JP3801228B2 - 弾球遊技機の整流樋 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機、スマートボール等の弾球遊技機の整流樋に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、代表的な弾球遊技機であるパチンコ機においては、遊技中に発生した入賞に対する褒賞として、所定個数の遊技球(この場合、パチンコ球)が排出されて遊技者に付与される。このため、図5に示すように、パチンコ機の裏面の基板1において、上部に位置して相当数の球を貯留する貯留タンク2と、この貯留タンク2から受け入れた複数個の球を整列させて送出する整流樋3と、この整流樋3から送出された球を下流の球排出装置(図示省略)へ送る送出樋4とが配置されている。ここで、貯留タンク2の球出口5は、球を無理なく整流樋3の上流側の一端に流通させ得るようになっている。このような構成の排出機構に対しては、球詰まりや球流れ不良等が生じないように常時円滑に球を送出することが要求されている。
【0003】
通常、パチンコ球は、店内の各台(パチンコ機)を循環して、所定の場所に設置されている洗浄装置内に集められ、ここで樹脂ペレット(商品名ポリロン)により洗浄された後、再び各台に供給されるが、その途中において洗浄用の樹脂ペレットや塵、ゴミ等の異物がパチンコ球に付着したりパチンコ球の流れに混入した状態で、パチンコ球が移送されることが少なくない。この場合、異物が球と一緒に整流樋3に流下して、整流樋3の下流側の球送り機構6や送出樋4の下方にある計数装置(図示省略)にまで到達すると、その異物が障害となって球詰まりが発生しやすい。故に、異物が整流樋3にある間に異物を除去する必要がある。
【0004】
従来の整流樋3としては、図6に示すように、断面の中央にパチンコ球Pの直径の半分以上の高さを有する区画壁7を設けて、その両側に球通路を形成すると共に、整流樋3の底面に適宜の幅を有する整流溝8を設けることで球を円滑に転動させるようにしたものが知られているが、この場合、整流溝8を異物の排出口として利用し、ここから整流樋3内の異物を除去するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような整流樋においては、その底面上に存在する塵等の異物は整流溝からある程度排出されるものの、上記の整流樋の構造では、底面と側壁或いは区画壁とで形成される各球通路の隅部に隙間が生じるため、ここに塵等の異物が残存しやすい。そして、異物が堆積することにより球の円滑な移動が妨げられると共に、異物が球と一緒に整流樋の下流側に移動すると下流の球排出機構に悪影響を与え、賞球の払い出しに支障を来すことになる。
【0006】
従って、本発明の目的は、弾球遊技機において遊技球の流れに混入している上記のような異物を効果的に除去できる整流樋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾球遊技機に用いられる遊技球を上流側から下流側に向けて整列して供給する球通路を備えた整流樋であって、その球通路の底面と内壁面との境界部分に、遊技球が通過しない大きさの貫通孔を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明の実施態様においては、上記貫通孔は球通路の長さ方向に所定の間隔をとって且つ球通路の底面の両側に複数設けられる。
【0009】
本発明の整流樋においては、球通路の底面と内壁面との境界部分における貫通孔の下流側の端縁に、遊技球の流れを妨げないように形成した凸部(リブ)を設けることが好ましい。この場合、凸部は球通路の底面と内壁面とにわたる傾斜壁として形成することができる。
【0010】
【作用及び効果】
本発明の整流樋においては、球通路上にごみ等の異物があっても、それは球通路の底面と内壁面との境界部分に設けられた貫通孔から排出される。勿論、球が貫通孔から出ることはない。より詳細には、球と接触している異物は、球と共に移動しながら貫通孔に達したとき排出される。また、球通路の底面と内壁面との境界部分というのは、底面と側壁或いは区画壁とで形成される球通路の隅部を含む領域であるから、球通路の隅部にある異物も上記境界部分に設けられた貫通孔から排出される。いずれにしても、球通路上に存在する異物は、貫通孔から効果的に排出されるので、従来のように球通路の隅部に異物が滞留したり下流側で球詰まりを生じさせるようなことがなくなる。
【0011】
上記の貫通孔を球通路の長さ方向に所定の間隔をとって且つ球通路の底面の両側に複数設けた場合には、異物を排出する機会ないし頻度が多くなり、球通路上にある異物をより早く排出できる。
【0012】
また、上記貫通孔の下流側の端縁に、遊技球の流れを妨げないような凸部(リブ)を設けた場合には、異物はこの凸部に阻止されて貫通孔に落ち込むので、球の表面に付着している異物も除去しやすく、異物の排出がより確実に行われる。更に、凸部を球通路の底面と内壁面とにわたる傾斜壁として形成することにより、簡単な形状で遊技球の移動を妨げず且つ異物の下流への移動を阻止する構造が得られる。
【0013】
【実施例】
図1は、実施例の整流樋を用いたパチンコ機の裏面の基板の一部を示す。このパチンコ機の裏面の基板11の上部には、図示しない球補給装置から供給される相当数のパチンコ球を貯留する貯留タンク12が配置されている。貯留タンク12の底面部には、その図示左端に複数個の球が流出可能な球出口13が設けられている。
【0014】
貯留タンク12の下方には、実施例の整流樋14が右下方に緩く傾斜して配置されている。この整流樋14の図示左端には、貯留タンク12の球出口13から球の供給を受ける球受入部15が設けられ、整流樋14の図示右端には送出路16が球1個分の通路を形成して、その最下端が送出樋17に連結されている。
【0015】
整流樋14は、そのほぼ中央位置に弾性薄板から成る球均し板18を有すると共に、下流側の端部には、球を1個ずつ送出樋17に送るように回転する爪状の突起を有するスプロケット21を備えている。球均し板18は、整流樋14内の球を不規則状態から規則状態に均し、スプロケット21は、その下方に位置する送出樋17に球を1個ずつ規則的に送出させる。
【0016】
図2に示すように、整流樋14は横長で、両側壁22により上面が開放された樋状に形成されている。整流樋14の内部は、球の送出方向に沿って底面中央に設けられた区画壁23によって2列に区分され、2つの球通路19,20が形成されている。各球通路19,20には、球受入部15から送出路16に至るまで直線的に切り欠いて成る整流溝24,25が設けられ、これにより、球が球通路19,20内において横方向に1列ずつに整列されて送出されやすくなっている。なお、整流溝24,25は整流樋14のほぼ全長にわたって延びているので、複数の補強板26(図1)を整流樋14の外側底面に所定の間隔をとって配設することにより、整流樋14の底部を補強している。この整流樋14は、前述の球受入部15から送出路16に至るまで緩やかな勾配(水平方向の傾き)をもち、球をその自重によって球受入部15側から送出路16側へ転動させるようになっている。
【0017】
球均し板18は、上方からみて略H型の形状を有し、中央部に球通路19,20とほぼ平行に相対する平坦部を備えている。この平坦部の上流側には、二叉で球通路19,20の勾配より大きい傾斜角度を持ち、各球通路の上方に位置するように形成された上方傾斜部が延びている。平坦部の下流側には、同様に二叉に形成され下方に傾斜した下方傾斜部が延びている。球均し板18は弾性薄板で形成されているが、これは、上方傾斜部及び下方傾斜部が球通路19,20内を移動する球と当接するときに、弾性により球詰まりを防止するためのものである。
【0018】
上記球均し板18は、整流樋14の両側壁22の上縁から外向きに張り出した張出し部27,28の上に支持される。各張出し部27,28の下方には、内部にネジ穴を形成した取付け部(図示省略)が一体に設けられているので、球均し板18の上方から、この取付け部のネジ穴にネジ29,30を入れて止めることにより、球均し板18が2つの球通路19,20の上方に橋渡しするように固定される。
【0019】
上記のように整流樋14の球通路19,20に設けられた整流溝24,25の幅は球の直径よりも小さく、これらの整流溝には、球を案内するレールとしての機能のほかに、前述のようにパチンコ球の流れに混入している樹脂ペレットや塵などの異物を排出する開口としての役割もある。しかし、整流溝24,25から排出されない異物が、整流樋14の側壁22と底面31あるいは区画壁23と底面31で形成される球通路19, 20の隅部32(図3)に入り込んで堆積しやすい。
【0020】
これに対し、本実施例では、球通路19,20の隅部32を含む、底面31と内壁面(この場合、側壁22と区画壁23の各壁面)との境界部分(底面31の両側)の複数箇所に、所定の幅と長さを有する貫通孔33が設けてある。なお、整流樋14の底面部分の補強のため、前述の補強板26に加えて、各球通路19,20の両側の貫通孔33の間で長さ方向に3列に並んだ補強部34が、整流溝24,25内に一体に設けられている。
【0021】
更に、この実施例においては、各貫通孔33の下流側の一端にリブ35が設けてある。これらのリブ35は、図4に示すように、各球通路19,20の底面と内壁面とにわたる傾斜壁として形成されており、これに各球通路19,20内を転動するパチンコ球Pは当たらないので、パチンコ球の流れは妨げられない。
【0022】
以上のように構成された整流樋14においては、球通路19,20の底面と内壁面との境界部分に設けられた貫通孔33から、球以外の異物が落下して排出されるので、異物が各球通路の隅部32に堆積したり残留することがなくなる。また、パチンコ球に付着したり流れに混入している異物は、貫通孔33の下流側の端縁のリブ35に接触したり当ったりして下流側への移動を阻止され、貫通孔33に落ち込むので、異物の排出がより確実に行われる。更に、リブ35は傾斜壁として形成されているので、パチンコ球の流れを妨げず、異物の移動のみを阻止することができる。なお、リブ35は、球の移動を阻止しないものであれば、任意の形状でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の整流樋を用いたパチンコ機の裏面側の一部を示す図。
【図2】実施例の整流樋の上面図。
【図3】実施例の整流樋の部分拡大上面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】従来の整流樋を備えたパチンコ機の内部構造を示す図。
【図6】従来の整流樋の断面を示す、図5のVI−VI線断面図。
【符号の説明】
1…基板、2…貯留タンク、3…整流樋、4…送出樋、5…球出口、6…球送り機構、7…区画壁、8…整流溝、11…基板、12…貯留タンク、13…球出口、14…整流樋、15…球受入部、16…送出路、17…送出樋、18…球均し板、19,20…球通路、22…側壁、23…区画壁、24,25…整流溝、32…隅部、33…貫通孔、34…補強部、35…リブ。
Claims (5)
- 弾球遊技機に用いられる遊技球を上流側から下流側に向けて整列して供給する球通路を備えた整流樋において、
前記球通路の底面に、前記球通路の全長にわたって遊技球の直径よりも小さい幅の直線的切り欠きからなり、遊技球を一列に整列して送出する整流溝を備えるとともに、
前記球通路の底面と内壁面との境界部分に、前記遊技球が通過しない大きさであって、前記整流溝から排出されない異物を排出するための貫通孔を備え、
前記整流溝の底部に補強部を設け、該補強部は、前記貫通孔の側方に位置することを特徴とする弾球遊技機の整流樋。 - 請求項1に記載の整流樋において、前記補強部が、前記整流溝に一体に設けられていることを特徴とする弾球遊技機の整流樋。
- 請求項1又は2に記載の整流樋において、前記貫通孔は、前記球通路の長さ方向に所定の間隔をとって且つ前記球通路の底面の両側に複数設けられていることを特徴とする弾球遊技機の整流樋。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の整流樋において、前記境界部分における前記貫通孔の下流側の端縁に、前記遊技球の流れを妨げないように形成した凸部が設けられていることを特徴とする弾球遊技機の整流樋。
- 請求項4に記載の整流樋において、前記凸部は前記球通路の底面と内壁面とにわたる傾斜壁として形成されていることを特徴とする弾球遊技機の整流樋。
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