JP3808620B2 - 情報識別システム、この情報識別システム用の制御装置および応答装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複数の物品のそれぞれに取り付けた応答装置が有する固有情報を制御装置によって読取ることで前記物品の管理などを可能とする情報識別システム、このシステムを実現するための制御装置および応答装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品等に貼り付けた無線タグの識別情報を読取る技術としては、例えば特開平4-315081号に開示されたものが知られている。これによれば、質問器からの問い合わせ信号に対して、各無線タグが識別情報を含む応答信号の送信を行う。このとき各無線タグは、所定の乱数を発生し、その値に基づいて応答信号の送出タイミングを遅延させる。これにより、複数の無線タグが送出する信号の衝突確率を低下させる。
【0003】
しかしながら、このように乱数に基づいて各無線タグの送信タイミングを異ならせるようにしているといえども、乱数のビット長が小さければ、衝突確率が大きくなり、場合によってはいつまでも衝突を繰り返すというように不確定な要素が含まれている。またビット長を大きくすると、衝突確率は抑制できるものの待ち合わせ時間が増えるため、全体の読取り時間が増大するという結果になる。しかも読取り数が少ない場合には、待ち合わせの時間ばかりで信号の送出が少ないという現象に陥り、極めて効率が低下するという不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来は、複数の応答装置(例えば無線タグ)の送信タイミングをランダム化することによって衝突確率を低下させるものとしていたため、確実な衝突回避を常に行える保証は無く、衝突による再送信を応答装置が繰り返すことで読取り時間が増大してしまうという不具合があった。
【0005】
そこで、衝突確率をより低減するために送信タイミングを決定するための乱数のビット長を長くすると、待ち合わせ時間が増大してやはり読取り時間が増大してしまうという不具合があった。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、複数の応答装置が有する固有情報を、制御装置にて効率よく短時間に読取ることができる情報識別システムや、このような情報識別システムを実現するための制御装置および応答装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために第1の本発明は、おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報のうちの所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する例えばアドレス領域指定情報などの所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信する、例えばエントリー指示情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなるビット位置指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報(例えば応答信号)を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する、例えば応答信号送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる応答情報送信手段と、前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている前記誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取り込む例えば応答信号取込み手段などの応答情報取込み手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果を示した検査結果情報(例えばエラー有無情報)を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する、例えばエラー有無情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる検査結果通知手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる例えばエントリーミス情報再取得処理手段などの再要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる例えばエントリーミス情報再送信制御手段などの再応答手段とを備えた。
【0008】
このような手段を講じたことにより、上り通信チャネルには複数のタイムスロットが設定され、これらのタイムスロットに識別情報に応じて応答装置が割り当てられる。従って、応答装置の送信タイミングがランダム化される。また、前回の割り当てにより衝突が生じた場合には、タイムスロット数やタイムスロットへの応答装置の割り当てが変更され、再送信のタイミングがランダム化される。
【0009】
また前記目的を達成するために第2の本発明は、前記第1の発明における応答情報送信手段を、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものとし、かつ、前記制御装置に設けられ、前記応答情報の送信を行った前記応答装置の識別情報を所定の期間に前記応答情報取込み手段により取り込まれた応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された識別情報を有する応答装置のそれぞれに対して、前記下り通信チャネルを介して所定の確認要求情報を送信する、例えば読取り情報確認処理手段、信号作成部および変調部などよりなる確認要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、該当応答装置に対して前記確認要求手段により送信された前記確認要求情報が到来したことに応じて、所定の確認通知情報(例えば確認通知信号)を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する例えば確認通知信号送信制御手段、信号作成部および変調部などよりなる確認通知手段と、前記制御装置に設けられ、前記確認通知手段により送信された前記確認通知情報の受信を行い、前記確認通知情報を送信した応答装置の識別情報を前記識別情報判定手段にて判定する元となった応答情報のみを有効な応答情報として確定する例えば応答信号確定手段などの応答情報確定手段とを備えた。
【0010】
このような手段を講じたことにより、制御装置にて読取った応答情報から判定される識別情報を持つ応答装置のそれぞれに対して確認されるので、誤読取りがあった場合にこれを見つけることが可能で、正しい応答情報のみを有効な応答情報とすることができる。
【0011】
また前記目的を達成するために第3の本発明は、前記第2の発明に加えて、前記制御装置に設けられ、前記確認要求手段による前記確認要求情報の送信が終了したのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する、例えばリエントリー指示情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定情報を受信したことに応じて、該当する応答装置の識別情報を示した確認通知情報が与えられていなかった場合に、前記応答情報送信手段に前記応答情報の送信を行わせる、例えばリエントリー情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる例えばリエントリーミス情報再取得処理手段などの再読取り再指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる例えばリエントリーミス情報再送信制御手段などの再読取り再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも応答信号の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および再読取り再指定手段の処理を繰り返させる例えばリエントリーシーケンス制御手段などの再読取り制御手段とを備え、かつ前記応答情報確定手段を、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じて前記応答装置から前記応答信号の送信がなされたことにより前記応答情報取込み手段により新たに取り込まれた前記応答情報を有効な応答情報として追加確定するものとした。
【0012】
このような手段を講じたことにより、一通りの読取りによって制御装置にて読取った応答情報から判定される識別情報を持つ応答装置のそれぞれに対して応答情報を読取った旨が通知されるので、この通知がなされなかったことによって読み残されている応答装置がそれを認識することができ、この時には応答情報の再送信を行うことで応答情報を読取らせることができる。
【0013】
また前記目的を達成するために第4の本発明は、前記第1の発明に加えて、前記応答情報送信手段を、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものとし、かつ、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する例えば応答信号確定手段などの応答情報確定手段と、前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を示した所定の読取り結果通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する、例えば読取り結果情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる読取り結果通知手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記読取り結果通知手段により送信された前記読取り結果通知情報に示された識別情報に該当応答装置が有する識別情報と同一の識別情報があるか否かの判定を行い、その判定結果を保持しておく例えば読取り結果確認手段などの読取り結果保持手段と、前記制御装置に設けられ、前記読取り結果通知手段による前記読取り結果通知情報の送信が行われたのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する、例えばリエントリー指示情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の前記読取り結果保持手段が保持している判定結果が該当応答装置が有する識別情報が前記読取り結果通知情報に示されていなかったことを示す場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる、例えばリエントリー情報送信制御手段などの再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段の処理を繰り返させる例えばリエントリー指示情報送信制御手段などの再読取り制御手段とを備えた。
【0014】
このような手段を講じたことにより、制御装置にて読取った応答情報から判定される識別情報を持つ応答装置のそれぞれに対して確認されるので、誤読取りがあった場合にこれを見つけることが可能で、正しい応答情報のみを有効な応答情報とすることができる。しかも、この確認動作の際には、応答装置からの情報送信は行わず、この確認動作を短時間に完了できる。
【0015】
また前記目的を達成するために第5の本発明は、おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報に含まれる前記識別情報のうちの少なくとも一部を含む所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信する、例えばエントリー指示情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなるビット位置指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報(例えば応答信号)を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する、例えば応答信号送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる応答情報送信手段と、前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する例えば応答信号確定手段などの応答情報確定手段と、前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果および前記識別情報判定手段により判定された識別情報をそれぞれ示した受信結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する例えば受信結果情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる受信結果通知手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる例えばエントリーミス情報再取得処理手段などの再要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる例えばエントリーミス情報再送信制御手段などの再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する、例えばリエントリー指示情報送信制御手段、信号作成部および変調部よりなる再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の識別情報が示された受信結果情報が到来していない場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる例えばリエントリー情報送信制御手段などの再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる例えばリエントリーミス情報再取得処理手段などの再読取り再指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる例えばリエントリーミス情報再送信制御手段などの再読取り再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および前記再読取り再指定手段の処理を繰り返させる例えばリエントリーシーケンス制御手段などの再読取り制御手段とを備えた。
【0016】
このような手段を講じたことにより、上り通信チャネルには複数のタイムスロットが設定され、これらのタイムスロットに識別情報に応じて応答装置が割り当てられる。従って、応答装置の送信タイミングがランダム化される。また、前回の割り当てにより衝突が生じた場合には、タイムスロット数やタイムスロットへの応答装置の割り当てが変更され、再送信のタイミングがランダム化される。また、制御装置にて誤りなく受信できた応答情報から判定した識別情報が、各応答装置に通知されるので、各応答装置では自己が送信した応答信号が正しく受信されているか否かを確認することができ、この結果、読み残されているのであれば、応答信号の再送信を行うことで確実に読取らせることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る情報識別システムの概略構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように本実施形態の情報識別システムは、制御装置1が、複数(n個:nは不定数)の応答装置2(2-1 ,2-2 …,2-n )がそれぞれ有する固有情報を一括して読出すものである。また制御装置1には、必要に応じて管理装置3が接続される。
【0019】
制御装置1は、応答装置2に対して問い合わせおよび指示を示した下り信号を与えて、応答装置2が有する固有情報を読取る。また必要によっては、応答装置2内の記憶部への情報の書き込みを指示する。
【0020】
応答装置2は、少なくとも固有の識別情報(例えば24ビットのバイナリデータ)を含む固有情報を内部の記憶部に保持しており、制御装置1からの問い合わせおよび指示に応じて、上記固有情報の少なくとも一部を示す応答信号を上り信号にて制御装置1へと送信する。この応答装置2は、例えば物品に取り付けられ、当該物品の識別または管理などを行うために用いられる。
【0021】
管理装置3は、いわゆるアプリケーション用のコンピュータシステムである。管理装置3は、制御装置1により読取られた情報を受け取り、応答装置2自体または応答装置2が取り付けられた物品等に関する情報処理または管理(例えば物品の在庫管理)を行う。
【0022】
図2は制御装置1の具体的な構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように制御装置1は、CPU10、ROM11、RAM12、外部インタフェース13、信号作成部14、変調部15、アンテナ部16、復調部17、信号分析部18、電源部19およびクロック回路部20を有している。
【0024】
CPU10は、ROM11に格納されている動作プログラムに基づいて動作し、制御装置1の各部を総括制御して、応答装置2からの固有情報の読取りを行うための各種機能を実現する。
【0025】
ROM11は、CPU10のための前記の動作プログラムや、その他の必要な情報を保持している。
【0026】
RAM12は、CPU10が各種の処理を行う上で必要となる各種の情報を一時的に記憶しておくために使用される。
【0027】
外部インタフェース13は、管理装置3が接続され、この管理装置3から与えられる指示や情報の取込みや、情報の管理装置3への出力を行う。
【0028】
信号作成部14は、応答装置2に対して与える各種の情報を含んだ下り信号をCPU10の制御の下に作成する。この信号作成部14で作成された下り信号は、無線伝送するための変調が変調部15にて施されたのち、アンテナ部16から応答装置2に向けて空間へと送出される。
【0029】
また応答装置2から送出され、空間を介して到来した信号(上り信号)は、アンテナ部16によって受けられ、復調部17にて復調がなされたのちに信号分析部18に与えられる。信号分析部18は、復調部17から与えられる上り信号を分析し、その信号に含まれた各種の情報を判定して制御装置制御部110へと与える。
【0030】
電源部19は、例えば商用電源から電力を得、制御装置1の各部を動作させるための電力に変換した上で制御装置1の各部へと供給する。
【0031】
クロック回路部20は、所定のクロック信号を発生し、制御装置1の各部へと供給する。
【0032】
ところでCPU10、ROM11およびRAM12により、図3に示すような各種の処理手段を有した制御装置制御部110が構成される。
【0033】
そしてこの制御装置制御部110は、エントリー指示情報送信制御手段111、誤り検査手段112、応答信号取込み手段113、エラー有無情報送信制御手段114、エントリーミス情報再取得処理手段115、識別情報判定手段116、読取り情報確認処理手段117、応答信号確定手段118、リエントリー指示情報送信制御手段119、リエントリーミス情報再取得処理手段120およびリエントリーシーケンス制御手段121を有する。
【0034】
ここでエントリー指示情報送信制御手段111は、後述するエントリーシーケンスにて、応答装置2に対して応答信号の送信を要求するためのエントリー指示情報を含んだ下り信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0035】
誤り検査手段112は、アンテナ15および復調部17により受信された上り信号から信号分析部18で判定された応答信号に誤りが生じているか否かを、当該応答信号中に付加されている誤り検出符号を用いて検査する。
【0036】
応答信号取込み手段113は、誤り検査手段112により誤りが無いと判定された応答信号のみを受信応答信号として取込み、誤りのある応答信号を破棄する。
【0037】
エラー有無情報送信制御手段114は、後述する1サイクルに設定される複数のタイムスロットのそれぞれにつき、そのタイムスロットで到来した応答信号に誤りがあったか否かを示すエラー有無情報を含む下り信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0038】
エントリーミス情報再取得処理手段115は、エントリーシーケンスにて、前回のサイクルでエラーが発生したタイムスロットにて応答装置2から送信されていた応答信号を取得するための処理を最新のサイクルにて行う。
【0039】
識別情報判定手段116は、応答信号取込み手段113により取り込まれた受信応答信号に基づいて、その応答信号の送信元の応答装置2が有する識別情報を判定する。
【0040】
読取り情報確認処理手段117は、エントリーシーケンスの終了後に、今回のエントリーシーケンスの期間中に応答信号取込み手段113により取り込まれた受信応答信号に基づいて識別情報判定手段116により判定された識別情報を有する応答装置2のそれぞれに対して、応答信号送信の有無を確認するための処理を行う。
【0041】
応答信号確定手段118は、読取り情報確認処理手段117により応答信号送信を行ったと判定された応答装置2が有する識別情報の判定の元となった受信応答信号のみを、有効な応答信号として確定する。
【0042】
リエントリー指示情報送信制御手段119は、後述するリエントリーシーケンスにて、応答装置2に対して応答信号の送信を要求するためのリエントリー指示情報を含んだ下り信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0043】
リエントリーミス情報再取得処理手段120は、リエントリーシーケンスにて、前回のサイクルでエラーが発生したタイムスロットにて応答装置2から送信されていた応答信号を取得するための処理を最新のサイクルにて行う。
【0044】
またリエントリーシーケンス制御手段121は、リエントリー指示情報送信制御手段119およびリエントリーミス情報再取得処理手段120による処理を、リエントリー指示情報を含んだ下り信号の送信に応じていずれの応答装置2からも応答信号が送出されなくなるまで繰り返させる。
【0045】
図4は応答装置2の具体的な構成を示すブロック図である。
【0046】
図4に示すように応答装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、アンテナ部24、復調部25、信号分析部26、信号作成部27、変調部28、固有情報記憶部29、電源部30およびクロック回路部29を有している。
【0047】
CPU21は、ROM22に格納されている動作プログラムに基づいて動作し、応答装置2の各部を総括制御して、制御装置1からの要求に応じて応答信号の送信を行う機能を実現する。
【0048】
ROM22は、CPU21のための前記の動作プログラムや、その他の必要な情報を保持している。
【0049】
RAM23は、CPU21が各種の処理を行う上で必要となる各種の情報を一時的に記憶しておくために使用される。
【0050】
制御装置1から送出され、空間を介して到来した下り信号は、アンテナ部24によって受けられ、復調部25にて復調がなされたのちに信号分析部26に与えられる。信号分析部26は、復調部25から与えられる下り信号を分析し、その信号に含まれる各種の情報を判定して応答装置制御部210へと与える。
【0051】
信号作成部27は、制御装置1に対して与える応答信号を示した応答信号を応答装置制御部210の制御の下に作成する。この信号作成部27で作成された信号は、無線伝送するための変調が変調部28にて施されたのち、アンテナ部24から制御装置1に向けて空間へと送出される。
【0052】
固有情報記憶部29は、当該応答装置2の固有情報を記憶している。
【0053】
電源部30は、アンテナ部24で制御装置2の送信信号を受信して生じる電力によって充電し、これを応答装置2の各部を動作させるための電力に変換した上で応答装置2の各部へと供給する。
【0054】
クロック回路部31は、所定のクロック信号を発生し、応答装置2の各部へと供給する。
【0055】
ところでCPU21、ROM22およびRAM23により、図5に示すような各種の処理手段を有した応答装置制御部2100が構成される。
【0056】
そしてこの応答装置制御部210は、応答信号送信制御手段211、エントリーミス情報再送信制御手段212、確認通知信号送信制御手段213、リエントリー情報送信制御手段214およびリエントリーミス情報再送信制御手段215を実現するものとなっている。
【0057】
ここで応答信号送信制御手段211は、信号分析部26でエントリー指示情報が判定された場合に、応答信号を作成し、この応答信号をエントリー指示情報の内容と自装置が有する識別情報とから決まるタイムスロットにて送信するための制御を行う。
【0058】
エントリーミス情報再送信制御手段212は、エントリーシーケンスの期間中に、応答信号の送信を行った次のサイクルに信号分析部26で判定されたエラー有無情報を監視する。そしてエントリーミス情報再送信制御手段212は、応答信号を送信したタイムスロットがエラー有無情報にてエラー有りとされていた場合に、そのサイクルに信号分析部26で判定されたエントリー指示情報の内容と自装置が有する識別情報とから決まるタイムスロットにて応答信号の再送信を行うための制御を行う。
【0059】
確認通知信号送信制御手段213は、エントリーシーケンスの終了後に、応答信号送信の有無の確認を要求する自装置宛の情報が信号分析部26で判定されたことに応じ、直前のエントリーシーケンスの期間中に応答信号の送信を行ったか否かを示す確認通知信号を含んだ確認通知信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0060】
リエントリー情報送信制御手段214は、エントリーシーケンスの終了後に、応答信号送信の有無の確認を要求する情報が信号分析部26で判定されることなくリエントリーシーケンスが開始された場合に、このリエントリーシーケンスの期間中に信号分析部26でリエントリー指示情報が判定されたことに応じて、リエントリー指示情報の内容と自装置が有する識別情報とから決まるタイムスロットにて応答信号を再送信するための制御を行う。
【0061】
またリエントリーミス情報再送信制御手段215は、リエントリーシーケンスの期間中に、応答信号の送信を行った次のサイクルに信号分析部26で判定されたエラー有無情報にて、上記応答信号を送信したタイムスロットがエラー有りとされていた場合に、そのサイクルに信号分析部26で判定されたリエントリー指示情報の内容と自装置が有する識別情報とから決まるタイムスロットにて応答信号の再送信を行うための制御を行う。
【0062】
さて、以上のように構成された本実施形態の情報識別システムでは、制御装置1と応答装置2との間での信号伝送は、以下のような諸条件で行われる。
【0063】
まず図6に示すように、制御装置1が下り信号を送信する期間TD(TD-1,TD-2…)と、応答装置2が信号を送信する期間TU(TU-1,TU-2…)とは、時間的にずれている。すなわち、制御装置1が下り信号を送信し終わったのちに、所定期間(可変)に渡って応答装置2が信号を送信する期間TUが設定される。そして、1つの期間TDとその期間TDの直後の期間TUとが一対をなし、該当期間を1サイクルと称する。このサイクルは、一連の読取り動作中において、複数繰り返される。
【0064】
ところで、応答装置2が信号を送信する期間TUには、後述するように同一通信チャネル上に複数(m個:可変)のタイムスロットTS(TS-1,TS-2…,TS-m)が設定され、各タイムスロットにてそれぞれ異なる応答装置2が応答信号の送信を行うものとなっており、各応答装置2が送信した各応答信号がバースト状に並んだ信号として上り信号が形成される。
【0065】
制御装置1が送信する下り信号は、図7に示すフォーマットをなす。
【0066】
図7に示すように下り信号は、同期信号(SYN)とコントロール信号(CNT)とからなる。さらにコントロール信号は、種別コード(MOD)、情報要素レングス長情報(LEN)および情報要素を含む。
【0067】
同期信号は、図8に示すように「01111110」なるビット列である。図8に示すように、コントロール信号中において「1」が6つ以上連続する場合には、5番目の「1」と6番目の「1」との間に「0」を挿入することとし、同期信号をユニークなパターンとしている。
【0068】
なお、情報要素を送信しない場合には、下り信号のフォーマットは図9に示すように同期信号を連続させたものとする。
【0069】
種別コードは8ビットのバイナリコードであり、図10に示すように決められたコードのいずれかが挿入される。すなわち種別コードにおいて「00000001」〜「00001111」はエントリーシーケンスであることを示すものであり、さらにエントリーシーケンスにおける何番目のサイクルであるかを下位の4ビットが示す数値が示すものである。また種別コードにおいて「00010001」〜「00011111」はリエントリーシーケンスであることを示すものであり、さらにリエントリーシーケンスにおける何番目のサイクルであるかを下位の4ビットが示す数値が示すものである。さらに種別コードにおいて「00100000」は、特定の応答装置2のみに対する指示(ポーリング)であることを示すものである。
【0070】
一方、上り信号は図11(a),11(b)に示すように、複数のタイムスロットの少なくとも一部に、応答装置2が送信する応答信号が挿入されたものである。なお、応答信号は、前後に所定時間のガードバンド(GB)を確保した状態でタイムスロットに挿入される。
【0071】
また応答信号は、図11(a)に示すようにプリアンブル信号(PRA)、識別情報(IDC)および誤り検出符号(CRC)からなる場合と、図11(b)に示すようにプリアンブル信号(PRA)、識別情報(IDC)、付加情報(INF)および誤り検出符号(CRC)からなる場合とがある。
【0072】
次に、以上のように構成された情報識別システムの動作につき説明する。
【0073】
まず、制御装置1では、識別情報が既知である応答装置2については、個別に固有情報を読出したり、あるいは固有情報を書込んだりすることができる。
【0074】
このように個別に固有情報の読出し、あるいは書込みを行う場合、制御装置制御部110は、種別コードをポーリングを指定する「00100000」とするとともに、情報要素に、識別情報、要求内容情報レングス長情報、書込み要求情報、書込み情報レングス長情報、書込み情報、応答要求情報、要求情報レングス長情報および要求情報をそれぞれ挿入した図12に示すようなコントロール信号を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。なお、識別情報は、固有情報の読出し、あるいは書込みを行う対象となる応答装置2の識別情報である。要求内容情報レングス長情報は、それ以降に存在する情報(要求の内容を示す情報)のレングス長を示す。書込み要求情報は、要求する処理内容が固有情報の書込みであることを示す。書込み情報レングス長情報は、書込み情報のレングス長を示す。書込み情報は、応答装置2の固有情報記憶部29に記憶させる情報(識別情報や、任意の商品情報および管理情報などの付加情報等)の種別と内容とを示す。応答要求情報は、要求する処理内容が応答処理の実施であることを示す。要求情報レングス長情報は、要求情報のレングス長を示す。そして要求情報は、要求する応答処理の内容(識別情報や付加情報の送信要求、あるいは確認通知信号の送信要求等)を示す。
【0075】
そして制御装置制御部110は、信号作成部14により作成された下り信号を変調部15により変調させ、アンテナ部16より送信させる。
【0076】
応答装置2において応答装置制御部210は、アンテナ部24および復調部25により前述の下り信号が受信され、コントロール信号に含まれた各情報が信号分析部26から与えられると、種別コードからポーリングであることを認識する。
【0077】
そしてこのようにポーリングが指定されていた場合には、応答装置制御部210はコントロール信号に含まれた識別情報が自己の識別情報と一致するか否かの判断を行い、一致しない場合には今回のサイクルでは何の処理も行わない。これに対して、コントロール信号に含まれた識別情報が自己の識別情報と一致した場合に応答装置制御部210は、コントロール信号に含まれた書込み情報を固有情報記憶部29に書込む。また応答装置制御部210は、コントロール信号に含まれた要求情報で要求される情報を固有情報記憶部29から取出し、この情報を含んだ応答信号を作成するよう信号作成部27を制御する。そして応答装置制御部210は、信号作成部27により作成された応答信号を変調部28により変調させ、アンテナ部24より送信させる。
【0078】
さて、制御装置1において制御装置制御部110は、前述の応答要求を行った場合には、下り信号の送信が終了したのちに応答信号の到来を待ち受ける。従って、応答装置2のいずれかから前述のように送信された応答信号がアンテナ部16および復調部17により受信され、この応答信号に含まれた各情報が信号分析部18から与えられると、この情報をRAM12に格納する。また、RAM12に格納した情報は、外部インタフェース13を介して管理装置3へと必要に応じて与える。
【0079】
次に、所定の読取り範囲内(上り信号および下り信号を授受できる範囲)に存在する不特定の応答装置2の固有情報を制御装置1にて読取る際の動作を説明する。
【0080】
このとき制御装置1において制御装置制御部110は、読取り範囲内に存在する全ての応答装置2の固有情報を読み取るためのエントリーシーケンスを開始する。
【0081】
このエントリーシーケンスの最初のサイクル(第1サイクル)において制御装置制御部110はまず、種別コードをエントリーシーケンスの第1サイクルであることを示す「00000001」とするとともに、情報要素にアドレス領域指定情報を挿入した図13に示すようなコントロール信号を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。そして制御装置制御部110は、信号作成部14により作成された下り信号を変調部15により変調させ、アンテナ部16より送信させる。
【0082】
アドレス領域指定情報は、図14に示すように3バイト(24ビット)よりなり、各ビットが応答装置1の識別情報におけるビット位置に対応している。そして、アドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの数により、今回のサイクルにて各応答装置2が応答信号を送出するために用いるべきタイムスロットの数を示す。またアドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの配置により、各応答装置2が応答信号を送出するために用いるべきタイムスロットの割り当てを示す。すなわち、アドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの数をmとすると、タイムスロット数は2m 個となる。また、識別情報を構成する各ビットのうちのmビットにより取り得る状態は2m 通りであり、かつ識別情報から取り出したmビットをmビットのバイナリデータとして見るならば、上記2m 通りの状態は、それぞれ十進数での「0」〜「2m −1」として表すことができる。そこで、2m 個のタイムスロットのそれぞれに順番に「0」〜「2m −1」のタイムスロットナンバを付する。また、識別情報のうちでアドレス領域指定情報にて指定された位置のmビット分のビット列をmビットのバイナリデータとして考える。そして、このバイナリデータの値に一致するタイムスロットナンバが付されたタイムスロットが、上記バイナリデータの抽出もとの識別情報を有した応答装置2に割り当てられることを示す。
【0083】
具体的には、図14に示すようにアドレス領域指定情報における1バイト目の8ビットを「1」とする場合には、図15に示すように順番にタイムスロットナンバ「#0」〜「#255」が付された[28 =256]個のタイムスロットを設定することを示す。そして各タイムスロットは、識別番号の最下位の1バイトを8ビットのバイナリデータと仮定した際の値がタイムスロットナンバと一致する識別番号を有する応答装置2に割り当てられることを示す。つまり、タイムスロットナンバ「#0」のタイムスロットは、最下位の1バイトが「00000000」である識別情報(16進数で示すならば「H‘****00’」)を有する応答装置2に割り当てることを示す。またタイムスロットナンバ「#1」のタイムスロットは、最下位の1バイトが「00000001」である識別情報(16進数で示すならば、「H‘****01’」)を有する応答装置2に割り当てることを示す。なお16進数で示した識別情報において、「*」と示してあるのは任意の値で良いことを示している。
【0084】
なお以上の処理は、エントリー指示情報送信制御手段111によってなされる。
【0085】
さて応答装置2において応答装置制御部210は、アンテナ部24および復調部25により前述の下り信号が受信され、コントロール信号に含まれた各情報が信号分析部26から与えられると、種別コードからエントリーシーケンスの第1サイクルであることを認識する。そしてこの時に応答装置制御部210は、自己の状態を初期状態にイニシャライズする。
【0086】
続いて応答装置制御部210は、アドレス領域指示情報に基づいて自己が属する応答装置2に割り当てられたタイムスロットを判定する。そして応答装置制御部210は、必要な固有情報を固有情報記憶部29から取出し、この固有情報を含んだ応答信号を作成するよう信号作成部27を制御する。ただし識別情報は、アドレス領域指定情報が示すビット位置を省略した状態で応答信号に示す。そして応答装置制御部210は、前記判定したタイムスロットのタイミングで、信号作成部27により作成された応答信号を変調部28により変調させ、アンテナ部24より送信させる。
【0087】
なお、以上の処理は応答信号送信制御手段211によってなされる。
【0088】
ところで、エントリーシーケンスの第1サイクルでは3バイトの識別情報のうちの最下位の1バイトに応じてタイムスロットの割り当てが行われる。このため、1つのタイムスロットに複数の応答装置2が割り当てられる可能性がある。
【0089】
具体的には、例えば読取り範囲内に、「H‘000000’」なる識別情報を有した応答装置2-a 、「H‘000001’」なる識別情報を有した応答装置2-b 、「H‘000100’」なる識別情報を有した応答装置2-c および「H‘000F00’」なる識別情報を有した応答装置2-d がそれぞれ存在していたとする。この場合、図16に示すようにタイムスロットナンバ#1のタイムスロットでは応答装置2-b のみが応答信号の送信を行うので衝突が生じない。このため、応答装置2-b から送信される応答信号は、多くの場合、エラーが生じることがなく制御装置1で受信される。しかし、タイムスロットナンバ#0のタイムスロットでは、応答装置2-a 、応答装置2-c および応答装置2-d がそれぞれ応答信号の送信を行う。このため衝突が生じ、制御装置1で受信される際には多くの場合、エラーが生じる。
【0090】
そこで制御装置1において制御装置制御部110は、上り信号の各タイムスロットについて、各タイムスロットにて到来した応答信号に付加されている誤り検出符号を用いての誤りが発生しているか否かの検査を誤り検査手段112によって行う。そして制御装置制御部110は応答信号取込み手段113により、上記誤り検査で誤りが生じていないと判定した応答信号を受信応答信号として取込み、誤りが生じていると判定した応答信号は破棄する。
【0091】
続いて制御装置制御部110は、取込んだ受信応答信号から、識別情報を取り出す。受信応答信号に含まれている識別情報は一部が省略してあるが、省略された部分の状態は、その応答信号が到来したタイムスロットから一義的に決まる。そこで制御装置制御部110は識別情報判定手段116により、省略されていない状態での識別情報を判定する。
【0092】
具体的には、例えば図17に(a)で示すように、タイムスロットナンバ「#1」〜「#4」にて応答信号が到来し、タイムスロットナンバ「#2」およびタイムスロットナンバ「#4」にて到来した応答信号がエラー無しであったとする。この場合、制御装置制御部110はこのタイムスロットナンバ「#2」およびタイムスロットナンバ「#4」にて到来した応答信号を受信応答信号として取込む。しかし、タイムスロットナンバ「#1」およびタイムスロットナンバ「#3」にて到来した応答信号は破棄する。そして制御装置制御部110は、タイムスロットナンバ「#2」にて到来した応答信号に含まれた識別情報が「H‘w1 x1 y1 z1 ’」であるので、下位側にタイムスロットナンバ「#2」に対応する「H‘02’」を付加することで、当該応答信号を送信した応答装置2の識別情報を「H‘w1 x1 y1 z1 02’」と判定する。また制御装置制御部110は、タイムスロットナンバ「#4」にて到来した応答信号に含まれた識別情報が「H‘w2 x2 y2 z2 ’」であるので、下位側にタイムスロットナンバ「#4」に対応する「H‘04’」を付加することで、当該応答信号を送信した応答装置2の識別情報を「H‘w2 x2 y2 z2 04’」と判定する。
【0093】
続いて制御装置制御部110は、エントリーシーケンスの第2サイクルに移行する。そして制御装置制御部110は、種別コードをエントリーシーケンスの第2サイクルであることを示す「00000010」とするとともに、情報要素に図18に示すようなコントロール信号を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。そして制御装置制御部110は、信号作成部14により作成された下り信号を変調部15により変調させ、アンテナ部16より送信させる。
【0094】
エントリーシーケンスの第2サイクルでの情報要素は、アドレス領域指定情報に加えて、エラー有無情報を有する。
【0095】
エラー有無情報は、前サイクル(ここでは第1サイクル)で設定した各タイムスロットのそれぞれに対し、応答信号に誤りがあったか否かの判定結果を示したフラグビット(FB1 〜FBm )からなる。すなわちここでは、エントリーシーケンスの第1サイクルで設定した256個のタイムスロットのそれぞれについて応答信号に誤りがあったか否かの判定結果を示した合計256個のフラグビットが、対応するタイムスロットと同じ順序で示される。
【0096】
制御装置制御部110は、誤り検査手段112によって行った誤り検査の結果に応じたエラー有無情報を作成し、信号作成部14に与える。また制御装置制御部110は、アドレス領域指定情報を、エントリーシーケンスの第1サイクルとは異なるビット位置を指定するものとする。
【0097】
具体的には、図19に示すようにアドレス領域指定情報における2バイト目の下位4ビットを「1」とする。またエントリーシーケンスの第1サイクルにおける上り信号の受信状況が図17に(a)で示すものであるならば、エラー有無情報は図19に示すような状態とする。
【0098】
なお以上の処理は、エラー有無情報送信制御手段114およびエントリーミス情報再取得処理手段115によりなされる。
【0099】
さて、応答装置2において応答装置制御部210は、アンテナ部24および復調部25により前述の下り信号が受信され、コントロール信号に含まれた各情報が信号分析部26から与えられると、種別コードからエントリーシーケンスの第2サイクルであることを認識する。そしてこの時に応答装置制御部210は、前サイクルにおいて応答信号の送信を行ったのであれば、その応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていたか否かを、エラー有無情報から判断する。
【0100】
そして、応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていなければ、応答装置制御部210は以降のエントリーシーケンス期間中には応答信号の送出を行わない。これに対して、応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていたら、応答装置制御部210はアドレス領域指示情報に基づいて自己が属する応答装置2に割り当てられたタイムスロットを判定する。そして応答装置制御部210は、必要な固有情報を固有情報記憶部29から取出し、この固有情報を含んだ応答信号を作成するよう信号作成部27を制御する。ただし識別情報は、これまでのサイクルにて与えられたアドレス領域指定情報が示すビット位置を省略した状態で応答信号に示す。そして応答装置制御部210は、前記判定したタイムスロットのタイミングで、信号作成部27により作成された応答信号を変調部28により変調させ、アンテナ部24より送信させる。
【0101】
なお、以上の処理はエントリーミス情報再送信制御手段212によってなされる。
【0102】
さて、アドレス領域指定情報はエントリーシーケンスの第1サイクルの場合と同様に、アドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの数により、今回のサイクルにて各応答装置2が応答信号を送出するために用いるべきタイムスロットの数を示す。またアドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの配置により、各応答装置2が応答信号を送出するために用いるべきタイムスロットの割り当てを示す。
【0103】
すなわち、図19に示すようにアドレス領域指定情報における2バイト目の下位4ビットが「1」である場合には、図20に示すように順番にタイムスロットナンバ「#0」〜「#15」が付された[24 =16]個のタイムスロットを設定することを示す。そして各タイムスロットは、識別番号の2バイト目の下位4ビットを4ビットのバイナリデータと仮定した際の値に一致するタイムスロットナンバが付されたタイムスロットが、上記バイナリデータの抽出もとの識別情報を有した応答装置2に割り当てられることを示す。つまり、タイムスロットナンバ「#0」のタイムスロットは、2バイト目の下位4ビットが「0000」である識別情報(16進数で示すならば、「H‘***0**’」)を有する応答装置2に割り当てることを示す。またタイムスロットナンバ「#1」のタイムスロットは、2バイト目の下位4ビットが「0001」である識別情報(16進数で示すならば、「H‘***1**’」)を有する応答装置2に割り当てることを示す。
【0104】
しかし、エントリーシーケンスの第2サイクル以降およびリエントリーシーケンスの各サイクルでは、上述のような16個のタイムスロットを、前サイクルにてエラーが生じていたタイムスロットのそれぞれに対して設定する。従ってエントリーシーケンスの第2サイクル以降およびリエントリーシーケンスの各サイクルでは、アドレス領域指定情報にて「1」とされているビットの数により決まる数と、前サイクルにてエラーが生じていたタイムスロットの数との積に相当する数のタイムスロットが設定される。
【0105】
具体的には、前サイクルにて例えば図17に(a)で示すようにタイムスロットナンバ「#1」のタイムスロットおよびタイムスロットナンバ「#3」のタイムスロットにてエラーが生じており、他のタイムスロットではエラーが生じていないとする。そうすると図21に示すように、前サイクルでのタイムスロットナンバ「#1」のタイムスロットにて応答信号の送信を行った応答装置2用としての16個のタイムスロット(タイムスロットナンバ「#0-1 」,「#1-1 」…,「#15-1」)と、前サイクルでのタイムスロットナンバ「#3」のタイムスロットにて応答信号の送信を行った応答装置2用としての16個のタイムスロット(タイムスロットナンバ「#0-2 」,「#1-2 」…,「#15-2」)との合計32個のタイムスロットが設定される。ここで、前サイクルでのタイムスロットナンバ「#1」のタイムスロットにて応答信号の送信を行った応答装置2は、「H‘****01’」なる識別情報を有するものである。従って、タイムスロットナンバ「#0-1 」のタイムスロットは「H‘***001’」なる識別情報を有する応答装置2に、タイムスロットナンバ「#1-1 」のタイムスロットは「H‘***101’」なる識別情報を有する応答装置2、そしてタイムスロットナンバ「#15-1 」のタイムスロットは「H‘***F01’」なる識別情報を有する応答装置2といった具合に各タイムスロットに応答装置2が割り当てられる。また、前サイクルでのタイムスロットナンバ「#3」のタイムスロットにて応答信号の送信を行った応答装置2は、「H‘****03’」なる識別情報を有するものである。従って、タイムスロットナンバ「#0-2 」のタイムスロットは「H‘***003’」なる識別情報を有する応答装置2、タイムスロットナンバ「#1-2 」のタイムスロットは「H‘***103’」なる識別情報を有する応答装置2、そしてタイムスロットナンバ「#15-2」のタイムスロットは「H‘***F03’」なる識別情報を有する応答装置2といった具合に各タイムスロットに応答装置2が割り当てられる。
【0106】
このように、1つのタイムスロットに割り当てられる応答装置2は、前サイクルよりも絞りこまれることになり、衝突が発生する確立が低下する。しかしながら、1つのタイムスロットに複数の応答装置2が割り当てられる可能性は残っており、衝突が生じることはある。
【0107】
そこで、全てのタイムスロットについてエラーが検出されなくなるまで、アドレス領域指定情報にて指定するビット位置を変化させつつ、第2サイクルと同様な処理を繰り返す。そして、例えば図17に(c)で示すように、全てのタイムスロットについてエラーが検出されなくなったならば、制御装置制御部110はエントリーシーケンスを終了する。
【0108】
なお、以上のエントリーシーケンスにおいて、第1サイクルにて下り信号を受信していない応答装置2は、第2サイクル以降にて下り信号を受信した場合でも、これに応じての動作を行わない。
【0109】
このようにエントリーシーケンスを終了したら、制御装置制御部110は次に確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行う。
【0110】
まず、制御装置制御部110は確認シーケンスを開始する。この確認シーケンスでは、制御装置制御部110は確認要求(応答要求)を示す情報を情報要素に挿入し、かつ種別コードがポーリングであるコントロール信号を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。また制御装置制御部110は、上記コントロール信号の情報要素には、前述したエントリーシーケンスにて判定した識別情報のいずれかを挿入させる。そして制御装置制御部110は、信号作成部14により作成された下り信号を送信させる。なお、この処理は読取り情報確認処理手段117によりなされる。
【0111】
応答装置2において応答装置制御部210は、アンテナ部24および復調部25により前述の下り信号が受信され、コントロール信号に含まれた各情報が信号分析部26から与えられると、種別コードからポーリングであることを認識する。
【0112】
そしてこのようにポーリングが指定されていた場合には、応答装置制御部210はコントロール信号に含まれた識別情報が自己の識別情報と一致するか否かの判断を行い、一致しない場合には何の処理も行わない。これに対して、コントロール信号に含まれた識別情報が自己の識別情報と一致した場合に応答装置制御部210は、コントロール信号に含まれた情報から確認要求であることを認識すると、所定の確認通知信号(例えば応答信号と同様な信号)を作成するよう信号作成部27を制御する。そして応答装置制御部210は、信号作成部27により作成された確認通知信号を変調部28により変調させ、アンテナ部24より送信させる。なお、この処理は確認通知信号送信制御手段213により行われる。
【0113】
さて、制御装置1において制御装置制御部110は、前述の下り信号の送信後に、確認通知信号が到来するのを待ち受ける。そして、応答装置2のいずれかから前述のように送信された確認通知信号がアンテナ部16および復調部17により受信され、この確認通知信号に含まれた各情報が信号分析部18から与えられると、制御装置制御部110は応答信号確定手段118により、前述の下り信号に示した識別情報を有する応答装置2が間違いなく所定の読取り範囲内に存在すると判定し、その識別情報を判定する元となった受信応答信号を有効なものとして確定する。なお、確認通知信号が到来しなかった場合、前述の下り信号に示した識別情報を有する応答装置2が所定の読取り範囲内に存在せず、従って当該識別情報は誤読取りしたものであるので、その識別情報を判定する元となった受信応答信号は破棄する。
【0114】
こののち制御装置制御部110は、前記した確認要求のための下り信号に示す識別情報を順次変えながら、上述の確認動作を繰り返す。そして、エントリーシーケンスで判定した全ての識別情報を用いての上記確認動作が終了したならば、制御装置制御部110は確認シーケンスを終了する。
【0115】
かくして図22に示すように、エントリーシーケンスにて取り込んだ応答信号から判定した識別信号を持つ応答装置2に対する確認動作が順次行われ、この結果に基づいて有効な応答信号の確定が行われる。
【0116】
以上の確認シーケンスが終了したら次に制御装置制御部110は、読み残しの応答装置2があるか否かを確認するために、その応答装置2の識別情報を読取るためのリエントリーシーケンスを開始する。このリエントリーシーケンスの最初のサイクル(第1サイクル)において制御装置制御部110はまず、種別コードをリエントリーシーケンスの第1サイクルであることを示す「00010001」とするとともに、情報要素にアドレス領域指定情報を挿入したコントロール信号を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。そして制御装置制御部110は、信号作成部14により作成された下り信号を変調部15により変調させ、アンテナ部16より送信させる。ここで作成する下り信号におけるコントロール信号は、例えば図13に示すコントロール信号における種別コードを「00010001」に変えた信号である。ただし、リエントリーシーケンスでは応答する応答装置2が読み残しのものだけであり、その数は非常に少ないことが予測されるので、アドレス領域指定情報における「1」の数を減らしてタイムスロット数を少なく設定するようにしても良い。なおここでの処理は、リエントリー指示情報送信制御手段119によってなされる。
【0117】
さて応答装置2において応答装置制御部210は、アンテナ部24および復調部25により前述の下り信号が受信され、コントロール信号に含まれた各情報が信号分析部26から与えられると、種別コードからリエントリーシーケンスの第1サイクルであることを認識する。そしてこのときに応答装置制御部210は、確認シーケンスにて、自己が属する応答装置2が有する識別信号を示した下り信号が到来しなかった場合にのみ、すなわち自己が属する応答装置2を対象とした確認動作が行われなかった場合にのみ以下に示す動作を行う。
【0118】
応答装置制御部210は、アドレス領域指示情報に基づいて、自己が属する応答装置2に割り当てられたタイムスロットをエントリーシーケンスの場合と同様にして判定する。そして応答装置制御部210は、必要な固有情報を固有情報記憶部29から取出し、この固有情報を含んだ応答信号をエントリーシーケンスの場合と同様に作成するよう信号作成部27を制御する。そして応答装置制御部210は、前記判定したタイムスロットのタイミングで、信号作成部27により作成された応答信号を変調部28により変調させ、アンテナ部24より送信させる。なお、ここでの処理はリエントリー情報送信制御手段214によってなされる。
【0119】
具体的には、例えば図22に示すように、確認シーケンスでは応答装置2-j を対象とした確認動作が行われていないので、この応答装置2-j が応答信号の送信を行う。
【0120】
制御装置1において制御装置制御部110は、上述のように応答信号が到来した場合、その応答信号を送信した応答装置2の識別情報をエントリーシーケンスの場合と同様にして判定する。そして制御装置制御部110は、ここで判定した識別情報を有する応答装置2に対する確認動作を行うべく確認シーケンスを再度行う。ここで、確認通知信号が到来したならば、上記識別情報を判定する元となった受信応答信号を有効なものとして追加確定する。
【0121】
さらにこののちに制御装置制御部110はリエントリーシーケンス制御手段121により、読取りが終了していない応答信号からの応答信号送信がなくなるまで、上記のようにリエントリーシーケンスと確認シーケンスとを繰り返す。
【0122】
なお、リエントリーシーケンスにおいて応答信号の衝突が生じた場合には、制御装置制御部110はリエントリーミス情報再取得処理手段120により、リエントリーシーケンスの第2サイクル以降の処理をエントリーシーケンスの第2サイクル以降での処理と同様にして行う。またこの場合に、前サイクルで応答信号の送信を行った応答装置2の応答装置制御部210は、エントリーシーケンスの第2サイクル以降での処理と同様な処理をリエントリーミス情報再送信制御手段215により行う。
【0123】
なお、以上のリエントリーシーケンスにおいて、第1サイクルにて下り信号を受信していない応答装置2は、第2サイクル以降にて下り信号を受信した場合でも、これに応じての動作を行わない。
【0124】
以上のように本実施形態によれば、識別情報が既知である応答装置2から固有情報を読出す場合には、識別情報の全てを示した下り信号を送信することで、特定の応答装置2のみに応答信号を送信させることが可能であり、応答信号の衝突を確実に回避することができる。
【0125】
一方、所定の読取り範囲内に存在する不特定の応答装置2の固有情報を読取る場合には、制御装置1が複数のタイムスロットを設定し、応答装置2が自己の識別情報の一部分の状態に応じて決まるタイムスロットを用いて応答信号の送信を行う。従って、読取り範囲内に存在する応答装置2が複数であっても、それらの応答装置2の応答信号の送信タイミングはランダム化され、衝突確率が低減される。
【0126】
それでも衝突が生じた場合には、制御装置1が衝突が生じたタイムスロットに対応させて複数のタイムスロットを次のサイクルにて新たに設定し、上記衝突が生じたタイムスロットで応答信号の送信を行った応答装置2が自己の識別情報の一部分(前回とは異なる部分)の状態に応じて決まるタイムスロットを用いて応答信号の送信を行う。従って、応答信号の送信タイミングが重なった応答装置2の間で、応答信号の再送信のタイミングがランダム化され、衝突確率が低減される。
【0127】
このようにして、応答装置2の応答信号の送信タイミングが効率良くランダム化され、何時までも衝突を繰り返すということがなくなる。しかも、前述のようにある程度の衝突が生じても、次のサイクルにて効率的に送信タイミングをずらすことができるので、各応答装置2の待ち合わせ時間を最低限に抑えることができる。この結果、所定の読取り範囲内に存在する不特定の応答装置2の固有情報を読取る作業を、効率良く、短時間で行うことが可能となる。
【0128】
また本実施形態によれば、タイムスロットと識別情報の一部分とが対応していることを利用し、このようにタイムスロットに対応している部分を除いた状態の識別情報を応答信号に示すようにしている。これにより、識別情報の全てを応答信号に示す場合に比べて各タイムスロットのサイズを小さくすることができ、1サイクルの時間を短縮することができる。この結果、一連の読取り動作に要する時間が短縮することになる。
【0129】
また本実施形態によれば、エントリーシーケンスによる一通りの読取りが終了したのちに、確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行うことによってエントリーシーケンスにて読み残した応答装置2の固有情報の読取りを行うので、確実性が非常に高い。
【0130】
(第2の実施の形態)
本実施形態に係る情報識別システムの概略構成は、前記第1実施形態と同様に図1を示すものである。また、制御装置1および応答装置2のハードウエア構成も前記第1実施形態と同様に図2および図4に示すものである。
【0131】
しかしながら本実施形態では、ROM11に格納されているCPU10用の動作プログラムおよびROM22に格納されているCPU21用の動作プログラムが前記第1実施形態とは異ならせてある。この結果、CPU10、ROM11、およびRAM12によって、前記第1実施形態における制御装置制御部110とは異なる、図23に示すような制御装置制御部310が構成される。またCPU21、ROM22およびRAM23によって、前記第1実施形態における応答装置制御部210とは異なる、図24に示すような応答装置制御部410が構成される。
【0132】
図23に示すように制御装置制御部310は、エントリー指示情報送信制御手段111、誤り検査手段112、エントリーミス情報再取得処理手段115、識別情報判定手段116、リエントリー指示情報送信制御手段119、リエントリーミス情報再取得処理手段120、リエントリーシーケンス制御手段121、応答信号確定手段311および受信結果情報送信制御手段312を有する。
【0133】
ここで応答信号確定手段311は、誤り検査手段112により誤りが無いと判定された応答信号のみを有効な応答信号として確定して取込み、誤りのある応答信号を破棄するものである。
【0134】
そして受信結果情報送信制御手段312は、後述する1サイクルの中に設定される複数のタイムスロットのそれぞれに対応付けてそのタイムスロットで到来した応答信号に誤りがあったか否かを示すエラー有無情報と、誤りのなかったタイムスロットに対応付けてそのタイムスロットで到来した応答信号から判定した識別情報とを示した受信結果情報を含む下り信号の作成および送信に係る制御を行うものである。
【0135】
図24に示すように応答装置制御部410は、応答信号送信制御手段211、エントリーミス情報再送信制御手段212、リエントリーミス情報再送信制御手段215およびリエントリー情報送信制御手段411を有している。
【0136】
ここでリエントリー情報送信制御手段411は、エントリーシーケンスにおいて応答信号の送出を行っており、かつその応答信号の送出に用いたタイムスロットに関する受信結果情報にて誤りなしとされていたが、当該タイムスロットに対して受信結果情報に示された識別情報が自己の識別情報と異なっている場合に、リエントリーシーケンスにおいて応答信号の送信を行うための制御を行う。
【0137】
次に以上のように構成された情報識別システムの動作につき説明する。
【0138】
本実施形態でも、識別情報が既知である応答装置2を対象としての、個別の固有情報読出しや固有情報書込みは、前記第1実施形態と同様に行える。
【0139】
また所定の読取り範囲内に存在する不特定の応答装置2の固有情報を制御装置1にて読取る際は、やはり前記第1実施形態と同様にしてエントリーシーケンスを行う。ただしこのエントリーシーケンスにおいて本実施形態は、誤りがない応答信号をそのまま有効な応答信号として確定して取り込むとともに、識別情報の返送確認処理を行う。
【0140】
すなわち、制御装置制御部310は応答信号確定手段311により、誤り検査手段112によって誤りがないと判定した応答信号は、有効な応答信号として即座に確定する。
【0141】
また制御装置制御部310は、エントリーシーケンスの第2サイクル以降において送信する下り信号には、図25に示すように前記第1実施形態におけるエラー有無情報に代えて受信結果情報を示した情報要素をもつコントロール信号を含ませる。
【0142】
受信結果情報は、前サイクル(ここでは第1サイクル)で設定した各タイムスロットのそれぞれに対し、応答信号に誤りがあったか否かの判定結果を示したフラグビット(FB1 〜FBm )と、これらのフラグビットの後ろに挿入され、各タイムスロットで到来した応答信号から判定した識別情報を示す受信識別情報通知情報(IDC1 〜IDCm )とからなる。なお、受信識別情報通知情報は、誤りが生じていないタイムスロットに関してのみ示し、誤りが発生していたタイムスロットについては、フラグビットのみを示す。
【0143】
さて応答装置2において応答装置制御部410は、応答信号の送信を行った場合には、次のサイクルにおける下り信号中の受信結果情報を監視し、応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていたか否かを、該当するフラグビットから判断する。そして、応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていなければ、応答装置制御部210は以降のエントリーシーケンス期間中には応答信号の送出を行わない。またエラーが生じていたならば、応答信号の再送信を行う。
【0144】
この応答装置制御部410の処理は前記第1実施形態における応答装置制御部210の場合と同様である。しかし応答装置制御部410はリエントリー情報送信制御手段411により、応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていなかった場合、受信識別情報通知情報が示す識別情報が自己の識別情報であるか否かの判断を行い、その結果をRAM23に保持しておく。
【0145】
一方、制御装置1において制御装置制御部310は、エントリーシーケンスが終了した場合、図26に示すように確認シーケンスを行わない。そして制御装置制御部310は、直ちにリエントリーシーケンスを開始し、前記第1実施形態と同様にしてリエントリーシーケンスを行う。
【0146】
リエントリーシーケンスにおける制御装置制御部310および応答装置制御部410の動作は、前記第1実施形態における制御装置制御部110および応答装置制御部210の動作とほぼ同様である。しかし応答装置2において応答装置制御部410は、リエントリーシーケンスに入ると、エントリーシーケンスにて応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていなかったものの、そのタイムスロットに対応する受信識別情報通知情報が示す識別情報が自己の識別情報とは異なっていた場合に、応答信号の送信を行う。
【0147】
以上のように本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0148】
また本実施形態によれば、制御装置1は読取った識別情報をエントリーシーケンス中に応答装置2へと通知し、また応答装置2は応答信号の送信に用いたタイムスロットにてエラーが生じていなくても、そのタイムスロットに対応する受信識別情報通知情報が示す識別情報が自己の識別情報とは異なっていた場合にはリエントリーシーケンスにて応答信号の送信を行うようにしている。これにより、確認シーケンスを行なう必要がなく、より短時間での読取りが可能となる。
【0149】
(第3の実施の形態)
本実施形態に係る情報識別システムの概略構成は、前記第1実施形態と同様に図1を示すものである。また、制御装置1および応答装置2のハードウエア構成も前記第1実施形態と同様に図2および図4に示すものである。
【0150】
しかしながら本実施形態では、ROM11に格納されているCPU10用の動作プログラムおよびROM22に格納されているCPU21用の動作プログラムが前記第1実施形態とは異ならせてある。この結果、CPU10、ROM11、およびRAM12によって、前記第1実施形態における制御装置制御部110とは異なる、図27に示すような制御装置制御部510が構成される。またCPU21、ROM22およびRAM23によって、前記第1実施形態における応答装置制御部210とは異なる、図28に示すような応答装置制御部610が構成される。
【0151】
図27に示すように制御装置制御部510は、エントリー指示情報送信制御手段111、誤り検査手段112、応答信号取込み手段113、エラー有無情報送信制御手段114、エントリーミス情報再取得処理手段115、識別情報判定手段116、リエントリーシーケンス制御手段121、応答信号確定手段511、読取り結果情報送信制御手段512およびリエントリー指示情報送信制御手段513を有する。
【0152】
ここで応答信号確定手段511は、誤り検査手段112により誤りが無いと判定された応答信号のみを有効な応答信号として確定して取込み、誤りのある応答信号を破棄するものである。
【0153】
読取り結果情報送信制御手段512は、エントリーシーケンス中に識別情報判定手段116により判定された識別情報をそれぞれ示した読取り結果情報を含んだ下り信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0154】
そしてリエントリー指示情報送信制御手段513は、後述するリエントリーシーケンスにて、応答装置2に対して応答信号の送信を要求するためのリエントリー指示情報を含んだ下り信号の作成および送信に係る制御を行う。
【0155】
図28に示すように応答装置制御部610は、応答信号送信制御手段211、エントリーミス情報再送信制御手段212、読取り結果確認手段611およびリエントリーミス情報送信制御手段612を有している。
【0156】
ここで読取り結果確認手段611は、エントリーシーケンスにて応答信号の送信を応答信号送信制御手段211により行った場合に、エントリーシーケンスの終了後に下り信号で到来する読取り結果通知情報に基づいて、エントリーシーケンスにて送信した応答信号の制御装置1での読取り結果を確認する。
【0157】
そしてリエントリーミス情報送信制御手段613は、読取り結果確認手段611により自装置が送信した応答信号が制御装置1で受信されていないと判定された場合にのみ、そののちのリエントリーシーケンスにて応答信号の送信に係る制御を行う。
【0158】
次に以上のように構成された情報識別システムの動作につき説明する。
【0159】
本実施形態でも、識別情報が既知である応答装置2を対象としての、個別の固有情報読出しや固有情報書込みは、前記第1実施形態と同様に行える。
【0160】
また所定の読取り範囲内に存在する不特定の応答装置2の固有情報を制御装置1にて読取る際は、やはり前記第1実施形態と同様にしてエントリーシーケンスを行う。ただしこのエントリーシーケンスにおいて本実施形態は、誤りがない応答信号をそのまま有効な応答信号として確定して取り込む。
【0161】
すなわち、制御装置制御部510は応答信号確定手段511により、誤り検査手段112によって誤りがないと判定した応答信号は、有効な応答信号として即座に確定する。
【0162】
そしてエントリーシーケンスが終了したならば、制御装置制御部510は次に、図29に示すように確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行う。
【0163】
まず、制御装置制御部510は確認シーケンスを開始する。この確認シーケンスで制御装置制御部510は、エントリーシーケンスにおいて応答信号確定手段511により確定された識別情報のそれぞれを示した読取り結果情報を含む下り信号を作成するように信号作成部14を制御する。そして制御装置制御部510は、信号作成部14により作成された下り信号を変調部15により変調させ、アンテナ部16より送信させる。
【0164】
ここで読取り結果情報は、基本的には上記確定された識別情報を羅列した情報である。
【0165】
ところで、識別情報は、前記第1実施形態や第2実施形態では、説明を簡単にするために3バイトのバイナリデータであるとしているが、実際にはより大きなデータサイズのバイナリデータを用いる場合がある。例えば、図30に示すような8バイト構成の識別情報が用いられる。
【0166】
このように大きなデータサイズの識別情報を用いている場合、この識別情報を単純に羅列して読取り結果情報を作成してのでは、読取り結果情報のデータサイズが非常に大きくなってしまうおそれがある。そして、読取り結果情報のデータサイズが大きいと、その読取り結果情報の伝送に多くの時間を要することになり、読取りが完了するまでの時間が増大してしまう。
【0167】
そこで制御装置制御部510は、各識別情報を互いに比較し、一部のバイトのビット列の状態が同一である識別情報が複数存在するならば、それらの識別情報をグループ化する。そしてこのグループに関しては、図31に示すようなフォーマットの読取り結果情報を作成する。
【0168】
この読取り結果情報は、種別コード、共通バイト位置指定情報、1つの共通バイト値、複数の個別バイト値と、共通バイト値と個別バイト値のそれぞれに関する誤り検出符号(CRC)とからなる。
【0169】
種別コードは、確認シーケンスであることを示すとともに、識別情報を共通バイト値と個別バイト値とに分割して通知することを示す所定のコードである。
【0170】
共通バイト位置指定情報は、8ビットのバイナリデータである。この共通バイト位置指定情報は、各ビットが各バイトに対応する。そして、「1」であるビットに対応するバイトの値を共通バイト値としていることを示す。
【0171】
共通バイト値は、グループ内の識別情報で互いに同一であるバイトの値を示す。
【0172】
個別バイト値は、グループ内の各識別情報における共通バイト以外のバイトの値をそれぞれ示す。
【0173】
具体的には、図32に示すような識別情報が確定されているならば、図33に示すような読取り結果情報が作成される。すなわち、「H‘1A2B3C4D56789ABC’」なる識別情報、「H‘1A2B3C4D6789ABCD’」なる識別情報、ならびに「H‘1A2B3C4D789ABCDE’」なる識別情報が確定されている。この場合、第5〜第8バイトが「H‘1A2B3C4D’」で同一である。そこで、この第5〜第8バイトを共通バイト位置とする。そして共通バイト位置指定情報は図33に示すように、この第5〜第8バイトに対応する上位4ビットを「1」とした「B‘1111000’」とする。また、共通バイト値は、「H‘1A2B3C4D’」とする。さらに個別バイト値は、「H‘56789ABC’」、「H‘6789ABCD’」、ならびに「H‘789ABCDE’」とする。
【0174】
一方、図34に示すような識別情報が確定されているならば、図33に示した前記の読取り結果情報に加えて、図35に示すような読取り結果情報が作成される。すなわち、「H‘1A2B3C4D56789ABC’」なる識別情報、「H‘1A2B3C4D6789ABCD’」なる識別情報、「H‘1A2B3C4D789ABCDE’」なる識別情報、「H‘ABCDEF1234000000’」なる識別情報、「H‘ABCDEF1234111111’」なる識別情報、ならびに、「H‘ABCDEF1234222222’」なる識別情報が確定されている。この場合、前3つの識別情報の第5〜第8バイトが「H‘1A2B3C4D’」で同一である。また後ろ3つの識別情報の第4〜第8バイトが「ABCDEF1234」で同一である。そこで、前3つの識別情報を第1グループ、また後ろ3つの識別情報を第2グループとしてグループ分けされる。第1グループに対して図33に示した前記の読取り結果情報が作成される。そして第2グループに対して図35に示すような読取り結果情報が作成される。
【0175】
そしてこのように2つの読取り結果情報を作成した場合には、これらの2つの読取り結果情報を図36に示すように順に送信する。
【0176】
さて応答装置2において応答装置制御部610は、エントリーシーケンスにおいて応答信号の送信を行った場合には、確認シーケンスにおける下り信号中の読取り結果情報を監視する。そして応答装置制御部610は、その読取り結果情報に示されている各識別情報を自装置の識別情報と比較し、自装置の識別情報が読取り結果情報に示されているか否かを判断する。なお、読取り結果情報において識別情報が、上記のように分割して示されているならば、応答装置制御部610は、共通バイト値に各個別バイト値を合成することによって識別情報を再生し、これを自装置の識別情報と比較する。そして応答装置制御部610は、この判断の結果をRAM23に格納しておく。以上の読取り結果の確認処理は、読取り結果確認手段611によりなされる。
【0177】
応答装置制御部610は、確認シーケンスでは上述の読取り結果確認処理を行うのみであり、上り信号の送信などは行わない。
【0178】
そこで制御装置1において制御装置制御部510は、読取り結果情報を含む下り信号の送信が終了したならば確認シーケンスを終了し、リエントリーシーケンスに移る。すなわち、制御装置制御部510はリエントリー指示情報送信制御手段513により、読取り結果情報を含む下り信号の送信が終了したことに応じて、リエントリーシーケンスを開始する。
【0179】
リエントリーシーケンスにおける制御装置制御部510および応答装置制御部610の動作は、前記第1実施形態における制御装置制御部110および応答装置制御部210の動作と同様である。ただし、制御装置制御部510のリエントリー指示情報送信手段513によりリエントリーシーケンスを開始するタイミングの取り方が前記第1実施形態とは前述のように異なっている。また、応答装置制御部2のリエントリー情報送信制御手段612により応答信号の送信を行う条件が、確認シーケンスでの読取り結果確認処理により自装置の識別情報が読取り結果情報に示されていないと判断されている場合である点が前記第1実施形態とは異なっている。
【0180】
以上のように本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0181】
また本実施形態によれば、確認シーケンスにおいては、制御装置1が読み取って識別情報を各応答装置2に対して同報的に通知することで、制御装置1が読み取って識別情報を各応答装置2に認識させる。そして、応答装置2からの応答信号の送信は確認シーケンスにおいては行わない。従って、応答信号の伝送に要する時間を省略することができ、確認シーケンスに要する時間を短縮することができる。
【0182】
また本実施形態によれば、確認シーケンスにおいては、制御装置1で読み取った識別情報を、その一部のバイトの状態が同一であるもの毎にグループ化する。そして、共通のバイトはグループ当たり1つのみを伝送し、各識別情報の残りのバイトを個別情報として個別に伝送する。従って、確認シーケンスにおいて下り信号で伝送される情報の情報サイズは、各識別情報の全てをそれぞれ含ませる場合に比べて小さくすることができる。この結果、下り信号の伝送に要する時間を省略することができ、確認シーケンスに要する時間を短縮することができる。
【0183】
(第4の実施の形態)
本実施形態に係る情報識別システムの概略構成は、前記第1実施形態と同様に図1を示すものである。また、制御装置1および応答装置2のハードウエア構成も前記第1実施形態と同様に図2および図4に示すものである。
【0184】
しかしながら本実施形態では、ROM11に格納されているCPU10用の動作プログラムおよびROM22に格納されているCPU21用の動作プログラムが前記第1実施形態とは異ならせてある。この結果、CPU10、ROM11、およびRAM12によって、前記第1実施形態における制御装置制御部110とは異なる、図37に示すような制御装置制御部710が構成される。
【0185】
図37に示すように制御装置制御部710は、エントリー指示情報送信制御手段111、誤り検査手段112、応答信号取込み手段113、エラー有無情報送信制御手段114、識別情報判定手段116、読取り情報確認処理手段117、応答信号確定手段118、リエントリー指示情報送信制御手段119、リエントリーミス情報再取得処理手段120、リエントリーシーケンス制御手段121およびエントリーミス情報再取得処理手段711を有する。
【0186】
すなわち本実施形態における制御装置制御部710は、前記第1実施形態におけるエントリーミス情報再取得処理手段115に代えて、エントリーミス情報再取得処理手段711を設けたものとなっている。
【0187】
このエントリーミス情報再取得処理手段711は、エントリーシーケンスにて、前回のサイクルでエラーが発生したタイムスロット(以下、エラースロットと称する)にて応答装置2から送信されていた応答信号を取得するための処理を最新のサイクルにて行うことは前記第1実施形態におけるエントリーミス情報再取得処理手段115と同じである。しかし本実施形態のエントリーミス情報再取得処理手段711は、最新のサイクルにて設定するタイムスロット(以下、新スロットと称する)の総数がシステムで決まる制限数を超えることがないように調整する。
【0188】
すなわち本実施形態は、1サイクルに設定することができるタイムスロットの最大数が、同期を維持するためなどの事情によって制限される場合に、1サイクルに設定するタイムスロットの総数が最大数を超えることがないように制御するものである。
【0189】
次に以上のように構成された情報識別システムの動作につき説明する。なお、その動作のほとんどは前記第1実施形態と同様であるのでここでは説明を省略する。そしてここでは、制御装置制御部710がエントリーミス情報再取得処理手段711により行う、タイムスロット数の制限のための処理について説明する。なおここでは説明を簡単とするために、最新のサイクルでは、エラースロットのそれぞれに対して標準では4個ずつのタイムスロットを設定することとする。また、制限数は「16」に設定されていることとする。
【0190】
さて、前回のサイクルにおいて図38に示すように5つのタイムスロットでエラーが発生しているとする。そうすると、最新のサイクルにおいてこれらの5つのエラースロットのそれぞれに前記標準数の新スロットを設定することとすると、新スロットの総数は[5×4=20]個となり、制限数を超えてしまう。
【0191】
そこで制御装置制御部710は、エラースロットの数と、これらのエラースロットのそれぞれに割り当てる新スロットの標準数との積を監視する。そして、その値が制限数を超えてしまう場合には、エラースロットの数と、これらのエラースロットのそれぞれに割り当てる新スロットの数との積が制限数を下回るようになるまで、最新サイクルのために作成するアドレス領域指定情報において「1」とするビットの数を減少させる。
【0192】
具体的には、標準数が前述のように「4」であるならば、アドレス領域指定情報において「1」とするビットの数は「2」であるので、これを「1」とする。この結果、最新のサイクルでは図39に示すように、エラースロットのそれぞれに2つずつの新スロットを割り当てることになる。この時の新スロットの総数は「10」であって、制限数を下回ることになる。
【0193】
かくして本実施形態によれば、1サイクルでのタイムスロット数が最大数を超えてしまうことが防止される。
【0194】
ところで、以上のようにエラースロットに割り当てる新スロット数を減少すると、衝突が繰り返されてしまい場合が生じ得る。そしてこのような状態が生じてしまった場合には、エントリーシーケンスでのサイクル数が多くなってしまい、より多くの時間を要するようになってしまう。
【0195】
そこで、エラータイムスロットに割り当てる新スロット数を減少しない変形例を次に説明する。
【0196】
制御装置制御部710は、エラースロットの数と、これらのエラースロットのそれぞれに割り当てる新スロットの標準数との積を監視する。そして、その値が制限数を超えてしまう場合に制御装置制御部710は、制限数の標準数による除を求め、エラースロットをその数毎にグループ分けする。
【0197】
具体的には、制限数が「16」であり、標準数が「4」であるから、制限数の標準数による除は「4」となる。そこで、5つのエラースロットのうちの4つを第1グループ、残りの1つを第2グループとしてグループ分けする。
【0198】
そして制御装置制御部710は図40に示すように、最新サイクルにおいて、第1グループの4つのエラースロットに4つずつの新スロットを割り当てる。そして、その割り当て状況を示したコントロール信号を含む下り信号を作成し、図41に示すようにn回目の1度目のエントリー指示(エントリーn-1 )として送信する。なお、前記コントロール信号は、例えば図12に示す前記のコントロール信号に、対象となるエラースロットを示す情報を付加することにより構成される。
【0199】
上記n回目の1度目のエントリー指示は、第1グループとされた4つのエラースロットで応答を行った4つの応答装置群2-A 〜2-D を対象したものであるから、これらの応答装置群2-A 〜2-D からの応答が制御装置1へと帰ってくることになる。
【0200】
これらの応答を受信し、次のサイクルのタイミングとなったならば制御装置制御部710は、図41に示すようにn回目の2度目のエントリー指示(エントリーn-2 )を送信する。この指示は、第2グループとされた1つのエラースロットで応答を行った1つの応答装置群2-E を対象したものであるから、これらの応答装置群2-E からの応答が制御装置1へと帰ってくることになる。
【0201】
かくしてこの変形例では、1回のエントリーを複数サイクルを使用して行うことで、1サイクルでのタイムスロット数が最大数を超えてしまうことを防止した上で、各エラースロットに標準数ずつの新スロットを割り当てることができる。
【0202】
なお本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば応答信号のフォーマットは前記各実施形態に挙げたものには限定されず、例えば図42に示すように誤り訂正符号(FEC)を付加するようにするなどの変更が可能である。
【0203】
前記各実施形態では、応答装置2が有する識別情報が全て異なっていることを前提として説明しているが、同一の識別情報を有する応答装置2が複数存在する場合にも本発明の適用が可能である。ただしこの場合、同一の識別情報を有する応答装置2をそれぞれ区別する必要があるため、例えば図43に示すように識別情報に乱数情報を付加するようにすれば良い。あるいは、付加情報に基づいて区別することも可能である。
【0204】
エントリーシーケンスおよびリエントリーシーケンスにおける各サイクルでのタイムスロット数および割り当て方、すなわちアドレス領域指定情報における「1」の数と位置は、前記各実施形態に挙げたものには限定されず、任意であってよい。例えば一度に読取る応答装置2の数が常に少ないような場合には、第1サイクルにおけるタイムスロット数を減らした方が効率がよい場合もある。従って各サイクルでのタイムスロット数および割り当て方は、本発明の情報識別システムが利用される状況に応じて適切に設定することが望ましい。
【0205】
前記第1実施形態では、確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行うようにしているが、これらのシーケンスは必須ではなく、省略することもでき、省略すればさらに短時間での読取りが可能となる。しかし、非常に高い読取精度が要求される場合には、確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行った方がよい。そこで、確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスを行うか否かをユーザにより選択可能としておくと便利である。
【0206】
前記第3実施形態では、共通情報および個別情報を1バイト単位で設定するようにしているが、ビット単位や複数バイト単位で設定しても良い。
【0207】
前記第3実施形態のように、識別情報を共通情報と個別情報とに分けて制御装置1から応答装置2へと通知する技術は、前記第1実施形態に示した手順でも適用できる。すなわち図44に示すように、まず最初に共有情報を各応答装置23に向けて同報しておく。そしてこののちに、各個別情報を示したポーリング指示を順次行えばよい。
【0208】
前記第3実施形態では、識別情報を共通情報と個別情報とに分けることで、識別情報を制御装置1から応答装置2へと通知する際の伝送データサイズの縮小を図るようにしている。しかし、識別情報の一部のみを伝送することによって、伝送データサイズを縮小することも可能である。例えば、a〜dの4つの応答装置2の識別情報が読み取れており、それらの識別情報の下位の8ビットが図45に示すような状態であるとする。この場合、下位3ビットが「010」であるのは応答装置aのみである。下位3ビットが「110」であるのは応答装置bのみである。下位5ビットが「10111」であるのは応答装置cのみである。そして下位5ビットが「00111」であるのは応答装置dのみである。そこで、このように各識別情報を下位のビットから比較し、他の識別情報のいずれとも異なる部分を抽出する。そしてこれらを、例えば図46に示すような形態で伝送する。
【0209】
【発明の効果】
第1の本発明は、おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報のうちの所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている前記誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取り込む応答情報取込み手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果を示した検査結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する検査結果通知手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段とを備えた。
【0210】
また前記目的を達成するために第2の本発明は、前記第1の発明における応答情報送信手段を、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものとし、かつ、前記制御装置に設けられ、前記応答情報の送信を行った前記応答装置の識別情報を所定の期間に前記応答情報取込み手段により取り込まれた応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された識別情報を有する応答装置のそれぞれに対して、前記下り通信チャネルを介して所定の確認要求情報を送信する確認要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、該当応答装置に対して前記確認要求手段により送信された前記確認要求情報が到来したことに応じて、所定の確認通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する確認通知手段と、前記制御装置に設けられ、前記確認通知手段により送信された前記確認通知情報の受信を行い、前記確認通知情報を送信した応答装置の識別情報を前記識別情報判定手段にて判定する元となった応答情報のみを有効な応答情報として確定する応答情報確定手段とを備えた。
【0211】
また前記目的を達成するために第3の本発明は、前記第2の発明に加えて、前記制御装置に設けられ、前記確認要求手段による前記確認要求情報の送信が終了したのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定情報を受信したことに応じて、該当する応答装置の識別情報を示した確認通知情報が与えられていなかった場合に、前記応答情報送信手段に前記応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも応答信号の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを備え、かつ前記応答情報確定手段を、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じて前記応答装置から前記応答信号の送信がなされたことにより前記応答情報取込み手段により新たに取り込まれた前記応答情報を有効な応答情報として追加確定するものとした。
【0212】
また前記目的を達成するために第4の本発明は、前記第1の発明に加えて、前記応答情報送信手段を、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものとし、かつ、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を示した所定の読取り結果通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する読取り結果通知手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記読取り結果通知手段により送信された前記読取り結果通知情報に示された識別情報に該当応答装置が有する識別情報と同一の識別情報があるか否かの判定を行い、その判定結果を保持しておく読取り結果保持手段と、前記制御装置に設けられ、前記読取り結果通知手段による前記読取り結果通知情報の送信が行われたのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の前記読取り結果保持手段が保持している判定結果が該当応答装置が有する識別情報が前記読取り結果通知情報に示されていなかったことを示す場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを備えた。
【0213】
また前記目的を達成するために第5の本発明は、おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報に含まれる前記識別情報のうちの少なくとも一部を含む所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果および前記識別情報判定手段により判定された識別情報をそれぞれ示した受信結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する受信結果通知手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の識別情報が示された受信結果情報が到来していない場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段と、前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および前記再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを備えた。
【0214】
これらにより、複数の応答装置が有する固有情報を、制御装置にて効率よく短時間に読取ることができる情報識別システムや、このような情報識別システムを実現するための制御装置および応答装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る情報識別システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】 図1中の制御装置1の具体的なハードウエア構成を示すブロック図。
【図3】 第1実施形態において図2中のCPU10、ROM11およびRAM12により実現される制御装置制御部の構成を示す図。
【図4】 図1中の応答装置2の具体的なハードウエア構成を示すブロック図。
【図5】 第1実施形態において図4中のCPU21、ROM22およびRAM23により実現される応答装置制御部210の構成を示す図。
【図6】 制御装置1が下り信号を送信する期間TDと応答装置2が信号を送信する期間TUとの関係を示す図。
【図7】 下り信号のフォーマットを示す図。
【図8】 同期信号のパターンおよび同期信号のユニーク性確保の方法を説明する図。
【図9】 情報要素を送信しない場合における下り信号のフォーマットを示す図。
【図10】 種別コードのビットアサインとその内容との対応関係を示す図。
【図11】 上り信号のフォーマットを示す図。
【図12】 ポーリング時におけるコントロール信号のフォーマットを示す図。
【図13】 エントリーシーケンスの第1サイクルにおけるコントロール信号のフォーマットを示す図。
【図14】 アドレス領域指定情報の一例を示す図。
【図15】 アドレス領域指定情報が図14に示す状態である時におけるタイムスロットの設定状況および割り当て状況を示す図。
【図16】 タイムスロットの設定状況および割り当て状況が図14に示す状態である時における衝突発生の具体例を示す図。
【図17】 エントリーシーケンスにおけるタイムスロットの設定状況および割り当て状況の変化と、識別情報の判定の実施状況の具体例を示す図。
【図18】 エントリーシーケンスの第2サイクル以降におけるコントロール信号中の情報要素のフォーマットを示す図。
【図19】 エントリーシーケンスの第2サイクル以降におけるコントロール信号中の情報要素の具体例を示す図。
【図20】 アドレス領域指定情報が図19に示す状態である時におけるタイムスロットの設定および割り当ての概念を示す図。
【図21】 アドレス領域指定情報が図19に示す状態であり、かつ前サイクルでエラーが生じていたタイムスロットが2つである時におけるタイムスロットの設定状況および割り当て状況の具体例を示す図。
【図22】 確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図23】 第2実施形態において図2中のCPU10、ROM11およびRAM12により実現される制御装置制御部の構成を示す図。
【図24】 第2実施形態において図4中のCPU21、ROM22およびRAM23により実現される応答装置制御部210の構成を示す図。
【図25】 エントリーシーケンスの第2サイクル以降におけるコントロール信号中の情報要素のフォーマットを示す図。
【図26】 リエントリーシーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図27】 第3実施形態において図2中のCPU10、ROM11およびRAM12により実現される制御装置制御部の構成を示す図。
【図28】 第3実施形態において図4中のCPU21、ROM22およびRAM23により実現される応答装置制御部210の構成を示す図。
【図29】 確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図30】 8バイトよりなる識別情報の構成を示す図。
【図31】 読取り結果情報のフォーマットを示す図。
【図32】 確定された識別情報の一例を示す図。
【図33】 読取り結果情報の具体例を示す図。
【図34】 確定された識別情報の一例を示す図。
【図35】 読取り結果情報の具体例を示す図。
【図36】 確認シーケンスおよびリエントリーシーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図37】 第4実施形態において図2中のCPU10、ROM11およびRAM12により実現される制御装置制御部の構成を示す図。
【図38】 1サイクルに設定するタイムスロットの総数が制限数を超えるしまう様子を示す図。
【図39】 1サイクルに設定するタイムスロットの総数が制限数を超えないようなタイムスロットの割り当て状況の第1の例を示す図。
【図40】 1サイクルに設定するタイムスロットの総数が制限数を超えないようなタイムスロットの割り当て状況の第2の例を示す図。
【図41】 図40に示すようなタイムスロットの割り当てを行った際における確認シーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図42】 上り信号のフォーマットの変形例を示す図。
【図43】 同一の識別情報を有する応答装置が複数存在する場合にこれらを区別するための方法の一例を示す図。
【図44】 識別情報を共通情報と個別情報とに分けて制御装置1から応答装置2へと通知する技術を第1実施形態の手順に適用した際の確認シーケンスの手順を示すシーケンス図。
【図45】 確定された識別情報の下位8ビットの様子の一例を示す図。
【図46】 識別情報の下位の一部のみを制御装置1から応答装置2へと通知するための情報のフォーマットを示す図。
【符号の説明】
1…制御装置
2(2-1 ,2-2 …,2-n )…応答装置
3…管理装置
10…CPU
11…ROM
12…RAM
13…外部インタフェース
14…信号作成部
15…変調部
16…アンテナ部
17…復調部
18…信号分析部
19…電源部
20…クロック回路部
110…制御装置制御部
111…エントリー指示情報送信制御手段
112…誤り検査手段
113…応答信号取込み手段
114…エラー有無情報送信制御手段
115…エントリーミス情報再取得処理手段
116…識別情報判定手段
117…読取り情報確認処理手段
118…応答信号確定手段
119…リエントリー指示情報送信制御手段
120…リエントリーミス情報再取得処理手段
121…リエントリーシーケンス制御手段
310…制御装置制御部
311…応答信号確定手段
312…信結果情報送信制御手段
410…応答装置制御部
411…リエントリー情報送信制御手段
510…制御装置制御部
511…応答信号確定手段
512…読取り結果情報送信制御手段
513…リエントリー指示情報送信制御手段
610…応答装置制御部
611…読取り結果確認手段
612…リエントリーミス情報送信制御手段
710…制御装置制御部
711…エントリーミス情報再取得処理手段
Claims (24)
- おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報のうちの所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、
前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、
前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている前記誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取り込む応答情報取込み手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果を示した検査結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する検査結果通知手段と、
前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム。 - 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものであり、
かつ、前記制御装置に設けられ、前記応答情報の送信を行った前記応答装置の識別情報を所定の期間に前記応答情報取込み手段により取り込まれた応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された識別情報を有する応答装置のそれぞれに対して、前記下り通信チャネルを介して所定の確認要求情報を送信する確認要求手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、該当応答装置に対して前記確認要求手段により送信された前記確認要求情報が到来したことに応じて、所定の確認通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する確認通知手段と、
前記制御装置に設けられ、前記確認通知手段により送信された前記確認通知情報の受信を行い、前記確認通知情報を送信した応答装置の識別情報を前記識別情報判定手段にて判定する元となった応答情報のみを有効な応答情報として確定する応答情報確定手段とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報識別システム。 - 前記確認要求手段は、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を互いに比較し、同一ビット位置が同一状態である識別情報が複数存在するならばこれらの識別情報をグループ化し、同一状態であるビット位置のビット列は当該グループの共通情報として1つを示すとともに、残りのビット位置のビット列を各識別情報毎に個別情報として示した確認要求情報を作成して送信し、
かつ前記確認通知手段は、到来した確認要求情報にグループ化された識別情報が示されているならば、前記共通情報に前記個別情報を合成することでその識別情報を判定し、さらにその識別情報が該当応答装置の有するものであるか否かの判断を行うことで到来した確認要求情報が該当応答装置に対するものであるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の情報識別システム。 - 前記確認要求手段は、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を互いに比較し、下位の一部のビット位置の状態が他のいずれの識別情報とも異なる識別情報が存在するならば、そのビット位置のビット列のみを示した確認要求情報を作成して送信し、
かつ前記確認通知手段は、到来した確認要求情報に一部のビット位置のビット列のみが示されていたならば、そのビット列が該当応答装置が有する識別情報における下位の同数のビット列と一致するか否かに応じて到来した確認要求情報が該当応答装置に対するものであるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の情報識別システム。 - 前記制御装置に設けられ、前記確認要求手段による前記確認要求情報の送信が終了したのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定情報を受信したことに応じて、該当する応答装置の識別情報を示した確認通知情報が与えられていなかった場合に、前記応答情報送信手段に前記応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、
前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段と、
前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも応答信号の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備し、
かつ前記応答情報確定手段は、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じて前記応答装置から前記応答信号の送信がなされたことにより前記応答情報取込み手段により新たに取り込まれた前記応答情報を有効な応答情報として追加確定することを特徴とする請求項2に記載の情報識別システム。 - 前記応答情報確定手段は、前記識別情報判定手段により新たに判定された識別情報を有する応答装置に対する前記確認要求情報の送信を前記確認要求手段に行わせるとともに、前記確認通知手段により送信された前記確認通知情報の受信を行い、前記応答情報の送信を行った旨を示す前記確認通知情報を送信した前記応答装置の識別情報を前記識別情報判定手段にて判定する元となった応答情報のみを有効な応答情報として追加確定することを特徴とする請求項5に記載の情報識別システム。
- 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものであり、
かつ、前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、
前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を示した所定の読取り結果通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する読取り結果通知手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記読取り結果通知手段により送信された前記読取り結果通知情報に示された識別情報に該当応答装置が有する識別情報と同一の識別情報があるか否かの判定を行い、その判定結果を保持しておく読取り結果保持手段と、
前記制御装置に設けられ、前記読取り結果通知手段による前記読取り結果通知情報の送信が行われたのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の前記読取り結果保持手段が保持している判定結果が該当応答装置が有する識別情報が前記読取り結果通知情報に示されていなかったことを示す場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、
前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報識別システム。 - 前記読取り結果通知手段は、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を互いに比較し、同一ビット位置が同一状態である識別情報が複数存在するならばこれらの識別情報をグループ化し、同一状態であるビット位置のビット列は当該グループの共通情報として1つを示すとともに、残りのビット位置のビット列を各識別情報毎に個別情報として示した読取り結果通知情報を作成して送信し、
かつ読取り結果保持手段は、到来した読取り結果通知情報にグループ化された識別情報が示されているならば、前記共通情報に前記個別情報を合成することでその識別情報を判定し、該当応答装置が有する識別情報と同一であるか否かの判定に用いることを特徴とする請求項7に記載の情報識別システム。 - 前記読取り結果通知手段は、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を互いに比較し、下位の一部のビット位置の状態が他のいずれの識別情報とも異なる識別情報が存在するならば、そのビット位置のビット列のみを示した読取り結果通知情報を作成して送信し、
かつ読取り結果保持手段は、到来した読取り結果通知情報に一部のビット位置のビット列のみが示されていたならば、そのビット列が該当応答装置が有する識別情報における下位の同数のビット列と一致するか否かに応じて、前記読取り結果通知情報に示された識別情報に該当応答装置が有する識別情報と同一の識別情報があるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報識別システム。 - おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置と、これらの応答装置から前記固有情報に含まれる前記識別情報のうちの少なくとも一部を含む所定の読取情報を読取るための制御装置とからなる情報識別システムにおいて、
前記制御装置に設けられ、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記ビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、
前記制御装置に設けられ、前記上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、
前記制御装置に設けられ、応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段の検査結果および前記識別情報判定手段により判定された識別情報をそれぞれ示した受信結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する受信結果通知手段と、
前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段と、
前記制御装置に設けられ、前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記再読取り指定手段により送信された再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の識別情報が示された受信結果情報が到来していない場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、
前記制御装置に設けられ、誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、
前記応答装置のそれぞれに設けられ、前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段と、
前記制御装置に設けられ、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および前記再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム。 - 前記再要求手段は、誤りが生じていた元タイムスロットに対応して複数の新タイムスロットをそれぞれ設定するべく前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置の指定を行わせるのであって、前記新タイムスロットの総数が所定の限度値を超えるのであれば、1つの旧タイムスロットに対応して設定される新タイムスロットの数を減少するように前記ビット位置指定手段が指定するビット位置を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の情報識別システム。
- 前記再要求手段は、誤りが生じていた元タイムスロットに対応して複数の新タイムスロットをそれぞれ設定するべく前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置の指定を行わせるのであって、前記新タイムスロットの総数が所定の限度値を超えるのであれば、1グループに含まれる旧タイムスロットのそれぞれに設定される新タイムスロットの総数が前記限度値をこえないように前記旧タイムスロットを複数グループに分割し、各グループに含まれる旧タイムスロットを指定するスロット指定情報を時間を異ならせて前記下り通信チャネルへと順次送信しつつ、前記ビット位置指定手段に同一のビット位置指定情報の送信をおのおの行わせることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の情報識別システム。
- 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する識別情報のうちの少なくとも一部を前記応答情報に含ませることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の情報識別システム。
- 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する識別情報のうち、これまでに前記ビット位置情報にて指定されたビット位置以外のビット位置のビット列のみを前記応答情報に含ませることを特徴とする請求項13に記載の情報識別システム。
- おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置とともに情報識別システムを構築し、これらの応答装置から前記固有情報のうちの所定の読取情報を読取るための情報識別システム用の制御装置において、
前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、
所定の上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、
前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取り込む応答情報取込み手段と、
前記誤り検出手段の検査結果を示した検査結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する検査結果通知手段と、
誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム用の制御装置。 - 前記応答情報の送信を行った前記応答装置の識別情報を所定の期間に前記応答情報取込み手段により取り込まれた応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された識別情報を有する応答装置のそれぞれに対して、前記下り通信チャネルを介して所定の確認要求情報を送信する確認要求手段と、
前記応答装置に設けられ確認通知手段により送信された確認通知情報の受信を行い、前記確認通知情報を送信した応答装置の識別情報を前記識別情報判定手段にて判定する元となった応答情報のみを有効な応答情報として確定する応答情報確定手段とを具備したことを特徴とする請求項15に記載の情報識別システム用の制御装置。 - 前記確認要求手段による前記確認要求情報の送信が終了したのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、
前記再読取り指定手段による再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも応答信号の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備し、
かつ前記応答情報確定手段は、前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じて前記応答装置から前記応答信号の送信がなされたことにより前記応答情報取込み手段により新たに取り込まれた前記応答情報を有効な応答情報として追加確定することを特徴とする請求項16に記載の情報識別システム用の制御装置。 - 前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、
応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報判定手段により判定された各識別情報を示した所定の読取り結果通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する読取り結果通知手段と、
前記読取り結果通知手段による前記読取り結果通知情報の送信が行われたのちに、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
前記再読取り指定手段による前記再読取り指定情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答情報の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備したことを特徴とする請求項15に記載の情報識別システム用の制御装置。 - おのおの複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した複数の応答装置とともに情報識別システムを構築し、これらの応答装置から前記固有情報のうちの所定の読取情報を読取るための情報識別システム用の制御装置において、
前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定する所定のビット位置情報を作成し、このビット位置情報を所定の下り通信チャネルへと送信するビット位置指定手段と、
所定の上り通信チャネルを介して到来した各タイムスロットの応答情報の誤りの有無を、各応答情報に含まれている誤り検出符号に基づいて検査する誤り検査手段と、
前記誤り検査手段により誤りが無いと判定されたタイムスロットにて到達した応答情報のみを取込み、この応答情報を有効な応答情報として確定する応答情報確定手段と、
応答情報の送信を行った応答装置の識別情報を前記応答情報確定手段により有効なものと確定された応答情報から判定する識別情報判定手段と、
前記誤り検査手段の検査結果および前記識別情報判定手段により判定された識別情報をそれぞれ示した受信結果情報を作成し、前記下り通信チャンネルへと送信する受信結果通知手段と、
誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記ビット位置指定手段に前回とは異なるビット位置を指定する前記ビット位置情報の送信を行わせる再要求手段と、
前記誤り検査手段により誤りのあるタイムスロットが検出されなくなったことに応じて、前記識別情報のうちの任意のビット位置を指定するとともに、再読取りモードを指定する所定の再読取り指定情報を作成し、この再読取り指定情報を前記下り通信チャネルへと送信する再読取り指定手段と、
誤りが生じているタイムスロットが前記誤り検査手段により1つでも検出されたことに応じ、前記再読取り指定手段に所定の再読取り指定情報の送信を行わせる再読取り再指定手段と、
前記再読取り指定手段の制御の下に前記ビット位置指定手段による所定のビット位置情報の送信に応じていずれの応答装置からも前記応答信号の送信がなされなくなるまで、前記再読取り指定手段および前記再読取り再指定手段の処理を繰り返させる再読取り制御手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム用の制御装置。 - 応答装置から必要な情報を読取るための制御装置とともに情報識別システムを構築するものであり、複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した情報識別システム用の応答装置において、
前記制御装置から送信されたビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記固有情報のうちの所定の読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、
前記制御装置により送信された、前記上り通信チャネルの各タイムスロットの情報の誤りの有無の検査結果を示した検査結果情報にて前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記制御装置より新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム用の応答装置。 - 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものであり、
該当応答装置に対して前記制御装置に設けられた確認要求手段により送信された所定の確認要求情報が到来したことに応じて、所定の確認通知情報を作成し、前記上り通信チャネルへと送信する確認通知手段とを具備したことを特徴とする請求項20に記載の情報識別システム用の応答装置。 - 前記制御装置から送信された所定の再読取り指定情報を受信したことに応じて、該当する応答装置の識別情報を示した確認通知情報が与えられていなかった場合に、前記応答情報送信手段に前記応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、
前記検査結果通知手段により送信された前記検査結果情報にて該当応答装置の前記再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記制御装置に設けられた再読取り指定手段により新たに送信されたビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段とを具備したことを特徴とする請求項21に記載の情報識別システム用の応答装置。 - 前記応答情報送信手段は、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの少なくとも一部を応答情報に含ませるものであり、
前記制御装置に設けられた読取り結果通知手段により送信された所定の読取り結果通知情報に示された識別情報に該当応答装置が有する識別情報と同一の識別情報があるか否かの判定を行い、その判定結果を保持しておく読取り結果保持手段と、
前記制御装置に設けられた再読取り指定手段により送信された所定の再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当応答装置の前記読取り結果保持手段が保持している判定結果が該当応答装置が有する識別情報が前記読取り結果通知情報に示されていなかったことを示す場合に、応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段とを具備したことを特徴とする請求項20に記載の情報識別システム用の応答装置。 - 応答装置から必要な情報を読取るための制御装置とともに情報識別システムを構築するものであり、複数ビットのバイナリデータよりなる固有の識別情報を少なくとも含む所定の固有情報を有した情報識別システム用の応答装置において、
前記制御装置から送信されたビット位置指定手段により送信された前記ビット位置情報が到来したことに応じて、該当応答装置が有する前記識別情報のうちの一部を少なくとも含む所定の読取情報に所定の誤り検出符号を付した所定の応答情報を作成し、該当応答装置が有する識別情報において前記到来したビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて所定の上り通信チャネルへと送信する応答情報送信手段と、
前記制御装置より送信された、前記上り通信チャネルの各タイムスロットの情報の誤りの有無の検査結果および各タイムスロットの情報から前記制御装置が判定した識別情報を示した所定の検査結果情報にて前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記ビット位置指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再応答手段と、
前記制御装置より送信された所定の再読取り指定情報が到来したことに応じて、該当する応答装置の識別情報が示された受信結果情報が到来していない場合に、前記応答情報送信手段に応答情報の送信を行わせる再読取り応答手段と、
前記制御装置より送信された前記検査結果情報にて前記再読取り応答手段の制御の下に前記応答情報送信手段が応答情報を送信したタイムスロットが誤り有りとされていたことに応じて、該当応答装置が有する識別情報において前記再読取り指定手段により新たに送信された前記ビット位置情報が示すビット位置のビット列の状態に応じたタイムスロットにて前記上り通信チャネルへの前記応答情報の送信を前記応答情報送信手段に行なわせる再読取り再応答手段とを具備したことを特徴とする情報識別システム用の応答装置。
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