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JP3892245B2 - 湿気硬化型樹脂組成物 - Google Patents

湿気硬化型樹脂組成物 Download PDF

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JP3892245B2
JP3892245B2 JP2001088406A JP2001088406A JP3892245B2 JP 3892245 B2 JP3892245 B2 JP 3892245B2 JP 2001088406 A JP2001088406 A JP 2001088406A JP 2001088406 A JP2001088406 A JP 2001088406A JP 3892245 B2 JP3892245 B2 JP 3892245B2
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貴之 村中
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿気硬化型樹脂組成物に関し、特に主剤成分と硬化触媒成分を混合した後に短時間で硬化され、かつ表面タックが短時間で消失される、シーリング剤、接着剤等として用いるのに好適な2液タイプの湿気硬化型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
接着剤やシーリング剤に有用な硬化型樹脂組成物として、ポリエーテル、ポリエステル、あるいはエチレン性不飽和化合物やジエン系化合物の重合体等を主鎖とする架橋可能な加水分解性珪素含有基を有する有機重合体を主成分として用いるものが知られている。これらは、シロキサン結合を形成することにより硬化させる。この加水分解性珪素含有基を有する有機重合体を用いる硬化型樹脂組成物は、硬化性、貯蔵安定性、耐候性等に優れている。前記加水分解性珪素含有基を有する有機重合体の硬化触媒としては、2−エチルヘキサン酸錫、n−オクチル酸錫等のカルボン酸錫(II)化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート等の有機錫(IV)化合物、ナフテン酸鉄、オクチル酸鉛等のその他の有機金属化合物が用いられる。中でも有機錫(IV)化合物、カルボン酸錫(II)化合物は、硬化速度および硬化物性に優れるので、汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、有機錫化合物、有機鉛化合物はいずれも環境、人体へ及ぼす影響が大きいことから、使用に際しては充分な注意が必要となる。また従来は、有機錫化合物として主に2−エチルヘキサン酸錫、n−オクチル酸錫等のカルボン酸錫(II)が用いられていた(特公昭61−60867号公報)が、いずれもカルボン酸のα位の炭素原子が第一級炭素または第二級炭素であるカルボン酸であり、空気中の湿気等で失活してしまい、表面タックが長時間解消されないという問題があった。そのため実用的な硬化速度を持ち、かつ表面タックが短時間で解消される硬化触媒の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、従来硬化触媒として使用されていた2−エチルヘキサン酸錫、n−オクチル酸錫等に匹敵する速硬化性を有し、かつ表面タックが短時間で解消する湿気硬化型樹脂組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明はつぎの湿気硬化型樹脂組成物を提供する。
(1)加水分解性基と結合した珪素原子を有する基を、分子末端または側鎖に、1分子当たり少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体(a)100重量部と、下記一般式(1):
【0006】
【化2】
Figure 0003892245
【0007】
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2、R3は相互に同一であっても異なっていてもよい)で表される、カルボン酸のα位の炭素原子が第三級炭素であるカルボン酸の錫化合物(b)0.1〜20重量部とからなることを特徴とする湿気硬化型樹脂組成物。
(2)前記シリル基含有有機重合体(a)を含有する主剤成分(A)と、前記錫化合物(b)成分を含有する硬化触媒成分(B)とからなる2液タイプの湿気硬化型樹脂組成物である(1)項に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
(3)前記シリル基含有有機重合体(a)が、ポリエーテル、エチレン性不飽和化合物の重合体またはジエン系化合物の重合体を主鎖とするものである(1)または(2)項に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
(4)前記錫化合物(b)が、スタナスビスピバレートまたはスタナスビスネオデカノアートである(1)〜(3)項のいずれかに記載の湿気硬化型樹脂組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる有機重合体(a)は、加水分解性基と結合した珪素原子を有する基(以下、加水分解性基と結合した珪素基という場合がある)を、分子末端または側鎖に、1分子当たり少なくとも1個有する有機重合体であり、該重合物の主鎖としては、アルキレンオキシド重合体ないしポリエーテル、エーテル・エステルブロック共重合体等が挙げられる。また、エチレン性不飽和化合物、ジエン系化合物の重合体等が挙げられる。これら主鎖重合体は室温で液状のものが好ましい。
【0009】
前記アルキレンオキシド重合体ないしポリエーテルとしては、
〔CH2CH2O〕n
〔CH(CH3)CH2O〕n
〔CH(C25)CH2O〕n
〔CH2CH2CH2CH2O〕n
等の繰り返し単位の1種または2種以上を有するものが例示される。ここで、nは2以上の整数である。これらアルキレンオキシド重合体ないしポリエーテルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】
また、エチレン性不飽和化合物、ジエン系化合物の重合体としては、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の単独重合体、またはこれら2種以上の共重合体が挙げられる。より具体的にはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
【0011】
前記加水分解性基と結合した珪素基は、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こす基のことである。具体的には、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。ここで、1つの珪素原子に結合したこれらの加水分解性基の数は1〜3の範囲から選択される。また、1つの珪素原子に結合した加水分解性基は1種であってもよく、複数種であってもよい。さらに加水分解性基と非加水分解性基が1つの珪素原子に結合していてもよい。加水分解性基と結合した珪素基としては、取り扱いが容易である点で、特にアルコキシシリル基(モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基を含む)が好ましい。加水分解性基と結合した珪素基は重合体分子の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよい。加水分解性基と結合した珪素基は、重合体の1分子当たり少なくとも1個あればよいが、硬化速度、硬化物性の点からは、1分子当たり平均して1.5個以上あるのが好ましい。加水分解性基と結合した珪素基を前記主鎖重合体に結合させる方法としては公知の方法が採用できる。
【0012】
本発明で用いる有機重合体(a)の分子量は、特に制約はないが、過度に高分子のものは高粘度であり、硬化型樹脂組成物とした場合、使用上困難となるため、数平均分子量として30000以下が望ましい。このような有機重合体は、公知の方法によって製造することができるが、鐘淵化学工業(株)製のカネカMSポリマー等の市販品を使用してもよい。
【0013】
本発明に用いる硬化触媒(b)としては、一般式(1)で表される、カルボン酸のα位の炭素原子が第三級炭素であるカルボン酸の錫化合物(以下、カルボン酸錫塩という場合がある)の1種または2種以上が使用される。一般式(1)において、R1、R2、R3で示される炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル等の直鎖状または分岐状アルキル基が挙げられる。
【0014】
一般式(1)で表されるカルボン酸錫塩の中では、下記一般式(2):
【0015】
【化3】
Figure 0003892245
【0016】
(式中、R4は、炭素原子数1〜10の炭化水素基である)で表されるものが好ましい。ここで、一般式(2)で表されるカルボン酸錫塩における、α位の炭素原子が第三級炭素であり、α位の少なくとも2つの炭化水素基がメチル基であるカルボン酸は一般にネオカルボン酸と称されている。R4で表される炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル等の直鎖状または分岐状アルキル基が挙げられる。
【0017】
前記カルボン酸錫塩を具体的に例示すると、スタナスビスネオデカノアート、スタナスビスピバレート、スタナスビスネオペンタノアート、スタナスビスネオヘキサノアート、スタナスビスネオヘプタノアート、スタナスビスネオオクタノアート、スタナスビスネオウンデカノアート、スタナスビスネオドデカノアート、スタナスビスネオトリデカノアート、スタナスビスネオテトラデカノアート等が挙げられ、これらは単独で、または混合して使用できる。このような化合物は公知の方法によって製造することができる。これらカルボン酸錫塩の中では、使用上の取扱い易さ、化合物の安定性等の点から、スタナスビスピバレート、スタナスビスネオデカノアート〔スタナスビス(2,2‐ジメチルオクタノアート)〕が好ましい。
【0018】
本発明の湿気硬化型樹脂組成物においては、硬化触媒(b)は、シリル基含有有機重合体(a)100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の割合で使用するのが好ましい。硬化触媒(b)の量が前記範囲に満たないと、硬化性能が悪く、表面タックが改善されないことがある。また、前記範囲を超えると硬化物の物性、安定性が低下することがある。
【0019】
本発明の湿気硬化型樹脂組成物には、硬化を促進し基材への密着性を良くするため、公知の種々のアミノ基置換アルコキシシラン化合物、またはその縮合物を使用することができ、具体的には、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、δ−アミノブチル(メチル)ジエトキシシラン、N,N’―ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミンおよびこれらの部分加水分解物等が挙げられる。また、基材への密着性の向上のために、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン等のビニルアルコキシシラン化合物を使用できる。
【0020】
本発明の湿気硬化型樹脂組成物には、さらに、充填剤、着色剤、可塑剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、タレ防止剤、老化防止剤、溶剤等の硬化型組成物に通常添加される添加剤を加えてもよい。
【0021】
例えば、硬化促進剤としては、具体的には、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系有機化合物が挙げられる。
【0022】
充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、クレー、焼成クレー、ガラス、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラス繊維、石綿、ガラスフィラメント、粉砕石英、ケイソウ土、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタン等が挙げられる。
【0023】
着色剤としては、具体的には、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が使用される。
【0024】
可塑剤としては、具体的には、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソデシル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のポリオール化合物のエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ系可塑剤、塩素化パラフィン等が使用される。
【0025】
タレ防止剤としては、具体的には、水添ヒマシ油、無水ケイ酸、有機ベントナイト、コロイド状シリカ等が使用される。
【0026】
また他の添加剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の接着付与剤、紫外線吸収剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤、各種の老化防止剤等が使用される。
【0027】
本発明の湿気硬化型樹脂組成物は、前記シリル基含有有機重合体(a)を含有する主剤成分(A)と、前記錫化合物(b)を含有する硬化触媒成分(B)とからなる2液タイプの湿気硬化型樹脂組成物として使用するのが好ましい。主剤成分(A)には、前記シリル基含有有機重合体(a)の他に、前記アミノ基置換アルコキシシラン化合物、ビニルアルコキシシラン化合物、充填剤、着色剤、可塑剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、タレ防止剤、接着付与剤、紫外線吸収剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤、老化防止剤、溶剤等の1種または2種以上を適宜配合することができる。硬化触媒成分(B)には、前記錫化合物(b)の他に、前記アミノ基置換アルコキシシラン化合物、ビニルアルコキシシラン化合物、充填剤、着色剤、可塑剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、タレ防止剤、接着付与剤、紫外線吸収剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤、老化防止剤、溶剤等の1種または2種以上を適宜配合することができる
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の範囲はこれによって限定されるものではない。
【0029】
製造例1
窒素導入管を取り付けた1000mlナスフラスコにネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)344.5g(2モル)と水酸化ナトリウム水溶液170g(水酸化ナトリウム:2モル)を量り込み、マグネチックスターラーにて充分に混合した後、塩化第一錫225g(1モル)を加え、60℃で20分反応させ、反応混合物をトルエンにて抽出し、減圧下で濃縮して淡黄色透明の液体の錫化合物aを得た。
【0030】
この化合物をFT−IRにて分析し、ネオデカン酸のカルボニル基の吸収1738cm-1が1650cm-1にシフトし、錫カルボニルの吸収を確認した。また、次の元素分析の結果より、スタナスビスネオデカノアートであることを確認した。
【0031】
Figure 0003892245
【0032】
製造例2
窒素導入管を取り付けた1000mlナスフラスコにピバリン酸204g(2モル)と水酸化ナトリウム水溶液170g(水酸化ナトリウム:2モル)を量り込み、マグネチックスターラーにて充分に混合した後、塩化第一錫225g(1モル)を加え、60℃で20分反応させ、反応混合物をトルエンにて抽出し、減圧下で濃縮して淡黄色透明の液体の錫化合物bを得た。
【0033】
この化合物をFT−IRにて分析し、ピバリン酸のカルボニル基の吸収1738cm-1が1650cm-1にシフトし、錫カルボニルの吸収を確認した。また、次の元素分析の結果より、スタナスビスピバレートであることを確認した。
【0034】
Figure 0003892245
【0035】
実施例1〜8
シリル基含有有機重合体(鐘淵化学工業(株)製MSポリマーS810)100重量部に対して、表1に示される各種添加剤を表1に示される部数(重量部数)添加し、混練して主剤成分を調製した。一方、製造例1、2で得られた錫化合物aまたはbおよび各種添加剤を表1に示される部数(シリル基含有有機重合体(鐘淵化学工業(株)製MSポリマーS810)100重量部に対する重量部数)混合し、混練して硬化触媒成分を調製した。
【0036】
得られた主剤成分と硬化触媒成分とを混合した湿気硬化型樹脂組成物について、スナップタイム(両成分の混合後半ゲル化し流動性のなくなるまでの時間)、およびタックフリータイム(両成分の混合後表面タックのなくなるまでの時間)を測定した。なお主剤成分および硬化触媒成分の調製、両成分の混合から硬化まで室温25℃、湿度60%の恒温室にて行った。結果を表1に示す。
【0037】
比較例1〜4
シリル基含有有機重合体(鐘淵化学工業(株)製MSポリマーS810)100重量部に対して、表1に示される各種添加剤を表1に示される部数(重量部数)添加し、混練して主剤成分を調製した。一方、従来から用いられている2−エチルヘキサン酸錫またはn−オクチル酸錫および各種添加剤を表1に示される部数(シリル基含有有機重合体(鐘淵化学工業(株)製MSポリマーS810)100重量部に対する重量部数)混合し、混練して硬化触媒成分を調製した。
【0038】
得られた主剤成分と硬化触媒成分とを混合した湿気硬化型樹脂組成物について、実施例1〜8と同様にしてスナップタイム、およびタックフリータイムを測定した。結果を表1に示す。
【0039】
表1に示される材料の詳細はつぎのとおりである。
MSポリマーS810:シリル基末端ポリエーテル
炭酸カルシウム:充填剤
ノクラックNS−6:老化防止剤(大内新興化学工業(株)製)
スモイルP−350:流動パラフィン(村松石油(株)製)
チヌビン327:紫外線吸収剤(東京ファインケミカル(株)製LF−101)
A−171:ビニルアルコキシシラン化合物(日本ユニカー(株)製)
A−1100:アミノ基置換アルコキシシラン化合物(日本ユニカー(株)製)
ラウリルアミン:関東化学(株)製1級試薬
ビス(2−エチルヘキサン酸)錫:日東化成(株)製
ビス(n−オクチル酸)錫:日東化成(株)製
【0040】
【表1】
Figure 0003892245
【0041】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の湿気硬化型樹脂組成物を用いると、従来の湿気硬化型樹脂組成物に比べ表面タックフリータイムが短縮される。このような湿気硬化型樹脂組成物は、シーリング剤、コーティング剤、弾性接着剤として有用である。

Claims (3)

  1. 加水分解性基と結合した珪素原子を有する基を、分子末端または側鎖に、1分子当たり少なくとも1個有するシリル基含有有機重合体であって、アルキレンオキシド重合体、ポリエーテル、エーテル・エステルブロック共重合体、エチレン性不飽和化合物の重合体またはジエン系化合物の重合体を主鎖とするシリル基含有有機重合体(a)100重量部と、下記一般式(1):
    Figure 0003892245
    (式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2、R3は相互に同一であっても異なっていてもよい)で表される、カルボン酸のα位の炭素原子が第三級炭素であるカルボン酸の錫化合物(b)0.1〜20重量部とを含むことを特徴とする湿気硬化型樹脂組成物。
  2. 前記シリル基含有有機重合体(a)を含有する主剤成分(A)と、前記錫化合物(b)成分を含有する硬化触媒成分(B)とからなる2液タイプの湿気硬化型樹脂組成物である請求項1に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
  3. 前記錫化合物(b)が、スタナスビスピバレートまたはスタナスビスネオデカノアートである請求項1または2に記載の湿気硬化型樹脂組成物。
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