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JP3886195B2 - 冷気循環式オープンショーケース - Google Patents

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JP3886195B2
JP3886195B2 JP01081497A JP1081497A JP3886195B2 JP 3886195 B2 JP3886195 B2 JP 3886195B2 JP 01081497 A JP01081497 A JP 01081497A JP 1081497 A JP1081497 A JP 1081497A JP 3886195 B2 JP3886195 B2 JP 3886195B2
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智之 西尾
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Hoshizaki Electric Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷気循環式オープンショーケースに関し、特に、陳列棚を中空構造にして通風路を形成し、また、陳列棚下面に冷気噴出孔を設けることにより、庫内奥部まで冷気を流し、庫内全体を低コストで効率的に冷却することが可能な冷気循環式オープンショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷気循環式オープンショーケースにおいては、庫内に上下多段の陳列棚が設置されているため、庫内奥部や下段の陳列棚上へは低温の冷気が流れにくく、冷気吹出口に近い上段の陳列棚は良く冷えるが下段の陳列棚は十分に冷えない等、庫内の冷却効率が悪く、庫内の商品の品質を維持するために陳列棚の温度管理が困難であった。
そこで、従来より冷気循環式オープンショーケースの庫内の均一な冷却や庫内の冷却効率を高くすることが可能な冷気循環式オープンショーケースが種々提案されている。例えば、特開昭55−165468号公報に見られるように、陳列棚を中空に構成し、その内方空間を二分して棚の前端縁部で上、下に向けて各々冷気吸込口、冷気吹出口を開口させた冷気吸込側棚ダクトおよび冷気吹出側棚ダクトを形成するとともに、前記冷気吸込側棚ダクトおよび冷気吹出側棚ダクトの陳列棚後端縁部の開口部を冷気循環式オープンショーケース本体の冷気通風ダクトの送風機吸込側および冷却器吐出側へ各々連通させた構造のもの、或は、実開昭56−72169号公報に見られるように、陳列棚を中空構造にし、陳列棚の下面に複数の冷気噴出孔を穿設するとともに、陳列棚の下面に連通する接続口と、冷気循環式オープンショーケース本体の冷気通風ダクトに連通する接続口とを可撓管で接続する構造のものが知られている。
また、実開平2−55075号公報記載のように、冷気循環式オープンショーケース本体の冷気通風ダクトと庫内とを連通させる穴を庫内奥側の面に設け、庫内奥側から冷気を吹き出し、上下陳列棚間に冷気を循環させる構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭55−165468号公報に記載された冷気循環式オープンショーケースでは、本体の冷気通風ダクトの構造、陳列棚の冷気吸込側棚ダクトおよび冷気吹出側棚ダクトの構造が複雑なため、製造組立の手間が掛かり製造コストが高くなってしまう。また、陳列棚の奥に置かれている商品に冷気が十分に当たらないため、冷気温度を下げる必要があり、冷却運転効率が低くなり、さらには、蒸発器や送風機が大型化し、製造コスト高になるという問題がある。
また、実開昭56−72169号公報に記載された冷気循環式オープンショーケースでは、陳列棚下面の冷気噴出孔から噴出される冷気は、オープンショーケースの前方向へ噴出され、従って陳列棚の奥に置かれている商品に対して冷気が十分に当たらない。また、陳列棚の奥に冷気を通す可撓管が見えるため見栄えが悪くなり、商品イメージがダウンする。また、細い可撓管では、冷気の流量が十分確保できないため、商品を十分冷やすためには冷気の温度を大きく下げる必要があり、冷却運転効率が低下する。さらに、接続口が小さいため冷気の送風圧力を上げる必要があり、蒸発器や送風機が大型化し、製造コスト高になるという問題がある。
また、実開平2−55075号公報に記載された冷気循環式オープンショーケースでは、陳列棚の下面より冷気が吹き出されて庫内の奥に載置された商品にも若干冷気が当たるものではあるが、冷気の吹き出し方向は基本的にオープンショーケースの前方向であり、従って、冷気の循環効率はまだまだ低く十分なものではない。また、冷気通風ダクトと庫内とを連通する穴は小さく、よって、冷気エアーカーテンの流量が少なくなり、エアーカーテンの温度も上昇するため、外気との熱遮蔽性が悪くなる。また、上方の陳列棚の冷気流量が少なくなり、上方陳列棚の保冷性能が低下する。さらに、本体の冷気通風ダクトの構造が複雑なため、製造組立の手間が掛かり製造コスト高になるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、陳列棚を中空構造にし、陳列棚の前端縁部と後端縁部に各々冷気流入口および冷気流出口を設け、陳列棚の下面に冷気噴出孔を設けることにより、冷気が陳列棚の奥まで流れ、商品の隅々まで冷気を当てることができ、庫内の温度分布が均一で、商品の品質維持の管理を容易に行うことが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することを目的とする。また、陳列棚の表面が直接冷気により冷却され、保冷性能が高く、冷却運転効率の高い冷気循環式オープンショーケースを提供することを目的とする。さらに、本体冷気通風ダクトと陳列棚の通風路の構造が簡単で、製造コストを安価にすることが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することを目的とする。
また、下側陳列棚の前端縁部の冷気流入口が上側陳列棚冷気流入口よりも開口側になるように配設され、下方の陳列棚にも効率よく冷気が流入し、冷却効率が高く、保冷性能を高めることが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る冷気循環式オープンショーケースは、略コの字形の縦断面を有する内箱と外箱とから形成され一面に開口部を有するケース本体と、内箱と外箱との間に形成される冷気通風ダクトと、開口部の上端部に設けられた冷気通風ダクトに連通される冷気吹出口と、開口部の下端に設けられた冷気通風ダクトに連通される冷気吸込口と、内箱内に配設された陳列棚とを有する冷気循環式オープンショーケースにおいて、前記陳列棚は、棚上板と、棚上板と協動して開口部側に冷気流入口及び開口部の反対側に冷気流出口を形成するとともに冷気通風路を形成すべく棚上板に対して離間配置された棚下板とから構成され、前記棚下板には、前記冷気流入口側にて棚上板の端縁部よりも外側に延出されるとともに上方に曲折された曲折部と、前記冷気流入口を介して冷気通風路内に流入された冷気を内箱の内方に噴出する冷気噴出孔とが設けられたことを特徴とする。
このような特徴を有する冷気循環式オープンショーケースにおいては、陳列棚の棚上板と棚下板との協動により形成される冷気流入口から流入する冷気は、冷気通風路を経て冷気流出口から庫内の奥側に流出され、また、棚下板の冷気噴出孔から冷気が流出される。このとき、冷気流入口において棚下板には棚上板の端縁部よりも外側に延出されるとともに、上方へ曲折された曲折部が設けられているので、冷気吹出口から吹き出された冷気は冷却流入口から効率的に冷気通風路内に取り込まれる。これにより、冷気が庫内の奥まで流れ、庫内全体に冷気を流すことができ、また、陳列棚の商品の隅々まで冷気を当てることができる。さらに、棚上板が直接冷気により冷やされ、陳列商品を下側からも冷却することができる。
また、冷気が庫内奥側に効率よく流れ、庫内の開口側と奥側との温度分布が均一になり、冷却運転効率を高くし、保冷性能を向上させることが可能であり、また、陳列商品を上下から効率よく冷却でき、商品の品質維持管理を容易に行うことが可能になる。さらに、本体の冷気通風ダクトの構造と陳列棚の冷気通風路の構造は簡単な構造であり、製造コストを安価にすることが可能である。
【0006】
また、請求項2に係る冷気循環式オープンショーケースは、請求項1の冷気循環式オープンショーケースにおいて、前記陳列棚は前記内箱内で少なくとも上下二段に配設されており、下側の陳列棚における冷気流入口は、上側の陳列棚における冷気流入口よりも開口部側に配置されていることを特徴とする。
このような特徴を有する冷気循環式オープンショーケースにおいては、下側陳列棚の冷気流入口が上側の陳列棚の冷気流入口よりも開口部側に配置されていることから、下方の陳列棚にも効率よく冷気を流入させることができる。
これにより、下方の陳列棚の冷却効率をより高くすることが可能であり、保冷性能を向上させることが可能である。また、製造コストを安価に抑えることが可能である。
【0007】
また、請求項3に係る冷気循環式オープンショーケースは、請求項1又は請求項2の冷気循環式オープンショーケースにおいて、前記外箱内において前記内箱は少なくとも上下二段に配置されるとともに、各内箱は区画壁を介して独立されていることを特徴とする。
このような特徴を有する冷気循環式オープンショーケースにおいては、冷気循環式オープンショーケースの庫内が上下2段の内箱に独立して分離しており、上段内箱と下段内箱の温度を別々に設定できる。また、開口部の冷気吹出口と冷気吸込口の距離が短くなるため、冷気の流れの乱れが少なくなり、また、冷気の温度上昇が小さくなる。
これにより、一つの冷気循環式オープンショーケース内で保冷温度の異なる商品に合わせた温度設定が可能になり、保冷温度の異なる商品を同時に陳列することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の冷気循環式オープンショーケースについて具体化した実施の形態を図1乃至図3を参照にして詳細に説明する。図1は本実施形態に係る冷気循環式オープンショーケース1の縦断面および冷気の流れを示す図である。図2は本実施形態の内箱2内に上下陳列棚取付時の上下陳列棚の前端縁部の断面図である。図3は本実施形態の上段の内箱2の上側陳列棚23の外観図である。
図1において、冷気循環式オープンショーケース1は、一面に開口面を有する同じ構造の内箱2と内箱3を冷気循環式オープンショーケース1の前面(図1中、右側)に開口部4がくるように上下2段に載置し、各内箱2、3の外側を断熱壁5を有する外箱6により覆設している。尚、外箱6の下面には、基台7が固設されており、冷気循環式オープンショーケース1の本体は基台7を介して床等の上に配置される。
また、内箱2は、縦断面が略コの字形をした金属薄板よりなり、外箱6の内面9との間に冷気通風ダクト10を形成しており、且つ、内箱2の開口部4の上下端部に、開口部4に向けて冷気吹出口11、冷気吸込口12を各々形成している。そして、通風ダクト10内には蒸発器13、送風機14が設置されている。また、内箱2の奥側壁面の下側角部に冷気調整穴15が形成されている。
同様に、内箱3も縦断面が略コの字形をした金属薄板よりなり、外箱6の内面16との間に冷気通風ダクト17を形成しており、且つ、内箱3の開口部4の上下端部に、開口部4に向けて冷気吹出口18、冷気吸込口19を各々形成している。そして、通風ダクト17内には蒸発器20、送風機21が設置されている。また、内箱3の奥側壁面の下側角部に冷気調整穴22が形成されている。
そして、内箱2の庫内には上側陳列棚23および下側陳列棚24が上下方向にほぼ等しい間隔で取り付けられており、また、内箱3の庫内には上側陳列棚25および下側陳列棚26が上下方向にほぼ等しい間隔で取り付けられている。また、各陳列棚23、24は、内箱2の奥側壁面との間にほぼ等しい所定の間隔をもって取り付けられており、各陳列棚25、26も内箱3の奥側壁面との間にほぼ等しい所定の間隔をもって取り付けられている。
更に、内箱2における上側陳列棚23には、開口部4側に冷気流入口27、及び、内箱2の奥壁側(開口部4の反対側)に冷気流出口28が形成されており、また、下側陳列棚24には、同様に、開口部4側に冷気流入口29、及び、内箱2の奥壁側(開口部4の反対側)に冷気流出口30が形成されている。また、前記と同様に、内箱3における上側陳列棚25には、開口部4側に冷気流入口31、及び、内箱2の奥壁側(開口部4の反対側)に冷気流出口32が形成されており、また、下側陳列棚26には、同様に、開口部4側に冷気流入口33、及び、内箱3の奥壁側(開口部4の反対側)に冷気流出口34が形成されている。
【0009】
また、図2に示すように内箱2の下側陳列棚24の冷気流入口29は、上側陳列棚23の冷気流入口27よりも開口部4側(図2中、左側)に配置されている。これにより、冷気吹出口11から下方に向かって吹き出された冷気は、上側陳列棚23の冷気流入口27に流入すると同時に、下側陳列棚24の冷気流入口29にも効率的に流入され得る。また、前記と同様に、内箱3の下側陳列棚26の冷気流入口33も、上側陳列棚25の冷気流入口31よりも開口部4側(図1中、右側)に配置されている。これにより、冷気吹出口18から下方に向かって吹き出された冷気は、上側陳列棚25の冷気流入口31に流入すると同時に、下側陳列棚26の冷気流入口33にも効率的に流入され得る。
なお、前記オープンショーケース1において、各内箱2、3は、各々の外周に通風ダクト10、17が形成されるように、区画壁35を介して区画されて独立されている。
【0010】
次に、各陳列棚23、24、25、26の構成はほぼ同じであり、陳列棚23の構造を図3に基づき説明する。図3において、陳列棚23は、棚上板36、棚下板37、および、棚上板36と棚下板37の内面にスポット溶接等により固着された補強板38から構成されている。尚、棚上板36、棚下板37、補強板38は金属薄板より形成されている。
また、棚上板36は平板部39を有しており、平板部39の後端縁部は下側へ約90度の円弧状に曲折された曲折部40を形成してる。そして、棚下板37は平板部39とほぼ等しい平板部41を有し、平板部41の前端縁部は上側へ約90度の円弧状に曲折された曲折部42を形成し、平板部41の後端縁部は下側へ約90度の円弧状に曲折された曲折部43を形成している。また、平板部41の左右端縁部から少し内側の所の前後部に陳列棚を取り付けるための陳列棚支持穴44が貫通している。
また、棚上板36と棚下板37との各平板部39、41が対向し、棚上板36の前端縁と棚下板37の曲折部42とが所定の間隔の冷気流入口27を形成するように、補強板38が平板部39、41の左右端縁部から所定の距離内側とほぼ中央部に、平板部39、41の左右端縁部に略平行に固着されている。そして、棚上板36の曲折部40と棚下板37の曲折部43とにより冷気流出口28を形成することにより、冷気の通風路45を形成している(図1参照)。
また、棚下板37の平板部41には、補強板38の間に挟まれた2列の平面部のほぼ中央線上に2カ所ずつ冷気噴出孔8が穿設されている。
また、棚上板36と棚下板37の前端縁部および後端縁部は、端面のバリ等が手に当たらないように内側に折曲げ、内面に当接させている。
【0011】
次に、内箱2と内箱3の冷気の循環について、図1に基づいて説明する。先ず、内箱2の冷気の循環について説明する。冷気通風ダクト10に設けられた送風機14により温められた冷気は上昇し、蒸発器13を貫流して所定の温度まで冷やされ、冷気吹出口11から開口部4の下方へ吹き出され、冷気エアーカーテンを形成するとともに、各陳列棚23、24の各冷気流入口27、29に流入する。また、図2に示すように、冷気流入口29は冷気流入口27よりも開口部4側にあるため、下側陳列棚24の冷気流入口29に流入する冷気は上側陳列棚23に遮られず、効率よく流入する。また、冷気エアーカーテンは冷気吸込口12に流入し、冷気通風ダクト10内に流れ込む。
次に、上側陳列棚23の冷気流入口27に流入した冷気は、冷気通風路45を流れ、棚下板37に穿設された冷気噴出孔8と冷気流出口28(図3参照)から流出する。また、下側陳列棚24の棚下板47(図2参照)の前端部は、上側陳列棚23の棚下板37の前端縁部と同様に曲折された曲折部49を有し、曲折部49と棚上板48の前端縁部により形成される(図2参照)冷気流入口29に流入した冷気は、冷気通風46を流れ、棚下47に穿設された冷気噴出孔8と冷気流出口30から流出する。そして、奥側壁面の下側角部の冷気調整穴15に流入する。このように各陳列棚23、24の各冷気通風路45、46の各流出口28、30から内箱2の奥側に冷気が流出し、また、棚下板37、47の冷気噴出孔8から冷気が流出するため、冷気が内箱2の奥まで流れ、内箱2全体に冷気を流すことができ、また、陳列棚23、24の商品の隅々まで冷気を当てることができる。さらに、各陳列棚23、24の各棚上板36、48(図2参照)が直接冷気により冷やされ、陳列商品を下側からも冷却することができる。
これにより、下側の陳列棚24にも効率よく冷気を流入させることが可能になるとともに、冷気が内箱2の奥側に効率よく流れ、内箱2の開口部4側と奥側との温度分布が均一になり、冷却運転効率を高くし、保冷性能を向上させることが可能であり、また、陳列商品を上下から効率よく冷却でき、商品の品質維持管理を容易に行うことが可能になる。さらに、内箱2の冷気通風ダクト10の構造と各陳列棚23、24の各冷気通風路45、46の構造は簡単な構造であり、製造コストを安価にすることが可能である。
【0012】
次に、内箱3の冷気の循環について説明する。冷気通風ダクト17に設けられた送風機21により温められた冷気は上昇し、蒸発器20を貫流して所定の温度まで冷やされ、冷気吹出口18から開口部4の下方へ吹き出され、冷気エアーカーテンを形成するとともに、各陳列棚25、26の各冷気流入口31、33に流入する。また、下側陳列棚26の冷気流入口33は上側陳列棚25の冷気流入口31よりも開口部4側にあるため、下側陳列棚26の冷気流入口33に流入する冷気は上側陳列棚25に遮られず、効率よく流入する。また、冷気エアーカーテンは冷気吸込口19に流入し、冷気通風ダクト17内に流れ込む。
次に、上側陳列棚25の冷気流入口31に流入した冷気は、冷気通風路50を流れ、上側陳列棚25の棚下板51に穿設された冷気噴出孔8と冷気流出口32から流出する。また、下側陳列棚26の冷気流入口33に流入した冷気は、冷気通風路52を流れ、下側陳列棚26の棚下板53に穿設された冷気噴出孔8と冷気流出口34から流出する。そして、奥側壁面の下側角部の冷気調整穴22に流入する。このように各冷気通風路50、52の各流出口32、34から内箱3の奥側に冷気が流出し、また、各陳列棚25、26の各棚下板51、53の冷気噴出孔8から冷気が流出するため、冷気が内箱3の奥まで流れ、内箱3全体に冷気を流すことができ、また、各陳列棚25、26の商品の隅々まで冷気を当てることができる。さらに、各陳列棚25、26の各棚上板54、55が直接冷気により冷やされ、陳列商品を下側からも冷却することができる。
これにより、下側の陳列棚26にも効率よく冷気を流入させることが可能になるとともに、冷気が内箱3の奥側に効率よく流れ、内箱3の開口部4側と奥側との温度分布が均一になり、冷却運転効率を高くし、保冷性能を向上させることが可能であり、また、陳列商品を上下から効率よく冷却でき、商品の品質維持管理を容易に行うことが可能になる。さらに、内箱3の冷気通風ダクト17の構造と各陳列棚25、26の各冷気通風路50、52の構造は簡単な構造であり、製造コストを安価にすることが可能である。
【0013】
また、内箱2と内箱3とを上下2段に載設し、区画壁35により通風ダクトを区画することにより、冷気循環式オープンショーケース1の庫内が上下2段の内箱2、3に独立して分離しており、上段内箱2と下段内箱3の温度を別々に設定できる。また、各開口部4の各冷気吹出口11、18と各冷気吸込口12、19の距離が短くなるため、冷気の流れの乱れが少なくなり、また、冷気の温度上昇が小さくなる。
これにより、同じ冷気循環式オープンショーケース1内で保冷温度の異なる商品に合わせた温度設定が可能になり、保冷温度の異なる商品を同時に陳列することが可能になる。また、冷気の温度上昇を低く抑えることができるため、外気との熱遮蔽性能や保冷性能をより向上させることが可能である。
【0014】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論であり、以下のようにしてもよい。
(a)本実施の形態においては、各内箱2、3内の陳列棚を2段にしたが、陳列棚の段数は任意である。また、陳列棚の上下取付間隔をほぼ等しくしたが、上下取付間隔も任意である。
(b)各陳列棚23、24、25、26の下面の冷気噴出孔8の穿設個数は4個であるが、4個より多くてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る冷気循環式オープンショーケースによれば、金属薄板から形成される棚上板、棚下板および棚上板と棚下板との内面に固着される補強板とから冷気通風路を形成し、棚下板に複数の冷気噴出孔を穿設した陳列棚を庫内の上下方向に複数段配設することにより、陳列棚の冷気流出口から庫内の奥側に冷気が流出し、また、棚下板の冷気噴出孔から冷気が流出するため、冷気が庫内の奥まで流れ、庫内全体に冷気を流すことができ、また、陳列棚の商品の隅々まで冷気を当てることができる。さらに、棚上板が直接冷気により冷やされ、陳列商品を下側からも冷却することができる。
これにより、冷気が庫内奥側に効率よく流れ、庫内の開口部側と奥側との温度分布が均一になり、冷却運転効率を高くし、保冷性能を向上させることが可能であり、また、陳列商品を上下から効率よく冷却でき、商品の品質維持管理を容易に行うことが可能になる。さらに、本体の冷気通風ダクトの構造と陳列棚の冷気通風路の構造は簡単な構造であり、製造コストを安価にすることが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することができる。
【0016】
また、請求項2に係る冷気循環式オープンショーケースによれば、下側の陳列棚の冷気流入口を上側陳列棚よりも開口部側になるように配設することにより、下側の陳列棚にも効率よく冷気を流入させることができる。
これにより、下側の陳列棚の冷却効率を高くすることが可能であり、保冷性能を向上させることが可能である。また、製造コストを安価に抑えることが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することができる。
【0017】
さらに、請求項3に係る冷気循環式オープンショーケースによれば、各々の内箱に蒸発器と送風機を内蔵し、前記内箱を上下2段に載設し、区画壁を介して通風ダクトを区画することにより、冷気循環式オープンショーケースの庫内が上下2段に独立して分離しており、上段内箱と下段内箱の温度を別々に設定できる。また、開口部の冷気吹出口と冷気吸込口の距離が短くなるため、冷気の流れの乱れが少なくなり、また、冷気の温度上昇が小さくなる。
これにより、一つの冷気循環式オープンショーケース内で保冷温度の異なる商品に合わせた温度設定が可能になり、保冷温度の異なる商品を同時に陳列することが可能な冷気循環式オープンショーケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る冷気循環式オープンショーケースの縦断面および冷気の流れを示す図である。
【図2】本実施形態の内箱内に陳列棚取付時の上下陳列棚の前端縁部の断面図である。
【図3】本実施形態の上段内箱の上側陳列棚の外観図である。
【符号の説明】
1・・・冷気循環式オープンショーケース、2,3・・・内箱、5・・・断熱壁
8・・・冷気吹出口、10,17・・・冷気通風ダクト、11,18・・・冷気吹出口
12,19・・・冷気吸込口、13,20・・・蒸発器、14,21・・・送風機
23,25・・・上側陳列棚、24,26・・・下側陳列棚、
45,50,46,52・・・冷気通風路

Claims (3)

  1. 略コの字形の縦断面を有する内箱と外箱とから形成され一面に開口部を有するケース本体と、内箱と外箱との間に形成される冷気通風ダクトと、開口部の上端部に設けられた冷気通風ダクトに連通される冷気吹出口と、開口部の下端に設けられた冷気通風ダクトに連通される冷気吸込口と、内箱内に配設された陳列棚とを有する冷気循環式オープンショーケースにおいて、
    前記陳列棚は、棚上板と、棚上板と協動して開口部側に冷気流入口及び開口部の反対側に冷気流出口を形成するとともに冷気通風路を形成すべく棚上板に対して離間配置された棚下板とから構成され、
    前記棚下板には、前記冷気流入口側にて棚上板の端縁部よりも外側に延出されるとともに上方に曲折された曲折部と、前記冷気流入口を介して冷気通風路内に流入された冷気を内箱の内方に噴出する冷気噴出孔とが設けられたことを特徴とする冷気循環式オープンショーケース。
  2. 前記陳列棚は前記内箱内で少なくとも上下二段に配設されており、下側の陳列棚における冷気流入口は、上側の陳列棚における冷気流入口よりも開口部側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の冷気循環式オープンショーケース。
  3. 前記外箱内において前記内箱は少なくとも上下二段に配置されるとともに、各内箱は区画壁を介して独立されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷気循環式オープンショーケース。
JP01081497A 1997-01-24 1997-01-24 冷気循環式オープンショーケース Expired - Fee Related JP3886195B2 (ja)

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