JP3886190B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却運転制御について改良をほど施した自動販売機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、自動販売機においては、商品収納室を複数たとえば四つ備え、二つの商品収納室に対して一つの冷却器(合計二つ)を備え、各商品収納室にファンを備えると共に、一つの冷却器を共用する二つの商品収納室間の送風経路を制御する送風経路制御手段を備え、上記冷却器への冷媒の供給制御および送風経路を制御することにより各室を所定の温度に冷却するようにしたものがある。
【0003】
この種自動販売機における冷凍サイクルを図13に示す。同図において、コンプレッサ1の吐出口1aと吸入口1bとの間には、吐出口1aから順に、蒸発パイプ2、コンデンサ3、ドライヤ4、主キャピラリチューブ5、三方電磁弁6、第1の冷却器7、第2の冷却器8、アキュームレータ9、チェックバルブ10、サクションカップ11が接続され、そして、三方電磁弁6の別の吐出口と第2の冷却器8の吸入口8aとの間には、第1の冷却器7をバイバスする補助キャピラリチューブ12が接続されている。このような構成においては、第1の冷却器7は選択的に冷媒が供給され、第2の冷却器8は常に冷媒が供給されるようになっている。
【0004】
ところが、上記従来のものでは、第1の冷却器7および第2の冷却器8が冷媒流路において直列接続となっているため、電源投入時や長期運転停止後におけるいわゆるプルダウン運転時に、常に第2の冷却器への冷媒の回りが遅くなってしまい、全体の冷却速度が遅いという問題がある。また、他の部屋からの冷気の送風によってのみ冷却される商品収納室についての冷却速度も遅く、さらには送風が二つの室間を通るから、熱漏洩も大きいという問題もある。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各商品収納室の冷却速度を速めることができると共に、各商品収納室間の熱漏洩も少なくできる自動販売機を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の商品収納室と、
前記複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記複数の冷却器の温度を個別に検出する冷却器温度センサと、
前記各商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記複数の商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、
上限基準温度以上の商品温度センサに対応する商品収納室の冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、
各冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば商品温度センサの検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するようになっているところに特徴を有する。
【0007】
この構成においては、冷凍サイクルが、複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0008】
また、上記構成においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、冷却速度を速めることが可能となった。
【0009】
すなわち、冷却運転制御手段は、複数の商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する商品収納室の冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するから、コンプレッサが運転されるべき上限基準温度以上において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0010】
さらに、上記構成においては、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、各冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するようになっているから、通常冷却運転時の温度調節制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0011】
請求項2の発明は、第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
第1の冷却器温度センサによる検出温度と第2の冷却器温度センサによる検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第2の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することと、
この後、所定時間経過後、第1の冷却器温度センサによる検出温度と第3の冷却器温度センサによる検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第3の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することとを、繰返すようになっているところに特徴を有するものである。
【0012】
この構成においては、冷凍サイクルが、コンプレッサを備えると共に、三つの商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0013】
また、上記構成においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、予め冷却優先順位が高い商品収納室の冷却速度を速めつつ、他の商品収納室についても極力冷却速度を速めることが可能となった。
【0014】
すなわち、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、前記コンプレッサを運転し、且つ、
第1の冷却器温度センサによる検出温度と第2の冷却器温度センサによる検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第2の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することと、この後、所定時間経過後、第1の冷却器温度センサによる検出温度と第3の冷却器温度センサによる検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第3の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することとを、繰返すようになっているから、第1の冷却器が常に制御対象とされ、第1の商品収納室を優先して冷却することができ、さらには、第2の商品収納室および第3の商品収納室の優先順位は第1の商品収納室より低くはなるものの、第2の商品収納室あるいは第3の商品収納室の商品温度が高いような場合には、これらが優先して冷却制御されるようになり、これら第2および第3の商品収納室についても極力冷却速度を速めることができるようになる。
【0015】
請求項3の発明は、第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
各冷却器温度センサによる検出温度を比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば、各商品温度センサのうち高い検出温度を示す二つの冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ、全ての冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が冷却停止基準温度を下回ったときに、コンプレッサの運転を停止するようなっているところに特徴を有する。
【0016】
この構成においては、冷凍サイクルが、コンプレッサを備えると共に、複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0017】
また、上記構成においては、通常冷却運転時の冷却制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
すなわち、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、各冷却器温度センサによる検出温度を比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば、各冷却器温度センサのうち高い検出温度を示す二つの冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ、全ての冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御するから、冷却器温度が高くて冷媒の供給を必要とする二つの冷却器に冷媒を供給でき、しかも、冷却器温度がほぼ平均しているときには、全ての冷却器に冷媒を供給できるようになる。もって、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0018】
請求項4の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段が、
第1の冷却器と第2の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第2のファンを同期して運転すると共に、第3のファンを第3の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転し、第1の冷却器と第3の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第3のファンを同期して運転すると共に、第2のファンを第2の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転するようになっているところに特徴を有する。
【0019】
この構成においては、第1の冷却器と第2の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときに、冷媒の供給が停止されている第3の冷却器、つまり待機中の第3の冷却器に、第3のファンの送風が当てられることになり、この第3の冷却器の冷媒のガス化が促進されて第1および第2の冷却器への冷媒流量の減少を極力少なくできるようになる。この結果、いわゆるプルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となる。この場合、第3の冷却器の温度がファン停止基準温度に達すると該第3のファンの運転を停止するから、第3の冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0020】
また、第1の冷却器と第3の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときに、第2のファンが上述と同様に運転されるから、この場合にも、プルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となり、第2の冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0021】
請求項5の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段が、コンプレッサ運転が停止された後に、一つの商品収納室について、商品温度センサの検出温度が、所定温度に達し、且つ冷却器温度センサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度となったときに、コンプレッサの運転を再開すると共に、当該商品収納室に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、且つ当該商品収納室用のファンを運転し、
他の商品収納室については、冷却器温度センサの検出温度が所定温度に達したときにファンを運転すると共に、冷却器温度センサの検出温度に基づいて各冷却器に冷媒を供給制御するようになっているところに特徴を有する。
【0022】
この構成においては、コンプレッサ運転再開時に、最も冷却を必要とする商品収納室(商品温度センサと冷却器温度センサとがコンプレッサオン基準温度に達した商品収納室)を最初に冷却できると共に、その後、順次各商品収納室を冷却できて、スムーズが冷却が期待できるものであり、冷却速度の向上に寄与できるようになる。
【0023】
請求項6の発明は、手動操作される入力手段を有しこの入力手段の操作に基づいて各商品収納室の温度を設定する温度設定手段を備え、この温度設定手段は、この温度設定に応じて上限基準温度を変更設定するようになっているところに特徴を有する。
【0024】
この構成においては、商品収納室の温度設定に応じて上限基準温度が変更設定されるから、いわゆるプルダウン運転制御と、通常冷却運転制御(冷却器の流路制御)とを調和して制御できるようになる。つまり、商品収納室の設定温度と上限基準温度とが離れすぎていると、プルダウン運転から通常冷却運転制御までに時間がかかり、逆に商品収納室の設定温度と上限基準温度とが近接しすぎていると、プルダウン運転から冷却態勢が整う前に通常冷却運転制御となり、その制御に支障を来す虞があるが、上記構成においてはそのようなことはない。
【0025】
請求項7の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して設けられ各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風する第1ないし第3のファンと、 各ファンの駆動を開始するファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更可能に設定する節電設定手段とを備え、
冷却運転制御手段が、
コンプレッサの運転を停止時点から冷却器温度センサが前記節電設定手段によって設定されたファン駆動開始基準温度に達するまで各ファンを停止するようになっているところに特徴を有する。
【0026】
この構成においては、節電設定手段により、ファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ運転の開始時間が延び、つまり、コンプレッサの稼働率が抑えられ、もって節電が図れるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例につき図1ないし図10を参照しながら説明する。この実施例の自動販売機は、図5および図6に示すように、断熱箱からなる本体21内に複数、例えば3室の商品収納室22〜24を有している。今、左側の商品収納室22(以下左室22と称する)が第1の商品収納室に相当し、右側の商品収納室23(以下右室23と称する)が第2の商品収納室に相当し、中央の商品収納室24(以下中室24と称する)が第3の商品収納室に相当する。
【0028】
各商品収納室22〜24内には、図7に示すように、商品たる缶入り飲料25(以下、飲料缶と称する)を案内する蛇行状の通路26が設けられ、その蛇行状通路26の下端部に排出機構27が設けられている。そして、硬貨が投入されて図示しないセレクトスイッチが押されると、そのセレクトスイッチにより選択された飲料缶25の排出機構27が開放動作して、蛇行状通路26内の飲料缶25を下側のものから1個ずつ缶取出口に排出するように構成されている。
【0029】
飲料缶の自動販売機は、飲料缶を冷却し、或いは加熱して販売するものであることはいうまでもないが、この実施例の自動販売機では、左室22は冷却専用とされ、それ以外の右室23および中室24は冷却と加熱とを選択できるようになっている。なお、上記加熱のためのヒータや冷却・加熱切替のための手段等を備えているが、それらについては図示しない。
【0030】
本実施例の自動販売機には、飲料缶25の冷却のために各室22〜24にそれぞれ第1の冷却器たる左室用冷却器28、第2の冷却器たる右室用冷却器29および第3の冷却器たる中室用冷却器30を有した冷凍サイクルが設けられている。各冷却器28〜30は、それぞれ流路制御手段に相当する左室用電磁弁31、右室用電磁弁32および中室用電磁弁33によって冷媒が制御されるようになっている。
【0031】
すなわち、図8に示すこの冷凍サイクルにおいて、コンプレッサ34の吐出口34aと吸入口34bとの間には、吐出口34a側から順に、蒸発パイプ35、コンデンサ36、ドライヤ37、分配器38、前記第1の電磁弁31、キャピラリチューブ39、アキュームレータ40、チェックバルブ41、サクションカップ42が接続されている。そして、前記左室用電磁弁31とキャピラリチューブ39と左室用冷却器28とアキュームレータ40からなる冷媒流路と並列に、前記右室用電磁弁32とキャピラリチューブ43と右室用冷却器29とアキュームレータ44とからなる冷媒流路と、前記中室用電磁弁33とキャピラリチューブ45と中室用冷却器30とアキュームレータ46とからなる冷媒流路とが接続されている。
【0032】
図5に示すように、各冷却器28〜30にはそれぞれ第1の冷却器温度センサたる左室用エバセンサ47、第2の冷却器温度センサたる右室用エバセンサ48および第3の冷却器温度センサたる中室用エバセンサ49が設けられているとともに、第1のファンたる左室用エバファン50、第2のファンたる右室用エバファン51、第3のファンたる中室用エバファン52が対向して設けられている。また、本体21下部には、前述のコンプレッサ34、コンデンサ36が設けられているとともに、コンデンサ用ファン53、さらには、電装品ボックス54が設けられている。
【0033】
また、図7に示すように、各室22〜24において排出機構27に対抗する金属製の板部材26aには、第1の商品温度センサたる左室用品温センサ55、第2の商品温度センサたる右室用品温センサ56(これは図9に示す)、第3の商品温度センサたる中室用品温センサ57(これは図9に示す)が配設されており、各商品温度センサ55〜57は板部材26aを介して飲料缶25の温度を検出するようになっている。
【0034】
図9には、この実施例の自動販売機の冷却に関連する電気的構成を示しており、同図において、マイクロコンピュータ58は、冷却運転制御手段として機能するものであり、これには、各エバセンサ47〜49および各品温センサ55〜57からの検出温度(温度検出信号)が与えられるようになっている。そして、このマイクロコンピュータ58は内部のメモリに記憶されたプログラムに従って駆動回路59を介して各負荷を駆動制御するようになっており、負荷としては、コンプレッサ34、コンデンサ用ファン53、前記各電磁弁31〜33、各エバファン50〜52がある。なお、各電磁弁31〜33は、オフ状態(断電状態)で流路を閉鎖し、オン(通電)されると流路を開放するようになっている。
【0035】
さて、上記構成の作用について、マイクロコンピュータ58の制御内容と共に説明する。図1ないし図4にはマイクロコンピュータ58の制御内容を示している。まず、図1において、電源が投入されると、コンプレッサ33をオンして運転が開始する(ステップS1)。このとき、コンデンサファン53もオンする。なお、各電磁弁31〜33は断電状態(閉塞状態)にある。そして、3分間待機して(ステップS2)、品温センサ55〜57による検出温度が全て上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し(ステップS3)、全て上限基準温度Tp以上であれば、ステップS4に移行して、マイクロコンピュータ58が運転プログラムにて備えたソフトタイマがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ(最初はセットされていない)、ステップS5に移行して10分をカウントするソフトタイマをセットする。つまり、10分を待機してステップS6に移行するものであり、このステップS6においては、左室用電磁弁31、右室用電磁弁32について制御する。この制御は、図2にサブルーチンとして示している。
【0036】
この図2において、ステップT1においては、二つのエバセンサこの場合左室用エバセンサ47と右室用エバセンサ48との温度差が所定温度範囲例えば5℃以上であるか否かを判断し、温度差が上記5℃より小さければ、ステップT2において、左室用冷却器28および右室用冷却器29に冷媒を供給するべく、該当する電磁弁31、32をオンすると共にそれぞれに対応するエバファン50、51をオンする。これにて両冷却器28および29に冷媒が供給されて冷却作用を呈し、左室22および右室23が冷却される。また、ステップT1において、温度差が5℃以上であれば、ステップT3に移行して、検出温度が高いエバセンサに対応する室の電磁弁をオンすると共にこれに対応するエバファンをオンする。これにより、温度の高い冷却器が先に冷却されることになる。
【0037】
図2のサブルーチンが終了すると、図1のステップS7に戻り、このステップS7においてソフトタイマの10分が終了しないうちはステップS3に戻る。つまり、ステップS3で品温センサ55〜57の全ての検出温度が上限基準値Tp以上である間は、10分間において、ステップS3からステップS6までの制御(左室用冷却器28および右室用冷却器29についての制御)が実行される。
【0038】
上記ソフトタイマの10分が終了すると、ステップS8に移行して、品温センサ55〜57の全ての検出温度が上限基準値Tp以上であるか否かを判断し、全て上限基準温度Tp以上であれば、ステップS9に移行して、ソフトタイマがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ、ステップS10に移行して10分のソフトタイマをセットする。これにて、10分を待機してステップS11に移行し、このステップS11においては、左室用電磁弁31、中室用電磁弁33について制御する。この制御は、前述した図2にサブルーチンとして示している。
【0039】
この図2において、この場合、ステップT1においては、二つのエバセンサこの場合左室用エバセンサ47と中室用エバセンサ49との温度差が前記所定温度範囲5℃以上であるか否かを判断し、温度差が上記5℃より小さければ、ステップT2において、左室用冷却器28および中室用冷却器30に冷媒を供給するべく、該当する電磁弁31、33をオンすると共にエバファン50、52をオンする。これにて両冷却器28および30に冷媒が供給されて冷却作用を呈し、左室22および中室24が冷却される。
【0040】
また、ステップT1において、温度差が5℃以上であれば、ステップT3に移行して、検出温度が高いエバセンサに対応する室の電磁弁をオンすると共に対応するエバファンをオンする。これにより、温度の高い冷却器が先に冷却されることになる。図2のサブルーチンが終了すると、図1のステップS12に戻り、このステップS12においてソフトタイマの10分が終了しないうちはステップS8に戻る。
【0041】
前述のステップS3およびステップS8において、品温センサ55〜57の全てが上限基準温度Tp以上でないときには、ステップS13に移行する。このステップS13においては、品温センサ55〜57のうち二つが上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し、以上であれば、ステップS14に移行して該当する室に対応する電磁弁を制御する。この制御は既述した図2のサブルーチンで既述したように実行される。
【0042】
前記ステップS13においては、品温センサ55〜57のうち二つが上限基準温度Tp以上でなければ、ステップS15に移行し、品温センサ55〜57のうち一つが上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し、一つが該温度Tp以上であれば、ステップS16に移行して該当する室に対応する電磁弁を制御し、そして、ステップS3に戻る。
ここまでの制御はいわゆるプルダウン運転制御である。
【0043】
また、品温センサ55〜57の全てが、上記温度Tpを下回っていると、前記ステップS15の「N」に従って図3に示すステップS17に移行する。このステップS17においては、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上であるか否かを判断する。この冷却停止基準温度Toffと前述の上限基準温度Tpと後述する商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonの関係は図10に示すように、Tp>Thon>Toffの関係にある。
【0044】
しかして、このステップS17において、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上であれば、ステップS18に移行して、各エバセンサ47〜49の温度差が所定温度範囲5℃以上であるか否かを判断し、5℃を下回れば(その温度範囲内にあれば)、ステップS19に移行して全ての電磁弁31〜33,エバファン50〜52をオンする。ステップS18において、各エバセンサ47〜49の温度差が所定温度範囲5℃以上であればステップS20に移行して品温センサ55〜57のうち検出温度の高い二つを選択して後述のステップS22に移行する。
【0045】
上記ステップS17において、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上でなければ、ステップS21に移行して、品温センサ55〜57のうち二つが上記温度Toff以上であるか否かを判断する。以上であればステップS22に移行して、対応する二つのエバセンサの検出温度の温度差が温度範囲5℃以上か否かを判断し、以上でなければ、ステップS23に移行して対応する電磁弁をオンする。ステップS22にて上記温度範囲5℃以上であれば、ステップS24に移行して、品温センサの検出温度の高い方を選択し、そして、ステップS25に移行して該当する室の電磁弁およびエバファンをオンする。
【0046】
上述のステップS21において、品温センサ55〜57のうち二つが上記温度Toff以上でなければ(一つもしくは0であれば)、ステップS26に移行し、ここで品温センサ55〜57のうち一つが上記温度Toff以上であることが判断されれば、前記ステップS25に移行する。以上でないことが判断されれば、すなわち、全てが冷却停止基準温度Toffを下回ることが判断されると、ステップS27に移行して、コンプレッサ34、コンデンサファン53、全ての電磁弁31〜33、全てのエバファン50〜52をオフし、もって冷却運転を停止する。
【0047】
この後、図4のステップS28に移行し、エバセンサ47〜49のうちいずれかのものの検出温度が予め設定されたファン駆動開始基準温度Tfanに達したことが判断されると、次のステップS29にて該当するエバファンをオンする。なお、ステップS27のコンプレッサ34の運転停止からエバファンオンまでの経過時間が長いほどコンプレッサ34の稼働率が低いものである。
【0048】
ステップS29の後、ステップS30において、各室22〜24のうちいずれかの室のエバセンサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度Teonとなり、且つ当該室の品温センサの検出温度が商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonとなったか否かを判断し、両条件が満足されれば、ステップS31に示すように、コンプレッサ34を運転再開すると共に、コンデンサファン53をオンし、当該室の電磁弁およびエバファンをオンする。その後、所定時間例えば10秒が経過してから(ステップS32)、他の室の電磁弁およびエバファンをオンする。これにて各室の冷却が再開され、この後、図1のステップS3に戻る。なお、ステップS17からステップS33までは、プルダウン運転に対し、通常冷却運転たるものである。
【0049】
このような本実施例によれば、次の効果を得ることができる。
すなわち、冷凍サイクルが、複数の商品収納室22〜24をそれぞれ独立的に冷却する冷却器28〜30を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器28〜30に対して独立的に制御する流路制御手段である電磁弁31〜33を備えた構成であるので、複数の冷却器28〜30に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室22〜24を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室22〜24間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできる。
【0050】
また、上記本実施例においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、冷却速度を速めることが可能となった。
【0051】
すなわち、冷却運転制御手段を構成するマイクロコンピュータ58は、複数の商品温度センサたる各品温センサ55〜57の検出温度が、予め定められた上限基準温度Tp以上という条件下において、該上限基準温度Tp以上の品温センサに対応する各室のエバセンサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲(この実施例では5℃)以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御するから、コンプレッサ34がプルダウン運転されるべき上限基準温度Tp以上において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0052】
さらに、本実施例によれば、マイクロコンピュータ58は、全ての品温センサ55〜57の検出温度が、前記上限基準温度Tpを下回り且つこの上限基準温度Tpより低く設定された冷却停止基準温度Toff以上であるという条件下において、各エバセンサ47〜49による検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲(5℃)以上であれば品温センサ55〜57の検出温度が高い方の冷却器(本実施例では高い方の二つの冷却器)に対して冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御するようになっているから、通常冷却運転時の冷却制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0053】
特に本実施例においては、商品収納室として左室(第1の商品収納室)22、右室(第2の商品収納室)23および中室(第3の商品収納室)24を備えていて、このような三つの商品収納室を備えた場合に、全ての品温センサ55〜57が上記上限基準温度Tp以上において、第1の冷却器温度センサたる左室用エバセンサ47による検出温度と第2の冷却器温度センサたる右室用エバセンサ48による検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ左室用冷却器28および右室用冷却器29の双方に冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を10分制御することと、この後、左室用エバ温度センサ47による検出温度と第3の冷却器温度センサたる中室用エバセンサ49による検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ左室用冷却器28および中室用冷却器30の双方に冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御することとを、繰返すようになっているから、左室22の冷却器28が常に制御対象とされ、この左室22を優先して冷却することができ、さらには、右室23および中室24の優先順位は左室22より低くはなるものの、右室23あるいは中室24の商品温度が高いような場合には、これらが優先して冷却制御されるようになり、これら右室23および左室24についても極力冷却速度を速めることができる。特に、このような制御は、左室22が冷却専用室となっている本実施例構成において極めて有効である。
【0054】
また、本実施例においては、ステップS30〜ステップS33から分かるように、コンプレッサ34の運転が停止された後に、一つの室について、品温センサの検出温度が、所定温度(上限基準温度Tpより低くて冷却停止基準温度Toffより高い商品温度用コンプレッサオン基準温度Thon)に達し、且つエバセンサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度Teonとなったときに、コンプレッサ34の運転を再開すると共に、当該室に冷媒を供給するように電磁弁を制御し、且つ当該用のエバファンを運転し、他の室については、ステップS28、S29から分かるように所定温度たるTfanに達したときにエバファンを運転すると共に、各冷却器に冷媒を供給制御するようにしている。
【0055】
これにより、コンプレッサ運転再開時に、室22〜24のうち最も冷却を必要とする室を最初に冷却できると共に、その後、順次各室を冷却できて、スムーズが冷却が期待できるものであり、冷却速度の向上に寄与できる。
【0056】
なお、コンプレッサ34の運転停止条件は、上記実施例においてはステップS27で示したように、全ての品温センサ55〜57が冷却停止基準温度Toffを下回ったときであるあるが、これ以外にも、図示はしないが、コンプレッサの過度な長期連続運転を規制するために設けられたコンプレッサ保護用タイマの設定時間(これは7時間や3時間である)が満了したときに一定時間(この一定時間後運転再開)、あるいは深夜の一定時間(例えば1時間(この一定時間後運転再開))、夏期などの電力需要ピーク時の一定時間(この一定時間後運転再開)にはコンプレッサ運転が停止される。そして、これらの運転停止時には各冷却器28〜30が除霜されるものである。また、各エバファン50〜52は、本体21の図示しない扉が開放された時にも運転が停止されるようになっている。
【0057】
なお、上記実施例において、図1のステップS3からステップS12までの制御において、つまり、プルダウン運転において、次の制御を実行するようにしても良い。
すなわち、左室用冷却器28と右室用冷却器29との双方に冷媒を供給するように制御するときに、左室用エバファン50および右室用エバファン51を同期して運転するが、これと共に、他の冷却室である中室24用のエバファン52も運転し、そして中室用エバセンサ49による検出温度が予め定められたファン停止基準温度例えば3℃に達したところで運転を停止するようにし、同様に、左室用冷却器28と中室用冷却器30との双方に冷媒を供給するように制御するときには、両室用のエバファン50および52を運転するのに加え、右室用エバ51も運転し、右室用エバセンサ48による検出温度が予め定められたファン停止基準温度(3℃)に達したところで運転を停止するようにしても良い。
【0058】
このようにすると、プルダウン運転において左室用冷却器28と右室用冷却器29との双方に冷媒を供給するように制御するときに、冷媒の供給が停止されている中室用冷却器30、つまり待機中の中室用冷却器30に、中室用エバファン52の送風が当てられることになり、この中室用冷却器30の冷媒のガス化が促進されて左室用冷却器28および右室用冷却器29への冷媒流量の減少を極力少なくできるようになる。この結果、いわゆるプルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となる。この場合、中室用冷却器30の温度がファン停止基準温度(3℃)に達すると該の中室用冷却器30の運転を停止するから、第3の冷却器の低温度化が阻害されることもない。
【0059】
そして、左室用冷却器28と中室用冷却器30との双方に冷媒を供給するように制御するときには、右室用冷却器29に対応する右室用エバファン51が上述と同様に運転されるから、この場合にも、プルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となり、また、右室用冷却器29の低温度化が阻害されることもない。
【0060】
図11は本発明の第2の実施例を示しており、この第2の実施例においては、次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、各室22〜24の全体温度を設定するために、手動操作される入力手段たる温度設定スイッチ61を備え、マイクロコンピュータ58は、この温度設定スイッチ61の操作に基づいて室22〜24の温度を設定する温度設定手段としての機能を備えている。
【0061】
すなわち、マイクロコンピュータ58は、温度設定スイッチ61の操作に基づいて本体21内の室の温度(商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonや冷却定期基準温度Toff)を設定する他に、この設定温度に応じて、上限基準温度Tpを変更設定するようになっている。つまり、設定温度が高く設定されたときには、上限基準温度Tpも高く、設定温度が低く設定されたときには、上限基準温度Tpも低くするように設定する。
【0062】
この第2の実施例においては、温度設定に応じて上限基準温度Tpが変更設定されるから、プルダウン運転制御と、コンプレッサ運転時の通常冷却制御(冷却器の流路制御)とを調和して制御できるようになる。つまり、商品収納室の設定温度と上限基準温度Tpとが離れすぎていると、コンプレッサ34運転開始から通常冷却制御までに時間がかかり、逆に商品収納室の設定温度と上限基準温度Tpとが近接しすぎていると、コンプレッサ34運転開始から冷却態勢が整う前に通常冷却制御となり、その制御に支障を来す虞があるが、この第2の実施例においてはそのようなことはない。
【0063】
図12は本発明の第3の実施例を示し、この実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、第1の実施例においては、図4のステップS28に示したように、エバファン50〜52の停止状態からいずれかのエバファンを駆動するについて、エバセンサの検出温度がファン駆動開始基準温度Tfanに達してときにその駆動を開始するようにしているが、第2の実施例では、節電のために、このファン駆動開始基準温度Tfanを設定変更可能としている。すなわち、節電設定手段として節電モード設定スイッチ62を備え、この節電モード設定スイッチ62が操作されると、マイクロコンピュータ58は、ファン駆動開始基準温度Tfanを通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更可能に設定するようになっている。
【0064】
この第2の実施例によれば、節電モード設定スイッチ62により、ファン駆動開始基準温度Tfanを通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ34の運転の開始時間が延び、つまり、コンプレッサ34の稼働率が抑えられ、もって節電が図れる。
【0065】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を得ることができる。
請求項1の発明によれば、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできる。
【0066】
また、電源投入時や長期運転停止後のコンプレッサ運転開始時につまりプルダウン運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得、しかも、通常冷却運転時の温度調節制御においても、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0067】
請求項2の発明によれば、三つの商品収納室を備えたものにおいて、各冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できて、全体の冷却速度を速くでき、また、各室間の熱漏洩も小さくできる。さらにプルダウン運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。特に、特定の商品収納室を優先的に冷却することが可能であり、しかも、他の商品収納室の冷却が遅れることも極力防止できるものである。
【0068】
請求項3の発明によれば、三つの商品収納室を備えたものにおいて、各冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できて、全体の冷却速度を速くでき、また、各室間の熱漏洩も小さくできる。さらに通常冷却運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0069】
請求項4の発明によれば、プルダウン運転時において、二つの冷却器に冷媒を供給している状態で他の冷却器が冷媒の供給を待機している場合に、他の冷却器に対応するファンを駆動するから、冷却速度をさらに速めることができ、しかもそのファン駆動は当該冷却器の温度がファン停止基準温度に達するまでであるから、冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0070】
請求項5の発明によれば、通常冷却運転でのコンプレッサ運転再開時に、最も冷却を必要とする商品収納室を最初に冷却できると共に、その後、順次各商品収納室を冷却できて、スムーズが冷却が期待でき、冷却速度の向上に寄与できるものである。
【0071】
請求項6の発明によれば、商品収納室の温度設定に応じて上限基準温度が変更設定されるから、プルダウン運転制御と、通常冷却運転制御とを調和して制御できる。
請求項7の発明によれば、節電設定手段により、ファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ運転の開始時間が延びて、コンプレッサの稼働率が抑えられ、もって節電を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す制御内容のフローチャート
【図2】制御内容のフローチャート
【図3】制御内容のフローチャート
【図4】制御内容のフローチャート
【図5】全体構成を示す透視図
【図6】商品収納室の正面図
【図7】品温センサの配置位置を示す縦断側面図
【図8】冷凍サイクル構成図
【図9】電気的構成を示すブロック図
【図10】各基準温度を示す図
【図11】本発明の第2の実施例を示す電気的構成のブロック図
【図12】本発明の第3の実施例を示す電気的構成のブロック図
【図13】従来例を示す冷凍サイクル構成図
【符号の説明】
21は本体、22は左室(第1の商品収納室)、23は右室(第2の商品収納室)、24は中室(第3の商品収納室)、28は左室用冷却器(第1の冷却器)、29は右室用冷却器(第2の冷却器)、30は中室用冷却器(第3の冷却器)、31は左室用電磁弁(流路制御手段)、32は右室用電磁弁(流路制御手段)、33は中室用電磁弁(流路制御手段)、34はコンプレッサ、47は左室用エバセンサ(第1の冷却器温度センサ)、48は右室用エバセンサ(第2の冷却器温度センサ)、49は中室用エバセンサ(第3の冷却器温度センサ)、50は左室用エバファン(第1のファン)、51は右室用エバファン(第2のファン)、52は中室用エバファン(第3のファン)、55は左室用品温センサ(第1の商品温度センサ)、56は左室用品温センサ(第2の商品温度センサ)、57は左室用品温センサ(第3の商品温度センサ)、58はマイクロコンピュータ(冷却運転制御手段)、61は温度設定手段(入力手段)、62は節電モード設定スイッチ(節電設定手段)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却運転制御について改良をほど施した自動販売機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、自動販売機においては、商品収納室を複数たとえば四つ備え、二つの商品収納室に対して一つの冷却器(合計二つ)を備え、各商品収納室にファンを備えると共に、一つの冷却器を共用する二つの商品収納室間の送風経路を制御する送風経路制御手段を備え、上記冷却器への冷媒の供給制御および送風経路を制御することにより各室を所定の温度に冷却するようにしたものがある。
【0003】
この種自動販売機における冷凍サイクルを図13に示す。同図において、コンプレッサ1の吐出口1aと吸入口1bとの間には、吐出口1aから順に、蒸発パイプ2、コンデンサ3、ドライヤ4、主キャピラリチューブ5、三方電磁弁6、第1の冷却器7、第2の冷却器8、アキュームレータ9、チェックバルブ10、サクションカップ11が接続され、そして、三方電磁弁6の別の吐出口と第2の冷却器8の吸入口8aとの間には、第1の冷却器7をバイバスする補助キャピラリチューブ12が接続されている。このような構成においては、第1の冷却器7は選択的に冷媒が供給され、第2の冷却器8は常に冷媒が供給されるようになっている。
【0004】
ところが、上記従来のものでは、第1の冷却器7および第2の冷却器8が冷媒流路において直列接続となっているため、電源投入時や長期運転停止後におけるいわゆるプルダウン運転時に、常に第2の冷却器への冷媒の回りが遅くなってしまい、全体の冷却速度が遅いという問題がある。また、他の部屋からの冷気の送風によってのみ冷却される商品収納室についての冷却速度も遅く、さらには送風が二つの室間を通るから、熱漏洩も大きいという問題もある。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各商品収納室の冷却速度を速めることができると共に、各商品収納室間の熱漏洩も少なくできる自動販売機を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の商品収納室と、
前記複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記複数の冷却器の温度を個別に検出する冷却器温度センサと、
前記各商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記複数の商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、
上限基準温度以上の商品温度センサに対応する商品収納室の冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、
各冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば商品温度センサの検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するようになっているところに特徴を有する。
【0007】
この構成においては、冷凍サイクルが、複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0008】
また、上記構成においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、冷却速度を速めることが可能となった。
【0009】
すなわち、冷却運転制御手段は、複数の商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する商品収納室の冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するから、コンプレッサが運転されるべき上限基準温度以上において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0010】
さらに、上記構成においては、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、各冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するようになっているから、通常冷却運転時の温度調節制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0011】
請求項2の発明は、第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
第1の冷却器温度センサによる検出温度と第2の冷却器温度センサによる検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第2の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することと、
この後、所定時間経過後、第1の冷却器温度センサによる検出温度と第3の冷却器温度センサによる検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第3の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することとを、繰返すようになっているところに特徴を有するものである。
【0012】
この構成においては、冷凍サイクルが、コンプレッサを備えると共に、三つの商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0013】
また、上記構成においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、予め冷却優先順位が高い商品収納室の冷却速度を速めつつ、他の商品収納室についても極力冷却速度を速めることが可能となった。
【0014】
すなわち、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、前記コンプレッサを運転し、且つ、
第1の冷却器温度センサによる検出温度と第2の冷却器温度センサによる検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第2の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することと、この後、所定時間経過後、第1の冷却器温度センサによる検出温度と第3の冷却器温度センサによる検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第3の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することとを、繰返すようになっているから、第1の冷却器が常に制御対象とされ、第1の商品収納室を優先して冷却することができ、さらには、第2の商品収納室および第3の商品収納室の優先順位は第1の商品収納室より低くはなるものの、第2の商品収納室あるいは第3の商品収納室の商品温度が高いような場合には、これらが優先して冷却制御されるようになり、これら第2および第3の商品収納室についても極力冷却速度を速めることができるようになる。
【0015】
請求項3の発明は、第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
各冷却器温度センサによる検出温度を比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば、各商品温度センサのうち高い検出温度を示す二つの冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ、全ての冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が冷却停止基準温度を下回ったときに、コンプレッサの運転を停止するようなっているところに特徴を有する。
【0016】
この構成においては、冷凍サイクルが、コンプレッサを備えると共に、複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた構成であるので、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできるようになる。
【0017】
また、上記構成においては、通常冷却運転時の冷却制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
すなわち、冷却運転制御手段は、全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、各冷却器温度センサによる検出温度を比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば、各冷却器温度センサのうち高い検出温度を示す二つの冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ、全ての冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御するから、冷却器温度が高くて冷媒の供給を必要とする二つの冷却器に冷媒を供給でき、しかも、冷却器温度がほぼ平均しているときには、全ての冷却器に冷媒を供給できるようになる。もって、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得るようになる。
【0018】
請求項4の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段が、
第1の冷却器と第2の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第2のファンを同期して運転すると共に、第3のファンを第3の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転し、第1の冷却器と第3の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第3のファンを同期して運転すると共に、第2のファンを第2の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転するようになっているところに特徴を有する。
【0019】
この構成においては、第1の冷却器と第2の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときに、冷媒の供給が停止されている第3の冷却器、つまり待機中の第3の冷却器に、第3のファンの送風が当てられることになり、この第3の冷却器の冷媒のガス化が促進されて第1および第2の冷却器への冷媒流量の減少を極力少なくできるようになる。この結果、いわゆるプルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となる。この場合、第3の冷却器の温度がファン停止基準温度に達すると該第3のファンの運転を停止するから、第3の冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0020】
また、第1の冷却器と第3の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときに、第2のファンが上述と同様に運転されるから、この場合にも、プルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となり、第2の冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0021】
請求項5の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段が、コンプレッサ運転が停止された後に、一つの商品収納室について、商品温度センサの検出温度が、所定温度に達し、且つ冷却器温度センサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度となったときに、コンプレッサの運転を再開すると共に、当該商品収納室に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、且つ当該商品収納室用のファンを運転し、
他の商品収納室については、冷却器温度センサの検出温度が所定温度に達したときにファンを運転すると共に、冷却器温度センサの検出温度に基づいて各冷却器に冷媒を供給制御するようになっているところに特徴を有する。
【0022】
この構成においては、コンプレッサ運転再開時に、最も冷却を必要とする商品収納室(商品温度センサと冷却器温度センサとがコンプレッサオン基準温度に達した商品収納室)を最初に冷却できると共に、その後、順次各商品収納室を冷却できて、スムーズが冷却が期待できるものであり、冷却速度の向上に寄与できるようになる。
【0023】
請求項6の発明は、手動操作される入力手段を有しこの入力手段の操作に基づいて各商品収納室の温度を設定する温度設定手段を備え、この温度設定手段は、この温度設定に応じて上限基準温度を変更設定するようになっているところに特徴を有する。
【0024】
この構成においては、商品収納室の温度設定に応じて上限基準温度が変更設定されるから、いわゆるプルダウン運転制御と、通常冷却運転制御(冷却器の流路制御)とを調和して制御できるようになる。つまり、商品収納室の設定温度と上限基準温度とが離れすぎていると、プルダウン運転から通常冷却運転制御までに時間がかかり、逆に商品収納室の設定温度と上限基準温度とが近接しすぎていると、プルダウン運転から冷却態勢が整う前に通常冷却運転制御となり、その制御に支障を来す虞があるが、上記構成においてはそのようなことはない。
【0025】
請求項7の発明は、第1ないし第3の冷却器に対応して設けられ各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風する第1ないし第3のファンと、 各ファンの駆動を開始するファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更可能に設定する節電設定手段とを備え、
冷却運転制御手段が、
コンプレッサの運転を停止時点から冷却器温度センサが前記節電設定手段によって設定されたファン駆動開始基準温度に達するまで各ファンを停止するようになっているところに特徴を有する。
【0026】
この構成においては、節電設定手段により、ファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ運転の開始時間が延び、つまり、コンプレッサの稼働率が抑えられ、もって節電が図れるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例につき図1ないし図10を参照しながら説明する。この実施例の自動販売機は、図5および図6に示すように、断熱箱からなる本体21内に複数、例えば3室の商品収納室22〜24を有している。今、左側の商品収納室22(以下左室22と称する)が第1の商品収納室に相当し、右側の商品収納室23(以下右室23と称する)が第2の商品収納室に相当し、中央の商品収納室24(以下中室24と称する)が第3の商品収納室に相当する。
【0028】
各商品収納室22〜24内には、図7に示すように、商品たる缶入り飲料25(以下、飲料缶と称する)を案内する蛇行状の通路26が設けられ、その蛇行状通路26の下端部に排出機構27が設けられている。そして、硬貨が投入されて図示しないセレクトスイッチが押されると、そのセレクトスイッチにより選択された飲料缶25の排出機構27が開放動作して、蛇行状通路26内の飲料缶25を下側のものから1個ずつ缶取出口に排出するように構成されている。
【0029】
飲料缶の自動販売機は、飲料缶を冷却し、或いは加熱して販売するものであることはいうまでもないが、この実施例の自動販売機では、左室22は冷却専用とされ、それ以外の右室23および中室24は冷却と加熱とを選択できるようになっている。なお、上記加熱のためのヒータや冷却・加熱切替のための手段等を備えているが、それらについては図示しない。
【0030】
本実施例の自動販売機には、飲料缶25の冷却のために各室22〜24にそれぞれ第1の冷却器たる左室用冷却器28、第2の冷却器たる右室用冷却器29および第3の冷却器たる中室用冷却器30を有した冷凍サイクルが設けられている。各冷却器28〜30は、それぞれ流路制御手段に相当する左室用電磁弁31、右室用電磁弁32および中室用電磁弁33によって冷媒が制御されるようになっている。
【0031】
すなわち、図8に示すこの冷凍サイクルにおいて、コンプレッサ34の吐出口34aと吸入口34bとの間には、吐出口34a側から順に、蒸発パイプ35、コンデンサ36、ドライヤ37、分配器38、前記第1の電磁弁31、キャピラリチューブ39、アキュームレータ40、チェックバルブ41、サクションカップ42が接続されている。そして、前記左室用電磁弁31とキャピラリチューブ39と左室用冷却器28とアキュームレータ40からなる冷媒流路と並列に、前記右室用電磁弁32とキャピラリチューブ43と右室用冷却器29とアキュームレータ44とからなる冷媒流路と、前記中室用電磁弁33とキャピラリチューブ45と中室用冷却器30とアキュームレータ46とからなる冷媒流路とが接続されている。
【0032】
図5に示すように、各冷却器28〜30にはそれぞれ第1の冷却器温度センサたる左室用エバセンサ47、第2の冷却器温度センサたる右室用エバセンサ48および第3の冷却器温度センサたる中室用エバセンサ49が設けられているとともに、第1のファンたる左室用エバファン50、第2のファンたる右室用エバファン51、第3のファンたる中室用エバファン52が対向して設けられている。また、本体21下部には、前述のコンプレッサ34、コンデンサ36が設けられているとともに、コンデンサ用ファン53、さらには、電装品ボックス54が設けられている。
【0033】
また、図7に示すように、各室22〜24において排出機構27に対抗する金属製の板部材26aには、第1の商品温度センサたる左室用品温センサ55、第2の商品温度センサたる右室用品温センサ56(これは図9に示す)、第3の商品温度センサたる中室用品温センサ57(これは図9に示す)が配設されており、各商品温度センサ55〜57は板部材26aを介して飲料缶25の温度を検出するようになっている。
【0034】
図9には、この実施例の自動販売機の冷却に関連する電気的構成を示しており、同図において、マイクロコンピュータ58は、冷却運転制御手段として機能するものであり、これには、各エバセンサ47〜49および各品温センサ55〜57からの検出温度(温度検出信号)が与えられるようになっている。そして、このマイクロコンピュータ58は内部のメモリに記憶されたプログラムに従って駆動回路59を介して各負荷を駆動制御するようになっており、負荷としては、コンプレッサ34、コンデンサ用ファン53、前記各電磁弁31〜33、各エバファン50〜52がある。なお、各電磁弁31〜33は、オフ状態(断電状態)で流路を閉鎖し、オン(通電)されると流路を開放するようになっている。
【0035】
さて、上記構成の作用について、マイクロコンピュータ58の制御内容と共に説明する。図1ないし図4にはマイクロコンピュータ58の制御内容を示している。まず、図1において、電源が投入されると、コンプレッサ33をオンして運転が開始する(ステップS1)。このとき、コンデンサファン53もオンする。なお、各電磁弁31〜33は断電状態(閉塞状態)にある。そして、3分間待機して(ステップS2)、品温センサ55〜57による検出温度が全て上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し(ステップS3)、全て上限基準温度Tp以上であれば、ステップS4に移行して、マイクロコンピュータ58が運転プログラムにて備えたソフトタイマがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ(最初はセットされていない)、ステップS5に移行して10分をカウントするソフトタイマをセットする。つまり、10分を待機してステップS6に移行するものであり、このステップS6においては、左室用電磁弁31、右室用電磁弁32について制御する。この制御は、図2にサブルーチンとして示している。
【0036】
この図2において、ステップT1においては、二つのエバセンサこの場合左室用エバセンサ47と右室用エバセンサ48との温度差が所定温度範囲例えば5℃以上であるか否かを判断し、温度差が上記5℃より小さければ、ステップT2において、左室用冷却器28および右室用冷却器29に冷媒を供給するべく、該当する電磁弁31、32をオンすると共にそれぞれに対応するエバファン50、51をオンする。これにて両冷却器28および29に冷媒が供給されて冷却作用を呈し、左室22および右室23が冷却される。また、ステップT1において、温度差が5℃以上であれば、ステップT3に移行して、検出温度が高いエバセンサに対応する室の電磁弁をオンすると共にこれに対応するエバファンをオンする。これにより、温度の高い冷却器が先に冷却されることになる。
【0037】
図2のサブルーチンが終了すると、図1のステップS7に戻り、このステップS7においてソフトタイマの10分が終了しないうちはステップS3に戻る。つまり、ステップS3で品温センサ55〜57の全ての検出温度が上限基準値Tp以上である間は、10分間において、ステップS3からステップS6までの制御(左室用冷却器28および右室用冷却器29についての制御)が実行される。
【0038】
上記ソフトタイマの10分が終了すると、ステップS8に移行して、品温センサ55〜57の全ての検出温度が上限基準値Tp以上であるか否かを判断し、全て上限基準温度Tp以上であれば、ステップS9に移行して、ソフトタイマがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ、ステップS10に移行して10分のソフトタイマをセットする。これにて、10分を待機してステップS11に移行し、このステップS11においては、左室用電磁弁31、中室用電磁弁33について制御する。この制御は、前述した図2にサブルーチンとして示している。
【0039】
この図2において、この場合、ステップT1においては、二つのエバセンサこの場合左室用エバセンサ47と中室用エバセンサ49との温度差が前記所定温度範囲5℃以上であるか否かを判断し、温度差が上記5℃より小さければ、ステップT2において、左室用冷却器28および中室用冷却器30に冷媒を供給するべく、該当する電磁弁31、33をオンすると共にエバファン50、52をオンする。これにて両冷却器28および30に冷媒が供給されて冷却作用を呈し、左室22および中室24が冷却される。
【0040】
また、ステップT1において、温度差が5℃以上であれば、ステップT3に移行して、検出温度が高いエバセンサに対応する室の電磁弁をオンすると共に対応するエバファンをオンする。これにより、温度の高い冷却器が先に冷却されることになる。図2のサブルーチンが終了すると、図1のステップS12に戻り、このステップS12においてソフトタイマの10分が終了しないうちはステップS8に戻る。
【0041】
前述のステップS3およびステップS8において、品温センサ55〜57の全てが上限基準温度Tp以上でないときには、ステップS13に移行する。このステップS13においては、品温センサ55〜57のうち二つが上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し、以上であれば、ステップS14に移行して該当する室に対応する電磁弁を制御する。この制御は既述した図2のサブルーチンで既述したように実行される。
【0042】
前記ステップS13においては、品温センサ55〜57のうち二つが上限基準温度Tp以上でなければ、ステップS15に移行し、品温センサ55〜57のうち一つが上限基準温度Tp以上であるか否かを判断し、一つが該温度Tp以上であれば、ステップS16に移行して該当する室に対応する電磁弁を制御し、そして、ステップS3に戻る。
ここまでの制御はいわゆるプルダウン運転制御である。
【0043】
また、品温センサ55〜57の全てが、上記温度Tpを下回っていると、前記ステップS15の「N」に従って図3に示すステップS17に移行する。このステップS17においては、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上であるか否かを判断する。この冷却停止基準温度Toffと前述の上限基準温度Tpと後述する商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonの関係は図10に示すように、Tp>Thon>Toffの関係にある。
【0044】
しかして、このステップS17において、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上であれば、ステップS18に移行して、各エバセンサ47〜49の温度差が所定温度範囲5℃以上であるか否かを判断し、5℃を下回れば(その温度範囲内にあれば)、ステップS19に移行して全ての電磁弁31〜33,エバファン50〜52をオンする。ステップS18において、各エバセンサ47〜49の温度差が所定温度範囲5℃以上であればステップS20に移行して品温センサ55〜57のうち検出温度の高い二つを選択して後述のステップS22に移行する。
【0045】
上記ステップS17において、品温センサ55〜57の全ての検出温度が冷却停止基準温度Toff以上でなければ、ステップS21に移行して、品温センサ55〜57のうち二つが上記温度Toff以上であるか否かを判断する。以上であればステップS22に移行して、対応する二つのエバセンサの検出温度の温度差が温度範囲5℃以上か否かを判断し、以上でなければ、ステップS23に移行して対応する電磁弁をオンする。ステップS22にて上記温度範囲5℃以上であれば、ステップS24に移行して、品温センサの検出温度の高い方を選択し、そして、ステップS25に移行して該当する室の電磁弁およびエバファンをオンする。
【0046】
上述のステップS21において、品温センサ55〜57のうち二つが上記温度Toff以上でなければ(一つもしくは0であれば)、ステップS26に移行し、ここで品温センサ55〜57のうち一つが上記温度Toff以上であることが判断されれば、前記ステップS25に移行する。以上でないことが判断されれば、すなわち、全てが冷却停止基準温度Toffを下回ることが判断されると、ステップS27に移行して、コンプレッサ34、コンデンサファン53、全ての電磁弁31〜33、全てのエバファン50〜52をオフし、もって冷却運転を停止する。
【0047】
この後、図4のステップS28に移行し、エバセンサ47〜49のうちいずれかのものの検出温度が予め設定されたファン駆動開始基準温度Tfanに達したことが判断されると、次のステップS29にて該当するエバファンをオンする。なお、ステップS27のコンプレッサ34の運転停止からエバファンオンまでの経過時間が長いほどコンプレッサ34の稼働率が低いものである。
【0048】
ステップS29の後、ステップS30において、各室22〜24のうちいずれかの室のエバセンサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度Teonとなり、且つ当該室の品温センサの検出温度が商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonとなったか否かを判断し、両条件が満足されれば、ステップS31に示すように、コンプレッサ34を運転再開すると共に、コンデンサファン53をオンし、当該室の電磁弁およびエバファンをオンする。その後、所定時間例えば10秒が経過してから(ステップS32)、他の室の電磁弁およびエバファンをオンする。これにて各室の冷却が再開され、この後、図1のステップS3に戻る。なお、ステップS17からステップS33までは、プルダウン運転に対し、通常冷却運転たるものである。
【0049】
このような本実施例によれば、次の効果を得ることができる。
すなわち、冷凍サイクルが、複数の商品収納室22〜24をそれぞれ独立的に冷却する冷却器28〜30を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器28〜30に対して独立的に制御する流路制御手段である電磁弁31〜33を備えた構成であるので、複数の冷却器28〜30に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室22〜24を独立的に冷却できるようになる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室22〜24間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできる。
【0050】
また、上記本実施例においては、構造上のみならず冷却運転制御によっても、電源投入時や長期運転停止後のプルダウン運転時に、冷却速度を速めることが可能となった。
【0051】
すなわち、冷却運転制御手段を構成するマイクロコンピュータ58は、複数の商品温度センサたる各品温センサ55〜57の検出温度が、予め定められた上限基準温度Tp以上という条件下において、該上限基準温度Tp以上の品温センサに対応する各室のエバセンサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲(この実施例では5℃)以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御するから、コンプレッサ34がプルダウン運転されるべき上限基準温度Tp以上において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0052】
さらに、本実施例によれば、マイクロコンピュータ58は、全ての品温センサ55〜57の検出温度が、前記上限基準温度Tpを下回り且つこの上限基準温度Tpより低く設定された冷却停止基準温度Toff以上であるという条件下において、各エバセンサ47〜49による検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲(5℃)以上であれば品温センサ55〜57の検出温度が高い方の冷却器(本実施例では高い方の二つの冷却器)に対して冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように各電磁弁31〜33を制御するようになっているから、通常冷却運転時の冷却制御において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0053】
特に本実施例においては、商品収納室として左室(第1の商品収納室)22、右室(第2の商品収納室)23および中室(第3の商品収納室)24を備えていて、このような三つの商品収納室を備えた場合に、全ての品温センサ55〜57が上記上限基準温度Tp以上において、第1の冷却器温度センサたる左室用エバセンサ47による検出温度と第2の冷却器温度センサたる右室用エバセンサ48による検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ左室用冷却器28および右室用冷却器29の双方に冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を10分制御することと、この後、左室用エバ温度センサ47による検出温度と第3の冷却器温度センサたる中室用エバセンサ49による検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ左室用冷却器28および中室用冷却器30の双方に冷媒を供給するように前記各電磁弁31〜33を制御することとを、繰返すようになっているから、左室22の冷却器28が常に制御対象とされ、この左室22を優先して冷却することができ、さらには、右室23および中室24の優先順位は左室22より低くはなるものの、右室23あるいは中室24の商品温度が高いような場合には、これらが優先して冷却制御されるようになり、これら右室23および左室24についても極力冷却速度を速めることができる。特に、このような制御は、左室22が冷却専用室となっている本実施例構成において極めて有効である。
【0054】
また、本実施例においては、ステップS30〜ステップS33から分かるように、コンプレッサ34の運転が停止された後に、一つの室について、品温センサの検出温度が、所定温度(上限基準温度Tpより低くて冷却停止基準温度Toffより高い商品温度用コンプレッサオン基準温度Thon)に達し、且つエバセンサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度Teonとなったときに、コンプレッサ34の運転を再開すると共に、当該室に冷媒を供給するように電磁弁を制御し、且つ当該用のエバファンを運転し、他の室については、ステップS28、S29から分かるように所定温度たるTfanに達したときにエバファンを運転すると共に、各冷却器に冷媒を供給制御するようにしている。
【0055】
これにより、コンプレッサ運転再開時に、室22〜24のうち最も冷却を必要とする室を最初に冷却できると共に、その後、順次各室を冷却できて、スムーズが冷却が期待できるものであり、冷却速度の向上に寄与できる。
【0056】
なお、コンプレッサ34の運転停止条件は、上記実施例においてはステップS27で示したように、全ての品温センサ55〜57が冷却停止基準温度Toffを下回ったときであるあるが、これ以外にも、図示はしないが、コンプレッサの過度な長期連続運転を規制するために設けられたコンプレッサ保護用タイマの設定時間(これは7時間や3時間である)が満了したときに一定時間(この一定時間後運転再開)、あるいは深夜の一定時間(例えば1時間(この一定時間後運転再開))、夏期などの電力需要ピーク時の一定時間(この一定時間後運転再開)にはコンプレッサ運転が停止される。そして、これらの運転停止時には各冷却器28〜30が除霜されるものである。また、各エバファン50〜52は、本体21の図示しない扉が開放された時にも運転が停止されるようになっている。
【0057】
なお、上記実施例において、図1のステップS3からステップS12までの制御において、つまり、プルダウン運転において、次の制御を実行するようにしても良い。
すなわち、左室用冷却器28と右室用冷却器29との双方に冷媒を供給するように制御するときに、左室用エバファン50および右室用エバファン51を同期して運転するが、これと共に、他の冷却室である中室24用のエバファン52も運転し、そして中室用エバセンサ49による検出温度が予め定められたファン停止基準温度例えば3℃に達したところで運転を停止するようにし、同様に、左室用冷却器28と中室用冷却器30との双方に冷媒を供給するように制御するときには、両室用のエバファン50および52を運転するのに加え、右室用エバ51も運転し、右室用エバセンサ48による検出温度が予め定められたファン停止基準温度(3℃)に達したところで運転を停止するようにしても良い。
【0058】
このようにすると、プルダウン運転において左室用冷却器28と右室用冷却器29との双方に冷媒を供給するように制御するときに、冷媒の供給が停止されている中室用冷却器30、つまり待機中の中室用冷却器30に、中室用エバファン52の送風が当てられることになり、この中室用冷却器30の冷媒のガス化が促進されて左室用冷却器28および右室用冷却器29への冷媒流量の減少を極力少なくできるようになる。この結果、いわゆるプルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となる。この場合、中室用冷却器30の温度がファン停止基準温度(3℃)に達すると該の中室用冷却器30の運転を停止するから、第3の冷却器の低温度化が阻害されることもない。
【0059】
そして、左室用冷却器28と中室用冷却器30との双方に冷媒を供給するように制御するときには、右室用冷却器29に対応する右室用エバファン51が上述と同様に運転されるから、この場合にも、プルダウン運転時において、冷却速度をさらに速めることが可能となり、また、右室用冷却器29の低温度化が阻害されることもない。
【0060】
図11は本発明の第2の実施例を示しており、この第2の実施例においては、次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、各室22〜24の全体温度を設定するために、手動操作される入力手段たる温度設定スイッチ61を備え、マイクロコンピュータ58は、この温度設定スイッチ61の操作に基づいて室22〜24の温度を設定する温度設定手段としての機能を備えている。
【0061】
すなわち、マイクロコンピュータ58は、温度設定スイッチ61の操作に基づいて本体21内の室の温度(商品温度用コンプレッサオン基準温度Thonや冷却定期基準温度Toff)を設定する他に、この設定温度に応じて、上限基準温度Tpを変更設定するようになっている。つまり、設定温度が高く設定されたときには、上限基準温度Tpも高く、設定温度が低く設定されたときには、上限基準温度Tpも低くするように設定する。
【0062】
この第2の実施例においては、温度設定に応じて上限基準温度Tpが変更設定されるから、プルダウン運転制御と、コンプレッサ運転時の通常冷却制御(冷却器の流路制御)とを調和して制御できるようになる。つまり、商品収納室の設定温度と上限基準温度Tpとが離れすぎていると、コンプレッサ34運転開始から通常冷却制御までに時間がかかり、逆に商品収納室の設定温度と上限基準温度Tpとが近接しすぎていると、コンプレッサ34運転開始から冷却態勢が整う前に通常冷却制御となり、その制御に支障を来す虞があるが、この第2の実施例においてはそのようなことはない。
【0063】
図12は本発明の第3の実施例を示し、この実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、第1の実施例においては、図4のステップS28に示したように、エバファン50〜52の停止状態からいずれかのエバファンを駆動するについて、エバセンサの検出温度がファン駆動開始基準温度Tfanに達してときにその駆動を開始するようにしているが、第2の実施例では、節電のために、このファン駆動開始基準温度Tfanを設定変更可能としている。すなわち、節電設定手段として節電モード設定スイッチ62を備え、この節電モード設定スイッチ62が操作されると、マイクロコンピュータ58は、ファン駆動開始基準温度Tfanを通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更可能に設定するようになっている。
【0064】
この第2の実施例によれば、節電モード設定スイッチ62により、ファン駆動開始基準温度Tfanを通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ34の運転の開始時間が延び、つまり、コンプレッサ34の稼働率が抑えられ、もって節電が図れる。
【0065】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を得ることができる。
請求項1の発明によれば、複数の冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できる。従って、全体の冷却速度が速くなり、また、各商品収納室間での送風の制御を行う必要がないから、各室間の熱漏洩も小さくできる。
【0066】
また、電源投入時や長期運転停止後のコンプレッサ運転開始時につまりプルダウン運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得、しかも、通常冷却運転時の温度調節制御においても、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給できるようになり、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0067】
請求項2の発明によれば、三つの商品収納室を備えたものにおいて、各冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できて、全体の冷却速度を速くでき、また、各室間の熱漏洩も小さくできる。さらにプルダウン運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。特に、特定の商品収納室を優先的に冷却することが可能であり、しかも、他の商品収納室の冷却が遅れることも極力防止できるものである。
【0068】
請求項3の発明によれば、三つの商品収納室を備えたものにおいて、各冷却器に対して独立的に冷媒を供給できて、各商品収納室を独立的に冷却できて、全体の冷却速度を速くでき、また、各室間の熱漏洩も小さくできる。さらに通常冷却運転時において、冷媒の供給が最も必要な冷却器から順に冷媒を供給でき、一義的に優先順位を定めた場合に比して、全体の冷却速度を速め得る。
【0069】
請求項4の発明によれば、プルダウン運転時において、二つの冷却器に冷媒を供給している状態で他の冷却器が冷媒の供給を待機している場合に、他の冷却器に対応するファンを駆動するから、冷却速度をさらに速めることができ、しかもそのファン駆動は当該冷却器の温度がファン停止基準温度に達するまでであるから、冷却器の低温度化が阻害されることはない。
【0070】
請求項5の発明によれば、通常冷却運転でのコンプレッサ運転再開時に、最も冷却を必要とする商品収納室を最初に冷却できると共に、その後、順次各商品収納室を冷却できて、スムーズが冷却が期待でき、冷却速度の向上に寄与できるものである。
【0071】
請求項6の発明によれば、商品収納室の温度設定に応じて上限基準温度が変更設定されるから、プルダウン運転制御と、通常冷却運転制御とを調和して制御できる。
請求項7の発明によれば、節電設定手段により、ファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更することで、コンプレッサ運転の開始時間が延びて、コンプレッサの稼働率が抑えられ、もって節電を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す制御内容のフローチャート
【図2】制御内容のフローチャート
【図3】制御内容のフローチャート
【図4】制御内容のフローチャート
【図5】全体構成を示す透視図
【図6】商品収納室の正面図
【図7】品温センサの配置位置を示す縦断側面図
【図8】冷凍サイクル構成図
【図9】電気的構成を示すブロック図
【図10】各基準温度を示す図
【図11】本発明の第2の実施例を示す電気的構成のブロック図
【図12】本発明の第3の実施例を示す電気的構成のブロック図
【図13】従来例を示す冷凍サイクル構成図
【符号の説明】
21は本体、22は左室(第1の商品収納室)、23は右室(第2の商品収納室)、24は中室(第3の商品収納室)、28は左室用冷却器(第1の冷却器)、29は右室用冷却器(第2の冷却器)、30は中室用冷却器(第3の冷却器)、31は左室用電磁弁(流路制御手段)、32は右室用電磁弁(流路制御手段)、33は中室用電磁弁(流路制御手段)、34はコンプレッサ、47は左室用エバセンサ(第1の冷却器温度センサ)、48は右室用エバセンサ(第2の冷却器温度センサ)、49は中室用エバセンサ(第3の冷却器温度センサ)、50は左室用エバファン(第1のファン)、51は右室用エバファン(第2のファン)、52は中室用エバファン(第3のファン)、55は左室用品温センサ(第1の商品温度センサ)、56は左室用品温センサ(第2の商品温度センサ)、57は左室用品温センサ(第3の商品温度センサ)、58はマイクロコンピュータ(冷却運転制御手段)、61は温度設定手段(入力手段)、62は節電モード設定スイッチ(節電設定手段)を示す。
Claims (7)
- 複数の商品収納室と、
前記複数の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する冷却器を冷媒流路に並列に備えると共に、冷媒を各冷却器に対して独立的に制御する流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記複数の冷却器の温度を個別に検出する冷却器温度センサと、
前記各商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記複数の商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、
上限基準温度以上の商品温度センサに対応する商品収納室の冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ冷却器の双方に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
一つの商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度以上という条件下においては、上限基準温度以上の商品温度センサに対応する冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が、前記上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、
各冷却器温度センサによる検出温度を相互に比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば商品温度センサの検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ全ての冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御するようになっていることを特徴とする自動販売機。 - 第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を冷媒流路に並列に備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度以上という条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
第1の冷却器温度センサによる検出温度と第2の冷却器温度センサによる検出温度とを比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第2の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することと、
この後、所定時間経過後、第1の冷却器温度センサによる検出温度と第3の冷却器温度センサによる検出温度と比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば検出温度が高い方の冷却器に対して冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ第1および第3の冷却器の双方に冷媒を供給するように前記流路制御手段を制御することとを、繰返すようになっていることを特徴とする自動販売機。 - 第1ないし第3の商品収納室と、
コンプレッサを備えると共に、前記第1ないし第3の商品収納室をそれぞれ独立的に冷却する第1ないし第3の冷却器を備え、さらに冷媒を第1ないし第3の冷却器に対する冷媒の供給を独立的に制御する第1ないし第3の流路制御手段を備えた冷凍サイクルと、
前記第1ないし第3の冷却器の温度を個別に検出する第1ないし第3の冷却器温度センサと、
前記第1ないし第3の商品収納室に収容された商品の温度を個別に検出する第1ないし第3の商品温度センサと、
冷却運転を制御する冷却運転制御手段とを具備し、
前記冷却運転制御手段は、
前記全ての商品温度センサの検出温度が、予め定められた上限基準温度を下回り且つこの上限基準温度より低く設定された冷却停止基準温度以上であるという条件下において、コンプレッサを運転し、且つ、
各冷却器温度センサによる検出温度を比較し、その温度差が所定温度範囲以上であれば、各商品温度センサのうち高い検出温度を示す二つの冷却器に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、温度差が所定温度範囲より小さければ、全ての冷却器に対して冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、
全ての商品温度センサの検出温度が冷却停止基準温度を下回ったときに、コンプレッサの運転を停止するようなっていることを特徴とする自動販売機。 - 第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段は、
第1の冷却器と第2の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第2のファンを同期して運転すると共に、第3のファンを第3の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転し、第1の冷却器と第3の冷却器との双方に冷媒を供給するように制御するときには、第1のファンおよび第3のファンを同期して運転すると共に、第2のファンを第2の冷却器温度センサによる検出温度が予め定められたファン停止基準温度に達するまで運転するようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動販売機。 - 第1ないし第3の冷却器に対応して第1ないし第3のファンを設け、各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風するようにし、
冷却運転制御手段は、コンプレッサ運転が停止された後に、一つの商品収納室について、商品温度センサの検出温度が、所定温度に達し、且つ冷却器温度センサの検出温度が冷却器温度用コンプレッサオン基準温度となったときに、コンプレッサの運転を再開すると共に、当該商品収納室に冷媒を供給するように流路制御手段を制御し、且つ当該該商品収納室用のファンを運転し、
他の商品収納室については、冷却器温度センサの検出温度が所定温度に達したときにファンを運転すると共に、冷却器温度センサの検出温度に基づいて各冷却器に冷媒を供給制御するようになっていることを特徴とする請求項3記載の自動販売機。 - 手動操作される入力手段を有しこの入力手段の操作に基づいて各商品収納室の温度を設定する温度設定手段を備え、この温度設定手段は、この温度設定に応じて上限基準温度を変更設定するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動販売機。
- 第1ないし第3の冷却器に対応して設けられ各冷却器により冷却された冷気をそれぞれ各商品収納室に送風する第1ないし第3のファンと、
各ファンの駆動を開始するファン駆動開始基準温度を通常運転時のファン駆動開始基準温度より高めに変更可能に設定する節電設定手段とを備え、
冷却運転制御手段は、
コンプレッサの運転を停止時点から冷却器温度センサが前記節電設定手段によって設定されたファン駆動開始基準温度に達するまで各ファンを停止するようになっていることを特徴とする請求項3記載の自動販売機。
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