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JP3804738B2 - 内燃機関の燃料分配管構造 - Google Patents

内燃機関の燃料分配管構造 Download PDF

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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載される燃料噴射式のエンジンに適用する、内燃機関の燃料分配管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料噴射式のエンジンでは、複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、このインジェクタに燃料を分配する燃料分配管を、複数の気筒が並んだ方向に配設したものが普通である(特開平9−151831号公報等参照)。そして燃料噴射式のエンジンの燃料供給部の構造は、複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、このインジェクタに燃料を分配する燃料分配管を複数のシリンダが並んだ方向に配設する構造になっている。
【0003】
燃料噴射式のエンジンの概要を図16および図17について説明する。シリンダヘッド1には吸気ポート2と排気ポート3とが設けられており、吸気ポート2には上端にスロットルボディ4を結合したインテークマニホールド5の下端が結合し、排気ポート3にはエキゾーストマニホールド(図示せず)の下端が結合している。シリンダヘッド1の内部には吸気バルブ6と排気バルブ7が設けられ、カムシャフトで駆動される8の回転力がロッカアーム9,10を介して伝えられて上下動し、吸気ポート2および排気ポート3と各気筒の燃焼室11との連通、遮断を行うようになっている。これら動弁機構の上部は、シリンダヘッドカバー12で覆われている。
【0004】
インテークマニホールド5のシリンダヘッド1への結合部近傍にはインジェクタ13が設けられており、吸気ポート2に向けて燃料を噴射するようになっている。このインジェクタ13は各シリンダごとに設けられるので、3気筒エンジンであるこの実施の形態では、図17に示すように3個設けられている。図16および図17に示すように、インジェクタ13の基部には、インジェクタホルダ14(14a,14b,14c)を介して燃料分配管(デリバリパイプ)15が取付けられている。この燃料分配管15は、先端(図17における左端)が閉塞したパイプ状のもので、基端(図17における右端)には燃料導入管16の先端が接続されている。17は燃料分配管15をインテークマニホールド5に結合するステーである。
【0005】
図18は、図16のうちのインジェクタ13の部分を示すものであり、図19は、それを矢印Aの方向から見たものである。この構造では、燃料分配管15の基端(インジェクタホルダ14c側)に燃料導入管16の先端が接続されている。
【0006】
この構造では、燃料導入管16から燃料分配管15に燃料が供給されるとき、燃料分配管15の基端部(燃料導入管16に近い部分)のインジェクタホルダ14cに多くの燃料が供給され、その先のインジェクタホルダ14b,14aには燃料供給量が順次減少する傾向があった。このため、これらのインジェクタホルダ14b,14aに結合するインジェクタ13からの燃料噴射量が不足しがちになる問題があった。
【0007】
そこで、これを改良したものが図20と図21に示すものである。これらの図に示すものは、燃料導入管16から燃料分配管15に燃料を導入する部位を、燃料分配管15の中央部近傍、具体的にはインジェクタホルダ14cとインジェクタホルダ14bの間で、インジェクタホルダ14bに近いところにしてある(図21参照)。この位置から燃料分配管15に燃料を導入すると、燃料は、3個のインジェクタホルダ14a〜14cに、実用上問題がない程度に均一に供給される。
【0008】
しかしながら上記構造では、燃料分配管15の容積が小さいため、自動車が加速をするときのように、燃料の各気筒への供給量が急激に増大するときにこれに対応することが難しいことがあった。そこで図22に示すように、燃料分配管15の容積を拡大したものが考えられた。このように燃料分配管15の容積を拡大すれば急加速などにも十分に対応できることになる。
【0009】
ところで、近年のエンジンまわりのレイアウトはコンパクトになってきていることから、図22に示すように燃料分配管15の容積を拡大すると、燃料分配管15を脱着するときに必要となるクリアランスY(インテークマニホールド5と燃料分配管15との間のクリアランス)を確保するために、図23に示すように、インテークマニホールド5の下部の中心線とインジェクタ13の中心線との角度α(図22参照)をα+xのように大きくしなければならなくなる。このことから、燃料分配管15の容積を拡大することは、レイアウト上、困難なことであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、狭いエンジンルーム内においてもレイアウトに問題がなく、しかも燃料分配管の容積を十分に大きくとれるようにした内燃機関の燃料分配管構造を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載された発明は、複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した燃料噴射装置において、前記燃料分配管の縦断面形状をL字状に形成し、該L字状にしたことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記燃料分配管の両端部を避けた位置において該燃料分配管に接続したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載された発明は、複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した燃料噴射装置において、前記燃料分配管の一部の縦断面形状をL字状に形成し、該L字状部分の先の縦断面形状は方形とし、前記L字状にしたことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記燃料分配管の両端部を避けた位置において該燃料分配管に接続したことを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明は、複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した燃料噴射装置において、前記燃料分配管の前記複数の気筒が並んだ方向の略中央部のみを縦断面方形の形状にし、他の部分の縦断面形状はL字状に形成し、前記L字状にしたことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記縦断面方形の部分において該燃料分配管に接続したことを特徴とする。
【0014】
上記の請求項1に記載の構成とすれば、L字状に形成された燃料分配管によって、その内部を流れる燃料の量が増大する。また、燃料分配管の凹部に燃料導入管を配設することによってインテークマニホールドとの間に余裕ができる。さらに燃料導入管を燃料分配管の両端部以外のところに接続したことにより、気筒間の燃料供給バランスが保たれる。
【0015】
また、請求項2に記載の構成とすれば、燃料分配管の一部をL字状に形成し、その先の縦断面形状は方形としたことにより、燃料供給管の接続部から離れたところの燃料供給量を多くすることができる。さらに、請求項3に記載の構成とすれば、燃料分配管の両端部に近いところのインジェクタへの燃料供給が同条件になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4に示すものは、本発明の実施の形態であり、請求項1に対応するものである。この構造の従来技術との大きな相違点は、燃料分配管15の縦断面形状を方形の2個の各一辺の一部を接続したL字状に形成したことである。そして、このL字状に形成したことにより得られる凹部15aに燃料導入管16を配設すると共に、その先端の燃料導入口16aを、燃料分配管15の両端部を避けた位置、すなわち、複数並んだインジェクタが取付けられる範囲内(インジェクタホルダ14b,14cの間)に接続してある。
【0017】
このように構成すると、図1および図3に示すように、燃料導入管16の先端以外の部分が燃料分配管15の凹部15a内に納まるので、インテークマニホールド5との間に十分な間隙をとることができる。またL字状にしたことにより燃料分配管15の容積が増大するので、各気筒への燃料供給量が多くなる。
【0018】
図5ないし図8に示すものはL字状にした燃料分配管15の変形例である。いずれもL字状であり、その凹部15aに燃料導入管16を配設した点は同一であるが、インジェクタ13の取付け場所を変えたものである。このように変えても、燃料分配管15の容積は変わらないので、インジェクタを介して気筒に供給される燃料の量は変わらない。インテークマニホールド5とのレイアウトの都合で、適宜選択することになる。
【0019】
図9ないし図11に示すものは本発明の他の実施の形態であり、請求項2に対応するものである。この実施の形態では、燃料分配管15の基端部側(インジェクタホルダ14cを取付けた側)から略中央部までの縦断面形状を2個の方形の各一辺の一部を接続したL字状に形成し、L字状部分の先の縦断面形状は、図11に示すように方形部分15bとしてある。そして、L字状としたことにより得られる凹部15aに燃料導入管16を配設してある。また、この燃料導入管16の先端の燃料導入口16aを、燃料分配管15の両端部を避けた位置、すなわち複数並んだインジェクタが取付けられる範囲内(インジェクタホルダ14b,14cの間)、すなわち、複数並んだインジェクタが取付けられる範囲内(両端のものに規定される範囲)に接続してある。
【0020】
この構造とすると、図1ないし図4に示した実施の形態の効果に加え、燃料導入管16の先端の燃料導入口16aから先が縦断面形状が方形部分15bとなっていることから、十分な容積が取れ、燃料導入口16aからもっとも離れたインジェクタホルダ14aにも十分な量の燃料が供給されることになる。
【0021】
図12ないし図15に示すものは本発明のさらに他の実施の形態であり、請求項3に対応するものである。この実施の形態では、図12で明らかなように、燃料分配管15の複数の気筒が並んだ方向の略中央部のみを縦断面方形の部分15cに形成し、他の部分は一端部から中間部にわたり、その縦断面形状を、2個の方形の各一辺の一部を接続したL字状に形成してある。そして、L字状にしたことにより得られる凹部15aに燃料導入管16を配設すると共に、燃料導入管16の先端の燃料導入口16aを、縦断面形状が方形部分15cで燃料分配管15に接続してある。
【0022】
この構造とすると、縦断面方形の部分15cから燃料が供給され、その左右のL字状部分に流れることになる。その結果、複数の気筒へは、ほぼ平等に燃料供給ができることになる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成された内燃機関の燃料分配管構造であるから、請求項1ないし3に記載された発明によれば、最近の傾向であるエンジンまわりのレイアウトがコンパクトになったものでも、インテークマニホールドとの間隙を十分に取りつつ、燃料分配管の容積を大きく取ることができることになる。燃料分配管の容積が大きくなることにより、ドライバビリティが向上する。燃料導入口の位置が変わることにより、動力性能と排気処理性能が向上する。さらに、燃料導入管の位置のレイアウトに自由度が出ることにより、インジェクタの取付角度と燃料分配管の周辺部品のレイアウトに自由度が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の要部の縦断面図である。
【図2】図1を矢印Aの方向から見た矢視図である。
【図3】図1のものの燃料分配管と燃料供給管の位置関係を示す縦断面図である。
【図4】図2のものを斜め下方から見た斜視図である。
【図5】図1のものを示す図3に対する変形例を示す縦断面図である。
【図6】図1のものを示す図3に対する変形例の他の例を示す縦断面図である。
【図7】図1のものを示す図3に対する変形例の他の例を示す縦断面図である。
【図8】図1のものを示す図3に対する変形例の他の例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の他の例の要部を示すものであり、図10のD−D線に沿う断面図である。
【図10】図9のB−B線に沿う断面図である。
【図11】図9のC−C線に沿う断面図である。
【図12】本発明の実施の形態のさらに他の例の要部を示すものであり、図13のH−H線に沿う断面図である。
【図13】図12のE−E線に沿う断面図である。
【図14】図12のF−F線に沿う断面図である。
【図15】図12のG−G線に沿う断面図である。
【図16】燃料噴射式のエンジンの概要を示す一部縦断面図である。
【図17】図16のものを上方から見た平面図である。
【図18】従来のものの要部の構造を示す縦断面図である。
【図19】図18のものを矢印A方向から見た矢視図である。
【図20】従来のものの他のものの要部の構造を示す縦断面図である。
【図21】図20のものを矢印A方向から見た矢視図である。
【図22】本発明に至る検討事項を説明する説明図である。
【図23】本発明に至る検討事項を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 吸気ポート
3 排気ポート
13 インジェクタ
15 燃料分配管
15a 凹部
15b 方形部分
15c 方形部分
16 燃料導入管
16a 燃料導入口

Claims (3)

  1. 複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した内燃機関の燃料分配管構造において、前記燃料分配管の縦断面形状をL字状に形成し、該L字状に形成したことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記燃料分配管の両端部を避けた位置において該燃料分配管に接続したことを特徴とする内燃機関の燃料分配管構造。
  2. 複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した内燃機関の燃料分配管構造において、前記燃料分配管の一部の縦断面形状をL字状に形成し、該L字状部分の先の縦断面形状は方形とし、前記L字状に形成したことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記燃料分配管の両端部を避けた位置において該燃料分配管に接続したことを特徴とする内燃機関の燃料分配管構造。
  3. 複数の気筒にそれぞれインジェクタを取付け、該インジェクタに燃料を分配する燃料分配管を前記複数の気筒が並んだ方向に配設した内燃機関の燃料分配管構造において、前記燃料分配管の前記複数の気筒が並んだ方向の略中央部のみを縦断面方形の形状にし、他の部分の縦断面形状はL字状に形成し、前記L字状に形成したことにより得られる凹部に燃料導入管を配設すると共に、該燃料導入管の先端の燃料導入口を、前記縦断面方形の部分において該燃料分配管に接続したことを特徴とする内燃機関の燃料分配管構造。
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