JP3832291B2 - カメラ装置及びカメラ装置における発光制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)からの光を被写体に照射して撮影を行うカメラ装置及びカメラ装置における発光制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
従来、銀塩カメラや電子スチルカメラ等のカメラ装置においては、暗所での撮影時や逆光での撮影時に適正な撮影を可能とするために、ストロボで代表される閃光装置が設けられている。この閃光装置の多くは放電管を利用している。また、レンズの前面に各種フィルターを選択的に装着して撮影することも行われている。各種フィルターを選択的に用いることにより、撮影画像を実際の目で見た画像とは雰囲気が異なるものとしたり画像に色を付加する等、使用したフィルターに対応する特殊効果(フィルター効果)を撮影画像に付与することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、放電管を利用した閃光装置は、その閃光のためにコンデンサに電力をチャージする必要がある。したがって、コンデンサに電力をチャージしている間は発光できないという制約があり、シャッターチャンスを失ってしまう場合がある。
【0007】
また、フィルターをレンズの前面に装着して所望の特殊効果を得るには、使用するであろう複数のフィルターを常に携帯する必要があり、煩雑となってしまう。さらに、現在レンズ前面に装着されているフィルターを他のフィルターに交換する交換作業を要することから、この点においても煩雑であるとともに、交換作業時間を要することによりシャッターチャンスを失ってしまう場合もあった。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、制約や煩雑性を伴うことなく特殊効果(フィルター効果)を撮影画像に付与することのできるカメラ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために請求項1の発明にあっては、カメラ本体に配置され赤、緑、青の発色光を被写体に照射する複数の発光ダイオードからなる発光手段と、操作入力に応じてこれら複数の発光ダイオードの少なくとも一つの発光量を可変的に設定する設定手段と、撮像した画像をスルー画像として表示する表示手段と、前記設定手段により設定された発光量に従って、撮影時における前記複数の発光ダイオードの発光量を制御する制御手段と、を備え、前記設定手段は、前記複数の発光ダイオードの赤、緑、青、各色毎に発光量に応じたメータ表示を前記スルー画像に重ねて表示手段に表示させるとともに、前記複数の発光ダイオードを発光させることを特徴としている。
【0011】
つまり、この発明は、複数の発光ダイオードからなる発光手段を撮影時の閃光装置として用いるものである。したがって、閃光装置としてストロボを用いた場合のように、コンデンサに電力をチャージしている間は発光できないという制約がなく、シャッターチャンスを失ってしまうこともない。
【0012】
また、赤、緑、青の発色光を被写体に照射する複数の発光ダイオードの少なくとも一つの発光量を可変的に設定して、撮影時における複数の発光ダイオードの発光量を制御すれば、複数の発光ダイオードからなる発光手段からの発光色が変化する。したがって、所望の色を被写体に照射して撮影を行うことができ、複数のフィルターを携帯したり、レンズ前面に装着されているフィルターを他のフィルターに交換する交換作業を要することなく、撮影者が所望する特殊効果を撮影画像に付与することができる。さらに、発光手段から被写体に照射される光の色を任意に変化させることができ、複数の発光ダイオードからの発光により生成される発光色をスルー画像で見ることにより目で確認しつつ、所望の発光色設定することが可能となる。
【0019】
また、請求項2記載の発明にあっては、カメラ本体に配置され赤、緑、青の発色光を被写体に照射する複数の発光ダイオードからなる発光手段を制御する発光制御方法であって、記載したステップでMPU等に処理を実行させることにより、請求項1に記載した発明と同様の効果を得ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1〜3は、本実施の形態にかかる電子スチルカメラ1の外観を示す図であって、図1は正面図、図2は平面図、図3は背面図である。
【0022】
図1に示すように電子スチルカメラ1は、カメラ本体2の正面側にレンズ3、調光センサ4、及びLED(Light Emitting Diode)群5を有する。このLED群5は、発光色が赤である赤色LED51R〜55R、発光色が緑である緑色LED51G〜55G、及び発光色が青である青色LED51B〜55Bで構成され、各々5個ずつ水平方向に配列されている。これら赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bは、後述するMPU19の制御により、個々に点灯及び消灯が可能であるのみならず、個々に発光量も可変である。したがって、LED群5は、赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの点灯、消灯及び発光量(以下、点灯、消灯及び発光量を総称して単に発光量という。)により、あらゆる色の発光及び同一色であっても濃度が異なる色の発光が可能である。
【0023】
図2に示すようにカメラ本体2の上面には、撮影ダイアル6、電源/ファンクションスイッチ7、シャッターキー8、コントロールパネル9、及び複数の機能キー10が設けられている。撮影ダイアル6は、「人物撮影モード」「マクロ撮影モード」等の撮影モードを設定するためのダイアルである。また、図3に示すように背面には、メニューキー11、カーソルキー12、セットキー13、液晶モニター・スイッチ14、光学ファインダ15、及びTFT液晶モニター16が設けられている。
【0024】
図4は、電子スチルカメラ1の電気的構成の概略を示すブロック構成図である。電子スチルカメラ1は、撮像手段であるCCD17により撮像した画像をJPEG形式に変換する等の画像処理機能を備えたMPU19を中心に構成されている。CCD17の受光面には、前記レンズ3、フォーカスレンズ20、絞り21を通過して被写体の光学像が結像される。フォーカスレンズ20はAFモータ等からなる駆動機構22に保持されており、MPU19からの制御信号によりAFドライバー23が出力する駆動信号が駆動機構22に供給されることにより光軸上を前後に移動する合焦動作を行う。絞り21は、MPU19からの制御信号に基づき絞り駆動部24が発生する駆動信号により駆動し、CCD17に入射する被写体像の光量を調整する。
【0025】
また、MPU19には、タイミング信号を発生するTG(Timing Generator )25が接続されており、TG25が発生したタイミング信号に基づきVドライバー26(垂直方向ドライバー)がCCD17を駆動し、それに伴いCCD17により被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号が出力されユニット回路18へ送られる。ユニット回路18は、CCD17から出力された撮像信号を保持するCDSと、CDSから撮像信号を供給されるアナログアンプであるゲイン調整アンプ(AGC)と、ゲイン調整アンプに増幅され調整された撮像信号を画像データに変換するA/D変換器(AD)とからなり、CCD17の出力信号は、ここで黒レベルを合わせてサンプリングされデジタル信号としてMPU19に送られる。送られたデジタル信号(撮像信号)はDRAM27に一時保存されるとともに、MPU19によって各種の画像処理が施された後、最終的には圧縮された映像信号としてフラッシュメモリ(FLASH)28に保存される。保存された映像信号は、必要に応じてMPU19に読み出され、伸長処理、輝度信号及び色信号の付加等の処理を経てデジタルビデオ信号やアナログビデオ信号に生成される。
【0026】
さらに、MPU19にはMROM29と、電源回路30、図1〜3に示した各種のキーやスイッチを含む操作キー部31、前記TFT液晶モニター16、前記LED群5が接続されている。MROM29は、後述するフローチャートに示すMPU19の動作プログラムが記録されたプログラムROMである。また、MROM29には撮影時の適正な露出値(EV)に対応する絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータが格納されている。
【0027】
加えて、MROM29には、後述する図5(E)に示すように、「白」「赤」「緑」「黄」「橙」・・・等の色のサンプルと、当該色の光を発生させるための赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量とが対応して記憶されている。さらに、MROM29には、前記撮影ダイアル6の操作により「人物撮影モード」が設定された場合に、人物を見栄えよく撮影できる赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量と、「マクロ撮影モード」が設定された場合に、接写の被写体を見栄えよく撮影できる赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量とが記憶されている。
【0028】
MPU19は、内蔵するRAMをワーキングメモリとして前記動作プログラムに従い動作することにより本発明の設定手段及び制御手段として機能する。また、前記プログラム線図に従って前記CCD17の電荷蓄積時間や、前記絞り21の開放度、前記ユニット回路18のゲイン調整アンプ(AGC)のゲイン設定等を行う。MPU19が設定した電荷蓄積時間はシャッターパルスとして、TG25を介してVドライバー26に供給され、これに従いVドライバー26がCCD17を駆動することにより電荷蓄積時間すなわち露光時間が制御される。つまりCCD17は電子シャッターとして機能する。また、MROM29に格納された動作プログラムには、オートフォーカス制御に関するプログラムが含まれており、かかるプログラムに基づきMPU19は、前記フォーカスレンズ20を駆動させピント合わせ(オートフォーカス)を行う。
【0029】
TFT液晶モニター16は、録画モードにおいては逐次撮像された画像をスルー画像として表示し、再生モードにおいては前記フラッシュメモリ28に記録された画像データから生成されたアナログビデオ信号に基づく映像を表示する。LED群5は、シャッターキー8の操作時(撮影時)に必要に応じて駆動され補助光を発する。
【0030】
なお、前述したMROM29に記憶されているプログラムデータ等は、その記録内容の保持が可能であれば、別途固定的に設けたもの、若しくは脱着自在に装着可能なICカード等の他の記録媒体に記録される構成にしてもよく、更に、前記プログラムデータ等をパソコン等の他の機器から供給可能な構成としてもよい。
【0031】
次に、以上の構成からなる電子スチルカメラ1の動作について説明する。ユーザがメニューキー11を操作すると、図5(A)に示す「通常発光」「発光設定」・・・等のメニューがTFT液晶モニター16に表示される。ここで「通常発光」は、撮影時にLED群5を構成する全てのLEDを発光させて通常のフラッシュとして用いる場合の設定であり、「発光設定」は後述するようにLED群5を構成するLEDの発光量制御により、フィルターを用いた場合と同様の特殊効果を撮影画像に付与するための設定である。
【0032】
そして、図5(A)の画面状態においてユーザがカーソルキー12を操作して「発光設定」上にカーソルを移動させて、セットキー13を操作すると、「発光設定」が選択されたこととなる。すると、図5(B)に示す「マニュアル」「撮影シーン」「撮影画像」「予備撮影」からなる次の発光モードのメニュー画面がTFT液晶モニター16に表示される。
【0033】
この状態からMPU19は、MROM29に格納されているプログラムに従って図6のフローチャートに示す手順で処理を実行する。すなわち、図5(B)に示した「マニュアル」「撮影シーン」「撮影画像」「予備撮影」のいずれかがユーザに選択(設定)されたかを判断する(ステップS1)。そして、前述と同様のカーソルキー12とセットキー13の操作により、「マニュアル」が選択された場合にはマニュアルモード処理を実行し(ステップS2)、「撮影シーン」が選択された場合には撮影シーン対応モード処理を実行する(ステップS3)。また、「撮影画像」が選択された場合には撮影画像対応モード処理を実行し(ステップS4)、「予備撮影」が選択された場合には予備撮影モード処理を実行する(ステップS5)。
【0034】
▲1▼マニュアルモード処理
図5(B)に示すように「マニュアル」が選択されて、ステップS2のマニュアルモード処理が選択されると、図7に示すフローチャートに従ってマニュアルモード処理が実行される。まず、図5(C)に示す「発光ON」と「発光OFF」とからなる次のメニュー画面がTFT液晶モニター16に表示され、この表示状態で、ユーザはカーソルキー12とセットキー13の操作により、「発光ON」又は「発光OFF」を選択する(ステップS21)。
【0035】
「発光する」が選択された場合には、図5(D)に示すようにTFT液晶モニター16には、RED(赤)、GREEN(緑)、BLUE(青)毎にメーターを表示させ、このメータ表示させた発光量でLED群5を構成する赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bを発光させて、RGB各LEDの発光量を決定する(ステップS22)。
【0036】
すなわち、図5(D)に示したように、TFT液晶モニター16にRED(赤)、GREEN(緑)、BLUE(青)毎のメーターが表示されている状態で、カーソルキー12を操作すると、これに伴って各メーターの点灯数が変化し、かつ、これに同期して赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量が変化する。したがって、ユーザはカーソルキー12を操作し、赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量を変化させて、メーターを参照しつつ実際に被写体に当たる光の色を観察する。無論、発光させるのはRGBのうち一つだけでもよいし、三色を任意に組み合わせることもできる。そして、所望の色の光が被写体に当たった時点で、セットキー13を操作すると、ステップS22での処理によりRGBの発光量が決定される。
【0037】
ここで、TFT液晶モニター16には、図5(D)に示したような、RED(赤)、GREEN(緑)、BLUE(青)毎のメーターだけを表示しても良いが、撮像されたスルー画像の上に重ねて表示するようにしても良い。重ねた表示例としては、スルー画像の全面に重ねて表示しても、スルー画像の右端等に小さくサブ画面のように重ねてもかまわない。ユーザが光に当たっている被写体をスルー画像でも確認することができ、各LEDの設定が更にやりやすくなる。
【0038】
しかる後に、シャッターキー8が操作されると、撮影処理が実行されて(ステップS24)、前述のステップS22で決定されたRGBの発光量に従って赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bを発光させて、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0039】
また、ステップS21での選択の結果、「発光する」が選択されてなかった場合には、色のサンプルメニューからRGBの発光量を決定する(ステップS23)。すなわち、「発光する」が設定されていない場合には、TFT液晶モニター16には、図5(E)に示すように、「白」「赤」「緑」「黄」「橙」・・・等の色のサンプルが表示される。この表示状態で、カーソルキー12を操作してカーソルを所望のサンプル上に移動させてセットキー13を操作により、サンプルメニューからの色の決定がなされる。したがって、この場合にはLED群5の点灯及びこれに伴う電力消費がないことから、予め所望の発光色が決定されているならば、「発光する」を選択しない方が好ましい。
【0040】
この表示される色のサンプルと、当該色の光を発生させるための赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量との関係は、前述のようにMROM29に記憶されている。したがって、ステップS23の処理が終了した後、シャッターキー8が操作されて撮影処理が実行されると(ステップS24)、決定された色のサンプルに対応する発光量で赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光している状態で、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0041】
したがって、以上のマニュアルモード処理によれば、ユーザがLEDの発光量を任意に設定して、所望の色を被写体に投光して撮影を行うことができる。よって、従来にように、複数のフィルターを携帯したり、レンズ前面に装着されているフィルターを他のフィルターに交換する交換作業を要することなく、容易に撮影者が所望する特殊効果を撮影画像に付与することができる。
【0042】
▲2▼撮影シーン対応モード処理
【0043】
前記撮影シーン対応モード処理(ステップS3)が選択されると、図8に示すフローチャートに従って撮影シーン対応モード処理が実行される。まず、ユーザの前記撮影ダイアル6の操作により「人物撮影モード」が設定されているか否かを判断する(ステップS31)。「人物撮影モード」が設定されていた場合には、前述のようにMROM29に記憶されている、「人物撮影モード」が設定されていた場合に、人物を見栄えよく撮影できる赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量を読み出して設定する(ステップS32)。そして、シャッターキー8が操作されて撮影処理が実行されると(ステップS35)、設定された発光量で赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光している状態で、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0044】
また、「人物撮影モード」が設定されていない場合には「マクロ撮影モード」が設定されているか否かを判断する(ステップS33)。「マクロ撮影モード」が設定されていた場合には、前述と同様にMROM29に記憶されている、「マクロ撮影モード」が設定されていた場合に、接写の被写体を見栄えよく撮影できる赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量を読み出して設定する(ステップS34)。ここで、「マクロ撮影モード」時には、接写によりカメラ本体2が被写体に近づいて影になり易いことを考慮して、RGBの発光量が設定されている。そして、シャッターキー8が操作されて撮影処理が実行されると(ステップS35)、設定された発光量で赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光している状態で、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0045】
したがって、この撮影シーン対応モードによれば、「人物撮影モード」及び「マクロ撮影モード」において、各モードに適したLEDの発光が行われて、見栄えのよい撮影を行うことができる。また、フィルター効果に関する知識がないユーザであっても、通常の撮影とは異なる雰囲気の画像を容易に撮影することができる。
【0046】
なお、本実施の形態における撮影シーン対応モード処理では、予めMROM29に記憶されている各撮影モードに対応するRGBの発光量を読み出して、LED群5を発光させるようにしたが、後述する撮影画像対応モードの機能を組み合わせて、被写体画像を検出してRGBの発光量を設定するようにしてもよい。これにより、「人物撮影モード」において当該人物の皮膚の色(色白、色黒)に応じた適切なRGB発光や、逆光を考慮したRGB発光が可能となる。また、マクロ撮影も同様に被写体が例えば花の場合、色も様々であるので、被写体を検出してから、被写体画像を検出してRGBの発光量を設定するようにしてもよい。
【0047】
▲3▼撮影画像対応モード処理
【0048】
前記撮影画像対応モード(ステップS4)が選択されると、図9に示すフローチャートに従って撮影画像対応モード処理が実行される。まず、CCD17からの画像を分析する(ステップS41)。ここで、画像の分析とは、画像全体の色の割合、例えば全体的に黄色い、青い等の判断であり、この分析結果により画像に合うRGBの発光量を決定する(ステップS42)。そして、シャッターキー8が操作されて撮影処理が実行されると(ステップS43)、設定された発光量で赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光している状態で、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0049】
したがって、この撮影画像対応モードによれば、被写体が真っ赤な花であるとそれに見合うようなRGB発光がなされ、夕焼けなどの光で全体的に橙色がかった状況である場合には、違和感のない同系色の発光がなされる等のRGB発光がなされる。よって、前述した撮影シーン対応モードと同様にユーザは特に意識することなく、しかも撮影モードに関係なくどのような撮影モードの時であっても、容易に見栄えのよい画像を撮影することができる。
【0050】
▲4▼予備撮影モード処理
【0051】
前記予備撮影モード(ステップS5)が選択されると、図10に示すフローチャートに従って予備撮影モード処理が実行される。先ず一回目の撮影を行って設定したい色の被写体を撮影する(ステップS51)。つまり、ある色の壁があり、この壁に色と同じ色をLED群5により発光させたい場合には、LED群5をOFFにした状態で当該壁を撮影する。次に、撮影した画像から発光色を設定する(ステップS52)。つまり、前記壁が橙色であれば、LED群5の発光により橙色が照射されるように、赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bの発光量を設定する。
【0052】
しかる後に、ユーザが撮影したい被写体にレンズ3を向けてシャッターキー8を操作すると、前述のステップS52で設定された発光量で赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光動作して、二回目の撮影、発光がなされる(ステップS53)。次いで、撮影処理が実行されて(ステップS54)、赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bが発光している状態で、撮像した画像をフラッシュメモリ28に保存する。
【0053】
したがって、この予備撮影モードによれば、周囲に存在する壁等の物体の色に近似する色の発光を行うことができ、例えば、ステップS51の一回目の撮影で蛍光灯を撮影することにより、ステップS53では蛍光灯の発光色と同一色あるいは近似色をLED群5から発光させることができる。よって、屋外で撮影しても、蛍光灯のある室内で撮影したかの如く表現された画像を撮影することができる。また、マニュアルモードでの設定では困難な中間色発光も自動設定することができ、容易に微妙な色の発光設定が可能となる。
【0054】
なお上記の各モードにおいて、画像を保存した後の次の撮影は、図5(A)〜(B)に示すメニュー画面で変更をしない限り前回と同じ設定で撮影が行われる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、赤色LED51R〜55R、緑色LED51G〜55G、青色LED51B〜55Bを5個ずつ水平方向に直線的に配置するようにしたが、LED群5を構成するLEDの配置形態や個数はこれに限ることなく、撮影時に必要な光量が得られれば、他の配置形態及び個数であってもよく、また、赤、青、緑のLEDは同数である必要もない。
【0056】
【発明の効果】
【0057】
以上説明したように本発明は、複数の発光ダイオードからなる発光手段を撮影時の閃光装置として用いるようにしたことから、発光できないという制約がなく、シャッターチャンスを失ってしまう不都合を解消することができる。また、所望の色を被写体に照射して撮影を行うことができることから、複数のフィルターを携帯したり、フィルター交換作業を要することなく、容易に特殊効果を撮影画像に付与することができる。
【0058】
また、設定時には、複数の発光ダイオードの赤、緑、青、各色毎に発光量に応じたメータ表示をスルー画像に重ねて表示させるとともに、複数の発光ダイオードを発光させるようにしたことから、複数の発光ダイオードからの発光により生成される発光色を目で確認しつつ設定を行うことができ、容易かつ正確に所望の発光色設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子スチルカメラの正面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同背面図である。
【図4】同電子スチルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図5】同電子スチルカメラの表示遷移図である。
【図6】同電子スチルカメラにおける処理手順を示すゼネラルフローチャートである。
【図7】マニュアルモードの詳細手順を示すフローチャートである。
【図8】撮影シーン対応モードの詳細手順を示すフローチャートである。
【図9】撮影画像対応モードの詳細手順を示すフローチャートである。
【図10】予備撮影モードの詳細手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子スチルカメラ
2 カメラ本体
3 レンズ
5 LED群
6 撮影ダイアル
7 電源/ファンクションスイッチ
8 シャッターキー
9 コントロールパネル
11 メニューキー
12 カーソルキー
13 セットキー
16 TFT液晶モニター
17 CCD
19 MPU
28 フラッシュメモリ
29 MROM
31 操作キー部
51B〜55B 青色LED
51G〜55G 緑色LED
51R〜55R 赤色LED
Claims (2)
- カメラ本体に配置され赤、緑、青の発色光を被写体に照射する複数の発光ダイオードからなる発光手段と、
操作入力に応じてこれら複数の発光ダイオードの少なくとも一つの発光量を可変的に設定する設定手段と、
撮像した画像をスルー画像として表示する表示手段と、
前記設定手段により設定された発光量に従って、撮影時における前記複数の発光ダイオードの発光量を制御する制御手段と、を備え、
前記設定手段は、前記複数の発光ダイオードの赤、緑、青、各色毎に発光量に応じたメータ表示を前記スルー画像に重ねて表示手段に表示させるとともに、前記複数の発光ダイオードを発光させることを特徴とするカメラ装置。 - カメラ本体に配置され赤、緑、青の発色光を被写体に照射する複数の発光ダイオードからなる発光手段を制御する発光制御方法であって、
撮像した画像をスルー画像として表示する表示ステップと、
前記複数の発光ダイオードの赤、緑、青、各色毎に発光量に応じたメータ表示を前記スルー画像に重ねて表示させるとともに、前記複数の発光ダイオードを発光させ、前記複数の発光ダイオードの少なくとも一つの発光量を可変的に設定する設定ステップと、
この設定ステップで設定された発光量に従って、撮影時における前記複数の発光ダイオードの発光量を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とするカメラ装置における発光制御方法。
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