JP3890844B2 - 外観検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象を撮像して得た画像に画像処理を施すことによって検査対象の外観上の欠陥の有無を検出する外観検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の外観検査方法として、光源からの光を検査対象に照射し、光源から検査対象への光の照射方向とは異なる方向の光軸を有した撮像装置によって検査対象の表面の陰影を撮像し、撮像された画像に画像処理を施すことによって、検査対象の外観上の欠陥(表面に生じたクラックなど)の有無を検出する技術が知られている。撮像された画像から検査対象の欠陥部分を抽出する画像処理技術としては、特開平4−31751号公報に記載されているように、CCDカメラのような撮像装置からの画像信号をA/D変換部によりデジタル化した後、濃淡画像である原画像に空間微分を施して微分絶対値および微分方向値を求め、欠陥候補の画素を微分絶対値および微分方向値を用いて追跡する技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された画像処理技術では、欠陥候補画素の追跡において、微分絶対値が規定値以上の各画素について、その微分方向値が所定範囲内に収まるような連続性を有している画素群を欠陥候補画素として抽出しているため、検査対象がその表面に模様を有している場合に抽出した欠陥候補画素群が模様の部分と欠陥部分との何れであるかを判別することができず、誤検出の確率が高くなって欠陥部分を正しく検出できなくなる可能性を有している。
【0004】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、欠陥の有無の判定精度を高めた外観検査方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、被検査物を含む空間領域を撮像して得られた濃淡画像から被検査物の外観上の欠陥を検出する外観検査方法において、前記濃淡画像である原画像を演算処理して微分絶対値画像、微分方向値画像並びにエッジ画像を求め、前記エッジ画像内に検査領域を設定するとともに該検査領域内におけるエッジ画像の輪郭線上の画素に対して当該画素が持つ微分方向値の方向から時計回り又は反時計回りに略90°回転した方向に隣接する画素の原画像における濃度を求め、この濃度が所定の条件を満たす場合に当該画素を欠陥候補点とし、さらに、前記時計回り又は反時計回りに90°回転した何れか一方の方向に隣接する画素を含んだスティックマスクを設定して欠陥候補点を抽出するとともに、前記輪郭線上の画素の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することを特徴とし、被検査物が表面に濃淡むら等の模様を有し、その模様に混じってクラックのように低コントラストな欠陥部分が存在している場合であっても、被検査物の模様と背景部分とでそれぞれに含まれる画素の濃度が異なり、且つ模様に含まれる画素の濃度が背景部分に含まれる画素の濃度よりも低く(又は高く)なっていれば、クラックのような低コントラストの欠陥部分に含まれる画素の濃度が背景部分に含まれる画素の濃度よりも高く(又は低く)なるから、背景部分に含まれる画素の濃度よりも高く(又は低く)なる画素を欠陥候補点として抽出することにより、模様と欠陥とを識別することができ、その結果、模様を欠陥と誤判定することを防ぐことができて欠陥の有無の判定精度を高めることができる。また、欠陥部分の濃度が背景部分の濃度よりも高いか、あるいは低いかが予め明確になっている場合、微分方向値が示す方向から時計回り又は反時計回りにそれぞれ90°回転した方向に隣接する2つの画素の何れか一方のみの濃度についてしきい値との比較を行うことによって、欠陥候補点を検出する処理が簡素化され、全体の処理時間が短縮でき、さらに、クラックなどの欠陥部分は背景部分との境界近傍に濃度が略等しい画素が連続して存在するから、スティックマスクを走査して濃度をしきい値と比較する画素数を増やすことによって欠陥候補点を数多く抽出することができ、良否判定がし易くなるとともに検査精度の向上が図れるとともに、前記輪郭線上の画素の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することより、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れる。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定されたしきい値を超えていることを前記所定の条件とすることを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を奏する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定された第1のしきい値と、欠陥部分の濃度のピーク値よりも明るい又は暗いレベルに設定された第2のしきい値との間に存在することを前記所定の条件とすることを特徴とし、濃度が第2のしきい値を超えるようなごみなどのノイズ要因を除去することが可能となり、検査精度の向上が図れる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、前記輪郭線上の画素のうちで所定の微分方向値を有する画素のみから欠陥候補点を抽出することを特徴とし、特定の条件を満たす画素のみを抽出して良否判定を行うことで、原画像から予めエッジ画像を求めて良否判定を行う場合に比較して検査時間の短縮が図れる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記欠陥候補点とした輪郭線上の画素の周辺で別の欠陥候補点を探索することを特徴とし、1つの欠陥候補点の周辺から欠陥候補点を追跡して数多くの欠陥候補点を抽出することによって、クラックのような低コントラストの欠陥を安定して検出することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記欠陥候補点の濃度の平均値を求め、該平均値が所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合に欠陥と判定することを特徴とし、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記エッジ画像を求める際に、不連続となる輪郭線の端点から始めて注目する画素とその周囲の画素とを比較し、所定の評価関数がもっとも大きくなる方向に線を延長し、他の線の端点に衝突するまでこれを続けることで輪郭線を連続線とするエッジ延長処理を行うことを特徴とし、エッジ延長処理によってエッジ画像を連続線として求めることができ、このような連続線のエッジ画像に対して欠陥候補点を抽出することによって検査精度を向上させることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、前記欠陥候補点とした画素で形成される輪郭線の周囲長を求め、該周囲長が規定値以上の場合に欠陥と判定することを特徴とし、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記輪郭線で囲まれた欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域の射影幅を求め、該射影幅が所定の条件を満たす場合に欠陥と判定することを特徴とし、通常クラックは片方の幅寸法がもう片方の幅寸法よりも十分に小さい形状となるから、欠陥候補領域の射影幅によって当該欠陥候補領域が欠陥部分であるか、ごみなどの異物であるかを識別することができて、クラックのような低コントラスとの欠陥を安定して検出することができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記輪郭線上の画素の個数を求め、該個数が規定数を超えるとともに欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することを特徴とし、検出精度をさらに向上させることができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れかの発明において、欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域が途切れている場合に当該欠陥候補領域を拡大した拡大領域を設定し、該拡大領域内に少なくとも一部が存在する別の欠陥候補領域を元の欠陥候補領域と同じ欠陥候補領域として取り扱って欠陥の判定を行うことを特徴とし、輪郭線の途切れた欠陥候補領域が抽出された場合でも欠陥候補領域の見逃しを防ぐことができ、検査精度の向上が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
以下では、本発明の実施形態を説明する前に本発明の参考例について説明する。
(参考例1)
図2及び図3は本発明方法を用いた外観検査装置の概略構成を示すもので、照明ランフLaにて斜め方向から照明された検査対象たる被検査物Oを撮像するCCDカメラ1と、CCDカメラ1から出力される画像信号をA/D変換するA/D変換器2と、A/D変換された画像データを前処理(特異データの除去等)する前処理回路3と、前処理された画像データを被検査物Oの原画像として記憶する原画像メモリ4と、原画像の各画素に対応して演算される微分絶対値を記憶する微分絶対値画像メモリ5と、演算された微分方向値を記憶する微分方向値画像メモリ6と、原画像の濃度(明るさ)の変化点を線画として抽出したエッジ画像を記憶するエッジ画像メモリ7と、原画像を演算処理して各メモリ5〜7に所定のデータを記憶させ、各メモリ4〜7に記憶されているデータに基づいて被検査物Oの輪郭を認識するとともに欠陥候補画素を追跡して被検査物Oの欠陥の有無をチェックするマイクロプロセッサ(あるいはマイクロコンピュータ)8とで構成されている。なお、この外観検査装置は、本参考例以外の後述する他の参考例並びに本発明の実施形態においても用いるものである。
【0021】
以下、上述の外観検査装置を用いて被検査物Oの外観上の欠陥を検出する方法について具体的に説明する。
【0022】
図4及び図5は動作説明図であり、まず、CCDカメラ1にて撮像された図4(a)に示すような被検査物Oの原画像f1を、マイクロプロセッサ8で演算処理し、図4(b)に示すようなエッジ画像f4に変換する画像処理が必要であり、この画像処理はマイクロプロセッサ8において以下のように行なわれる。
【0023】
ここで、マイクロプロセッサ8による上記画像処理については、当社の特公平7−97410号公報に詳しく開示されているが、その要点を改めて説明すると、以下の通りである。まず、被検査物Oを含む空間領域を撮像して得られた原画像f1は濃淡画像であって、図4(a)に示すように、被検査物O、欠陥部分K、異物Xを含む画像となっている。ここに、各画素は例えば濃度が8ビットで表わされて256階調に設定される。この濃淡画像から被検査物Oの輪郭線等のエッジを抽出する処理は、「エッジの部分は濃度変化が大きい部分に対応している」という考え方を基本にしている。したがって、濃度を微分することによってエッジの抽出を行なうのが一般的である。微分処理は、図5に示すように、濃淡画像を3×3画素の局所並列ウィンドウWに分割して行なう。つまり、注目する画素Eと、その画素Eの周囲の8画素(8近傍)A〜D、F〜Iとで局所並列ウィンドウを形成し、局所並列ウィンドウ内の画素A〜Iの濃度の縦方向の濃度変化ΔVと横方向の濃度変化ΔHとを次式によって求め、
ΔV=(A+B+C)−(G+H+I)
ΔH=(A+D+G)−(C+F+I)
さらに、微分絶対値|eE|と微分方向値∠eEとを次式によって求めるのである。
【0024】
|eE|=(ΔV2+ΔH2)1/2
∠eE=tan-1(ΔV/ΔH)+π/2
ただし、A〜Iは対応する画素の濃度を示している。上式から明らかなように、微分絶対値|e|は、原画像の着目する画素の近傍領域における濃度の変化率を表し、微分方向値∠eは、同近傍領域における濃度変化の方向に直交する方向を表している。
【0025】
以上の演算を原画像f1の全画素について行なうことにより、被検査物Oの輪郭や欠陥K、異物X等が存在しているような濃度変化が大きい部分と、その変化の方向とを抽出することができるのである。ここに、各画素の濃度を、微分絶対値|e|で表現した画像を微分絶対値画像、微分方向値∠eで表現した画像を微分方向値画像と呼ぶ。そして、微分絶対値画像f2(6ビット)、微分方向値画像f3(4ビット)としてそれぞれ微分絶対値画像メモリ5および微分方向値画像メモリ6に記憶される。
【0026】
次に細線化処理が行なわれる。細線化処理は、微分絶対値が大きいほど濃度変化が大きいことを表わしている点に着目して行なわれる。すなわち、各画素の微分絶対値を周囲の画素の微分絶対値と比較し、周囲の画素よりも大きくなるものを連結していくことにより、1画素の幅を有したエッジが抽出されるのである。つまり、図6に示すように、各画素の位置をX−Y座標で表わし、微分絶対値をZ軸に取った微分絶対値画像を考えれば、細線化処理は、この曲面における稜線を求めることに相当する。ここまでの処理により、微分絶対値の大小にかかわらず、すべての稜線が抽出される。この段階で得られている稜線には、ノイズ等による不要な小さな山も含まれているから、図7に示すように、適宜しきい値を設定し、このしきい値以上の値のみを採用してノイズ成分を除去する。
【0027】
ところで、上記細線化処理で得られたエッジ画像f4は、原画像f1のコントラストが不十分であるときや、ノイズが多いようなときには、不連続線になりやすい。一方、後述する模様Mやクラックのような欠陥部分Kでは、図10及び図11に示すように微分方向値(図10(b)及び図11(b)の丸数字)が一定範囲内の値を持つ画素が連続すると考えられるから、エッジが不連続になっている部分でも8近傍に微分方向値が上記一定範囲内の値である画素が存在すれば、エッジの一部であるとみなし、このように微分方向値が一定範囲内の値である画素を連結することでエッジ画像f4を連続線とすることができる。
【0028】
以上の画像処理により、図4(b)に示すように、被検査物O、欠陥部分K、異物X等の輪郭線l0〜l2が閉曲線のパターンとなった1ビット(“1”をエッジフラッグと称する)のエッジ画像f4が得られ、エッジ画像メモリ7に記憶される。以下の説明では、各画像の画素の位置をX−Y座標で表現するものとし、各画像における画素の濃度をそれぞれf1(x,y)、f2(x,y)、f3(x,y)、f4(x,y)とする。
【0029】
ここで、原画像は濃淡画像であって、濃度は通常8ビットで表されるから、各画素における濃度a(=f1(x,y))は、0≦a≦255となる。また、微分絶対値画像の濃度(すなわち、微分絶対値)b(=f2(x,y))は、例えば6ビットで表され、0≦b≦63となり、微分方向値画像の濃度(すなわち、微分方向値)c(=f3(x,y))は、例えば8方向で表され、1≦c≦8となる。エッジ画像については、線の有無のみであるから、線となる画素は“1”、それ以外の画素は“0”として表される。つまり、f4(x,y)の値域は{0,1}となる。なお、以下の説明においては、濃度という用語は白の濃度を表し、濃度値が大きいほど明るいものとする。
【0030】
次に、マイクロプロセッサ8では、エッジ画像について検査領域を適宜設定する。検査領域が設定されると、エッジ画像の検査領域内をラスター走査することにより、f4(x,y)=1となる画素を検出しフラグ点とする。このフラグ点を始点として、8近傍についてf4(x,y)=1となる画素を抽出しながら輪郭線の追跡を行う。こうして輪郭線を追跡することにより、輪郭線の上の全画素の座標がわかる。なお、従来例で説明した特開平4−31751号公報に記載されている外観検査方法では、フラグ点の8近傍にf4(x,y)=1となる画素が存在しない場合、フラグ点の微分方向値を含む一定範囲内の微分方向値を有する画素が存在するならば、そのような画素のうち微分絶対値が最大になる画素をエッジとして輪郭線の追跡を行っている。しかしながら、被検査物Oが表面に濃淡むら等の模様を有し、その模様に混じってクラックのように低コントラストな欠陥部分が存在している場合、模様以外の地の部分(以下、「背景部分」という)と模様の境界、及び背景部分と欠陥部分の境界が略同じ濃度変化であれば、何れの境界(エッジ)の微分絶対値もほぼ同じ値になってしまうため、上記従来の方法では輪郭線のみから模様であるのか、欠陥部分であるのかを判別することが非常に困難であった。
【0031】
そこで本発明の外観検査方法では、以下のようにして模様と欠陥部分とを判別するものである。例えば図9に示すように原画像f1において、被検査物Oの模様Mと背景部分BKとでそれぞれに含まれる画素の濃度aが異なっており、模様Mに含まれる画素の濃度が背景部分BKに含まれる画素の濃度よりも低くなっている場合には、クラックのような低コントラストの欠陥部分Kに含まれる画素の濃度は背景部分BKに含まれる画素の濃度よりも高くなるという特徴があり、本発明方法では上記特徴を利用して模様Mと欠陥部分Kとの判別を行う。
【0032】
すなわち、微分方向値c(=1〜8)は、図8に示すように微分方向値cの値に応じて8近傍のうちで着目画素Eを挟んで対向する2つの画素A〜D,F〜Iの濃度aの間に一定の関係、つまり微分方向値cが示す方向(図8において矢印で示す方向)から時計回りに90°回転した方向に隣接する画素の濃度が、反時計回りに90°回転した方向に隣接する画素の濃度よりも常に高くなる(明るくなる)という性質を有している。例えば、図8(a)に示すように着目画素Eの微分方向値cが1であれば、微分方向値cが示す方向から時計回りに90°回転した方向に隣接する画素Hの濃度aHが、反時計回りに90°回転した方向に隣接する画素Bの濃度aBよりも常に高くなる(aB<aH)。また、同図(b)に示すように着目画素Eの微分方向値cが2であれば、微分方向値cが示す方向から時計回りに90°回転した方向に隣接する画素Iの濃度aIが、反時計回りに90°回転した方向に隣接する画素Aの濃度aAよりも常に高くなる(aA<aI)。なお、同図(c)〜(h)に示すように微分方向値cが3〜8の場合も同様に着目画素Eを挟んで対向する2つの画素A〜D,F〜Iの濃度aA〜aD,aF〜aI間に上述のような大小関係が成立する。
【0033】
而して、マイクロプロセッサ8では、図12に矢印で示すようにエッジ画像の検査領域内をラスター走査することによってf4(x,y)=1となるエッジフラグ(画素Eとする)の座標を検出し、この画素Eの座標に基づいて当該画素Eの微分方向値cを微分方向値画像メモリ6から読み出すとともに、その微分方向値cが示す方向から時計回り及び反時計回りにそれぞれ90°回転した方向に隣接する画素A〜D,F〜Iの濃度aA〜aD,aF〜aI、例えば読み出した微分方向値cが4であれば画素C,Gの濃度aC,aGを微分絶対値画像メモリ5から読み出す。そして、図13に示すように背景部分BKよりも濃度aの高い欠陥部分Kを検出する場合であれば、読み出した画素C,Gの濃度aC,aGを、背景部分BKの濃度aBKよりも高い値に設定した所定のしきい値athと比較し、濃度aC,aGが上記しきい値athを超えていれば(明るければ)、当該画素C,Gを欠陥部分Kの候補点(以下、「欠陥候補点」という)としてカウントする。それに対して、両画素C,Gの濃度aC,aGが上記しきい値athを下回っていれば、当該画素C,Gが模様Mの輪郭線(背景部分BKと模様Mとの境界)内に存在していると判断できるから、この場合には当該画素C,Gを欠陥候補点にカウントしない。なお、上述の微分絶対値画像、微分方向値画像並びにエッジ画像を求める処理から欠陥部分Kを模様Mと識別して検出する処理をまとめて図1のフローチャートに示している。
【0034】
ここで、クラックなどの欠陥部分Kは、背景部分BKとの境界(エッジ)近傍に濃度が略等しい画素が連続して存在するために上記欠陥候補点の数が多くなるという特徴がある。よって、上述のような処理により欠陥候補点に該当する画素のカウント数が規定数以上になれば、マイクロプロセッサ8では上記輪郭線で囲まれた領域を欠陥部分Kと判定するのである。その結果、従来では被検査物Oの表面に模様Mがある場合に、クラックのような低コントラストの欠陥部分Kと上記模様Mとを識別することが困難であったのに対して、本参考例では欠陥部分Kと模様Mとを判別して欠陥部分Kのみを検出することができ、従来よりも低コントラストの欠陥部分を安定して精度良く検出することができる。なお、背景部分BKよりも濃度aの低い欠陥部分Kを検出する場合であれば、エッジフラグの画素の微分方向値cが示す方向から時計回り及び反時計回りにそれぞれ90°回転した方向に隣接する画素の濃度を、背景部分BKの濃度aBKよりも低い値に設定した所定のしきい値と比較し、その濃度が上記しきい値を下回っていれば(暗ければ)、当該画素を欠陥候補点としてカウントすればよい。
【0035】
ところで、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも高いか、あるいは低いかが予め明確になっている場合、上述の処理においてエッジフラグの画素の微分方向値cが示す方向から時計回り又は反時計回りにそれぞれ90°回転した方向に隣接する2つの画素の何れか一方のみの濃度についてしきい値との比較を行えばよい。つまり、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも高いことが判っている場合には、エッジフラグの画素の微分方向値cが示す方向から時計回りに90°回転した方向に隣接する方の画素の濃度のみをしきい値と比較し、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも低いことが判っている場合には、エッジフラグの画素の微分方向値cが示す方向から反時計回りに90°回転した方向に隣接する方の画素の濃度のみをしきい値と比較する。例えば、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも低い場合、図14に示すように、各エッジフラグの画素E1〜E5の微分方向値cが示す方向から反時計回りに90°回転した方向に隣接する方の画素D1〜D5の濃度のみを読み出してしきい値と比較する。このようにすれば、欠陥候補点を検出する処理が簡素化され、全体の処理時間が短縮できるという利点がある。
【0036】
また、エッジフラグに隣接する1画素だけの濃度を求めるのではなく、当該画素を含めて、微分方向値cが示す方向に直交する方向へ並ぶ複数の画素の列(スティックマスク)を走査するようにしても良い。例えば、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも低い場合、図15に示すように、各エッジフラグの画素E1〜E5の微分方向値cが示す方向から反時計回りに90°回転した方向に隣接する方の画素D1〜D5を含めた画素列D1a〜D1c,D2a〜D2c,…,D5a〜D5cからなるスティックマスクを走査してその濃度をしきい値と比較する処理を行う。すなわち、クラックなどの欠陥部分Kは、背景部分BKとの境界(エッジ)近傍に濃度が略等しい画素が連続して存在するという特徴があるから、上述のようにスティックマスクを走査して濃度をしきい値と比較する画素数を増やすことによって欠陥候補点を数多く抽出することができ、良否判定がし易くなるとともに検査精度の向上が図れるという利点がある。
【0037】
(参考例2)
上述の参考例1においては、予め求めたエッジ画像f4に設定した検査領域をラスター走査しているが、本参考例は、微分方向値画像f3に設定した検査領域をラスター走査し、所定の微分方向値を有する画素を探索するとともに当該微分方向値を有する画素のうちで微分絶対値が所定のしきい値よりも高い値を示す画素を抽出し、さらに抽出した画素に対して参考例1と同様に、当該画素の微分方向値cが示す方向から反時計回り及び反時計回りに90°回転した方向に隣接する画素の濃度をしきい値と比較することで欠陥候補点を抽出する点に特徴がある。
【0038】
而して、本参考例では、上述のように特定の条件を満たす画素のみを抽出して良否判定を行うので、原画像f1から予めエッジ画像f4を求めて良否判定を行う参考例1に比較して検査時間の短縮が図れるという利点がある。
【0039】
(実施形態1)
上述の参考例1,2ではカウントした欠陥候補点の総数に基づいて良否判定を行っているが、本実施形態では、エッジフラグの画素の微分方向値cが示す方向から時計回り又は反時計回りに90°回転した方向に隣接する画素の濃度がしきい値を超えていて欠陥候補点にカウントされた場合、当該エッジフラグの画素の微分絶対値を求めるとともにこのようなエッジフラグの画素についてその微分絶対値の総和を算出し、欠陥候補点の個数が規定数を超え、且つ上記微分絶対値の総和がしきい値を超えれば欠陥有りと判定する点に特徴がある。
【0040】
例えば、欠陥部分Kの濃度が背景部分BKの濃度よりも低い場合、図16に示すように、各エッジフラグの画素E1〜E5の微分方向値cが示す方向から反時計回りに90°回転した方向に隣接する方の画素D1〜D5を含めたスティックマスクを走査してその濃度をしきい値と比較し、その画素D1〜D5の濃度がしきい値を超えていれば、欠陥候補点としてカウントするとともに、画素E1〜E5の微分絶対値(E1=30,E2=40,E3=50,E4=35,E5=30)を微分絶対値画像メモリ5から読み出して、その総和(=185)を求める処理を行う。そして、欠陥候補点のカウント数が規定数を超えるとともに、上記微分絶対値の総和がしきい値を超えた場合に欠陥があると判定するのである。
【0041】
上述のような処理を行うことによって、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという利点がある。なお、上記スティックマスクの何れかの画素の濃度がしきい値を超えている場合に当該エッジフラグの画素も欠陥候補点としてカウントするようにすれば、さらに検出精度の向上が図れるものである。
【0042】
(実施形態2)
ところで、上述の参考例1では、図13に示すように背景部分BKよりも濃度aの高い欠陥部分Kを検出する場合に、読み出した画素の濃度aを背景部分BKの濃度aBKよりも高い値に設定した所定のしきい値athと比較し、しきい値athを超えていれば欠陥候補点としてカウントしているが、濃度の高いごみなどの異物によるノイズで欠陥候補点を誤ってカウントしてしまう虞がある。
【0043】
そこで、本実施形態では、図17に示すように欠陥部分Kの濃度のピーク値を挟む大小2つのしきい値ath1,ath2を設定し、上記読み出した画素の濃度aが上記2つのしきい値ath1,ath2の間に入っている(ath1≦a≦ath2)場合に欠陥候補点Kとしてカウントするようにしている。したがって、大きい方のしきい値ath2よりも高い濃度を有するごみなどのノイズ要因を除去することが可能となり、検査精度の向上が図れるという利点がある。
【0044】
(実施形態3)
本実施形態は、参考例1に対して、求められた欠陥候補点Kの周辺を1画素ずつ追跡してしきい値athよりも高い(あるいは上記2つのしきい値ath1,ath2の間に入る)画素が存在するか否かを調べ、上記条件を満たす画素が存在する場合には当該画素を欠陥候補点Kとしてカウントする点に特徴がある。
【0045】
ここで、欠陥候補点Kの周辺の画素を追跡する方法としては、欠陥候補点Kを中心とする居所並列ウィンドウに分割して8近傍の濃度をしきい値athと順次比較し、欠陥候補点Kが見つかればその点(画素)の8近傍の濃度をしきい値athと比較する手順を繰り返せばよい。
【0046】
本実施形態の外観検査方法によれば、1つの欠陥候補点の周辺から欠陥候補点を追跡して数多くの欠陥候補点Kを抽出するようにしているので、クラックのような低コントラストの欠陥を安定して検出することができるという利点がある。
【0047】
(実施形態4)
本実施形態は、参考例1,2と実施形態1〜3で説明した各方法により抽出された欠陥候補点Kの濃度の平均値AVKを算出して背景部分BKの濃度の平均値AVBKと比較し、両平均値AVK,AVBKの差が規定値を超えている場合に不良と判定する点に特徴がある。
【0048】
ここで、欠陥候補点Kの濃度平均値AVKは、抽出された欠陥候補点Kの濃度の総和をその個数で除算することによって求められる。また、同様にして背景部分BKの濃度平均値AVBKは、抽出された欠陥候補点Kを除く検査領域内の画素の濃度の総和をその個数で除算することによって求められる。
【0049】
上述のような処理を行うことによって、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという利点がある。
【0050】
(実施形態5)
ところで参考例1で説明した細線化処理で得られるエッジ画像f4は、原画像f1のコントラストが不十分であるときや、ノイズが多いようなときには、不連続線になりやすい。そして、参考例1においては、エッジが不連続になっている部分でも8近傍に微分方向値が一定範囲内の値である画素が存在すれば、エッジの一部であるとみなし、このように微分方向値が一定範囲内の値である画素を連結することでエッジ画像f4を連続線としている。
【0051】
それに対して本実施形態は、以下に説明するようなエッジ延長処理を行なうことでエッジ画像f4を連続線とすることを特徴としている。本実施形態のエッジ延長処理では、不連続線の端点から始めて、注目する画素とその周囲の画素とを比較し、次式で表わされる評価関数f(eJ)がもっとも大きくなる方向に線(エッジ)を延長し、他の線の端点に衝突するまでこれを続けるものである。
【0052】
f(eJ)=|eJ|cos(∠eJ−∠e0)cos{π(J−1)/4−∠e0}
ここに、e0は中心画素の微分絶対値であり、eJは隣接画素(8近傍)の微分絶対値であって、J=1,2,……,8である。
【0053】
而して、上述のようなエッジ延長処理によってエッジ画像f4を連続線として求めることができ、このような連続線のエッジ画像f4に対して参考例1,2や実施形態1〜4で説明したような方法で欠陥候補点Kを抽出することによって検査精度を向上させることができる。
【0054】
(実施形態6)
本実施形態は、エッジ画像について設定された検査領域内をラスター走査してf4(x,y)=1となる画素(エッジフラグ)を検出し、その濃度から当該エッジフラグが欠陥候補点Kに該当するか否かを判定するとともに、欠陥候補点Kに該当するエッジフラグを始点として8近傍について欠陥候補点Kに該当するエッジフラグを抽出しながら欠陥候補点Kを結ぶ輪郭線の追跡を行い、この輪郭線で囲まれた領域(以下、「欠陥候補領域」という)KRを求め、さらに上記輪郭線を形成する欠陥候補点Kの個数(画素数)をカウントすることで欠陥候補領域の周囲長を求め、求めた周囲長が規定値を超えている場合に不良と判定する点に特徴がある。
【0055】
而して、図18に示すようにエッジ画像f4における欠陥候補領域KRの周囲長を、実際の欠陥部分Kの大きさのパラメータに用いて良否判定を行うことにより、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという利点がある。
【0056】
(実施形態7)
本実施形態は、実施形態6において欠陥候補領域KRを求めた際に、欠陥候補領域KRの輪郭線を形成する欠陥候補点KのXY座標に基づいて欠陥候補領域KRの射影幅を求め、この射影幅から当該欠陥領域KRがクラックのような欠陥部分Kであるか、あるいはごみなどの異物であるかを識別する点に特徴がある。
【0057】
欠陥候補領域KRのX方向及びY方向の射影幅XKR,YKRは、図19に示すようにその輪郭線を形成する欠陥候補点KのXY座標の最小値Xmin,Yminと最大値Xmax,Ymaxの差分として以下のように求められる。
【0058】
XKR=Xmax−Xmin
YKR=Ymax−Ymin
ここで、通常クラックは、図20に示すように片方の幅寸法がもう片方の幅寸法よりも十分に小さい形状となる特徴があるので、例えば上記射影幅XKR,YKRの比率(XKR/YKR)が規定の範囲外となる場合にクラックのような欠陥部分Kと判定し、上記比率が規定の範囲内となる場合にはごみなどの異物と判定することができる。
【0059】
上述のような本実施形態の外観検査方法によれば、欠陥候補領域KRの射影幅XKR,YKRによって当該欠陥候補領域KRが欠陥部分Kであるか、ごみなどの異物であるかを識別することができて、クラックのような低コントラスとの欠陥を安定して検出することができる。
【0060】
(実施形態8)
ところで、参考例1,2や実施形態1〜7ではエッジ画像f4の輪郭線で囲まれた欠陥候補領域毎に欠陥か否かの良否判定を行っているため、輪郭線の途切れた欠陥候補領域が抽出された場合、この欠陥候補領域を見逃してしまう虞がある。
【0061】
そこで、本実施形態では、ある欠陥候補領域とその近傍に存在する別の欠陥候補領域とを同じ欠陥候補領域として取り扱い、各々の欠陥候補領域が有する欠陥候補点の個数、輪郭線を形成する画素の微分絶対値の総和、欠陥候補領域の周囲長並びに射影幅を求め、これらを集計した値に基づいて良否判定を行うようにした点に特徴がある。
【0062】
具体的には、図21に示すように抽出された欠陥候補領域KR1の周辺に所定の画素数だけ当該欠陥候補領域KR1の輪郭線を拡大した拡大領域KR1’を設定し、その拡大領域KR1’内に別の欠陥候補領域KR2の少なくとも一部が存在するか否かを探索し、存在する場合にその欠陥候補領域KR2を元の欠陥候補領域KR1と同じ欠陥領域として取り扱う。そして、各々の欠陥候補領域KR1,KR2が有する欠陥候補点の個数、輪郭線を形成する画素の微分絶対値の総和、欠陥候補領域KR1,KR2の周囲長並びに射影幅を求め、これらを集計した値に基づいて良否判定を行うことにより、輪郭線の途切れた欠陥候補領域が抽出された場合でも欠陥候補領域の見逃しを防ぐことができ、検査精度の向上が図れるという利点がある。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、被検査物を含む空間領域を撮像して得られた濃淡画像から被検査物の外観上の欠陥を検出する外観検査方法において、前記濃淡画像である原画像を演算処理して微分絶対値画像、微分方向値画像並びにエッジ画像を求め、前記エッジ画像内に検査領域を設定するとともに該検査領域内におけるエッジ画像の輪郭線上の画素に対して当該画素が持つ微分方向値の方向から時計回り又は反時計回りに略90°回転した方向に隣接する画素の原画像における濃度を求め、この濃度が所定の条件を満たす場合に当該画素を欠陥候補点とし、さらに、前記時計回り又は反時計回りに90°回転した何れか一方の方向に隣接する画素を含んだスティックマスクを設定して欠陥候補点を抽出するとともに、前記輪郭線上の画素の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定するので、被検査物が表面に濃淡むら等の模様を有し、その模様に混じってクラックのように低コントラストな欠陥部分が存在している場合であっても、被検査物の模様と背景部分とでそれぞれに含まれる画素の濃度が異なり、且つ模様に含まれる画素の濃度が背景部分に含まれる画素の濃度よりも低く(又は高く)なっていれば、クラックのような低コントラストの欠陥部分に含まれる画素の濃度が背景部分に含まれる画素の濃度よりも高く(又は低く)なるから、背景部分に含まれる画素の濃度よりも高く(又は低く)なる画素を欠陥候補点として抽出することにより、模様と欠陥とを識別することができ、その結果、模様を欠陥と誤判定することを防ぐことができて欠陥の有無の判定精度を高めることができるという効果がある。また、欠陥部分の濃度が背景部分の濃度よりも高いか、あるいは低いかが予め明確になっている場合、微分方向値が示す方向から時計回り又は反時計回りにそれぞれ90°回転した方向に隣接する2つの画素の何れか一方のみの濃度についてしきい値との比較を行うことによって、欠陥候補点を検出する処理が簡素化され、全体の処理時間が短縮でき、さらに、クラックなどの欠陥部分は背景部分との境界近傍に濃度が略等しい画素が連続して存在するから、スティックマスクを走査して濃度をしきい値と比較する画素数を増やすことによって欠陥候補点を数多く抽出することができ、良否判定がし易くなるとともに検査精度の向上が図れるとともに、前記輪郭線上の画素の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することより、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという効果がある。
【0064】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定されたしきい値を超えていることを前記所定の条件とするので、請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0065】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定された第1のしきい値と、欠陥部分の濃度のピーク値よりも明るい又は暗いレベルに設定された第2のしきい値との間に存在することを前記所定の条件とするので、濃度が第2のしきい値を超えるようなごみなどのノイズ要因を除去することが可能となり、検査精度の向上が図れるという効果がある。
【0068】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、前記輪郭線上の画素のうちで所定の微分方向値を有する画素のみから欠陥候補点を抽出するので、特定の条件を満たす画素のみを抽出して良否判定を行うことで、原画像から予めエッジ画像を求めて良否判定を行う場合に比較して検査時間の短縮が図れるという効果がある。
【0070】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記欠陥候補点とした輪郭線上の画素の周辺で別の欠陥候補点を探索するので、1つの欠陥候補点の周辺から欠陥候補点を追跡して数多くの欠陥候補点を抽出することによって、クラックのような低コントラストの欠陥を安定して検出することができるという効果がある。
【0071】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記欠陥候補点の濃度の平均値を求め、該平均値が所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合に欠陥と判定するので、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという効果がある。
【0072】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記エッジ画像を求める際に、不連続となる輪郭線の端点から始めて注目する画素とその周囲の画素とを比較し、所定の評価関数がもっとも大きくなる方向に線を延長し、他の線の端点に衝突するまでこれを続けることで輪郭線を連続線とするエッジ延長処理を行うので、エッジ延長処理によってエッジ画像を連続線として求めることができ、このような連続線のエッジ画像に対して欠陥候補点を抽出することによって検査精度を向上させることができるという効果がある。
【0073】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、前記欠陥候補点とした画素で形成される輪郭線の周囲長を求め、該周囲長が規定値以上の場合に欠陥と判定するので、欠陥候補点の個数のみから良否判定を行う場合に比較して検出精度の向上が図れるという効果がある。
【0074】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記輪郭線で囲まれた欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域の射影幅を求め、該射影幅が所定の条件を満たす場合に欠陥と判定するので、通常クラックは片方の幅寸法がもう片方の幅寸法よりも十分に小さい形状となるから、欠陥候補領域の射影幅によって当該欠陥候補領域が欠陥部分であるか、ごみなどの異物であるかを識別することができて、クラックのような低コントラスとの欠陥を安定して検出することができるという効果がある。
【0075】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記輪郭線上の画素の個数を求め、該個数が規定数を超えるとともに欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定するので、検出精度をさらに向上させることができるという効果がある。
【0076】
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れかの発明において、欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域が途切れている場合に当該欠陥候補領域を拡大した拡大領域を設定し、該拡大領域内に少なくとも一部が存在する別の欠陥候補領域を元の欠陥候補領域と同じ欠陥候補領域として取り扱って欠陥の判定を行うので、輪郭線の途切れた欠陥候補領域が抽出された場合でも欠陥候補領域の見逃しを防ぐことができ、検査精度の向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1の外観検査方法を説明するフローチャートである。
【図2】 同上を用いた外観検査装置の概略構成図である。
【図3】 同上外観検査装置のブロック回路図である。
【図4】 (a)及び(b)は同上の説明図である。
【図5】 同上における局所並列ウィンドウを示す説明図である。
【図6】 同上の説明図である。
【図7】 同上の説明図である。
【図8】 (a)〜(h)は同上の動作説明図である。
【図9】 同上の説明図である。
【図10】 (a),(b)は同上における模様の説明図である。
【図11】 (a),(b)は同上における欠陥部分の説明図である。
【図12】 同上の説明図である。
【図13】 同上の説明図である。
【図14】 同上の説明図である。
【図15】 同上の説明図である。
【図16】 実施形態1の説明図である。
【図17】 実施形態2の説明図である。
【図18】 実施形態6の説明図である。
【図19】 実施形態7の説明図である。
【図20】 同上の説明図である。
【図21】 実施形態8の説明図である。
【符号の説明】
1 CCDカメラ
2 A/D変換器
3 前処理回路
4 原画像メモリ
5 微分絶対値画像メモリ
6 微分方向値画像メモリ
7 エッジ画像メモリ
8 マイクロプロセッサ
Claims (11)
- 被検査物を含む空間領域を撮像して得られた濃淡画像から被検査物の外観上の欠陥を検出する外観検査方法において、前記濃淡画像である原画像を演算処理して微分絶対値画像、微分方向値画像並びにエッジ画像を求め、前記エッジ画像内に検査領域を設定するとともに該検査領域内におけるエッジ画像の輪郭線上の画素に対して当該画素が持つ微分方向値の方向から時計回り又は反時計回りに略90°回転した方向に隣接する画素の原画像における濃度を求め、この濃度が所定の条件を満たす場合に当該画素を欠陥候補点とし、さらに、前記時計回り又は反時計回りに90°回転した何れか一方の方向に隣接する画素を含んだスティックマスクを設定して欠陥候補点を抽出するとともに、前記輪郭線上の画素の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することを特徴とする外観検査方法。
- 前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定されたしきい値を超えていることを前記所定の条件とすることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
- 前記画素の濃度が前記被検査物の表面を表す背景部分よりも明るい又は暗いレベルに設定された第1のしきい値と、欠陥部分の濃度のピーク値よりも明るい又は暗いレベルに設定された第2のしきい値との間に存在することを前記所定の条件とすることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
- 前記輪郭線上の画素のうちで所定の微分方向値を有する画素のみから欠陥候補点を抽出することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の外観検査方法。
- 前記欠陥候補点とした輪郭線上の画素の周辺で別の欠陥候補点を探索することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の外観検査方法。
- 前記欠陥候補点の濃度の平均値を求め、該平均値が所定のしきい値よりも大きい又は小さい場合に欠陥と判定することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の外観検査方法。
- 前記エッジ画像を求める際に、不連続となる輪郭線の端点から始めて注目する画素とその周囲の画素とを比較し、所定の評価関数がもっとも大きくなる方向に線を延長し、他の線の端点に衝突するまでこれを続けることで輪郭線を連続線とするエッジ延長処理を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の外観検査方法。
- 前記欠陥候補点とした画素で形成される輪郭線の周囲長を求め、該周囲長が規定値以上の場合に欠陥と判定することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の外観検査方法。
- 前記輪郭線で囲まれた欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域の射影幅を求め、該射影幅が所定の条件を満たす場合に欠陥と判定することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の外観検査方法。
- 前記輪郭線上の画素の個数を求め、該個数が規定数を超えるとともに欠陥候補点の個数が規定数を超え且つ前記総和が規定値を超えた場合に当該画素で形成される輪郭線で囲まれた領域を欠陥と判定することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
- 欠陥候補点の集合からなる欠陥候補領域が途切れている場合に当該欠陥候補領域を拡大した拡大領域を設定し、該拡大領域内に少なくとも一部が存在する別の欠陥候補領域を元の欠陥候補領域と同じ欠陥候補領域として取り扱って欠陥の判定を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の外観検査方法。
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