JP3818326B2 - 内燃機関の始動時燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の始動時燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の始動時燃料噴射制御装置としては、例えば第1従来例として特開平3−54337号公報、第2従来例として特開平6−117298号公報、第3従来例として特開平5−332177号公報等のような始動時燃料噴射制御装置がある。図9に示すようにこれらは何れもスタートスイッチ等により始動時を判定する手段と、クランク角センサから気筒判別を行う手段と、始動時噴射パターンによりインジェクタに燃料噴射パルス幅をセットする手段と、冷却水温やエンジン回転数や負荷に応じて燃料噴射パルス幅を演算する手段と、からなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の内燃機関の始動時燃料噴射制御装置にあっては、図10に示すように第1従来例ではその燃料噴射モードはスタートスイッチ:オンと同時に1回全気筒同時噴射とし、その後直ちに気筒判別ができ気筒判別後は気筒毎に1サイクル1回のシーケンシャル噴射となっている。また、第2従来例においても、初回は全気筒同時噴射であるがスタートスイッチ:オンと同時に気筒判別が行え吸入行程までの時間により気筒別に燃料噴射量設定を行っている。
【0004】
しかし、始動クランキング初期1〜2回転は回転が低く圧縮圧力の上昇が鈍いため、温度も上昇せず燃料と空気の混合状態が悪く燃焼不可能な場合もあり、初回同時噴射された燃料が燃焼されずに排出されHCエミッション排出量増大の一因となる。また、初回同時噴射量は真のエンジン要求噴射量とすることが難しく、適合が面倒なだけでなく安全サイドで過剰に燃料を噴射しており、燃費やエミッションに不利だけでなく、点火プラグを燃料で濡らし燃焼不可能になり始動性悪化を招くこともあると言う問題点が有った。
【0005】
また、第1及び第2の従来例では始動クランキング時に早期に且つ精度良く気筒判別が行える高価なシステムが必要になるという問題点がある。これに対して、第3の従来例では、気筒判別のシステムを安価に抑えるため、特定気筒のみ判別可能な信号とし、始動クランキング時の気筒判別遅れに対応するため機関停止時に停止位置を記憶し次の始動時には前の停止位置記憶値に基づいて燃料噴射を行う気筒を推測していたため、停止後にエンジンが回転した場合には全く各気筒の吸気行程と燃料噴射時期のタイミングが合わなくなるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、始動クランキング時最初の1.5回転は燃料噴射を行わず、気筒判別ができるまでの位置に従って1回目の燃料噴射を行う気筒を分ける移行噴射モードと、気筒判別が可能となった後は直ちにシーケンシャル噴射に移るシーケンシャル噴射モードと、を設ける始動時燃料噴射制御ロジックとすることにより、空燃比の制御性に優れ、燃料量の過不足なく供給することができ回転の立ち上がりもスムーズとなり、エミッションや燃費も向上できる内燃機関の始動時燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸入空気量を検出するエアーフローメータと、回転数を検出するクランク角センサと、冷却水温を検出する水温センサと、スロットル開度を検出するスロットルセンサと、排気系に排気ガス中の酸素有無を検出するO2 センサと、排気ガスを浄化する触媒と、これらのセンサ信号に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算するコントロールユニットと、この内部にセンサからの信号を読み込む入力部と、予め演算方法がプログラムされている不揮発性の記憶装置と、演算中に必要な書き換え可能な記憶装置の各メモリ部と、各センサ信号とプログラムを基に実際に演算する処理装置と、演算された結果を各アクチュエータに出力する出力部と、アクチュエータとしての燃料を噴射するインジェクタと、点火のための高電圧を形成するイグニッションコイルと、実際に火花を飛ばす点火プラグと、を持つ内燃機関において、スタートSw等の信号を基に始動時を判定する始動時判定手段と、クランク角度に同期して各気筒の一定角度時に基準信号を出力する手段と、始動時に該基準信号の入力回数を計測する手段と、該基準信号を基に気筒を判別する手段と、始動時に初回基準信号から初回気筒判別可能な基準信号までの基準信号数を計測する手段と、始動時に該基準信号の入力回数が所定値未満の場合に燃料噴射を禁止する手段と、始動時に該基準信号の入力回数が前記所定値以上の場合に、始動時初回気筒判別基準信号までの基準信号数に応じて燃料を噴射する気筒とその噴射タイミングを設定する始動時初回噴射設定手段と、通常シーケンシャル噴射する気筒とその噴射タイミングを設定する通常シーケンシャル噴射設定手段と、前記燃料噴射の禁止後の前記始動時初回噴射設定手段で設定した噴射を行った後に、前記通常シーケンシャル噴射を順に行う燃料噴射手段とを備えることを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御装置とした。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃機関の始動時燃料噴射制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【0010】
まず構成を説明すると、図1においてエンジンの運転条件を検出する主な手段として、吸入空気量を検出するエアーフローメータ1と、回転数を検出するクランク角センサ(図示せず)と、冷却水温を検出する水温センサ13と、スロットル開度を検出するスロットルセンサ2とが有る。排気系には排気ガス中の酸素有無を検出するO2 センサ3と、排気ガスを浄化する触媒が有る。これらのセンサ信号に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算するコントロールユニット4には、センサからの信号を読み込む入力部5と、予め演算方法がプログラムされているROM6と、演算中に必要なRAM7の各メモリ部と、各センサ信号とプログラムを基に実際に演算するCPU部8と、演算された結果を各アクチュエータに出力する出力部9とから成る。アクチュエータとしては、燃料を噴射するインジェクタ10と、点火のための高電圧を形成するイグニッションコイル11と、実際に火花を飛ばす点火プラグ12と、等がある。
【0011】
通常、クランク角度に同期して各気筒の一定角度時に出力する基準信号のうち1つだけ他の基準信号と長さを変えるなどにより特定気筒を判別できるようにしており、この気筒判別信号を基に燃料噴射や点火を行う気筒を決めたり、基準信号からのクランク経過角度により燃料噴射時期や点火時期を決めている。
【0012】
一方、始動時には初回の上記基準信号がどの位置となっているか分からず特定気筒の判別信号が入力されるまで気筒判別が行われないため、気筒判別が行われてから燃料噴射したのでは初爆までに時間が掛かり過ぎ、始動性能としては良くない。また、クランキング初期1〜2回転は回転が低く、圧縮温度が低く燃料と空気の混合状態が悪く燃焼状態も不良であるため、燃料の生ガスが排出されHCエミッション悪化の一因となる。
【0013】
そこで、始動時1.5回転は燃料噴射を行わず無駄燃料を避け、基準信号の入力によって燃料噴射パターンを変え吸気行程となる気筒に燃料を噴射し初爆をなるべく早く起こすようにする。即ち、始動時1.5回転は燃料噴射を行わず、その後の初回気筒判別信号までの基準信号数に応じて移行措置として燃料を噴射する気筒を決定するようにし、その後気筒判別が出来る基準信号が入力された場合に通常シーケンシャル噴射へ移行することにより、各気筒共吸気量に対して過不足なく燃料を噴射できる初爆が早く発生し始動性能が向上すると共に空燃比の制御性が向上し燃費や排気エミッションも向上する。
【0014】
この様な構成においては、始動時に特定気筒が判別できない基準信号入力と同時に全気筒同時に燃料を噴射するため、その後気筒判別が可能となる基準信号が入力するまでは燃料噴射を行わなくても各気筒共1サイクル分の燃料が供給され、気筒判別が終了してから燃料噴射を行う仕様に比べて初爆が早期に発生し始動性能が向上する。更に気筒判別が終了した後は通常シーケンシャル噴射へ移行するが、気筒判別基準信号から通常シーケンシャル噴射を設定するのに2回転(3回基準信号分)の時間が必要なため、その間は初回基準信号から初回気筒判別基準信号までの基準信号入力回数に応じて、通常シーケンシャル噴射までに吸気行程を向かえる気筒のうち初回全気筒同時噴射で燃料を供給した次のサイクルに対して燃料を噴射するようにしたため、各サイクル共燃料供給量の過不足なく燃焼が行え、空燃比の制御性が向上し燃費や排気ガスエミッションが向上する。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態における制御ブロックの一例図である。
【0016】
図2においてスタート等の信号Swを基に始動時を判定する手段Aと、クランク角度に同期して各気筒の一定角度時に出力する基準REF信号を基に気筒判別する手段Bと、始動時に初回REF信号から初回気筒判別可能REF信号までのREF数を計測する手段Cと、始動からのREF信号入力数を計測する手段Dと、3回目の基準信号入力時に初回燃料噴射を許可する手段Eと、初回REF信号からの初回気筒判別可能REF数に応じて燃料を噴射する気筒とタイミングを設定する手段Fと、気筒判別後は通常シーケンシャル噴射に移行し燃料を噴射する気筒とタイミングを設定する手段Gと、前述の始動と判定されている間は燃料噴射パルス幅として冷却水温で決まる値を演算する手段Hと、始動後には吸入空気量や回転数で決まる通常噴射パルス幅を演算する手段Iと、以上の噴射気筒・タイミング・噴射パルス幅を基に燃料を噴射する手段Jとから成る。
【0017】
ところで、通常クランク角度に同期して各気筒の一定角度時に出力する基準信号を基に気筒判別を行うものにおいては、気筒判別ができるまでの始動時1.5回転は燃料噴射を行わず無駄燃料を避け、基準信号の入力によって燃料噴射パターンを変え吸気行程となる気筒に燃料を噴射し初爆をなるべく早く起こすようにする。即ち、始動時1.5回転は燃料噴射を行わず、その後の初回気筒判別信号までの基準信号数に応じて移行措置として燃料を噴射する気筒を決定するようにし、その後気筒判別が出来る基準信号が入力された場合に通常シーケンシャル噴射へ移行することにより、各気筒共吸気量に対して過不足なく燃料を噴射でき、初爆が早く発生して始動性能が向上すると共に空燃比の制御性が向上して燃費や排気エミッションも向上する。
【0018】
従来の始動時燃料噴射制御仕様においては、空燃比の制御性より始動性重視のため市場のばらつき等を考慮してRich側に適合されており、この結果回転の立ち上がりが急になり過ぎてその後の回転変動が大になったり、場合によってはアンダーシュートによりエンストに至ることもあり、また過剰な燃料のうちの液体で存在する燃料によってプラグが濡れて絶縁抵抗の低下により点火不能になることもある。これを避けるため始動時燃料量を減量させると、Leanになり過ぎて回転立ち上がりに充分なトルクが得られない場合もある。これらRichとLeanの間の最適な値設定するのが難しかった。これに対し、本発明による始動時燃料噴射制御仕様では空燃比の制御性に優れ、燃料量の過不足なく供給することができ回転の立ち上がりもスムースとなり、エミッションや燃費も向上できる。
【0019】
図3は本発明による燃料噴射パターン決定のための噴射時期演算フローである。この例では直列4気筒エンジンに適用したものであり、各気筒のタイミング基準であるREF信号毎に実行される。
【0020】
先ず、このフローチャートにおいて、ステップS1では始動時をスタートSwがOnであるか否かで判断し、始動時にはステップS2に進み、始動時以外にはステップS14に進む。ステップS2では今回のREF信号が3回目未満か否かを判断し、3回目未満ならばステップS3へ進み、3回目以上ならばステップS6へ進む。ステップS3では気筒判別ができているか否かを判断し、気筒判別ができていない場合にはステップS4へ進み、気筒判別ができている場合にはステップS5へ進む。ステップS4ではREF信号3回目以内で気筒判別ができなかった場合であり、全気筒共燃料噴射は行わない。ステップS5ではREF信号3回目以内で気筒判別ができた場合であり、通常噴射時期が設定できるため#3気筒以降に通常シーケンシャル噴射時期を設定する。通常噴射時期は噴射修了時期がある設定クランク角度になるように、現回転数と噴射パルス幅を基に演算される。ステップS6では今回のREF信号が4回目以上か否かを判断し、4回目以上の場合にはステップS14へ進む。一方、ステップS7では3回目のREF信号入力までに気筒判別ができているか否かを判断し、気筒判別ができていない場合にはステップS8へ進み、気筒判別ができている場合にはステップS9へ進む。ステップS8ではREF信号3回目入力までに未だ気筒判別ができなかった場合であり、全気筒同時噴射タイミングを演算する。ステップS9では気筒判別が初回REF信号のものであるか否かを判断し、初回の気筒判別時にはステップS10へ進み、初回以降であればステップS11へ進む。ステップS10では、気筒判別ができたREF信号が1回目の場合であり、#1気筒のみ噴射する。ステップS11では気筒判別ができたREF信号が2回目のものであるか否かを判断し、2回目のものである場合にはステップS12へ進み#1と#2気筒のみ燃料噴射する。ステップS13では気筒判別ができたREF信号が3回目のものである場合で、#1と#2と#4気筒に噴射する。ステップS14ではすでに気筒判別ができた場合であり、ステップS5と同様に通常噴射時期が設定できるためその気筒に通常噴射時期を設定する。通常噴射時期は噴射修了時期がある設定クランク角度になるように、現回転数と噴射パルス幅を基に演算される。最後にステップS15では以上のフローで演算された燃料噴射時期に、噴射すべき気筒のインジェクタへ別に演算される噴射パルス幅を設定する。尚、ここには示さないが直列4気筒式のエンジン以外の直列6気筒、V6気筒、V8気筒等の機種でも同様に、最初に全気筒共噴射を行わず、REF信号により気筒判別された後には、その時のタイミングにより燃料噴射する気筒を特定して順次通常シーケンシャル噴射へ移行する。
【0021】
図4には燃料噴射パルス幅の演算フローを示す。ステップS16では通常シーケンシャル噴射であるか否かを判断し、通常シーケンシャル噴射の場合にはステップS17へ進み、別に示すフローに従って燃料噴射パルス幅Tlを演算する。ステップS18では始動時の燃料噴射パルス幅Tlstを演算する。Tlstはクランキング中の噴射パルス幅であり、この時エンジンの吸入空気量は全開相当であるため、全開相当の基本パルス幅に対してポートやシリンダ内付着燃料による応答性や混合性を考慮した補正を行えば良い。これらは通常冷却水温によって決まり、底水温程付着燃料が多くなり応答性や混合性が悪化し多量の燃料量が必要となるため、図5のように水温によるテーブルでパルス幅を設定するだけでも良い。
【0022】
図6は本発明による始動時燃料噴射パルス幅設定のタイミングチャートを示す。この例では直4エンジンにおいて180度毎のREF信号のうち1種のみが他と異なり(720度信号…#1気等の圧縮上死点前一定角度で出力)、気筒判別ができるようになっている。
【0023】
クランキングを開始してから2回目のREF信号までは噴射を行なわず、3回目のREF信号入力時に以下のように初回燃料噴射を行う。
【0024】
クランキングを開始してから最初のREF信号が720度信号で気筒判別ができた場合には、始動時初回噴射として#1気筒に噴射するように噴射時期を設定する。この噴射時期は#1気筒の吸気行程に間に合わせるように3回目のREF入力後なるべく早く噴射できるようにし、例えば点火時期同期等に設定すれば良い。#3気筒以降については、通常シーケンシャル噴射設定とする。
【0025】
クランキングを開始してから2回目のREF信号で気筒判別できた場合には、始動時初回噴射として#1と#2気筒に噴射するように噴射時期を設定する。この噴射時期は#2気筒の吸気行程に間に合わせるように3回目のREF入力後なるべく早く噴射できるようにし、例えば点火時期同期等に設定すれば良い。#3気筒以降については、通常シーケンシャル噴射設定とする。
【0026】
クランキングを開始してから3回目のREF信号で気筒判別できた場合には、始動時初回噴射として#1と#2と#4気筒に噴射するように噴射時期を設定する。この噴射時期は#4気筒の吸気行程に間に合わせるように3回目のREF入力後なるべく早く噴射できるようにし、例えば点火時期同期等に設定すれば良い。#3気筒以降については、通常シーケンシャル噴射設定とする。
【0027】
クランキングを開始してから3回目のREF信号までに気筒判別できない場合には、始動時初回噴射として全気筒に噴射するように噴射時期を設定する。この噴射時期は#3気筒の吸気行程に間に合わせるように3回目のREF入力後なるべく早く噴射できるようにし、例えば点火時期同期等に設定すれば良い。次の#3気筒から通常シーケンシャル噴射とする。
【0028】
これらの噴射により各気筒の吸気行程に対して1回ずつ燃料噴射が行われ、各サイクルに対して最適な噴射パルス幅が設定できるため、空燃比の制御精度が向上し、燃料量が不足して始動不良になったり、過剰に噴射してエミッションや燃費を悪化させることがなくなる。
【0029】
ここでは省くが、各REF信号の何れでも気筒判別ができるような仕様の場合や、直列6気筒・V6気筒のような異なる型のエンジンにおいても、前述と同様に、1.5回転間は噴射を行わず、気筒判別できるまでのREF信号入力回数で初回燃料噴射を行う気筒を定め、順次通常シーケンシャル噴射に移行すれば良い。
【0030】
また、燃料噴射パルス幅については前述の図3に示した演算フローで説明したように、スタートSwがオンの時には始動時パルス幅Tlstを用い、同Swがオフになってから通常噴射パルス幅Tlを用いる。
【0031】
図7には通常噴射パルス幅Tl演算のフローを示す。このフローチャートにおいて、S19ではエンジン吸入空気量と回転数から基本噴射パルス幅TPを演算する。ステップS20では過渡時の燃料応答遅れに伴うエラーを補正する過渡補正量KATHOSを演算する。ステップS21はエンジンの設定空燃比を決める目標空燃比設定補正係数TFBYAを演算する。ステップS22では触媒の転換効率を高めるための理論空燃比になるようにエンジン排気側に設置したO2 センサ信号を基にフィードバック制御を行うための補正係数ALPHAを演算する。ステップS23では前述の空燃比フィードバック補正係数ALPHAを基に空燃比補正学習値KBLRCを演算する。ステップS24では電圧低下に伴うインジェクタの開弁遅れを補正するための無効噴射パルス幅TSを演算する。ステップS25では前述の各値から下記式によってインジェクタの噴射パルス幅Tlを演算する。
【0032】
Tl=(TP+KATHOS)×TFBYA ×(ALPHA+KBLRC-1) +TS
【0033】
【発明の効果】
本発明による始動時燃料噴射制御装置によれば、図8に示す様に、空燃比の制御性に優れ、燃料量の過不足なく供給することができ回転の立ち上がりもスムースとなり、エミッションや燃費も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における制御ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における燃料噴射パターンの演算フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における燃料噴射パルス幅の演算フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における始動時燃料噴射パルス幅設定の一例である。
【図6】本発明の実施の形態による始動時燃料噴射パルスのタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における通常噴射パルス幅の演算フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態による始動直後の空燃比と回転立ち上がりの様子を従来例と比較して示す説明図である。
【図9】従来例として現行始動時燃料噴射制御を示すブロック図である。
【図10】従来例の燃料噴射パターンを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エアーフローメータ
2 スロットルセンサ
3 O2 センサ
4 コントロールユニット
5 入力部
6 ROM
7 RAM
8 CPU
9 出力部
10 インジェクタ
11 イグニッションコイル
12 点火プラグ
13 水温センサ
Claims (3)
- 吸入空気量を検出するエアーフローメータと、回転数を検出するクランク角センサと、冷却水温を検出する水温センサと、スロットル開度を検出するスロットルセンサと、排気系に排気ガス中の酸素有無を検出するO2 センサと、排気ガスを浄化する触媒と、これらのセンサ信号に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算するコントロールユニットと、この内部にセンサからの信号を読み込む入力部と、予め演算方法がプログラムされている不揮発性の記憶装置と、演算中に必要な書き換え可能な記憶装置の各メモリ部と、各センサ信号とプログラムを基に実際に演算する処理装置と、演算された結果を各アクチュエータに出力する出力部と、アクチュエータとしての燃料を噴射するインジェクタと、点火のための高電圧を形成するイグニッションコイルと、実際に火花を飛ばす点火プラグと、を持つ内燃機関において、
スタートSw等の信号を基に始動時を判定する始動時判定手段と、
クランク角度に同期して各気筒の一定角度時に基準信号を出力する手段と、
始動時に該基準信号の入力回数を計測する手段と、該基準信号を基に気筒を判別する手段と、
始動時に初回基準信号から初回気筒判別可能な基準信号までの基準信号数を計測する手段と、
始動時に該基準信号の入力回数が所定値未満の場合に燃料噴射を禁止する手段と、
始動時に該基準信号の入力回数が前記所定値以上の場合に、始動時初回気筒判別基準信号までの基準信号数に応じて燃料を噴射する気筒とその噴射タイミングを設定する始動時初回噴射設定手段と、
通常シーケンシャル噴射する気筒とその噴射タイミングを設定する通常シーケンシャル噴射設定手段と、
前記燃料噴射の禁止後の前記始動時初回噴射設定手段で設定した噴射を行った後に、前記通常シーケンシャル噴射を順に行う燃料噴射手段とを備えることを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御装置。 - 請求項1記載の内燃機関の始動時燃料噴射制御装置において、始動時用の冷却水温度で決まる燃料噴射パルス幅を演算する手段を備えることを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御装置。
- 請求項1記載の内燃機関の始動時燃料噴射制御装置において、シーケンシャル噴射時用の吸入空気量や回転数で決まる通常噴射パルス幅を演算する手段を備えることを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御装置。
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