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JP3899606B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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JP3899606B2
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はインクジェットプリンタに関し、特にプリントされるドットの径を変化させることができるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりプリントされるドットの径を変化させることで多値画像をプリントすることができるインクジェットプリンタが知られている。このようなプリンタにおいて、高階調の画像データを入力して、ディザマトリクスを用いて擬似的な階調表現を行なう技術が知られている。
【0003】
図23〜図26は、そのような技術を採用したインクジェットプリンタでプリントされるドットのサイズと、4×4のディザマトリクスの例を示した図である。この例ではドットのサイズとして、第1段〜第4段の4種のサイズを用いて画像のプリントを行なうこととしている。また、1つの画素の濃度として0〜64の値をとり得る64階調の画像データを入力し、ディザマトリクスにより64階調の擬似的な階調表現を行なうこととしている。
【0004】
入力された複数の画素からなる画像データは、4×4の画素からなるブロックに分割される。それぞれのブロックのそれぞれの画素の濃度が、図23〜図26のディザマトリクスの対応するしきい値と比較される。
【0005】
画素の濃度がディザマトリクス中に含まれるしきい値よりも大きければ、該当するサイズのドットがプリントされる。
【0006】
すなわち、図23のディザマトリクスのしきい値より大きく、図24のディザマトリクスのしきい値以下であれば、第1段のサイズのドットがプリントされる。同様に、図24のディザマトリクスのしきい値より大きく、図25のディザマトリクスのしきい値以下であれば第2段のサイズのドットがプリントされ、図25のディザマトリクスのしきい値より大きく、図26のディザマトリクスのしきい値以下であれば第3段のサイズのドットがプリントされる。
【0007】
また、図26のディザマトリクスのしきい値より大きければ、第4段のサイズのドットがプリントされる。図23のディザマトリクスのしきい値以下であれば、ドットはプリントされない。
【0008】
具体的に、入力された画素の濃度が、図27に示されるようにブロックのすべての画素で“17”の値を有している場合を想定する。この場合、最も左上の画素の濃度は、図24の第2段のサイズのドットのしきい値である“16”よりも大きいので、その位置には図28に示されるように第2段のサイズのドットがプリントされる。その他の画素の濃度は、それぞれ図24に示される第2段のサイズのドットのしきい値以下であり、図23に示される第1段のサイズのドットのしきい値を超えるため、それぞれの位置には図28に示されるように第1段のサイズのドットがプリントされる。
【0009】
このようにして4段階のサイズのドットを用いて、64階調の画像を擬似的に形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には低濃度領域での階調再現性が悪いという問題点があった。
【0011】
図29の実線は、上述のようにして形成された画像の階調とその濃度との関係(濃度特性)を示すグラフである。なお、この図においてはディザマトリクス(Bayer 配列)に起因する濃度特性のリニアリティの崩れおよびドットの重なりによる濃度特性のリニアリティの崩れに関しては省略している。
【0012】
図に示されるように、0〜16階調の部分での濃度の増加は、他の部分に比べて急である。また、階調と濃度との関係を示す直線は、濃度0から所定量高濃度側にシフトした位置から始まっている。
【0013】
ここで再現される画像の階調を増やすために、ドットのサイズの変化の段数を増やし、第1段と第4段の間のドットを3段階のサイズにした場合、濃度特性は図29の点線に示されるような特性となる。このような場合には、階調16以上の部分での階調数を増やすことができる。しかし、階調0〜16での階調数を増やすことはできない。
【0014】
最小ドット径をさらに小さくすることができるのであれば、低濃度領域での階調数を増やすことができるが、インクジェットプリンタにおいてプリント可能な最小のドット径は限られている。したがって、高濃度領域の階調数を増やすことは容易であるが、低濃度領域の階調数を増やすことは難しい。
【0015】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、低濃度領域の階調数を多くすることができるインクジェットプリンタを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のある局面に従うと、インクジェットプリンタは被記録材に対して有色インクによりドットをプリントする第1のプリント手段と、被記録材に対して白色インクによりドットをプリントする第2のプリント手段と、有色インクによりプリントされるドットのサイズを制御する第1の制御手段と、白色を除く有色インクによるドットに白色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御する第2の制御手段とを備え、第2の制御手段は、白色を除く有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったときにのみ、ドットのサイズが最も小さくなった白色を除く有色インクによるドットに白色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御を行ない、白色を除く有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったとき以外は、白色インクによるドットがプリントされないように制御を行なう。
【0017】
この発明に従うと、白色を除く有色インクによるドットに白色インクによるドットを重ねてプリントすることができるため、白色を除く有色インクによるドットの光学反射濃度を下げることができ、階調数を多くとることができる。白色を除く有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったときにのみ、ドットのサイズが最も小さくなった白色を除く有色インクによるドットに白色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御が行なわれ、白色を除く有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったとき以外は、白色インクによるドットがプリントされないように制御が行なわれるため、低濃度領域における階調数を増やすことができる。
【0020】
好ましくは、白色インクによりプリントされるドットのサイズは、有色インクによりプリントされるドットの最大のサイズより小さく、有色インクによりプリントされるドットの最小のサイズより大きい。
【0021】
このような発明に従うと、有色インクによるドットに白色インクによるドットが重ねてプリントされるときに、プリントされる位置に多少の誤差があっても確実に有色インクの上に白色インクを重ねることができる。また、隣り合うドット同士で白色インクが混ざり合うことを防ぐことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態の1つにおける、インクジェットプリンタについて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるインクジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。
【0024】
インクジェットプリンタ1は、用紙やOHPシートなどの記録媒体(被記録材)である記録シート2と、インクジェット方式のプリンタヘッドであるインクジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3を保持するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動させるための揺動軸5,6と、キャリッジ4を揺動軸5,6に沿って往復駆動させる駆動モータ7と、駆動モータ7の回転をキャリッジの往復運動に変えるためのタイミングベルト9と、アイドルプーリ8とを含んでいる。
【0025】
また、インクジェットプリンタ1は、記録シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねるプラテン10と、プラテン10との間で記録シート2を押さえ、記録シート2の浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2を排出するための排出ローラ12と、拍車ローラ13と、インクジェットヘッド3のインク吐出不良を良好な状態に回復させる回復系14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ15とを含んでいる。
【0026】
記録シート2は、手差しあるいはカットシートフィーダなどの給紙装置によって、インクジェットヘッド3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御され、記録部への搬送が制御される。
【0027】
インクジェットヘッド3には、インクを飛翔させるためのエネルギ源として圧電素子(PZT)が用いられる。圧電素子には電圧が印加され、歪が生じる。この歪は、インクで満たされたチャンネルの容積を変化させる。この容積の変化により、チャンネルに設けられたノズルからインクが吐出され、記録シート2への記録が行なわれる。
【0028】
キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドルプーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2の桁方向(記録シート2を横切る方向)に主走査され、キャリッジ4に取付けられたインクジェットヘッド3は1ライン分の画像を記録する。1ラインの記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向に送られ副走査され、次のラインの記録が行なわれる。
【0029】
記録シート2にはこのようにして画像が記録され、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下流側に配置された排出ローラ12とこれに圧接される拍車ローラ13とによって排出される。
【0030】
図2〜図4は、インクジェットヘッド3の構成を説明するための図である。図2は、インクジェットヘッド3の一部を示す平面図であり、図3は図2のIII−III線断面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図である。
【0031】
インクジェットヘッド3は、黒インクヘッド301と、白インクヘッド302とから構成される。これら黒インクヘッド301と白インクヘッド302とは、チャンネルプレート303、隔壁304、振動板305、および基板306を一体に重ねた構成となっている。
【0032】
チャンネルプレート303は、金属またはセラミックなどからなる。表面には撥水コート層を有する。チャンネルプレート303の隔壁304との対向面はNi電鋳またはフォトレジストなどにより微細加工され、黒インクヘッド301と白インクヘッド302とにはそれぞれインク307を収容する複数のインクチャンネル308と、各インクチャンネル308をインク供給室310に連結するインクインレット311が形成されている。
【0033】
図3に示されるように、黒インクヘッド301と白インクヘッド302とのインクチャンネル308は、黒インクヘッド301と白インクヘッド302とが対向する方向に向かって延びる長溝状にかつ平行に形成されている。また、インク供給室310とインクチャンネル308とは、中央線312を挟んで対称に形成されており、図示しないインクタンクに接続されている。
【0034】
隔壁304には、薄肉フィルムが使用されており、チャンネルプレート303と振動板305との間に固定されている。なお、隔壁304は所定の張力が加わった状態で固定される。
【0035】
振動板305はPZT315を含んでいる。振動板305の加工は、まず振動板305が基板306に絶縁接着剤で固定され、その後ダイサー加工によりセパレート溝318,319が形成され分断されることにより行なわれる。また、この分断によって、各インクチャンネル308に対応するPZT315と、隣接するPZT315の間に位置するPZT柱部316と、これらを囲む周囲壁317とが分断される。
【0036】
PZT315の動作は、後述するヘッドドライバ56(図5参照)を介して、インクジェットプリンタ1の制御部によってコントロールされる。制御部から圧電素子に設けられた2つの電極間に印字信号である所定の電圧が印加されるとPZT315は矢印D1方向に変形する。PZT315の変形は隔壁304に伝えられ、これによりインクチャンネル308内のインク307が加圧され、ノズル309を介してインク滴が記録シート2に向かって飛翔する。
【0037】
また、以上のような構成のインクジェットヘッド3では、図示しないインクタンクからインク供給室310にインク307が供給される。インク供給室310のインク307は、インクインレット311を介して各インクチャンネル308に分配される。
【0038】
図5は、インクジェットプリンタ1の制御部の構成を示すブロック図である。メインコントローラ51は、コンピュータなどから画像データを受取る。画像データは1フレーム単位でバッファ用のフレームメモリ52に格納される。記録シート2への印字の際には、メインコントローラ51は、モータドライバ54,55を介して、キャリッジ4の駆動モータ7と紙送りモータとを駆動する。
【0039】
これらの駆動制御とともに、メインコントローラ51は、フレームメモリ52から読出した画像データをもとに、ドライバコントローラ53と、ヘッドドライバ56とを介して、黒インクヘッド301と白インクヘッド302とに含まれる各々の圧電素子315を駆動制御する。
【0040】
次に、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。
図6は、記録シート2とインクジェットヘッド3との関係を示した図である。
【0041】
インクジェットヘッド3は、矢印方向に記録シート2を主走査する。このとき、記録シート2上の点を白インクヘッド302は、黒インクヘッド301より遅れて通過する。これにより、記録シート2上に黒インクによるドットをプリントした後、その上に白インクによるドットを重ねてプリントすることができる。プリントヘッド3が記録シート2の右端に到達したのであれば、プリントヘッド3は左側に移動する。その後、記録シート2は図面に対して上方向に移動する。その後、プリントヘッド3は再度右方向に移動しながらプリントを行なう。このような動作が繰返されることにより、2次元の画像のプリントが行なわれる。
【0042】
図7は、インクチャンネル308中にあるインク307と、PZT315との関係を説明するための概念図である。
【0043】
PZT315に電圧が印加されることにより、PZT315は、矢印方向に膨張する。これにより、インクチャンネル308の体積は急激に減少する。これによりノズル309からインクが吐出される。
【0044】
図8は、PZTに印加される電圧パルスの波形を示した図である。
インクジェットプリンタ1は、PZT315に印加される電圧パルスの波形を変化させることにより、ノズル309から吐出されるインクの量を変化させる。これにより、記録シート2にプリントされるドットのサイズを変化させることができる。
【0045】
本実施の形態では、(a)〜(d)の4種類の波形のうち、いずれかの波形を黒インクヘッド301のPZT315に印加することにより、直径30μm,60μm,90μm,または120μmのいずれかの直径を有する黒インクによるドットを記録シート2にプリントすることとしている。
【0046】
白インクヘッド302のPZT315には、(c)に示される波形を印加することで、記録シート2に直径90μmの白インクによるドットをプリントするようにしている。
【0047】
図9は、インクジェットプリンタ1のプリント処理を示すフローチャートである。
【0048】
図を参照して、プリント処理においては、ステップS100でまず初期化が行なわれる。
【0049】
ステップS101で、画像データがメインコントローラ51(図5)に入力される。ステップS102で、入力された画像データは、1画素80階調の濃度を有するデータに変換される。ステップS103で、変換された80階調のデータが、各画素においてプリントすべきドットのサイズのデータに変換される。
【0050】
ステップS104で、インクジェット3をスキャンさせ、記録シート2の所望の位置に来たのであれば、ステップS105でドットのプリント処理を行なう。
【0051】
ステップS106ですべてのドットをプリントしたかが判定され、YESとなるまで、ステップS104からの処理が繰返される。
【0052】
図10は、図9のドットのサイズのデータへの変換処理(S103)での処理を示すフローチャートである。
【0053】
図を参照して、変換処理では、まずステップS200で処理の対象となる画素の濃度データがディザマトリクスの対応する値と比較される。
【0054】
すなわち80階調の濃度を有する画像データは、図11に示されるように4×4の画素からなるブロックに分割される。それぞれのブロックが、4×4のディサマトリクスと比較される。
【0055】
ディザマトリクスとして、図12〜図16の5種類のマトリクスが用いられる。図12〜図16は、それぞれ第1段から第5段のディザマトリクスを示している。
【0056】
図10に戻って、ステップS201において、画素の濃度の値が第1段のディザマトリクスのしきい値を超えたか否かが判定される。
【0057】
YESであれば、ステップS202で画素の濃度の値が第2段のディザマトリクスのしきい値を超えたかが判定される。
【0058】
YESであれば、ステップS203で画素の濃度の値が第3段のディザマトリクスのしきい値を超えたかが判定される。
【0059】
YESであれば、ステップS204で画素の濃度の値が第4段のディザマトリクスのしきい値を超えたかが判定される。
【0060】
YESであれば、ステップS205で画素の濃度の値が第5段のディザマトリクスのしきい値を超えたが判定される。
【0061】
YESであれば、ステップS206でプリントすべきドットを第5段のドットに決定する。
【0062】
その後、ステップS207ですべての画素の変換が終わったかが判定され、YESになるまでステップS200からの処理を繰返し行なう。
【0063】
また、ステップS201〜S205のそれぞれにおいてNOであれば、ステップS208〜S212においてそれぞれプリントすべきドットを第0段〜第4段のドットに決定し、ステップS207からの処理を行なう。
【0064】
ここに第0段のドットに決定するとは、その位置にドットをプリントしないことを示している。
【0065】
図17は、図9のドットのプリント処理(S105)で行なわれる処理を示すフローチャートである。
【0066】
図を参照してステップS301で、プリントすべきドットが第何段のドットであるかが判定される。
【0067】
第0段のドットであれば、ステップS302においてドットのプリントは行なわずにメインルーチンへ戻る。
【0068】
第1段のドットであれば、ステップS303で図8に示される(a)のパルスにより記録シート2に黒インクでドットをプリントする。その後、ステップS304でプリントされた黒インクによるドットの上に、(c)のパルスにより白インクでドットをプリントする。
【0069】
第2段であれば、ステップS305で(a)のパルスにより黒インクでドットをプリントする。
【0070】
第3段であれば、ステップS306で(b)のパルスにより黒インクでドットをプリントする。
【0071】
第4段であれば、ステップS307で(c)のパルスにより黒インクでドットをプリントする。
【0072】
第5段であれば、ステップS308で(d)のパルスにより黒インクでドットをプリントする。
【0073】
以上の処理により、第1段と第2段とでは、黒インクによりプリントされるドットのサイズは30μmとなりともに同一である。しかしながら、第1段においては黒インクでプリントされた30μmのドットの上に、90μmの直径を有する白インクによるドットがプリントされるため、ドットの色が灰色になる。これにより、第2段のドットよりも反射光学濃度の低いドットをプリントすることができる。
【0074】
図18は、本実施の形態におけるインクジェットプリンタがプリントする画像の階調と濃度との関係を示すグラフである。
【0075】
階調0〜16では、灰色ドットの数が増えることにより濃度は増加する。階調16〜80では、従来技術である図29と同様に、黒ドットの数とサイズとが増加することにより濃度が増加する。
【0076】
このように、本実施の形態においては従来技術に比べて低濃度領域の階調を増やすことができる。また、表現することができる最小の濃度を下げることができる。
【0077】
また、本実施の形態においては、最小サイズの黒ドットのみに白インクの重ね合せを行なっている。これは、最小サイズ以外の黒ドットに対しても白インクの重ね合せを行ない、階調の制御を行なおうとしても、白インクと黒インクとの濃度のばらつき、ドット径のばらつきなどにより濃度特性を調整することが難しいためである。
【0078】
また、本実施の形態においては、白インクによるドットのサイズを黒インクによりプリントされる最大のドットのサイズよりも小さくし、かつ黒インクによりプリントされる最小のドットのサイズよりも大きくしている。
【0079】
すなわち、第1段のドットと第5段のドットとを並べてプリントしたときには、図19に示されるようになる。図19において、Bは黒ドット、Wは白ドット、Gは黒ドットの上に白ドットが重ねられることによって灰色となった部分を示している。
【0080】
このとき、図20に示されるようにメカノイズなどにより、黒ドットBが多少左側にずれることがあっても、白ドットWと黒ドットBとが重なることが防止される。また、白ドットWの位置と、重ね合わされる黒ドットの位置とが多少ずれることになっても、それらを重ね合せることができ、灰色ドットGをプリントすることができる。
【0081】
すなわち、図21を参照して、第1段の黒ドットB1と、白ドットWのサイズとを同じにすると、わずかなずれが生じても灰色のドットをプリントすることができなくなる。
【0082】
また、図22を参照して、白ドットWのサイズを第5段のドットBのサイズと同じにしたときは、プリント位置のわずかなずれによってそれらのドットが重なり、所望の濃度を再現することができない。
【0083】
本実施の形態においては、図21および図22に示されるような問題が生じず、画質の低下を防ぐことができる。
【0084】
なお、本実施の形態においては白色インクにより最小のサイズの黒ドットの濃度を低下させることとしたが、無色インクを用いることにより、黒ドットの濃度を低下させても同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】インクジェットヘッド3の平面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】インクジェットプリンタ1の制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】記録シート2とインクジェットヘッド3との関係を示した図である。
【図7】ノズル309からインクが吐出される機構を示す概念図である。
【図8】PZT315に印加されるパルスの波形を示す図である。
【図9】インクジェットプリンタで行なわれるプリント処理のフローチャートである。
【図10】図9におけるドットのサイズのデータへの変換処理(S103)でのフローチャートである。
【図11】入力される画像データとディザマトリクスとの関係を示す図である。
【図12】第1段のディザマトリクスを示す図である。
【図13】第2段のディザマトリクスを示す図である。
【図14】第3段のディザマトリクスを示す図である。
【図15】第4段のディザマトリクスを示す図である。
【図16】第5段のディザマトリクスを示す図である。
【図17】図9におけるドットのプリント処理(S105)でのフローチャートである。
【図18】図1のインクジェットプリンタが再現することのできる階調とその濃度との関係を示す図である。
【図19】本発明の効果を示す第1の図である。
【図20】本発明の効果を示す第2の図である。
【図21】白ドットWを最小の黒ドットのサイズと同じにしたときの状態を示す図である。
【図22】白ドットWを最大の黒ドットのサイズと同じにしたときの問題点を説明するための図である。
【図23】従来技術における第1段のディザマトリクスを示す図である。
【図24】従来技術における第2段のディザマトリクスを示す図である。
【図25】従来技術における第3段のディザマトリクスを示す図である。
【図26】従来技術における第4段のディザマトリクスを示す図である。
【図27】入力される画像データの具体例を示した図である。
【図28】図27の画像データがプリントされるドット径のデータに変換された後の状態を示す図である。
【図29】従来技術におけるインクジェットプリンタで再現される階調とその濃度との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
301 黒インクヘッド
302 白インクヘッド

Claims (2)

  1. 被記録材に対して有色インクによりドットをプリントする第1のプリント手段と、
    前記被記録材に対して白色インクによりドットをプリントする第2のプリント手段と、
    前記有色インクによりプリントされるドットのサイズを制御する第1の制御手段と、
    白色を除く前記有色インクによるドットに前記白色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御する第2の制御手段とを備え、
    該第2の制御手段は、
    白色を除く前記有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったときにのみ、前記ドットのサイズが最も小さくなった白色を除く有色インクによるドットに前記白色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御を行ない、
    白色を除く前記有色インクによりプリントされるドットのサイズが最も小さくなったとき以外は、前記白色インクによるドットがプリントされないように制御を行なう、インクジェットプリンタ。
  2. 前記白色インクによりプリントされるドットのサイズは、前記有色インクによりプリントされるドットの最大のサイズより小さく、前記有色インクによりプリントされるドットの最小のサイズより大きい、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
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