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JP3828935B2 - 浮遊する表面層を水表面からすくい集めるための方法と装置 - Google Patents

浮遊する表面層を水表面からすくい集めるための方法と装置 Download PDF

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JP3828935B2
JP3828935B2 JP50921197A JP50921197A JP3828935B2 JP 3828935 B2 JP3828935 B2 JP 3828935B2 JP 50921197 A JP50921197 A JP 50921197A JP 50921197 A JP50921197 A JP 50921197A JP 3828935 B2 JP3828935 B2 JP 3828935B2
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Description

この発明は,水上を浮遊する油を回収する場合などに、水塊(body of water)から表面層をすくい集めるため(for skimming)の方法と装置に関する。
本発明は以降に詳述される適用例に関する特定の参照例で説明されているが、また、油以外の浮遊物を回収する場合にもおいても同様に役に立つ。
特に、本発明は水塊中に浸漬するようになっており、その頂部が水表面に位置するようになされたせき(weir)によって決まる流入口(inflow opening)を有した収集用隔室(compartment)を具備させるという技法に関連するものである。
収集用せきは水表面に対して相対的にあふれ込む位置に保つように制御され、同時に水が収集用隔室の下側の部分から排出される。収集用せきの上を流れる油と水は収集用隔室内に上端より補給される。
油の流入は収集用せきの位置を水表面に対して相対的に制御することによって、そして、収集用隔室の下側の部分からの水の排出を制御することによって制御される。
油の密度は水よりも相対的に低密度であるから、収集用隔室内では油は下方の水の上側に油の層を形成する。
収集用隔室に集められる油は、種々の方法により取除くことができる。
例えば、油塊はポンプ駆動によって適当なより大きな収集容器(bessel)か収集閉容器(container)へと間歇的に或いは連続的に送られる。
発明の第一の目的は、上述した如き技法を遂行させるのに必要な方法と装置を提供することになっている。
発明の特徴は付随する図面に示されており、以下の説明中で図面の各部に関連づけて記述されている。
図1〜3は、回収されるべき油の層が表面に浮かんでいる水塊中での異なった位置(高さ)における本発明の収集装置を図式的に例示している。即ち、
図1Aと2Aは収集用装置の変更例を示しておりそれぞれ図1及び2と対応した同様の視点での図である。
図4〜7は、本発明に基づく収集用装置の好ましい実施態様を示している。
図1及び2に模式的に図示されている様に、本発明による収集装置はその側壁が直立しており典型的には円筒状の下方部分12とこれと同様な直立して典型的には円筒状で上記下方部分12内を入れ子式に移動可能な上方部分13を持った収集容器11を含み構成されている。
上方部分の下端部は外方に向かった環状のフランジ14を有し、該フランジ14は下方部分12の内方部と水密性を保ち係合されていて上端には環状の第1浮揚体15(buoyancy body)を備えている。
収集容器11の底壁16は中央開口部17を有しており、この中央開口部17を介してポンプ18が収集容器により形成されている上方開口形状の収集用隔室Aに対して注水あるいは排水を行う。
収集容器11と係合し中央開口部20が設けられた水平の覆い板19(cover plate)が具備されている。
この覆い板19は図1〜3では細線にて示されている支持部材19Aを介して容器下方部分12に堅く結合されている。
部分的に表れている収集用閉容器21は覆い板19に水密的に(sealingly)結合されており、閉容器の取入口部分21Aが覆い板の開口部20の真上に位置するようになっている。
収集閉容器21は、例えば,可撓性を有するフィルムあるいはシート材によって形成された浮いている管状(tubular)の“タンク”を用いることができ、後述する如くのやり方、収集容器11から送られてくる油を受入れて貯留するのに役立つ。
開口部20の回りに取付けられた封止リング22が収集閉容器21と覆い板19との間の水密性を担っている。
また、収集容器11と関連づけられて第2輪状の浮揚体23が設けられている。この浮揚体23は、第1浮揚体15の内部に実質的に同軸状に位置せしめられていて付随した環状のスカート(skirt)部24を具備している。
このスカート部24(いくらかの弾性を有して良い)は、図1〜3に示されるものは、小終端部側が下向きの状態の円すい形(frusto-conical)であるが、その他の形状であっても良い。
第2浮揚体23は、第1浮揚体15に対して実質的に自由に上下方向に移動可能となるように多数の半径方向のひも(straps)によって、或いはその他の可撓性のある結合部材25を用いて第1浮揚体15に固定されている。
液状体は2つの浮揚体15と23の間を実質的には接続部材25によって妨げられることなしに輪状の切れ目;Rを通り抜けて相対的に移動することができる。これは、接続部材25が切れ目の僅かな部分を占める(cover)のみであるためである。本収集用装置は上述の収集容器11及びこれに関連する構成部材に加えて、幾つかに(例えば3つに)別れた浮揚体部分によって構成されている。以下では、この浮揚体部分を、安定化浮揚体群(stabiliser bodies)と記述し符号26にて指定することとする。該安定化浮揚体群26は、収集容器11の外周側に配置されていて収容容器の下方部分12に強固に結合されている。
これらの安定化浮揚体26は自らを図1に示された水表面上での平衡位置に突出させる(project)のに充分な浮力を持たせてある。この図示位置においては、収集容器11は実質的に完全に水で満たされている。
平面図に表れているように、各安定化浮揚体26の間に通路があり、この通路に沿って装置の周りの水塊から収集用隔室Aの上端部分に向かう妨げられない流れが形成される。
それぞれの安定化浮揚体26は逆さにした筒状カップの形状であり、頂部は閉ざされていて、例えば発泡プラスチック等の軽量の材料でなる浮力ブロック27を含み構成されている。これに対して下側の水没している端部は開口している。
安定化浮揚体は収集用装置が水の中に設置された状態で浮揚体27の下の空間Bが水で満たされるように設定(arranged)されている。
安定化浮揚体の逆止め弁(図面には示されていない)は、そのふさがれる空気が逃げられるようにするために開放されるが減圧傾向にある時には閉塞されることで、水で上述した空間を満たすために有効に機能する。
油を回収するために収集装置を使用する場合には、同装置は油が取り除かれるべき水塊中にセットされる。
図1では、当該装置が作動してない状態で示されている。即ち、この位置においては収集容器11が底部壁の開口部17を通じて水で満たされており、収集容器11の上方部分13にある浮揚体15は水密的に覆い板19と係合している。
この位置から、ポンプ18は,収集容器11の中から開口部17を通して水を下方に送水し始める。この下方に向けた放水は収集容器11内の水位を押し下げ、結果、浮揚体15の内方に水の溜る低部が形成される。
このようにして浮揚体15の内側と外側の液体の水位に差が創り出されることになる。
このようにして創り出された収集容器11の中の液体と収集容器を取り囲む水塊との水位差が収集容器の上方部分13に2つの観点で影響を及ぼす。
まず第一に,浮揚体15によって置き換えられる液体量が水位間の差に比例して減少するので、浮揚体を浮揚させようとする浮力はわずかに減少する;
即ち、収集容器中の液位の低下により収集容器の中の液体への浮力本体の部分的な没入量が減少する結果としての浮力の一部分が減少する。
第二に、収集容器上方部分13のフランジ14の上面側に働く、ヘッド又は静水圧が下面側に作用するヘッド又は静水圧に比べてより大きくなる。
従ってフランジ14及びその結果として,容器の上方部分13全体が、下向きの合力を受けることとなる。
この結果、収集容器11の上方部分13は下方部分12に対して下方に変位する。
収集容器の上方部分13の外側部に位置する水塊の中に漬かった浮揚体15の特定部分に作用する浮力は僅かに増加するけれども、浮揚体15は一定量の水位差に達した時点で前記水塊の水面下に完全に没した位置を保ち、従って水塊の油・水混合の表面層は浮揚体15によって形成された収集せきの頂部Kを超えて収集容器11の中へと流れ込む。
浮揚体15を超えて流れ込む液体即ち、油及び水は、収集用隔室A内で内側の第2浮揚体23とそのスカート24によって下向きに偏向させられる。
流れ経路の横断面の領域面積は下に行くに従って増加するので、下向きに流れる流体の速度は急速に減少することになる。
この時、軽い油部がスカート部24の下方端部の下を通過させられ、浮揚体23とスカート部24によって規定される内方の空間部Sの表面上に集めることが可能となる。この様子は図2に示されている。当然ながら、油は浮揚体15と23の間の輪形状の空間部R内にも同様に集められる。
浮揚体23とそのスカート部24の内方に在る空間部Sは平穏化或いは安定化をする領域を形成(constitutes)する。この領域においては、油は浮揚体15を越えて径方向内方に向かう液体の流れにより生じる乱れを生じるようなことも無く、凝集層を形づくることができる。
収集容器11の下端部からのポンプによる放水、及び結果としてのその部分での水量の減少は水が満たされた前述収集装置の合計重量の減少となる。従って、安定化浮揚体26は収集装置全体を僅かに高い位置まで持ち上げようとする。
しかしながらこの持ち上げ動作は、安定化浮揚体26の下方部分B内に収容された水量が浮揚体部分に結合されたままに残りやはり持ち上げられるゆえに、収集装置の総体重量に加算される外部重量として作用するという事実に基づいて打ち消されてしまう。
各力間の相互作用は以下の様にして各部に働く。
即ち、一方では容器下方部分12及びこの部分に強固に結合された部材に対して上下方向に容易に移動可能な容器上方部分13に対して作用し、他方、収集装置全体に作用して浮揚体15の上下動従って収集せきの頂部Kの上下動を高感度にすばやく自己適正化(self-regulation)を行い、結果、収集容器への液体の流入をここでの液体流出に対して高速につりあわせる(matching)。
所定時間における収集容器への液体流入速度が流出に対して速すぎたとすれば、収集容器内の液体とその周囲の液体塊との水位の差(より正確にいえば静水力学的圧力差)が減じて、浮揚体15が上方に持ち上がり流入量を抑える。
これとは反対に、流出が流入に対して急速過ぎるならば浮揚体15がより深い位置まで水中に浸漬して流入量を増加させる。
収集容器11及び安定化浮揚体26内に収容される水容積を含む、収集装置の緩慢に移動する残りの部分に比較して浮揚体15により形成される収集せきを有する簡単に移動できる容器上方部分13の自由な垂直方向の移動の結果として、収集せきの頂部Kの上下動作は装置周囲の水塊の水面高さ変動並びに収集容器内部の水位変動に依存・対応して非常に高感度に自己調節される。
収集装置が収集閉容器内に油を収集するために短時間あるいは長時間に渡って運転された後には、ポンプ18は水を下方部から収集容器11に送水するために逆転運転される。
収集容器の中の液体の水位が上昇することによって浮揚体15及び23は、覆い板19の下方面に当接することになる。この状態では第1浮揚体15は、収集容器11の内部と外方周囲の水塊との間を遮断するしゃ断バルブとして機能している。
収集容器内部の水量増加によって当初は収集装置全体が水中で下方へと下降する。然しながら、安定化浮揚体26にその下降により生じる浮力の増加によって更なる下降動は打ち消されて平衡する。
収集容器の中の最上部の液体層、すなわち第2浮揚体23とその部分のスカート部24内の空間S中の油の層は覆い板の開口部20と閉容器流入口部21Aと付帯する水密リング22を経由して装置周囲の水塊上に浮かんでいる収集閉容器21の中へと送られる。この様子は図3に示されている。
置き換え用のより大比重の液体を収集用隔室A内に下方から導入することによる頂上部の軽量の液体層の収集閉容器21への移送(expulsion)は、単独の連続的なステップとして組み込んでも良い。
あるいは、この排出移送は1個以上の連続したステップ中でとぎれとぎれに置き換え用液体の導入を一時的に中断することによっても行うことができる。
収集隔室Aに対するいかなる実質的な流入あるいは流出の流れも生じていない、中断(若しくは待機)期間においては、小油滴或いは油塊は空間S内で表面に向かい滑らかに移動することができる。
上記収集閉容器21への油の移動工程完了に続いて、ポンプ18が前述された操作を繰り返すように再び逆転運転される。
覆い板19そしてこれに対応した収集閉容器21の流入部21Aは、図2にて示される上昇位置まで復帰することになり、これによって覆い板開口部20を介した収集閉容器内の内容物の逆方向の流れは回避(avoid)される。
収集閉容器21から収集容器への油の逆方向の流れは閉容器に適切なバルブ手段を設けることによって防止することができる。
図2に示されている収集容器11の中へ油の蓄積動作からの図3に示されている収集閉容器21への蓄積されている油の移送動作への切り替え操作、そして、再び蓄積動作モードへの切り替え操作は異なった方法異なった手段を用いて達成することができる。
例えば、蓄積された油層の高さ若しくは厚さはポンプ18を駆動しているモータの電力消費を監視することによって確かめることができる。
そして、移送動作モードへの切替えは層が定められた高さへ達したことの検出に応じて自動的に行われるようにすることができる。図2に示される蓄積動作モードへの再切替えもまた同様にポンプモータの電力消費に対応して自動的に行い得る。
図1〜3はどちらかといえば発明の好ましい具体化例を示すよりも、むしろ主として本発明に対応した方法と装置の原理を例示することを意図している。
しかしながら、図1〜3の各図に示されていることから派生する発明の技術範囲内の技術も把握可能である点も注意されるべきである。
例えば、収集容器からの油(或いは除去すべき浮遊汚染やその他の物)の移送を、蓄積された油層中に位置して設けられる別体のポンプ手段を用いることに依っていっそう連続的に或いは逆により非連続的に行うようにしても良い。
更には、その高さ従ってそれの容積に関して可変的(variable)に構成される収集容器11は、必ずしも筒状であったり、図1〜3に示されている様に二つの別体の部分で構成されている必要はない。
図1Aと2Aには第1浮揚体15の外方に径方向外方周囲に位置に配置された分離された追加された浮揚体28が図示されている。
これらの追加浮揚体28は、図1A中では破線29によって明示されている如くに、収集容器11内に向かう径方向の流入流を周囲の一体の液体の最少限度のものだけに抑制するのに十分なだけ空間的に十分に離れて配置されており、ケーブル群或いは他の適切な部材を用いて収集容器上方部分13へ(或いは直接に浮揚体15に)取付られている。
追加浮揚体28の取付状態そしてそれらの形状については、想定どおりに水表面がかなり滑らかであるような通常の操作の間には、この追加浮揚体がわずかだけ水に浸漬するか或いは全く浸からず、従って、これらが収集容器上方部分にいかなる上方に向けた有意な力も与えることが無いように配慮して選定される。
言い換えれば、収集用装置の通常の操作中には追加浮揚体28が収集用せきの頂部Kの上下動に何ら格別の影響も及ぼすことは無いようになっている。
然しながら、例えば波浪が収集装置に達した場合などもしも収集容器11の近くで水面高さの突発的な増加が起こった場合には、係止用のケーブル或いは手段29は抑止する追加浮揚体28が収集容器上方部分13に対して上方に動くことを抑止する。この結果、追加浮揚体28は付加的な上方への浮揚力を収集容器上方部分に与え、これは浮揚体15を覆い板19に係合させて液体の収集容器11への過度な流入を防止する。
追加浮揚体28同士は、収集容器の周りに拡がったケーブル若しくは別な適当な結合手段(linking means)によって、夫々に対して垂直方向に自由に動けるように、同時に収集せきの頂部(前だて)Kに対して適切に周辺に離間し且つ適切に近接した状態を保つように適正に相互に連結させておくことが望ましい。
図4〜7は本発明に従った収集用装置の実施例を図式的に示しており、
図4〜6は図1〜3に示したものと対応する装置の稼働位置にある場合を図示している。一方、図7は装置の平面図を示している。
それの主要な特徴を考慮すれば図4〜7に示される装置は基本的構造ならびに基本動作に関しては原則的に図1〜3の装置に対応している。
図4〜7の実施例において、収集隔室Aを定義する収集容器31はアコーディオン態様で縦方向に折り畳み可能な構造となっている。
それの側壁32に関しては、多数の相互に間隔が開いた(spaced)プラスチック製あるいは軽量合金製の堅い円形状のリング33に巻きつけた可撓性を有するが実質的に非展張性(unextendable)のフィルム或いはシート材を用いて構成されている。
図に示される拡張した状態でにおいては、これらのリングは互いに離れて位置しているが、装置が分解された場合には互いのそばに近づけておくことや同一平面状にすることもできる.
最下部のリング33は、ポンプ36が備えられた開口部35を具備した底板34に固定されている。
最頂部のリング33上には輪状の浮揚体37が取り付けられていて、図1〜3に示されている装置の第1浮揚体15に対応付けられている収集用せきとそのその頂部Kとを形成している。
図1〜3における前述の浮揚体23及びスカート部24の夫々に対応するところの第2の環状浮揚体38と付随スカート39とが、収集容器31の上部分の内側で、且つ収集容器及び浮揚体37に対して実質的に同軸的に配置されている。
先の収集容器31と同様に、スカート39は、可撓性だが実質的には非展張性を有していて多数の剛性のリング40に巻き付けられたフィルム或いはシート材で造られていて折り畳み可能な構造を有している。
この実施例においては浮揚体38は、浮揚体37に対して相対的に上下方向に自由に移動可能となるように、帯部材群もしくは同等のものを用いて浮揚体37に或いは最頂部のリング33に取付けられている。
同様に、浮揚体37と38の間の空間そして浮揚体38とそのスカート39間の内方空間とはそれぞれが符号R,Sにより指示されている。
図1〜3に示すように、開口部42を設けた覆い板41が相対的な位置に底板34に対応付けて静止した位置に配置されている。
特に、底板34と覆い板41とは、周辺に一様に分離して配置された縦向きの6本の管部材43の反対側の端部それぞれに取り外し可能に固定されている。
上記管部材のリングの内側では浮揚体37と収集容器31の側壁32の上方部分とそして浮揚体38とスカート39とが全て上下方向に動くことができる。
管部材34の組は、3組の径方向外側に向かって伸展している上方腕金(brackets)及び下部腕金45の結合部(仲介部;intermediary)を貫通して安定化浮揚体44(図1〜3に於ける安定化浮揚体26に相当する)を支持している。
図7に最も良く現れているように、安定化浮揚体は収集容器31の周辺に一様に離間して径方向外向きに配置されている。
それぞれの安定化浮揚体44は、対応する管部材46の上方部分に取付られている。
収集容器31と同様に、各安定化浮揚体44は、フィルム或いはシート材で造られていて離間して配置された環状の堅いリング48を包み込んだ上下方向に折り畳み可能な構造に組織されている。
側壁47によって定義・規定される(defined)空間の最頂部分は、例えば延伸プラスチックで造られた浮力ブロック49によって占められている。一方、同じ空間のうち浮力ブロック49の下方の部分は開口していて、収集装置稼働時には水で満たされるように設計されている。
最も拡張した状態の側壁をつなぎ止めるために、最下方のリング48は管部材46に対して取り外し可能に固定されている。
それぞれの管部材46の上端には逆流防止バルブ50が取付けられていて、浮力ブロック49の下の空間が水で満たされる場合に、この空間の空気が上方に逃げるのを可能にするために開かれるが、周囲圧力が増大した場合には水の逃げを阻止すべく閉じられる様にしてある。こうした注水と排気は、図4中の矢印で示されているように管部材を通って行われる。
図1〜3の実施例で判るように、収集閉容器51はその流入部分51Aが閉容器のシーリングリング52に取り巻かれた開口部42のちょうど上方位置になるようにして覆い板41に水密的に取付けられている。
図4〜7に示される装置も、本質的には図1〜3に対応付けて上述した如き態様で作動する。
然しながら、図に示されている如くに収集容器31の円筒形状に関して違いがみられ、図1〜3でのフランジ14の互いに反対側の押圧表面に対応するところの差圧力用の表面は見られない。
事実、収集容器の可撓性の側壁32をよぎって差を有した圧力が側壁を内側に変形させてリング33を次々と引き寄せるため、浮揚体37に働く下向きに引く力が生じる。従って収集容器全体が垂直方向に引っ張られる(contracted)。
然しながら、若しも必要であるならば、収集容器11を上方部分を下方部分に比べてより狭く形成することによって差圧力表面を備えさせることも可能である。図4〜7から明白に見てとれるように、本発明に基づく収集用装置は極めて軽量に作ることができ、短時間で組立てられて且つ分解できて、更に容易に運搬可能な構造に作製することがきる。そのうえ、低コストで生産することができる。それゆえ、多量の装置を製造しておき、あらゆる予測できる稼働させるべき場所へと素速く輸送することができ、その現場で短時間にて稼働(operation)の準備を完了することができるような適切な場所にこれら装置を配置しておくことも、経済的に見ても現実的なものとなる。
収集容器の中への全方向からの流入、そして収集容器内での軽量な物質の急速な分離能力に基づき、高い収集能力が実現可能である。
上述された収集用装置の実施例に於いて、収集用せきの頂部Kの上下動動作は実質的に3つの異なった力に基づいて、即ち、重力(重さ)及び静水学的浮力そして静水学的押圧力(thrust force)の作用によって自動調整されている。
収集容器の他の部分ともそしてそこに貯留された液体の量にも影響されず独立して垂直方向に移動可能である収集容器の上方部分へかかる重力は、常に上方部分を従って収集せきの頂部を下方に向け動かそうとする。
これに対して、収集容器上部に作用する浮力は、この部分、従って収集せき頂部Kを上方に向け動かそうとする。
浮力には2つの垂直方向の力要素で構成されている。すなわち、収集容器内の液体によって生成された力要素と、周囲の水塊に属した流体により生成された力要素とで成る。
図1と4に示された状態に於いては、どのような水位であっても収集容器内部の静水学的な上方からの圧力は周囲水塊の圧力と等しい状態で、二つの浮揚力要素の合計は、重力そしてもし加わっているならば浮揚体15(若しくは浮揚体23)を覆い板に当接させている力が加算された力と等しくなっている。
収集容器における静水学的圧力が周囲の水塊の静水学的圧力よりも小さいときには、圧力差分によって決まる下方向に向かう力の形をとった第3番目の力もまた影響を及ぼす。
図1〜3に示す実施例ではこの3番目の力はフランジ14の仲介者を通じて作用する。
図4〜7の実施例では、この力は収集容器31の側壁33が各リング33の間で内側方向に押されることによって側壁によって提供され、その結果収集容器全体が垂直方向に収縮するように水平方向に収縮する。
然しながら、同様な自己調整機能を他の方法で実現することも本発明の技術範囲に属する。
例えば、先に述べた力即ち第3の力が差分受圧表面を設けないようにすることで分配されて、収集と周囲の水塊との圧力差に比例した浮力のみが影響するようにしても良い。
更なる可能性は、浮力を定常的に収集容器の上方部分ひいては収集せきの頂部Kに対して作用し続けるような力、例えばバネ力によって置き換えたり、或いはこれと結合させることである。
更に別の可能性として、常に下向きに作用し続ける力、即ち重力と協働する力を適用することがある。
その他、純粋に構造的な変更が本発明の技術範疇内で可能である。
図示された収集せきの頂部の円環状の形状や、収集せきの内方に偏らせて(deflecting)配置されてスカート24や39を備えた浮揚体23或いは38によって構成された部材は大変に有効であるが、必ずしも必須ではない。、
当然に、収集容器の周囲全体にわたっては拡がっておらず、ただその一部分にのみ沿って(殆どの部分にあることが好ましいが)在る収集せき頂部Kを横切っての収集用隔室への流入が起こることを許容することも可能である。
この場合、拡散部材は周囲の対応部分のみに限って良い。
図面には示されない更なる実施例では、収集用装置は表面層の収集の間には水塊に対して予定された方向に移動するように設計される。
例えば装置は統合された推進用ユニットによって牽引されるかまたは動かされるようにして良いし、或いは、水塊は流れている水塊であってその中で収集装置が定位置に支えられるようにしても良い。
もしも、統合推進用ユニットが収集用装置に備えられるならば、このユニットは収集容器に対して水をポンプ駆動で排出するためにもまたおそらくは流入させるためにも使うことができる。
さらなる実施例としては、収集せきを形成する浮揚体は、収集容器の周囲のみに、即ち周囲領域の50〜75%にわたって拡がっている。
すくい集められるべき油もしくは他の表面層の収集過程の間は収集用せきは上流側にあり、それゆえ、この収集用せきは流れている水塊に対しての収集装置の移動方向に向き、一方、収集された浮遊物質が収集閉容器の中に放出されて反対方向(下流向きの方向)に収集用せきによって境界を示されない収集容器の周囲にある部分に設けられた水平方向への出水部を通って放出される。

Claims (12)

  1. 収集用隔室(A)と、該隔室の上部を形成し、その上限を定めると共に収集容器(11、31)の底部(16,34)に対して垂直移動可能である収集せき(K)とを有する収集容器(11、31)を水塊中に配置する工程;
    収集容器(11、31)の隔室を水で満たす工程;
    収集用隔室(A)から水を排出することにより、該隔室に水の溜る低部を形成、維持させる工程;
    表面層が該収集せき(K)を越えて水の溜る低部に流れ込むように収集用隔室(A)の底部から水を排出することにより、収集せき(K)を該表面層に対して溢れる位置にする工程;
    収集用隔室(A)からの水の排出を停止し、収集容器(11、31)の周囲の水塊から取り入れた移動液体を該隔室下部に導入する工程;
    収集せきを超えて収集用隔室(A)への流出入防止用の収集用隔室を覆うカバー(19、41)と水密に係合するように収集用隔室(A)の底部から水を導入することにより、収集せき(K)を上昇移動させる工程;及び
    収集用隔室(A)と連通する排出口(20、42)を通して表面浮遊汚染物質層を移動させ、該隔室内の該汚染物質層を排出する工程;
    を含むことを特徴とする、油のような浮揚性の汚染物質を含む表面浮遊層を水塊から掬い集める方法。
  2. 排出口(20、42)を通しての表面浮遊汚染物質層の移動が、カバー(19、41)の開口を通して行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 収集用隔室(A)と収集容器(11、31)の周囲の水塊との間の上部圧力の差に比例して強さが変わる垂直方向の力を収集せきに与えることによって、収集せき(K)の頂部の高さを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 収集せき(K)に加えられる垂直方向の力が、同じ方向をもつ2成分からなる浮力を含み、その成分の一方は、収集用隔室(A)内の液体の排水容積により決定され、他方は、収集容器(11、31)の周囲の水塊にある液体の排水容積により決定されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 収集せき(K)に加えられる垂直方向の力が、収集せき(K)と力の伝達結合を有する力発生部材(14、32)に作用する2つの反対方向の静水学的力から得られる合力を含むものであり、その静水学的力の一方は、収集用隔室(A)内に位置し、力発生部材に供される表面により決定され、他方は、収集容器(11、31)の周囲の水塊中に置かれ、力発生部材に供される押圧表面によって決定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
  6. 水塊中に浸水可能な収集容器(11、31)であり、入口を収集用隔室(A)の上端部とし、かつ該収集容器(11、31)の底部(16,34)に対して垂直移動できる収集せき(K)を含む上方部分13を有する収集用隔室(A)を区画する収集容器(11、31);
    収集用隔室(A)の中に水の溜る低部を形成、維持するために収集用隔室(A)底部から水を排出させる手段(17、18、35、36);
    排出口(20、42)を通して収集用隔室(A)内の表面浮遊汚染物質層を移動させるために収集用隔室低部に水を導入する手段(17、18、35、36);
    及び
    収集容器(11、31)上に取り付けられ、収集用隔室(A)を覆うカバー(19、41);を含み、
    収集せき(K)は、収集用隔室に水を導入することで該収集用隔室がその上部で閉じられるように上記カバーと水密に係合可能であり、それにより、収集せき(K)を超えて収集用隔室への流出入を防止することを特徴とする、油のような浮揚性の汚染物質を含む表面浮遊層を水塊から掬い集める装置。
  7. 排出口(20、42)が、カバー(19、41)に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 排出手段(14、15、31、37)が、収集用隔室(A)の内部と収集容器(11、31)外側との間の上部圧力の差に基づいて水塊中の収集せき(K)の上下動を制御するために設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
  9. 収集せき(K)が、第1浮揚体(15、37)を含み、その少なくとも一部が収集用隔室(A)にある液体を移動させるために適用されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかの項に記載の装置。
  10. 力発生部材(14、32)が、収集せき(K)と結合されており、かつ2つの対面する押圧表面を有し、その一方が、収集容器(11、31)の内側に位置しており、その他方が、収集容器の外側上に位置していることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかの項に記載の装置。
  11. 収集せき(K)が、少なくとも収集容器(11、31)の周囲の大部分を覆うように拡がっていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかの項に記載の装置。
  12. 収集用隔室から水を排出するための手段が、可逆回転形ポンプ(18、36)を含むことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかの項に記載の装置。
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