JP3805826B2 - 手術用解剖器具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的に、手術中に手術スペースを作るための手術器具に関する。具体的にはこの発明は、目的の組織層を残りの組織層から解剖することにより手術スペースを作る器具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
所定の手術部位にスペースを作る組織解剖は、新しい手術器具の開発に集中する設計技術の焦点になっている。近時、注目されている組織解剖方法は、隣接組織層の間でバルーン（気球）を膨らませそれらの層を離し、そして所定のスペース（空間）を作るものである。これらの工程を実施するための手術方法と膨張し得るバルーンを備えた手術用器具は、米国特許第５，３０９，８９６号と第５，２６９，７５３号に説明されており、さらにＰＣＴ国際出願第ＷＯ ９２／２１２９５号と第ＷＯ ９３／０９７２２号で公開されている。また解剖を膨張可能なバルーンを使わずに手で実施することもできる。
【０００３】
手術用器具に関する最近の開発状況が米国特許第５，２７１，３８０号と第５，３３４，１５０号に記載されている。これらの特許は体の組織を貫通するためのトロカールを説明している。組織の貫通をむやみに行なう従来のトロカールと違い、上記特許に記載されたトロカールは、体壁を通してトロカールが前進する際、組織の貫通をユーザが同時に見ることができる。同時に見ることができるトロカールは、現在”光学トロカール”と呼ばれる。光学トロカールは透明な貫通窓が取付けられる剛体管状シャフトからなる。手術部位を照明しその部位の像を外科医に送る内視鏡は、その管状シャフト内に収容され、そして透明な貫通窓近くまで達する。
【０００４】
上記特許に記載された光学トロカールは、組織近くで注意深く解剖することによって必要な手術スペースを作る必要があるため、残念ながら必ずしも理想的ではない。更に、現在手に入るバルーン解剖器具は、外科医が組織を解剖している際に同時に見ることはできない。最近、総合手術制度（”ＧＳＩ”）はスペースメーカ（商標）II手術用バルーン解剖器具と呼ばれる試作品を発表した。この解剖器具は膨張可能なバルーンを取付ける剛体中空シャフトからなっている。内視鏡はそのシャフトから挿入され、そしてこの開発途上の器具を載せたパンフレットは、挿入中もまたバルーン解剖中も内視鏡で見ることができると説明している。内視鏡を中空シャフトを通して挿入した場合、残念ながら挿入時、器具が前進するにつれて内視鏡の先端レンズが組織に直接接触する場合がある。内視鏡のレンズ間で組織との直接接触と、レンズ間の離間不足によって内視鏡の視覚性を有意に悪化させ、そのため、バルーン解剖器具の前進中に十分に見えるようにする問題を十分対処することができない。さらに、膨らんだバルーンに対する内視鏡の位置が最適な視覚には望ましくない。これは内視鏡が膨らんだバルーン内で容易に支持も位置決めもできないためである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に記載された手術用器具におけるこれら本来の欠点を考慮して、手術を行なう業界ではユーザが挿入時十分に見ることができ、バルーンを膨らませた時に組織を十分に解剖することができるバルーン解剖器具を必要としている。手術を行なう業界はまた、手術中に見ることができるように内視鏡を収容する長い中空シャフトを有し、さらにシャフトの末端を超えてもユーザが内視鏡の位置決めと支持を有意に行ない最適に見ることができる手術用器具を要請している。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴では、本発明は末端部と長軸を有する長く伸びた管状シャフトを備えた手術用器具である。組織接触部品は、シャフト末端部と連通し、少なくともこの部品の一部は透明である。膨張可能な透明なバルーン（気球）は上記管状シャフトに取付けられている。
この発明の手術用器具によれば、バルーンを膨らませた時にユーザが組織を解剖できるばかりでなく、内視鏡が視覚用の組織接触部品に隣接して位置決めされた場合に、器具が前進する際にその組織を見ることもできる。器具が前進した時に内視鏡レンズと組織との直接接触を行なうＧＳＩのスペースメーカ（商標）II手術用バルーン解剖器具と違い、この発明の装置は、内視鏡先端と組織間の直接接触を防止する組織接触部品を備えている。その組織接触部品の少なくとも一部が透明であるため、管状シャフト通して挿入された内視鏡は、内視鏡レンズと組織との直接接触を必要とせずに窓の透明部を介して手術部位から受けた照明像を伝達することができる。
【０００７】
本発明の他の特徴では、本発明は体内組織を解剖するための手術用器具である。本発明の手術用器具はトロカールカニューレと延長部品を有する。トロカールカニューレはカニューレハウジングと、そのハウジングから遠くに伸びた長い管状スリーブとを有する。トロカールカニューレは、ハウジングと管状スリーブを通して内視鏡をスライド可能に収納するために用いられる。管状スリーブは長軸と末端部を有する。
【０００８】
延長部品はスリーブ末端部に接続されており、そのスリーブ末端部から遠くに伸びる。延長部品はスリーブ末端部に取付けられた近接端と、スリーブ末端部から離れて位置した制止部材を有する。離れて設けられた複数の延長アームは延長部品近接端と末端を接続する。延長アームはスリーブの長軸に一般に平行な方向に伸びている。延長部品は、延長アーム間でスリーブ末端部からその延長部品の末端までの通路を作り、制止部材近くに位置決めするために延長部品を介して挿入された内視鏡を収容し支持する。
【０００９】
この発明の手術用器具のトロカールカニューレに接続された延長部品は、トロカールカニューレを通して挿入され且つトロカールカニューレの管状スリーブの末端部からさらに伸びる内視鏡用支持構造を有意に構成する。延長部材の末端にある制止部材は、内視鏡が制止部材を超えてさらに伸びようとする動きを防止するための確実な制止機構となり、そのため、組織解剖中に内視鏡を容易に正確に位置決めすることができる。一つの好ましい実施態様によれば、膨張可能なバルーンは、トロカールカニューレの管状スリーブの末端部に取付けられており、延長アームと、延長部品の制止部材とを包囲する。この好ましい器具はバルーン解剖器具としても用いることが可能であり、ユーザが内視鏡を支持状態で管状スリーブの末端部を超えバルーンの内腔まで有意に伸ばすことができる利点がある。組織解剖時に内視鏡をこのように配置した時に組織解剖中に得られた見える範囲と鮮明度は、最近一般化された他のバルーン解剖器具を用いて得られたそれより有意に大きい。
【００１０】
この発明の手術用器具は、バルーンを膨らませて体組織を解剖するのに好ましい全ての方法に用いることができる。また、この発明の手術用器具は、バルーンを用いないで同時によく見えるようにするのに好ましい手による解剖に用いることもできる。この器具は腹腔鏡を用いるヘルニアの治療、腹腔鏡を用いる膀胱の首部サスペンション、リンパ節解剖のような内視鏡による手術に特に用いられるが、従来の内視鏡による手術にも用いることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の好ましい手術器具は、主要な構成部品としてバルーン（気球）解剖器具１１を備えた組立て機器１０を有する。この組立て機器１０は、図１、２および図７に最も分かり易く図示されており、二つの主要な構成部品からなっている。これら二つの構成部品は、手術中に手術スペースを作る体内組織解剖用バルーン解剖器具１１と、その解剖器具１１が体内組織に入り手術スペースを作る際に、手術中に同時に見ることができるように解剖器具１１と協同する内視鏡１２である。
【００１２】
バルーン解剖器具１１は、従来のトロカールカニューレ１３と、内視鏡を配置し内視鏡を支持する延長部品１４と、膨張可能なバルーン（気球）１５からなっている。トロカールカニューレ１３はカニューレハウジング１６を有し、ハウジング１６はそのハウジング１６から遠方に伸びた長い管状スリーブ１７へ通じる通路を備えている。ハウジング１６は、従来のコック弁１８を有し、コック弁１８によってエアのような加圧流体を、ハウジングとスリーブを介して適当な外部発生源からバルーン内へ選択的に送る。カニューレ１３の管状スリーブ１７は内視鏡をスライド可能に収納するような大きさになっている。スリーブ１７は末端部３３を有し、図６で”Ｌ”で示された長軸を形成する。
【００１３】
延長部品１４は、カニューレ１３の管状スリーブ１７の末端部に取付けられている。また、延長部品１４は、それぞれ近接端１９と末端２０とを有し、近接端から末端までの通路３４を設け、管状スリーブ１７の末端部から出ている内視鏡１２を収容し、配置し、支持する。近接端は図７に示されているように管状スリーブ１７の内径の中で取り外し可能にあるいは永久に固定できる短い管２１として形成される。また近接端をスリーブ１７の外径に外部から固定することもできる。
【００１４】
３本の延長アーム２２は、延長部品１４の近接端にある短い管２１から伸び、その部品１４の末端まで達する。３本の延長アーム２２を図示したが、内視鏡を用いる目視観察で光学的品質をそれ程悪くしないで支持力を向上させるため、４本のアームを備えた延長部品１４を構成することが好ましい。延長アーム２２は、カニューレ１３の管状スリーブ１７の長軸Ｌに対して一般的に平行に配され、そのために内視鏡１２を延長部品１４内にまで挿入した際、通路を妨害しない。
【００１５】
延長部品１４は、延長アーム２２が必要な支持を悪化せずに弾性を示すように弾性プラスチックにより好ましく構成される。この弾性はまた、手術中に手術器具が前進する際に必要な柔軟性を与える。延長アーム２２は、延長部品１４の末端でリング２３の形態の制止部材に接続される。リング２３はカニューレ１３の管状スリーブ１７の内径と内視鏡１２の内径よりも小さな内径を有する。そのため、リング２３は延長部品１４の末端で内視鏡１２の末端の動きを制止して内視鏡１２を好ましい位置に容易に配することができる（図９参照）。
【００１６】
一つの好ましい実施態様では、組織接触部品２４がリング２３に隣接した延長部品１４の末端２０で固定されている。組織接触部品２４は透明で中空円錐であり、手術中に手術器具が前進する際に内視鏡１２の窓となり、内視鏡１２と体内組織との直接接触を防止する。円錐部は切れ味を鈍くした組織解剖を可能にする丸みを持った先端２５を有し、且つ管状スリーブ１７の長軸の回りで対称的になるように延長部品１４に配置される。
【００１７】
この内視鏡１２は、外部光源から体内へ光を送り、照明された体内からの像を外科医に接眼鏡かビデオモニタのいづれか好ましい方法で送る従来の全一体の剛体内視鏡である。この内視鏡１２はトロカールカニューレ１３内にそのカニューレの管状スリーブを通して取り外し可能に挿入される。内視鏡は１２はスリーブ末端から更に、通路と延長部品１４で作られた支持体内に伸びている。
【００１８】
この特定の実施例では、内視鏡１２は、延長部品１４の末端にあるリング２３だけでなく、リング２３に隣接した組織接触部品２４の内側環状部２６に接するまで挿入することができる。光源を作動すると、光は内視鏡１２を介して送られ、内視鏡１２の末端に届く。その光は組織接触部品２４の透明な円錐形窓を通して伝達し、体内空洞を照らす。体内空洞からの照明された像は、従来法により円錐形窓を介して反射し、そして内視鏡１２で伝達され、外科医がその照明された像を見ることができる。内視鏡１２は延長部品１４内で確実に支持され、位置決めされ、そして組織接触部品２４は解剖されている組織と内視鏡の末端との間でバリアを構成する。
【００１９】
延長部品１４内で内視鏡１２を確実に支持し、正確に位置決めするため、トロカールカニューレ１３はカニューレハウジング１６に取付けたロック部品２７を有する。ロック部品２７は内視鏡１２を使用中に所定の位置に固定するようにラッチ２８を有する。このロック部品２７は１９９５年２月１日に出願された出願番号０８／３８２，４６２の出願により詳細に説明されている。
【００２０】
バルーン解剖器具を組み込んだ機器の最後の構成要素は、勿論、膨張可能なバルーン（気球）１５である。バルーン１５は人間の組織に対し拒絶反応を示さない抗穴開け性で膨張可能な材料から好ましく作られる。バルーン１５はシリコーンエラストマーからなるのが好ましい。バルーン１５はカニューレ１３の管状スリーブ１７の末端部に取付けられた近接端２９を有する。また、延長部品１４が管状スリーブ１７の外径に取付けられているならば、バルーン１５の近接端２９を延長部品１４の近接端に取付けることもできる。バルーン１５の近接端２９はヒートシールのような従来法を用いて取付けられる。延長部品１４と組織接触部品２４は、バルーン１５の内腔に突き出ており、それによってバルーン１５はこれらの部品を完全に包囲する。バルーン１５の末端３０はバルーン１５が収縮した位置にある場合、組織接触部品２４上にぴったり付いた状態になる。
【００２１】
図７に示すように、トロカールカニューレ１３に装着したコック弁を開いて管状スリーブ１７を通して矢印方向のバルーン１５内に加圧空気を送り、バルーン１５を膨らませると、バルーン１５は膨張する。一旦、バルーン１５を膨らませたら、コック弁を閉じ、その後、バルーン１５を所定の収縮時までその膨らみを維持する。この時点で加圧エアの発生源を取り外し、その後、コック弁を再び開いて加圧空気を膨らんだバルーン１５内のエアを管状スリーブを介してコック弁から外へ排出する。膨張させたバルーンが球状バルーンとして図示されているが、その他の所望の形状をとることができる。しかしこのバルーンの形状はこの発明の本質的な特徴でない。
【００２２】
その他の実施態様（図示せず）では、組立て機器は組織接触部品を備えず、内視鏡は内視鏡の所定の支持、位置決め用の延長部品の末端でリングだけに単純に接する。
手術中にバルーン解剖器具を備えた組立て機器を使用して手術スペースを作るために体内組織を解剖している様子が、図３ないし図６に示されている。手術患者３１の解剖露出部が図示されている。患者の露出部は体内組織層３２を有する。他の層からある組織層を解剖するために、組立て機器は外皮層から挿入され、一般に、隣接する体内組織層に平行に前進させる。その機器を前進させると同時に、外科医は内視鏡を用いて進行状況を見る。外科医は一旦、機器を体内組織の目的位置に移動させたら、バルーンをカニューレスリーブを通して膨らませて隣接する組織層をさらに離す。有意なことに、内視鏡がスリーブ末端部を超えて延長部品端部にまで十分に伸びているので、解剖が進む際に外科医の視覚領域が十分に広がる。視覚領域の明るさとその範囲は、内視鏡がスリーブ末端部を超えなかった場合、あるいは延長部品が管状の延長部品であった場合よりもかなり良好である。
【００２３】
バルーンを十分に膨らませて組織を離した後、バルーンを収縮させる。次に、バルーン解剖器具を備えた機器を患者から取り外し、スペースが作られた（特に図５参照）患者体内に他のトロカールカニューレ３５が導入される。次に、外科医は他の手術用器具の通路として新しいトロカールカニューレを用いながら手術スペース内で治療あるいは診断処置を行なうことができる。
【００２４】
この発明は特定の好ましい実施例に基づいて説明された。この実施例の説明に使われた記載は、添付特許請求の範囲で述べられた狭い限定された言葉の解釈の根拠として使用されるべきではない。全く反対であって、当業者が、特に説明されていないが発明の範囲と精神内に含まれる多くの追加実施例を容易に想到できるため、添付特許請求の範囲は広く解釈される。
【００２５】
なお本発明の好適な実施態様として、以下のものがある。
（Ｉ） 末端部と長軸を有する長く伸びた管状シャフトと、
前記シャフト末端部と連通する少なくとも一部が透明な組織接触部品と、
前記シャフトに取付けられた膨張可能なバルーンとを備えた手術用解剖器具。
（１）バルーンがシャフト末端部に取付けられ、その末端部から伸びる上記実施態様（Ｉ）記載の手術用器具。
（２）バルーンが、シャフトを通して流れる加圧流体で膨張する上記実施態様（１）記載の手術用器具。
（３）加圧流体がエアである上記実施態様（２）記載の手術用器具。
（４）組織接触部品が、体組織内に前進した際にその組織内の開口を拡大する形状になっている上記実施態様（３）記載の手術用器具。
（５）組織接触部品が丸い先端である上記実施態様（４）記載の手術用器具。
（６）組織接触部品が長軸を有し、その長軸がシャフト長軸と列をなしている上記実施態様（５）記載の手術用器具。
（７）組織接触部品がその長軸の回りで略対称の表面形状を有する上記実施態様（６）記載の手術用器具。
（８）組織接触部品の透明部が略３６０°に広がる上記実施態様（７）記載の手術用器具。
（９）組織接触部品の略全体が透明である上記実施態様（８）記載の手術用器具。
（１０）シャフト末端部を組織接触部品に接続する延長部品をさらに有する上記実施態様（９）記載の手術用器具。
【００２６】
（１１）バルーンが近接端と末端を有し、そのバルーン近接端がシャフト末端部に取付けられ、バルーン末端が組織接触部品に取付けられている上記実施態様（１０）記載の手術用器具。
（１２）バルーンが延長部品の回りで膨張可能である上記実施態様（１１）記載の手術用器具。
（１３）カニューレハウジングを備えたトロカールカニューレと、トロカールカニューレから伸びるスリーブをさらに有し、器具がそのトロカールカニューレを通して挿入できる上記実施態様（１２）記載の手術用器具。
（１４）シャフトと延長部材が、内視鏡をスライド可能に収容するために用いられ、内視鏡は組織接触部品に近い位置まで挿入できる上記実施態様（１３）記載の手術用器具。
（１５）シャフトが、内視鏡をスライド可能に収容するために用いられ、内視鏡は組織接触部品に近い位置まで挿入できる上記実施態様（Ｉ）記載の手術用器具。
（１６）カニューレハウジングを備えたトロカールカニューレと、トロカールカニューレから伸びるスリーブをさらに有し、器具がそのトロカールカニューレを通して挿入できる上記実施態様（１５）記載の手術用器具。
（ＩＩ） 体内組織を解剖するための手術用器具であって、前記器具が、
カニューレハウジングと内視鏡をスライド可能に収容するため遠方に伸び且つ長軸と末端部を有する長いスリーブとを有するトロカールカニューレと、
前記スリーブ末端部に接続されその末端部から遠方に伸びる延長部品であって、前記延長部品は前記スリーブ末端部に取付けられた近接端と前記スリーブ末端部から離れて位置した制止部材を有する末端とを有し、且つ間隔を空けて設けた複数の延長アームは前記延長部品の近接端を前記延長部品の末端に接続し、前記延長アームは前記スリーブ長軸に平行に伸び、前記延長部品は前記延長アーム間で前記スリーブ末端部から前記延長部品の末端までの通路を作り且つ前記制止部材に隣接して配置するため前記延長部品を通して挿入された内視鏡を収容しそして支持し、前記制止部材は該部材を超える前記内視鏡の末端の動きを防止するように構成された延長部品とを備えた体内組織を解剖するための手術用解剖器具。
（１７）スリーブが外径を有し、制止部材がスリーブ外径より小さなリング径のリング状である上記実施態様（ＩＩ）記載の手術用器具。
（１８）延長部品が４本を超えない延長アームを有する上記実施態様（１７）記載の手術用器具。
（１９）延長部品と制止部材を包囲している膨張可能なバルーンをさらに有する上記実施態様（１８）記載の手術用器具。
（２０）バルーンが近接端と末端を有し、バルーン近接端は延長部品の近接端に取付けられ、バルーン末端はバルーンが収縮状態の時、制止部材に接触する上記実施態様（１９）記載の手術用器具。
【００２７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による手術用器具は、ユーザが挿入時体内組織を十分に見ることができ、バルーンを膨らませた時に組織を十分に解剖することができる。また、本発明による手術用器具は、手術中に見ることができるように内視鏡を収容する長い中空シャフトを有し、内視鏡の位置決めと支持を行なえるためシャフトの末端を超えてまでも最適に手術中に体内組織を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】バルーン解剖器具を収縮位置で示した本発明の手術用器具を有する機器の斜視図である。
【図２】バルーン解剖器具を膨張位置で示した本発明の機器の斜視図である。
【図３】本発明の機器をどのように用いて体内組織層を解剖し手術患者に手術スペースを作るかを示している一部断面側面図である。
【図４】本発明の機器をどのように用いて体内組織層を解剖し手術患者に手術スペースを作るかを示している一部断面側面図である。
【図５】本発明の機器をどのように用いて体内組織層を解剖し手術患者に手術スペースを作るかを示している一部断面側面図である。
【図６】本発明の機器の分解斜視図である。
【図７】バルーン解剖器具を膨張させる方法を説明するため一部を断面にした本発明の部分側面図である。
【図８】好ましいバルーン解剖器具の一部を構成する延長部品の延長アームを図７の８−８線で切断した断面図である。
【図９】内視鏡の末端と延長部品の末端にある制限部材との隣接関係を示す図８の９−９線に沿って見た拡大側面図である。
【符号の説明】
１０ 機器
１１ バルーン（気球）解剖器具
１２ 内視鏡
１３ トロカールカニューレ
１４ 延長部品
１５ 膨張可能なバルーン
１６ カニューレハウジング
１７ 管状スリーブ
１８ コック弁
２２ 延長アーム
２３ リング
２４ 組織接触部品
２５ 丸い先端
２７ ロック部品
２８ ラッチ
３０ バルーン
３１ 手術患者

Claims (5)

1. 体内組織を解剖するための手術用器具であって、前記器具が、
   カニューレハウジングと内視鏡をスライド可能に収容するため遠方に伸び且つ長軸と末端部を有する長いスリーブとを有するトロカールカニューレと、
   前記スリーブ末端部に接続されその末端部から遠方に伸びる延長部品であって、前記延長部品は前記スリーブ末端部に取付けられた近接端と前記スリーブ末端部から離れて位置した制止部材を有する末端とを有し、且つ間隔を空けて設けた複数の延長アームは前記延長部品の近接端を前記延長部品の末端に接続し、前記延長アームは前記スリーブ長軸に平行に伸び、前記延長部品は前記延長アーム間で前記スリーブ末端部から前記延長部品の末端までの通路を作り且つ前記制止部材に隣接して配置するため前記延長部品を通して挿入された内視鏡を収容しそして支持し、前記制止部材は該部材を超える前記内視鏡の末端の動きを防止するように構成された延長部品とを備えた体内組織を解剖するための手術用解剖器具。
2. スリーブが外径を有し、制止部材がスリーブ外径より小さなリング径のリング状である請求項１に記載の手術用器具。
3. 延長部品が４本を超えない延長アームを有する請求項１または２に記載の手術用器具。
4. 延長部品と制止部材を包囲している膨張可能なバルーンをさらに有する請求項１〜３に記載の手術用器具。
5. バルーンが近接端と末端を有し、バルーン近接端は延長部品の近接端に取付けられ、バルーン末端はバルーンが収縮状態の時、制止部材に接触する請求項４に記載の手術用器具。

Images