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JP3813220B2 - 開放ピース付き光ファイバ接続器および作業治具 - Google Patents

開放ピース付き光ファイバ接続器および作業治具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メカニカルスプライスなどの光ファイバの突き合わせ接続に用いられる開放ピース付き光ファイバ接続器およびその作業治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ接続器においては、突き合わせた2本の光ファイバを同―のハウジング内に固定する構造となっている。前記光ファイバ接続器の位置決め調心構造としては、(1)精密細管(以下、「マイクロキャピラリー」)内にその両端から光ファイバを挿入して突き合わせる構造、(2)位置決め溝において光ファイバ同士を突き合わせる構造、(3)3本の精密ロッドあるいは3個の精密ボールの中心に光ファイバを担持して位置決めする構造などがある。この光ファイバ接続器は、前記調心機構において一対の光ファイバを調心、突き合わせして調心機構に接着または機械的に挟持固定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような光ファイバ接続器の場合、接続した光ファイバの再使用が不可能となるため光ファイバの着脱ができず、接続切り替え等には有効に利用できないといった問題があった。
すなわち、光ファイバを調心機構に接着した場合には、調心機構からの取り外しが大変な上、突き合わせ端部が接着剤で汚れて再使用が困難になる。また、光ファイバを機械的に挟持した場合には、光ファイバの突き合わせ端部に挟持力を均等に作用させることが困難であるため、挟持力が偏在して作用した結果、突き合わせ状態を解除した際に突き合わせ端部の屈折率が変動して再使用が困難になるといった問題が生じる。
【0004】
そこで、長手方向に沿った当接面を相互に合わせることで当接面間に光ファイバを突き合わせ接続状態で挟持する一対の挟持部材と、当接面間に圧接力を付与するバネとからなる光ファイバ接続器を開発し、前記の問題に対処できるようにしたが、それに伴って、接続作業の一層の容易化の要請が出てきた。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、光ファイバの突き合わせ接続作業を一層容易にできるようにした開放ピース付き光ファイバ接続器およびその作業治具を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、長手方向に沿った当接面を相互に合わせることで、当接面間に光ファイバを突き合わせ接続状態で挟持する一対の挟持部材と、当接面間に圧接力を付与するバネとからなる光ファイバ接続器の前記一対の挟持部材の合わせ部間に、外部から抜き取り可能な開放ピースを挟み込み、該開放ピースによって前記当接面間に、光ファイバの挿入を可能にする隙間を確保してあり、前記開放ピースは、基板(22)の先端縁に、前記光ファイバ接続器のロッド状の本体(11)を構成する一対の挟持部材の合わせ部(13)の外周面に前記本体の長手方向の4箇所に間隔をおいて穿設された楔挿入溝(14)に対応した4つの先端凸部(21)を有し、前記先端凸部は、光ファイバ接続器の合わせ部に対して差し込まれる平行厚部(21b)を有し、先端凸部の表裏面が平行になっている部分である前記平行厚部が前記合わせ部に挟まれることで、その厚み分だけ、光ファイバ接続器のロッド状の本体を構成する一対の挟持部材の前記当接面間に、光ファイバの挿入を可能にする隙間を確保していることを特徴とする開放ピース付き光ファイバ接続器(1)である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の開放ピース付き光ファイバ接続器において、前記先端凸部は、その先端に鋭角の楔部(21a)を有し、それより後側に前記平行厚部、それより後側に、平行厚部より厚み方向に突出したストッパ部(21c)を有し、光ファイバ接続器の本体を構成する一対の挟持部材の合わせ部に対しては、前記平行厚部までが差し込まれ、ストッパ部で止まっていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の開放ピース付き光ファイバ接続器において、前記楔挿入溝は、ベースと蓋体のそれぞれに半分ずつ凹所として形成され、両者を合体したときに長方形の溝の形になっていることを特徴とする。
【0007】
請求項の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の開放ピース付き光ファイバ接続器の作業治具であって、治具本体に前記光ファイバ接続器を挿入し得る両端開放の収容孔を設けると共に、収容孔の周壁部に、収容孔内の光ファイバ接続器に組み付いた状態の前記開放ピースの外端を治具本体の外部に突出させるスリットを設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は開放ピース付き光ファイバ接続器の外観を示し、図1(b)は開放ピースを抜き取った状態を示す。ここでは、便宜上、開放ピース20が付いた状態の光ファイバ接続器の全体を符号1で示し、開放ピース20を取り外した光ファイバ接続器の単体(光ファイバの接続後はこれだけになる)を符号10で示す。
【0009】
この光ファイバ接続器10は、2本の光ファイバ100A、100Bを突き合わせ接続状態で収容する円柱ロッド状の本体11と、C型バネ12とからなる。ロッド状の本体11は、ベース(挟持部材)11Aと蓋体(挟持部材)11Bに半割りされている。すなわち、ベース11Aと蓋体11Bは、長手方向に沿った当接面を相互に合わせることで、ロッド状の本体11を構成する。C型バネ12は、ロッド状に一体化された本体11の外周に嵌着されることにより、ベース11Aと蓋体11Bに圧接力を付与するものであり、周方向の一箇所に、自身の中心軸線に平行なスリット15を有する。
【0010】
ベース11Aの当接面には、光ファイバ100A、100Bを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心手段として、例えばV溝(図示略)が形成されている。V溝はベース11Aの長手方向に沿って端から端まで一直線に延びている。また、ベース11Aと蓋体11Bの合わせ部13の外周面には、一体化したベース11Aと蓋体11Bを分離させるための楔挿入溝14が穿設されている。楔挿入溝14は、ベース11Aと蓋体11Bのそれぞれに半分ずつ凹所として形成され、両者を合体したときに長方形の溝の形になっている。楔挿入溝14は、本体11の長手方向の4箇所に間隔をおいて形成されている。
【0011】
C型バネ12は、スリット15を有することで、自由状態において本体11より小径の概略円筒形に形成されている。C型バネ12の長手方向4箇所には、楔挿入溝14に後述する開放ピース20を挿入するための挿入穴16が、スリット15を跨いで形成されている。これら挿入穴16は、スリット15上に等間隔に連設され、全ての楔挿入溝14を同時に露出可能としている。なお、この光ファイバ接続器10においては、C型バネ12と本体11が周方向および軸方向に位置ずれ防止され、C型バネ12の挿入穴16と、本体11の楔挿入溝14の位置が常に一致している。
【0012】
そして、図1(a)に示すように、このような構成の光ファイバ接続器10のベース11Aと蓋体11Bの合わせ部13間に、外部から抜き取り可能な開放ピース20の先端が差し込まれており、これにより、ベース11Aと蓋体11Bの当接面間に、光ファイバ100A、100Bの挿入を可能にする隙間が確保されている。この状態の開放ピース付き光ファイバ接続器1が、梱包されて、現場に持ち込まれ、光ファイバ100A、100Bの突き合わせ接続に供される。
【0013】
開放ピース20は、図1(b)に示すように、フィルム状の長方形の基板22の先端縁に、光ファイバ接続器10側の楔挿入溝14に対応した4つの先端凸部21を有する。先端凸部21は、図1(c)に断面を示すように、その先端に鋭角の楔部21aを有し、それより後側に表裏面が平行となった平行厚部21b、それより後側に、平行厚部21bより厚み方向に突出したストッパ部21cを有する。光ファイバ接続器10の合わせ部13に対しては、平行厚部21bまでが差し込まれ、ストッパ部21cで止まっている。そして、平行厚部21bが合わせ部13間に挟まれることで、その厚み分だけ当接面間に隙間を確保している。また、開放ピース20の後端(外端)には、抜き取る際の工具引っ掛け部分として、厚み方向に突出した凸部23が設けられている。
【0014】
この開放ピース付き光ファイバ接続器1によって一対の光ファイバ100A、100Bを突き合わせ接続するには、まず、ベース11Aおよび蓋体11Bを合体させ、その外周にC型バネ12を嵌着する。その際、ベース11Aと蓋体11Bのスリット15側の合わせ部13間に開放ピース20の先端を差し込んで、当接面間に隙間を確保しておく。
【0015】
この状態で、図1(a)に示すように、光ファイバ接続器10の軸方向両端からV溝に光ファイバ100A、100Bを差し込み、V溝に沿って光ファイバ100A、100Bを軸方向中間部まで挿入することで、光ファイバ100A、100Bを突き合わせる。次いで、光ファイバ100A、100Bが突き合わせ状態となったら、図1(b)に示すように、開放ピース20を合わせ部13から引き抜く。そうすると、C型バネ4が自身の弾性で縮径することにより、ベース11Aと蓋体11Bの当接面間に、光ファイバ100A、100Bが突き合わせ状態のまま挟持される。
【0016】
従って、光ファイバ接続器10の両端から接続すべき光ファイバ100A、100Bを挿入し、内部で両光ファイバ100A、100Bの先端同士を突き合わせた状態で、開放ピース20を抜き取るだけで、両光ファイバ100A、100Bを簡単に接続することができる。
【0017】
次に、接続作業を行う際に用いる作業治具の一実施形態を説明する。
図2(a)〜(c)は作業治具40の構成を示し、図3は作業治具40を用いて光ファイバ接続器10により光ファイバ100A、100Bを突き合わせ接続している状態を示す。
【0018】
この作業治具40は、長方形の基台(治具本体)41の長手方向中央部に、光ファイバ接続器10を保持するためのブロック42を備えている。ブロック42は、基台41より長さが短く、ブロック42の両側には、ある程度のスペースがあいている。ブロック42には、基台41の長手方向に沿った両端開放の収容孔44が設けられており、基台41の上面には、収容孔44の内周面に連続する円弧溝46が形成されている。円弧溝46は、ブロック42の両側のスペースに形成されている。また、基台41の上面の一方側には、収容孔44に対して光ファイバ接続器10を挿入する際にガイドとなるよう、基台41の端部から中央部側に行くに従い上り傾斜した案内斜面45が設けられている。
【0019】
また、基台41の上面の他方側には、案内斜面45側から収納孔44に対して挿入した光ファイバ接続器10の端部が突き当たることで、光ファイバ接続器10の位置を規制するストッパ壁47が設けられている。このストッパ壁47の上端面には、光ファイバ100Bの挿入の邪魔にならないように、半円状の溝48が形成されている。さらに、ブロック42の側壁部(=収容孔44の周壁部)には、ブロック42の外面から収容孔44の内周面に達するスリット49が設けられている。スリット49は、開放ピース20を引き抜ける程度の幅(光ファイバ接続器10の直径より当然小さい)のもので、収容孔44の中心高さに、軸線方向に平行に形成されており、ブロック42の一端から他端まで連続している。また、図2(c)に示すように、収納孔44の軸方向一端側の内底壁は削除されており、そこには板バネ50が収容されている。この板バネ50は、上端にへ字状の湾曲部51を有しており、この湾曲部51に、収納孔51に挿入された光ファイバ接続器10の外周面が摺接することで、光ファイバ接続器10を軽い力で抜け止めするようになっている。
【0020】
次に、この作業治具40を用いて、開放ピース付き光ファイバ接続器1により光ファイバ100A、100Bを突き合わせ接続する場合の作業の手順を図3を参照しながら説明する。
まず、作業治具40をボルト等で適当な基板上に固定し、開放ピース付きの光ファイバ接続器1(この時点では光ファイバ100A、100Bは挿入されていない)を、作業治具40の収容孔44内に、案内斜面45の存在する方から挿入し、先端をストッパ壁47に突き当てる。その際、案内斜面45が手前にあるから挿入しやすい。また、ストッパ壁47に突き当たるまで挿入することで、光ファイバ接続器10の位置が決まる。挿入する際には、開放ピース20をスリット49に通す。これにより、開放ピース20の外端にある凸部23は、スリット49より外方に突出する。
【0021】
開放ピース付き光ファイバ接続器1の位置が決まったら、光ファイバ接続器10の軸方向両端から、光ファイバ接続器10のベース11Aと蓋体11Bの当接面間のV溝に、光ファイバ100A、100Bを差し込み、V溝に沿って光ファイバ100A、100Bを軸方向中間部まで挿入する。この場合、開放ピース20が合わせ部13間に挟まれていることで、ベース11Aと蓋体11Bの当接面間には隙間が確保されているので、そのまま光ファイバ接続器10に対して光ファイバ100A、100Bを挿入することができる。挿入した光ファイバ100A、100Bは、光ファイバ接続器10の長手方向略中間部で突き合わせる。
【0022】
次いで、光ファイバ100A、100B同士が突き合わせ状態となったら、開放ピース20を引き抜く。そうすると、C型バネ12の弾性により、ベース11Aと蓋体11Bの当接面間に光ファイバ100A、100Bが挟持される。接続後は、光ファイバ接続器10を、光ファイバ100A、100Bと共に作業治具40から外す。これにて作業を終了する。
【0023】
上の作業の際、光ファイバ接続器10は作業治具40によって保持しておくことができるので、小さな光ファイバ接続器10から小さな開放ピース20を抜く作業がやりやすい。なお、この作業治具40を用いた場合は、後から開放ピース20を光ファイバ接続器10に対して差し込み、ベース11Aと蓋体11Bの当接面間に隙間をあけることもできる。従って、その隙間を利用して、光ファイバ100A、100Bを抜いたり、新たに挿入したりすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、発明の光ファイバ接続器によれば、バネで圧接された一対の挟持部材の合わせ部間に予め開放ピースを挟むことで、挟持部材の当接面間に隙間を確保しているから、光ファイバ接続器の両端から光ファイバを挿入し、内部で両光ファイバの先端同士を突き合わせた状態で開放ピースを抜き取るだけで、光ファイバを突き合わせ状態で挟持することができる。従って、簡単に接続作業を行うことができる。
【0025】
また、請求項の発明の作用治具によれば、収納孔に光ファイバ接続器を挿入した状態で、スリットを通して開放ピースを抜き取ることができるので、小さな光ファイバ接続器を確実に保持して作業を行うことができ、作業性の向上が図れる。また、構成が簡単であるから、コンパクト化が図れる上、低コストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開放ピース付き光ファイバ接続器の一実施形態を示す図で、(a)は開放ピース付き光ファイバ接続器の全体構成を示す斜視図、(b)は同光ファイバ接続器から開放ピースを抜き取った状態を示す斜視図、(c)は開放ピースの断面図である。
【図2】本発明の作業治具の一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は側断面図である。
【図3】本発明の作業治具を用いて、光ファイバ接続器により光ファイバの接続作業を行っている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…開放ピース付き光ファイバ接続器、10…光ファイバ接続器、11A…ベース(挟持部材)、11B…蓋体(挟持部材)、12…C型バネ、20…開放ピース、23…凸部(外端)、40…作業治具、41…基台(治具本体)、44…収容孔、49…スリット、100A,100B…光ファイバ

Claims (4)

  1. 長手方向に沿った当接面を相互に合わせることで当接面間に光ファイバ(100A、100B)を突き合わせ接続状態で挟持する一対の挟持部材(11A,11B)と、前記当接面間に圧接力を付与するバネ(12)とからなる光ファイバ接続器(10)の前記一対の挟持部材の合わせ部間に、外部から抜き取り可能な開放ピース(20)を挟み込み、該開放ピースによって前記当接面間に、光ファイバの挿入を可能にする隙間を確保してあり、
    前記開放ピースは、基板(22)の先端縁に、前記光ファイバ接続器のロッド状の本体(11)を構成する一対の挟持部材の合わせ部(13)の外周面に前記本体の長手方向の4箇所に間隔をおいて穿設された楔挿入溝(14)に対応した4つの先端凸部(21)を有し、
    前記先端凸部は、光ファイバ接続器の合わせ部に対して差し込まれる平行厚部(21b)を有し、先端凸部の表裏面が平行になっている部分である前記平行厚部が前記合わせ部に挟まれることで、その厚み分だけ、光ファイバ接続器のロッド状の本体を構成する一対の挟持部材の前記当接面間に、光ファイバの挿入を可能にする隙間を確保していることを特徴とする開放ピース付き光ファイバ接続器(1)。
  2. 前記先端凸部は、その先端に鋭角の楔部(21a)を有し、それより後側に前記平行厚部、それより後側に、平行厚部より厚み方向に突出したストッパ部(21c)を有し、光ファイバ接続器の本体を構成する一対の挟持部材の合わせ部に対しては、前記平行厚部までが差し込まれ、ストッパ部で止まっていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続器。
  3. 前記楔挿入溝は、ベースと蓋体のそれぞれに半分ずつ凹所として形成され、両者を合体したときに長方形の溝の形になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ接続器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の開放ピース付き光ファイバ接続器の作業治具であって、治具本体(41)に前記光ファイバ接続器(10)を挿入し得る両端開放の収容孔(44)を設けると共に、収容孔の周壁部に、収容孔内の光ファイバ接続器に組み付いた状態の前記開放ピース(20)の外端(23)を治具本体の外部に突出させるスリット(49)を設けたことを特徴とする開放ピース付き光ファイバ接続器(1)の作業治具(40)。
JP32611095A 1995-08-24 1995-12-14 開放ピース付き光ファイバ接続器および作業治具 Expired - Lifetime JP3813220B2 (ja)

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