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JP3896699B2 - 水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散体の製造方法 Download PDF

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JP3896699B2
JP3896699B2 JP25170498A JP25170498A JP3896699B2 JP 3896699 B2 JP3896699 B2 JP 3896699B2 JP 25170498 A JP25170498 A JP 25170498A JP 25170498 A JP25170498 A JP 25170498A JP 3896699 B2 JP3896699 B2 JP 3896699B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性印刷インキや水性塗料の使用適性を向上させた水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、資源保護、環境保全、作業の安定性の向上等のニーズの高まりによって塗料ならびにインキの水性化が進行しつつある。
水性塗料ならびに水性インキに要求される品質は、油性塗料、油性インキと同様の流動性、貯蔵安定性、皮膜の光沢、鮮明性、着色力等である。しかしながら、大部分の顔料は油性の場合に比べ水性ビヒクルに対する顔料分散性等の適性が著しく劣るため、通常の分散方法では満足な品質は得られない。そこで従来、各種の添加剤、例えば水性用顔料分散樹脂や界面活性剤の使用が検討されてきたが、上記すべての適性を満足し既存の高品質を有する油性塗料または油性インキに匹敵するようなものは得られていない。
特に、インクジェットや自動車塗料のような顔料の微細化が要求される分野では、十分満足される品位が得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の種々の欠点を改良し、油性塗料、油性インキと同様の流動性、貯蔵安定性、皮膜の光沢、鮮明性、着色力等を有する水性顔料分散体の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、顔料と、Tg0℃以上の水溶性樹脂又は水分散性樹脂と、必要に応じて水及び/または水混和性有機溶剤とを2本ロールにより混練し、固形チップとする工程(1)、及びアルカリ化合物の存在下に、該固形チップを水性媒体に分散する工程(2)含むことを特徴とする水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0005】
更に本発明は、工程(2)で得られた分散体をメディア型分散機により更に分散する工程(3)を含む請求項1記載の水性顔料分散体の製造方法に関する。
更に本発明は、樹脂が水溶性アクリル樹脂である請求項1または2記載の水性顔料分散体の製造方法に関する。
更に本発明は、工程(1)又は(2)が、塩基性有機色素誘導体の存在下に行われる請求項1〜3いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明で使用される顔料としては、例えば、可溶性および不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、チオインジゴ系顔料等の有機顔料、カーボンブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムエロー、カドミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等の無機顔料がある。
【0007】
本発明で使用される水溶性樹脂又は水分散性樹脂(以下、総称して単に樹脂という。)としては、例えば、アクリル系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、アルキド系、エポキシ系、ポリエステル系、ウレタン系、セルロース系等の樹脂がある。特に、作業性の点からアクリル系共重合体の水溶性樹脂が好ましい。
【0008】
また、樹脂のTgは0℃以上、好ましくは、0〜60℃、より好ましくは15〜40℃である。0℃未満だと2本ロール混練分散時に均一なシートを得ることができず、作業性に劣り、品質良好なものを得ることができない。
【0009】
本発明に使用される水性媒体は、水単独であってもよいが、場合によってはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等の水混和性有機溶剤を水性媒体中の50重量%まで混和させたものであっても良い。
【0010】
本発明において、工程(1)における顔料と樹脂の配合量は、顔料100重量部に対し樹脂が5〜100重量部が好ましく、特に10〜40重量部が好ましい。上記数値より樹脂の配合量が少ないと顔料を分散させる効果が小さく、作業性も悪いので好ましくなく、又、上記数値より樹脂の配合量が多くなっても用いた分の効果が得られない。
【0011】
本発明では、工程(1)において、水及び/又は水混和性有機溶剤を添加することが好ましい。更に、工程(1)で添加した水及び/又は水混和性有機溶剤は、固形チップ中に残留していることが好ましく、この場合、固形チップの不揮発分は80〜98重量%が好ましい。固形チップの不揮発分が80重量%より小さいと2ロール混練時の専断力が不十分なため、塗膜品質が劣るとともに、固形チップ保存時に固着等の問題を起こしやすい。また固形チップの不揮発分が98%より大きい場合は、工程(2)において固形チップの水性媒体への分散性が劣り、未分散の粗大粒子が塗膜品質の低下を引き起こしやすい。
【0012】
本発明における工程(2)で使用される水性媒体としては、水のみでも良いが、アルカリ化合物や水混和性有機溶剤を少量添加すると分散が容易になり好ましい。アルカリ化合物としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール等の各種有機アミン化合物、アンモニア、水酸化ナトリウム等に代表される無機塩基性物質、その他、各種の第4級アンモニウム化合物が使用できる。特に、有機アミン化合物が作業性、汎用性の点から好ましい。アルカリ化合物の添加量は、顔料100重量部に対し0.1〜5重量部が好ましい。
【0013】
水混和性有機溶剤としては上述したものが使用できる。水混和性有機溶剤の添加量は、顔料100重量部に対し5〜30重量部が好ましい。
又、工程(2)において樹脂を添加することが好ましい。添加される樹脂のTgは何ら規定されるものでなく、水性インキ、水性塗料に使用される公知のものの中から選ぶことができる。工程(2)における樹脂の配合量は、顔料に対する配合量として、顔料100重量部に対し5〜200重量部が好ましい。
本発明において工程(2)における分散方法としては、水性媒体中に固形チップを投入し、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー等の分散機を用いて一定時間攪拌することが好ましい。この時、必要に応じて30℃〜80℃の温度をかけることが望ましい。
【0014】
本発明において工程(1)または(2)では顔料の分散性を向上させるために、有機色素誘導体を添加することが好ましい。有機色素誘導体をしては、下記一般式1または下記一般式2で示される化合物がある。
一般式1
【0015】
【化1】
Figure 0003896699
【0016】
[式中、Qは有機色素残基、Xは直接結合、−CONH−Y1−または−SO 2 NH−Y1−(Y1 は置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有し てもよいアリーレン基を表す)、Zは水酸基または−NH−(CH2m NR12(R1 ,R2 はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、mは1〜 6の整数を表す。)、nは1〜4の整数を表す。]
【0017】
一般式2
Q−[X−Y]n
[式中,Qは有機色素残基、Xは直接結合、−CONH−Y1 −、−SO2 NH−Y1 −,−CH2 NHCOCH2 NH−Y1
【0018】
【化2】
Figure 0003896699
【0019】
(Y1 は上記と同じ意味を表す。)
Yは−(CH2m NR12または
【0020】
【化3】
Figure 0003896699
【0021】
(R1、R2、mは上記と同じ意味を表す。)
nは上記と同じ意味を表す。]
【0022】
上記一般式中の有機色素残基としては、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ペリレン・ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリノン系色素、ジケトピロロピロール系色素等の残基である。
【0023】
上記の有機色素誘導体のうち−NR12基を有する塩基性有機色素誘導体が好ましい。
上記有機色素誘導体の顔料に対する配合は、顔料100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと効果が小さく好ましくない。また、10重量部より多く用いても用いた分の効果が得られなく塗膜性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0024】
本発明における工程(3)におけるメディア型分散機としては、特に限定されるものではないが、サンドミル、アトライター、DCPミル等のビーズミルを使用することが好ましい。またメディアとしては、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等が使用できる。
【0025】
本発明の工程(3)において樹脂を必要に応じて添加することができる。樹脂としては前述した水性インキ、水性塗料に使用される公知のものの中から、顔料100重量部に対して固形分換算で10〜1000重量部を添加することが好ましい。特に、濃縮分散体として使用する場合、顔料100重量部に対して樹脂が固形分換算で10〜200重量部が好ましく、塗料または印刷インキとして使用する場合は、顔料100重量部に対して樹脂が固形分換算で100〜1000重量部が好ましい。顔料100重量部に対して樹脂が10重量部より少ないと顔料が分散しにくくなり、1000重量部より多いと着色が低いため塗料または印刷インキとしての使用に適さない場合がある。
【0026】
本発明の水性樹脂分散体を塗料または印刷インキとして使用する場合には、メラミン樹脂等の硬化剤樹脂や硬化触媒、界面活性剤等を添加しても良い。また必要に応じて防腐剤、粘性制御剤等の従来公知の添加剤を添加してもよい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。例中、「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」をそれぞれ表す。
実施例1
工程(1)
下記混合物を2本ロールで20回処理し、固形分88%の固形チップを得た。
顔料(C.I.Pigment Blue 15:1) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 6.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
1)アクリル樹脂ワニスA(Tg20℃、酸価56mgKOH/gのアクリル樹脂40%、ブチルカルビトール30%及び水30%からなる。)
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.1 部
ジメチルアミノエタノール 0.3 部
ブチルカルビトール 2.0 部
イオン交換水 25.0 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0028】
実施例2
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分88%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Blue 15:1) 9.5 部
有機色素誘導体A2) 0.5 部
アクリル樹脂ワニスA1) 6.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
2)有機色素誘導体A
CuPc−SO2NH(CH23 N(C252
CuPc;銅フタロシアニン残基
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.1 部
ジメチルアミノエタノール 0.3 部
ブチルカルビトール 2.0 部
イオン交換水 25.0 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0029】
比較例1
下記混合物をサンドミルを用いて分散した。
顔料(C.I.Pigment Blue 15:1) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 6.0 部
イオン交換水 25.3 部
分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0030】
比較例2
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分88%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Blue 15:1) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスB3) 6.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
3)アクリル樹脂ワニスB(Tg−10℃、酸価56mgKOH/gのアクリル樹脂40%、ブチルカルビトール30%及び水30%からなる。)
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.1 部
ジメチルアミノエタノール 0.3 部
ブチルカルビトール 2.0 部
イオン交換水 25.0 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0031】
実施例3
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分91%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Violet 19) 9.7 部
有機色素誘導体B4) 0.3 部
アクリル樹脂ワニスA1) 8.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
3)有機色素誘導体B
【0032】
【化4】
Figure 0003896699
【0033】
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.5 部
ジメチルアミノエタノール 0.3 部
ブチルカルビトール 2.2 部
イオン交換水 25.5 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0034】
比較例3
下記混合物をサンドミルを用いて分散した。
顔料(C.I.Pigment Violet 19) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 8.0 部
イオン交換水 25.3 部
分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0035】
実施例4
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分87%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Red 254) 9.5 部
有機色素誘導体B3) 0.5 部
アクリル樹脂ワニスA1) 10.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 16.1 部
ジメチルアミノエタノール 0.4 部
ブチルカルビトール 2.5 部
イオン交換水 27.0 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0036】
比較例4
下記混合物をサンドミルを用いて分散した。
顔料(C.I.Pigment Red 254) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 10.0 部
イオン交換水 28.0 部
分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0037】
実施例5
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分93%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Red 177) 9.9 部
有機色素誘導体C5) 0.1 部
アクリル樹脂ワニスA1) 7.5 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
5)有機色素誘導体C
【0038】
【化5】
Figure 0003896699
【0039】
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.0 部
ジメチルアミノエタノール 0.2 部
ブチルカルビトール 2.0 部
イオン交換水 30.0 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0040】
比較例5
下記混合物をサンドミルを用いて分散した。
顔料(C.I.Pigment Red 177) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 7.5 部
イオン交換水 30.0 部
分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0041】
実施例6
工程(1)
下記混合物を2本ロールで、20回処理し、固形分86%の固形チップを得た。 顔料(C.I.Pigment Green 36) 9.7 部
有機色素誘導体A2) 0.3 部
アクリル樹脂ワニスA1) 6.0 部
イオン交換水 0.2 部
ブチルカルビトール 0.2 部
工程(2)
得られたチップを下記組成にて、ハイスピードミキサーで60分間分散した。
固形チップ 14.4 部
ジメチルアミノエタノール 0.2 部
ブチルカルビトール 2.5 部
イオン交換水 28.4 部
工程(3)
上記分散物をサンドミルを用いて再分散した。
再分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、分散粒度、塗膜光沢は本発明によるものの方が比較例よりも優れていた。
【0042】
比較例6
下記混合物をサンドミルを用いて分散した。
顔料(C.I.Pigment Green 36) 10.0 部
アクリル樹脂ワニスA1) 6.0 部
イオン交換水 30.0 部
分散後、水性アクリル樹脂、メラミン樹脂、イオン交換水を配合して、水性アクリル樹脂/アミノ樹脂系の塗料(25PHR、アクリル/メラミン固形分比7/3)を得た。
得られた水性塗料を4ミルのフィルムアプリケーターでPETフィルム上に展色し、140℃で30分間焼き付けた。
【0043】
【表1】
Figure 0003896699
【0044】
【発明の効果】
本発明により、インキおよび塗料などの水系顔料分散体において、非集合性、流動性などの使用適性および、塗布物の色調の鮮明性、光沢などを著しく向上させることができた。本発明の水性顔料分散体は、顔料の微細化が要求されるインクジェットインキや自動車塗料に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 顔料と、Tg0℃以上の水溶性樹脂又は水分散性樹脂と、必要に応じて水及び/または水混和性有機溶剤とを2本ロールにより混練し、固形チップとする工程(1)、及びアルカリ化合物の存在下に、該固形チップを水性媒体に分散する工程(2)含むことを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
  2. 工程(2)で得られた分散体をメディア型分散機により更に分散する工程(3)を含む請求項1記載の水性顔料分散体の製造方法。
  3. 樹脂が水溶性アクリル樹脂である請求項1または2記載の水性顔料分散体の製造方法。
  4. 工程(1)又は(2)が、塩基性有機色素誘導体の存在下に行われる請求項1〜3いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法。
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