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JP3815309B2 - 自動販売機の商品払出し装置 - Google Patents

自動販売機の商品払出し装置 Download PDF

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JP3815309B2
JP3815309B2 JP2001365149A JP2001365149A JP3815309B2 JP 3815309 B2 JP3815309 B2 JP 3815309B2 JP 2001365149 A JP2001365149 A JP 2001365149A JP 2001365149 A JP2001365149 A JP 2001365149A JP 3815309 B2 JP3815309 B2 JP 3815309B2
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憲一 新井
敬 木原
貴史 西山
俊二 生形
徹哉 徳田
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Fuji Electric Retail Systems Co Ltd
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Fuji Electric Retail Systems Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、横倒しで上下方向に積み重なった状態で商品通路に収納された複数の商品のうちの最下位の販売商品を、販売時に下方へ払い出す自動販売機の商品払出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の商品払出し装置として、例えば本出願人がすでに提案した特開2001−155235号に記載のものが知られている。この商品払出し装置は、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に販売商品のみを払い出せるものであり、その構造を図18に示している。この商品払出し装置71は、通常、互いに背中合わせにした状態で、上下方向に延びる前後(図18では左右)2つの商品通路72、72の図示しない仕切壁の下端部に配置される。そして、販売時に、選択された商品を収納する商品通路72の商品払出し装置71が独立して作動し、その商品通路72の販売商品Sを下方へ払い出す。なお、本明細書の以下の説明では、商品通路に収納された商品のうち、販売商品およびそのすぐ上に位置する次販商品にそれぞれ、適宜、「S1」および「S2」の符号を付する。
【0003】
この商品払出し装置71は、販売時に商品通路72の下端部を開閉するストッパ73と、商品通路72に対し、斜め前下がりに進退自在にスライド可能なエジェクタ74と、このエジェクタ74を販売時にスライドさせる駆動機構75と、左右方向(図18の表裏方向)に互いに間隔を存して対向する一対の側板76、76などを備えている。各側板76の下端部には、1/4円弧状のストッパガイド溝77が形成されており、このストッパガイド溝77にストッパ73が案内されながら、図18に実線で示す閉鎖位置と2点鎖線で示す開放位置との間で回動するようになっている。そして、このストッパ73は、ストッパガイド溝77の上端部に形成された三角形状の係止溝77a、およびストッパ73に組み付けられたロック機構78により、閉鎖位置にロックされるようになっている。
【0004】
また、各側板76のストッパガイド溝77の上側には、くの字状のエジェクタガイド溝79が形成されている。エジェクタ74は、このエジェクタガイド溝79に案内されながら、次販商品S2の下方への移動を許容する許容位置(図18の実線で示す位置)と、販売商品S1の上部に当接することで定められ、次販商品S2の下方への移動を阻止する阻止位置(例えば図18の2点鎖線で示す位置)との間でスライドするようになっている。エジェクタ74が阻止位置に達したときには、商品通路72の対向する通路壁72aと協働して、次販商品S2を支持する。なお、通路壁72aには、エジェクタ74で次販商品S2を支持する高さとほぼ同じ高さに、支持凸部72bが突設されており、この支持凸部72bで、次販商品S2を通路壁72aに引っかかりやすくしている。
【0005】
このように構成された商品払出し装置71は、販売時に次のように作動することにより、販売商品S1を払い出すとともに、次販商品S2を支持する。まず、駆動機構75が作動し始めることにより、エジェクタ74が阻止位置に向かって前下がりにスライドし、その先端が、図18の2点鎖線で示すように、販売商品S1の上部に当接する。そして、その当接後も、駆動機構75が作動し続けることによって、ロック機構78によるストッパ73のロックが解除される。そうすると、閉鎖位置のストッパ73は、販売商品S1の自重、および販売商品S1へのエジェクタ74による上方からの押圧により、開放位置に向かって押し開けられる。これにより、商品通路72が開放されることで、販売商品S1が落下し下方へ払い出されるとともに、次販商品S2がエジェクタ74と通路壁72aとによって支持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記の商品払出し装置71では、エジェクタ74が販売商品S1に当接するまでスライドし、エジェクタ74の阻止位置が商品のサイズや形状に応じて自動的に適切に設定されるため、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に、販売商品S1のみを払い出すことが可能である。しかし、近年、多種多様な容器に入った飲料商品が開発されており、新商品のサイズや形状などによっては、上記商品払出し装置71で販売商品S1を適切に払い出せないことや、いわゆる多本販売をしてしまうことがある。
【0007】
例えば、図19に示すように、次販商品S2がエジェクタ74の軌道上(エジェクタガイド溝79間)にかかることで、販売時に、阻止位置に向かって前下がりにスライドしたエジェクタ74が、販売商品S1ではなく、次販商品S2に当接し、この次販商品S2を、通路壁72aとエジェクタ74との間で挟んでしまうことがある。この状態で、ストッパ73のロックが解除されると、販売商品S1の自重のみでストッパ73を開放しなければならない。しかし、販売商品S1の重さが軽く、ストッパ73を押し開けるには不十分である場合には、ストッパ73を開放できないことで、販売商品S1が商品通路72に留まり、払い出せないおそれがある。また、販売商品S1の自重のみでストッパ73を開放でき、その販売商品S1を払い出せる場合であっても、その払出し終了後に、エジェクタ74が後退することで次販商品S2が落下し、販売商品S1とともに次販商品S2が払い出される多本販売を生じるおそれもある。以上のように、この商品払出し装置71には改善の余地がある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に、販売商品のみを確実に払い出すことができ、しかも新商品にも十分に対応することができる自動販売機の商品払出し装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動販売機の商品払出し装置は、横倒しで上下方向に積み重なった状態で商品通路に収納された複数の商品のうちの最下位の販売商品を、販売時に下方へ払い出す自動販売機の商品払出し装置であって、上下方向に延びるフレームと、このフレームの下部に設けられ、販売商品の払出しを阻止するように商品通路を閉鎖する閉鎖位置と、販売商品の払出しを許容するように商品通路を開放する開放位置との間で移動自在の商品通路開閉部材と、フレームの商品通路開閉部材よりも上方に設けられ、フレームに案内されながら、商品通路内に販売商品に向かって斜め前下方に突出可能なスライド部材と、販売時に、スライド部材を駆動する駆動機構と、スライド部材に上方から当接する当接位置と、この当接位置よりも上方に所定角度回動した回動位置との間で回動自在の状態で、スライド部材の先端から離隔した位置に連結され、スライド部材の先端よりも商品通路の内方に延びるとともに、スライド部材の移動に伴い、販売商品のすぐ上に位置する次販商品の下方への移動を許容する許容位置と、販売商品の上部に当接することにより定められ、次販商品をフレームに対向する通路壁と協働して支持することにより、次販商品の下方への移動を阻止する阻止位置との間で移動自在の次販商品支持部材と、この次販商品支持部材を回動位置に付勢する付勢手段と、商品通路開閉部材を閉鎖位置にロックするとともに、次販商品支持部材が阻止位置に移動したときに、商品通路開閉部材のロックを解除するロック機構と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、販売時に、スライド部材が、フレームに案内されながら、商品通路内に販売商品に向かって斜め前下方に突出するように移動すると、これに伴い、スライド部材に連結された次販商品支持部材も、販売商品に向かって移動する。そして、次販商品支持部材が販売商品の上部に当接したとき、すなわち、次販商品支持部材が阻止位置に到達したときに、閉鎖位置にロックされていた商品通路開閉部材のロックが解除される。そうすると、商品通路開閉部材は、販売商品の自重などにより、閉鎖位置から開放位置に駆動され、これにより、販売商品が商品通路から下方へ払い出される。一方、阻止位置に到達した次販商品支持部材は、通路壁と協働して次販商品を支持し、これにより、次販商品が商品通路内に保持される。
【0011】
前述のように、次販商品支持部材の阻止位置は、次販商品支持部材が販売商品に当接することによって定められるので、その阻止位置が商品のサイズや形状に応じて自動的にかつ無段階に適切に設定される。また、次販商品支持部材は、当接位置と回動位置との間で回動自在の状態で、スライド部材に連結されるとともに、付勢手段によって回動位置に付勢されている。このため、回動位置の次販商品支持部材が販売商品よりも先に次販商品に当接したとしても、その次販商品支持部材は、次販商品の反力によって、当接位置に向かって回動駆動され、これにより、販売商品の上部に確実に当接することが可能となる。したがって、上記構成の商品払出し装置によれば、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に、販売商品のみを確実に払い出すことができ、しかも新商品にも十分に対応することができるので、販売すべき商品に対する商品払出し装置の適応性(フレキシブル性)を、従来にもまして大幅に高めることができる。
【0012】
この場合、フレームは、左右方向に互いに間隔を存して対向するとともに前下がりに形成され、スライド部材を案内するための左右一対のガイド溝を有しており、スライド部材には、両端部がそれぞれ左右一対のガイド溝に摺動自在に係合した上下2本のシャフトが設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、スライド部材に設けられた上下2本のシャフトの両端部がそれぞれ、フレームの左右一対のガイド溝に摺動自在に係合しているので、スライド部材を、左右一対のガイド溝に沿って、円滑にスライドさせることができる。
【0014】
またこの場合、次販商品支持部材は、上下2本のシャフトのうちの上側のシャフトに回動自在に連結されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、次販商品支持部材を、スライド部材に設けられた上側のシャフトに回動自在に連結することによって、スライド部材の先端から離隔した位置を中心に、当接位置と回動位置との間で回動自在の次販商品支持部材を簡単に構成することができる。また、次販商品支持部材は、スライド部材に当接することによって、上記当接位置に位置決めされるとともに、その状態で次販商品をしっかりと支持することが可能である。
【0016】
またこれらの場合、フレームの商品通路開閉部材の上方に設けられ、上端部を中心に商品通路の内方に前下がりに傾斜した傾斜位置と、商品通路内の商品により押圧されることで、傾斜位置よりも所定角度回動した押圧位置との間で回動自在の売切れ検出部材を、さらに備えており、左右一対のガイド溝の各々は、売切れ検出部材の背面側と売切れ検出部材の下方との間に延びるように円弧状に形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、商品通路に商品が残存している場合には、売切れ検出部材が商品により押圧され、押圧位置に位置することで、商品が売切れでないと判別することが可能となる。逆に、売切れ検出部材が商品で押圧されることなく、傾斜位置に位置することで、商品が売切れであると判別することが可能となる。また、左右一対のガイド溝の各々が、上記のような売切れ検出部材の背面側とその下方との間に延びるように円弧状に形成されているので、次販商品支持部材が回動位置に位置した状態のまま、スライド部材を売切れ検出部材の背面側に移動する場合であっても、次販商品支持部材が売切れ検出部材に干渉するのを回避することが可能となる。その結果、商品払出し装置の奥行き寸法を小さくすることができ、装置をコンパクトに構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1〜3は、本発明の一実施形態による自動販売機の商品払出し装置を示している。この商品払出し装置1は、例えば飲料缶商品やペットボトル商品などを販売する自動販売機に組み込まれ、上下方向に延びる商品通路2に、横倒しで上下方向に積み重なった状態で収納された複数の商品のうちの最下位の販売商品のみを、販売時に下方へ払い出すものである。
【0019】
商品払出し装置1は、図1〜3に示すように、上下方向に延び、対向する通路壁3とによって商品通路2を画成するフレーム4と、このフレーム4の下端部に回動自在に設けられ、販売時に商品通路2の下端部を開閉するストッパ5と、商品通路2内に販売商品S1に向かって斜め前下方に突出可能なエジェクタ6と、販売時にエジェクタ6を駆動する駆動機構7と、ストッパ5のロックおよびその解除を行うためのロック機構8などを備えている。
【0020】
フレーム4は、正面形状がほぼ矩形状のフレーム本体部11と、このフレーム本体部11の左右両端で屈曲して前方に延び、互いに対向する左右のガイド部12、12とにより、平面形状がコ字状に形成されている。そして、フレーム本体部11および左右のガイド部12、12で囲まれたスペースには、その下部にストッパ5が設けられ、その上方にエジェクタ6が設けられている。また、フレーム本体部11の背面側に、駆動機構7が設けられ、ストッパ5の後端部付近に、ロック機構8が設けられている。
【0021】
このフレーム4は、金属板をプレス加工することなどで所定形状に成形されており、フレーム本体部11の中央部には、エジェクタ6と駆動機構7とを連結するための大きな貫通孔(以下「エジェクタ駆動用孔11a」という)が形成されている。また、フレーム本体部11の下端部には、ロック機構8の後述するロック部材22が臨むとともに、ストッパ5が商品通路2を開放する際に、後述するストッパ支持部材21を後方に逃がすための貫通孔(以下「ストッパロック用孔11b」という)が形成されている。このストッパロック用孔11bの左右両縁部には、前方に折り返され、側面形状がL字状のシャフトガイド部11c、11cが形成されている。
【0022】
一方、フレーム4の左右のガイド部12、12にはそれぞれ、互いに対向し、エジェクタ6を案内するための円弧状のガイド溝12a、12aが形成されている。各ガイド溝12aは、後述する売切れ検出板61の背面側と、その下方で且つストッパ5の前端部付近との間で、三日月形に延びるように形成されている。なお、左右のガイド部12、12の外側面にはそれぞれ、上記ガイド溝12aを覆うとともに、ストッパ5の後述する回動軸14の軸受けとしても機能する樹脂製のカバー13、13が取り付けられている。
【0023】
ストッパ5は、左右のガイド部12、12間に水平に渡された回動軸14に、後端部が回動自在に取り付けられたストッパ本体15(商品通路開閉部材)を有している。このストッパ本体15は、金属板からなり、平面形状が横長矩形状に形成されるとともに、前端部および左右の縁部が裏面側にほぼ直角に屈曲されている。また、ストッパ本体15には、商品の冷却/加温用のエアーを通すための多数の貫通孔15aが形成されている。
【0024】
このように構成されたストッパ本体15は、前下がりに若干傾斜し、商品通路2を閉鎖する閉鎖位置(図1〜3に示す位置)と、商品通路2を開放する開放位置(図9に示す位置)との間で回動できるようになっている。そして、このストッパ本体15は、ロック機構8により、閉鎖位置にロックされるようになっている。
【0025】
ロック機構8は、ストッパ本体15の裏面に取り付けられ、このストッパ本体15を支持するためのストッパ支持部材21と、フレーム本体部11の下端部に取り付けられ、ストッパ支持部材21に係脱可能なロック部材22とを有している。
【0026】
ストッパ支持部材21は、ある程度の横幅を有するとともに、側面形状が肉厚1/4円弧状に形成されており、一端部がストッパ本体15の裏面に取り付けられている。そして、ストッパ本体15が閉鎖位置に位置するときには、図3に示すように、ストッパ支持部材21のストッパ本体15と反対側の端部(以下「先端部」という)が、ストッパロック用孔11bの前方に位置している。一方、ストッパ本体15が開放位置に位置するときには、図9に示すように、ストッパ支持部材21は、ストッパロック用孔11bを貫通し、先端部がロック部材22の背面側に位置するようになっている。
【0027】
ロック部材22は、フレーム本体部11の背面側に、これに沿って上下方向にスライド自在に設けられ、図3に示すように、下端部が、ストッパロック用孔11bを介して、フレーム本体部11の前方に突出している。この突出した下端部には、ストッパロック用孔11bの左右の幅よりも若干長い寸法を有するロックシャフト23が設けられている。ロックシャフト23の両端部は、ストッパロック用孔11bの上記左右のシャフトガイド部11c、11cに支持されている。また、ロック部材22には、これを下方に付勢するコイルばね24が設けられている。
【0028】
このように構成されたロック機構8では、ストッパ支持部材21の先端部が、ロック位置(図3に示す位置)に位置するロック部材22のロックシャフト23に前方から当接することにより、ストッパ本体15が閉鎖位置にロックされる。一方、ロック部材22がコイルばね24に抗して上方にスライドするのに伴い、ロックシャフト23が上方のロック解除位置(図8に示す位置)へ移動することで、ロックシャフト23へのストッパ支持部材21の当接が解除され、これにより、ストッパ本体15のロックが解除される。
【0029】
エジェクタ6は、フレーム4の左右のガイド溝12a、12aに沿ってスライド自在のスライド部材31と、このスライド部材31の上側に設けられたエジェクタ本体32とを有している。スライド部材31は、互いに間隔を存し、両端部がそれぞれガイド溝12a、12aに挿入された2本のシャフト(上側のものを「上シャフト33a」、下側のものを「下シャフト33b」という)と、これらのシャフト33a、33bをそれぞれ回動自在に連結する金属製の連結板34などで構成されている。
【0030】
一方、エジェクタ本体32は、金属板からなり、平面形状が横長矩形状に形成されるとともに、前端部および後端部がそれぞれカール状に形成されている。また、エジェクタ本体32は、後端部がスライド部材31の上シャフト33aに連結されており、スライド部材31に上方から当接する当接位置(例えば図9に示す位置)と、この当接位置から所定角度(例えば30度)、回動した回動位置(例えば図3に示す位置)との間で回動できるようになっている。そして、このエジェクタ本体32は、常時は、上シャフト33aに設けられた板ばね35によって、回動位置に付勢されている。なお、エジェクタ本体32には、上記ストッパ本体15の多数の貫通孔15aと同様に、エアーを通すための多数の長孔32aが形成されている。
【0031】
このように構成されたエジェクタ6は、ジョイント36を介して、駆動機構7の後述する送りねじとしての駆動軸42に連結されている。このジョイント36は、駆動軸42に螺合するジョイント本体37と、このジョイント本体37の前端部およびエジェクタ6の上シャフト33aにそれぞれ回動自在に連結された連結板38とで構成されている。したがって、エジェクタ6は、ジョイント36の上下動に伴って移動する。具体的には、スライド部材31がガイド溝12a、12に沿って移動するのに伴い、エジェクタ本体32は、次販商品S2の下方への移動を許容する許容位置(例えば図6に示す位置)と、エジェクタ本体32が販売商品S1に当接することにより定められ、次販商品S2を通路壁3と協働して支持することにより、次販商品S2の下方への移動を阻止する阻止位置(例えば図7に示す位置)との間で移動する。なお、エジェクタ本体32の最大の可動範囲は、スライド部材31の上シャフト33aがガイド溝12a、12aの上端に当接する位置と、下シャフト33bがガイド溝12a、12aの下端に当接する位置との間である。
【0032】
駆動機構7は、フレーム本体部11の背面側上部に設けられた駆動部41と、フレーム本体部11の背面側に、これに沿って上下方向に延び且つ上下方向にスライド自在に設けられるとともに、駆動部41によって軸線回りに回転駆動される駆動軸42とを有している。この駆動軸42は、図2(b)に示すように、上端部が駆動部41の後述するスライドギヤ体58に係合する一方、下端部が上記ロック部材22に連結されている。また、駆動軸42の中間部分には、上記ジョイント36を上下方向に送るためのおねじが形成されている。
【0033】
なお、駆動機構7にはさらに、商品通路2に収納された全ての商品Sの交換時などに、それらの商品Sを一度に払い出すための払出し軸43が設けられている。上記ジョイント36が駆動部41の付近まで上方に送られることで、払出し軸43が上方に駆動され、それにより、ロック機構8によるストッパ本体15のロックが解除された状態に保持される。
【0034】
駆動部41は、図4および図5に示すように、モータ51と、内部に減速歯車列52を有し、モータ51の動力を駆動軸42に伝達するギヤボックス53と、減速歯車列のギヤ比を変更するためのギヤ比変更操作部54などで構成されている。モータ51には、例えば、低回転、高トルクのDCモータが用いられている。また、ギヤボックス53内の減速歯車列52は、モータ51の回転軸51aの先端部に固定されたモータギヤ55と、これにかみ合う第1中間ギヤ56と、これにかみ合う第2中間ギヤ57a、および第2中間ギヤ57aの上方に設けられた2段の第3中間ギヤ(上側のギヤを「上中間ギヤ57b」、下側のギヤを「下中間ギヤ57c」という)を有する中間ギヤ体57と、この中間ギヤ体57の上中間ギヤ57bまたは下中間ギヤ57cにそれぞれかみ合う上下2つのギヤ(上側のギヤを「上ギヤ58a」、下側のギヤを「下ギヤ58b」という)を有するとともに、上下方向にスライド自在のスライドギヤ体58とを有している。
【0035】
スライドギヤ体58には、その中心部に、上下方向に貫通し、横断面D字状の貫通孔(図示せず)が形成されている。そして、この貫通孔に、駆動軸42の上端部が挿入されており、駆動軸42が、スライドギヤ体58に対し上下方向にスライド可能であるとともに、スライドギヤ体58の回転に伴って回転するようになっている。
【0036】
また、ギヤ比変更操作部54は、ギヤボックス53の前後の側面に、上下方向にスライド自在に設けられた摘み部54a、54aと、これらの間をギヤボックス53内で連結するとともに、スライドギヤ体58に係合する係合部(図示せず)とで構成されている。そして、摘み部54a、54aを上方にスライドさせたときには、図5(a)に示すように、中間ギヤ体57の下中間ギヤ57cと、スライドギヤ体58の下ギヤ58bがかみ合う。逆に、摘み部54a、54aを下方にスライドさせたときには、図5(b)に示すように、上中間ギヤ57bと、上ギヤ58aがかみ合う。
【0037】
また、上記の中間ギヤ体57とスライドギヤ体58との互いにかみ合うギヤ同士のギヤ比は、次のようになっている。すなわち、中間ギヤ体57の下中間ギヤ57cと、スライドギヤ体58の下ギヤ58bとのギヤ比は、上中間ギヤ57bと上ギヤ58aとのそれよりも小さくなっている。したがって、駆動軸42の回転速度を早くする場合には、図5(a)に示す位置に、スライドギヤ体58をセットし、逆に駆動軸42の回転速度を遅くする場合には、同図(b)に示す位置に、スライドギヤ本体58をセットする。
【0038】
なお、中間ギヤ体57の中心部には、上下方向に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されており、この貫通孔に、上記払出し軸43の上端部が遊挿されている。このため、中間ギヤ体57が回転しても、払出し軸43が回転することはない。
【0039】
また、フレーム4のフレーム本体部11には、商品の売切れを検出するための売切れ検出板61(売切れ検出部材)が設けられている。この売切れ検出板61は、正面形状がほぼ矩形状に形成されており、フレーム本体部11の上端部から上下方向の中央付近まで延びている。また、売切れ検出板61は、その上端部がフレーム本体部11の上端部の複数の横長孔11dに係合しており、その部分を中心に、フレーム本体部11に対し前下がりに傾斜した姿勢の売切れ位置(傾斜位置、図3に示す位置)と、フレーム本体部11と平行な姿勢の非売切れ位置(押圧位置、図6に示す位置)との間で、回動自在に構成されている。なお、売切れ検出板61の位置は、売切れ検出板61が図示しないマイクロスイッチをON/OFF切り替えすることなどで検出されるようになっている。
【0040】
次に、図6〜図17を参照しながら、上記のように構成された商品払出し装置1による商品Sの払い出しについて、具体的には、商品通路2に収納された商品Sが、角型ペットボトル商品(図6〜図11)である場合、および缶商品(図12〜図17)である場合について順に説明する。なお、以下の説明では、まず角型ペットボトル商品が商品通路2に収納されている場合の商品の払出しを説明し、缶商品については、角型ペットボトル商品の払出しと異なる点のみを簡単に説明する。また、図6〜図17では、図3で示したフレーム4のガイド部12については、ガイド溝12aのみを図示する。
【0041】
図6は、商品通路2に角型ペットボトル商品が収納されているときの、販売待機状態の商品払出し装置1を示している。この状態では、ストッパ本体15が閉鎖位置に位置する一方、エジェクタ本体32が許容位置に位置している。したがって、同図に示すように、販売商品S1は、ストッパ本体15に下側から支持される一方、次販商品S2はその販売商品S1によって下側から支持されている。なお、同図では、次販商品S2がエジェクタ6側に寄った状態で収納されることにより、エジェクタ本体32を当接位置に向かって若干押圧している。
【0042】
上記のような販売待機状態から販売状態に移行すると、まず、モータ51が正回転するように作動し、これにより、駆動軸が42が所定方向に回転する。そうすると、ジョイント36が下方に送られ、これに伴い、スライド部材31がガイド溝12aの下側の先端に向かって移動するとともに、エジェクタ本体32が販売商品S1に向かって移動する。そして、図7に示すように、エジェクタ本体32が販売商品S1の上部に当接し、阻止位置に到達すると、下方へ送られていたジョイント36が停止する。エジェクタ本体32が阻止位置に到達した後も、モータ51は作動し続け、これにより、駆動軸42は、コイルばね24に抗して、上昇する。これに連動して、図8に示すように、ロック部材22も上昇し、これに伴い、ロック位置のロックシャフト23が上方のロック解除位置に移動し、ストッパ本体15のロックが解除される。
【0043】
そうすると、図9に示すように、ストッパ本体15は、販売商品S1によって、開放位置に向かって押し開けられるように回動し、販売商品S1が落下しながら下方へ払い出される。なおこの場合、閉鎖位置のストッパ本体15は、販売商品S1の自重によって上方から押圧されるのに加えて、上昇した駆動軸42がコイルばね24の復元力によって下降するのに伴い、販売商品S1を介して、エジェクタ本体32によっても上方から押圧される。
【0044】
そして、上記のように駆動軸42が下降し、元の位置に戻ると、そのことが図示しない検出手段によって検出され、モータ51の作動が停止する。
【0045】
一方、エジェクタ本体32は、次販商品S2の自重によって上方から押圧されることで当接位置まで回動し、スライド部材31上に重なる。そして、次販商品S2は、エジェクタ本体32と通路壁3との協働により支持され、下方への移動が阻止される。
【0046】
上記のようにして販売商品S1が払い出された後、開放位置のストッパ本体15は、図10に示すように、閉鎖位置に復帰し、ロック機構8により再度ロックされる。その後、モータ51が逆回転するように作動すると、駆動軸42が上記と逆方向に回転し、これに伴い、ジョイント36が上方に送られ、エジェクタ本体32が許容位置に向かって移動する。図11に示すように、エジェクタ本体32が許容位置に到達すると、次販商品S2は下方に移動し、ストッパ本体15上に落下する。そして、ストッパ本体15上に落下した次販商品S2は、次回の販売における販売商品として準備される。
【0047】
図12〜図17は、缶商品が商品通路2に収納されたときの商品払出し装置1の動作を示しており、上述した角型ペットボトル商品の払出しを示す図6〜図11にそれぞれ対応している。この場合の商品払出し装置1は、エジェクタ本体32が許容位置から阻止位置に到達するまで次販商品S2に押圧されず、スライド部材31に対し所定角度回動した回動位置に保たれていること以外は、上記の場合と同様に動作する。
【0048】
つまり、エジェクタ本体32は、図12、13および図6、7などから明らかなように、スライド部材31と重なる当接位置と、これよりも所定角度回動した回動位置との間で回動自在であるため、許容位置から阻止位置に移動する際には、商品通路2に収納された商品Sのサイズや形状に応じて、次販商品S2の下側に回り込むようにして、販売商品S1の上部に確実に当接する。
【0049】
以上詳述したように、本実施形態の商品払出し装置1によれば、エジェクタ本体32が次販商品S2を支持する阻止位置が、商品のサイズや形状に応じて自動的にかつ無段階に適切に設定され、しかも、エジェクタ本体32が次販商品S2の下側に回り込みながら、販売商品S1の上部に確実に当接する。したがって、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に、販売商品S1のみを確実に払い出すことができ、しかも新商品にも十分に対応することができるため、販売すべき商品に対する商品払出し装置1のフレキシブル性を、従来にもまして大幅に高めることができる。
【0050】
また、エジェクタ6のスライド部材31を案内するガイド溝12aが、売切れ検出板61の背面側とその下方との間に延びるように円弧状に形成されているので、エジェクタ本体32が回動位置に位置した状態のまま、スライド部材31が売切れ検出板61の背面側に移動する場合であっても、エジェクタ本体32が売切れ検出板61に干渉するのを回避することができる。その結果、商品払出し装置1の奥行き寸法を小さくすることができ、装置をコンパクトに構成することができる。
【0051】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、実施形態で示した商品払出し装置の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の自動販売機の商品払出し装置は、販売すべき商品のサイズや形状などにかかわらず、販売時に、販売商品のみを確実に払い出すことができ、しかも新商品にも十分に対応することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動販売機の商品払出し装置を示す斜視図である。
【図2】図1の商品払出し装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図3】図2(b)のA−A線で切断した状態の商品払出し装置を示す側断面図である。
【図4】商品払出し装置の駆動部を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図5】図4の駆動部におけるギヤボックス内のギヤ構造を示す図である。
【図6】角型ペットボトル商品の払出しを説明するための商品払出し装置の図3に相当する側断面図であり、エジェクタが動き出す前の状態を示す。
【図7】図6に続く商品払出し装置の側断面図であり、エジェクタ本体が販売商品に当接した直後の状態を示す。
【図8】図7に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体のロックが解除された直後の状態を示す。
【図9】図8に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体が開放した状態を示す。
【図10】図9に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体が閉鎖した状態を示す。
【図11】図10に続く商品払出し装置の側断面図であり、エジェクタ本体が後退し、次販商品がストッパ本体上に落下した状態を示す。
【図12】缶商品の払出しを説明するための商品払出し装置の側断面図であり、エジェクタが動き出す前の状態を示す。
【図13】図12に続く商品払出し装置の側断面図であり、エジェクタ本体が販売商品に当接した直後の状態を示す。
【図14】図13に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体のロックが解除された直後の状態を示す。
【図15】図14に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体が開放した状態を示す。
【図16】図15に続く商品払出し装置の側断面図であり、ストッパ本体が閉鎖した状態を示す。
【図17】図16に続く商品払出し装置の側断面図であり、エジェクタ本体が後退し、次販商品がストッパ本体上に落下した状態を示す。
【図18】従来の自動販売機の商品払出し装置を示す側断面図である。
【図19】図18の商品払出し装置による商品の払出し時に、エジェクタが販売商品ではなく次販商品に当接した状態を示す。
【符号の説明】
1 商品払出し装置
2 商品通路
3 通路壁
4 フレーム
5 ストッパ
6 エジェクタ
7 駆動機構
8 ロック機構
12a ガイド溝
15 ストッパ本体(商品通路開閉部材)
31 スライド部材
32 エジェクタ本体(次販商品支持部材)
33a 上シャフト
33b 下シャフト
34 連結板
35 板ばね(付勢手段)
61 売切れ検出板(売切れ検出部材)

Claims (4)

  1. 横倒しで上下方向に積み重なった状態で商品通路に収納された複数の商品のうちの最下位の販売商品を、販売時に下方へ払い出す自動販売機の商品払出し装置であって、
    上下方向に延びるフレームと、
    このフレームの下部に設けられ、前記販売商品の払出しを阻止するように前記商品通路を閉鎖する閉鎖位置と、前記販売商品の払出しを許容するように前記商品通路を開放する開放位置との間で移動自在の商品通路開閉部材と、
    前記フレームの前記商品通路開閉部材よりも上方に設けられ、当該フレームに案内されながら、前記商品通路内に前記販売商品に向かって斜め前下方に突出可能なスライド部材と、
    販売時に、当該スライド部材を駆動する駆動機構と、
    前記スライド部材に上方から当接する当接位置と、この当接位置よりも上方に所定角度回動した回動位置との間で回動自在の状態で、前記スライド部材の先端から離隔した位置に連結され、当該スライド部材の先端よりも前記商品通路の内方に延びるとともに、前記スライド部材の移動に伴い、前記販売商品のすぐ上に位置する次販商品の下方への移動を許容する許容位置と、当該販売商品の上部に当接することにより定められ、前記次販商品を前記フレームに対向する通路壁と協働して支持することにより、当該次販商品の下方への移動を阻止する阻止位置との間で移動自在の次販商品支持部材と、
    この次販商品支持部材を前記回動位置に付勢する付勢手段と、
    前記商品通路開閉部材を前記閉鎖位置にロックするとともに、前記次販商品支持部材が前記阻止位置に移動したときに、当該商品通路開閉部材のロックを解除するロック機構と、
    を備えていることを特徴とする自動販売機の商品払出し装置。
  2. 前記フレームは、左右方向に互いに間隔を存して対向するとともに前下がりに形成され、前記スライド部材を案内するための左右一対のガイド溝を有しており、
    前記スライド部材には、両端部がそれぞれ前記左右一対のガイド溝に摺動自在に係合した上下2本のシャフトが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品払出し装置。
  3. 前記次販商品支持部材は、前記上下2本のシャフトのうちの上側のシャフトに回動自在に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の自動販売機の商品払出し装置。
  4. 前記フレームの前記商品通路開閉部材の上方に設けられ、上端部を中心に前記商品通路の内方に前下がりに傾斜した傾斜位置と、当該商品通路内の商品により押圧されることで、前記傾斜位置よりも所定角度回動した押圧位置との間で回動自在の売切れ検出部材を、さらに備えており、
    前記左右一対のガイド溝の各々は、前記売切れ検出部材の背面側と当該売切れ検出部材の下方との間に延びるように円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の自動販売機の商品払出し装置。
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