録増幅回路35−1、35−2、・・・・35−nに順番にチャンネルコーディング回路33−1、33−2、・・・・33−nから記録すべき映像及び音声データが供給されるので、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nは各記録増幅回路35−1、35−2、・・・・35−nによって順次記録電流が供給されることになる。
【0250】
さて、磁気テープ39に記録された記録データは記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nによって順次再生される。この図13において図示せずも、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nは回転ドラム上に180度対向、且つ、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2n間の間隔が均等になるように設ける。この図13に示すように、記録系と再生系を1つのVTRとして構成する場合においては、記録、再生兼用の記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nを回転ドラム上に登載るか、或いは、記録ヘッドと再生ヘッドを隣接して回転ドラムに登載すれば良い。磁気テープ39の走行速度は上述と同様に通常の走行速度のn倍、回転ドラムの回転数(磁気テープ39と記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nとの相対速度)を通常のままとすることにより、転送速度を通常のn倍にすることができる。
【0251】
記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nからの各再生信号はロータリートランス37−1、37−2、・・・・37−n、・・・・37−2nを介してスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各一方または他方の固定接点36aまたは36bに順次(再生された順序)供給される。これらのスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nには記録時と同様にシステムコントローラ50からのスイッチング信号SW1〜SW4が供給される。これによってスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nは可動接点36cを一方または他方の固定接点36aまたは36bに接続する。
【0252】
従って、順次再生された再生信号はスイッチ36−1、36−2、・・・・36−nの各一方または他方の固定接点36aまたは36b及び再生増幅回路42−1、42−2、・・・・42−nを介してデータ抽出回路43−1、43−2、・・・・43−nに順次供給される。これらデータ抽出回路43−1、43−2、・・・・43−nは再生増幅回路42−1、42−2、・・・・42−nから供給される再生信号からクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号によって映像及び音声信号を抽出する。データ抽出回路43−1、43−2、・・・・43−nにおいて抽出された映像及び音声データはCHDEC(チャンネルデコーディング)回路44−1、44−2、・・・・44−nに供給される。
【0253】
チャンネルデコーディング回路44−1、44−2、・・・・44−nは、データ抽出回路43−1、43−2、・・・・43−nからの映像及び音声信号(ディジタル変調されている)を復調し、元の映像及び音声データを得、復調した映像及び音声データをエラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−nに供給する。
【0254】
エラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−nはチャンネルデコーディング回路44−1、44−2、・・・・44−nから供給される映像及び音声データに付加されているECCに基いて映像及び音声データに対してエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施した映像及び音声データを時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nに供給する。ここで、映像及び音声データに付加したECCを用いてエラー訂正したときに、エラー訂正しきれないデータついては、エラー修整処理が施され、元のデータに最も近いデータが復元される。
【0255】
時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nは夫々デュアルポートメモリと、書き込み/読み出し回路を有する。これら時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nは、エラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−nからの映像及び音声データをデュアルポートメモリに通常速度で書き込み、デュアルポートメモリから通常速度のn倍の速度で読み出しを行う。時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nから通常速度のn倍の速度で読み出された映像及び音声データは、順次(圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nの順序で)マルチプレクサ47に供給される。
【0256】
マルチプレクサ47は時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nから順次供給される映像及び音声データを伝送順に選択して出力する。この出力は出力端子48から出力され、図1に示した高速転送機21であれば映像及び音声データ48pとして一時記録または記憶装置22に供給される。
【0257】
ところで、高速転送機26の場合は、もし、高速転送機26を送出システムにおける出力用とする場合は、再生映像及び音声データが圧縮されたデータであると、送出システムの次段(例えばカートシステムやマスタスイッチャや送信機)で時間軸を伸長する回路を持たなければならなくなるので、次段の系を改造しないためには、時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−nの出力を用いずに、エラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−nの出力を用いるようにする必要がある。
【0258】
つまり、図13に示す構成を図1に示した高速転送機26に適用する場合は、エラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−nの出力端を図に示すように、出力インターフェース回路40の入力端に接続し、この出力インターフェース回路40によって元のデータに変換して出力するようにすれば良い。このようにすれば、例えばこの出力インターフェース回路30にテレビジョンモニタ等を接続し、その管面に映出された映像をモニタすることも可能となる。
【0259】
49は図示せずも、例えば表示部及び操作キー群を有する操作部である。この操作部49を操作するか、或いは、入力端子51を介して図1に示した制御部27からの記録/再生制御信号がシステムコントローラ50に供給されることによって、システムコントローラ50はシステムクロック/同期信号発生回路52に制御信号を供給する。
【0260】
これによってシステムクロック/同期信号発生回路52は上述したデマルチプレクサ31、時間軸伸長回路32−1、32−2、・・・・32−n、ECC付加回路33−1、33−2、・・・・33−n、チャンネルコーディング回路34−1、34−2、・・・・34−n、データ抽出回路43−1、43−2、・・・・43−n、チャンネルデコーディング回路44−1、44−2、・・・・44−n、エラー訂正回路45−1、45−2、・・・・45−n、時間軸圧縮回路46−1、46−2、・・・・46−n、マルチプレクサ47に夫々必要なシステムクロック及び同期信号を供給する。
【0261】
図13に示す構成では、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−n、・・・・38−2nが180度対向なので、記録系、再生系共に回転ドラム半回転毎にスイッチングすることによって夫々の回路系を半減している。
【0262】
尚、上述の例においては、回転ドラムに記録再生兼用として2n個のヘッドを登載させ、回転ドラムを通常の回転速度で回転させ、磁気テープ39を通常の速度のn倍の速度で走行させて記録、再生するようにしている場合について説明したが、回転ドラムを通常の回転速度よりも高速に回転させて高速転送を行う方式、更にヘッドの数を増やし、且つ、回転ドラムの回転速度を高速にする方式を採用することもできる。従って、転送速度を通常の転送速度のn倍にするために一義的に記録/再生ヘッドの数を2n個とするわけではない。
【0263】
ここで、得たい転送速度と、回転ドラムの回転速度と、記録/再生ヘッドの数の関係をいくつかのパターンを例にとり説明する。
【0264】
先ず、前提として、記録/再生ヘッドは回転ドラムに1つ或いは複数個回転ドラムの高さ方向に並べて配置し、この高さ方向に並べて設けられた1つ或いは複数の記録/再生ヘッドを1つの組としたとき、回転ドラムに搭載する組がいくつであっても、組と組との間は全て等間隔(或いは同じ角間隔)となるように取り付けるものとする。また、リード角は、磁気テープ39の停止時に回転ドラム200を1回転させる間に記録/再生ヘッドが跨ぐトラック数が、通常のトラック数を基準として設定されるものとする。ここで、通常のトラック数とは、例えば磁気テープ39を停止させた状態で回転ドラム200を1回転させたときに、1つのヘッドが走査するトラックの数をいうものとする。
【0265】
以上のことを前提にした上で、例えば通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合における記録/再生ヘッドの個数、磁気テープの走行速度、回転ドラムの回転速度、磁気テープの走行が停止している状態で1つの記録/再生ヘッドが跨ぐトラック数の関係を例として示す。
【0266】
ヘッド個数 テープ走行速度 ドラム回転速度 テープ停止時に跨ぐトラック 84×通常速度 1×通常速度 4×m(mは通常の個数)
4 4×通常速度 2×通常速度 2×m 3 4×通常速度 8/3×通常速度 3/2×m 2 4×通常速度 4×通常速度 1×m
【0267】
つまり、通常の転送速度を得るためのヘッドの数をxとすると、ヘッドの数がxn、テープの走行速度が通常の走行速度のn倍であれば回転ドラムの回転速度は通常の回転速度で良いが、ヘッドの数が少なくなればその分だけ回転ドラムの回転速度を上げなければならない。従って、磁気テープ39を通常のn倍の速度で走行させる場合には、回転ドラムの通常の回転速度に対する倍率をd、ヘッドの数をhとした場合、hd=xnとなるように回転ドラムの通常の速度にたいする倍率d、或いはヘッドの数hを設定し、更に、磁気テープの走行を停止させた状態で記録/再生ヘッドが跨ぐ通常のトラックの数のT倍、即ち、Td=nとなるリード角を設定すれば良い。
【0268】
以上の説明から分かるように、上述の例においては、転送速度を通常の転送速度の4倍として説明したが、転送速度を可変することも可能である。つまり、オペレータが必要な転送速度を図1に示した操作部28の操作キーで指定した転送速度とすることができる。
【0269】
これには、予め多数の記録/再生ヘッドを回転ドラムに搭載させ、指定された転送速度に応じて記録/再生ヘッドの使用数を可変する方法が採用可能である。ここでいう「使用数」とは、記録時においては、記録電流が与えられるヘッドの数をいい、再生時においては、再生信号が有効とされるヘッドの数をいう。勿論、使用する記録/再生ヘッドの数や転送速度を可変することによって、使用しなくても済む回路もでてくるので、使用する回路、使用しない回路を自動的に選択するようにする必要がある。この可変方法は、記録/再生ヘッドを予め多数回転ドラムに搭載すると共に、リード角を変えなければならない。何れにしても、このように転送速度を可変するためには、回路のシステムクロックやリード角もこれに連動して可変させるようにしなければならないが、システムクロックは周知のVCO(電圧制御発振器)や高い周波数の水晶発振器と分周器や低い周波数の水晶発振器と逓倍器があれば容易に実現できる。
【0270】
尚、リード角を可変させるためには、テープガイドの上下に段差を持たせ、少なくとも2つのテープガイドで磁気テープを案内するようにすると共に、この2つのテープガイドの高さをモータによって可変することによってリード角を可変することができる。
【0271】
次に、図15から図17を順次参照して、図13に示した高速転送機21或いは26の動作を、nを“4”とした場合で説明する。nを“4”として転送速度を4倍にするためには、図13に示した記録/再生ヘッドを8個用いることが必要である。従って、n倍の転送速度を実現するためのヘッドの数はもし、通常の転送速度のVTRで用いている記録/再生ヘッドの数が2個とすれば2nとなるので、以下の説明においては、図13に示した記録/再生ヘッドは8つ、つまり、記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8を用いる。
【0272】
図15から説明する。図15において、FDはフレームデータ、TDはトラック対応データ、TPはトラックパターンを夫々示し、この例では、フレームデータP、P+1、P+2及びP+3(図において示されている分だけで説明し、他は省略する)、P+4、P+5、・・・・は夫々実時間としての1フレーム期間に転送される。また、Dn/Fは1フレーム分のデータ、TDnに添えた括弧中の符号はヘッドの番号を夫々示し、Tn/Fは1フレーム分のトラックを示し、図中上段に示す実線の矢印は転送順序、下段に示す実線の矢印はテープ走行方向(この例では4倍速走行)Tnは実時間の1フレーム期間に記録されるトラックを夫々示す。
【0273】
先ず、フレームP及びP+1に着目すると、フレームPは第1トラックTD1(H1)、TD2(H2)、・・・・TD8(H8)、・・・・TD12(H4)となる。つまり、フレームPの第1トラック対応データTD1は“H1”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−1で記録され、第2トラック対応データTD2は“H2”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−2で記録され、・・・・第8トラック対応データTD8は“H8”つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−8で記録され、・・・・第12トラック対応データTD12は“H4”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−4(12−8=4)で記録される。
【0274】
続いて、フレームP+1の第1トラック対応データTD1は“H5”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−5で記録され、第2トラック対応データTD2は“H6”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−6で記録され、・・・・第12トラック対応データTD12は“H8”、つまり、図13に示した記録/再生ヘッド38−8で記録される。つまり、この例では、2フレーム分で丁度記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8が3回ずつトラック対応分のデータを記録し、トラックを形成することになる。勿論、これはこの例におけるVTRのテープフォーマットが1フレーム12トラックとなっているからである。従って、1フレームのトラック数が8トラックの場合は1フレームで記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8は1回ずつトラック対応データを記録し、トラックを形成する。
【0275】
この結果、図中斜線で示すように、テープ上にフレームPに対応してトラックT1、T2、・・・・T12が形成され、図中ドットで示すように、フレームP+1に対応してトラックT1、T2、・・・・T12が形成される。勿論、各フレームの各12ずつのトラックT1、T2、・・・・T12は実時間の1フレーム/4の内に記録される。従って、トラックパターンTPに示す全てのトラックT1〜T12(図中においては全部で48トラック分)は実時間の1フレームの期間中に記録される。
【0276】
次に、図16を参照して、図13に示した高速転送機26に通常の転送速度4倍の速度で転送を行い、高速転送機26の8つの記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8で映像及び音声データを記録する場合の動作について説明する。説明を分かりやすくするために、図16に示す信号の符号を図13にも示している。
【0277】
31rは図13のデマルチプレクサ31の入力(高速転送データ)、32I1〜32I4は図13の時間軸伸長回路32−1〜32−4の入力、32O1〜32O4は図13の時間軸伸長回路32−1〜32−4の時間軸伸長出力、35O1〜35O4は図13の記録増幅回路35−1〜35−4の記録増幅出力、SW1〜SW4は図13のスイッチ36−1〜36−4に供給されるシステムコントローラ50からのスイッチング信号、38p1は図13の記録/再生ヘッド38−1の記録信号、38r5は図13の記録/再生ヘッド38−5の記録信号である。
【0278】
尚、記録/再生ヘッド38−2、38−3、・・・・38−4、38−6及び38−8の記録信号はその図示を省略する。また、スイッチング信号SW1〜SW4には、各スイッチング信号SW1〜SW4のハイレベル“1”及びローレベル“0”の状態によって選択される記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8を示すための番号“1”〜“8”を添えてある。
【0279】
先ず、図13に示したデマルチプレクサ31には、入力端子30を介して図1に示した一時記録または記憶装置22からの通常の転送速度の4倍の転送速度の映像及び音声データ31rが供給される。図16において映像及び音声データ31rに夫々示す符号T12D、T1D、T2D、・・・・T3Dは夫々第12トラック、第1トラック、第2トラック、・・・・第3トラックの構成データを夫々示す。
【0280】
この映像及び音声データ31rがデマルチプレクサ31に供給されると、このでデマルチプレクサ31によってトラック毎に分割される。分割された映像及び音声データは図16に示すように、映像及び音声データ32I1、32I2、32I3及び32I4となり、時間軸伸長回路32−1、32−2、32−3及び32−4の入力となる。
【0281】
時間軸伸長回路32−1の入力としての映像及び音声データ32I1は斜線で示すように、各フレーム毎に、第1トラックT1D、第5トラックT5D、第9トラックT9Dといったデータとなり、時間軸伸長回路32−2の入力としての映像及び音声データ32I2はドットで示すように、各フレーム毎に、第2トラックT2D、第6トラックT6D、第10トラックT10Dといったデータとなり、時間軸伸長回路32−3の入力としての映像及び音声データ32I3は映像及び音声データ32I1とは逆の斜線で示すように、各フレーム毎に、第3トラックT3D、第7トラックT7D、第11トラックT11Dといったデータとなり、時間軸伸長回路32−4の入力としての映像及び音声データ32I4は白塗り(模様なしの意味)で示すように、各フレーム毎に、第4トラックT4D、第8トラックT8D、第12トラックT12Dといったデータとなる。つまり、出力タイミングで見ると、第1トラックT1D、第2トラックT2D、第3トラックT3D、第4トラックT4D、第5トラックT5D、第6トラックT7D、・・・・第11トラックT11D、第12トラックT12Dの順序で出力され、この順序で時間軸伸長回路32−1、32−2、32−3及び32−4に順次供給される。
【0282】
そして、各時間軸伸長回路32−1、32−2、32−3及び32−4に供給された映像及び音声データ32I1、32I2、32I3及び32I4は、時間軸伸長回路32−1、32−2、32−3及び32−4の時間軸伸長出力32O1、32O2、32O3及び32O4のように、時間軸が伸長される。例えば、時間軸伸長回路32−1の入力である映像及び音声データ32I1の第1トラック、第5トラック、第9トラックの映像及び音声データT1D、T5D、T9Dは、実線の矢印で示すように、時間的に4倍の長さに伸長される。他の映像及び音声データ32I2、32I3及び32I4も同様である。
【0283】
時間軸伸長回路32−1、32−2、32−3及び32−4の各時間軸伸長出力32O1、32O2、32O3及び32O4は夫々ECC付加回路33−1、33−2、33−3及び33−4でECCが付加され、更にチャンネルコーディング回路34−1、34−2、34−3及び34−4においてディジタル変調され、増幅回路35−1、35−2、35−3及び35−4に供給されて記録増幅される。
【0284】
この記録増幅回路35−1、35−2、35−3及び35−4の出力35O1、35O2、35O3及び35O4は、図16に示すように、時間軸伸長出力32O1、32O2、32O3及び32O4よりも遅延している。この遅延時間はECC付加回路33−1、33−2、33−3及び33−4並びにチャンネルコーディング回路34−1、34−2、34−3及び34−4での処理によるものである。例えば、時間軸伸長回路32−1の出力32O1の内、第1トラックT1Dの時間軸伸長出力32O1は、実線の矢印で示すように、この斜線部分から記録増幅回路35−1の出力35O1の斜線部分となる。従って、各映像及び音声データに対する遅延時間は図中符号RDで示す時間となる。
【0285】
さて、記録増幅回路35−1、35−2、35−3及び35−4から出力された映像及び音声信号(電流信号)35O1、35O2、35O3及び35O4は、スイッチ36−1、36−2、36−3及び36−4の各可動接点36cに夫々供給される。ここで、注意しなければならないのは、この例では、通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合について説明しているので、記録/再生ヘッドは2×n、つまり、8個必要とすることである。
【0286】
従って、この例では、スイッチ36−1の一方の固定接点36aをロータリートランス37−1の1次側に接続し、スイッチ36−1の他方の固定接点36bをロータリートランス37−5の1次側に接続し、スイッチ36−2の一方の固定接点36aをロータリートランス37−2の1次側に接続し、スイッチ36−2の他方の固定接点36bをロータリートランス37−6の1次側に接続し、スイッチ36−3の一方の固定接点36aをロータリートランス37−3の1次側に接続し、スイッチ36−3の他方の固定接点36bをロータリートランス37−7の1次側に接続し、スイッチ36−4の一方の固定接点36aをロータリートランス37−4の1次側に接続し、スイッチ36−4の他方の固定接点36bをロータリートランス37−8の1次側に接続していることになる。
【0287】
システムコントローラ50からスイッチ36−1に供給されるスイッチング信号SW1がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW1上に示すように、記録増幅回路35−1から出力される第1トラックの映像及び音声データT1Dは記録/再生ヘッド38−1によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−1から出力される第5トラックの映像及び音声データT5Dは記録/再生ヘッド38−5によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−1から出力される第9トラックの映像及び音声データT9Dは記録/再生ヘッド38−1によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録される(これについては図示せず)。
【0288】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−2に供給されるスイッチング信号SW2がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−2は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−2は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW2上に示すように、記録増幅回路35−2から出力される第2トラックの映像及び音声データT2Dは記録/再生ヘッド38−2によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−2から出力される第6トラックの映像及び音声データT6Dは記録/再生ヘッド38−6によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−2から出力される第10トラックの映像及び音声データT10Dは記録/再生ヘッド38−2によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録される(これについては図示せず)。
【0289】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−3に供給されるスイッチング信号SW3がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−3は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−3は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW3上に示すように、記録増幅回路35−3から出力される第3トラックの映像及び音声データT3Dは記録/再生ヘッド38−3によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−3から出力される第7トラックの映像及び音声データT7Dは記録/再生ヘッド38−7によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−3から出力される第11トラックの映像及び音声データT11Dは記録/再生ヘッド38−3によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録される(これについては図示せず)。
【0290】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−4に供給されるスイッチング信号SW4がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−4は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−4は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW4上に示すように、記録増幅回路35−4から出力される第4トラックの映像及び音声データT4Dは記録/再生ヘッド38−4によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−4から出力される第8トラックの映像及び音声データT8Dは記録/再生ヘッド38−8によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録され、記録増幅回路35−4から出力される第12トラックの映像及び音声データT12Dは記録/再生ヘッド38−4によって磁気テープ39上に傾斜トラックを形成するように記録される(これについては図示せず)。つまり、図16に示すように、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8によって映像及び音声信号38r1、38r2、・・・・38r8が記録される。
【0291】
次に、図17を参照して図13に示した高速転送機21でビデオテープカセット20を再生する場合の動作について説明する。この図17においては、図13に示した高速転送機21の8つの記録/再生ヘッド38−1、・・・・38−8で映像及び音声データを再生し、通常の転送速度の4倍の転送速度で再生データを転送する場合の動作について説明する。説明を分かりやすくするために、図17に示す信号の符号を図13にも示している。
【0292】
図17において、38p1は図13に示した記録/再生ヘッド38−1で再生された再生信号、38p5は図13に示した記録/再生ヘッド38−5で再生された再生信号(尚、38p2〜38p4、38p6〜38p8については図示を省略する)、SW1、SW2、SW3及びSW4は夫々システムコントローラ50からのスイッチング信号、42I1、42I2、42I3及び42I4は夫々再生増幅回路42−1、42−2、42−3及び42−4の各入力、46I1、46I2、46I3及び46I4は夫々時間軸圧縮回路46−1、46−2、46−3及び46−4の入力、46O1、46O2、46O3及び46O4は夫々時間軸圧縮回路46−1、46−2、46−3及び46−4の各時間軸圧縮出力、48pはマルチプレクサ47の出力である。
【0293】
ここで、注意しなければならないのは、この例では、図16と同様に通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合について説明しているので、記録/再生ヘッドは2×n、つまり、8個必要とすることである。従って、この例では、スイッチ36−1の一方の固定接点36aをロータリートランス37−1の1次側に接続し、スイッチ36−1の他方の固定接点36bをロータリートランス37−5の1次側に接続し、スイッチ36−2の一方の固定接点36aをロータリートランス37−2の1次側に接続し、スイッチ36−2の他方の固定接点36bをロータリートランス37−6の1次側に接続し、スイッチ36−3の一方の固定接点36aをロータリートランス37−3の1次側に接続し、スイッチ36−3の他方の固定接点36bをロータリートランス37−7の1次側に接続し、スイッチ36−4の一方の固定接点36aをロータリートランス37−4の1次側に接続し、スイッチ36−4の他方の固定接点36bをロータリートランス37−8の1次側に接続していることになる。
【0294】
システムコントローラ50からスイッチ36−1に供給されるスイッチング信号SW1がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−1は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW1上に添えた数字“1”及び“5”で示すように、スイッチング信号SW1がハイレベル“1”のときは記録/再生ヘッド38−1からの再生信号38p1が再生増幅回路42−1に供給され、スイッチング信号SW1がローレベル“0”のときは記録/再生ヘッド38−5からの再生信号38p5が再生増幅回路42−1に供給される。
【0295】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−2に供給されるスイッチング信号SW2がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−2は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−2は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW2上に添えた数字“2”及び“6”で示すように、スイッチング信号SW2がハイレベル“1”のときは記録/再生ヘッド38−2からの再生信号38p2が再生増幅回路42−2に供給され、スイッチング信号SW2がローレベル“0”のときは記録/再生ヘッド38−6からの再生信号38p6が再生増幅回路42−2に供給される。
【0296】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−3に供給されるスイッチング信号SW3がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−3は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−3は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW3上に添えた数字“3”及び“7”で示すように、スイッチング信号SW3がハイレベル“1”のときは記録/再生ヘッド38−3からの再生信号38p3が再生増幅回路42−3に供給され、スイッチング信号SW3がローレベル“0”のときは記録/再生ヘッド38−7からの再生信号38p7が再生増幅回路42−3に供給される。
【0297】
次に、システムコントローラ50からスイッチ36−4に供給されるスイッチング信号SW4がハイレベル“1”の場合はスイッチ36−4は可動接点36cを一方の固定接点36aに接続し、ローレベル“0”の場合はスイッチ36−4は可動接点36cを他方の固定接点36bに接続する。従って、スイッチング信号SW4上に添えた数字“4”及び“8”で示すように、スイッチング信号SW4がハイレベル“1”のときは記録/再生ヘッド38−4からの再生信号38p4が再生信号42I1として再生増幅回路42−4に供給され、スイッチング信号SW4がローレベル“0”のときは記録/再生ヘッド40−8からの再生信号48p8が再生信号42I1として再生増幅回路42−4に供給される。
【0298】
図17に示すように、再生信号42I1、42I2、42I3及び42I4は再生増幅回路42−1〜42−4に夫々供給され、これら再生増幅回路42−1〜42−4において再生増幅された後に出力され、夫々データ抽出回路43−1〜43−4に供給され、このデータ抽出回路43−1〜43−4においてクロック信号が再生され、再生されたクロック信号でデータが抽出される。これらデータ抽出回路43−1〜43−4からの映像及び音声信号は夫々チャンネルデコーディング回路44−1〜44−4に順次供給され、このチャンネルデコーディング回路44−1〜44−4において復調され、元の映像及び音声データにされ、次段のエラー訂正回路45−1〜45−nに夫々供給され、上述したようにエラー訂正処理が施される。
【0299】
エラー訂正処理が施された映像及び音声データは夫々時間軸圧縮回路46−1〜46−4に供給される。この時間軸圧縮回路46−1〜46−4の入力46I1、46I2、46I3及び46I4は図17に示している。
【0300】
例えば図17において、この例では、スイッチング信号SW1が“5”を示すローレベル“0”のときに記録/再生ヘッド38−5からの再生信号38p5と、再生増幅回路42−1に供給される時点の再生信号42I1とのずれはなく、同様に、スイッチング信号SW1が“1”を示すハイレベル“1”のときに記録/再生ヘッド38−1からの再生信号38p1と、再生増幅回路42−1に供給される時点の再生信号42I1とのずれはない。
【0301】
しかしながら、時間軸圧縮回路46−1〜46−4に供給される時点においては、例えば時間軸圧縮回路46−1入力46I1から実線の矢印で示すように、ある遅延を持つ。この遅延時間は、チャンネルデコーディング回路44−1〜44−4及びエラー訂正回路45−1〜45−4での処理時間によるものであり、図中に示す時間PDはその遅延時間を示している。
【0302】
時間軸圧縮回路46−1〜46−4に夫々供給される映像及び音声データ46I1〜46I4は、この時間軸圧縮回路46−1〜46−4のデュアルポートメモリに一旦書き込まれ、この後、書き込み速度の4倍の速度で読み出されることにより、時間軸が1/4に圧縮される。この圧縮映像及び音声データ46O1〜46O4は順次マルチプレクサ47に供給される。マルチプレクサ47に供給された圧縮映像及び音声データ46O1〜46O4はシリアルデータに変換され、高速映像及び音声データ48pとして出力端子48から出力され、図1に示した一時記録または記憶装置22に供給される。
【0303】
この図17から分かるように、斜線で示す圧縮映像及び音声データ46O1は第1トラック対応データT1D、第5トラック対応データT5D及び第9トラック対応データT9Dからなり、ドットで示す圧縮映像及び音声データ46O2は第2トラック対応データT2D、第6トラック対応データT6D及び第10トラック対応データT10Dからなり、圧縮映像及び音声データ46O1とは逆の斜線で示す圧縮映像及び音声データ46O3は第3トラック対応データT3D、第7トラック対応データT7D及び第11トラック対応データT11Dからなり、白抜き(模様がないことを示す)圧縮映像及び音声データ46O4は第4トラック対応データT4D、第8トラック対応データT8D及び第12トラック対応データT12Dからなる。
【0304】
このように、本例においては、高速転送機21で通常の速度のn倍で再生してえた映像及び音声データを通常の転送速度のn倍の転送速度で出力し、この通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを一時記録または記憶装置22に高速に記録或いは記憶し、この一時記録または記憶装置22に記録または記憶した映像及び音声データを出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kで通常の転送速度に変換し、この通常の転送速度に変換した映像及び音声データに対して映像特殊効果ミクサ25で映像特殊効果処理及び音声信号処理を施し、この映像特殊効果ミクサ25の通常の転送速度の出力映像及び音声データを一時記録または記憶装置22に記録または記憶し、この一時記録または記憶装置22から高速に読み出し、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データとして出力し、この通常の転送速度の映像及び音声データを高速転送機26で通常の記録速度の4倍の記録速度で記録するようにしたので、編集システムにおいてオペレータが必要とする映像特殊効果ミクサ25における処理だけは通常の転送速度で行え、これ以外の処理においては、通常の転送速度のn倍の転送速度で転送ができるので、編集効率を大幅に向上させると共に、編集しようとする素材を一時記録または記憶装置22へ記録または記憶させる時間や一時記録または記憶装置22から読み出した映像及び音声データを高速転送機26で記録或いは記憶する時間(オペレータにとっては待ち時間となる)を大幅に短縮することができる。また、素材を一時記録または記憶装置22に一旦記録または記憶し、この一時記録または記憶装置22に一旦記録または記憶した素材を編集するようにしているので、全ての編集が終了した後に高速転送機26に編集済み素材を記録するようにすると共に、次の編集時においては、一時記録または記憶装置22に記録または記憶されている編集済み素材に新たな編集済み素材を追加したり、或いは、新たに編集して得た素材を前に編集し記録或いは記憶されている編集済み素材のインサート部分以降を再度記録或いは記憶し、インサートすべき部分にインサート用の素材を記録或いは記憶すること等が一時記録または記憶装置22内で行うことができるので、高速転送機26にセットされているビデオテープカセットのテープ上にいわゆる継ぎ目をなくすようにでき、極めて精度の高い編集済みのテープ、例えばCM1本化テープ等の送出用のテープを作成することができる。
【0305】
また、高速転送機21及び26をVTRで構成した場合に再生系で高速に再生する場合は、xn個の記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−2n(この場合ではxは“2”である)を搭載した回転ドラムを通常の回転速度で回転させ、通常の走行速度のn倍の走行速度で走行させている磁気テープ39の記録トラックを走査し、各記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−2nで再生して得た再生映像及び音声データをn個のデータ抽出回路43−1〜43−n、n個のチャンネルデコーディング回路44−1〜44−n、n個のエラー訂正回路45−1〜45−n、n個の時間軸圧縮回路46−1〜46−nで夫々信号処理し、この信号処理した映像及び音声データをマルチプレクサ47でシリアルデータとして出力するようにしたので、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データをシリアルに出力して通常の処理時間の1/nの速度で一時記録または記憶装置22に記録または記憶することができる。
【0306】
一方、高速転送機21及び26をVTRで構成した場合に記録系で高速に記録する場合は、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データをデマルチプレクサでn個の映像及び音声データに分割し、n個の映像及び音声データをn個の時間軸伸長回路32−1〜32−n、n個のECC付加回路33−1〜33−n、n個のチャンネルコーディング回路34−1〜34−nで信号処理し、信号処理したn個の映像及び音声データをxn個の記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−2n(この場合ではxは“2”である)を搭載した回転ドラムを通常の回転速度で回転させ、通常の走行速度のn倍の走行速度で走行させている磁気テープ39を走査して記録するようにしたので、通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データを通常の処理時間の1/nの速度で磁気テープ39上に記録することができる。
【0307】
また、一時記録または記憶装置22のデマルチプレクサ61で通常の転送速度のn倍の転送速度の映像及び音声データをm個の映像及び音声データでタイムスロット毎に分割し、分割して得られたm個の映像及び音声データをm個のディスクドライブ78−1〜78−mにセットされているメディアに記録或いは記憶し、これら記録或いは記憶したm個の映像及び音声データをマトリクススイッチャ65で1つにまとめ(この1つとは、例えば1つの素材単位等)、この1つの映像及び音声データを出力インターフェース回路23−1〜23−kに選択的に供給すると共に、入力インターフェース回路24を介して供給される映像特殊効果ミクサ25からの映像及び音声データ、或いは外部からの音声データをデマルチプレクサ75でm個の映像及び音声データに分割し、分割したm個の映像及び音声データをディスクドライブ78−1〜78−mにセットしてあるメディアに夫々記録或いは記憶するようにし、これらのメディアに記録或いは記憶した映像及び音声データを読み出してマルチプレクサ81に供給し、マルチプレクサ81においてシリアルデータに変換して出力するようにしたので、編集効率を大幅に向上させ、記録、再生処理の待ち時間を少なくとも通常の1/nにでき、しかも、一時記録または記憶装置22を高速転送機21及び26間に介在させているので、例えば複数の編集すべき素材を夫々ディスクドライブ78−1〜78−mにセットされている各メディア或いは1つのメディアに記録または記憶し、これら一時記録または記憶装置22に記録或いは記憶している複数の素材をパラレルに映像特殊効果ミクサ25に供給して編集を行うことが簡単にできると共に、オペレータが何度も同じ素材で編集を行うという作業をいとも簡単に行うことができるようになる。
【0308】
また、出力インターフェース回路23−1〜23−kにおいて、映像及び音声データが圧縮符号化されている場合に圧縮復号化処理回路95によって圧縮復号化処理を施せるようにし、しかも、入力インターフェース回路24において、映像及び音声データを圧縮符号化を行えるようにしたので、映像データに対する圧縮符号化を選択できると共に、この選択の有無に関係なく、編集作業を行うことができる。また、上述の例においては、映像データにのみ圧縮符号化を行えるようにした場合について説明したが、当然音声データも映像データと同様に圧縮復号化することができることは明白であろう。このように、圧縮符号化を選択できるようにした編集システムにおいて、もしも圧縮符号化した場合においては、一時記録または記憶装置22の記録または記憶容量を等化的に大幅に増大させることができる。
【0309】
また、xn個のヘッドを回転ドラムに登載した場合に、通常の転送速度を必要とする場合は、磁気テープ39を通常の走行速度で、回転ドラムを通常の回転速度で回転させるようにしたので、編集作業においては、例えば確認、モニタリング等をそのための構成を追加することなく行うことができる。
【0310】
また、xn個のヘッドを回転ドラムに登載した場合に、通常の転送速度の1/nの転送速度を必要とする場合は、磁気テープ39を通常の走行速度で、回転ドラムを通常の回転速度の1/nの速度で回転させるようにしたので、編集作業においては、例えばエラーの少ない映像及び音声データの選択を行うことにより、より精度の高い編集結果を得ることができる。
【0311】
尚、上述の例においては映像及び音声データをNTSC方式の場合として説明したが、PAL方式、SECAM方式、或いは高精細度テレビジョン方式でもシステムクロックの周波数、記録/再生ヘッド38−1〜38−2nの個数、回転ドラムの回転数等、各構成要素における各種パラメータを設定すれば実現できる。勿論、映像及び音声データが高精細度テレビジョン方式の場合は、圧縮符号化、復号化処理を用いれば更に転送速度を向上させることができる。
【0312】
[第4実施例]
【0313】
尚、上記第3実施例においては、回転ドラム200に記録/再生ヘッド38−1、38−2、・・・・38−8を等間隔となるよう配置した場合について説明したが、4つずつを組として2つの組を互いに対向するように配置しても良い。この場合、等間隔で配置した場合と異なり、記録、再生のタイミングが組毎に異なることになる。効果としては、少なくとも1つの組を構成する4つのヘッドによる記録、再生タイミングが同じになるので、処理し易くなること、ヘッドの取り付けが組毎(4つのヘッドを1つのヘッドマウントに登載している場合)で済み組立工程が簡略化されること等があげられる。
【0314】
[第5実施例]
【0315】
また、上記第3実施例においてはリード角を設定する場合について説明したが、高速転送機21において、高速に記録したテープを高速に再生する場合は、リード角は通常の設定のままで良い。
【0316】
【発明の効果】
上述せる本発明編集システムによれば、高速再生部により、編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力し、この高速再生部からの再生情報を記録或いは記憶部で記録或いは記憶し、この記録或いは記憶部から読み出された情報に信号処理部で所定の信号処理を施し、この信号処理部から出力され、記録或いは記憶部に記録或いは記憶された情報が読み出されたときに、この読み出された情報を高速記録或いは記憶部で通常の記録或いは記憶速度のn倍の速度で記録或いは記憶し、記録或いは記憶部、信号処理部、高速記録或いは記憶部を制御部で制御するようにしたので、情報を編集する際に、編集すべき情報を再生し、その再生情報を転送する速度及び編集の後に転送し、記録する速度を大幅に向上させることができ、これによって、編集システムに適用した場合には、オペレータに作業し易い環境を提供できると共に、編集精度及び編集効率を大幅に向上させることができると共に、例えば編集済み素材に対する追加、インサート等の各種処理を後から行って、この後に編集素材を記録或いは記憶することによって最終的に得られた媒体上でのいわゆる継ぎ目等の発生をなくすことができる等、編集処理に応用性を持たせることができるという効果がある。
更に本発明の第1の編集システムによれば、半導体メモリを用いた場合においても、編集すべき情報の再生、転送を通常のn倍の速度で行うことができ、これによって、上述の効果に加え、編集システムにおける編集作業効率を向上させることができると共に、編集システムの構成を簡単にすることができるという効果がある。
更に本発明の第2の編集システムによれば、半導体メモリを用いた場合においても、編集済み情報の記録、転送を通常の速度のn倍の速度で行うことができ、編集済み情報の再生時には、通常の速度の再生信号を得ることができ、これによって、上述の効果に加え、簡単な構成、且つ、簡単な処理で必要とする転送速度を得ることができ、編集作業効率を向上させることができるという効果がある。
【0325】
更に上述において本発明編集システムによれば、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を第1のデマルチプレクサでn個の情報に分割し、通常の転送速度の入力情報を第2のデマルチプレクサでn個の情報に分割し、第1または第2のデマルチプレクサからの各n個の情報を記録或いは記憶手段で記録或いは記憶し、記録或いは記憶手段から読み出された複数個の情報をマトリクススイッチャで選択的に出力し、この記録或いは記憶手段から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度のn個の情報をマルチプレクサで元の情報に変換して出力するようにしたので、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を記録或いは記憶し、記録或いは記憶した通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を読み出し、通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を出力することができ、これによって、上述の効果に加え、編集システム内でのデータのマッチングを良好に行うことができ、これによって、編集効率の良い編集システムを得ることができるという効果がある。
【0326】
更に上述において本発明編集システムによれば、第1及び第2のデマルチプレクサ、記録或いは記憶手段とマトリクススイッチャとの間を第1または第2のデマルチプレクサ、記録或いは記憶手段からの情報の個数と同一の数のバスで接続し、バス上における入出力情報の時間的配分を制御部で制御するようにしたので、記録或いは記憶部における記録或いは記憶、読み出し等を効率良く行うことができ、これによって、上述の効果に加え、同時に複数の処理、例えば記録、再生、編集を行うことができるという効果がある。
【0329】
更に上述において本発明編集システムによれば、記録或いは記憶部の出力側及び信号処理部の入力側間に設けた伸長手段により、高速再生部からの通常速度のn倍の転送速度の情報を時間的に伸長し、記録或いは記憶部の入力側及び信号処理部の出力側或いは外部との間に設けた圧縮手段で信号処理部の出力或いは外部からの入力情報を時間的に圧縮するようにしたので、記録或いは記憶部に記録或いは記憶した通常速度のn倍の転送速度の情報を信号処理部で使用できるように出力でき、記録或いは記憶部から通常の転送速度のn倍の転送速度で情報を出力し、高速記録或いは記憶部に供給し、高速記録或いは記憶させることができ、これによって、上述の効果に加え、編集システムに通常の転送速度の機器を使用することができ、この機器を新たな仕様にしたり、新たにこの仕様の機器を製造しなくいで編集効率の良い編集システムを得ることができるという効果がある。
【0330】
更に上述において本発明編集システムによれば、記録或いは記憶部から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の情報をバッファメモリ手段に記憶し、このバッファメモリ手段からの通常の転送速度の出力情報を変速再生処理手段で変速再生処理し、この変速再生処理手段からの出力情報を出力手段で出力し、制御部からの制御信号に基いて再生制御通信手段がバッファメモリ手段変速再生処理部を制御するようにしたので、記録或いは記憶部に記録或いは記憶されている通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を通常の転送速度で出力でき、これによって、上述の効果に加え、編集システムにおける伸長処理を簡単な構成で行うことができるという効果がある。
【0332】
更に上述において本発明編集システムによれば、信号処理部或いは外部からの通常の転送速度の情報を入力手段で入力し、この入力手段からの出力情報をバッファメモリに一時的に記憶し、入力手段及びバッファメモリを記録制御通信手段で制御するようにしたので、記録或いは記憶部に記録或いは記憶されている通常の転送速度の情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力することができ、これによって、上述の効果に加え、記録或いは記憶部において高速に記録または記憶することができ、編集システムにおいて異なる転送速度のデータのマッチングを図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明編集方法及びシステムの第1実施例を示す構成図である。
【図2】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の要部の一例を示し、図1に示した高速転送機21及び26を1つの装置とした場合の構成図である。
【図3】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の要部の一例を示し、図1に示した一時記録または記憶装置22の構成図である。
【図4】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の要部の一例を示し、図1に示した入力インターフェース回路24の構成図である。
【図5】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の要部の一例を示し、図1に示した出力インターフェース回路23−1、23−2、・・・・23−kの構成図である。
【図6】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する転送フォーマットとテープ記録トラックパターンの関係を説明するための説明図である。
【図7】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する高速転送機の記録系における信号処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する高速転送機の再生系における信号処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する一時記録または記憶装置における高速転送記録或いは記憶動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する一時記録または記憶装置における高速転送再生動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】本発明編集方法及びシステムの第1実施例の説明に供する入力インターフェース回路24における通常速度再生、記録時の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明編集方法及びシステムの第2実施例の要部の構成例を示す構成図である。
【図13】本発明編集方法及びシステムの第3実施例の要部の一例を示し、図1に示した高速転送機21及び26を1つの装置とした場合の構成図である。
【図14】A 本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する回転ドラムへの記録/再生ヘッドの登載例を示す説明図である。
B 本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する回転ドラムの段差を説明するための説明図である。
C 本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供するリード角を説明するための説明図である。
D 本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する通常のリード角の一例を説明するための説明図である。
E 本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する通常のリード角の4倍のリード角(即ち通常の転送速度の4倍の転送速度を得る場合)の一例を説明するための説明図である。
【図15】本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する転送フォーマットとテープ記録トラックパターンの関係を説明するための説明図である。
【図16】本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する高速転送機の記録系における信号処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図17】本発明編集方法及びシステムの第3実施例の説明に供する高速転送機の再生系における信号処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】従来の編集システムの例を示す構成図である。
【符号の説明】
20、29 ビデオテープカセット、 21、26 高速転送機、 22 一時記録または記憶装置、 23−1、23−2、・・・・23−k、98、102 出力インターフェース回路、 24、111、116 入力インターフェース回路
25 映像特殊効果ミクサ、 27、49、157 制御部、 28 操作部、 31、61、75 デマルチプレクサ、 32−1、32−2、・・・・32−n、151 時間軸伸長回路、 33−1、33−2、・・・・33−n、152 ECC(エラー・コレクション・コード)付加回路、 34−1、34−2、・・・・34−n CHCOD(チャンネルコーダ)、 35−1、35−2、・・・・35−n 記録増幅回路、 36−1、36−2、・・・・36−n スイッチ
37−1、37−2、・・・・37−n、37−n+1、37−n+2、・・・・37−2n ロータリートランス、 38−1、38−2、・・・・38−n、38−n+1、・・・・38−2n記録/再生ヘッド、 39 磁気テープ、42−1、42−2、・・・・42−n 再生増幅回路、 43−1、43−2、・・・・43−n データ抽出回路、 44−1、44−2、・・・・44−n CHDEC(チャンネルデコーダ)、 45−1、45−2、・・・・45−n、163 エラー訂正回路、 46−1、46−2、・・・・46−n、164 時間軸圧縮回路、 47 マルチプレクサ、 50、76、158 システムコントローラ、 52、160 システムクロック/同期信号発生回路、 65 マトリクススイッチャ、 78−1、78−2、・・・・78−m ディスクドライブ、 80−1、80−2、・・・・80−m ディスクコントローラ、 91−1、91−2、・・・・91−m デコード及び書き込み制御回路、92−1、92−2、・・・・92−m FIFO(ファースト・イン・ファースト・アウトメモリ)、 94 読み出し制御回路、 95 圧縮復号化処理回路、 96、97 変速再生処理回路、 100、104 D−Aコンバータ、 107 再生制御通信コントローラ、 113、118 A−Dコンバータ、 120 圧縮符号化回路、 121 バッファメモリ、 123 記録制御通信コントローラ、 152 ECC(エラー・コレクション・コード)付加回路、 154 入出力制御回路、 155 半導体メモリ、 156 書き込み/読み出し回路
Claims (10)
- 半導体メモリと、書き込み/読み出し制御手段とを含んでおり、入力情報を上記半導体メモリに記憶する際に、上記書き込み/読み出し制御手段が、上記半導体メモリに書き込みのための制御信号を供給し、上記半導体メモリから記憶した情報を読み出す際には、通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出せるように、上記書き込み/読み出し制御手段が、少なくとも上記入力情報を上記半導体メモリに記憶する際に用いる書き込み用の制御信号のn倍の速度の読み出し用の制御信号を上記半導体メモリに供給することにより、編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して上記情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力する高速再生部と、
上記高速再生部からの上記再生情報を記録或いは記憶する、記録或いは記憶部と、
上記記録或いは記憶部から読み出された情報に所定の信号処理を施す信号処理部と
上記信号処理部から出力され、上記記録或いは記憶部に記録或いは記憶された上記情報が通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出されたときに、この読み出された情報を通常の記憶速度のn倍の速度で記録或いは記憶する高速記録或いは記憶部と、
上記高速再生部、上記記録或いは記憶部、上記信号処理部、上記高速記録或いは記憶部を制御する制御部と
を有し、
上記記録或いは記憶部を、上記通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を複数個の情報に分割する第1のデマルチプレクサと、上記通常の転送速度の入力情報を複数個の情報に分割する第2のデマルチプレクサと、上記第1または第2のデマルチプレクサからの各複数個の情報を記録或いは記憶する記録或いは記憶手段と、上記記録或いは記憶手段から読み出された複数個の情報を選択的に出力するマトリクススイッチャと、上記記録或いは記憶手段から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の複数個の情報を元の情報に変換して出力するマルチプレクサとで構成した
ことを特徴とする編集システム。 - 上記第1及び第2のデマルチプレクサ、上記記録或いは記憶手段と上記マトリクススイッチャとの間を上記第1または第2のデマルチプレクサまたは上記記録または記憶手段からの情報の個数と同一の数のバスで接続し、上記バス上における入出力情報の時間的配分を制御する制御部を設けたことを特徴とする請求項1記載の編集システム。
- 上記記録或いは記憶部の出力側及び上記信号処理部の入力側間に上記高速再生部からの通常速度のn倍の転送速度の情報を時間的に伸長する伸長手段と、上記記録或いは記憶部の入力側及び上記信号処理部の出力側或いは外部との間に上記信号処理部の出力或いは外部からの入力情報を時間的に圧縮する圧縮手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の編集システム。
- 上記伸長手段を、上記記録或いは記憶部から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を記憶するバッファメモリ手段と、このバッファメモリ手段からの通常の転送速度の出力情報を変速再生処理する変速再生処理手段と、この変速再生処理手段からの出力情報を出力する出力手段と、上記制御部からの制御信号に基いて上記バッファメモリ手段、上記変速再生処理部を制御する再生制御通信手段とで構成したことを特徴とする請求項3記載の編集システム。
- 上記圧縮手段を、上記信号処理部或いは外部からの通常の転送速度の情報を入力するための入力手段と、この入力手段からの出力情報を一時的に記憶するバッファメモリと、上記入力手段及び上記バッファメモリを制御する記録制御通信手段とで構成したことを特徴とする請求項3記載の編集システム。
- 編集すべき情報を通常の再生速度のn倍の速度で再生して上記情報を通常の転送速度のn倍の転送速度で出力する高速再生部と、
上記高速再生部からの上記再生情報を記録或いは記憶する、記録或いは記憶部と、
上記記録或いは記憶部から読み出された情報に所定の信号処理を施す信号処理部と
半導体メモリと、書き込み/読み出し制御手段とを含んでおり、上記信号処理部から出力され、上記記録或いは記憶部に記録或いは記憶された上記情報が通常の転送速度のn倍 の転送速度で読み出されて、この読み出された情報を上記半導体メモリに記憶する際に、上記書き込み/読み出し制御手段が、上記半導体メモリに書き込みのための制御信号を供給することにより、この通常の転送速度のn倍の転送速度で読み出された情報を通常の記憶速度のn倍の速度で記憶し、上記半導体メモリから記憶した情報を読み出す際には、通常の転送速度で読み出せるように、上記書き込み/読み出し制御手段が、少なくとも上記半導体メモリに情報を記憶する際に用いる書き込み用の制御信号の1/n倍の速度の読み出し用の制御信号を上記半導体メモリに供給する高速記憶部と、
上記高速再生部、上記記録或いは記憶部、上記信号処理部、上記高速記憶部を制御する制御部と
を有し、
上記記録或いは記憶部を、上記通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を複数個の情報に分割する第1のデマルチプレクサと、上記通常の転送速度の入力情報を複数個の情報に分割する第2のデマルチプレクサと、上記第1または第2のデマルチプレクサからの各複数個の情報を記録或いは記憶する記録或いは記憶手段と、上記記録或いは記憶手段から読み出された複数個の情報を選択的に出力するマトリクススイッチャと、上記記録或いは記憶手段から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の複数個の情報を元の情報に変換して出力するマルチプレクサとで構成した
ことを特徴とする編集システム。 - 上記第1及び第2のデマルチプレクサ、上記記録或いは記憶手段と上記マトリクススイッチャとの間を上記第1または第2のデマルチプレクサまたは上記記録または記憶手段からの情報の個数と同一の数のバスで接続し、上記バス上における入出力情報の時間的配分を制御する制御部を設けたことを特徴とする請求項6記載の編集システム。
- 上記記録或いは記憶部の出力側及び上記信号処理部の入力側間に上記高速再生部からの通常速度のn倍の転送速度の情報を時間的に伸長する伸長手段と、上記記録或いは記憶部の入力側及び上記信号処理部の出力側或いは外部との間に上記信号処理部の出力或いは外部からの入力情報を時間的に圧縮する圧縮手段とを設けたことを特徴とする請求項6記載の編集システム。
- 上記伸長手段を、上記記録或いは記憶部から読み出された通常の転送速度のn倍の転送速度の情報を記憶するバッファメモリ手段と、このバッファメモリ手段からの通常の転送速度の出力情報を変速再生処理する変速再生処理手段と、この変速再生処理手段からの出力情報を出力する出力手段と、上記制御部からの制御信号に基いて上記バッファメモリ手段、上記変速再生処理部を制御する再生制御通信手段とで構成したことを特徴とする請求項8記載の編集システム。
- 上記圧縮手段を、上記信号処理部或いは外部からの通常の転送速度の情報を入力するための入力手段と、この入力手段からの出力情報を一時的に記憶するバッファメモリと、上記入力手段及び上記バッファメモリを制御する記録制御通信手段とで構成したことを特徴とする請求項8記載の編集システム。
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