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JP3897970B2 - エディタ装置およびエディタプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

エディタ装置およびエディタプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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JP3897970B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラマブル表示器などの操作型表示装置に表示される画面の画面データを作画用のソフトウェアを用いずに編集するエディタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プログラマブルロジックコントローラ(以降、PLCと称する)などと呼ばれる産業用制御装置は、シーケンス制御をはじめとする各種制御を実現するために、ベルトコンベアー式の自動組付機などの種々のターゲットシステムを制御する制御装置として広く使用されている。さらに、近年では、ターゲットシステムの複雑化に伴って、複数台のPLCを互いに連携させて使用することも行われている。また、各PLCからのデータの表示やPLCへの制御指示は、PLCの近傍などに配される制御用表示装置で行われる。
【0003】
制御用表示装置として代表的なプログラマブル表示器は、ドット表示画面、操作用入力スイッチ、ホストコントローラ(PLC)とのインターフェース、画面上での操作入力のような制御のためのプログラムメモリなどを備えた操作用表示器である。一般に、プログラマブル表示器は、グラフィック表示を行うので、操作盤、スイッチ、表示灯などの機能を備えることができる他、制御対象機器(デバイス)の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値を入力する端末としての機能を備えている。
【0004】
このようなプログラマブル表示器で表示される制御画面は、画面作成ソフトウェア(作画エディタ)を用いてユーザ独自で作成できるようになっている。画面作成に際しては、ユーザが、パーソナルコンピュータなどにおいて作画ソフトによって提供されるスイッチ、ランプ、テンキー、メータ表示器、グラフ表示器などの部品、描画機能などを用いて所望の制御画面を構成する。
【0005】
作成された制御画面は、画面データとしてプログラマブル表示器に転送されて記憶される。PLCの稼働時には、プログラマブル表示器は、PLCとの間でやり取りされるデータに基づいて、制御対象機器の動作状態に応じて制御画面上に各部品や図形を表示させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の制御画面の変更やメンテナンスの必要が生じた場合には、作画ソフトを用いてそのための編集作業を行う必要がある。このため、制御画面の編集作業には、作画ソフトがインストールされたコンピュータが必要であり、それ以外のコンピュータを利用することができない。それゆえ、制御画面の編集作業を容易に行うことができないという不都合がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、作画ソフトによらずに制御画面の編集作業を可能にするエディタ装置およびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエディタ装置は、上記の課題を解決するために、デバイスの状態を表示するとともに、該デバイスへの制御指示を与える制御用表示装置に画面を表示するためのバイナリファイル形式の画面データが有する、ベース画面のファイル番号と、ベース画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名と、各実行事象毎に参照される1または複数の参照情報とを含む処理指示語をXMLファイル形式に変換する第1変換手段と、XMLファイル形式に変換された上記画面データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されたXMLファイル形式の上記画面データにおける上記処理指示語の記述内容を変更する変更手段と、上記記憶手段に記憶されたXMLファイルを上記制御用表示装置が表示処理可能なバイナリファイル形式に変換する第2変換手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成では、バイナリファイル形式の画面データが、第1変換手段によりXMLファイル形式に変換される。また、記憶手段に記憶されたXMLファイル形式の上記画面データは、その処理指示語の記述内容が変更手段によって変更される。変更手段としては、例えば、テキストファイルを編集できる汎用のテキストエディタを用いることができる。それゆえ、画面データを作成するための専用の画面作成用のソフトウェアを用いなくても、画面データを変更することができる。また、変更後のXMLァイルは、第2変換手段によって制御用表示装置が表示処理可能なバイナリファイル形式に変換される。これにより、変更後の画面データを制御用表示装置に表示させることができる。
【0010】
上記エディタ装置においては、上記第2変換手段が、上記デバイスを表すデバイスコードの表現形式を上記制御用表示装置に適合する表現形式に変換することが好ましい。このように変換することで、例えば、テキストファイル定義可能であるシンボル名を、制御用表示装置がデバイスを制御するPLCなどの制御装置にアクセス可能なバイナリデータに変換することができる。
【0011】
あるいは、上記エディタ装置においては、上記第1変換手段が、上記処理指示語を含まない画面データXMLファイルに変換することが好ましい。このように構成することによって、メーカ毎に形式の異なる制御用表示装置用の画面データやアプリケーションプログラムで作成された画面データなどが、XMLファイルに変換され、さらに第2変換手段によってバイナリファイル形式に変換されるので、前述の画面作成用のソフトウェアで作成できなかった形式の画面データを制御用表示装置に表示させることができる。
【0012】
このエディタ装置においては、上記第1変換手段が、上記処理指示語の表現形式が異なる画面についての画面データをXMLファイルに変換するとともに、上記処理指示語の表現形式を上記制御用表示装置に表示可能に変換することが好ましい。このように、画面に含まれる表示要素を特定する処理指示語の表現形式を変換することによって、例えば、画面データにおけるスイッチなどの図形部品のような表示要素が制御用表示装置に表示可能になる。
【0013】
本発明の記録媒体は、上記の課題を解決するために、コンピュータを上記の各エディタ装置の上記第1および第2変換手段ならびに上記変更手段として機能させるためのエディタプログラムを記録している。それゆえ、上記の各エディタ装置と同様に、画面作成用の専用のソフトウェアを用いずに画面データの編集を行うといったことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0015】
本実施の形態に係る制御システムは、図1に示すように、ホストコンピュータ1と、複数のプログラマブル表示器(以降、表示器と称する)2…と、複数のPLC3…とを備えている。
【0016】
ホストコンピュータ1および表示器2…は、共通の通信プロトコルで通信を行うことが可能な共通ネットワーク4を介して互いに接続されている。一方、表示器2およびPLC3は、PLC3毎に固有の通信プロトコルで通信を行うことが可能な専用ネットワーク5を介して個々に接続されている。また、表示器2は、後述するユーザ画面を作成するためのパーソナルコンピュータ8に接続されている。さらに、共通ネットワーク4は、図示しないルータを介してインターネット10に接続されている。このインターネット10には、クライアント装置9が接続されている。
【0017】
本実施の形態では、表示器2が共通ネットワーク4を介してデータ通信する場合、専用ネットワーク5を伝送される通信プロトコルに拘らず、統一した通信プロトコルで通信できるように、共通ネットワーク4で伝送可能な通信プロトコルに共通の通信プロトコル(共通プロトコル)を規定している。具体的に、本実施の形態では、共通ネットワーク4として、イーサネット(商標:ゼロックス社)などのローカルエリアネットワーク(LAN)が用いられており、共通ネットワーク4での通信プロトコルとして、TCP/IPが採用されている。
【0018】
PLC3は、CPU/電源モジュールと、入力ユニットと、出力ユニットとを備えている。CPU/電源モジュールは、CPUやメモリを含むCPU部と、PLC3の各部に電力を供給する電源部とからなっている。CPU部は、制御プログラムにしたがって、入力ユニットを介して入力機器(図中、I/D)6から入力される信号に基づいて出力機器(図中、O/D)7に与える制御データの演算処理を行う。入力ユニットおよび出力ユニットは、それぞれデバイスとしての入力機器6および出力機器7に接続されるインターフェース機能を有する部分であって、これらの機器との間で入出力されるデジタル信号またはアナログ信号を上記のCPU部とやり取りするようになっている。
【0019】
入力機器6としては、センサ(温度センサ、光センサなど)、スイッチ(押ボタンスイッチ、リミットスイッチ、圧力スイッチなど)のような機器が用いられる。出力機器7としては、アクチュエータ、リレー、電磁弁、各種表示器などが用いられる。これらの入力機器6…および出力機器7…は、製造ラインなどの各種のターゲットシステムの所要各部に配置される。
【0020】
コンピュータ8は、上記の作画エディタ8aおよび画面データファイル記憶部8bを備えている。
【0021】
作画エディタ8aは、表示器2が、入力機器6…および出力機器7…の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値を入力する端末としての機能を備えるように、表示部25に表示させるユーザ画面(画面)を作成する画面作成ソフトウェアである。
【0022】
一般に、作画エディタ8aは、ユーザ独自の画面であるユーザ画面を作成できるように、スイッチ、ランプ、テンキー、各種表示器(例えば、数値表示器、メータ表示器およびグラフ表示器)などの部品(表示要素)、タグ設定機能、描画機能、テキスト入力機能などを備えている。部品としては、単一の機能を有する単一部品だけでなく、複数の機能を有する、複合スイッチ、カウンタ、タイマといった複合部品が用意されている。このような複合部品は、単一部品と同様、ドラッグ&ドロップなどの操作によってベース画面の所望の位置に配置できるようにライブラリ形式で登録されている。表示要素としてのタグは、数値や直線などの動的変化を画面上の任意の位置で表現させるために、所望の位置(領域)に設定される所望の動画機能である。
【0023】
また、作画エディタ8aは、作成されたユーザ画面に配置された部品やタグに対応する各入出力機器6・7に対する前記の入出力番号(デバイスアドレス)を、変数を介して部品やタグに割り付ける。
【0024】
画面データファイル記憶部8bは、上記の作画エディタ8aによって作成されたユーザ画面の1画面分の画面データを1つのファイル(画面データファイル)として格納する。ここに記憶された画面データは、必要に応じて表示器2に転送され、ユーザメモリ27にダウンロードされる。画面データファイルは、例えば32ビットのバイナリファイルである。
【0025】
クライアント装置9は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどによって構成されており、バーチャルマシン91と、ブラウザ92とを備えている。バーチャルマシン91は、Java(登録商標)言語のプログラムを実行可能であり、プラットフォームに依存しないバイトコードをクライアント装置9のネイティブコードに変換する。一方、ブラウザ92は、インターネット10に接続された機器と通信し、受け取ったアプレットをバーチャルマシン91に実行させる。また、ブラウザ92は、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのプロトコルで任意のサーバ装置からHTML文書などの文書を受け取り、閲覧することもできる。
【0026】
上記のバーチャルマシン91およびブラウザ92は、多くのコンピュータに予めインストールされている汎用のブラウザソフトで実現できる。それゆえ、これらのコンピュータは、特別なプログラムをインストールすることなく、クライアント装置9として動作できる。また、共通ネットワーク4およびインターネット10を含む各種の通信路を介してプログラムをダウンロードするためのプログラムが、上記コンピュータに予めインストールされていれば、これらの通信路を介して、そのコンピュータへ上記プログラムを配付することもできる。
【0027】
制御用表示装置としての表示器2は、RAM、ROM、フラッシュROM、VRAMなどのメモリや、CPUなどの演算処理部を有しており、これらによって表示器2の各部の動作を制御している。また、表示器2は、データ処理部21、インターフェース部(図中、I/F)22・23、入力部24、表示部25、変換データ記憶部26、ユーザメモリ27およびメンテナンスポート28を備えている。
【0028】
データ処理部21は、後述するプロトコル変換の処理およびユーザ画面の表示制御を行うために各種のデータ処理を行う。
【0029】
データ処理部21は、両ネットワーク4・5での通信プロトコルが互いに異なる場合、変換データ記憶部27に記憶されたデータを参照しながら、一方の通信プロトコルから他方の通信プロトコルへ変換するように上記のプロトコル変換処理を行う。
【0030】
データ処理部21は、前述の作画エディタ8aで作成されたユーザ画面のデータ(画面データ)に基づいてVRAMなどを用いて表示部25にユーザ画面を描画させるように、上記の表示制御を行う。また、データ処理部21は、複数のユーザ画面をユーザによる切り換えの指示入力に応じて切り換える。
【0031】
ユーザ画面は、ターゲットシステムを模した背景画面に、予め設定された上記の部品やタグがシンボルとして合成されている。このように構成されるユーザ画面においては、入力機器6および出力機器7の動作状況や、後述する入力部24からの入力操作が、入出力機器6・7の実際の動作に応じた部品・タグの動きや表示状態(色など)の変化として反映される。各ユーザ画面は、例えば、図5に示すように、銘板など、表示内容を変更しない静止図形Bや、スイッチ、ランプ、メータなどのように、形状、色、点滅状態などの表示状態が変換する表示要素としての部品図形J(J1)を、ベース画面上に配置して形成される。
【0032】
一方、上記のユーザ画面の画面データは、図2に示すように、ベース画面のファイル番号Fと、ベース画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名Nと、各実行事象毎に参照される1または複数の参照情報Rとを含む処理指示語Wを組み合わせて構成されている。図3に示すように、表示要素(部品やタグ)を特定するための特定情報としての処理指示語Wが所定の画面領域(表示座標範囲)へ、所定のデバイスアドレスの内容に応じた部品図形Jを表示する処理指示語WLの場合、参照情報Rには、表示座標範囲(X,Y)と、デバイスアドレスAと、例えば、部品図形Jがスイッチの場合、ONを示す図形のファイルおよびOFFを示す図形のファイルなど、表示時に参照するファイル番号FLとが含まれる。また、図4に示すように、後述の入力部24を介して入力操作を規定する処理指示語WTの場合、参照情報Rには、入力部24におけるタッチパネル上の入力座標範囲X,Yと、その入力座標範囲の指定に連動してオンされるデバイスアドレスAとが含まれる。
【0033】
上記のデータ処理部21は、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めホストコンピュータ1から表示器2にダウンロードされている。また、このソフトウェアは、必要に応じて、表示器2の出荷時などに、予め表示器2にインストールされていてもよい。
【0034】
ここで、上記のプログラムメディアは、ホストコンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピディスクやハードディスクなどの磁気ディスク系、CD−ROM、MO、MD、DVDなどの光ディスクの光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0035】
また、本制御システムは、インターネット10を含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。ただし、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めホストコンピュータ1に格納されるか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0036】
インターフェース部22は、ホストコンピュータ1および他の表示器2との間の通信を行うために共通ネットワーク4に接続されている。この共通ネットワーク4を介した通信で後述のようにPLC3の出力データが表示器2からホストコンピュータ1に転送される。一方、インターフェース部23は、PLC3との間の通信を行うために専用ネットワーク5に接続されている。この専用ネットワーク5を介した通信で後述のようにPLC3からの出力データが表示器2に転送される。
【0037】
入力部24は、表示部25の表示面上で入力を行うためにタッチパネルのような入力装置によって構成されている。表示部25は、表示器2を制御盤などへの組み込みが容易な小型に構成するために、液晶パネルやELパネルのような平板型表示素子によって構成されている。
【0038】
変換データ記憶部26は、プロトコル変換処理に必要なデータを記憶している。このデータは、専用ネットワーク5と共通ネットワーク4との間で通信プロトコルを相互変換できれば、どのような形式でもよいが、本実施の形態に係る変換データ記憶部26は、専用ネットワーク5で伝送されるデータのフォーマットを示すデータ転送フォーマットと、両ネットワーク4・5で伝送されるコマンドコード間の対応関係を示すコマンド変換テーブルとを記憶している。
【0039】
ユーザメモリ27は、前述の作画エディタ8aでユーザによって作成されたユーザ画面を格納するメモリであってフラッシュROMなどから構成されている。
【0040】
メンテナンスポート28は、前述のコンピュータ8との間の通信を行うための通信ポートである。このメンテナンスポート28は、コンピュータ8の作画エディタ8aで作成されたユーザ画面の画面データを上記のユーザメモリ27にダウンロードするなどのために設けられている。
【0041】
上記のように構成される表示器2では、データ処理部21が、図5に示すように、所定の時間間隔で、上記のユーザメモリ27から、ベース画面のファイル番号Fが、現在表示中のベース画面である処理指示語WLを抽出し、各処理指示語WLのデバイスアドレスAの内容を、PLC3のメモリ3aから読み出して、内容に応じた部品図形Jを表示部25の表示面に表示する。例えば、ユーザメモリ27に格納された処理指示語WL1は、スイッチの表示を示しており、デバイスアドレスA1の機器に対応している。
【0042】
この処理指示語WL1を実行する場合、デバイスアドレスA1の内容が“0”であるため、データ処理部21は、スイッチがOFFであると判断し、データ処理部21が有するメモリ21aに格納されたファイルのうち、OFFに対応付けられたファイルFL1の図形を、表示座標範囲(X,Y)に表示する。これにより、当該座標範囲(X,Y)には、OFF状態のスイッチを示す部品図形J1が表示される。このように、データ処理部21が所定の時間間隔で画面データ内の処理指示語WL1などを実行することで、表示器2に表示されたユーザ画面にデバイスの状態が反映される。
【0043】
また、データ処理部21は、入力部24のタッチパネルへの押し操作など、オペレータの入力操作を受け取ると、ユーザメモリ27に記憶された画面データから、現在表示中のベース画面に対応し、上記の入力操作に適合する入力の処理指示語WTを検索し、入力結果に応じて、処理指示語WTが示すデバイスアドレスAの内容を変更する。例えば、有効入力座標範囲(X,Y)が上記の部品図形J1と同じ座標範囲に設定され、同じデバイスアドレスA1の内容を変更する処理指示語WT1が画面データ中に含まれている場合、オペレータが図5に示す画面の部品図形J1を押すと、データ処理部21による検索の結果、その処理指示語WT1が発見される。すると、データ処理部21は、処理指示語WT1に対応するデバイスアドレスA1の内容を書き換える。
【0044】
さらに、入力操作の後、データ処理部21が処理指示語WL1を処理すると、デバイスアドレスA1の内容が“1”に変更されているので、データ処理部21は、図6に示すように、ファイルFL2に対応し、ONを示す部品図形J2をユーザ画面上に表示する。この結果、データ処理部21は、入力操作に応じてデバイスアドレスの内容を書き換えるとともに、デバイスアドレスの内容に応じてユーザ画面の表示状態を更新する。
【0045】
なお、デバイスアドレスAは、制御対象となるデバイス(入力機器6および出力機器7)を特定するアドレスであって、例えば、PLC3のメモリ3aなど、表示器2やPLC3あるいはホストコンピュータ1などに設けられた記憶装置の一領域を表している。また、上記のデバイスは、入力部24などの入力装置から手動で入力されたデータが格納されたメモリであってもよい。さらに、例えば、表示器2におけるインターフェース部22・23が、その表示器2に接続されるPLC3や他の表示器2と通信することで、各アドレスの内容を取得したり、内容を変更したりできる。ここで、内容の取得/変更は、その都度指示してもよいし、表示器2内にキャッシュを用意し、内容の取得/変更時には、キャッシュへアクセスすると共に、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎に通信してデバイスアドレスAの実体と同期を取ってもよい。
【0046】
ホストコンピュータ1は、一般の汎用パーソナルコンピュータと同様に、CPU、メモリ(RAM、ROMなど)、外部記憶装置(ハードディスクドライブ、MOドライブなど)、表示装置および入力装置(キーボード、マウスなど)を有している。また、ホストコンピュータ1は、サーバ部11、インターフェース部(図中、I/F)12、画面データファイル記憶部13、ファイル記憶部14、ファイル変換部15、テキストエディタ16および公開サーバ部17を備えている。
【0047】
インターフェース部12は、表示器2との間の通信を行うために共通ネットワーク4に接続されている。
【0048】
サーバ部11は、共通ネットワーク4を介した表示器2…との間のデータ通信処理、PLC3から表示器2を介して転送されたPLC3の出力データを収集する処理などの処理を行う。上記の出力データは、デバイスの状態(数値、ON・OFFなど)を示すデータやPLC3自身の出力(アラーム出力など)である。また、サーバ部11は、このような出力データやデバイスアドレスを要求に応じて公開サーバ部17に供給する。
【0049】
画面データファイル記憶部13は、画面データファイル記憶部8bと同様に、上記の作画エディタ8aによって作成されたユーザ画面の画面データファイルを格納する。画面データファイル記憶部13には、画面データファイル記憶部8bの画面データファイルが、ホストコンピュータ1およびコンピュータ8と分離可能な記録媒体や、共通ネットワーク4を介した通信などの手段によって複写される。しかしながら、画面データファイル記憶部13は、画面データファイル記憶部8bと全く同じ画面データファイルを格納しておく必要はない。
【0050】
表示ファイル記憶部14は、HTML(HyperText Markup Language)ファイル記憶部14a、XML(eXtensible Mark-up Language) ファイル記憶部14bおよびアプレット記憶部14cを有している。HTMLファイル記憶部14a、XMLファイル記憶部14bおよびアプレット記憶部14cは、それぞれクライアント装置9からの要求に応じて送信されるHTMLファイル、XMLファイルおよびアプレットを格納する。
【0051】
ここで、前述のHTMLファイル、XMLファイルおよびアプレットについて説明する。
【0052】
まず、XMLファイル記憶部14bに格納されるXMLファイルは、表示器2用の画面データに含まれる各単位画面(1つのユーザ画面)毎に作成されている。各XMLファイルは、上記の単位画面に関連する各処理指示語を示すXML要素(エレメント)を含んでいる。
【0053】
例えば、表示器2用の画面データ内に、図3に示す形式で、ベース画面(単位画面)=1(メイン画面)の表示用の処理指示語(表示タグ)WLが含まれている場合、そのメイン画面に対応するXMLファイルでは、図7に示すように、その処理指示語WLに対応するTag要素E1が含まれている。このTag要素E1には、事象名、表示座標範囲、参照ファイル番号、デバイスアドレスなどに対応するTagName 要素E11、X要素E12およびY要素E13、LibraryNo 要素E14、BitSymbolName 要素E15などが含まれている。LibraryNo 要素E14は、ユーザがライブラリに登録した図形を利用するためのライブラリタグにおいて登録番号を表す。各要素E11〜E15の内容(コンテンツ)は、例えば、上記処理指示語WLの内容に応じて、それぞれ“L_0000”、−232および120、101、010100に設定されている。
【0054】
また、図4に示す入力用の処理指示語(入力タグ)WTに対応するTag要素E2(ここではタッチパネル入力タグ)では、事象名、デバイスアドレス、有効入力範囲などにそれぞれ対応するTagName 要素E21、SymbolName要素E22、X要素E23およびY要素E24、X2要素E25およびY2要素E26などの内容が、処理指示語WTの内容に応じて設定される。
【0055】
一方、アプレット記憶部14cに格納されるアプレットは、前記のHTMLファイルで参照されるとともに、前記のXMLファイルを参照しながら、表示器2が単位画面の表示や操作を行う際の動作と同等の動作を、クライアント装置9に実行させるプログラムである。このアプレットは、本実施形態において、クライアント装置9のバーチャルマシン91が実行可能なJava言語で記述されたバイトコードとして実現される。
【0056】
上記のアプレットは、画面データ中に出現可能な処理指示語(タグ)の種類に対応するメソッドが定義されたクラスと、XMLファイルを参照して、タグ種に対応するメソッドを呼び出すメソッドが定義されたクラスとを含んでいる。このアプレットを実行するバーチャルマシン91は、XMLファイルを参照し、タグを示すXML要素に基づいて、タグ種に応じたメソッドを呼び出すことができる。
【0057】
例えば、バーチャルマシン91が実行するメソッドのうち、タグ種に対応するメソッドは、表示タグの場合、所定の時間間隔で呼び出され、特定のデバイスアドレスのデータをサーバ部11へ要求するとともに、応答に応じた表示を行う描画メソッドである。また、入力タグに対応するメソッドは、入力イベントが発生したときに呼び出され、入力結果に応じたデータを特定のデバイスアドレスへ書き込むように、サーバ部11へ要求する入力メソッドである。
【0058】
ここで、本実施の形態に係る画面データでは、各単位画面の切り換え動作も、入力タグとして実現されており、その入力タグには、デバイスアドレスとして、表示器2内の記憶領域のうち、現在表示されている単位画面を示すデータが格納されるシステム領域が関連付けられている。
【0059】
したがって、上記各入力メソッドのうち、上記の特定のシステム領域への変更指示を要求する入力メソッドは、通常の入力メソッドと同様に、サーバ部11へ単位画面の変更指示を送信するとともに、変更後の単位画面に応じたXMLファイルを読み込む。これにより、クライアント装置9および表示器2は、常時同じ単位画面を表示できる。
【0060】
また、上記入力メソッドは、上記特定のシステム領域への変更指示を送信する代わりに、クライアント装置9内に設けられた代替の記憶領域の内容を変更してもよい。この場合、他のメソッドにて、上記のシステム領域を参照する際は、サーバ部11へ問い合わせる代わりに上記の代替記憶領域が参照される。この場合、クライアント装置9は、表示器2用の単位画面であっても、その表示器2で現在表示している単位画面とは異なる単位画面を表示できる。
【0061】
さらに、例えば、後述するアプレット実行時のパラメータ設定によって指定したり、あるいは、単位画面の選択操作と連動してメニューを表示して選択させるなどして、表示器2と同じ単位画面を表示するか、異なる単位画面を表示するかを選択できるように、上記の各メソッドを作成してもよい。この場合、同じアプレットやXMLファイルを使用しているにも拘らず、例えば、表示器2のオペレータの操作を監視したい場合などには、前者を選択し、オペレータの操作とは別に表示器2を監視したい場合などには、後者を選択することができる。
【0062】
また、XMLファイルを参照するメソッドは、例えば、そのXMLファイルから、タグを示すXML要素を抽出し、そのタグの種類(例えば、XML要素中のTagName 要素の内容)に対応するクラスのインスタンスを生成し、当該インスタンスのフィールドへ、上記タグのパラメータ(例えば、上記XML要素中の各要素の内容)を設定するなどして、XMLファイルに応じたメソッドをバーチャルマシン91に実行させることができる。
【0063】
一方、HTMLファイルには、図8に示すように、上記アプレットをクライアント装置9のバーチャルマシン91へ実行させるための文字列P11と、例えば、“ <HTML> ”や“ <TITLE>”など、HTML文書として必要な文字列P1とが含まれている。また、HTMLファイルには、例えば、アプレットが表示する表示器2を説明する文字や画像を表示するための文字列など、HTMLの書式に沿った文字列P2が含まれていてもよい。さらに、HTMLファイルには、単位画面切り換え用のアプレットを実行させるための文字列P12が含まれていてもよい。
【0064】
本実施の形態では、XMLファイルが単位画面毎に設けられており、例えば、クライアント装置9のブラウザ92が上記のHTMLファイルを表示する際に最初に表示する単位画面の指定や表示器2の指定など、画面データ(表示器2)全体に関連する情報(グローバル情報)は、上記の文字列P11中に含まれている。本実施形態の場合、当該情報は、アプレットを実行する際のパラメータとして指定されており、例えば、最初の単位画面は、PARAM要素の属性名“BASESCR ”の属性値(この例では、“1”)として指定される。
【0065】
図1に示す第1変換手段としてのファイル変換部15は、画面データファイル記憶部13に記憶された画面データファイルを、前述のHTMLファイルおよびXMLファイルに変換する。また、第2変換手段としてのファイル変換部15は、前述の表示ファイル記憶部14のHTMLファイル記憶部14aに記憶されたHTMLファイルおよびXMLファイル記憶部14bに記憶されたXMLファイルを画面データファイル(バイナリファイル)に変換する。
【0066】
ファイル変換部15は、例えば、表示器2用の画面データから、ベース画面のファイル番号Fが所定の値である単位画面の処理指示語(処理指示語WL・WTなど)を順次抜き出し、それに応じたXML要素を生成し、そのXML要素の内容を上記の処理指示語に応じて設定することで、その単位画面のXMLファイルを作成する。また、ファイル変換部15は、その逆の処理を行うことによって、XMLファイルから画面データファイルを作成する。
【0067】
上記のファイル変換部15は、XMLファイルを画面データファイルに変換する際に、XMLファイルに含まれるデバイスコード(デバイスに付与されたD100のようなコード)を表示器2で用いられるデバイスコードに変換する。デバイスコードの変換においては、ファイル変換部15が有する変換用のテーブルを参照して処理が行われる。
【0068】
具体的には、XMLファイルでは、シンボル名(例えば、“CONTROL BIT1”)で定義できるが、表示器2でPLC3に接続されたデバイス(入出力機器6・7)にアクセスする場合、シンボル名によるアクセスができない。そこで、そのシンボル名を、サーバ部11で用意されているアドレス表記された4バイトのデータに変換する。例えば、“CONTROL BIT1”が<SymbolName>に指定された場合、図7に示すようなXMLファイルにおいては、次のように記述される。そして、“CONTROL BIT1”が“010100”として登録されている場合、上記のシンボル名が0x2774のバイナリデータに変換される。
【0069】
Figure 0003897970
また、ファイル変換部15は、XMLファイルを画面データファイルに変換する際に、XMLファイルに文法の誤りなどの変換できない記述が含まれていると、その記述を変換しないとともに、変換できないことをエラー表示を行うことによってユーザに報知する。
【0070】
具体的には、表示器2の描画コマンドでサポートしていないパラメータをXMLファイルの<Draw>で指定された場合、図7に示すようなXMLファイルにおいては、次のように記述される。ファイル変換部15は、この記述において、<Draw>から</Draw> までをスキップし、“Web Page.log”ファイルに“<Draw>Maruはスキップされました。”というメッセージを出力し、変換処理もスキップする。
【0071】
Figure 0003897970
また、表示器2のタグコマンドのパラメータで有効値以外が指定された場合、図7に示すようなXMLファイルにおいては、次のように記述される。ファイル変換部15は、この記述において、そのパラメータに対して“パラメータが有効値ではありません。”という警告メッセージを“Web Page.log”ファイルに出力し、デフォルト値“7”で変換する。
【0072】
Figure 0003897970
編集手段としてのテキストエディタ16は、XMLファイル記憶部14bにおけるXMLファイルを編集するエディタであり、XMLファイルの編集用のエディタであってもよいし、汎用のエディタが利用されてもよい。このテキストエディタ16は、テキストファイルを編集できるエディタであれば特に限定されない。ホストコンピュータ1は、このテキストエディタ16と、前述の画面データファイル記憶部13およびXMLファイル記憶部14bを備えることによって、画面データを編集するためのエディタ装置として機能する。
【0073】
公開サーバ部17は、クライアント装置9からの要求に対し、例えば、URI(Universal Resource Interface) などに基づいて、クライアント装置9が要求しているHTMLファイルおよびXMLファイル、あるいはアプレットを判別し、これらをクライアント装置9へ配布する。この公開サーバ部17は、インターフェース部12から共通ネットワーク4およびインターネット10を介してクライアント装置9に上記のアプレットを送出する。ホストコンピュータ1は、公開サーバ部17を備えることによって、インターネット10上でWebサーバとして機能する。
【0074】
また、公開サーバ部17は、配布したアプレットを実行するクライアント装置9から、前述のデバイスアドレスAの内容の問い合わせを受け取ると、サーバ部11へアクセスして、デバイスアドレスAの内容を取得して、クライアント装置9に返答する。また、公開サーバ部17は、クライアント装置9からデバイスアドレスAの内容変更指示を受け取ると、デバイスアドレスAの内容を指示に応じた値に書き換える。
【0075】
上記のサーバ部11および公開サーバ部17は、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めホストコンピュータ1にインストールされている。このプログラムメディアも、前述のプログラムメディアと同様、ホストコンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体である。また、上記のファイル変換部15およびテキストエディタ16も、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めホストコンピュータ1にインストールされている。このプログラムメディアも、前述のプログラムメディアと同様、ホストコンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体である。
【0076】
続いて、上記のように構成される制御システムにおいて、画面データファイル記憶部13に格納されている画面データを編集する場合の処理について説明する。制御システムの使用者は、ターゲットシステムの実情、表示器2のオペレータの習熟度、使用者の好みなどによってユーザ画面に修正や変更を施すことがよくある。本実施の形態では、エディタ装置としてのホストコンピュータ1においてテキストファイル形式に変換された画面データを編集することによって上記の修正や変更を実現する。
【0077】
画面データファイル記憶部13に格納された画面データファイルから、ユーザが編集を所望する画面データファイルが選ばれ、編集のためのファイル変換が指示されると、その画面データファイルがファイル変換部15によってHTMLファイルおよびXMLファイルに変換される。HTMLファイルは、HTMLファイル記憶部14aに格納され、XMLファイルは、XMLファイル記憶部14bに格納される。
【0078】
ユーザは、テキストエディタ16を用いて、XMLファイルを編集することによって、画面データに修正や変更を施す。例えば、図7に示すようなXMLファイルを編集する場合、Tag要素E11〜E15のうち、変更などが必要なTag要素が編集される。
【0079】
編集が終了して、ファイルの逆変換が指示されると、そのXMLファイルがファイル変換部15によってバイナリファイルである画面データファイルに変換される。
【0080】
上記のようにして、編集された画面データファイルは、サーバ部11から出力され、共通ネットワーク4を介して表示器2のユーザメモリ27にダウンロードされる。これにより、その画面データファイルの画面データを用いて、ターゲットシステムの可動状況を表示器2の表示部25に表示することができる。
【0081】
このように、本実施の形態の制御システムでは、ホストコンピュータ1において、画面データファイルを、ファイル変換部15によってテキストファイルであるHTML/XMLファイルに変換してテキストエディタ16を用いて編集した後、ファイル変換部15によって画面データファイルに逆変換するように構成されている。これにより、バイナリファイルをHTML/XMLファイルに変換できるプログラムと、XMLファイルを記憶するためのプログラムと、汎用のテキストエディタとを利用することで、画面データの編集を行うことができる。このようなプログラムは、一般に容易に入手可能であるので、画面データに修正や変更を施す必要があるときに、画面作成のための専用ソフトウェアである作画エディタ8を用いて画面データを編集する必要がなくなる。
【0082】
したがって、画面データの編集作業の自由度を高めることができる。例えば、本制御システムにおいては、後述するように、ホストコンピュータ1が画面データをインターネット10上で公開するために、XMLファイル記憶部14bを含む表示ファイル記憶部14を備えているので、このXMLファイル記憶部14bを利用して編集を行うことができる。また、ホストコンピュータ1が共通ネットワーク4を介して表示器2と接続されるので、編集後に画面データファイル記憶部13に記憶された画面データファイルの表示器2への転送を容易に行うことができる。それゆえ、適時に効率的に画面データの修正や変更を行うことが可能になる。
【0083】
また、ユーザ画面が画面データを部品やタグの組み合わせで生成されるので、上記のような編集機能を用いることによって、画面データの変更などの要求に柔軟に対応でき、最適な状態を保ち続けることができる。しかも、画面データファイルを制御用ホストホストコンピュータ1の画面データファイル記憶部13で一括して管理できるため、多くの場所で分散して管理する場合に比べて、画面データを容易に管理できる。
【0084】
なお、上記の例では、テキストファイルとしてXMLファイルを用いているが、テキストエディタ16で編集可能であれば、CSV(Comma Separated Value) ファイルなどの他のテキストファイルを用いてもよい。
【0085】
ところで、前述のようにHTMLファイル記憶部14aに記憶されたHTMLファイルおよびXMLファイル記憶部14bに記憶されたXMLファイルは、アプレット記憶部14cに記憶されたアプレットによってクライアント装置9で実行することができる。以下に、その動作を詳細に説明する。
【0086】
ホストコンピュータ1における公開サーバ部17は、表示器2が画面データに基づいてデバイスの状態に応じて表示する動作、および操作に応じたデバイスの状態変更を指示する際の動作とほぼ同様の動作をクライアント装置9へ指示する。ただし、表示器2が画面データに基づいて動作する場合と異なり、表示先は、クライアント装置9の図示しない表示装置であり、操作は、クライアント装置9の図示しない入力装置から受け取る。また、クライアント装置9がデバイスの状態を問い合わせる相手や、状態変更指示の送信先も公開サーバ部17に変更されている。このため、公開サーバ部17は、上記指示にしたがって動作するクライアント装置9と通信して、デバイスの状態をクライアント装置9へ伝えるとともに、デバイスの状態変更指示をクライアント装置9から受け取ることができる。さらに、公開サーバ部17は、表示器2と所定のタイミングで通信しており、表示器2に接続されたデバイスの状態を把握するとともに、デバイスの状態変更指示を送信できる。
【0087】
これにより、クライアント装置9は、インターネット10を介して遠隔地から接続されている場合であっても、表示器2の画面と同一内容の画面を表示するとともに、同じ操作で、デバイスの状態を制御できる。
【0088】
また、このため、ホストコンピュータ1におけるファイル変換部15は、画面データファイル記憶部13に記憶された画面データファイルのうち指定された画面データファイルに基づいて、HTMLファイルおよびXMLファイルなどの公開用ファイルを生成して、HTMLファイル記憶部14aおよびXMLファイル記憶部14bのうち、ユーザ用の領域に格納する。
【0089】
一方、インターネット10を介して、クライアント装置9がホストコンピュータ1における公開サーバ部17にアクセスして、ある表示器2のユーザ画面を表示するように指示すると、公開サーバ部17は、例えば、クライアント装置9から受け取った識別番号およびパスワードが予め定められたユーザ画面であるか否かを確認するなどして、上記のユーザ画面による表示/制御が上記クライアント装置9、またはそのユーザに許可されているか否かを認証し、許可されていないクライアント装置9からのアクセスを拒否する。
【0090】
公開サーバ部46は、許可された正規なクライアント装置9に対してのみ、上記の公開用ファイルのうち、クライアント装置9が要求したユーザ画面を表示するためのHTMLファイルをHTMLファイル記憶部14aから読み出し、インターネット10を介してクライアント装置9へ当該ファイルを送信する。さらに、クライアント装置9のブラウザ92は、HTMLファイル中の各APPLET要素(“ <APPLET> ”から“ </APPLET>”の部分)で指定されたアプレットを公開サーバ部17から取得し、バーチャルマシン91へ実行させる。また、上記のアプレットを実行するバーチャルマシン91は、ユーザ画面の表示に必要なXMLファイルを公開サーバ部17から取得する。
【0091】
さらに、バーチャルマシン91は、XMLファイルを参照しながら、公開サーバ部17と通信して、上記のHTMLファイルで指定された表示器2のユーザ画面を表示して、そのユーザ画面への操作に応じた制御を指示する。具体的には、バーチャルマシン91は、XMLファイルを参照し、各処理指示語に応じたインスタンスを生成する。これらのインスタンスのうち、表示用の処理指示語に応じたインスタンスの描画メソッドは、所定の時間間隔で実行される。この結果、バーチャルマシン91は、デバイスアドレスAの内容を公開サーバ部17へ問い合わせる。
【0092】
一方、公開サーバ部17は、問い合わせを受けると、サーバ部11において、当該アプレットに対応するユーザの記憶領域のうち、デバイスアドレスAに対応する領域から、データを読み出して、クライアント装置9に送信する。そのデータがインターネット10を介してクライアント装置9に伝えられると、上記の描画メソッドは、そのデータ(デバイスアドレスAの内容)に応じて、クライアント装置9に表示されるユーザ画面における予め定められた表示領域(X,Y)の表示を更新する。
【0093】
ここで、上記のXMLファイルおよびアプレットを呼び出すHTMLファイルは、画面データに基づいて生成されており、上記の各インスタンスは、画面データ中の対応する処理指示語と、同じデバイスアドレスを参照するように設定されている。また、各インスタンスの描画メソッドは、デバイスアドレスの内容が同じ場合、処理指示語と同じ画像を表示するように作成されている。したがって、アプレットが実行されると、クライアント装置9の表示画面には、図5や図6に示す画面と同様、デバイスの状態を示す部品図形J1(J2)が表示される。
【0094】
上記のHTMLファイルには、複数のアプレットが含まれているが、各アプレットは、ブラウザ92から、その画面領域内の相対座標(例えば、左上隅などを基準とする相対座標)で描画する。したがって、クライアント装置9は、HTMLファイルに含まれているアプレットの個数や順番に拘らず、デバイスの状態を表示できる。
【0095】
一方、バーチャルマシン91は、アプレットの実行中、例えば、マウス操作などの入力操作が行われると、入力用の処理指示語に対応するインスタンスのうち、入力操作に応じたインスタンスの入力メソッドを実行する。これにより、バーチャルマシン91は、入力結果に応じたデータを、特定のデバイスアドレスへ書き込むように、公開サーバ部17を介してサーバ部11に要求する。サーバ部11は、記憶領域のうち要求されたデバイスアドレスAの領域の内容を書き換える。書き換えられたその内容は、共通ネットワーク4を介して表示器2に送信される。この結果、クライアント装置9の表示面には、書き込み後、上記の描画メソッドが実行された時点で、表示器2と同様に操作結果が反映される。
【0096】
ここで、ホストコンピュータ1は、サーバ部11に記憶された内容と、表示器2に記憶されたデバイスアドレスの実体とを同期させている。なお、その同期をとる際、いずれの方向に伝送するかは、例えば、変更時刻や、操作の優先順位などに応じて決定される。
【0097】
例えば、表示器2のデバイスアドレスの内容に合わせてサーバ部11の記憶内容を更新する場合、サーバ部11が、表示器2と同様にデバイスアドレスの内容を取得し、デバイスデータとして送信する。これとは逆に、サーバ部11の記憶内容の変更をデバイスアドレスの実体に伝える場合、表示器2がアクセスしてきた時点で、サーバ部11は、記憶しているデバイスデータを読み出し、表示器2へ送信する。
【0098】
なお、本実施の形態では、HTMLファイル記憶部14aおよびXMLファイル記憶部14bには、画面データに基づいて生成したHTMLファイルおよびXMLファイルが格納されているが、ファイル形式はこれに限定されない。例えば、デバイスデータを統計処理したデータを表示するHTMLファイルなど、デバイスデータに基づいて表示するためのファイルを公開してもよい。
【0099】
例えば、ホストコンピュータ1が、画面データおよびデバイスデータに基づいて、表示器2の画面表示と同一内容で、クライアント装置9が表示可能な形式の画像ファイル(ビットマップ形式やJPEG形式のファイルなど)を生成し、クライアント装置9へ当該ファイルを送信してもよい。この場合は、クライアント装置9からデバイスの状態を制御できないものの、遠隔地からでも表示器2の画面を表示できる。また、この場合でも、各表示器2の画面を表示するためのプログラムを、クライアント装置9に予めインストールしておく必要がないので、インストールの手間、時間および費用を削減できる。
【0100】
ただし、公開サーバ部17とクライアント装置9とがインターネット10を介して通信している場合など、両者間の通信速度が遅い場合、画面を示すデータを送信すると、クライアント装置9における画面の更新速度が低下してしまう。
【0101】
これに対して、本実施形態では、上記の問い合わせ、変更指示および表示動作をクライアント装置9に行わせるアプレットを配信しているので、データ伝送量を大幅に削減でき、クライアント装置における応答速度を大幅に向上できる。また、例えば、カーソル移動などのユーザーインターフェースをクライアント装置側で処理できるので、さらに、応答速度を向上できる。
【0102】
また、上記実施形態では、アプレットを公開する場合を例にして説明したが、アプレットの代わりに、例えば、べーシックなどのプログラム言語をコンパイルするなどして作成され、アプレットと同様の動作をクライアント装置9に実行させる実行プログラムを配信しても、ほぼ同様の効果が得られる。
【0103】
ただし、本実施の形態のように、クライアント装置9のバーチャルマシン91がそのアプレットを解釈して表示・制御する場合、クライアント装置9がバーチャルマシンを備えていれば、クライアント装置のオペレーティングシステム(OS)やCPUが実行可能な機械語が異なっていても、アプレットを実行できる。したがって、公開サーバ部17が配布するアプレットの種類を増加させることなく、より多くのクライアント装置9で表示器2と同様に表示/制御できる。
【0104】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、前述の実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0105】
本実施の形態に係る制御システムは、図9に示すように、ホストコンピュータ1が、実施の形態1のホストコンピュータ1にアプリケーションファイル記憶部18を加えた構成となっている。
【0106】
アプリケーションファイル記憶部18は、ファイル変換部15によってHTMLファイルおよびXMLファイルに変換が可能な形式のアプリケーションファイルを格納している。アプリケーションファイルとしては、表示器2と異なるメーカ用の画面データファイルや、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)のような監視制御用ソフトウェアであるが動作するコンピュータに表示されるユーザ画面の画面データファイルや、表示器2に表示できるテキストや画像のデータファイルが好適である。SCADA用の作画ソフトウェアは、機械の運転動作や制御盤の操作パネルを表示する高機能グラフィックモニタソフトであり、前述の作画エディタと同様、基本図形の描画機能や予め用意された部品を利用してユーザ画面を作成できるように構成されている。
【0107】
また、ホストコンピュータは、上記のファイルを作成するアプリケーションプログラムがインストールされていてもよい。あるいは、このようなアプリケーションプログラムが、共通ネットワークに接続される他のコンピュータにインストールされている場合は、上記のファイルがそのコンピュータから共通ネットワークを介してアプリケーションファイル記憶部18にダウンロードされていてもよい。
【0108】
一般に、画面データは、それを作成するソフトウェア(作画エディタ)の供給者(メーカ)毎に画面データファイルにおける処理指示語の表現形式が異なっていることが多い。そこで、本実施の形態のファイル変換部15は、アプリケーションファイル記憶部18に記憶された上記のような画面データファイルの処理指示語の表現形式を表示器2の画面データファイルの処理指示語の表現形式に変換する機能をさらに備えている。この変換機能は、相互に変換する画面データファイル間で対応する処理指示語を関連付けるテーブルを参照することによって実現される。
【0109】
また、ファイル変換部15は、表計算やワードプロセッサのアプリケーションプログラムで作成された画面データファイルのように処理指示語を含まない画像データファイルを単にHTMLファイルおよびXMLファイルに変換する。
【0110】
上記のように構成される制御システムでは、ホストコンピュータ1において、アプリケーションファイル記憶部18に格納された画面データファイルが、ファイル変換部15によってHTMLファイルおよびXMLファイルに変換されて、それぞれHTMLファイル記憶部14aとXMLファイル記憶部14bに記憶される。そして、XMLファイル記憶部14bに記憶されたXMLファイルは、必要に応じてテキストエディタ16によって編集される。
【0111】
XMLファイル記憶部14bに記憶された上記のXMLファイルは、さらにファイル変換部15によって画面データファイル(バイナリデータファイル)に変換される。このとき、処理指示語を含む画面データファイルは、その処理指示語の表現形式が、上記の変換テーブルを参照することによって、表示器2用の画面データファイルの処理指示語の表現形式に変換される。上記のファイル変換によって得られた画面データファイルは、画面データファイル記憶部13に格納される。
【0112】
このように、本実施の形態の制御システムにおけるホストコンピュータ1は、表示器2用の画面データファイルと異なる種類(形式)の画面データファイルをテキストファイルとしてのHTMLファイルおよびXMLファイルに変換した後、表示器2用の画面データファイルとしてファイル形式を変換するように構成されている。これにより、表示器2用として作成された画面データと異なるデータ形式の画面データなどを表示器2の表示部に表示することができる。また、テキストや図表を作成できるアプリケーションプログラムで作成された画面データファイルを表示器2で表示するので、ユーザ独自のヘルプ画面などを汎用のアプリケーションプログラムで作成してユーザ画面として利用することができる。
【0113】
なお、本実施の形態では、アプリケーションファイル記憶部18に記憶された画面データファイルをHTMLファイルおよびXMLファイルに変換しているが、これらの画面データファイルを作成するアプリケーションプログラムがそのようなファイル変換を行う機能を有する場合、ファイル変換部15による上記のファイル変換が不要になる。
【0114】
【発明の効果】
以上のように、本発明のエディタ装置は、デバイスの状態を表示するとともに、該デバイスへの制御指示を与える制御用表示装置に画面を表示するためのバイナリファイル形式の画面データが有する、ベース画面のファイル番号と、ベース画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名と、各実行事象毎に参照される1または複数の参照情報とを含む処理指示語をXMLファイル形式に変換する第1変換手段と、XMLファイル形式に変換された上記画面データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されたXMLファイル形式の上記画面データにおける上記処理指示語の記述内容を変更する変更手段と、上記記憶手段に記憶されたXMLファイルを上記制御用表示装置が表示処理可能なバイナリファイル形式に変換する第2変換手段とを備えるので、変更手段として、例えば、XMLファイルを編集できる汎用のテキストエディタを用いることができ、それゆえ、画面データを作成するための専用の画面作成用のソフトウェアを用いなくても、画面データを変更することができる。また、変更後のXMLファイルは、制御用表示装置が表示処理可能なバイナリファイル形式に変換されるので、編集後の画面データを制御用表示装置に表示させることができる。したがって、画面データの編集をより効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0115】
上記エディタ装置においては、上記第2変換手段が、上記デバイスを表すデバイスコードの表現形式を上記制御用表示装置に適合する表現形式に変換するので、例えば、テキストファイル定義可能であるシンボル名を制御用表示装置がデバイスを制御するPLCなどの制御装置にアクセス可能なバイナリデータに変換することができる。したがって、ファイル形式の変換の信頼性を向上させることができるという効果を奏する
【0116】
あるいは、上記エディタ装置においては、上記第1変換手段が、上記処理指示語を含まない画面データXMLファイルに変換するので、前述の画面作成用のソフトウェアで作成できなかった形式の画面データを制御用表示装置に表示させることができる。したがって、制御用表示装置に表示可能な画面データの利用範囲が拡大するので、制御用表示装置のソフトウェア資産を充実させることができるという効果を奏する。
【0117】
このエディタ装置においては、上記第1変換手段が、上記処理指示語の表現形式が異なる画面についての画面データをテキストファイルに変換するとともに、上記処理指示語の表現形式を上記制御用表示装置に表示可能に変換するので、異なるメーカ毎の制御用表示装置用の画面データを容易に制御用表示装置に表示することができるという効果を奏する。
【0118】
本発明の記録媒体は、コンピュータを上記の各エディタ装置の上記第1および第2変換手段ならびに上記変更手段として機能させるためのエディタプログラムを記録している。それゆえ、上記の各エディタ装置が奏する効果と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記画面データに含まれる処理指示語のデータ構造を示す説明図である。
【図3】上記処理指示語のうち、表示用の処理指示語のデータ構造例を示す説明図である。
【図4】上記処理指示語のうち、入力用の処理指示語のデータ構造例を示す説明図である。
【図5】上記制御システムのプログラマブル表示器におけるスイッチがOFF状態の場合の画面データと表示されるユーザ画面との関係を示す説明図である。
【図6】上記制御システムのプログラマブル表示器におけるスイッチがON状態の場合の画面データと表示されるユーザ画面との関係を示す説明図である。
【図7】上記制御システムの公開サーバ用コンピュータにおけるXMLファイル記憶部に格納されるXMLファイルの例を示す説明図である。
【図8】上記制御システムの公開サーバ用コンピュータにおけるHTMLファイル記憶部に格納されるHTMLファイルの例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の他の形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
2 プログラマブル表示器(制御用表示装置)
4 共通ネットワーク
5 専用ネットワーク
6 入力機器(デバイス)
7 出力機器(デバイス)
10 インターネット
14 画面データファイル記憶部
14b XMLファイル記憶部
15 ファイル変換部(第1および第2変換手段)
16 テキストエディタ(編集手段)
18 アプリケーションファイル記憶部
J 部品図形(表示要素)
W 処理指示語(特定情報)

Claims (5)

  1. デバイスの状態を表示するとともに、該デバイスへの制御指示を与える制御用表示装置に画面を表示するためのバイナリファイル形式の画面データが有する、ベース画面のファイル番号と、ベース画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名と、各実行事象毎に参照される1または複数の参照情報とを含む処理指示語をXMLファイル形式に変換する第1変換手段と、
    XMLファイル形式に変換された上記画面データを記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶されたXMLファイル形式の上記画面データにおける上記処理指示語の記述内容を変更する変更手段と、
    上記記憶手段に記憶されたXMLファイルを上記制御用表示装置が表示処理可能なバイナリファイル形式に変換する第2変換手段とを備えていることを特徴とするエディタ装置。
  2. 上記第2変換手段が、上記デバイスを表すデバイスコードの表現形式を上記制御用表示装置に適合する表現形式に変換することを特徴とする請求項1に記載のエディタ装置。
  3. 上記第1変換手段が、上記処理指示語を含まない画面データXMLファイルに変換することを特徴とする請求項1に記載のエディタ装置。
  4. 上記第1変換手段が、上記処理指示語の表現形式が異なる画面についての画面データをXMLファイルに変換するとともに、上記処理指示語の表現形式を上記制御用表示装置に表示可能に変換することを特徴とする請求項3に記載のエディタ装置。
  5. 1ないしのいずれか1項に記載のエディタ装置上記第1および第2変換手段ならびに上記変更手段としてコンピュータを機能させるためのエディタプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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