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JP3894503B2 - 帯電防止膜、この膜を用いるリソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク - Google Patents

帯電防止膜、この膜を用いるリソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、帯電防止膜、並びにこの膜を用いたリソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般の帯電防止膜として、酸化錫膜(SnO2 )やITO(In2 3 −SnO2 )膜が提案されている。
帯電防止膜の重要な応用例として、リソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスクがある。帯電防止膜は、電子線を用いた描画の際のチャージアップを防止したり、静電気によってマスクに塵が付着するのを防止するために使われている。
【0003】
ICやLSIの高密度化、高集積化が進むにつれて、リソグラフィー工程に用いられる投影露光技術には、転写可能なパターンのより微細化、高解像度化が要求されている。そこで、使用する波長の短波長化、露光光の位相変調を利用した位相シフト法、およびこれらの方法の併用が採用されている。
上記位相シフト法においては、光の位相を反転させる位相シフター材料として、例えば液相法や気相法によって形成されるSiO2 あるいはSiO2 類似の材料からなる透明な薄膜や、ハーフトーンシフターと称する透過率が15%以下の薄膜が用いられている。これら位相シフターの形成は、位相シフト層上に塗布した電子線レジストを電子線描画によりレジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクとして位相シフト層をドライエッチングすることにより行われている。しかし、この位相シフターの形成において位相シフト層上に塗布した電子線レジストへの電子描画を行う際に、透明基板上のいずれかの層が導電性を有していないとチャージアップを起こしてしまい、描画パターンの変形が生じてしまう。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、導電性を有し、帯電防止層としての作用を有する層を基板と位相シフト層の間に設けた位相シフトマスクブランクが提案されている。この帯電防止膜の存在により、電子線描画時のチャージアップを防止することが可能となる。
【0005】
また、高密度化、高集積化への対応の一つとしてX線マスクがある。X線マスクの露光時の位置合わせは、X線マスクに光を透過させることにより行われる。そして、X線透過膜の上に反射防止膜を設けることにより位置合わせ光の透過率を高めることができる。
ところが、導電性を有するX線透過膜上に、Al2 3 等の導電性を有しない物質を反射防止膜として設けると、電子線によるチャージアップが生じ、検査精度が著しく低下する。これは、X線吸収膜の微細なパターンの検査が電子線を用いた手法により行われているからである。そこで、パターンの検査の際にも電子線によるチャージアップを生じないように帯電防止層が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
半導体素子の高集積化に伴って、使用される露光光の短波長化が進んでいる。ところが、前記酸化錫膜(SnO2 )やITO(In2 3 −SnO2 )膜は、短波長側の光の透過率が低い。そのため、リソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスク用の帯電防止膜として十分に対応できなくなってきている。
【0007】
そこで、本件出願人は、この問題を解決すべく、亜鉛、ガリウムを含むスピネル型またはカドミウム、アンチモンを含む鉛アンチモネート型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複合酸化物からなる帯電防止層を先に提案した〔特願平6−48123号〕。この帯電防止層は、酸化錫膜(SnO2 )やITO(In2 3 −SnO2 )膜に比べれば、短波長側の光の透過性に優れている。
しかし、導電性、特に膜にした場合の導電性がさらに高い膜の提供が望まれている。
【0008】
そこで本発明の目的は、短波長側の透過率が良好で、しかも十分な導電性を有する帯電防止膜、特にリソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスク用帯電防止膜を提供することにある。
さらに本発明の目的は、短波長側の透過率が良好で、しかも十分な導電性を有する帯電防止膜を用いたリソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2) の3×10-5〜1×10-1倍の範囲である)で表される導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜(第1の態様の帯電防止膜)に関する。
【0010】
さらに本発明は、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表され、かつM(1)、M(2)及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換される元素は原子価が2価以上であり、M(2)及びInと置換される元素は原子価が3価以上である導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜(第2の態様の帯電防止膜)に関する。
【0011】
加えて本発明は、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物に、陽イオンを注入したものである導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜(第3の態様の帯電防止膜)に関する。
【0012】
さらに本発明は、基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に設けられた上記帯電防止膜であって、さらに、該帯電防止膜を構成する導電性酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が前記基板の表面と実質上平行に配向していることを特徴とする帯電防止膜に関する。
【0013】
また、本発明は、上記本発明の帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスクブランク及び上記本発明の帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスクに関する。
以下、本発明について説明する。
【0014】
本発明の第1の態様の帯電防止膜
一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d 中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素である。従って、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のいずれか単独であってもよいし、M(1)はマグネシウム及び亜鉛が共存してもよい。マグネシウム及び亜鉛が共存する場合、マグネシウムと亜鉛の比率には特に制限はない。但し、マグネシウムの比率が増えると吸収端が短波長側にシフトして透明性が増大する傾向がある。亜鉛の比率が増えると導電性が増大する傾向がある。
【0015】
M(2)はアルミニウム及びガリウムのいずれか単独であってもよいし、M(2)はアルミニウム及びガリウムが共存してもよい。アルミニウム及びガリウムが共存する場合、アルミニウムとガリウムの比率には特に制限はない。但し、アルミニウムの比率が増えると結晶化温度が高くなる傾向がある。ガリウムの比率が増えると結晶化温度が低くなる傾向がある。
【0016】
比率(x:y)は0.2〜1.8:1の範囲であり、x/yが0.2未満であるとInGaO3 相の析出が顕著となり、電気伝導性が低下する。x/yが1.8を超えると結晶構造が不安定となる。好ましい比率(x:y)は0.3〜1.6:1の範囲であり、より好ましくは0.4〜1.3:1の範囲である。
比率(z:y)は0.4〜1.4:1の範囲であり、z/yが0.4未満ではZnGa2 4 相等の析出が顕著となり、電気伝導性が低下する。z/yが1.4を超えるとIn2 3 相が析出して透明性が低下する。好ましい比率(z:y)は0.6〜1.4:1の範囲であり、より好ましくは0.8〜1.2:1の範囲である。
【0017】
酸素欠損量dは、(x+3y/2+3z/2) の3×10-5〜1×10-1倍の範囲である。酸素欠損量dは、一般に、少な過ぎると電気伝導性が低下し、多過ぎると可視光を吸収して透明性を低下させる原因となる。
酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2) の3×10-5倍未満では電気伝導率が低くなり過ぎて、実用的な導電性を得ることはできない。一方、酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2) の3×10-1倍を超えると可視光を吸収するようになることから、好ましくない。酸素欠損量dの範囲は、好ましくは(x+3y/2+3z/2) の1×10-3〜1×10-1倍の範囲であり、より好ましくは(x+3y/2+3z/2) の1×10-2〜1×10-1倍の範囲である。
【0018】
尚、酸素欠損量とは、1モルの酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数を化学量論量の酸素イオンの数から差し引いた値をモル単位で示した値である。酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数は、例えば、酸化物結晶を炭素粉末中で加熱させて生成する二酸化炭素の量を赤外吸収スペクトルで測定することで算出することができる。また、化学量論量の酸素イオンの数は酸化物結晶の質量から算出することができる。
【0019】
本発明の帯電防止膜の導電性は、伝導帯におけるキャリア電子の量が所定の範囲にあるときに良好となる。そのようなキャリア電子の量は、1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲である。また、好ましいキャリア電子の量は、1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
尚、キャリア電子の量は、例えば、ファンデアパウ法電気伝導率測定装置により測定することができる。
【0020】
一般式M(1)M(2)InO4-d で表わされる本発明に用いる導電性酸化物は、一般式Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4-d で表すこともでき、式中aは0〜1の範囲であり、bは0〜1の範囲である。
Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4-d で表わされる本発明に用いる導電性酸化物の具体例としては、例えばMgA1InO4-d 、ZnA1InO4-d 、MgGaInO4-d 、ZnGaInO4-d 、Mga Zn1-a A1InO4-d 、Mga Zn1-a GaInO4-d 、MgA1b Ga1-b InO4-d 、ZnA1b Ga1-b InO4-d を挙げることができる。式中のa及びbは、導電性酸化物に要求される光学的特性及び導電性を考慮して、組成により適宜決定することができる。
【0021】
上記の酸素欠損量dは1.2×10-4〜0.4の範囲であり、この範囲の酸素欠損量であることで、帯電防止膜として良好に用いることができる。酸素欠損量dは、電気伝導性と透明性のバランスという観点からは、好ましくは4×10-3〜0.4の範囲であり、より好ましくは4×10-2〜0.4の範囲である。
【0022】
本発明の第2の態様の帯電防止膜
本発明の第2の態様の帯電防止膜において、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d の式中、M(1)、M(2)、比率(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発明の第1の態様の帯電防止膜と同様である。
さらに、本発明の第2の態様の帯電防止膜においては、M(1)、M(2)及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換される元素は原子価が2価以上であり、M(2)及びInと置換される元素は原子価が3価以上である。M(1)、M(2)及びInの少なくとも一つの元素の一部を他の元素と置換することにより、酸化物に電子を注入することができる。
本発明の第2の態様の帯電防止膜では、酸素欠損を導入すること以外に、金属イオンの一部を別の金属イオンで置換することによりキャリア電子が伝導帯に注入されて、導電性を発現させることができる。
【0023】
M(1)で表されるMg及びZnは、2価の元素であり、これらと置換可能な元素は、原子価が2価以上の元素である。原子価が高い元素程少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常2価、3価、4価、5価又は6価である。
原子価が2価以上の元素としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げることができる。
【0024】
M(2)で表されるA1、Ga及びInは3価の元素であり、これらと置換可能な元素は、原子価が3価以上の元素である。原子価が高い元素程少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常3価、4価、5価又は6価である。
原子価が3価以上の元素としては、例えば、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げることができる。
【0025】
上記のようにM(1)、M(2)及び/又はInの一部が上記のような元素で置換されることで、キャリア電子が伝導バンドに注入される。電気伝導性と透明性のバランスという観点から、キャリア電子の注入量は、例えば1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適当であり、各元素の置換量は、電子の注入量を上記範囲になるように調整することが適当である。キャリア電子の注入量が1×1018/cm3 未満では十分な電気伝導率が得られず、1×1022/cm3 を超えると、プラズマ振動による吸収が可視領域に現れて透明性が低下する。キャリア電子の注入量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
また、置換する元素の種類によっては、使用する波長領域の光を吸収する性質を有するものもある。そこで、置換元素の置換量は、使用波長領域の光の平均透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上となるように選ぶことが適当である。
【0026】
第2の態様の帯電防止膜を構成する酸化物の具体例として、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d において、x、y及びzが1であるM(1)M(2)InO4-d で表され、M(1)、M(2)及び/又はInの一部が他の元素で置換されたものを挙げることができる。置換可能な元素の具体例は前述のとおりである。
一般式M(1)M(2)InO4-d で表わされる導電性酸化物は、一般式Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 で表すこともでき、式中aは0〜1の範囲であり、bは0〜1の範囲である。従って、第2の態様の酸化物は、一般式Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 において、Mg、Zn、A1、Ga及びInのの一部が他の元素で置換されたものである。
【0027】
尚、上記Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 で表わされる酸化物には、例えばMgA1InO4 、ZnA1InO4 、MgGaInO4 、ZnGaInO4 、Mga Zn1-a A1InO4 、Mga Zn1-a GaInO4 、MgA1b Ga1-b InO4 、ZnA1b Ga1-b InO4 を挙げることができる。式中のa及びbは、帯電防止膜に要求される光学的特性及び導電性を考慮して、組成により適宜決定することができる。
【0028】
M(1)、M(2)及びInの少なくともいずれか1つの元素の一部が他の元素で置換されることで、キャリア電子が伝導バンドに注入される。キャリア電子の伝導バンドへの注入は、上述のように酸素欠損の導入によっても生じる。従って、本発明の第2の態様の酸化物においては、元素の置換又は元素の置換と酸素欠損によってキャリア電子が伝導バンドに注入される。
キャリア電子の量は、前記のように1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適当であり、各元素の置換量又は元素の置換量と酸素欠損量とは、キャリア電子の量が上記範囲になるように調整することが適当である。キャリア電子の量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
【0029】
本発明の第3の態様の帯電防止膜
本発明の第3の態様の帯電防止膜において、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d の式中、M(1)、M(2)、比率(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発明の第1の態様の帯電防止膜と同様である。さらに、本発明の第3の態様の帯電防止膜は、上記一般式で表される酸化物に、陽イオンを注入したものである。
本発明の第3の態様の帯電防止膜では、酸素欠損を導入すること以外に、陽イオンを注入することによりキャリア電子が伝導帯に注入されて、導電性を発現させることができる。
【0030】
本発明の第3の態様の帯電防止膜に注入される陽イオンは、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d で表される酸化物の結晶構造を破壊することなく、固溶できるものであれば特に制限はない。但し、イオン半径の小さいイオンの方が結晶格子中に固溶しやすい傾向があり、イオン半径が大きくなる程、結晶構造を破壊し易くなる傾向がある。
上記のような陽イオンとしては、例えば、H、Li、Be、B、C、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biを挙げることができる。
【0031】
第3の態様の帯電防止膜を構成する酸化物の具体例として、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d において、x、y及びzが1であるM(1)M(2)InO4-d で表される酸化物に陽イオンを注入したものを挙げることができる。
一般式M(1)M(2)InO4-d で表わされる導電性酸化物は、一般式Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 で表すこともでき、式中aは0〜1の範囲であり、bは0〜1の範囲である。従って、第3の態様に用いる酸化物は、一般式Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 で表される酸化物に陽イオンを注入したものであることができる。
【0032】
尚、上記Mga Zn1-a A1b Ga1-b InO4 で表わされる酸化物には、前記のように、例えばMgA1InO4 、ZnA1InO4 、MgGaInO4 、ZnGaInO4 、Mga Zn1-a A1InO4 、Mga Zn1-a GaInO4 、MgA1b Ga1-b InO4 、ZnA1b Ga1-b InO4 を挙げることができる。式中のa及びbは、帯電防止膜に要求される光学的特性及び導電性を考慮して、組成により適宜決定することができる。
【0033】
本発明の帯電防止膜は、前記の導電性酸化物のみからなる場合のみならず、およびこれらの酸化物と異なる結晶が共存する酸化物層であることもできる。但し、他の結晶の共存量は、膜の透明性および導電性の点で実用上の問題が生じない範囲で選ばれる。本発明の導電性酸化物と共存させることができる酸化物としては、例えばITO、In2 3 、SnO2 、ZnO等が挙げられる。但し、これらの酸化物に限定されるものではない。
【0034】
本発明の配向した帯電防止膜
本発明の帯電防止膜は、基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に設けられ、帯電防止膜を構成する導電性酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が前記基板の表面と実質上平行に配向しているものであることができる。このような帯電防止膜より高い導電性を有する。
この点を図面を用いて説明する。
【0035】
本発明に用いられる一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2) で示される酸化物は、基本的にはInO6 の八面体が2次元的に広がった層構造を有する。InO6 の八面体の層状構造を示す原子模型(白丸がIn原子であり、黒丸が酸素原子である)を図1に示す。図1のAは、(00n)面に垂直な方向から見た図であり、図1のBは(00n)面と平行な方向から見た図である。
図2は、InO6 の八面体及び八面体の(00n)面、さらには基板との関係を模式的に示した図である。
本発明の帯電防止膜では、導電性酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が透明基板の表面と実質上平行に配向していることが、高い導電性を有すという観点から好ましい。この点は、図3に模式的に示すように、無配向性の膜においては、電子の経路がジグザグになるのに対して、配向性の膜においては、電子の経路は直線的になり、導電性も高くなる。
【0036】
本発明の帯電防止膜の膜厚は、膜に要求される光学的特性、伝導性及び用途等を考慮して適宜決定でき、例えば、下限は約30nmであり、上限は約1μmである。但し、酸化物に含まれる元素の種類によっては、可視領域に一部吸収を有するものもあり、その場合には、比較的薄い膜が好ましい。また、可視領域にほとんどまたはまったく吸収を有さないものについては、膜厚を厚くすることで、より高い伝導性を得ることができる。
【0037】
本発明の帯電防止膜は、薄膜法により製造することができる。
薄膜法の代表的なものとして、CVD法、スプレー法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法、噴霧熱分解法などがある。さらにCVD法として、熱CVD、プラズマCVD、MOCVD、光CVD等を挙げることができる。
【0038】
CVD法やスプレー法のような化学的手法は、真空蒸着法やスパッタリング法のような物理的手法に比べて設備は簡単であり、大型基板に適している。さらに、反応促進や特性安定化のために乾燥や焼成の工程を行うときには、350〜500℃の熱処理を必要とするので、ガラス基板上に直接製造する場合には適している。
物理的手法は、基板温度が150〜300℃の低温で成膜できるため、ガラス基板上に直接製造する場合だけでなく、各種下地層の上に製造する場合にも適している。なかでもスパッタリング法は生産性が高く、大面積基板に均一に成膜できるなどの点で特に優れている。
【0039】
例えば、スパッタリング法の場合、所望の組成を有するターゲットを用い、10-4〜10-1Torrの圧力下、室温から500℃の範囲で基板を加熱して成膜することができる。尚、スパッタリングターゲットとしては、金属または酸化物の焼結体や混合粉成形体等を用いることができる。
また、成膜方法及び条件により生成する酸化物膜の配向性をコントロールすることもできる。
例えば、スパッタリング法で配向性のある酸化物膜を形成するには、5×10-4〜1Torrの圧力下、100℃〜900℃の範囲で基板を加熱することで、酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が前記基板の表面と実質上平行な向きに配向した膜を形成することができる。
【0040】
CVD法では、金属元素の原料として、In(CH3 3 、In(C2 5 3 、In(C5 7 2 3 、In(C119 2 3 、Ga(CH3 3 、Ga(C2 5 3 、Zn(CH3 2 、Zn(C2 5 2 、Al(CH3 3 、Al(C2 5 3 、Mg(CH3 2 、Mg(C2 5 2 等の有機金属や、InCl3 、GaCl3 、ZnCl2 、AlCl3 、MgCl2 等の塩化物などが利用できる。また、酸素の原料としては空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等が利用できる。
【0041】
イオンプレーティング法による成膜は、原料となる金属あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗加熱、高周波加熱、電子衝撃等により蒸発させ、DC放電、RF放電、電子衝撃等によりイオン化する事により行うことができる。原料として金属を用いた場合には、空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等を流しながら成膜をすることにより所定の酸化物膜を得ることができる。
【0042】
真空蒸着法による成膜は、圧力10-3〜10-6Torr中で原料となる金属あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗加熱、高周波加熱、電子衝撃、レーザー衝撃等により蒸発させ、基板上に膜を作製することにより行うことができる。原料として金属を用いた場合には空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等を流しながら成膜をすることにより所定の酸化物膜を得ることができる。
【0043】
尚、CVD法、イオンプレーティング法、真空蒸着法においても、成膜条件を適宜選ぶことで配向性のある酸化物膜を形成することができる。
【0044】
本発明の第1の態様の帯電防止膜の導電性は、薄膜法により形成したM(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2) で表される酸化物に酸素欠損を導入することで得られる。一般に酸化物の酸素欠損は、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、上記酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。熱処理および/または還元処理は、100〜1100℃の範囲の温度で行うことが適当である。好ましい温度範囲は、300〜900℃である。
また、酸化物の成膜の際に酸素分圧を制御することで、酸素欠損を有する酸化物を形成させることもできる。
酸化物の形成の際に酸素欠損を導入し、さらに酸素を引き抜く工程を加えることで酸素欠損量を調整することもできる。
【0045】
本発明の第2の態様の帯電防止膜は、基本的には、第1の態様の帯電防止膜の場合と同様に、薄膜法により形成し、必要により酸素欠損を導入することにより得られる。
【0046】
例えば、スパッタリング法で行う場合、ターゲットとして、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2) (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.1〜2.2:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.8:1の範囲である)で表され、かつM(1)、M(2)及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換される元素は原子価が2価以上であり、M(2)及びInと置換される元素は原子価が3価以上である酸化物を用いることが適当である。
例えば、In2 Ga2 Zn0.99Ge0.017 の組成を有する膜を形成する場合、同様の組成を有する焼結体または混合粉成形体等をターゲットとして用いることができる。
【0047】
スパッタリング法により、配向性の帯電防止膜を作製するには、上記酸化物をターゲットとして、基板上に、前記基板の加熱温度を100〜900℃の範囲とし、成膜時の圧力を5×10-4〜1Torrの範囲として酸化物膜を形成することが適当である。これにより、導電性酸化物からなる膜であって、該導電性酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が前記基板の表面と実質上平行な向きに配向した結晶構造を有する帯電防止膜を得ることができる。
【0048】
さらに、酸素欠損は、本発明の第1の態様と同様に、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。
【0049】
本発明の第3の態様の帯電防止膜は、基本的には、第1の態様の帯電防止膜の場合と同様に、一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2) で示される所望の組成の酸化物を形成し、さらに得られた酸化物に陽イオンを注入し、必要により酸素欠損を導入することにより得られる。酸化物の形成は、薄膜法などにより行うことができる。尚、上記酸化物を形成する際に、条件により酸化物形成の際に酸素欠損が導入されることもある。また、薄膜法の例としては、上記第1の態様の帯電防止膜で説明した方法を同様に用いることができる。
【0050】
陽イオンの注入には、イオン注入法を用いる。イオン注入法は、固体内に不純物を導入する手段として超大規模集積回路製造工程等に用いられているものをそのまま用いることができる。注入さるべき陽イオンの元素をイオン化して数十keV以上に加速し、酸化物中に打ち込むことで、行うことができる。
【0051】
注入された陽イオンは伝導帯にキャリア電子を与えて導電性を発現させる。陽イオン注入量は、酸化物が酸素欠損を有さない場合、伝導帯への電子の注入量が1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲になるように選ぶことが適当である。また、酸化物が酸素欠損を有する場合には、酸素欠損により生じるキャリア電子の量と陽イオン注入により生じる電子の量との合計が上記範囲になるようにすることが適当である。
キャリア電子の量が1×1018/cm3 より小さければ、充分な電気伝導率が得られず、1×1022/cm3 より大きければプラズマ振動による吸収が可視領域に現れて透明性が劣化する。キャリア電子の量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
【0052】
本発明の帯電防止膜を用いたリソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスクについて説明する。
本発明においてリソグラフィー用マスクブランクとしては、例えば、フォトマスクブランク、位相シフトマスクブランク及びX線マスクブランク等を挙げることができる。但し、本発明の上記材料を用いた帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスクブランクであれば、これらに限定されるものではない。
また、本発明においてリソグラフィー用マスクとしては、例えば、フォトマスク、位相シフトマスク及びX線マスク等を挙げることができる。但し、本発明の上記材料を用いた帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスクであれば、これらに限定されるものではない。
【0053】
リソグラフィー用マスクブランクがフォトマスクブランクである場合、該フォトマスクブランクは、基板上に、本発明の上記材料を用いた帯電防止層及び遮光層をこの順に有するものである。
リソグラフィー用マスクブランクが位相シフトマスクブランクである場合、該位相シフトマスクブランクは、基板上に、本発明の上記材料を用いた帯電防止層を有し、その上に位相シフト層及び遮光層をこの順に有するものである。尚、位相シフトマスクブランクにおいては、上記帯電防止膜はエッチング停止層としても機能するが、上記帯電防止膜と位相シフト層との間に別途エッチング停止層を設けることもできる。
【0054】
また、リソグラフィー用マスクブランクがX線マスクブランクである場合、該X線マスクブランクは、基板の一方の面にX線透過層を有し、他方の面にX線透過層、本発明の上記材料を用いた帯電防止層及びX線吸収層をこの順に有するものである。尚、X線マスクブランクにおいては、上記帯電防止膜は反射防止層としても機能するが、別途、帯電防止層の上又は下に反射防止層を設けることもできる。
【0055】
リソグラフィー用マスクがフォトマスクである場合、該フォトマスクは、基板上に、本発明の上記材料を用いた帯電防止層及び所定パターンの遮光部をこの順に有するものである。
リソグラフィー用マスクが位相シフトマスクである場合、該位相シフトマスクは、基板上に、本発明の上記材料を用いた帯電防止層、所定パターンの位相シフター及び所定パターンの遮光部をこの順に有するものである。尚、位相シフトマスクにおいては、上記帯電防止膜はエッチング停止層としても機能するが、上記帯電防止膜と位相シフターとの間に別途エッチング停止層を設けることもできる。
【0056】
また、リソグラフィー用マスクがX線マスクである場合、該X線マスクは、支持枠の一方の面にX線透過層を有し、他方の面にX線透過層、本発明の上記材料を用いた帯電防止層及びX線吸収パターンをこの順に有するものである。尚、X線マスクにおいては、上記帯電防止膜は反射防止層としても機能するが、別途、帯電防止層の上又は下に反射防止層を設けることもできる。
既述したように、X線マスクにおいては、露光時の位置合わせはX線マスクに光を透過させることにより行っている。一般にX線透過膜の上に反射防止膜を設けることにより位置合わせ光の透過率を高めることができる。本発明の帯電防止膜は、位置合わせ光に対して高い透過率を有し、反射防止膜を兼ねることもできる。但し、本発明の帯電防止膜とは別に帯電防止層の上又は下に反射防止膜を設けることも可能であることはいうまでもない。
【0057】
本発明のリソグラフィー用マスク及びリソグラフィー用マスクブランクにおいて、基板としては、例えば石英ガラス、無アルカリガラス、低膨張ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス等の透明基板を挙げることができる。
【0058】
フォトマスクブランク及び位相シフトマスクブランクにおける遮光層の材料としては、マスクを通して被転写体上に必要とされるコントラストを有するパターンを転写できる物質であれば良く、クロム、酸化クロム、タングステン、モリブデン等が用いられる。また、転写時の解像度以下の線幅で形成した位相シフター群によって遮光部を形成することができる。
位相シフトマスクブランクにおける位相シフト層の材料としては、露光光に対して透明な材料であれば良く、例えば液相法や気相法によって形成されるSiO2 あるいはSiO2 類似の材料からなる透明な薄膜が用いられる。さらに、シリカガラス、スピンオングラス、フッ素樹脂等を用いることもできる。また、ハーフトーンシフターと称する透過率が15%以下の薄膜も用いることができ、ハーフトーンシフターの材質としては、例えば、酸化クロム、ケイ化モリブデン、ケイ化タングステン、酸化クロム−シリカ等を挙げることができる。
【0059】
位相シフトマスクの製造は、レジストパターンをマスクとして位相シフトマスクの位相シフト層をドライエッチングすることにより、位相シフター(位相シフト層パターン)を形成する。一般に、位相シフト層と透明基板とのエッチング速度の差が小さいと、エッチング時間を長めにとった場合、基板までエッチングされてしまい、目的とする位相差が得られなくなってしまうという問題が生ずる。そこで、通常はエッチング停止層を位相シフト層と基板との間に設けることが行われている。しかし、本発明の帯電防止膜はこのエッチング停止層を兼ねることもできる。
【0060】
但し、エッチング条件によっては、帯電防止層が十分なエッチング耐性を有しない場合もある。このような場合には、エッチング耐性を有するエッチング停止層を位相シフト層と帯電防止層との間に形成することが好ましい。エッチング停止層としては、例えばアルミナ、アルミナ−酸化スズ、酸化スズ、酸化ハフニウム、MgF2 等の材料を挙げることができる。
【0061】
本発明の位相シフトマスクブランクの構成を示す断面図を図4に示す。図中、位相シフトマスクブランクは、透明基板1上に帯電防止膜2、位相シフト層3、遮光層4を順次有する。また、本発明の位相シフトマスクの構成を示す断面図を図5に示す。図中、位相シフトマスクは、透明基板1上に帯電防止膜2、位相シフター(位相シフト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4aを順次有する。
【0062】
図6には、本発明の別の態様の位相シフトマスクブランクの構成を示す断面図である。図中、位相シフトマスクブランクは、透明基板1上に帯電防止膜2、エッチング停止層5、位相シフト層3、遮光層4を順次有する。また、対応する本発明の位相シフトマスクの構成を示す断面図を図7に示す。図中、位相シフトマスクは、透明基板1上に帯電防止膜2、エッチング停止層5、位相シフター(位相シフト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4aを順次有する。
【0063】
位相シフトマスクブランクから位相シフトマスクの形成は、常法により行うことができる。例えば、位相シフトマスクブランクの遮光層4の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子線描画機を用いてレジストへの電子線露光を行う。レジスト現像後、クロム遮光層4をエッチング加工し、次に再度電子線レジストを塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行う。レジストの現像後、ドライエッチングにより位相シフト層の加工を行い、さらに残存するレジスト層を取り除くことにより、位相シフトマスクを形成することができる。
上記ドライエッチングは、例えば、CF4 とO2 を用いた反応性イオンエッチングを用いることができる。
【0064】
図8には、本発明のX線マスクの製造工程説明図を示す。図8の(C)に、本発明のX線マスクブランクが示され、図8の(F)に、本発明のX線マスクが示される。
図8の(C)に示される本発明のX線マスクブランクは、シリコン基板6の両面にX線透過膜7A及び7Bを有し、さらに、X線透過膜7Aの上に、帯電防止膜8及びX線吸収膜9をこの順に有する。
また、図8の(F)に示される本発明のX線マスクは、X線透過膜7Bを有する支持枠6aに、その周囲が固着されて支持されたX線透過膜7Aの上に帯電防止膜8とX線吸収パターン9aを有するものである。
【0065】
本発明のX線マスクブランク及びX線マスクは、図8の工程(A)から(F)を経て作製できる。
工程(A)では、シリコン基板6の両面にX線透過膜7A及び7Bが形成される。X線透過膜としては、例えば、炭化珪素を用いることができ、炭化珪素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法により形成することができる。また、炭化珪素以外に窒化珪素、ダイヤモンド、シリコン等をX線透過膜として用いることもできる。
工程(B)では、X線透過膜7Aの上に本発明の帯電防止膜8を形成する。
工程(C)では、帯電防止膜8の上にX線吸収膜9を形成する。X線吸収膜としては、例えば、Ta、W、Au、ホウ化合タンタル、窒化タングステン膜等を挙げることができる。
工程(D)では、X線吸収膜9の上に電子線レジストを塗布して電子線によりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして反応性イオンエッチングを施し、X線吸収パターン9aを形成する。
【0066】
工程(E)では、シリコン基板6のもう一方の側(裏側)のX線透過膜7Bの中央部をドライエッチングによりその除去し、さらにX線透過膜7Bが除去されて露出したシリコン基板6の中央部を残ったX線透過膜7Bをマスクとして、NaOH水溶液により除去して、支持枠6aを形成した。
工程(F)では、支持枠6aに自立されたX線透過膜7Aのシリコン基板6が除去されることにより露出した面に、反射防止膜を形成することにより、本発明のX線マスクを得ることができる。反射防止膜は、例えば、アルミナ、シリカ、ITO膜等をRFマグネトロンスパッタ法により形成することができる。
【0067】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1:フォトマスクブランク及びフォトマスクの作製
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnO:Ga2 3 :In2 3 =16:43:41の組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =18:2、圧力6×10-3Torr、基板温度500℃の条件下で厚さ1000オングストロームの帯電防止膜を形成した。次にこれを、大気中600℃で1時間アニールした。得られた膜を蛍光X線により分析した結果、その組成は、Zn11Ga47In41145 であった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。上記膜の導電性を4探針法によって測定したところ、280s/cmであった。さらに、得られた膜の分光透過率を測定した結果、吸収端は390nmであった。
【0068】
次に、上記帯電防止膜上にDCスパッタリングにより、クロム遮光層(厚さ
850オングストローム)を形成して、本発明のフォトマスクブランクを得た。得られたマスクブランクの遮光層の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子線描画機を用いて電子線露光を行った。レジスト現像後、クロム遮光層のエッチング加工を行い、さらに残存するレジスト層を取り除くことにより、本発明のフォトマスクを得た。
得られたフォトマスクの描画パターンには、電子描画ときのチャージアップによる変形や位置ずれはみられず、帯電防止効果により、塵の付着も少なかった。
【0069】
実施例2:位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの作製
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnGaInO4 の組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =18:2、圧力1×10-2Torr、基板温度500℃で、厚さ2000オングストロームの帯電防止膜を形成した。
【0070】
得られた膜を蛍光X線により分析した結果、その組成はZn25Ga36In39138 であった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークのみが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。この膜の導電性を4探針法により測定した結果、240s/cmであった。また、この膜の分光透過率を測定したところ、吸収端は385nmであった。
【0071】
次に、上記帯電防止膜上にスピンオングラスをスピンコートによりコートし、300℃でベークして、膜厚4000オングストロームの位相シフト層を形成した。
さらに、上記位相シフト層上にクロム遮光層(膜厚850オングストローム)を形成して、図1に示すように透明石英基板1上に帯電防止膜2、位相シフト層3、遮光層4を順次有する本発明の位相シフトマスクブランクスを得た。
【0072】
次に、上記位相シフトマスクブランクスの遮光層4の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子線描画機を用いてレジストへの電子線露光を行った。レジスト現像後、クロム遮光層4のエッチング加工を行った。次に再度、電子線レジストを塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行い、レジストの現像後、ドライエッチングにより位相シフト層の加工を行った。残存するレジスト層を取り除くことにより、図2に示すように石英基板1上に帯電防止膜2、位相シフター(位相シフト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4aを順次有する本発明の位相シフトマスクを得た。
【0073】
上記ドライエッチングは、CF4 とO2 を用いた反応性イオンエッチングを行ったが、位相シフト層3と帯電防止膜2のエッチング速度比11:1という値が得られ、このことから、帯電防止膜2はエッチング停止層としての機能も有することが明らかとなった。
得られた位相シフトマスクの描画パターンには、電子描画時のチャージアップによる変形や位置ずれはみられず、帯電防止効果により、塵の付着も少なかった。
【0074】
実施例3:位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの作製
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnO:Ga2 3 :In2 3 =45:25:35組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =19.5:0.5、圧力8×10-3Torr、基板温度400℃で、厚さ1000オングストロームの帯電防止膜を形成した。次にこれを、大気中600℃で10時間アニールした後、N2 :H2 =98:2のガスを流しながら500℃1時間還元熱処理を行った。得られた膜を蛍光X線により分析を行ったところ、その組成はZn39Ga28In33131 であった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークのみが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。この膜の導電性を4探針法により測定した結果、1270s/cmであった。さらに、この膜の分光透過率を測定したところ、吸収端は380nmであった。
【0075】
次に、上記帯電防止膜上にエッチング停止層として、膜厚100オングストロームのAl2 3 層をRFマグネトロンスパッタリングにより形成した。
次に、このエッチング停止膜上にスピンオングラスをスピンコートによりコートし、300℃でベークして、膜厚2500オングストロームの位相シフト層を形成した。
次に位相シフト層上にクロム遮光層を形成して、図3に示すような透明石英基板1上に帯電防止膜2、位相シフト層3、遮光層4を順次有する本発明の位相シフトマスクブランクを得た。
【0076】
次に、上記フォトマスクブランクの遮光層4の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子描画機を用いてレジストへの電子線露光を行った。レジスト現像後クロム遮光層4のエッチング加工を行った。次に再度電子線レジストを塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行い、レジストの現像後、ドライエッチングにより位相シフト層の加工を行った。残存するレジスト層を取り除くことにより、図4に示す、石英基板1上に帯電防止膜2、エッチング停止層5、位相シフター(位相シフト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4aを順次有する本発明の位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの描画パターンには、電子描画時のチャージアップによる変形や位置ずれはみられず、帯電防止効果により、塵の付着も少なかった。
【0077】
実施例4:X線マスクブランク及びX線マスクの作製
本実施例は、X線マスクブランク及びX線マスクの作製に関するものであり、製造工程を図5に示す。
シリコン基板6の両面にそれぞれ炭化珪素からなるX線透過膜7A及び7Bを形成した(図5(A))。なお、シリコン基板6には、結晶方位(100)のシリコン基板を用いた。また、X線透過膜7A、7Bを構成する炭化珪素は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法により1μmの厚みに堆積した。
【0078】
次に、上記X線透過膜7A上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnO:Ga2 3 :In2 3 =40:29:31にSnO2 を添加した組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =19.5:0.5、圧力8×10-3Torr、基板温度500℃で、厚さ700オングストロームの帯電防止膜を形成した(図5(B))。
得られた膜を蛍光X線により分析を行ったところ、その組成はZn33Ga34In33134 であり、Snが1%含有されていた。XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークのみが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。この膜の導電性を4探針法により測定した結果、1080s/cmであった。この膜の分光透過率を測定したところ、吸収端は385nmであった。
【0079】
次に、上記帯電防止膜8の上にX線吸収膜9を構成するTa膜をRFマグネトロンスパッタ法により0.8μmの厚さに形成して本発明のX線マスクブランクを得た(図5(C))。
次に、X線吸収膜9の上に電子線レジストを塗布して電子線によりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして反応性イオンエッチングを施し、X線吸収パターン9aを形成した(図5(D))。
【0080】
基板6のもう一方の側(裏面)に形成されているX線透過膜7Bを、ドライエッチングによりその中央部を除去し、さらに裏面に残ったX線透過膜7Bをマスクとして、NaOH水溶液によりシリコン基板6の中央部を除去し、支持枠6aを得た(図5(E))。
次に、支持枠6aに自立されたX線透過膜7Aの図中下側(裏面)に反射防止膜10としてAl2 3 膜をRFマグネトロンスパッタ法により96nmの厚さに形成してX線マスクを得た(図6(F))。
【0081】
得られたマスクは、X線吸収パターン9aを除く部分での波長633nmで透過率は82%であり、位置合わせを行ったところ、十分な位置精度でシリコンウエハ上に転写されていることが確認された。また電子線によるマスクの検査もチャージアップが全く生じず、高精度で敏速な検査が可能であった。
【0082】
本実施例でにおいて使用した帯電防止膜は、表面側の反射防止膜としても機能すめるものであるが、表面側の反射防止膜をAl2 3 等の導電性を有しない材料で形成し、その上にここで使用した帯電防止膜を設けることもできる。
【0083】
実施例5:フォトマスクブランク及びフォトマスクの作製
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnO:Ga2 3 :In2 3 :Al2 3 =37:25:33:5の組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =18:2、圧力6×10-3Torr、基板温度500℃の条件下で厚さ600オングストロームの帯電防止膜を形成した。得られた膜を蛍光X線により分析を行ったところ、その組成はZn33Ga28In33Al6 134 であった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークのみが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。この膜の導電性を4探針法により測定した結果、280s/cmであった。この膜の分光透過率を測定したところ、吸収端は390nmであった。
【0084】
次に、上記帯電防止膜上にDCスパッタリングにより、クロム遮光層(厚さ850オングストローム)を形成して、本発明のフォトマスクブランクを得た。
得られたマスクブランクの遮光層の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子描画機を用いて電子線露光を行った。レジスト現像後、クロム遮光層のエッチング加工を行い、さらに残存するレジスト層を取り除くことにより、本発明のフォトマスクを得た。
得られたフォトマスクの描画パターンには、電子描画ときのチャージアップによる変形や位置ずれはみられず、帯電防止効果により、塵の付着も少なかった。
【0085】
実施例6
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、ZnO:Ga2 3 :In2 3 :MgO=30:30:34:6の組成の焼結体をターゲットとして、Ar:O2 =18:2、圧力6×10-3Torr、基板温度500℃の条件下で厚さ600オングストロームの帯電防止膜を形成した。得られた膜を蛍光X線により分析を行ったところ、その組成はZn24Ga34In34Mg8 138 であった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(009)面の回析ピークのみが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。 この膜の導電性を4探針法により測定した結果、280s/cmであった。この膜の分光透過率を測定したところ、吸収端は390nmであった。
【0086】
次に、上記帯電防止膜上にDCスパッタリングにより、クロム遮光層(厚さ850オングストローム)を形成して、本発明のフォトマスクブランクを得た。
得られたマスクブランクの遮光層の上に電子線レジストを塗布、乾燥した後、電子描画機を用いて電子線露光を行った。レジスト現像後、クロム遮光層のエッチング加工を行い、さらに残存するレジスト層を取り除くことにより、本発明のフォトマスクを得た。
得られたフォトマスクの描画パターンには、電子描画ときのチャージアップによる変形や位置ずれはみられず、帯電防止効果により、塵の付着も少なかった。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、短波長側の透過率が良好で、しかも十分な導電性を有する帯電防止膜、特にリソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスク用帯電防止膜を提供することができる。
さらに本発明によれば、短波長側の透過率が良好で、しかも十分な導電性を有する帯電防止膜を用いたリソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスクを提供することができる。
特に、本発明では、新規なZn−Ga−In系酸化物の膜を帯電防止膜として使用した結果、短波長側で優れた透過率を示し、かつ良好な導電性を有する帯電防止膜が得られる。特に、半導体の高集積化に伴い、パターニング加工において短波長の光が使用される場合、本発明の帯電防止膜を用いたリソグラフィー用マスクブランクおよびリソグラフィー用マスクは有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 InO6 の八面体の層状構造を示す原子模型(白丸がIn原子であり、黒丸が酸素原子である)を示す。Aは、(00n)面に垂直な方向から見た図であり、Bは(00n)面と平行な方向から見た図である。
【図2】 InO6 の八面体及び八面体の(00n)面、さらには基板との関係を模式的に示した図である。
【図3】 無配向性の膜と配向性の膜における、電子の経路の違いを示す模式図である。
【図4】 本発明の位相シフトマスクブランクの構成を示す断面図である。
【図5】 本発明の位相シフトマスクの構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の位相シフトマスクブランクの構成を示す断面図である。
【図7】 本発明の位相シフトマスクの構成を示す断面図である。
【図8】 本発明のX線マスクの製造工程説明図である。
【符号の説明】
1・・・透明基板
2、8・・・帯電防止膜
3・・・位相シフト層
3a・・位相シフター(位相シフト層パターン)
4・・・遮光層
4a・・遮光部(遮光層パターン)
5・・・エッチング停止層
6・・・シリコン基板
6a・・支持枠
7A、7B・・X線透過膜
9・・・X線吸収膜
9a・・X線吸収パターン
10・・反射防止膜

Claims (14)

  1. 一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2) の3×10-5〜1×10-1倍の範囲である)で表される、InO 6 の八面体の層状構造を有する導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜。
  2. 一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表され、かつM(1)、M(2)及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換される元素は原子価が2価以上であり、M(2)及びInと置換される元素は原子価が3価以上である、InO 6 の八面体の層状構造を有する導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜。
  3. キャリア電子の量が1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d並びにM(1)、M(2)及びInの元素の置換量を選んだ請求項2記載の帯電防止膜。
  4. 一般式M(1)x M(2)y Inz (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のうちの少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物に、陽イオンを注入したものである、InO 6 の八面体の層状構造を有する導電性酸化物からなることを特徴とする帯電防止膜。
  5. キャリア電子の量が1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d及び陽イオンの注入量を選んだ請求項4記載の帯電防止膜。
  6. 基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に設けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電防止膜であって、該帯電防止膜を構成する導電性酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が前記基板の表面と実質上平行に配向していることを特徴とする帯電防止膜。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスクブランク。
  8. マスクブランクがフォトマスクブランク、位相シフトマスクブランク又はX線マスクブランクである請求項7記載のリソグラフィー用マスクブランク。
  9. マスクブランクが位相シフトマスクブランクであり、その帯電防止膜がエッチング停止層でもある、請求項8記載のリソグラフィー用マスクブランク。
  10. マスクブランクがX線マスクブランクであり、その帯電防止膜が反射防止層でもある請求項7記載のリソグラフィー用マスクブランク。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止膜を有するリソグラフィー用マスク。
  12. マスクがフォトマスク、位相シフトマスク又はX線マスクである請求項11記載のリソグラフィー用マスク。
  13. マスクが位相シフトマスクであり、その帯電防止膜がエッチング停止層でもある、請求項12記載のリソグラフィー用マスク
  14. マスクブランクがX線マスクブランクであり、その帯電防止膜が反射防止層でもある請求項12記載のリソグラフィー用マスク
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