JP3894637B2 - レーダー付推進装置と掘削ルートの調査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス管、水道管、電話、電気等の地下埋設物を非開削で工事する場合の他、土中埋設物の事前検知技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、掘削ルート(穴径1m程度)の予備調査にあたっては、他の埋設物が存在しそうな場所を予め試掘し、目視にて埋設物の状況を確認することとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような手法を採用すると、以下のような問題がある。
(1) 試掘箇所以外では、他の埋設物があるか否かは不明で、掘削をおこなう場所以外の位置にある他の埋設物を損傷するリスクを伴う。
(2) 非開削工事にもかかわらず試掘が必要で、イメージダウンであるとともに、試掘費用がかかる。
(3) 現場の土質が水分を多く含有するあるいは岩石を多く含む場合など、非開削工事に適さない場合、掘削工事を途中で中断しなければならない。
【0004】
一方、上記のような比較的大径(穴径1m程度)の掘削を伴わない作業として、所謂、ガス管の埋設、通線等を目的として、フローモール、ボアモアを使用した掘削技術が開発されている。この掘削技術にあっては、推進ドリルヘッドの先端部位近傍に、電磁波の送受信装置を備え、推進移動経路の前方に、障害物が無いかどうかを地中から帰ってくる電磁波の状態から確認して、安全な掘削をおこなうこととしている。しかしながら、このような装置にあっては、推進経路上もしくはその近傍に障害物があるかどうかの推定は行えるが、比較的大径の掘削ルートの状態の確認に関しては、十分とはいえず、改良の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、従来型のレーダー装置を比較的小型の推進管に備えたレーダー付推進装置にあって、埋設管の位置を推進管の推進移動経路との関係において求め、さらに推進移動経路周りの土質の状況を求められるものとすること、比較的大径の掘削ルートの状態を合理的に調査できる掘削ルートの調査方法を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明による地中に電磁波を送信し、地中にある物体から反射して返ってくる前記電磁波を受信する送受信装置を推進管に備えるとともに、前記送受信装置により得られる送受信情報から、地中にある前記物体からの電磁波の反射時間を得る反射時間導出手段を備え、地中に於ける推進移動に伴う基準位置に対する前記推進管の位置を得る位置検出装置を備えたレーダー付推進装置の第1の特徴構成は、
前記送受信装置が推進移動しながら前記推進管の中心軸Zに対して回転することで、前記位置検出装置から得られる前記推進管の位置に関連つけられた前記反射時間導出手段から得られる前記反射時間の情報である位置−反射時間関係情報を前記軸Zに対して上下左右方向において取得し、それらを合成してマッピングする第1解析手段を備え、前記第1解析手段により得られる前記位置−反射時間関係情報としての位置−反射時間関係線が直線近似若しくは双曲線近似できるかを判断し、前記推進管の推進移動経路と前記物体の位置との関係を算出し、前記推進移動経路に対する前記物体の位置を求める第2解析手段を備えておく。
本願で使用するレーダー型推進装置にあっては、推進管自体は、その構成により、地中を推進できる構造とされており、その推進管の位置(例えば基準位置である推進開始位置から現在推進管がある位置までの離間距離)は、装置に備えられる位置検出装置により検出される。一方、地中に送信されて地中にある物体から反射して帰ってくる反射信号に関しては、これが、送受信装置により検出され、反射時間導出手段により、送信時と受信時との関係から反射時間として割り出される。従って、このような二つの情報は、レーダーの送信位置とその送信位置に於ける反射時間から、これらを関係つけた情報として得ることができる。このような関連つけをおこない位置−反射時間関連情報を得るのが、第1解析手段の役割である。このような情報は、例示的には図3、図4に示すような情報である。
さて、このようにして得られる位置−反射時間関係情報と推進管の推進移動経路との間には、一定の関係が成立する。即ち、図3上図に示すように、地中にある物体に対して、この推進移動経路が一定の距離をおいた位置にある場合は、図3下図に示すように、上記関係情報は関係線として現した場合には双曲線状となる。一方、図4上図に示すように、地中にある物体が、ほぼこの推進移動経路上にある場合は、図4下図に示すように、上記関係情報は関係線として現した場合には直線状となる。従って、このような関係線の状態から、物体が推進移動経路に対して、どのような位置関係にあるかを判断することができる。
このような位置を、第2解析手段が、位置−反射時間関係情報に基づいて割り出すのである。
【0007】
ここで、上記位置−反射時間関係線が直線と近似できる場合に、第2解析手段において、物体が前記推進移動経路の延長線上にあると判断する構成とできる。
先にも説明したように、推進移動経路上に物体がある場合は、図4下図に示すように、位置−反射時間関係線が直線と近似できることとなるため、第2解析手段において、位置−反射時間関係線の直線近似が成り立つかどうかの判断を行い、この近似が成り立つ場合に、上記のような判断をおこなうのである。このようにすることにより、推進移動経路上にある物体の位置を得ることができる。ここで、反射時間が実質上無くなる推進経路延長上の位置が、物体の位置である。この場合にあって推進移動経路は直線経路を想定している。
【0008】
さらに、上記位置−反射時間関係線が双曲線と近似できる場合に、第2解析手段において、物体が前記双曲線の頂点に対応する位置に存在し、この頂点に対応する反射時間が推進移動経路と物体との離間距離に関連した情報であると判断する構成とできる。
この場合も、第1解析手段において、位置−反射時間関係線が得られるのであるが、この関係線に対して、双曲線のフィテングをおこなう。そして、その頂点の位置を見出すものとする。図3下図にも示すように、推進管の推進移動経路(これは直線経路を想定している)と物体とが離れている場合には、移動経路中で、最も物体が近づいた位置に相当する位置に、位置−反射時間関係線の頂点が来る。従って、物体は、この頂点に対応する位置(推進移動経路に対して直交する直交線上の位置)にあり、さらに、経路との離間距離は、頂点の反射時間に関係した距離分だけ離れた位置と判断することができる。
このような解析処理を第2解析手段がおこなう。
【0009】
さて、これまで説明してきたレーダー付推進装置において、その推進管は、例えば、先端にドリルを備え、このドリルが回転軸周りに回転する構成のドリル付推進管として構築できるため、比較的小径(例えば、外径50mm程度)とできる。従って、このような比較的小径の推進管を使用して、先に示したような比較的大径(径1m程度)の掘削ルートの調査に適用できる。
このような使用方法を提案するのが以下の例である。
即ち、これまで説明してきたレーダー付推進装置を使用して、調査対象の掘削ルート内で、そのルートに沿って、本願請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーダー付推進装置に備えられる推進管を推進移動させ、掘削ルート内に存する物体の位置をこの推進管の推進移動経路との関係で求める。
このようにすると、調査対象の掘削ルート内において、比較的小径の推進管を推進移動させるだけの操作で、後の、本掘り(本掘削)時に問題となりがちな物体(障害物)の位置確認をおこなうことができる。
さらに、掘削ルート内で、そのルートに沿って推進管を推進させるに、掘削ルート断面に於ける複数の箇所を対象とし、これら複数の箇所から推進管を推進させ(このような複数箇所の調査にあたっては、単一の推進管を使用して、経時的に位置を変えておこなってもよいし、同時的に複数使用して複数箇所でおこなってもよい)、複数の推進移動経路に対して物体の位置を求め、掘削ルートを調査することが好ましい。
このようにすると、比較的大径の掘削ルートにあって、より確実な調査をおこなうことが可能であるとともに、同一の物体の位置確認にあっても、複数の移動経路からの情報に基づいて、その物体の位置を的確に把握することができる。
【0010】
さて、以上が、主にルート内にある障害物に関する情報関連の調査に関する本願説明であるが、調査対象となるのは、障害物の存否のみならず、土質自体が問題となることもある。即ち、地下水が多すぎる場合は、一般に掘削には不向きであるし、大きな石がある場合も同様である。従って、土質の確認も同様に重要な問題である。そこで、本願のレーダー付推進装置にあっては、このような土質情報も得られる構成が採用されている。
即ち、地中に電磁波を送信し、地中にある物体から反射して帰ってくる前記電磁波を受信する送受信装置を、推進管に備えるとともに、この送受信装置により得られる送受信情報から、地中にある物体からの電磁波の反射時間を得る反射時間導出手段を備え、地中に於ける推進移動に伴う基準位置に対する推進管の位置を得る位置検出装置を備えたレーダー付推進装置の本願第2の特徴構成は、以下の通りである。
前記送受信装置が推進移動しながら前記推進管の中心軸Zに対して回転することで、前記位置検出装置から得られる前記推進管の位置に関連つけられた前記反射時間導出手段から得られる前記反射時間の情報である位置−反射時間関係情報を前記軸Zに対して上下左右方向において取得し、それらを合成してマッピングする第1解析手段を備え、
予め求められている土質と位置−反射時間関係情報との関連指標に基づいて、第1解析手段により得られる位置−反射時間関係情報から、推進移動経路近傍の土の状態を求める第3解析手段を備えるのである。
この構成にあって、第1解析手段までの構成は、先に説明したものと同様であるので、これを省略する。従って、これまでの構成により、位置−反射時間関係情報が得られているのであるが、こんような情報と土質とには一定の関係が成立する。
この関係に関して図5、6を参照しながら説明する。ここで、図5は、図3に対応する図面であるが、図5中には、異なった土質に於ける関係線の変化状況が示されている。同様に図6中にも、異なった土質に於ける関係線の変化状況が示されている。これらの図面において判明するように、土質が異なると図5においては双曲線の開き具合が、図6においては直線の傾き具合が異なることとなる。
従って、このような開き量、あるいは、傾きを、予め各土質に関して得ておき、実際に得られる位置−反射時間関係情報から得られるこれらの量と比較することで、適合する値を与える状態に推進管の推進移動経路周りの土質があると判断することができる。このような働きをおこなうのである。
即ち、装置内には、土質と位置−反射時間関係情報との関連指標が予め求められている(具体的には、例えば、土質と双曲線の開き具合との関係の指標や、土質の直線の傾きとの関係指標が記憶装置に記憶されている)。一方、上記のようにして推進管の推進移動経路に沿った移動の結果得られる位置−反射時間関係情報から、この情報に於ける、例えば双曲線の開く具合、あるいは直線の傾きが求められる。そして、この結果と、関係指標との比較をおこない、このような実測データと予め求められたデータとの比較・適合を行って、その値が一致した土質として土質を特定する。
即ち、本願にいう第3解析手段がこのような判断をおこなう。結果、推進管の推進移動経路周りの土質を知ることができる。
【0011】
さて、このように土質側の情報を得る場合にあっても、本願のレーダー付推進装置を使用することが好ましい。
即ち、掘削ルート内で、そのルートに沿って請求項6記載のレーダー付推進装置の推進管を推進移動させ、前記掘削ルート内の土の状態を求めることで、掘削ルートの土質側の調査を的確におこなうことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願のレーダー付推進装置1の構成を図面に基づいて先ず説明する。
図1、2、3には、本願のレーダー付推進装置1の構成が、その使用状態とともに示されている。
本願のレーダー付推進装置1は、図示するように、所謂ドリルヘッドと呼ばれる地中推進移動用の推進管2と、この推進管2の基端側に接続され、ドリルヘッドと地上に配置される推進装置本体3との間を繋ぐロッド4と、推進装置本体3をなすガイドドリルユニット5、駆動・制御車6とから構成されている。
この構成は、従来型のフローモール工法に使用される推進装置と基本構成は同じである。
【0013】
図示するように、推進管2は、先端に掘削推進用のドリル7を備えたものであり、図3に示すように、その中心軸Z周りに駆動回転可能に構成され、地中を軸周りに回転しながら、前進できる構成とされている。さらに、ドリル7に対してその基端側に所謂前方監視センサーと呼ばれるレーダー8及びこれに付随した電子回路9とを有する送受信装置10が備えられている。即ち、この推進管2は、電磁波を地中に送信するとともに、地中にある物体から反射して帰ってくる電磁波を受信する送受信装置10を備える。ここで、このレーダーの照射方向は、推進管2の中心軸Zの方向から傾く方向とされており、図示するように、斜め前方向へ電磁波を照射可能に構成されている。この構成により、推進管2の回転に伴って、電磁波は推進管2の斜め前方へ円錐状に照射され、このような領域を探査することができる。この領域径は、50cm程度である。
【0014】
さて、前記の駆動・制御車6には、推進管2の推進制御をおこなう制御用オペレーション装置11が備えられているのであるが、このオペレーション装置11には、当然、推進管2の基準位置(例えば推進開始位置O)からの推進距離D(位置)を検出する位置検出装置12が備えられている。例えば、本体側からのロッド4の送り出し量の検出により、推進管2のその推進移動経路L上での位置を、送り出し量だけ基準位置から移動した位置と特定するものである。
さらに、一般には、前記の送受信装置10からの送信時と受信時との差情報として得られる反射時間を得る反射時間導出手段13が備えられている。ここで、このような反射時間導出の目的は、電磁波により反射体(地中にある物体Rで障害物となる可能性のある埋設管等)との距離を求め、これを推進管2の推進制御にあって、このような物体Rとの衝突等を回避することに使用される。
【0015】
以上は、従来からの前方監視用のレーダー付推進装置1の構成であるが、以下、本願の特徴構成に関して説明する。このような特徴構成部は、基本的に、土中にある物体の位置を特定する機構と、土質の特定を目的とする機構との二つの構成を有している。
先ず、物体の位置の特定機構に関して説明する。
オペレーション装置11には、位置検出装置12から得られる推進管2の位置に関する情報と、反射時間導出手段13から得られる反射時間情報とを得て、これらを関連つけた位置−反射時間関係情報を合成する第1解析手段14が備えられている。即ち、この第1解析手段14にあっては、図3、図4に示されるような情報が合成される。これらの図面にあって、横軸は物体Rの一例である埋設管からみた離間距離(この距離は、これまで推進管の位置として説明してきた情報Dと等価である)を示しており、縦軸は物体Rからの反射時間を示している。これらの図面において、情報は離散点として示されているが、これは、推進管2が軸Z周りの回転を伴いながら推進されるため、例えば、図3の場合は、レーダー波の照射方向が下方を向いている姿勢に於ける時間帯のみ物体Rからの反射信号が受信されるためである。一方、図4の場合は、レーダー波の照射方向が左右方向(図4に於ける紙面表裏方向)を向いている時間帯のみ反射信号が受信される。従って、この場合は、図3と比較して、受信される反射信号の点の数が倍となる。これらの離散点は、双曲線あるいは直線としてマッピング操作を施すことにより、位置−反射時間関係情報としての位置−反射時間関係線を得ることができる。この位置−反射時間関係情報の導出にあたっては、電磁波の照射方向と推進移動径路との傾きの関係が考慮され、必要な場合変換が行われることは当然であ
る。
【0016】
さらに、この第1解析手段14により得られる位置−反射時間関係情報から、地中にある物体Rの位置を、推進管2の推進移動経路Lとの関係において求める第2解析手段15が備えられている。
この第2解析手段15は、位置−反射時間関係線が直線と近似できる場合に、物体Rが推進管2の推進移動経路Lの延長線上にあると判断するものであり、直線近似の適否を判断する手段、さらには、適合する場合に物体Rが推進管2の推進移動経路Lの延長線上にあると判断し、この判断を出力する手段を備えている。
また、この第2解析手段14にあっては、位置−反射時間関係線が双曲線と近似できる場合に、物体Rが双曲線の頂点Pに対応する位置Aに存在し、頂点Pに対応する反射時間が推進移動経路Lと物体Rとの離間距離Bに関連した情報であると判断するものであり、双曲線近似の適否を判断する手段、さらには、適合する場合に物体Rが双曲線の頂点Pに対応する位置Aに存在し、頂点Pに対応する反射時間Tが推進移動経路Lと物体Rとの離間距離Bに関連した情報であると判断し、この判断および、頂点Pに対応する位置A(推進移動経路に沿った基準位置0からの推進距離D)及び、この位置Aでの反射時間T(ここで、本願の場合は、後に示すように周りの土の比誘電率(ε)が判るために、土中に於ける速度が判明し、反射時間Tと速度から、この反射時間Tに基づいて推進移動経路Lと物体Rとの距離Bを知ることができ、これらは等価と見なせる)を出力する手段を備えている。
即ち、物体Rの位置情報を出力する構成とされている。
【0017】
次に、推進移動経路周りの土質の検出に関して説明する。
これまで説明してきた第1解析手段14までの構成は、そのまま使用される。即ち、この第1解析手段14から位置−反射時間関係情報である関係線が、上記目的を達成するための第3解析手段16に受け渡される。
この第3解析手段16にあっては、図5、6に示すような異なった土質に対応して得られる位置−反射時間の関連情報である双曲線の開き具合あるいは直線の傾きと土質とを関係つけた関係指標を記憶した記憶装置17が備えられている。
従って、実際に現場で得られる位置−反射時間関係線から、これが、双曲線あるいは直線に適合するかどうかの判断をおこなうとともに、双曲線の場合は、その開き具合を、直線の場合は、その傾きを求める関係線解析手段18を備えている。そして、この関係線解析手段18によって求まる開き具合もしくは傾きと、記憶装置17に記憶されている関係情報とを比較対照することにより、土質の特定をおこない、土質の出力を第3解析手段16がおこなう。
ここで、土質の特定に支配的に働くのは、土の比誘電率(ε)である。
図5、6には、それぞれ、川砂である場合、マサ土である場合、粘土である場合、さらに、掘削が不適当であると考えられる地下水である場合を示している。このように土質に従って比誘電率(ε)が変化し、開き具合、傾きが変化することが判る。
【0018】
本願装置1にあっては、第1解析手段14から位置−反射時間関係線が、第2解析手段15から物体位置情報が、第3解析手段16から土質情報が、出力装置19に受け渡され、作業者に有用な情報として提供できる。
【0019】
上記のようなレーダー付推進装置1を使用して、比較的大径の掘削ルート20を調査する場合の例に関して図2に基づいて説明する。図2は、これまで説明してきたレーダー付推進装置1を使用する場合に、少なくとも掘削ルート20より深い位置まで届く立て坑21を掘削して、この立て坑21の所定深度位置から、掘削ルート内でこのルート20に沿って水平にレーダー付推進装置の推進管2を推進させて、調査をおこなっている状況を(イ)に、さらに、立て坑21を掘削することなく、地表面22から斜めに所定深度まで推進管2を斜行挿入し、この推進管2が所定深度に到達した後、掘削ルート内で、このルート20に沿って水平にレーダー付推進装置の推進管2を推進させて、調査をおこなっている状況を(ロ)に示した。
従って、このような調査方法を採用することにより、掘削ルート内に存する物体R(代表例は埋設管)の位置を、推進管の推進移動経路Lとの関係で求めることができる。即ち、先に説明した装置構成によって、推進管2の推進移動経路2に対して、その延長線上にあるかどうか、推進移動経路Lから外れている場合に、この推進移動経路Lの経路に沿った方向でどの位置が物体Rに最も近い位置Aがどこか、さらに、この最近位置Aに於ける推進移動経路Lと物体Rとの距離Bを得ることができる。
さて、このような場合に、掘削ルート断面に於ける複数の箇所23からレーダー付推進装置の推進管2を推進させ、複数の推進移動経路に対して物体Rの位置を求め、掘削ルート20を調査することで、さらに詳細で、正確な掘削ルート20の調査をおこなうことができる。
【0020】
一方、本願のレーダー付推進装置1は、その基本構成として推進移動経路周りの土質の調査をおこなうことができるため、上記のようにして、掘削ルート内の土の状態を求めることができる。このような情報は、例えば、地下水がある場合にあっては、掘削作業を不可と判断して、掘削を中止する等の判断に役立たせることができる。
【0021】
このようにすれば、例えば、径が1m程度の地中内に想定される掘削ルート20の調査にあって、非開削工事をおこなう掘削ルート内に、事前に、立て坑あるいは地表から口径80cm以下の推進管2(ドリルヘッド)で数カ所水平ボーリングを行い、その掘削移動経路Lの周囲50cmの範囲を探査できるので、例えば、直径1mのトンネルを掘削する場合に、トンネルルートの中心にボーリングをおこなえば、掘削ルート20の範囲の他埋設物の検知ができた。それより大きなトンネルの場合や、ルート周辺まで探査したい場合は適宜ボーリング数を増やせば、同様に調査を好適に行える。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のレーダー付推進装置の要部構成を示す図
【図2】本願のレーダー付推進装置の使用状態を示す説明図
【図3】物体が推進移動経路上にない場合の位置と反射時間との関係を示す図
【図4】物体が推進移動経路上にある場合の位置と反射時間との関係を示す図
【図5】異なった土質中を推進移動した場合に得られる図3に対応する関係図
【図6】異なった土質中を推進移動した場合に得られる図4に対応する関係図
【符号の説明】
1 レーダー付推進装置
2 推進管
10 送受信装置
12 位置検出装置
13 反射時間導出手段
14 第1解析手段
15 第2解析手段
16 第3解析手段
20 掘削ルート
Z 中心軸
L 推進移動経路
R 物体
Claims (7)
- 地中に電磁波を送信し、地中にある物体から反射して返ってくる前記電磁波を受信する送受信装置を推進管に備えるとともに、
前記送受信装置により得られる送受信情報から、地中にある前記物体からの電磁波の反射時間を得る反射時間導出手段を備え、
地中に於ける推進移動に伴う基準位置に対する前記推進管の位置を得る位置検出装置を備えたレーダー付推進装置であって、
前記送受信装置が推進移動しながら前記推進管の中心軸Zに対して回転することで、
前記位置検出装置から得られる前記推進管の位置に関連つけられた前記反射時間導出手段から得られる前記反射時間の情報である位置−反射時間関係情報を前記軸Zに対して上下左右方向において取得し、それらを合成してマッピングする第1解析手段を備え、
前記第1解析手段により得られる前記位置−反射時間関係情報としての位置−反射時間関係線が直線近似若しくは双曲線近似できるかを判断し、前記推進管の推進移動経路と前記物体の位置との関係を算出し、前記推進移動経路に対する前記物体の位置を求める第2解析手段を備えたレーダー付推進装置。 - 前記位置−反射時間関係線が直線と近似できる場合に、前記第2解析手段において、前記物体が前記推進移動経路の延長線上にあると判断する請求項1記載のレーダー付推進装置。
- 前記位置−反射時間関係線が双曲線と近似できる場合に、前記第2解析手段において、前記物体が前記双曲線の頂点に対応する位置に存在し、前記頂点に対応する反射時間が前記推進移動経路と前記物体との離間距離に関連した情報であると判断する請求項1記載のレーダー付推進装置。
- 掘削ルート内で、そのルートに沿って請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーダー付推進装置の推進管を推進移動させ、前記掘削ルート内に存する前記物体の位置を前記推進移動経路との関係で求める掘削ルートの調査方法。
- 掘削ルート内で、そのルートに沿って請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーダー付推進装置の推進管を推進させるに、掘削ルート断面に於ける複数の箇所から前記レーダー付推進装置の推進管を推進させ、複数の推進移動経路に対して前記物体の位置を求め、前記掘削ルートを調査する請求項4記載の掘削ルートの調査方法。
- 推進管に、地中に電磁波を送信し地中にある物体から反射して返ってくる前記電磁波を受信する送受信装置を備えるとともに、
前記送受信装置により得られる送受信情報から、地中にある前記物体からの電磁波の反射時間を得る反射時間導出手段を備え、
地中に於ける推進移動に伴う基準位置に対する前記推進管の位置を得る位置検出装置を備えたレーダー付推進装置であって、
前記送受信装置が推進移動しながら前記推進管の中心軸Zに対して回転することで、前記位置検出装置から得られる前記推進管の位置に関連つけられた前記反射時間導出手段から得られる前記反射時間の情報である位置−反射時間関係情報を前記軸Zに対して上下左右方向において取得し、それらを合成してマッピングする第1解析手段を備え、
予め求められている土質と位置−反射時間関係情報との関連指標に基づいて、前記第1解析手段により得られる前記位置−反射時間関係情報から、推進移動経路近傍の土の状態を求める第3解析手段を備えたレーダー付推進装置。 - 掘削ルート内で、そのルートに沿って請求項6記載のレーダー付推進装置の推進管を推進移動させ、前記掘削ルート内の土の状態を求める掘削ルートの調査方法。
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