JP3898471B2 - 洗浄処理装置および現像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示装置(LCD)に用いられるガラス基板等の基板に対して洗浄処理を施す洗浄処理装置および現像処理を施す現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCDの製造においては、LCDガラス基板(以下「LCD基板」という)にレジスト膜を形成した後に、回路パターンに対応してこのレジスト膜を露光し、さらにこれを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術を用いてLCD基板に所定の回路パターンを形成している。ここで、例えば、現像処理については、基板を水平姿勢で水平方向に搬送しながら、基板の表面に現像液を塗布し、基板上に現像液パドルを形成して所定時間保持することで現像反応を進行させ、その後に基板を傾斜姿勢に変換して現像液を流し落とし、続いてリンス液を基板に供給して現像液残渣を除去する洗浄(リンス)処理を行う方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LCD基板を水平姿勢で水平方向に搬送しながらLCD基板にリンス液を供給する洗浄処理を行う場合には、現像液を完全に洗い流すために必要とされる搬送距離が長くなり、これと共に使用するリンス液の量が非常に多くなるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、洗浄液の使用量を低減することを可能とした洗浄処理装置と、このような洗浄処理装置を有する現像処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、基板を略水平姿勢で略水平方向に搬送する基板搬送手段と、前記基板搬送手段による基板搬送方向の最も下流側に設けられ、前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す下流側洗浄処理部と、前記下流側洗浄処理部に隣接して前記基板搬送手段による基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す上流側洗浄処理部と、を具備し、
前記下流側洗浄処理部は、前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第1の洗浄液吐出ノズルと、前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第2の洗浄液吐出ノズルと、前記第1および第2の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第1の洗浄液回収手段と、前記第1の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として新しい洗浄液を送液する新液供給手段と、前記第2の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第1の送液ラインと、を有し、
前記上流側洗浄処理部は、前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第3の洗浄液吐出ノズルと、前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第4の洗浄液吐出ノズルと、前記第3および第4の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第2の洗浄液回収手段と、前記第3の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第2の送液ラインと、前記第4の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第3の送液ラインと、を有し、
前記第1および前記第2の洗浄液回収手段はそれぞれ、回収される所定の洗浄液を貯留する回収タンクと、前記回収タンクに所定の洗浄液が回収される際に前記洗浄液を前記回収タンクの上部内壁に吐出して前記内壁を清掃するタンク洗浄ノズルと、を有し、
前記第1および前記第2の送液ラインはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第2および前記第3の洗浄液吐出ノズルに送液し、前記第3の送液ラインは、前記第2の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第4の洗浄液吐出ノズルに送液するように構成され、
前記第1および前記第2の送液ラインにはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第1および第2のタンク洗浄ラインが分岐して設けられ、前記第3の送液ラインには、前記第2の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第3のタンク洗浄ラインが分岐して設けられていることを特徴とする洗浄処理装置が提供される。
【0006】
本発明の第2の観点によれば、基板を略水平姿勢で略水平方向に搬送する基板搬送手段と、前記基板搬送手段によって搬送される基板に対して現像液を塗布する現像液塗布処理部と、前記基板搬送手段による基板搬送方向に沿って配列され、前記現像液塗布処理部において現像液が塗布されて前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す複数の洗浄処理部と、を具備し、
前記複数の洗浄処理部として、前記現像液塗布処理部の基板搬送方向下流側に設けられた第1の洗浄部と、前記第1の洗浄部の基板搬送方向下流側に設けられた第2の洗浄部と、を有し、
前記第2の洗浄部は、前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第1の洗浄液吐出ノズルと、前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第2の洗浄液吐出ノズルと、前記第1および第2の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第1の洗浄液回収手段と、前記第1の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として新しい洗浄液を送液する新液供給手段と、前記第2の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第1の送液ラインと、を有し、
前記第1の洗浄部は、前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第3の洗浄液吐出ノズルと、前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第4の洗浄液吐出ノズルと、前記第3および第4の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第2の洗浄液回収手段と、前記第3の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第2の送液ラインと、前記第4の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第3の送液ラインと、を有し、
前記第1および前記第2の洗浄液回収手段はそれぞれ、回収される所定の洗浄液を貯留する回収タンクと、前記回収タンクに所定の洗浄液が回収される際に前記洗浄液を前記回収タンクの上部内壁に吐出して前記内壁を清掃するタンク洗浄ノズルと、を有し、
前記第1および前記第2の送液ラインはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第2および前記第3の洗浄液吐出ノズルに送液し、前記第3の送液ラインは、前記第2の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第4の洗浄液吐出ノズルに送液するように構成され、
前記第1および前記第2の送液ラインにはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第1および第2のタンク洗浄ラインが分岐して設けられ、前記第3の送液ラインには、前記第2の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第3のタンク洗浄ラインが分岐して設けられていることを特徴とする現像処理装置が提供される。
【0008】
このような洗浄処理装置と現像処理装置によれば、基板を一定方向に搬送しながら洗浄処理を行うに際して、新しい洗浄液を基板の洗浄工程の最後で使用し、その前段階では一度使用された洗浄液を再使用するため、新しい洗浄液の全体としての使用量を低減することができ、これによって生産コストを削減することが可能となる。また、基板搬送方向の上流側で使用回数の多い洗浄液を用い、下流側へ向かうに従って使用回数の少ない洗浄液を用い、さらに、最も下流の洗浄処理部で新しい洗浄液を用いることから、基板の洗浄品質を高く保持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、LCD基板に対してレジスト膜の形成から現像までの処理を連続して行うレジスト塗布・現像処理システムを例に説明することとする。図1はレジスト塗布・現像処理システム100の概略構成を示す平面図である。
【0010】
このレジスト塗布・現像処理システム100は、複数のLCD基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション(搬入出部)1と、LCD基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理ステーション(処理部)2と、露光装置4との間でLCD基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイスステーション(インターフェイス部)3とを備えており、処理ステーション2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェイスステーション3が配置されている。なお、図1において、レジスト塗布・現像処理システム100の長手方向をX方向、平面上においてX方向と直交する方向をY方向とする。
【0011】
カセットステーション1は、カセットCをY方向に並べて載置できる載置台9と、処理ステーション2との間でLCD基板Gの搬入出を行うための搬送装置11を備えており、この載置台9と外部との間でカセットCの搬送が行われる。また、搬送装置11は搬送アーム11aを有し、カセットCの配列方向であるY方向に沿って設けられた搬送路10上を移動可能であり、搬送アーム11aによりカセットCと処理ステーション2との間でLCD基板Gの搬入出が行われる。
【0012】
処理ステーション2は、基本的にX方向に伸びるLCD基板G搬送用の平行な2列の搬送ラインA・Bを有しており、搬送ラインAに沿ってカセットステーション1側からインターフェイスステーション3に向けてスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21、第1の熱的処理ユニットセクション26、レジスト処理ユニット23および第2の熱的処理ユニットセクション27が配列されている。また、搬送ラインBに沿ってインターフェイスステーション3側からカセットステーション1に向けて第2の熱的処理ユニットセクション27、現像処理ユニット(DEV)24、i線UV照射ユニット(i−UV)25および第3の熱的処理ユニットセクション28が配列されている。スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21の上の一部にはエキシマUV照射ユニット(e−UV)22が設けられている。なお、エキシマUV照射ユニット(e−UV)22はスクラバ洗浄に先立ってLCD基板Gの有機物を除去するために設けられ、i線UV照射ユニット(i−UV)25は現像の脱色処理を行うために設けられる。
【0013】
上記スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21は、その中でLCD基板Gが略水平姿勢で搬送されつつ洗浄処理および乾燥処理が行われるようになっている。現像処理ユニット(DEV)24も、後に詳細に説明するように、LCD基板Gが略水平に搬送されつつ現像液塗布、現像後の洗浄処理および乾燥処理が行われるようになっている。これらスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21および現像処理ユニット(DEV)24では、LCD基板Gの搬送は、例えば、コロ搬送またはベルト搬送により行われ、LCD基板Gの搬入口および搬出口は相対向する短辺に設けられている。また、i線UV照射ユニット(i−UV)25へのLCD基板Gの搬送は、現像処理ユニット(DEV)24の搬送機構と同様の機構により連続して行われる。
【0014】
レジスト処理ユニット23には、略水平に保持されたLCD基板Gにレジスト液を滴下させて、LCD基板Gを所定の回転数で回転させることによってレジスト液をLCD基板G全体に拡げ、レジスト膜を形成するレジスト塗布処理装置(CT)23aと、LCD基板G上に形成されたレジスト膜を減圧乾燥する減圧乾燥装置(VD)23bと、LCD基板Gの四辺をスキャン可能な溶剤吐出ヘッドによりLCD基板Gの周縁に付着した余分なレジストを除去する周縁レジスト除去装置(ER)23cとがその順に配置されている。レジスト処理ユニット23内には、これらレジスト塗布処理装置(CT)23a、減圧乾燥装置(VD)23b、周縁レジスト除去装置(ER)23cの間でLCD基板Gを搬送する搬送アームが設けられている。
【0015】
図2は第1の熱的処理ユニットセクション26の側面図であり、第1の熱的処理ユニットセクション26は、LCD基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31・32を有している。熱的処理ユニットブロック(TB)31はスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)32はレジスト処理ユニット23側に設けられており、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31・32の間に第1の搬送装置33が設けられている。
【0016】
熱的処理ユニットブロック(TB)31は、下から順にLCD基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)61、LCD基板Gに対して脱水ベーク処理を行う2つの脱水ベークユニット(DHP)62・63、LCD基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニット(AD)64が4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)32は、下から順にLCD基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)65、LCD基板Gを冷却する2つのクーリングユニット(COL)66・67、LCD基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニット(AD)68が4段に積層されて構成を有している。
【0017】
第1の搬送装置33は、パスユニット(PASS)61を介してのスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21からのLCD基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間のLCD基板Gの搬入出、およびパスユニット(PASS)65を介してのレジスト処理ユニット23へのLCD基板Gの受け渡しを行う。
【0018】
第1の搬送装置33は、上下に延びるガイドレール91と、ガイドレールに沿って昇降する昇降部材92と、昇降部材92上を旋回可能に設けられたベース部材93と、ベース部材93上を前進後退可能に設けられ、LCD基板Gを保持する基板保持アーム94とを有している。そして、昇降部材92の昇降はモーター95によって行われ、ベース部材93の旋回はモーター96によって行われ、基板保持アーム94の前後動はモーター97によって行われる。このように第1の搬送装置33は、上下動、前後動、旋回動可能であり、熱的処理ユニットブロック(TB)31・32のいずれのユニットにもアクセスすることができる。
【0019】
第2の熱的処理ユニットセクション27は、LCD基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34・35を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34はレジスト処理ユニット23側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)35は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34・35の間に第2の搬送装置36が設けられている。
【0020】
図3は第2の熱的処理ユニットセクション27の側面図であり、熱的処理ユニットブロック(TB)34は、下から順にLCD基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)69とLCD基板Gに対してプリベーク処理を行う3つのプリベークユニット(PREBAKE)70・71・72が4段に積層された構成となっている。また、熱的処理ユニットブロック(TB)35は、下から順にLCD基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)73、LCD基板Gを冷却するクーリングユニット(COL)74、LCD基板Gに対してプリベーク処理を行う2つのプリベークユニット(PREBAKE)75・76が4段に積層された構成となっている。
【0021】
第2の搬送装置36は、パスユニット(PASS)69を介してのレジスト処理ユニット23からのLCD基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間のLCD基板Gの搬入出、パスユニット(PASS)73を介しての現像処理ユニット(DEV)24へのLCD基板Gの受け渡し、および後述するインターフェイスステーション3の基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に対するLCD基板Gの受け渡しおよび受け取りを行う。なお、第2の搬送装置36は、第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34・35のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0022】
第3の熱的処理ユニットセクション28は、LCD基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37・38を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)38はカセットステーション1側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37・38の間に第3の搬送装置39が設けられている。
【0023】
図4は第3の熱的処理ユニットセクション28の側面図であり、熱的処理ユニットブロック(TB)37は、下から順に、LCD基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)77、LCD基板Gに対してポストベーク処理を行う3つのポストベークユニット(POBAKE)78・79・80が4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)38は、下から順に、ポストベークユニット(POBAKE)81、LCD基板Gの受け渡しおよび冷却を行うパス・クーリングユニット(PASS・COL)82、LCD基板Gに対してポストベーク処理を行う2つのポストベークユニット(POBAKE)83・84が4段に積層された構成を有している。
【0024】
第3の搬送装置39は、パスユニット(PASS)77を介してのi線UV照射ユニット(i−UV)25からのLCD基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間のLCD基板Gの搬入出、パス・クーリングユニット(PASS・COL)82を介してのカセットステーション1へのLCD基板Gの受け渡しを行う。なお、第3の搬送装置39も第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37・38のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0025】
処理ステーション2では、以上のように2列の搬送ラインA・Bを構成するように、かつ基本的に処理の順になるように各処理ユニットおよび搬送装置が配置されており、これら搬送ラインA・B間には空間40が設けられている。そして、この空間40を往復動可能にシャトル(基板載置部材)41が設けられている。このシャトル41はLCD基板Gを保持可能に構成されており、シャトル41を介して搬送ラインA・B間でLCD基板Gの受け渡しが行われる。シャトル41に対するLCD基板Gの受け渡しは、上記第1から第3の搬送装置33・36・39によって行われる。
【0026】
インターフェイスステーション3は、処理ステーション2と露光装置4との間でLCD基板Gの搬入出を行う搬送装置42と、バッファーカセットを配置するバッファーステージ(BUF)43と、冷却機能を備えた基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44とを有しており、タイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とが上下に積層された外部装置ブロック45が搬送装置42に隣接して設けられている。搬送装置42は搬送アーム42aを備え、この搬送アーム42aにより処理ステーション2と露光装置4との間でLCD基板Gの搬入出が行われる。
【0027】
このように構成されたレジスト塗布・現像処理システム100においては、まず、カセットステーション1の載置台9に配置されたカセットC内のLCD基板Gが、搬送装置11により処理ステーション2のエキシマUV照射ユニット(e−UV)22に直接搬入され、スクラブ前処理が行われる。次いで、搬送装置11により、LCD基板Gがスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21に搬入され、スクラブ洗浄される。スクラブ洗浄処理後、LCD基板Gは例えばコロ搬送により第1の熱的処理ユニットセクション26に属する熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニット(PASS)61に搬出される。
【0028】
パスユニット(PASS)61に配置されたLCD基板Gは、最初に、熱的処理ユニットブロック(TB)31の脱水ベークユニット(DHP)62・63のいずれかに搬送されて加熱処理され、次いで熱的処理ユニットブロック(TB)32のクーリングユニット(COL)66・67のいずれかに搬送されて冷却された後、レジストの定着性を高めるために熱的処理ユニットブロック(TB)31のアドヒージョン処理ユニット(AD)64、および熱的処理ユニットブロック(TB)32のアドヒージョン処理ユニット(AD)68のいずれかに搬送され、そこでHMDSによりアドヒージョン処理(疎水化処理)される。その後、LCD基板Gは、クーリングユニット(COL)66・67のいずれかに搬送されて冷却され、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニット(PASS)65に搬送される。このような一連の処理を行う際のLCD基板Gの搬送処理は、全て第1の搬送装置33によって行われる。
【0029】
パスユニット(PASS)65に配置されたLCD基板Gは、レジスト処理ユニット23の搬送アームによりレジスト処理ユニット23内へ搬入される。LCD基板Gは、レジスト塗布処理装置(CT)23aにおいてレジスト液がスピン塗布された後に減圧乾燥装置(VD)23bに搬送されて減圧乾燥され、さらに周縁レジスト除去装置(ER)23cに搬送されてLCD基板G周縁の余分なレジストが除去される。そして、周縁レジスト除去終了後、LCD基板Gは搬送アームによりレジスト処理ユニット23から、第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニット(PASS)69に受け渡される。
【0030】
パスユニット(PASS)69に配置されたLCD基板Gは、第2の搬送装置36により、熱的処理ユニットブロック(TB)34のプリベークユニット(PREBAKE)70・71・72および熱的処理ユニットブロック(TB)35のプリベークユニット(PREBAKE)75・76のいずれかに搬送されてプリベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)35のクーリングユニット(COL)74に搬送されて所定温度に冷却される。そして、第2の搬送装置36により、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73に搬送される。
【0031】
その後、LCD基板Gは第2の搬送装置36によりインターフェイスステーション3のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44へ搬送され、インターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の周辺露光装置(EE)に搬送されて周辺レジスト除去のための露光が行われ、次いで搬送装置42により露光装置4に搬送されてそこでLCD基板G上のレジスト膜が露光されて所定のパターンが形成される。場合によってはバッファーステージ(BUF)43上のバッファカセットにLCD基板Gを収容してから露光装置4に搬送される。
【0032】
露光終了後、LCD基板Gはインターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の上段のタイトラー(TITLER)に搬入されてLCD基板Gに所定の情報が記された後、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に載置される。LCD基板Gは、第2の搬送装置36により、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44から第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73へ搬送される。
【0033】
パスユニット(PASS)73から現像処理ユニット(DEV)24まで延長されている例えばコロ搬送機構を作用させることにより、LCD基板Gはパスユニット(PASS)73から現像処理ユニット(DEV)24へ搬入され、そこで現像処理が施される。この現像処理工程については後に詳細に説明することとする。
【0034】
現像処理終了後、LCD基板Gは現像処理ユニット(DEV)24から連続する搬送機構、例えばコロ搬送によりi線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送され、LCD基板Gに対して脱色処理が施される。その後、LCD基板Gはi線UV照射ユニット(i−UV)25内のコロ搬送機構により第3の熱的処理ユニットセクション28に属する熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニット(PASS)77に搬出される。
【0035】
パスユニット(PASS)77に配置されたLCD基板Gは、第3の搬送装置39により熱的処理ユニットブロック(TB)37のポストベークユニット(POBAKE)78・79・80および熱的処理ユニットブロック(TB)38のポストベークユニット(POBAKE)81・83・84のいずれかに搬送されてポストベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)38のパス・クーリングユニット(PASS・COL)82に搬送されて所定温度に冷却された後、カセットステーション1の搬送装置11によって、カセットステーション1に配置されている所定のカセットCに収容される。
【0036】
次に、現像処理ユニット(DEV)24の構造について詳細に説明する。図5は現像処理ユニット(DEV)24の概略構造を示す側面図であり、図6は概略平面図である。現像処理ユニット(DEV)24は、導入ゾーン24a、第1の現像液供給ゾーン24b、第2の現像液供給ゾーン24c、液切り/リンスゾーン24d、第1リンスゾーン24e、第2リンスゾーン24f、乾燥ゾーン24gから構成されており、導入ゾーン24aは熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73に隣接し、乾燥ゾーン24gはi線UV照射ユニット(i−UV)25に隣接している。
【0037】
パスユニット(PASS)73とi線UV照射ユニット(i−UV)25の間には、モータ等を駆動してコロ17を回転させることによってコロ17上のLCD基板Gを所定方向へ搬送するコロ搬送機構14が設けられている。このコロ搬送機構14を動作させることによって、パスユニット(PASS)73から現像処理ユニット(DEV)24の内部を通ってi線UV照射ユニット(i−UV)25に向けてLCD基板Gを搬送することができるようになっている。コロ17はLCD基板Gに撓み等が生じ難いように、LCD基板Gの搬送方向およびこの搬送方向に垂直な方向に所定数設けられる。
【0038】
なお、図6にはコロ搬送機構14は図示していない。現像処理ユニット(DEV)24では、コロ搬送機構14を、LCD基板Gの搬送速度が異なる領域に分割して設け、その領域ごとに独立して駆動してもよい。例えば、LCD基板Gは、パスユニット(PASS)73と導入ゾーン24aでは第1のモータの駆動によって搬送され、第1の現像液供給ゾーン24bと液切り/リンスゾーン24dの間では第2のモータの駆動によって搬送され、第1リンスゾーン24eから乾燥ゾーン24gの間では第3のモータの駆動によって搬送されるようにすることができる。このようなコロ搬送機構14の分割駆動は、例えば、現像処理ユニット(DEV)24を構成するゾーンごとに行うこともできる。
【0039】
パスユニット(PASS)73は昇降自在な昇降ピン16を具備している。LCD基板Gを保持した第2の搬送装置36の基板保持アーム94がパスユニット(PASS)73内に進入した状態で昇降ピン16を上昇させると、LCD基板Gは基板保持アーム94から昇降ピン16に受け渡される。続いて、基板保持アーム94をパスユニット(PASS)73から退出させた後に昇降ピン16を降下させると、LCD基板Gはパスユニット(PASS)73内のコロ17上に載置される。コロ搬送機構14を動作させることによって、LCD基板Gはパスユニット(PASS)73から導入ゾーン24aへ搬出される。
【0040】
導入ゾーン24aは、パスユニット(PASS)73と第1の現像液供給ゾーン24bとの間の緩衝領域として設けられているものであり、この導入ゾーン24aは、第1の現像液供給ゾーン24bからパスユニット(PASS)73へ現像液が飛散する等して、パスユニット(PASS)73が汚染されるのを防止する。
【0041】
第1の現像液供給ゾーン24bは、導入ゾーン24aから搬送されてきたLCD基板Gに最初の現像液の液盛り(パドル形成)を行うゾーンであり、LCD基板Gに対して現像液を塗布する主現像液吐出ノズル51aと副現像液吐出ノズル51b(以下「現像ノズル51a・51b」という)の2本のノズルと、X方向に延在するガイドレール59と、ガイドレール59と嵌合しているスライドアーム58と、スライドアーム58をガイドレール59に沿ってX方向へ移動させる図示しない駆動機構と、スライドアーム58に取り付けられた図示しない昇降機構とを有しており、現像ノズル51a・51bはこの昇降機構に取り付けられて昇降自在となっている。
【0042】
現像ノズル51a・51bには図示しない現像液供給源から現像液が供給されるようになっており、例えば、昇降機構によって現像ノズル51a・51bとLCD基板Gとの間隔を調整した後に、LCD基板Gの搬送方向とは逆の方向に現像ノズル51a・51bを移動させながら現像ノズル51a・51bから現像液をLCD基板Gに吐出することで、LCD基板Gに現像液を塗布することができる。このとき、LCD基板G上に現像液のパドルを安定して形成するためには、LCD基板Gはコロ搬送機構14の動作を停止して静止させた状態とすることが好ましい。
【0043】
現像ノズル51a・51bとしては、LCD基板Gの幅方向(Y方向)に長く(図6参照)、その下端には長手方向に沿ってスリット状の吐出口が形成され、そのスリット状の吐出口から略帯状に現像液を吐出することができる構造のものが好適に用いられる。現像ノズル51a・51bには、スリット状の吐出口に代えて複数の円形吐出口が所定間隔で複数形成されているものを用いることもできる。
【0044】
第1の現像液供給ゾーン24bで現像液が液盛りされたLCD基板Gを液切り/リンスゾーン24dへ搬送する間に、LCD基板G上から現像液がこぼれ落ちる場合がある。第2の現像液供給ゾーン24cでは、こうしてLCD基板の搬送途中にLCD基板Gからこぼれ落ちる現像液によって現像反応が進まなくなることを防止するために、新たにLCD基板Gに現像液を補充するように現像液を塗布する。
【0045】
第2の現像液供給ゾーン24cには、現像ノズル51a・51bと同様の構造を有する現像液補充ノズル51cが、その長手方向がY方向となるとなるように固定して設けられている。現像液補充ノズル51cからは、コロ搬送機構14によって搬送されるLCD基板G上に所定量の現像液が略帯状に吐出される。なお、この第2の現像液供給ゾーン24cは必須なものではない。
【0046】
LCD基板Gにおける現像反応は、第1の現像液供給ゾーン24bから液切り/リンスゾーン24dに搬送される間に行われる。逆に言えば、現像反応に要する時間を考慮して第1の現像液供給ゾーン24bから液切り/リンスゾーン24dへのLCD基板Gの搬送速度を決定する。
【0047】
液切り/リンスゾーン24dにおいては、LCD基板Gを傾斜姿勢に変換してLCD基板G上の現像液を流し落とし、さらに傾斜姿勢に保持されたLCD基板Gの表面に純水等のリンス液を吐出して、LCD基板G上の現像液を洗い流す。このような処理を行うために、液切り/リンスゾーン24dは、LCD基板Gを傾斜姿勢に変換することによってLCD基板Gに塗布された現像液を液切りする図示しない基板傾斜機構と、傾斜姿勢に保持されたLCD基板の表面に現像液を洗い流すリンス液(純水)を供給するリンスノズル52と、リンスノズル52を保持するリンスノズルアーム87と、リンスノズルアーム87と嵌合し、LCD基板Gの搬送方向に延在するように設けられたガイドレール86と、ガイドレール86に沿ってリンスノズルアーム87を移動させる駆動機構88とを有している。
【0048】
基板傾斜機構によって傾斜姿勢に保持されたLCD基板Gの表面に沿ってリンスノズル52をLCD基板Gの上方端から下方端へと移動させながら、リンスノズル52からリンス液をLCD基板Gに吐出することによって、LCD基板Gに残っている現像液を洗い流す。リンスノズル52の移動は高速、例えば、500mm/秒で行うことができ、こうしてLCD基板Gの現像液除去を短時間で行うことができる。
【0049】
リンスノズル52の1回の移動でLCD基板G全体にリンス液が行き渡るように、リンスノズル52はLCD基板Gの幅方向(Y方向)に長く、略帯状にリンス液を吐出するものを用いることが好ましい。リンスノズル52からはスプレー状にリンス液を吐出させてもよい。
【0050】
液切り/リンスゾーン24dにおける現像液の除去処理では現像液の除去は完全ではなく、このために第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fにおいて、LCD基板Gを搬送しながらさらにLCD基板Gにリンス液を供給して徹底的に現像液を除去する。
【0051】
第1リンスゾーン24eには2組のリンスノズル53a・53bが設けられ、第2リンスゾーンにも2組のリンスノズル53c・53dが設けられている。リンスノズル53a〜53dは、それぞれLCD基板Gの表面側に2本設けられ、裏面側に1本設けられている。リンスノズル53a〜53dとしては、搬送されるLCD基板G全体にリンス液を吐出できるように、LCD基板Gの幅方向(Y方向)に長く、略帯状にリンス液を吐出するものを用いることが好ましい。
【0052】
なお、第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fは、1箇所のリンスゾーンとして構成することが可能である。しかしながら、本実施形態では後に図7を参照しながら説明するように、リンスノズル53a〜53dから吐出されるリンス液の回収形態に対応させて、便宜上、現像処理ユニット(DEV)24は第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fの2箇所のリンスゾーンを有するものとして説明する。
【0053】
第2リンスゾーン24fを通過したLCD基板Gが搬送される乾燥ゾーン24gには、所定の風圧で窒素ガス等の乾燥ガスを噴射するエアーノズル(エアーナイフ)54が設けられている。乾燥ゾーン24gにおいては、LCD基板Gを所定速度で搬送しながらLCD基板Gの表面と裏面に乾燥ガスを噴射して、LCD基板Gに付着したリンス液を吹き飛ばしてLCD基板Gを乾燥する。なお、エアーノズル54は、LCD基板Gの幅よりも長い形状を有しており、LCD基板Gの幅方向全体に乾燥ガスを吐出することができるようになっている。乾燥処理が終了したLCD基板Gは、コロ搬送機構14によりi線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送される。
【0054】
続いて、液切り/リンスゾーン24d、第1リンスゾーン24e、第2リンスゾーン24fにおける構成とリンス液の供給・回収形態についてより詳細に説明する。図7は液切り/リンスゾーン24dと第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fにおける構成とリンス液の供給・回収形態を示す説明図である。
【0055】
液切り/リンスゾーン24dは、前述した基板傾斜機構やリンスノズル52等の他に、LCD基板Gを傾斜姿勢に変換した際にLCD基板Gから流れ落ちる現像液を回収する現像液回収トレー59と、現像液回収トレー59を閉塞可能な蓋体59aと、リンスノズル52からLCD基板Gに吐出されたリンス液を受ける第1回収トレー55aとを有している。
【0056】
現像液が液盛りされたLCD基板Gを傾斜姿勢に変換した際に、LCD基板Gから流れ落ちて現像液回収トレー59に回収された現像液は再利用に供することができる。リンスノズル52からLCD基板Gに吐出されたリンス液は、LCD基板Gに残っている現像液を洗い出しながら第1回収トレー55aへ流れ落ちてドレインを通じて廃棄される。
【0057】
第1リンスゾーン24eは、前述したリンスノズル53a・53bに加えて、リンスノズル53a・53bから吐出されるリンス液を受ける第2回収トレー55bと、第2回収トレー55bに流れ落ちたリンス液を回収して貯留する第1回収タンク56aと、第1回収タンク56aに貯留されたリンス液をリンスノズル52に送液する第1送液ライン110と、第1回収タンク56aに貯留されたリンス液をリンスノズル53aに送液する第2送液ライン111とを有している。
【0058】
リンスノズル53bには、所定圧力のガスを供給することができるようになっており、このガス圧を利用してリンス液を高速吐出することが可能となっている。これにより、現像処理によって形成された現像パターンの凹凸のエッジ部等に残る現像生成物を除去して、明瞭な凹凸を有する現像パターンを形成することが可能となる。なお、リンスノズル53aにもガス供給を行ってもよい。
【0059】
第1送液ライン110は、送液ポンプ58aと、第1回収タンク56a内に回収された一定量のリンス液を循環させる循環ライン110aとを有しており、同様に第2送液ライン111は、送液ポンプ58bと、第1回収タンク56a内に回収された一定量のリンス液を循環させる循環ライン111aとを有している。
【0060】
送液ポンプ58a・58bは、例えば、インバータ制御によって送液流量を変化させることができるようになっている。これにより、現像処理ユニット(DEV)24におけるLCD基板Gの搬送状態、例えば、LCD基板Gが所定間隔で連続的に搬送されている状態やロットの間のように一時的にLCD基板Gが搬送されてこない状態等に合わせて、リンスノズル52・53aからのリンス液の吐出量を変えるように制御することができる。また、循環ライン110a・111aを動作させることで第1回収タンク56a内のリンス液を撹拌して組成等が不均一となることを防止することができるようになっている。
【0061】
第1回収タンク56aはその内壁表面を洗浄するための洗浄ノズル57aを有している。この洗浄ノズル57aには、第1送液ライン110および第2送液ライン111からそれぞれ分岐して設けられたタンク洗浄ライン110b・111bを通じて第1回収タンク56aに回収されたリンス液が供給されるようになっている。
【0062】
第1回収タンク56aには、第1回収タンク56a内のリンス液の量が一定となるように、オーバーフロードレイン115aが設けられている。後述するように、第1回収タンク56a内へ送液されるリンス液の量つまりリンスノズル53bへ送液されるリンス液の量が、第1回収タンク56aから外部へ送液されるリンス液の量つまりリンスノズル52へ送液されるリンス液の量よりも多いために、現像処理ユニット(DEV)24を連続運転すると、第1回収タンク56aからリンス液がオーバーフローする事態を招くこととなるが、オーバーフロードレイン115aによってこのオーバーフローが防止される。また、第2送液ライン111によって第1回収タンク56a内の一定量のリンス液は循環利用されるために、一定量のリンス液をオーバーフローさせて廃棄することによって、第1回収タンク56a内のリンス液の汚れがひどくなるのを防止することができる。
【0063】
第1回収タンク56aには、内部に貯留されているリンス液量を検出するセンサ等を設けて、所定量のリンス液が貯留されていない場合には警報を発し、また、現像処理ユニット(DEV)24での処理が行われないようにインターロックをかける構成とすることも好ましい。
【0064】
第1送液ライン110から循環ライン110aとタンク洗浄ライン110bへ送液を行うか否かは、例えば、三方弁46a・46bの動作を制御することによって行うことができ、第2送液ライン111から循環ライン111aとタンク洗浄ライン111bへの送液も、例えば、三方弁47a・47bの動作を制御することによって行うことができる。
【0065】
図8は洗浄ノズル57aの一実施形態と洗浄ノズル57aからのリンス液の吐出形態の例を示す説明図である。例えば、洗浄ノズル57aとしては、中空リング状の形状を有し、リンス液を吐出する吐出口60が所定間隔で形成されたものを用いることができる。この吐出口60からは、例えば、略扇形または略円錐型に拡がるようにリンス液が吐出されて、第1回収タンク56aの内壁上部が一様にリンス液で濡れるようにすることが好ましい。こうして第1回収タンク56a内に汚れが付くことが抑制される。洗浄ノズル57aの内部にリンス液を濾過するフィルタ等を内蔵させる等、洗浄ノズル57aにはリンス液を浄化する機構を設けることも好ましい。洗浄ノズル57aから吐出されたリンス液は第1回収タンク56aの内壁上部にあたった後に下方へ落下して第1回収タンク56a内に貯留される。
【0066】
第2リンスゾーン24fは、前述したリンスノズル53c・53dに加えて、リンスノズル53c・53dから吐出されるリンス液を受ける第3回収トレー55cと、第3回収トレー55cに流れ落ちたリンス液を回収して貯留する第2回収タンク56bと、第2回収タンク56bに貯留されたリンス液をリンスノズル53bに送液する第3送液ライン112と、第2回収タンク56bに貯留されたリンス液をリンスノズル53cに送液する第4送液ライン113と、リンスノズル53dに新しいリンス液(未使用のリンス液)を供給する新液供給ライン114と、を有している。リンスノズル53cには、回収タンク56bと同様に所定圧のガスを供給することができるようになっている。
【0067】
第2回収タンク56bは第1回収タンク56aと同様の構造を有しており、洗浄ノズル57aと同様の構造を有する洗浄ノズル57bと、オーバーフロードレイン115bとを有している。また、第3送液ライン112は、送液ポンプ58cと、第2回収タンク56b内に回収された一定量のリンス液を循環させる循環ライン112aと、洗浄ノズル57bへ一定量のリンス液を送液するタンク洗浄ライン112bとを有しており、第4送液ライン113は、送液ポンプ58dと、第2回収タンク56b内に回収された一定量のリンス液を循環させる循環ライン113aと、洗浄ノズル57bへ一定量のリンス液を送液するタンク洗浄ライン113bとを有している。
【0068】
送液ポンプ58c・58dは送液ポンプ58a・58bと同様にインバータ制御等によってそれぞれ第3送液ライン112と第4送液ライン113におけるリンス液を流量を制御可能となっている。第3送液ライン112から循環ライン112aとタンク洗浄ライン112bへ送液は三方弁48a・48bの動作を制御することによって行われ、第4送液ライン113から循環ライン113aとタンク洗浄ライン113bへの送液もまた三方弁49a・49bの動作を制御することによって行われる。
【0069】
新液供給ライン114には、新しいリンス液を循環ライン(110a・111a)・(112a・113a)にそれぞれ供給するための新液分岐供給ライン114a・114bが設けられている。この新液分岐供給ライン114a・114bを用いれば、リンスノズル52とリンスノズル53a〜53cから新しいリンス液を吐出させることも可能であるが、新液分岐供給ライン114a・114bは、例えば、リンスノズル52等それ自体の内部洗浄処理や、第1回収タンク56aと第2回収タンク56bが空の場合に第1回収タンク56aと第2回収タンク56b内へリンス液を貯留させるために用いられる。
【0070】
液切り/リンスゾーン24dと第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fが上述した構造を有する場合においては、第2リンスゾーン24fでは、リンスノズル53dからLCD基板Gに吐出された新しいリンス液は第3回収トレー55cを介して第2回収タンク56bに回収される。また、第2回収タンク56bに回収された使用済みのリンス液には、第4送液ライン113によって第2回収タンク56bからリンスノズル53cに送液されてLCD基板Gに吐出され、その後に回収されたリンス液が含まれる。さらに、第2回収タンク56bに回収されたリンス液は第3送液ライン112によって第1リンスゾーン24eへ送液される。
【0071】
つまり、第2リンスゾーン24fでは、新しいリンス液がLCD基板Gのリンス処理に用いられながら、一部のリンス液は第2リンスゾーン24f内で循環されてリンス処理に再利用され、別の一部のリンス液は第1リンスゾーン24eへ送液されている。このようにLCD基板Gが搬送される方向(基板搬送方向)の上流側ではリンス液を再利用したリンス処理を行い、基板搬送方向の下流側で新しいリンス液を用いたリンス処理を行うことで、例えば、リンスノズル53c・53dの両方で新しいリンス液を用いる場合と比較すると、新しいリンス液の使用量を低減しながら最終的なLCD基板Gの洗浄品質を高く維持することが可能となる。
【0072】
また、第1リンスゾーン24eでは、基板搬送方向の下流側に位置するリンスノズル53bからは第2リンスゾーン24fに設けられた第2回収タンク56bに回収されたリンス液がLCD基板Gに吐出され、リンスノズル53bから吐出されたリンス液は第2回収トレー55bを介して第1回収タンク56aに回収される。第1回収タンク56aに回収された使用済みのリンス液には、第2送液ライン111によって第1回収タンク56aからリンスノズル53aに送液されてLCD基板Gに吐出され、その後に回収されたリンス液が含まれる。さらに、第1回収タンク56aに回収されたリンス液は第1送液ライン110によって液切り/リンスゾーン24dに設けられたリンスノズル52へ送液される。第1リンスゾーン24eにおいて第1回収タンク56aに回収されたリンス液の一部は、液切り/リンスゾーン24dに設けられたリンスノズル52に送液されて、傾斜姿勢に保持されたLCD基板Gに吐出される。こうして使用されたリンス液は比較的多くの現像液を含んでいることから、再利用せずにドレインから廃棄する。
【0073】
このように、第1リンスゾーン24eでは、第2リンスゾーン24fで回収された使用済みのリンス液がLCD基板Gのリンス処理に供給されながら、一部のリンス液は第1リンスゾーン24e内で循環されてリンス処理に再利用され、別の一部のリンス液は液切り/リンスゾーン24dへ送液されている。第1リンスゾーン24eでは新しいリンス液を用いないために新しいリンス液の使用量を低減することができる。
【0074】
現像処理ユニット(DEV)24におけるLCD基板Gのリンス処理においては、殆どの現像液は液切り/リンスゾーン24dにおいて除去され、LCD基板Gから除去される現像液の量は、液切り/リンスゾーン24d、第1リンスゾーン24e、第2リンスゾーン24fの順番で少なくなるために、第1リンスゾーン24eにおいて第2リンスゾーン24fで使用されたリンス液を再利用しても、それによって現像特性が悪化することはない。同様に、液切り/リンスゾーン24dにおいて第1リンスゾーン24eで使用されたリンス液を再利用しても、それによって現像特性が悪化することもない。
【0075】
次に、現像処理ユニット(DEV)24における現像処理工程について説明する。図9は現像処理工程の概略を示す説明図(フローチャート)である。現像処理を開始するにあたって、先ず、全てのリンスノズル52・53a〜53dから所定量のリンス液が吐出可能な状態となるように、第1回収タンク56aと第2回収タンク56bに所定量のリンス液を貯留させる必要がある。厳密には、LCD基板Gが液切り/リンスゾーン24dまで搬送されてきた時点で、第1リンスゾーン24dと第2リンスゾーン24fにおいてリンス処理を行うことができる状態になっているようにする必要がある。
【0076】
このため、例えば、定期清掃等のメンテナンス後であって、第1回収タンク56aと第2回収タンク56b内にリンス液が貯留されていない場合には、最初に第1回収タンク56aと第2回収タンク56bへのリンス液の貯留作業から開始する(ステップ1)。第2回収タンク56bへのリンス液の貯留は、新液供給ライン114からリンスノズル53dへ新しいリンス液を供給し、リンスノズル53dから吐出されるリンス液を回収することによって行われる。この間に、送液ポンプ58c・58dは動作を停止させた状態とする(ステップ1−1)。
【0077】
次に、第2回収タンク56b内に所定量のリンス液が貯留されたら、リンスノズル53dへの新しいリンス液の供給を続けながら、送液ポンプ58c・58dを動作させる。こうして、リンスノズル53cからのリンス液の吐出が開始され、また、第2回収タンク56bからリンスノズル53bへリンス液が供給されて、第1回収タンク56aへのリンス液の貯留が開始される(ステップ1−2)。このとき送液ポンプ58a・58bの動作は停止させた状態とする。第1回収タンク56a内に所定量のリンス液が貯留されたら、送液ポンプ58a・58bを動作させてリンスノズル52・53aへの送液を開始する(ステップ1−3)。こうして全てのリンスノズル52・53a〜53dから所定のリンス液が吐出されている状態となり、現像液塗布後のリンス処理を行うことが可能となる。
【0078】
なお、新液分岐供給ライン114a・114bと循環ライン110a・111a・112a・113aを利用して、第1回収タンク56aと第2回収タンク56bへのリンス液の貯留動作を行うことも可能である。
【0079】
第1リンスゾーン24eと第2リンスゾーン24fにおいてリンス処理を行うことができる状態となった時点で現像処理ユニット(DEV)24にLCD基板Gが搬入された場合には、先ず、パスユニット(PASS)73に搬入されたLCD基板Gを、コロ搬送機構14によって導入ゾーン24aを通過させて第1の現像液供給ゾーン24bに搬入する(ステップ2)。このパスユニット(PASS)73から第1の現像液供給ゾーン24bへのLCD基板Gの搬送速度は、例えば65mm/秒とする。
【0080】
第1の現像液供給ゾーン24bにおいては、LCD基板Gを所定位置で停止させた状態として(ステップ3)、現像ノズル51a・51bを、例えば、240mm/秒という高速で、基板搬送方向の前方から後方へ向けて移動させながらLCD基板Gの表面に現像液を塗布する(ステップ4)。LCD基板Gを停止させた状態とすることで、現像ノズル51a・51bの駆動制御が容易となる。また、安定して現像液をLCD基板上に液盛りすることができる。
【0081】
第1の現像液供給ゾーン24bにおける液盛りが終了したLCD基板Gを、コロ搬送機構14を動作させて、例えば、46mm/秒の搬送速度で第2の現像液供給ゾーン24cへ搬送する(ステップ5)。LCD基板Gが第2の現像液供給ゾーン24cを通過する際には、現像液補充ノズル51cからLCD基板G上に現像液が補充され、LCD基板Gの搬送時にLCD基板Gからこぼれ落ちる現像液が補充される(ステップ6)。
【0082】
第2の現像液供給ゾーン24cに搬送されたLCD基板Gはさらに液切り/リンスゾーン24dに搬送され(ステップ7)、そこでLCD基板Gを傾斜姿勢に変換してLCD基板G上の現像液を流し落とす(ステップ8)。こうしてLCD基板Gから流し落とされた現像液は、現像液回収トレー59に回収されて所定の回収ラインへ送液される。
【0083】
LCD基板Gが所定の傾斜角度に到達するとほぼ同時に、リンスノズル52から所定のリンス液を、例えば全体で20dm3/分の吐出量でLCD基板Gに向けて吐出させながら、リンスノズルアーム87をLCD基板Gの表面に沿って、例えば500mm/秒の速度で移動させる(ステップ9)。この場合には、1本のリンスノズル52から10dm3/分のリンス液が吐出されることとなるため、第1送液ライン110における全送液量を25dm3/分として、残りの5dm3/分の流量のリンス液をタンク洗浄ライン110bへ送液する。ステップ9の処理においては、現像液回収トレー59にリンス液が混入しないように、現像液回収トレー59の開口部を蓋体59aによって閉塞しておく。
【0084】
続いて、LCD基板Gを、例えば46mm/秒の搬送速度で第1リンスゾーン24eに搬送し(ステップ10)、そこでLCD基板Gをこの搬送速度で搬送しながらLCD基板Gの表面と裏面にリンス液を吐出して、LCD基板Gに付着している現像液の除去を行う(ステップ11)。ステップ11においても、1本のリンスノズル53aの吐出量が10dm3/分となるように、かつ、タンク洗浄ライン111bへ5dm3/分のリンス液を送液できるように、第2送液ライン111におけるリンス液の全流量を35dm3とする。
【0085】
また、リンスノズル53bへのリンス液の送液量はリンスノズル53aへのリンス液の送液量と同量とすることができる。この場合には、第2回収タンク56bからリンスノズル53bに送液されて第1回収タンク56aへ回収されるリンス液の量が30dm3/分となるのに対し、第1回収タンク56aから液切り/リンスゾーン24dに設けられたリンスノズル52へ送液されるリンス液の量は20dm3/分となるために、この差に相当する10dm3/分のリンス液がオーバーフロードレイン115aから廃棄される。
【0086】
第1リンスゾーン24eを通過したLCD基板Gは第2リンスゾーン24fに搬入される(ステップ12)。第2リンスゾーン24fにおいては、例えば、1本のリンスノズル53cのリンス液吐出量が10dm3/分となるように、かつ、タンク洗浄ライン113bへ5dm3/分のリンス液を送液できるように、第4送液ライン113におけるリンス液の全流量を35dm3とする。また、例えば、新液供給ライン114からリンスノズル53dに送液されるリンス液の全流量を40dm3/分として、より高い清浄度が要求されるLCD基板Gの表面にリンス液を吐出する2本のリンスノズル53dには各15dm3/分の流量でリンス液を供給し、LCD基板Gの裏面にリンス液を吐出する1本のリンスノズル53dには10dm3/分の流量のリンス液を供給して、LCD基板Gに対してリンス処理を施す(ステップ13)。
【0087】
このステップ13においては、LCD基板Gの搬送速度を、例えば、36mm/秒と、先の第1リンスゾーン24eにおける搬送速度よりも遅くして、より精密なリンス処理を行うことが好ましい。
【0088】
第2回収タンク56bにおいても、新液供給ライン114からリンスノズル53dに送液されて第2回収タンク56bへ回収されるリンス液の量が40dm3/分であるのに対して、第2回収タンク56bから第1リンスゾーン24dへ送液されるリンス液の量は30dm3/分であるために、この差に相当する10dm3/分のリンス液がオーバーフロードレイン115bから廃棄される。
【0089】
第2リンスゾーン24fを通過したLCD基板Gは乾燥ゾーン24gに搬入される(ステップ14)。乾燥ゾーン24gでは、例えば46mm/秒の搬送速度でLCD基板Gを搬送しながら、エアーノズル54による乾燥処理が行われる(ステップ15)。乾燥処理が終了したLCD基板Gは、コロ搬送機構14により、i線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送され(ステップ16)、そこで所定の紫外線照射処理が施される。
【0090】
所定枚数のLCD基板Gの現像処理が終了したら、次の所定枚数のLCD基板Gの処理開始までは、リンス液の流量を少なくして待機状態とする(ステップ17)。例えば、新液供給ライン114からリンスノズル53dへのリンス液の送液量を6dm3/分、第1送液ライン110〜第4送液ライン113におけるリンス液の送液量を3dm3/分、タンク洗浄ライン110b〜タンク洗浄ライン113bにおけるリンス液の送液量を2dm3/分、循環ライン110a〜113aにおけるリンス液の送液量を1dm3/分として、一定量のリンス液を液切り/リンスゾーン24dと第2リンスゾーン24fの間で流し、死水の発生を防止する。
【0091】
また、一定時間が経過する度に、リンスノズル52・53a〜53dから所定量のリンス液を吐出させて、リンスノズル52・53a〜53d内での死水の発生を防止することが好ましい。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、リンスゾーンを2箇所設けた場合について説明したが、例えば、リンスゾーンは3箇所以上設けても構わない。
【0093】
また、例えば、第1リンスゾーン24eにおいては、リンスノズル53aから吐出されるリンス液を主に回収するタンク(タンクAとする)と、リンスノズル53bから吐出されるリンス液を主に回収するタンク(タンクBとする)とを設け、第2リンスゾーン24fにおいては、リンスノズル53cから吐出されるリンス液を主に回収するタンク(タンクCとする)と、リンスノズル53dから吐出される新しいリンス液を主に回収するタンク(タンクDとする)とを別個に設けて、タンクDに回収されたリンス液をリンスノズル53cへ送液し、タンクCに回収されたリンス液をリンスノズル53bへ送液し、タンクBに回収されたリンス液をリンスノズル53aへ送液し、タンクAに回収されたリンス液をリンスノズル52に送液する構成とすることも可能である。
【0094】
さらに、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21においては、上流から下流にLCD基板Gを流しながら所定の洗浄処理が行われる。例えば、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21では、上流で洗浄液(純水)を流しつつブラシを使って大きなゴミを除去し、中流で高圧ジェットノズルや超音波洗浄ノズルから洗浄液(純水)を供給して中程度の大きさのゴミを除去し、下流でリンスノズルから洗浄液(純水)を供給して微小ゴミを除去している。ここで、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21を上流、中流、下流の3つのゾーンに分けて、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21でも、先に説明した現像処理ユニット(DEV)24と同様に、下流側から上流側に洗浄液(純水)を再利用することができる。
【0095】
なお、本発明はLCD基板Gに限定して適用されるものではなく、LCD以外の他の用途に用いられるガラス基板や、半導体ウエハ、その他のセラミックス基板等の液処理にも適用できる。
【0096】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、新しい洗浄液を基板の洗浄工程の最後で使用し、その前段階では一度使用された洗浄液を再使用するため、新しい洗浄液の全体としての使用量を低減することができ、これによって生産コストを削減することが可能となるという効果が得られる。また、基板搬送方向の上流側で使用回数の多い洗浄液を用い、下流へ向かうに従って使用回数の少ない洗浄液を用い、さらに、最も下流の洗浄処理部で新しい洗浄液を用いることから、基板の洗浄品質を高く保持することができる。さらに、再利用する洗浄液の一定量を廃棄する構成とした場合には、洗浄液の汚れがひどくなって基板へ悪影響を与えることを回避することも容易である。さらにまた、一部の洗浄液を循環させて、この洗浄液によって、例えば、タンク等の洗浄液を貯留する部分を洗浄させる構造とすることで、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液処理装置の一実施形態である現像処理ユニットを具備するレジスト塗布・現像処理システムの概略平面図。
【図2】図1に示したレジスト塗布・現像処理システムの第1の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図3】図1に示したレジスト塗布・現像処理システムの第2の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図4】図1に示したレジスト塗布・現像処理システムの第3の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図5】本発明の一実施形態である現像処理ユニットの概略構造を示す側面図。
【図6】本発明の一実施形態である現像処理ユニットの概略構造を示す平面図。
【図7】リンス液の供給・回収形態を示す説明図。
【図8】回収タンクに設けられた洗浄ノズルの一実施形態と洗浄ノズルからのリンス液の吐出形態の例を示す説明図。
【図9】現像処理工程の概略を示す説明図(フローチャート)。
【符号の説明】
1;カセットステーション
2;処理ステーション
3;インターフェイスステーション
24;現像処理ユニット(DEV)
24a;導入ゾーン
24b;第1の現像液供給ゾーン
24c;第2の現像液供給ゾーン
24d;液切り/リンスゾーン
24e;第1リンスゾーン
24f;第2リンスゾーン
24g;乾燥ゾーン
52・53a〜53d;リンスノズル
55b;第2回収トレー
55c;第3回収トレー
56a;第1回収タンク
56b;第2回収タンク
58a〜58d;送液ポンプ
100;レジスト塗布・現像処理システム(処理装置)
110〜113;第1〜第4送液ライン
114;新液供給ライン
G……LCD基板
Claims (10)
- 基板を略水平姿勢で略水平方向に搬送する基板搬送手段と、
前記基板搬送手段による基板搬送方向の最も下流側に設けられ、前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す下流側洗浄処理部と、
前記下流側洗浄処理部に隣接して前記基板搬送手段による基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す上流側洗浄処理部と、
を具備し、
前記下流側洗浄処理部は、
前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第1の洗浄液吐出ノズルと、
前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第2の洗浄液吐出ノズルと、
前記第1および第2の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第1の洗浄液回収手段と、
前記第1の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として新しい洗浄液を送液する新液供給手段と、
前記第2の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第1の送液ラインと、
を有し、
前記上流側洗浄処理部は、
前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第3の洗浄液吐出ノズルと、
前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第4の洗浄液吐出ノズルと、
前記第3および第4の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第2の洗浄液回収手段と、
前記第3の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第2の送液ラインと、
前記第4の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第3の送液ラインと、
を有し、
前記第1および前記第2の洗浄液回収手段はそれぞれ、
回収される所定の洗浄液を貯留する回収タンクと、
前記回収タンクに所定の洗浄液が回収される際に前記洗浄液を前記回収タンクの上部内壁に吐出して前記内壁を清掃するタンク洗浄ノズルと、
を有し、
前記第1および前記第2の送液ラインはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第2および前記第3の洗浄液吐出ノズルに送液し、前記第3の送液ラインは、前記第2の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第4の洗浄液吐出ノズルに送液するように構成され、
前記第1および前記第2の送液ラインにはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第1および第2のタンク洗浄ラインが分岐して設けられ、前記第3の送液ラインには、前記第2の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第3のタンク洗浄ラインが分岐して設けられていることを特徴とする洗浄処理装置。 - 前記第2および/または第3の洗浄液吐出ノズルは、ガス圧によって所定の洗浄液を加速して吐出させるガス圧加速手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の洗浄処理装置。
- 前記第1および前記第2の送液ラインはそれぞれ、前記回収タンク 内の洗浄液を排液するドレインをさらに有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄処理装置。
- 前記第1から第3の送液ラインは、所定の洗浄液の供給元となっている回収タンクに再び洗浄液を戻す洗浄液循環機構を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の洗浄処理装置。
- 前記新液供給手段は前記第1から第3の送液ラインに新しい洗浄液を供給可能な新液供給ラインを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗浄処理装置。
- 前記上流側洗浄処理部に隣接して前記基板搬送方向の上流側に配列され、前記基板に対して所定の洗浄処理を施す予備洗浄処理部をさらに具備し、
前記予備洗浄処理部は、
前記基板に所定の洗浄液を吐出する第5の洗浄液吐出ノズルと、
前記第5の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第4の送液ラインと、
を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の洗浄処理装置。 - 前記第4の送液ラインは、所定の洗浄液の供給元となっている回収タンクに再び洗浄液を戻す洗浄液循環機構を有することを特徴とする請求項6に記載の洗浄処理装置。
- 前記新液供給手段は前記第4の送液ラインに新しい洗浄液を供給可能な新液供給ラインを有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の洗浄処理装置。
- 基板を略水平姿勢で略水平方向に搬送する基板搬送手段と、
前記基板搬送手段によって搬送される基板に対して現像液を塗布する現像液塗布処理部と、
前記基板搬送手段による基板搬送方向に沿って配列され、前記現像液塗布処理部において現像液が塗布されて前記基板搬送手段によって搬送されている基板に対して所定の洗浄処理を施す複数の洗浄処理部と、
を具備し、
前記複数の洗浄処理部として、
前記現像液塗布処理部の基板搬送方向下流側に設けられた第1の洗浄部と、
前記第1の洗浄部の基板搬送方向下流側に設けられた第2の洗浄部と、
を有し、
前記第2の洗浄部は、
前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第1の洗浄液吐出ノズルと、
前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第2の洗浄液吐出ノズルと、
前記第1および第2の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第1の洗浄液回収手段と、
前記第1の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として新しい洗浄液を送液する新液供給手段と、
前記第2の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第1の送液ラインと、
を有し、
前記第1の洗浄部は、
前記基板搬送方向の下流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第3の洗浄液吐出ノズルと、
前記基板搬送方向の上流側に設けられ、前記基板に所定の洗浄液を吐出する第4の洗浄液吐出ノズルと、
前記第3および第4の洗浄液吐出ノズルから前記基板に吐出された洗浄液を回収する第2の洗浄液回収手段と、
前記第3の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第1の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第2の送液ラインと、
前記第4の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第3の送液ラインと、
を有し、
前記第1および前記第2の洗浄液回収手段はそれぞれ、
回収される所定の洗浄液を貯留する回収タンクと、
前記回収タンクに所定の洗浄液が回収される際に前記洗浄液を前記回収タンクの上部内壁に吐出して前記内壁を清掃するタンク洗浄ノズルと、
を有し、
前記第1および前記第2の送液ラインはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第2および前記第3の洗浄液吐出ノズルに送液し、前記第3の送液ラインは、前記第2の洗浄液回収手段の前記回収タンクに貯留された洗浄液を前記第4の洗浄液吐出ノズルに送液するように構成され、
前記第1および前記第2の送液ラインにはそれぞれ、前記第1の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第1および第2のタンク洗浄ラインが分岐して設けられ、前記第3の送液ラインには、前記第2の洗浄液回収手段において、前記洗浄タンクに貯留された洗浄液を前記タンク洗浄ノズルに送液する第3のタンク洗浄ラインが分岐して設けられていることを特徴とする現像処理装置。 - 前記現像液塗布処理部は、
基板に現像液を塗布する現像液塗布部と、
現像液が塗布された基板から現像液を流し落とす現像液液切り部と、
を有し、
前記現像液液切り部は、
現像液が塗布された基板を傾斜させて基板上の現像液を流し落とす基板傾斜手段と、
前記基板傾斜手段によって傾斜姿勢に保持された基板に所定の洗浄液を吐出する第5の洗浄液吐出ノズルと、
前記第5の洗浄液吐出ノズルに前記洗浄液として前記第2の洗浄液回収手段によって回収された洗浄液を送液する第4の送液ラインと、
を有することを特徴とする請求項9に記載の現像処理装置。
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