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JP3890730B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、特に、高負荷域からの減速時の排気有害成分値の悪化を防止し得て、触媒の劣化を防止し得て、また、ドライバビリティの悪化を防止し得る内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される内燃機関には、排気有害成分値であるHCやNOx、COを除去するために、排気通路に触媒を設けているものがある。触媒は、触媒作用により所定の気体構成・温度条件等のもとで排気中の有害成分値を無害なものに変換する。
【0003】
また、内燃機関には、吸気通路に燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁を制御して空燃比が目標空燃比になるよう燃料を供給する燃料噴射制御装置を備えているものがある。この燃料噴射制御装置には、内燃機関の減速時に、燃料の供給を停止して不要な燃料の消費を抑制するために、また、未燃焼の燃料による触媒温度の昇温を抑制するために、減速燃料カット条件成立時に燃料カットするよう燃料噴射弁を制御するものがある。
【0004】
このような内燃機関の燃料噴射制御装置としては、特開平7−310574号公報、特開平8−14082号公報、特開平9−250381号公報に開示されるものがある。
【0005】
特開平7−310574号公報に開示されるものは、内燃機関が所定の燃料供給休止条件を満たした時点から所定の遅延時間後に燃料供給を休止する燃料カット制御方法において、所定の遅延時間内に燃焼室内に発生するイオン電流の特性を検出し、検出したイオン電流の特性が所定の特性を越えていることを判定した場合に、次回の燃料供給休止条件を緩和するものである。
【0006】
特開平8−14082号公報に開示されるものは、O2 センサの出力に基づいて空燃比補正係数をスキップ処理と積分処理することにより空燃比をフィードバック制御する制御回路を設け、この制御回路によって減速が検出された際に、減速検出後の最初のスキップから2回目のスキップまでの間は通常の減速時よりも燃料が減少する側にスキップ処理と積分処理の大きさを補正するものである。
【0007】
特開平9−250381号公報に開示されるもは、エバポパージシステムと燃料噴射制御手段とを備えた燃料噴射制御装置において、燃料カット条件の検出時に、直ちにパージガスの供給カット指令を出力し、燃料カット条件になってから所定時間経過後に燃料カット指令を出力するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の燃料噴射制御装置においては、高負荷域での運転時に、空燃比が理論空燃比よりもリッチな濃側空燃比になるよう燃料を増量して供給している。このような高負荷域からの減速時には、燃料消費の低減及び減速感を運転者に感知させるために、燃料カットを行っている。
【0009】
ところが、このように燃料が増量されている状態から燃料カットが行われた場合には、排気通路に濃側空燃比による未燃炭化水素HCが流れるとともに排気通路が燃料カットにより空気過剰状態となり、排気有害成分値の悪化を招くことになる。
【0010】
このため、高負荷域からの減速時には、図6に示す如く、排気通路に未燃炭化水素HCと過剰空気中の酸素O2 とが混在することになり、これら未燃炭化水素HCと過剰空気中の酸素O2 とが触媒において激しい発熱反応を引き起こし、触媒温度を急激に昇温させて触媒の劣化に不利な異常高温状態を惹起する不都合ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の排気通路に触媒を設け、前記触媒の温度を検出可能な触媒温度センサを設け、前記排気通路中の酸素濃度を検出するO2センサを設け、負荷量を検出可能な吸気負圧センサを設け、前記内燃機関の吸気通路に燃料噴射弁を設け、前記燃料噴射弁からの噴射量を制御する制御手段を備えている。
【0012】
この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記制御手段は、減速燃料カット条件が成立し、かつ前記触媒温度が設定値以上の場合には、前記排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することを特徴とする。
【0013】
また、この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記制御手段は、減速燃料カット条件が成立し、かつ前記内燃機関の負荷量が設定値以上の場合には、前記排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、触媒と触媒温度センサとO2センサと吸気負圧センサと燃料噴射弁とを設け、燃料噴射弁からの噴射量を制御する制御手段を備えている。
【0015】
この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、制御手段によって、減速燃料カット条件が成立し、かつ触媒温度が設定値以上の場合には、排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することにより、高負荷域からの減速時に排気通路に流れる未燃炭化水素を減少することができるとともに排気通路が空気過剰状態となる時期を遅らせることができ、排気通路に未燃炭化水素と過剰空気とが混在する状態をなくすことができる。
【0016】
また、この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、制御手段によって、減速燃料カット条件が成立し、かつ内燃機関の負荷量が設定値以上の場合には、排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することにより、触媒温度センサを設けることなく燃料噴射制御装置に既設の負荷を検出するセンサを利用して内燃機関の負荷量から触媒の温度を推測し得て、高負荷域からの減速時に排気通路に流れる未燃炭化水素を減少することができるとともに排気通路が空気過剰状態となる時期を遅らせることができ、排気通路に未燃炭化水素と過剰空気とが混在する状態をなくすことができる。
【0017】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図3は、この発明の第1実施例を示すものである。図2において、2は内燃機関、4は吸気通路、6は排気通路、8は吸気絞り弁、10は触媒である。内燃機関2は、吸気通路4に吸気絞り弁8を設けるとともに、排気通路6に排気中の有害成分を除去する触媒10を設けている。
【0018】
この内燃機関2は、燃料噴射制御装置12を設けている。燃料噴射制御装置12は、吸気通路4に燃料噴射弁14を設け、この燃料噴射弁14を制御する制御手段16を設けている。
【0019】
制御手段16には、排気中の酸素濃度を検出するO2 センサ18と、内燃機関2の機関回転数を検出する機関回転数センサ20と、吸気通路4の吸気負圧を検出する吸気負圧センサ22と、吸気絞り弁8の絞り弁開度を検出する絞り弁開度センサ24と、内燃機関2を搭載した車両(図示せず)の車速を検出する車速センサ26と、触媒10の触媒温度を検出する触媒温度センサ28と、を接続して設けている。また、制御手段16には、タイマー30を内蔵して設けている。
【0020】
燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、O2 センサ18〜車速センサ26の検出する酸素濃度と機関回転数と吸気負圧と絞り弁開度と車速とを入力し、空燃比が内燃機関2の運転状態に応じて要求される目標空燃比になるよう燃料噴射弁14の作動を制御する。
【0021】
この燃料噴射制御装置12は、制御手段16に減速燃料カット条件を設定して設けている。減速燃料カット条件は、内燃機関2の減速状態における機関回転数や吸気負圧、絞り弁開度、車速等を条件値として設定している。制御手段16は、これらの条件値を満たす場合に減速燃料カット条件の成立と判断し、燃料の噴射を停止して燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御する。
【0022】
この内燃機関2の燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、内燃機関2の減速燃料カット条件成立時に、触媒温度センサ28の検出する触媒10の触媒温度Tが設定値Ts以上の場合には、タイマー30のカウントする所定時間tだけ理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御した後に燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御する。
【0023】
次に第1実施例の制御を図1に基づいて説明する。
【0024】
燃料噴射制御装置12は、内燃機関2の駆動によって制御のプログラムがスタート(ステップ100)すると、内燃機関2の運転状態及び触媒10の温度状態としてO2 センサ18〜触媒温度センサ28により酸素濃度と機関回転数と吸気負圧と絞り弁開度と車速と触媒温度Tを検出し(ステップ102)、減速燃料カット条件が成立するか否かを判断する(ステップ104)。
【0025】
この判断(ステップ104)がNOの場合は、スタート(ステップ102)にリターンする。この判断(ステップ104)がYESの場合には、触媒温度Tが設定値Ts以上(T≧Ts)か否かを判断する(ステップ106)。
【0026】
この判断(ステップ106)がNOの場合は、燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ116)、エンド(ステップ118)にする。この判断(ステップ106)がYESの場合には、理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ108)、タイマー30による所定時間のカウントをスタートし(ステップ110)、減速燃料カット条件が成立中か否かを判断する(ステップ112)。
【0027】
この判断(ステップ112)がNOの場合は、タイマー30をリセットし(ステップ120)、エンド(ステップ118)にする。この判断(ステップ112)がYESの場合は、タイマー30のカウントする所定時間tが経過したか否かを判断する(ステップ114)。
【0028】
この判断(ステップ114)がNOの場合は、判断(ステップ112)にリターンする。この判断(ステップ114)がYESの場合は、燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ116)し、エンド(ステップ118)にする。
【0029】
このように、燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、内燃機関2の減速燃料カット条件成立時に、触媒温度センサ28の検出する触媒温度Tが設定値Ts以上の場合には、タイマー30のカウントする所定時間tだけ理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御することにより、高負荷域からの減速時に排気通路6に流れる未燃炭化水素HCを減少することができる。
【0030】
また、燃料噴射制御装置12は、理論空燃比の制御による所定時間tが経過した後に燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御することにより、排気通路6が空気過剰状態となる時期を遅らせることができる。
【0031】
これにより、この燃料噴射制御装置12は、図3に示す如く、高負荷域からの減速時に排気通路6に未燃炭化水素HCと過剰空気の酸素O2 とがオーバーラップして混在する状態をなくすことができる。
【0032】
このため、この内燃機関2の燃料噴射制御装置12は、高負荷域からの減速時に排気有害成分値の悪化を防止し得て、未燃炭化水素HCと過剰空気中の酸素O2 とが触媒12において激しい発熱反応を引き起こし、触媒温度を急激に昇温させて触媒12の劣化に不利な異常高温状態を惹起する不都合を回避し得て、触媒12の劣化を防止することができる。
【0033】
また、この燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、所定時間t内に減速燃料カット条件が不成立となった場合には、理論空燃比及び燃料カットを中止するよう制御することにより、減速後の加速時に要求される出力を得ることができる。
【0034】
このため、この燃料噴射制御装置12は、減速後の加速時におけるドライバビリティの悪化を防止することができる。なお、触媒温度Tが設定値Ts未満(T<Ts)の場合は、触媒10が過昇温となることがないので、通常に燃料カットを行う。
【0035】
図4・図5は、この発明の第2実施例を示すものである。図5において、2は内燃機関、4は吸気通路、6は排気通路、8は吸気絞り弁、10は触媒、12は燃料噴射制御装置、14は燃料噴射弁、16は制御手段である。
【0036】
第2実施例の燃料噴射制御装置12は、制御手段16に、O2 センサ18と、機関回転数センサ20と、吸気負圧センサ22と、絞り弁開度センサ24と、車速センサ26と、を接続して設け、触媒温度センサ28を設けていない。また、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、制御手段16にタイマー30を内蔵して設けている。
【0037】
燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって空燃比が内燃機関2の運転状態に応じて要求される目標空燃比になるよう燃料噴射弁14の作動を制御する。また、燃料噴射制御装置12は、制御手段16に第1実施例と同様に減速燃料カット条件を設定して設け、減速燃料カット条件の成立する場合に燃料の噴射を停止して燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御する。
【0038】
第2実施例の燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、内燃機関2の減速燃料カット条件成立時に、内燃機関2の負荷Lが設定値Ls以上の場合には、タイマー30のカウントする所定時間tだけ理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御した後に燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御する。
【0039】
即ち、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、触媒12の触媒温度を検出する触媒温度センサ28を設けることなく、装置に既設の負荷を検出する機関回転数センサ20や吸気負圧センサ22、絞り弁開度センサ24等を利用して、内燃機関2の機関回転数や吸気負圧、絞り弁開度等の負荷から触媒温度を推測するものであり、内燃機関2の減速燃料カット条件成立時に、触媒温度が設定値以上となるような内燃機関2の負荷Lが設定値Ls以上の高負荷域の場合には、タイマー30のカウントする所定時間tだけ理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御した後に燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御するものである。
【0040】
次に第2実施例の制御を図4に基づいて説明する。
【0041】
燃料噴射制御装置12は、内燃機関2の駆動によって制御のプログラムがスタート(ステップ200)すると、内燃機関2の運転状態及び触媒10の温度状態としてO2 センサ18〜車速センサ26により酸素濃度と機関回転数と吸気負圧と絞り弁開度と車速とを検出し(ステップ202)、減速燃料カット条件が成立するか否かを判断する(ステップ204)。
【0042】
この判断(ステップ204)がNOの場合は、スタート(ステップ202)にリターンする。この判断(ステップ204)がYESの場合には、機関回転数や吸気負圧、絞り弁開度等の負荷を示す信号によって、触媒温度が設定値(例えば、700℃)以上となるような負荷Lが設定値Ls以上(L≧Ls)の高負荷域か否かを判断する(ステップ206)。
【0043】
この判断(ステップ206)がNOの場合は、燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ216)、エンド(ステップ218)にする。この判断(ステップ206)がYESの場合には、理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ208)、タイマー30による所定時間のカウントをスタートし(ステップ210)、減速燃料カット条件が成立中か否かを判断する(ステップ212)。
【0044】
この判断(ステップ212)がNOの場合は、タイマー30をリセットし(ステップ220)、エンド(ステップ218)にする。この判断(ステップ212)がYESの場合は、タイマー30のカウントする所定時間tが経過したか否かを判断する(ステップ214)。
【0045】
この判断(ステップ214)がNOの場合は、判断(ステップ212)にリターンする。この判断(ステップ214)がYESの場合は、燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御し(ステップ216)し、エンド(ステップ218)にする。
【0046】
このように、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、内燃機関2の減速燃料カット条件成立時に、触媒温度Tが設定値Ts以上となるような内燃機関2の負荷Lが設定値Ls以上の高負荷域の場合には、タイマー30のカウントする所定時間tだけ理論空燃比になるよう燃料噴射弁14を制御することにより、高負荷域からの減速時に排気通路6に流れる未燃炭化水素HCを減少することができ、また、理論空燃比の制御による所定時間tが経過した後に、燃料カットするよう燃料噴射弁14を制御することにより、排気通路6が空気過剰状態となる時期を遅らせることができる。
【0047】
これにより、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、第1実施例と同様に、図3に示す如く、高負荷域からの減速時に排気通路6に未燃炭化水素HCと過剰空気の酸素O2 とがオーバーラップして混在する状態をなくすことができ、高負荷域からの減速時に排気有害成分値の悪化を防止し得て、未燃炭化水素HCと過剰空気中の酸素O2 とが触媒12において激しい発熱反応を引き起こし、触媒温度を急激に昇温させて触媒12の劣化に不利な異常高温状態を惹起する不都合を回避し得て、触媒12の劣化を防止することができる。
【0048】
また、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、制御手段16によって、所定時間t内に減速燃料カット条件が不成立となった場合には、理論空燃比及び燃料カットを中止するよう制御することにより、減速後の加速時に要求される出力を得ることができ、減速後の加速時におけるドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0049】
さらに、第2実施例の燃料噴射制御装置12は、触媒温度センサを設けることなく燃料噴射制御装置12に既設の負荷を検出する機関回転数センサ20等を利用して内燃機関2の負荷から触媒温度を推測し得ることにより、追加部品を要することなくプログラムの変更により触媒10の劣化の防止を果たすことができ、低コストに実施し得るものである。
【0050】
【発明の効果】
このように、この発明の内燃機関の燃料制御装置は、高負荷域からの減速時に排気通路に流れる未燃炭化水素を減少することができるとともに排気通路が空気過剰状態となる時期を遅らせることができ、排気通路に未燃炭化水素と過剰空気とが混在する状態をなくすことができ、また、触媒温度センサを設けることなく燃料噴射制御装置に既設の負荷を検出するセンサを利用して内燃機関の負荷から触媒温度を推測し得て、高負荷域からの減速時に排気通路に未燃炭化水素と過剰空気とが混在する状態をなくすことができ、減速後の加速時に要求される出力を得ることができる。
【0051】
このため、この内燃機関の燃料噴射制御装置は、高負荷域からの減速時に排気有害成分値の悪化を防止し得て、触媒の劣化を防止し得て、また、追加部品を要することなくプログラムの変更により触媒の劣化の防止を果たし得て、低コストに実施し得て、ドライバビリティの悪化を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す内燃機関の燃料噴射制御装置の制御のフローチャートである。
【図2】内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。
【図3】減速時における未燃炭化水素と酸素と触媒の温度との変化を示す図である。
【図4】この発明の第2実施例を示す内燃機関の燃料噴射制御装置の制御のフローチャートである。
【図5】内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。
【図6】従来の減速時における未燃炭化水素と酸素と触媒の温度との変化を示す図である。
【符号の説明】
2 内燃機関
4 吸気通路
6 排気通路
8 吸気絞り弁
10 触媒
12 燃料噴射制御装置
14 燃料噴射弁
16 制御手段
18 O2 センサ
20 回転数センサ
22 吸気負圧センサ
24 絞り弁開度センサ
26 車速センサ
28 触媒温度センサ
30 タイマー

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に触媒を設け、前記触媒の温度を検出可能な触媒温度センサを設け、前記排気通路中の酸素濃度を検出するO2センサを設け、前記内燃機関の負荷量を検出可能な吸気負圧センサを設け、前記内燃機関の吸気通路に燃料噴射弁を設け、前記燃料噴射弁からの噴射量を制御する制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、減速燃料カット条件が成立し、かつ前記触媒温度が設定値以上の場合には、前記排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 内燃機関の排気通路に触媒を設け、前記触媒の温度を検出可能な触媒温度センサを設け、前記排気通路中の酸素濃度を検出するO2センサを設け、前記内燃機関の負荷量を検出可能な吸気負圧センサを設け、前記内燃機関の吸気通路に燃料噴射弁を設け、前記燃料噴射弁からの噴射量を制御する制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、減速燃料カット条件が成立し、かつ前記内燃機関の負荷量が設定値以上の場合には、前記排気通路に流れる未燃炭化水素が減少し、前記未燃炭化水素と過剰空気の酸素とが混在する状態をなくすことが可能な時間だけ、理論空燃比になるように燃料噴射弁を制御した後に、燃料カットするように燃料噴射弁を制御することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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