JP3824521B2 - Light transflective reflector - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光半透過反射体に関するものである。詳しくは背面方向の光源光を透過、および前面方向の光源光を反射して高輝度を実現させる光半透過反射体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
暗所では内蔵式光源を点灯して、透過光で表示画像を視認し、明所では内蔵式光源を消灯して、外部からの光を反射させて表示画像を視認する液晶表示装置が知られている。典型的な構成は図1に示す通りであり、特に、液晶セル3の背面側に注目すると、液晶セルの背面に、偏光板2、光半透過反射体1をこの順に積層していることが特徴的である。
このような液晶ユニットにおいて、光半透過反射体は暗所では内蔵式光源の光を、明所では外部光源の光を、表示のために効率的に利用できるようにするとともに、それぞれの目的にあった表示を実現するために機能する。一般にギラギラとした透過光や反射光は嫌われる。また、透過光でも反射光でも表示が同じように見える自然な印象を与える必要があり、そのバランスをとることが要求される。
【0003】
従来から、光半透過反射体には、透明、もしくは不透明度を調整したベースフィルム上に、パール顔料、シリカ、アルミナ等のフィラーを含む塗工層を設け、全光線透過率および全光線反射率を調整したものが用いられている。また、偏光フィルムと光半透過反射体との貼合用接着剤中に同様のフィラーを添加して貼合し、全光線透過率および全光線反射率を調整することも知られている。
このような従来から知られている光半透過反射体は、透過光での明るさ、および反射光での明るさのバランスをとったとしても、使用成分の光学的特性により、透過光での表色と反射光での表色が違って見え、不自然な印象を与えてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透過光での明るさ、および反射光での明るさのバランスをとり、透過光での表色と反射光での表色が同じように見え、自然な印象を与える光半透過反射板を得ることを課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは透過光および反射光でのバランスの取れた明るさと表色を実現するために鋭意検討した結果、光半透過反射体の光学特性値をある範囲内に制御すればよいことを見出した。
透過光および反射光でのバランスの取れた明るさと表色を実現するため、基層(B)に光半透過反射特性を持たせ、基層(B)の特性を損なわないため表面保護層(A)を持つ構成が良好と考えた。
【0006】
基層(B)は光半透過特性、及びコシを付与する特性を持たせ、表面保護層(A)は基層(B)を保護する構造であることが良好と判断した。また、生産性の面から、基層(B)および表面保護層(A)は2軸方向に延伸成形されることが良好と判断した。また、このような構成であれば、透過光での表色と反射光での表色が極端に違うことがなくなり、自然な印象を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、熱可塑性樹脂よりなる樹脂フィルムであって、該樹脂フィルムのJIS−Z8701記載に従って波長380nm〜780nmの範囲で測定した各波長の透過率および反射率の平均値をそれぞれ全光線透過率T%および全光線反射率R%とし、その和(T+R)が80〜100%であり、かつ、その差の絶対値が|(T−R)|<50%であり、透過光における表色値a及び表色値bをそれぞれaT ,bT 、反射光における表色値bをbrとし、透過光においてaT ≦2、bT ≦1.3、透過光及び反射光の表色値bの差の絶対値が|(bT −br )|<10であることを特徴とする光半透過反射体を提供するものである。
【0008】
該光半透過反射体の全光線透過率Tが20〜60%であることが好ましい。該樹脂フィルムは表面保護層(A)、基層(B)の少なくとも2層が積層後に延伸された多層樹脂延伸フィルムであって、2軸延伸されていることが好ましく、表面保護層(A)の肉厚は0.1μm以上であるのが好ましい。
該多層樹脂延伸フィルムの縦方向延伸倍率LMDと横方向延伸倍率LCDの比であるLMD/LCDが0.2〜3であることが好ましい。多層樹脂延伸フィルムの面積延伸倍率(LMD×LCD)が4〜80倍であることが好ましい。空孔率は表面保護層(A)および裏面保護層(C)が1〜70%、基層(B)が3〜15%であることが好ましい。
【0009】
また樹脂フィルムは、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有するポリオレフィン系樹脂よりなる。表面保護層(A)に含まれるポリオレフィン系樹脂が融点140℃以上のプロピレン系樹脂よりなることが好ましく、表面保護層(A)に含まれる無機微細粉末及び/又は有機フィラー量が1〜50重量%、基層(B)に含まれる無機微細粉末及び/又は有機フィラー量が1〜30重量%であることが好ましい。
また無機微細粉末の平均粒径が0.1〜5μm、有機フィラーの平均分散粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。
また本発明は、上記の光半透過反射体を用いた液晶表示装置も提供する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の光半透過反射体の構成および効果を詳細に説明する。 光学特性
本発明の光半透過反射体は、JIS−Z−8701記載に従って測定した全光線透過率Tおよび全光線反射率Rとも高い範囲でバランスを取ることを特徴とする。全光線透過率Tおよび全光線反射率Rが共に高いことの指標として、その和(T+R)が80〜100%であり、好ましくは85〜100%であり、90〜100%であることが更に好ましい。(T+R)が80%未満の場合、十分な反射率、透過率が得られないため、明所、暗所での表示画面が暗く文字視認性が低下する。
【0011】
全光線透過率Tおよび全光線反射率Rのバランスの指標として、その差の絶対値|(T−R)|<50%であり、さらに|(T−R)|<30%であることが好ましい。|(T−R)|が50%以上の場合、T>Rでは、明所での文字視認性が著しく低下し、T<Rでは、暗所での文字視認性が著しく低下する。
また全光線透過率Tは20〜60%であり、好ましくは30〜55%、より好ましくは40〜50%、特に好ましくは45〜50%である。全光線透過率Tが20%未満では、光透過が不十分であり、60%を超えては光反射が不十分である。
【0012】
本発明の光半透過反射体は透過光および反射光における表色が極端に変化せず、バランスを取ることを特徴とする。JIS−Z−8701記載の方法に従い、C光源2°視野における反射光、及び透過光における三刺激値X、Y及びZを算出し、下記式を用いて、表色値a、および表色値bを算出した。
a=17.5 x(1.02 xX−Y)/Y(1/2)
b=7.0 x(Y−0.847 xZ)/Y(1/2)
【0013】
本発明において、透過光での表色値a、及び表色値bをそれぞれaT 、bT とし、反射光での表色値bをbr とする。透過光および反射光での表色のバランスの指標としては、好ましくは−2≦aT ≦2であり、更に好ましくは−1≦aT ≦1であり、特に好ましくは−0.5≦aT ≦0.5である。また、好ましくは−2≦bT ≦1.3であり、更に好ましくは−1≦bT ≦1である。さらに|(bT −br)|<10であり、好ましくは|(bT −br )|<8であり、更に好ましくは|(bT −br )|<3である。
【0014】
これらの表色値が上記範囲外になると、透過光と反射光の表色のバランスに問題が生ずる。例えばaT >2の場合、透過光下での表色が赤色が強くなり、逆に反射光下での表色が緑色が強くなる傾向がある。またbT >1.3の場合、透過光下での表色が黄色が強くなり、逆に反射光下での表色が青色が強くなる傾向がある。さらに|(bT −br )|≧10の場合、例えば透過光下での表色が黄色
が強くなると、反射光下での表色が青色が強くなり、逆に透過光下での表色が青色が強くなると、反射光下での表色が黄色が強くなり表色バランスが崩れる傾向がある。
【0015】
表面保護層(A)
本発明の表面保護層(A)は、ポリオレフィン系樹脂よりなり、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含んでいる。
使用されるポリオレフィン系樹脂としては、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などから特に好ましい。
【0016】
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体や、主成分であるプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン,4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。立体規則性は特に制限されず、アイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すものを用いることができる。また、共重合体は2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0017】
プロピレン系樹脂の中でも、プロピレン単独重合体、融点が140℃以上のプロピレン共重合体が好ましい。融点が140℃未満の樹脂が表面保護層(A)に含まれる場合、本発明の多層樹脂延伸フィルムの押出成形時に溶融シートが冷却ロールで冷却される際に冷却ロールへの貼りつきがおきフィルムの表面に傷や白化ムラが生じ、光透過、反射時の光学特性が損なわれる傾向がある。
このような熱可塑性樹脂は、99〜50重量%で使用することが好ましく、97〜55重量%で使用することがより好ましい。
【0018】
無機微細粉末
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、マイカ、合成マイカ、セリサイト、カオリナイト、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナなどを使用することができる。この中でも炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好ましく、酸化チタンは配合量が1重量%以上使用すると、色にくすみが生じ好ましくない。
【0019】
有機フィラーとしては、主成分であるポリオレフィン系樹脂とは非相溶の異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜280℃を有するものを挙げることができる。
【0020】
上記の無機微細粉末または有機フィラーの中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用しても良い。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末と有機フィラーを混合して使用しても良い。
表面保護層(A)に含まれる無機微細粉末及び/又は有機フィラー量は1〜50重量%、好ましくは3〜45重量%である。配合量が50重量%より多い場合、基層(B)の光半透過反射特性を阻害する傾向、及び表面強度が低下しやすくなる傾向がある。配合量が1%未満の場合、ブロッキングしやすくなる傾向がある。
表面保護層(A)の肉厚は、0.1μm以上、好ましくは0.2〜30μmであり、更に好ましくは0.5〜10μm未満である。肉厚が0.1μm未満では保護機能が不十分である。
【0021】
基層(B)
本発明の基層(B)は、ポリオレフィン系樹脂、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含んでいる。
使用されるポリオレフィン系樹脂、無機微細粉末及び有機フィラーは、表面保護層(A)と同様のものが使用できる。ポリオレフィン系樹脂は、70〜99重量%が好ましく、80〜99重量%がより好ましく、95重量%より大きく99重量%以下が特に好ましい。
基層(B)に含まれる無機微細粉末及び/又は有機フィラー量は1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜5重量%未満である。無機微細粉末及び/又は有機フィラーの配合量が30重量%より多い場合、光透過性が低下しすぎる傾向、剛度不足による折れシワが生じやすくなる傾向があり、1%未満の場合は反射率、透過率のバランスが取れなくなる傾向がある。
基層(B)の肉厚は、10〜200μm、好ましくは20〜100μm、更に好ましくは30〜60μmである。
【0022】
裏面保護層(C)
本発明の光半透過反射体は、表面保護層(A)、基層(B)の少なくとも二層の積層構造を有するが、更に基層(B)の裏面(表面保護層(A)と反対面)に裏面保護層(C)を設けても良い。裏面保護層(C)は、ポリオレフィン系樹脂よりなり、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含んでいる。
使用されるポリオレフィン系樹脂、無機微細粉末及び有機フィラーは、表面保護層(A)と同様のものが使用できる。特にプロピレン単独重合体、融点が140℃以上のプロピレン共重合体が好ましい。融点が140℃未満の樹脂が裏面保護層(C)に含まれる場合、本発明の多層樹脂延伸フィルムの押出成形時に溶融シートが冷却ロールで冷却される際に冷却ロールへの貼りつきがおきフィルムの表面に傷や白化ムラが生じ、光透過時、光反射時の光学特性が損なわれる傾向がある。ポリオレフィン系樹脂は、99〜50重量%使用することが好ましく、99〜55重量%で使用することがより好ましい。
【0023】
裏面保護層(C)に含まれる無機微細粉末及び/又は有機フィラー量は1〜50重量%、好ましくは1〜45重量%である。フィラーの配合量が50重量%より多い場合、光透過を阻害する傾向、及び表面強度が低下しやすくなる傾向があり、1%未満の場合はブロッキングしやすくなる傾向がある。
裏面保護層(C)の肉厚は、0.1μm以上、好ましく0.2〜30μmである。
本発明の光半透過反射体は、表面保護層(A)、基層(B)、及び裏面保護層(C)を積層後、2軸方向に延伸するのが好ましい。
【0024】
添加剤
本発明の光半透過反射体には、必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤としては、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤としては、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤としては、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
【0025】
成形
熱可塑性樹脂、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含む配合物の成形方法としては、一般的な2軸延伸方法が使用できる。
具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出した後、ロール群の周速差を利用した縦延伸とテンターオーブンを使用した横延伸を組み合わせた2軸延伸方法や、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸などが挙げられる。
延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃が好ましい。また、延伸速度は20〜350m/分が好ましい。
【0026】
2軸延伸フィルム中に発生させる空隙の大きさを調整するために、面積延伸倍率〔=(縦方向延伸倍率LMD)×(横方向延伸倍率LCD)〕は4〜80倍、好ましくは10〜70倍、より好ましくは30〜60倍である。
2軸延伸フィルム中に発生させる空隙のアスペクト比を調整するために、縦方向延伸倍率LMD及び横方向延伸倍率LCDの比LMD/LCDは、好ましくは0.2〜3であり、より好ましくは0.3〜1.5である。
面積延伸倍率およびLMD/LCDがこの範囲を逸脱する場合、真円に近い微細な空隙が得られにくくなる傾向がある。
【0027】
2軸延伸フィルム中に発生させる空隙サイズの調整のため、無機微細粉末の平均粒径(比表面積より求めた値)、または有機フィラーの平均分散粒径は好ましくはそれぞれが0.1〜5μmの範囲、より好ましくはそれぞれが0.2〜4μmの範囲のものを使用する。平均粒径、または平均分散粒径が4μmより大きい場合、空隙が不均一となる傾向がある。また、平均粒径、または平均分散粒径が0.1μmより小さい場合、所定の空隙が得られなくなる傾向がある。
ここで記載している無機微細粉末の平均粒子径は、測定装置((株)島津製作所製:SS−100形)で測定した比表面積より、下記計算式により算出したものである。
平均粒子径(μm)= 6 / 真比重×比表面積
(真比重は、空気を含まない状態の無機微細粉末の比重)
【0028】
また、ここで記載している有機フィラーの平均分散粒径は、断面の電子顕微鏡観察により求める。具体的には、多層樹脂延伸フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて、例えば、フィルムの厚さ方向に対して平行且つ面方向に垂直な切断面を作製し、この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率、例えば、500倍から2000倍に拡大して観察する。
また、好ましい空隙を形成するためには、無機微細粉末の比表面積が11000cm2 /g以上で、かつ粒径15μm以上(レーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」による測定した値)の粒子を含まない無機微細粉末を使用するのが効果的である。特に、このような条件を満たす粒径分布がシャープな炭酸カルシウムを使用するのが好ましい。
空隙サイズが不均一となると白化ムラ状となり製品外観及び光学特性を損ねる。
【0029】
本発明の光半透過反射体の表面保護層(A)、基層(B)、および裏面保護層(C)中に発生させる空隙の単位体積あたりの量を調整するために、表面保護層(A)、および裏面保護(C)の空孔率は好ましくは1〜70%、より好ましくは3〜65%の範囲とし、基層(B)の空孔率は好ましくは3〜15%、より好ましくは3〜12%の範囲とする。基層(B)の空孔率が15%を超えては、光透過性が低下しすぎる傾向、剛度不足による折れシワが生じやすくなる傾向があり、3%未満では光反射性が低下しすぎる傾向がある。本発明において「空孔率」とは、断面の電子顕微鏡写真観察した領域に空孔が占める面積割合(%)を示す。
【0030】
空孔が示す面積割合は、具体的には樹脂フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて例えばフィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率、例えば500倍から2000倍に拡大し観察する。次いで空孔部分をトレーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、空孔の面積割合(%)を求めて空孔率とする。
本発明で用いる樹脂フィルムの密度は、空隙が多いほど密度は小さくなり空孔率は大きくなる。空孔率が小さい場合光透過特性が向上し、空孔率が大きい場合光反射特性が向上する。このようなことから、前述のように基層(B)、表面保護層(A)および裏面保護層(C)の空孔率の適正範囲が決定される。
【0031】
【実施例】
以下に実施例、比較例及び試験例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明から免脱しない限り適時変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。使用した原料を表1に、各層の組成を表2に記載した。
基材の製造と評価
〔実施例−1〜7および比較例1〕
PP2(表1に記載)、HDPE(表1に記載)および炭酸カルシウム(表1に記載)からなる組成物(B)、PP1(表1に記載)、HDPEおよび炭酸カルシウムからなる組成物(A)及び(C)とを、それぞれ別々の3台の押出機を用いて250℃で溶融混練した。その後、一台の共押ダイに供給してダイ内で積層後、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することによって積層物(A/B/C)を得た。
この積層物を145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に表2に記載の倍率で延伸し、再び約150℃まで再加熱してテンターで横方向に表2に記載の倍率で延伸した。その後、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして多層樹脂延伸フィルムである光半透過反射体を得た。
【0032】
〔実施例−8〕
PP2、および炭酸カルシウムからなる組成物(B)、PP1および炭酸カルシウムからなる組成物(A)とを、それぞれ別々の2台の押出機を用いて250℃で溶融混練した。その後、一台の共押ダイに供給してダイ内で積層後、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することによって二層の積層物(A/B)を得た。
この積層物を145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に表2に記載の倍率で延伸し、再び約150℃まで再加熱してテンターで横方向に表2に記載の倍率で延伸した。その後、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして多層樹脂延伸フィルムである光半透過反射体を得た。
なお、比較例−1は特開昭59−204825号公報の実施例1に記載される方法で製造したものである。
製造した実施例1〜8および比較例1の光半透過反射体について、全光線透過率、全光線反射率およびそれら色調について、測定装置((株)日立製作所製:U−3310)を用いて、JIS−Z−8701の試験を行うことによって測定した。
【0033】
空孔率は、多層樹脂延伸フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いてフィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、この切断面をメタライジングする。次に走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大し、観察した領域を写真に撮影する。次に空孔をトレーシングフィルムにトレースし、塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、空孔の面積率を求めて空孔率とした。
【0034】
また、図1に示す構成の液晶表示装置をつくり、暗所:夜間外部照明のない状態で内蔵ランプを通して、及び明所:外光(太陽光、蛍光灯等)をあてた状態で、暗所及び明所における液晶表示の色調およびコントラストを次の評価基準で評価した。
◎:液晶表示の色調及びコントラストが非常に明瞭である。
○:液晶表示の色調及びコントラストが明瞭である。
△:液晶表示の色調及びコントラストが赤っぽくなり実用上問題である。
×:液晶表示の色調及びコントラストが全体に黒っぽくなり実用に耐えない。
【0035】
図2に示す光半透過反射体に関して、その地合(白化ムラ)については以下のような評価基準でに評価した。
◎:全体が半透明であり、白化ムラはない。
○:全体が半透明であり、白化ムラはほとんどない。
△:全体が半透明であり、白化ムラが部分的に見られ実用上問題である。
×:全体が半透明であり、白化ムラが多く実用に耐えない。
冷却ロールへのシート貼りつき有無は、溶融混練後のダイから冷却ロールへのシート貼りつきの有無を目視で評価した。
【0036】
表面保護層(A)、裏面保護層(C)のマトリックス樹脂であるプロピレン単独重合体(融点167℃:DSCピーク温度)より低融点(134℃:DSCピーク温度)樹脂で高密度ポリエチレンを含む比較例1は貼りつきがみられ、また貼りつきに由来する白化ムラが部分的に見られた。
実施例、及び比較例の各測定結果を表2、表3に示す。
【0037】
【表1】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光半透過反射体によれば、透過光での表色と反射光での表色が同じように見え、従来よりも自然な印象を与える光半透過反射体が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液晶表示装置の概略断面図である。
【図2】 本発明光半透過反射体の一態様の概略断面図である。
【符号の説明】
1 光半透過反射体
2 偏光板
3 液晶セル
4 外光
5 内蔵式光源
A 表面保護層(A)
B 基層(B)
C 裏面保護層(C)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a light transflective reflector. More specifically, the present invention relates to a light transflective reflector that realizes high brightness by transmitting light from the back direction and reflecting light from the front direction.
[0002]
[Prior art]
A liquid crystal display device is known in which a built-in light source is turned on in a dark place and a display image is visually recognized by transmitted light, and a built-in light source is turned off in a bright place and external light is reflected to view the display image. ing. A typical configuration is as shown in FIG. 1. Particularly, when attention is paid to the back side of the liquid crystal cell 3, the polarizing plate 2 and the light semi-transmissive reflector 1 are laminated in this order on the back side of the liquid crystal cell. It is characteristic.
In such a liquid crystal unit, the light transflective reflector makes it possible to efficiently use the light of the built-in light source in the dark place and the light of the external light source in the bright place for display purposes. It functions to realize the display that was there. Generally, glaring transmitted light and reflected light are disliked. Moreover, it is necessary to give a natural impression that the display looks the same for both transmitted light and reflected light, and it is required to balance the impression.
[0003]
Conventionally, a translucent reflector is provided with a coating layer containing a filler such as a pearl pigment, silica, or alumina on a transparent or opacity-adjusted base film to provide a total light transmittance and a total light reflectance. The adjusted one is used. It is also known to add and paste the same filler in the adhesive for bonding the polarizing film and the light transflective reflector to adjust the total light transmittance and total light reflectance.
Such a conventionally known light transflective reflector has a balance between the brightness of the transmitted light and the brightness of the reflected light. The color and the color of the reflected light look different and give an unnatural impression.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention balances the brightness of the transmitted light and the brightness of the reflected light, and the color of the transmitted light and the color of the reflected light appear to be the same, giving a natural impression. An object was to obtain a reflector.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve balanced brightness and color specification in transmitted light and reflected light, the present inventors have determined that the optical characteristic value of the light transflective reflector may be controlled within a certain range. I found it.
In order to realize balanced brightness and color of transmitted light and reflected light, the base layer (B) has a light transflective characteristic, and the characteristics of the base layer (B) are not impaired. I thought that the configuration with was good.
[0006]
It was judged that the base layer (B) had a light semi-transmitting property and a stiffness imparting property, and the surface protective layer (A) had a good structure for protecting the base layer (B). From the viewpoint of productivity, it was judged that the base layer (B) and the surface protective layer (A) were preferably stretch-formed in the biaxial direction. Further, with such a configuration, it has been found that the color specification in the transmitted light and the color specification in the reflected light are not extremely different, giving a natural impression, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention is a resin film made of a thermoplastic resin, and the average value of the transmittance and the reflectance of each wavelength measured in the wavelength range of 380 nm to 780 nm according to JIS-Z8701 of the resin film, Transmittance T% and total light reflectance R%, the sum (T + R) is 80 to 100%, and the absolute value of the difference is | (T−R) | <50%. The color specification value a and the color specification value b are a T and b T , respectively, and the color specification value b in the reflected light is b r, and in the transmitted light, a T ≦ 2, b T ≦ 1.3, the transmitted light and the reflected light The absolute value of the difference between the color values b is | (b T −b r ) | <10.
[0008]
It is preferable that the total light transmittance T of the light transflective reflector is 20 to 60%. The resin film is a multilayer resin stretched film in which at least two layers of the surface protective layer (A) and the base layer (B) are stretched after lamination, and are preferably biaxially stretched. The wall thickness is preferably 0.1 μm or more.
Preferably a longitudinal stretching ratio a ratio of L MD and transverse direction stretching ratio L CD of the multilayer stretched resin film L MD / L CD is 0.2 to 3. It is preferable area stretching ratio of the multilayer stretched resin film (L MD × L CD) is 4 to 80 times. The porosity is preferably 1 to 70% for the surface protective layer (A) and the back surface protective layer (C), and 3 to 15% for the base layer (B).
[0009]
The resin film is made of a polyolefin resin containing an inorganic fine powder and / or an organic filler . The polyolefin resin contained in the surface protective layer (A) is preferably made of a propylene resin having a melting point of 140 ° C. or more, and the amount of inorganic fine powder and / or organic filler contained in the surface protective layer (A) is 1 to 50 weights. %, The amount of inorganic fine powder and / or organic filler contained in the base layer (B) is preferably 1 to 30% by weight.
Moreover, it is preferable that the average particle diameter of an inorganic fine powder is 0.1-5 micrometers, and the average dispersed particle diameter of an organic filler is 0.1-5 micrometers.
The present invention also provides a liquid crystal display device using the light transflective reflector. In the present specification, “to” indicates a range including numerical values described before and after the values as a minimum value and a maximum value, respectively.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the configuration and effects of the light transflective reflector of the present invention will be described in detail. Optical characteristics The translucent reflector of the present invention is characterized in that the total light transmittance T and total light reflectance R measured according to JIS-Z-8701 are balanced in a high range. As an indicator that both the total light transmittance T and the total light reflectance R are high, the sum (T + R) is 80 to 100%, preferably 85 to 100 %, and more preferably 90 to 100%. preferable. When (T + R) is less than 80%, sufficient reflectance and transmittance cannot be obtained, so that the display screen in a bright place and a dark place is dark and character visibility is lowered.
[0011]
As an index of the balance between the total light transmittance T and the total light reflectance R, the absolute value of the difference | (T−R) | <50%, and | (T−R) | <30%. preferable. When | (T−R) | is 50% or more, the character visibility in a bright place is remarkably lowered when T> R, and the character visibility in a dark place is remarkably lowered when T <R.
The total light transmittance T is 20 to 60%, preferably 30 to 55%, more preferably 40 to 50%, and particularly preferably 45 to 50%. If the total light transmittance T is less than 20%, the light transmission is insufficient, and if it exceeds 60%, the light reflection is insufficient.
[0012]
The translucent reflector of the present invention is characterized in that the color of transmitted light and reflected light does not change extremely and is balanced. According to the method described in JIS-Z-8701, the tristimulus values X, Y and Z in the reflected light and transmitted light in the C light source 2 ° field of view are calculated, and the colorimetric value a and the colorimetric value are calculated using the following equations. b was calculated.
a = 17.5 x (1.02 x XY) / Y ( 1/2 )
b = 7.0x (Y-0.847xZ) / Y ( 1/2 )
[0013]
In the present invention, the color value a and the color value b in the transmitted light are a T and b T , respectively, and the color value b in the reflected light is b r . As an index of the table color balance of transmitted light and reflected light, preferably -2 ≦ a T ≦ 2, more preferably from -1 ≦ a T ≦ 1, particularly preferably -0.5 ≦ a T ≦ 0.5. Further , preferably −2 ≦ b T ≦ 1.3, and more preferably −1 ≦ b T ≦ 1. Further, | (b T −b r ) | <10, preferably | (b T −b r ) | <8, and more preferably | (b T −b r ) | <3.
[0014]
If these color values are out of the above range, a problem arises in the balance between the transmitted light and reflected light color. For example, in the case of a T > 2, red color tends to be strong under transmitted light, and conversely, green color tends to be strong under reflected light. In the case of b T > 1.3, yellow tends to be strong in the color specification under transmitted light, and blue tends to be strong under the reflected light. Further, in the case of | (b T −b r ) | ≧ 10, for example, if the color of the color under transmitted light becomes yellow, the color of the color under reflected light becomes strong in blue, and conversely, the color of the color under transmitted light. When the color becomes blue, the color of the color under reflected light tends to be strong and the color balance is lost.
[0015]
Surface protective layer (A)
Surface protective layer of the present invention (A) is made of a polyolefin resin, that contains an inorganic fine powder and / or organic fillers.
Examples of polyolefin resins used include ethylene resins such as linear low density polyethylene, high density polyethylene, and medium density polyethylene, or polyolefin resins such as propylene resin, polymethyl-1-pentene, and ethylene-cyclic olefin copolymer. It includes thermoplastic resins tree butter, and the like. These may be used in combination of two or more. Among these , propylene-based resins are particularly preferable from the viewpoints of chemical resistance and cost.
[0016]
Examples of the propylene-based resin include a propylene homopolymer, and a copolymer of propylene as a main component and an α-olefin such as ethylene, 1-butene, 1-hexene, 1-heptene, and 4-methyl-1-pentene. Is used. The stereoregularity is not particularly limited, and isotactic or syndiotactic and those showing various degrees of stereoregularity can be used. Further, the copolymer may be a binary system, a ternary system, or a quaternary system, and may be a random copolymer or a block copolymer.
[0017]
Among the propylene-based resins, a propylene homopolymer and a propylene copolymer having a melting point of 140 ° C. or higher are preferable. When a resin having a melting point of less than 140 ° C. is contained in the surface protective layer (A), the film is stuck to the cooling roll when the molten sheet is cooled by the cooling roll during extrusion molding of the stretched multilayer resin film of the present invention. There is a tendency that scratches and uneven whitening occur on the surface of the film, and the optical properties during light transmission and reflection are impaired.
Such a thermoplastic resin is preferably used at 99 to 50% by weight, more preferably 97 to 55% by weight.
[0018]
Inorganic fine powder As inorganic fine powder, use calcium carbonate, calcined clay, silica, diatomaceous earth, talc, mica, synthetic mica, sericite, kaolinite, titanium oxide, barium sulfate, alumina, etc. Can do. Among these, calcium carbonate and barium sulfate are preferable, and when titanium oxide is used in an amount of 1% by weight or more, dullness occurs in the color, which is not preferable.
[0019]
As the organic filler, it is preferable to select a type of resin that is different from the main component polyolefin-based resin. For example , as the organic filler, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polycarbonate, nylon-6, nylon-6,6, a cyclic olefin homopolymer, a copolymer of cyclic olefin and ethylene, and the melting point is 120 ° C to 300 ° C. ° C., or glass transition temperature can be exemplified those having a 120 ° C. to 280 ° C..
[0020]
One of these inorganic fine powders or organic fillers may be selected and used alone, or two or more may be selected and used in combination. When using in combination of 2 or more types, you may mix and use an inorganic fine powder and an organic filler.
The amount of inorganic fine powder and / or organic filler contained in the surface protective layer (A) is 1 to 50% by weight, preferably 3 to 45% by weight. When the blending amount is more than 50% by weight, the light semi-transmissive reflection characteristics of the base layer (B) tend to be inhibited, and the surface strength tends to be lowered. When the amount is less than 1%, blocking tends to occur.
The thickness of the surface protective layer (A) is 0.1 μm or more, preferably 0.2 to 30 μm, and more preferably less than 0.5 to 10 μm. If the wall thickness is less than 0.1 μm, the protective function is insufficient.
[0021]
Base layer (B)
The base layer (B) of the present invention contains a polyolefin resin, an inorganic fine powder and / or an organic filler .
As the polyolefin-based resin, the inorganic fine powder, and the organic filler used, those similar to the surface protective layer (A) can be used. The polyolefin resin is preferably from 70 to 99% by weight, more preferably from 80 to 99% by weight, particularly preferably from 95% to 99% by weight.
The amount of the inorganic fine powder and / or organic filler contained in the base layer (B) is 1 to 30% by weight, preferably 1 to 20% by weight, particularly preferably less than 1 to 5% by weight. When the blending amount of the inorganic fine powder and / or organic filler is more than 30% by weight, the light transmittance tends to be lowered too much, and the wrinkle tends to occur due to insufficient rigidity. There is a tendency that the transmittance cannot be balanced.
The thickness of the base layer (B) is 10 to 200 μm, preferably 20 to 100 μm, and more preferably 30 to 60 μm.
[0022]
Back protective layer (C)
The translucent reflector of the present invention has a laminated structure of at least two layers of a surface protective layer (A) and a base layer (B), but further the back surface of the base layer (B) (opposite surface to the surface protective layer (A)). A back protective layer (C) may be provided. The back surface protective layer (C) is made of a polyolefin-based resin and contains an inorganic fine powder and / or an organic filler .
As the polyolefin-based resin, the inorganic fine powder, and the organic filler used, those similar to the surface protective layer (A) can be used. In particular, a propylene homopolymer and a propylene copolymer having a melting point of 140 ° C. or higher are preferable. When a resin having a melting point of less than 140 ° C. is contained in the back surface protective layer (C), the film is stuck to the cooling roll when the molten sheet is cooled by the cooling roll during extrusion molding of the stretched multilayer resin film of the present invention. Scratches and whitening unevenness occur on the surface of the film, and the optical characteristics during light transmission and light reflection tend to be impaired. The polyolefin resin is preferably used in an amount of 99 to 50% by weight, more preferably 99 to 55% by weight.
[0023]
The amount of inorganic fine powder and / or organic filler contained in the back surface protective layer (C) is 1 to 50% by weight, preferably 1 to 45% by weight. When the blending amount of the filler is more than 50% by weight, the light transmission tends to be inhibited and the surface strength tends to be lowered, and when it is less than 1%, blocking tends to occur.
The thickness of the back surface protective layer (C) is 0.1 μm or more, preferably 0.2 to 30 μm.
The translucent reflector of the present invention preferably extends in the biaxial direction after laminating the surface protective layer (A), the base layer (B), and the back surface protective layer (C).
[0024]
Additives If necessary, the light transflective reflector of the present invention may contain a stabilizer, a light stabilizer, a dispersant, a lubricant and the like. Stabilizers such as sterically hindered phenols, phosphorus and amines are used as stabilizers in an amount of 0.001 to 1% by weight. Light stabilizers such as sterically hindered amines, benzotriazoles and benzophenones are used as stabilizers. As a dispersant of 0.001 to 1% by weight of inorganic fine powder, a silane coupling agent, higher fatty acids such as oleic acid and stearic acid, metal soap, polyacrylic acid, polymethacrylic acid or salts thereof, etc. You may mix | blend 01 to 4 weight%.
[0025]
Molding As a molding method of a blend containing a thermoplastic resin, inorganic fine powder and / or organic filler, a general biaxial stretching method can be used.
As a specific example, a single layer or multilayer T die or I die connected to a screw type extruder is used to extrude the molten resin into a sheet shape, and then longitudinal stretching and tenter oven using the peripheral speed difference of the roll group And biaxial stretching using a combination of transverse stretching and a simultaneous biaxial stretching using a combination of a tenter oven and a linear motor.
The stretching temperature is 2 to 60 ° C. lower than the melting point of the thermoplastic resin to be used. When the resin is a propylene homopolymer (melting point 155 to 167 ° C.), 152 to 164 ° C., high density polyethylene (melting point 121 to 134 ° C. ) Is preferably 110 to 120 ° C. The stretching speed is preferably 20 to 350 m / min.
[0026]
In order to adjust the size of the voids generated in the biaxially stretched film, the area stretch ratio [= (longitudinal stretch ratio L MD ) × (transverse stretch ratio L CD )] is 4 to 80 times, preferably 10 It is -70 times, More preferably, it is 30-60 times.
In order to adjust the aspect ratio of the voids that are produced during the biaxially stretched film, the longitudinal stretching ratio L MD and transverse stretching ratio L ratio L MD / L CD of the CD is preferably 0.2 to 3, More preferably, it is 0.3-1.5.
When the area stretch ratio and L MD / L CD deviate from this range, a fine void close to a perfect circle tends to be difficult to obtain.
[0027]
In order to adjust the void size generated in the biaxially stretched film, the average particle size (value obtained from the specific surface area) of the inorganic fine powder or the average dispersed particle size of the organic filler is preferably 0.1 to 5 μm. The range, more preferably each of 0.2-4 μm is used. When the average particle diameter or the average dispersed particle diameter is larger than 4 μm, the voids tend to be non-uniform. Further, when the average particle diameter or the average dispersed particle diameter is smaller than 0.1 μm, there is a tendency that a predetermined void cannot be obtained.
The average particle diameter of the inorganic fine powder described here is calculated from the specific surface area measured by a measuring device ( manufactured by Shimadzu Corporation: model SS-100) by the following calculation formula.
Average particle diameter (μm) = 6 / true specific gravity × specific surface area (true specific gravity is the specific gravity of inorganic fine powder without air)
[0028]
Moreover, the average dispersed particle diameter of the organic filler described here is determined by observing the cross section with an electron microscope. Specifically, after the multi-layer stretched resin film is solidified and embedded in epoxy resin, using a microtome, for example, to produce a vertical cutting plane parallel to and a plane direction with respect to the thickness direction of the film, After this cut surface is metallized, it is observed by magnifying it to an arbitrary magnification that is easy to observe with a scanning electron microscope, for example, 500 times to 2000 times.
In order to form a preferable void, the inorganic fine powder includes particles having a specific surface area of 11000 cm 2 / g or more and a particle size of 15 μm or more (measured by a laser diffraction particle measuring device “Microtrack”). It is effective to use no inorganic fine powder. In particular, it is preferable to use calcium carbonate having a sharp particle size distribution that satisfies such conditions.
If the gap size is not uniform, it will be unevenly whitened and the product appearance and optical properties will be impaired.
[0029]
In order to adjust the amount per unit volume of voids generated in the surface protective layer (A) , base layer (B), and back surface protective layer (C) of the translucent reflector of the present invention, the surface protective layer (A ) And the back surface protection (C) preferably have a porosity of 1 to 70%, more preferably 3 to 65%, and the base layer (B ) preferably has a porosity of 3 to 15%, more preferably. The range is 3 to 12%. When the porosity of the base layer (B) exceeds 15%, the light transmittance tends to decrease too much, and the wrinkle tends to occur due to insufficient rigidity. When the porosity is less than 3%, the light reflectivity tends to decrease too much. There is. In the present invention, “porosity” refers to an area ratio (%) occupied by vacancies in a region observed by an electron micrograph of a cross section.
[0030]
Specifically, the area ratio indicated by the pores is determined by embedding a resin film with an epoxy resin and solidifying it, and then using a microtome, for example, a cut surface parallel to the thickness direction of the film and perpendicular to the surface direction. After producing and metallizing the cut surface, the magnification is observed at an arbitrary magnification that is easy to observe with a scanning electron microscope, for example, 500 times to 2000 times. Next, the void portion was traced on the tracing film and painted, and image processing was performed with an image analyzer (manufactured by Nireco Co., Ltd .: model Luzex IID) to determine the area ratio (%) of the voids. To do.
The density of the resin film used in the present invention decreases as the number of voids increases, and the porosity increases. When the porosity is low, the light transmission characteristics are improved, and when the porosity is high, the light reflection characteristics are improved. For this reason, the base layer as described above (B), suitable positive range of the porosity of the surface protective layer (A) and the back surface protective layer (C) is determined.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, Comparative Examples and Test Examples. The materials, amounts used, ratios, operations, and the like shown below can be changed in a timely manner unless exempted from the present invention. Therefore, the scope of the present invention is not limited to the specific examples shown below. The raw materials used are shown in Table 1, and the composition of each layer is shown in Table 2.
Production and evaluation of base materials [Examples 1 to 7 and Comparative Example 1]
Composition (B) composed of PP2 (described in Table 1), HDPE (described in Table 1) and calcium carbonate (described in Table 1), composition composed of PP1 (described in Table 1), HDPE and calcium carbonate (A ) And (C) were melt kneaded at 250 ° C. using three separate extruders. Then, the laminate (A / B / C) was obtained by supplying to one co-extrusion die, laminating within the die, extruding into a sheet, and cooling to about 60 ° C. with a cooling roll.
After reheating this laminate to 145 ° C., it was stretched in the longitudinal direction at the magnifications shown in Table 2 by utilizing the peripheral speed differences of a large number of roll groups, reheated again to about 150 ° C., and transversely with a tenter. The film was stretched at the magnification described in Table 2. Then, after annealing at 160 ° C., the product was cooled to 60 ° C., and the ears were slit to obtain a light transflective reflector that was a multilayer resin stretched film.
[0032]
[Example-8]
The composition (B) composed of PP2 and calcium carbonate and the composition (A) composed of PP1 and calcium carbonate were melt-kneaded at 250 ° C. using two separate extruders. Then, it supplied to one co-pressing die, laminated | stacked in the die | dye, extruded to the sheet form, and cooled to about 60 degreeC with the cooling roll, and the two-layered laminate (A / B) was obtained.
After reheating this laminate to 145 ° C., it was stretched in the longitudinal direction at the magnifications shown in Table 2 by utilizing the peripheral speed differences of a large number of roll groups, reheated again to about 150 ° C., and transversely with a tenter. The film was stretched at the magnification described in Table 2. Then, after annealing at 160 ° C., the product was cooled to 60 ° C., and the ears were slit to obtain a light transflective reflector that was a multilayer resin stretched film.
Comparative example-1 was produced by the method described in Example 1 of JP-A-59-204825.
About the manufactured light transflective reflectors of Examples 1 to 8 and Comparative Example 1, the total light transmittance, the total light reflectance, and the color tone thereof were measured using a measuring device (manufactured by Hitachi, Ltd .: U-3310). , Measured by conducting the test of JIS-Z-8701.
[0033]
The porosity is determined by embedding a stretched multilayer resin film with an epoxy resin and solidifying it, and then using a microtome to produce a cut surface parallel to the thickness direction of the film and perpendicular to the surface direction. Metalize. Next, the image is magnified 2000 times with a scanning electron microscope, and the observed region is photographed. Next, the holes were traced on the tracing film, and the filled figure was subjected to image processing with an image analysis device (manufactured by Nireco Corporation: model Luzex IID), and the area ratio of the holes was obtained to obtain the porosity.
[0034]
Moreover, making a liquid crystal display device shown in FIG. 1, the dark: through internal lamp without state of night external illumination, and light place: in a state in which addressed the external light (sunlight, fluorescent light, etc.), dark The color tone and contrast of the liquid crystal display in the place and the light place were evaluated according to the following evaluation criteria.
A: The color tone and contrast of the liquid crystal display are very clear.
○: The color tone and contrast of the liquid crystal display are clear.
(Triangle | delta): The color tone and contrast of a liquid crystal display become reddish, and are a problem practically.
X: The color tone and contrast of the liquid crystal display become blackish as a whole, and cannot be practically used.
[0035]
Respect semitransparent reflector shown in FIG. 2, for its the formation (whitening unevenness) was assessed by criteria such as:.
A: The whole is translucent and there is no whitening unevenness.
○: The whole is translucent and there is almost no whitening unevenness.
(Triangle | delta): The whole is translucent and whitening nonuniformity is seen partially and is a problem practically.
X: The whole is translucent, has many whitening irregularities, and cannot withstand practical use.
The presence or absence of the sheet sticking to the cooling roll was evaluated by visual observation of the presence or absence of the sheet sticking from the die after melt-kneading to the cooling roll.
[0036]
Comparison including high-density polyethylene in a lower melting point (134 ° C .: DSC peak temperature) resin than propylene homopolymer (melting point 167 ° C .: DSC peak temperature) which is a matrix resin of the surface protective layer (A) and the back surface protective layer (C) In Example 1, sticking was observed, and whitening unevenness derived from sticking was partially seen.
Tables 2 and 3 show the measurement results of Examples and Comparative Examples.
[0037]
[Table 1]
[0038]
[Table 2]
[0039]
[Table 3]
[0040]
【The invention's effect】
As described above, according to the light transflective reflector of the present invention, the light transflective reflector that looks the same in the transmitted color and the reflected color and gives a more natural impression than before. realizable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a liquid crystal display device.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of one embodiment of the light transflective reflector of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Semi-transmissive reflector 2 Polarizing plate 3 Liquid crystal cell 4
B base layer (B)
C Back surface protective layer (C)
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