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JP3880734B2 - カメラ制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔地に設置されたカメラ及び雲台を操作して所望の映像を得るカメラ制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像信号を出力するカメラ(以下、単にカメラという。)を用いて遠隔地の監視対象を監視する監視システムが実用化されている。所望の監視対象のモニタ映像をディスプレイなどの表示部に表示させるため、オペレータは、制御卓を操作して、カメラの撮影位置を制御する。
【0003】
このカメラのレンズは、望遠から広角までの視野を有するズームレンズであって、オートフォーカスとマニュアルフォーカスとを選択できるように構成されている。このカメラは雲台に取り付けられており、広い撮影範囲を撮影可能とするように構成されている。カメラの撮影位置の制御とは、カメラを固定している雲台の撮影位置の決定動作の制御(以下、雲台制御という。)と、撮影対象に対し焦点距離および/または視野の決定動作の制御(以下、一括してレンズ制御という。)とがある。以下、これら雲台制御とレンズ制御とを一括してカメラ制御という。さらに雲台制御による雲台の回動を雲台回動、レンズ制御によるレンズの動作をレンズ動作、およびカメラ制御によるカメラの動作をカメラ動作という。
【0004】
オペレータが雲台を操作(以下、雲台制御操作という。)するため、オペレータは、制御卓に設けられ、雲台の上下左右方向の動作に対応する十字キーやジョイスティックなどを用いて監視対象のモニタ映像を得るように撮影位置を決定する操作を行う。このとき、雲台を水平方向に回動(以下、雲台水平回動という。)させて、左右方向に撮影位置を変更する操作(以下、パン操作という。)をしたり、または、雲台を垂直方向に回動(以下、雲台垂直回動という。)させて、上下方向に撮影位置を変更する操作(以下、チルト操作という。)をしたりする。ここに前に定めた雲台回動とは雲台水平回動と雲台垂直回動とを一括した動作をいう。
【0005】
また、オペレータがレンズを操作(以下、レンズ制御操作という。)するため、オペレータは、制御卓に設けられた回動つまみや上下方向に手動するボリュームスイッチなどを用いて監視対象にレンズを合焦させる操作(以下、マニュアルフォーカス操作という。)をしたり、また、監視対象の監視に充分な大きさのモニタ映像を得るように最適な倍率を設定する操作(以下、ズーム操作という)を行う。以下、これら雲台制御操作とレンズ制御操作とを一括してカメラ制御操作という。このように、監視システムにおいて、オペレータのカメラ制御操作に応じてカメラ制御が行われ、カメラにより撮影される監視対象が表示部に映し出される。
【0006】
しかしながら、従来の監視システムにおいて、 伝送系に起因するカメラ動作の行き過ぎ、 雲台回動の高速化不能、 モニタ映像によるカメラ制御操作の困難、 監視対象の識別の困難という4つの問題点がある。以下、4つの問題点について説明する。
【0007】
まず第1の問題点である、 伝送系に起因するカメラ動作の行き過ぎについて説明する。オペレータがモニタ映像を見ながらカメラ制御操作を行うとき、カメラが映像信号を出力してから表示部がモニタ映像を映し出すまでの期間における映像信号の伝送遅延が、カメラから表示部までの伝送系に起因して発生する。加えて、オペレータによるカメラ制御操作からカメラ動作を開始するまでの期間におけるカメラの制御信号の伝送遅延が、制御卓から雲台またはレンズまでの伝送系に起因して発生する。
【0008】
映像信号の伝送遅延のため、オペレータは、この映像信号の伝送遅延期間だけ過去のモニタ映像を見て操作を行い、さらに、カメラの制御信号の伝送遅延のため、オペレータが意図する操作に対して、カメラの制御信号の伝送遅延期間だけ遅延してからカメラ動作を開始および終了することになる。カメラ動作を終了させるとき、映像信号の伝送遅延期間と制御信号の伝送遅延期間とにわたりカメラ動作が余分に行なわれた上でカメラ動作が終了するというカメラ動作の行き過ぎが発生し、オペレータが意図する位置でカメラ動作を停止させることができない。
【0009】
しかも、オペレータは、オペレータの意図する位置でカメラ動作を停止させるため、何度も繰り返しカメラ制御操作を行った上で所望の位置に停止させていた。映像信号や制御信号の伝送遅延期間に加えて、この繰り返されるカメラ制御操作に要する期間も浪費し、実際の伝送遅延期間よりも多い期間の遅延を生じさせていた。
【0010】
加えて、伝送系において信号処理が介在する場合は、さらに遅延が生じる虞があるという問題点があった。例えば、映像信号の伝送系において、カメラが出力する映像信号をA/D(Analog/Digital)変換してディジタル映像データを生成し、このディジタル映像データを圧縮してディジタル圧縮映像データを生成し、このディジタル圧縮映像データを符号化してから伝送し、伝送終了後にディジタル圧縮映像データに復号化し、このディジタル圧縮映像データを圧縮解凍する通信方式であったならば、信号処理にかなりの時間(最大数秒)を要するため、カメラ動作がさらに遅延するという問題もあった。この伝送系は既存の伝送系(例えば、社内LAN(Local Area Network)やISDN(Integrated Service
Digital Network)などである。)を使用する場合、伝送系そのものを改善できない場合があり、伝送遅延は回避が困難であった。
【0011】
このような伝送系の伝送遅延に起因する操作不良の改善を目指す先行技術の一例が、例えば、特開平9−298680号公報に開示されている。この公開公報において、カメラの制御遅れ及びカメラの撮影画像の伝送遅れによる遅延時間を算出し、遅延時間に基づいてカメラの位置または姿勢の行き過ぎ量を算出し、カメラの位置または姿勢の移動停止後に行き過ぎ量だけ戻し制御を行って、カメラの位置または姿勢を修正する先行技術が開示されている。
【0012】
しかし、上記先行技術では、カメラの位置または姿勢の行き過ぎを修正する際にカメラを戻すという動作を行うものであり、伝送遅延による遅延時間に起因する行き過ぎを回避できない。また、カメラを戻す動作期間にわたりオペレータは所望の映像が出力されるまで待機しなければならない。先行技術において、待機によるオペレータの違和感を解消するために静止画像を保持して表示部に映し出すが、待機時間が短くなるわけでない。結局、先行技術において、伝送遅延に起因する行き過ぎによる遅延期間と行き過ぎを修正する期間とを合わせた遅延を生じるという問題点があった。
【0013】
また、伝送遅延に起因する操作不良の改善を目指す先行技術の他の例が、例えば、特開平8−205015号公報に開示されている。この公開公報において、通常制御モード以外に時間制御モードによる操作を可能とし、時間制御モードによる操作をするとき、1回のボタン操作に対し、予め定められた微小量だけカメラを移動させ、カメラの位置または姿勢を修正する先行技術が開示されている。
【0014】
しかし、上記先行技術では、通常制御モードによる操作をするとき、伝送遅延に起因する行き過ぎが発生する。時間制御モードとは、通常制御モードにおいて発生した行き過ぎたカメラの位置または姿勢を修正するための最終段階の微調整に使用されるモードであって、伝送遅延による遅延時間に起因する行き過ぎを回避できなかった。また、時間制御モードによる操作で長距離を移動させるには、ボタンを何回も操作しなければならない。また、時間制御モードでカメラが移動する微小量が小さすぎる場合、微調整のボタンを押す回数が多くなり、時間制御モードでカメラが移動する微小量が大きすぎる場合であって特にズームレンズの倍率を上げて望遠状態にするにつれ、映し出される映像の移動が大きくなり、微調整であっても所望の位置に合わせることが困難である。結局、先行技術において、伝送遅延に起因する行き過ぎによる遅延期間と行き過ぎを修正する期間とを合わせた遅延を生じ、カメラの位置または姿勢の修正にも時間を要するという問題点があった。
【0015】
次に第2の問題点である、 雲台回動の高速化不能について説明する。雲台回動については、オペレータの所望の位置へ迅速に回動することが要求される。近年は回動速度が最大で180度/秒という高速回動可能な雲台も開発されている。しかし、この回動速度を使用できる場合とは、最終的に雲台が目指す角度(以下、目標角度という。)が予め判別していてその目標角度へ移動させるためのプリセット制御を用いた場合だけである。プリセット制御は、目標角度へ雲台を回動させるための雲台制御信号が外部から入力された後は、雲台と雲台制御装置との間のみで目標角度まで高速に回動させるように構成されている。
【0016】
しかし、オペレータの操作による雲台回動のマニュアル制御の場合は、高速化が困難であった。雲台の回動速度は、プリセット制御では最大180度/秒まで上げることができるのに対し、マニュアル制御では最大でも15度/秒までしか上げることができない。マニュアル制御は目標角度へ移動するように制御するように構成されておらず、ボタンが押されている間だけ雲台回動するように構成されているためである。ボタンが押されている間は、制御信号を伝送し、伝送遅延による行き過ぎが生じていた。また、回動速度が遅いため、例えば、180度/秒で回動すると、プリセット制御では約1秒で移動を完了するのに対し、マニュアル制御ではオペレータは約12秒間もボタンを押し続けていなければならず、迅速な操作ができなかった。
【0017】
マニュアル制御による雲台回動が高速化できない第1の理由は、雲台を高速回動させるとモニタ映像が流れ、オペレータがモニタ映像を把握できず、停止指示ができないためである。モニタ映像が流れないような回動速度を設定すると、回動の高速化には限界がある。
【0018】
マニュアル制御による雲台回動が高速化できない第2の理由は、雲台を高速回動させるにつれて雲台の慣性質量が増加し、オペレータによる雲台回動の停止指示が入力された後の雲台回動の行き過ぎ量も増加するためである。オペレータがモニタ映像を見ながら、雲台回動を停止させた場合、仮に伝送遅延が殆ど無視できても、結果的に慣性質量による大きな行き過ぎが発生する。なお、プリセット制御の場合は目標角度に近づくと、自動的に回動速度を下げ、行き過ぎ量が発生しないよう制御する。以上述べた第1の理由と第2の理由により、マニュアル制御では雲台回動の高速化が困難であり、プリセット制御を利用したいという要請があった。
【0019】
次に第3の問題点である、 モニタ映像によるカメラ制御操作の困難について説明する。前述したようにオペレータは、モニタ映像を見ながら、モニタ映像上に所望の監視対象を探すように雲台制御操作を行い、その監視対象の拡大・縮小等を行うようにレンズ制御操作を行う。しかしながら、モニタ映像上に監視対象が認識できないとき、オペレータが監視対象を探すための雲台制御操作に時間を要する。例えば、現在カメラが向いている方向の後方の位置(カメラが180度回動した位置)に所望の監視対象がある場合、モニタ映像にはその映像が映し出されていないため、監視対象を探し出すための雲台制御操作に時間を要し、オペレータに負担を課していた。
【0020】
このような問題を解決するため、カメラが設置されている現場近辺の平面図、カメラ位置、およびカメラ姿勢をモニタ映像として表示し、カメラが何を撮影しているかを識別する方式が実用化されている。しかしながら、この方式ではカメラ位置の迅速な決定が困難であった。
【0021】
第1の理由として、正確な位置合わせが困難であった。例えば、高倍率に設定されて焦点距離が長いズームレンズで、カメラから遠く離れた位置にある小さな物体を撮影するために雲台制御操作を行う状況を想定する。この状況において雲台の回動角度を1度以下の精度で合わせる必要が生じる可能性が高い。しかし、平面図を見ながら雲台の回動角度を1度以下の精度で調整することはきわめて困難である。
【0022】
第2の理由として、雲台のパン方向の位置は表示可能であるが、チルト方向の表示はできないため、高さ方向でカメラがどの方向に向いているかは確認できなかった。このように平面図を単に表示するのみでは、カメラ位置の迅速な決定が困難であった。このようにモニタ映像によるカメラ制御操作は困難な操作であった。
【0023】
次に、第4の問題点である、 監視対象の識別の困難について説明する。例えば、発電所や変電所というプラント施設等における監視対象として、メータや表示器等が挙げられる。しかし、このようなメータや表示器等は同一のものが多数取り付けられており、モニタ映像を見ただけでは、所望のメータかどうかを判断できない。このように監視対象を識別するのが困難であった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、所望の監視対象を迅速かつ容易に指定でき、システム本体特有の伝送遅延に起因するカメラ動作の行き過ぎを回避して迅速にカメラ動作を終了するカメラ制御システムを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載のカメラ制御システムは、
カメラと、
前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
前記雲台の位置を決定するための垂直回動の目標角度を設定するチルト操作用スクロールバー、水平回動の目標角度を設定するパン操作用スクロールバー、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部のチルト操作用スクロールバーのつまみ、および/または、パン操作用スクロールバーのつまみを移動させる選択指示を行う選択指示部と、
前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部のチルト操作用スクロールバーのつまみを移動させて垂直回動の目標角度を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲を操作に応じて移動表示させ、目標角度が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記雲台を目標角度に垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部のパン操作用スクロールバーのつまみを移動させて水平回動の目標角度を指示する操作途中では前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲を操作に応じて移動表示させ、目標角度が選択指示されたときに前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記雲台を目標角度に水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0026】
また、請求項2記載のカメラ制御システムは、
カメラと、
前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウ上で選択指示された撮影位置に基づいて前記雲台の垂直方向の位置を決定するための目標角度を算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された撮影位置に基づいて前記雲台の水平方向の位置を決定するための目標角度を算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0027】
また、請求項3記載のカメラ制御システムは、
映像信号を出力するカメラと、
前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および水平回動により行う雲台と、
前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上において選択指示された撮影位置に基づいて撮影位置がモニタ映像上の中心位置となるように前記雲台の垂直方向および水平方向の目標角度をそれぞれ算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび水平用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動および水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および垂直回動させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0028】
また、請求項4記載のカメラ制御システムは、
カメラと、
前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウにある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を撮影する目標角度を予め記憶する記憶部と、
前記雲台制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0029】
また、請求項5記載のカメラ制御システムは、
映像信号を出力するカメラと、
前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および水平回動により行う雲台と、
前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を撮影する目標角度を予め記憶する記憶部と、
前記雲台制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上において選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に底辺を位置させた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動および水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および垂直回動させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0030】
また、請求項6記載のカメラ制御システムは、
請求項4または請求項5に記載のカメラ制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記選択指示部により監視対象が選択指示されるとき、前記表示部に前記監視対象の名称を表示するように制御することを特徴とするものである。
【0031】
また、請求項7記載のカメラ制御システムは、
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のカメラ制御システムにおいて、
前記雲台制御装置と前記制御装置との間に、通信用の第1伝送装置と、第2伝送装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1伝送装置と前記第2伝送装置とを介して、前記雲台制御装置に雲台制御信号を出力することを特徴とするものである。
【0032】
請求項1から請求項5までのような構成のカメラ制御システムとすれば、目標角度を容易に選択でき、また、一旦雲台制御信号を雲台制御装置へ入力すれば、雲台回動の終了は、雲台制御装置により雲台が目標角度へ回動した後に自動的に行なわれるため、伝送遅延による行き過ぎを回避して、迅速に目標角度へ回動させることができる。また、請求項6のような構成のカメラ制御システムとすれば、監視対象の名称を確認することで自動的に目標角度が設定できるため、操作が容易である。また、請求項7のような構成のカメラ制御システムのように、雲台と雲台制御装置との間にある長距離用の伝送系による伝送遅延であっても行き過ぎを回避できる。
【0033】
また、請求項8記載のカメラ制御システムは、
監視対象に対し焦点距離および/または視野の決定動作を行うレンズを備えるカメラと、
前記カメラのレンズの焦点距離および/または視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
前記レンズの焦点距離を決定するためのレンズの設定値を設定するフォーカス操作用スクロールバー、前記レンズの視野を決定するためのレンズの設定値を設定するズーム操作用スクロールバー、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部のフォーカス操作用スクロールバーのつまみ、および/または、ズーム操作用スクロールバーのつまみを移動させる選択指示を行う選択指示部と、
前記レンズ制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部のフォーカス操作用スクロールバーのつまみを移動させて焦点距離を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を操作に応じて移動表示させ、焦点距離が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記レンズの焦点距離を調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部のズーム操作用スクロールバーのつまみを移動させて視野を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の二等辺を操作に応じて移動表示させ、視野が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズの視野を調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および/または視野を調節する制御を行うことを特徴とするものである。
【0034】
また、請求項9記載のカメラ制御システムは、
監視対象に対し焦点距離および視野の決定動作を行うレンズを備えるカメラと、
前記カメラのレンズの焦点距離および視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウにある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を最適に撮影するレンズの設定値を予め記憶する記憶部と、
前記レンズ制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および視野を調節する制御を行うことを特徴とするものである。
【0035】
また、請求項10記載のカメラ制御システムは、
監視対象に対し焦点距離および視野の決定動作を行うレンズを備え、映像信号を出力するカメラと、
前記カメラのレンズの焦点距離および視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を最適に撮影するレンズの設定値を予め記憶する記憶部と、
前記レンズ制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上で選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
を備えるカメラ制御システムであって、
前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および視野を調節する制御を行うことを特徴とするものである。
【0036】
また、請求項11記載のカメラ制御システムは、
請求項9または請求項10に記載のカメラ制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記選択指示部により監視対象が選択指示がされるとき、前記表示部に前記監視対象の名称を表示するように制御することを特徴とするものである。
【0037】
また、請求項12記載のカメラ制御システムは、
請求項8〜請求項11の何れか一項に記載のカメラ制御システムにおいて、
前記レンズ制御装置と前記制御装置との間に、通信用の第1伝送装置と、第2伝送装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1伝送装置と前記第2伝送装置とを介して、前記レンズ制御装置にレンズ制御信号を出力することを特徴とするものである。
【0038】
請求項8から請求項10までのような構成のカメラ制御システムとすれば、レンズの設定値を容易に選択でき、また、一旦レンズ制御信号をレンズ制御装置へ入力すれば、レンズ動作の終了は、レンズ制御装置により自動的に行なわれるため、伝送遅延による行き過ぎを回避して、迅速にレンズの調節を行うとができる。また、請求項11のような構成のカメラ制御システムとすれば、監視対象の名称を確認することで自動的にレンズを設定できるため、操作が容易である。また、請求項12のような構成のカメラ制御システムのように、レンズとレンズ制御装置との間にある長距離用の伝送系による伝送遅延であっても行き過ぎを回避できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態のカメラ制御システムについて説明する。図1は、本発明の一実施形態のカメラ制御システムのシステムブロック図である。カメラ制御システムは、カメラ1、雲台2、レンズ制御装置3、雲台制御装置4、第1伝送装置5、第2伝送装置6、コンピュータ7、記憶部8、映像入力装置9、マウス10、および表示部11を備える。
【0040】
次に、カメラ制御システムにおける各部の機能について図1を用いて説明する。カメラ1は、レンズ1aと本体1bとを備えている。レンズ1aは、ズーム機能と、オートかマニュアルかが選択可能なフォーカス機能とを備えている。レンズ1aは、フォーカスエラー信号を出力する図示しない受光センサーを備えている。レンズ1aは、レンズの焦点距離または視野に関するレンズ位置データを出力するレンズ位置データ出力部を備えている。このレンズ位置データは、レンズ制御装置3、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7へ出力される。
【0041】
また、本体1bは、レンズ1aを通じて入力される監視対象の被写体の光の像を映像信号に変換して出力する撮像部(例えば、CCD(Charge Coupled
Device)などである。)を備えている。この映像信号は、第1伝送装置5および第2伝送装置6、映像入力装置9を介してコンピュータ7へ出力される。このカメラ1は、雲台2に固定されている。
【0042】
雲台2は、垂直回動及び水平回動自在に雲台回動を行うように設けられており、カメラ1が所望の監視対象を撮影できるように構成されている。雲台2は、図示しないものの、雲台位置データを出力する雲台位置データ出力部(例えばロータリエンコーダなどである。)を備えている。この雲台位置データは、雲台制御装置4、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7へ出力される。
【0043】
レンズ制御装置3は、カメラ1のレンズ1aに接続され、オートフォーカスの場合はフォーカスエラー信号に基づきレンズ1aのオートフォーカス制御を行い、マニュアルフォーカスの場合は第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7から出力されるレンズ制御信号に基づきフォーカス制御を行う。また、レンズ制御装置3は、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7から出力されるレンズ制御信号に基づき、カメラ1のレンズ1aのズーム倍率を指示する。
【0044】
雲台制御装置4は、雲台2に接続され、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7から出力される雲台制御信号に基づいて雲台回動を制御する。雲台制御装置4は、プリセット制御を行うように構成されている。プリセット制御は、目標角度へ雲台を回動させるための雲台制御信号が外部から入力された後は、雲台と雲台制御装置との間のみで目標角度まで回動させるように構成され、回動速度が最大で180度/秒という高速な回動速度であっても行き過ぎを発生させることなく雲台を回動させる制御である。
【0045】
第1伝送装置5と第2伝送装置6とは双方向の信号通信を行う。この信号通信とは、各種考えられるが、例えば、アナログ信号ならば出力側で変調し、入力側で復調する信号通信であっても良い。また、ディジタル信号ならば、出力側で符号化し、入力側で復号化する信号通信であっても良い。また、アナログ信号ならば出力側でA/D(Analog/Digital)変換してディジタル信号として通信し、出力側でD/A(Digital/Analog)変換する信号通信であっても良い。また、ディジタル信号ならば出力側で符号化または誤り訂正符号化処理を行い、入力側で復号化または誤り訂正復号化処理を行う信号通信であっても良い。また、ディジタル信号を出力側で圧縮し、入力側で圧縮解凍する信号通信であっても良い。また、ディジタル信号を出力側でD/A変換した上でアナログ信号として通信し、入力側でA/D変換しディジタル信号として出力する信号通信であっても良い。
【0046】
このような信号通信として、例えば、アナログ電話回線、ISDNなどのディジタル電話回線、移動体通信回線、LAN(Local Area Network)等の社内専用回線、光通信回線、または、以上に述べたこれら回線の複数組み合わせなどを用いる信号通信が想定できる。通信については適宜選択されるものであり、いずれの場合であっても本発明の実施は可能である。
【0047】
コンピュータ7は、各種演算処理を行い、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介して、レンズ制御装置3から出力されるレンズ位置データと雲台制御装置4から雲台位置データを取り込む。また、コンピュータ7は、レンズ制御装置3へレンズ制御信号を、また、雲台制御装置4へ雲台制御信号を出力する。なお、本実施形態では制御装置としてコンピュータ7について説明するが、制御装置はいわゆるパーソナルコンピュータに限定するものでなく、例えば、ボード状のコンピュータ、制御卓に組み込まれたコンピュータなど種々の形態が可能である。
【0048】
記憶部8は、コンピュータ7がレンズ制御信号と雲台制御信号を生成するために用い、設備に関連づけられて記憶される目標角度およびレンズの設定値、レンズ制御装置3から出力された最新のレンズ位置データ、並びに雲台制御装置4から出力された最新の雲台位置データを記憶している。コンピュータ7は、レンズ位置データおよび雲台位置データの書き込み、または、読み出しを適宜行い、雲台2とレンズ1aの最新の状態を把握している。このような記憶部8としては、通常のメモリに加えて、ハードディスク、光磁気ディスクなどデータの書き込みと読み出しを行う機能を有する装置を用いることが可能である。
【0049】
映像入力装置9は、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してカメラ1から出力された被写体の映像信号を、コンピュータ7において演算処理できるディジタル映像データに変換し、コンピュータ7へ出力する装置である。映像入力装置9の具体例としてビデオキャプチャなどを挙げることができる。
【0050】
マウス10は、いわゆる、ポインティングディバイスと呼ばれる装置であり、コンピュータ7に接続されている。マウス10は選択指示部の一実施形態であり、例えば、マウス以外に、ライトペン、トラックボール、ディジタイザ、またはタッチスクリーンなどを選択指示部とすることができる。選択指示部は、後述する表示部11上のモニタ映像上で指示できる機能を有する装置であればよい。
【0051】
表示部11は、コンピュータ7に接続され、モニタ映像を表示するための装置である。表示部11としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどを用いることができるが、それ以外にも、表示機能を有する装置をを用いることができる。
【0052】
次に、カメラ制御システムにおけるオペレータの操作およびカメラ制御システムの動作について説明する。図2は、本発明の一実施形態のカメラ制御システムにおけるモニタ映像を説明する説明図である。図3および図4は、予め登録されている設備名称の名称用文字枠を表示するモニタ映像を説明する説明図である。図5は、モニタ映像の撮影範囲を説明する説明図である。図6、図7、または図8は、モニタ映像を介したパン・チルト操作を説明する説明図である。図9または図10は、モニタ映像を介したレンズのズーム操作を説明する説明図である。図11は、モニタ映像を介したレンズのマニュアルフォーカス操作を説明する説明図である。
【0053】
表示部11のモニタ映像上において、図2に示すように、カメラ設置場所近辺と監視対象の平面図を表示する平面図用ウィンドウ(以下、単に平面図用ウィンドウという。)11a、カメラ設置場所の設置場所名称用文字枠(以下、単に設置場所名称用文字枠という。)11b、カメラ設置場所近辺と監視対象の側面図を表示する側面図用ウィンドウ(以下、単に側面図用ウィンドウという。)11c、監視対象の映像用ウィンドウ(以下、単に映像用ウィンドウという。)11d、映像用ウィンドウ上に映し出される設備名称用文字枠11e、チルト操作用スクロールバー11f、パン操作用スクロールバー11g、ズーム操作用スクロールバー11h、フォーカス操作用スクロールバー11i、およびオートフォーカス設定用ボタン11jを表示する。
【0054】
平面図用ウィンドウ11aにおいては、カメラ設置場所近辺の平面図が表示されており、カメラ1、このカメラ1が映像として撮影できる全ての設備、およびこのカメラ1の焦点距離と視野とからなる撮影範囲の平面の二等辺三角形が表示される。平面図用ウィンドウ11aにおける平面図とは、ディジタルカメラ等を用いて撮影した画像データやコンピュータグラフィクス等による描画データ等が記憶部8に記憶されており、これら画像データや描画データを用いて表される。平面図用ウィンドウ11aを見ることでオペレータは、カメラ1の設置場所近辺の平面の状況を容易に把握できる。
【0055】
オペレータがマウス10を操作して、図3(a)に示すように、平面図用ウィンドウ11a上に表示される複数の設備の中から1つの設備11kを選択して設備11k上にマウスカーソル11lを移動させると、コンピュータ7は、設備11kの名称を表示する設備名称用文字枠11mを開く。これは予め平面図用ウィンドウ11a上において表示される設備11kの座標データと設備名称のテキストデータとを関連づけて記憶しておき、平面図用ウィンドウ11aにおける設備11kの座標データとマウスカーソル11lが指示する座標データとが一致するとき、コンピュータ7が設備名称用文字枠11mと設備名称のテキストデータとを平面図用ウィンドウ11aに表示させることで実現できる。
【0056】
平面図用ウィンドウ11aの上側においては、図2に示すように、設置場所名称用文字枠11bを表示し、カメラ1の設置場所を判別できるようにしている。この理由としては、仮に、カメラ1が1台のみの場合は設置場所を容易に把握できるが、カメラ1が複数の設置場所にわたり設置されている場合は、表示されている平面図用ウィンドウ11aがどの設置場所を表示しているのか不明になるからである。そこで、カメラ1の設置場所の名称を設置場所名称用文字枠11bに表示することにより設置場所を容易に把握できるようにした。
【0057】
側面図用ウィンドウ11cにおいては、カメラ設置場所近辺の側面図が表示されており、カメラ1、このカメラ1が映像として撮影できる全ての設備の側面、このカメラ1の焦点距離と視野からなる撮影範囲の側面の二等辺三角形が表示される。側面図用ウィンドウ11cを見ることでオペレータは、カメラ1の設置場所近辺の側面状況を容易に把握できる。
【0058】
オペレータがマウス10を操作し、図3(b)に示すように側面図用ウィンドウ11c上に表示される複数の設備の中から1つの設備11kを選択して上にマウスカーソル11lを移動させると、平面図用ウィンドウ11aと同様に、コンピュータ7は、設備11kの名称を表示する設備名称用文字枠11mを開く。これは予め側面図用ウィンドウ11c上において表示される設備11kの座標データと設備名称のテキストデータとを関連づけて記憶しておき、側面図用ウィンドウ11cにおける設備11kの座標データとマウスカーソル11lが指示する座標データとが一致するとき、コンピュータ7が設備名称用文字枠11mと設備名称のテキストデータとを側面図用ウィンドウ11cに表示させることで実現できる。
【0059】
コンピュータ7は、映像入力装置9が出力するディジタル映像データを用いて、図2に示すように、表示部11の映像用ウィンドウ11d上において、監視対象のモニタ映像を表示するように制御する。また、図4(a)、図4(b)に示すように、映像用ウィンドウ11d上に表示される設備の上にマウスカーソル11lを移動させると、コンピュータ7は、設備名称を表示する設備名称用文字枠11eに設備名称のテキストデータを出力する。
【0060】
コンピュータ7は、前述の平面用ウィンドウ11aおよび側面図用ウィンドウ11cにおける二等辺三角形を表示するために求めたカメラの撮影範囲枠の座標データ、撮影範囲の中心の座標データ、および予め記憶している設備の位置座標データを既に算出している。これら座標データと、映像用ウィンドウ11dの撮影範囲枠の座標データ、撮影範囲の中心の座標データ等とを対比させて映像用ウィンドウ11dにおける設備の座標データを算出することができる。映像用ウィンドウ11dにおける設備の座標データとマウスカーソル11lが指示する座標データとが一致するとき、コンピュータ7が設備名称用文字枠11eに設備名称のテキストデータを出力することで任意の設備名称を表示することが実現できる。
【0061】
次に、平面図用ウィンドウ11aと側面図用ウィンドウ11cのカメラの前方に表示され、カメラの撮影視野の範囲を示す二等辺三角形について図5を用いて説明する。図5(a)の角度AHはレンズの水平画角を表し、図5(b)の角度AVは垂直画角を表している。水平画角と垂直画角はズーム倍率によって変更される。fはレンズの焦点距離(ピントの合っている位置までの距離)を表している。図5(a)における二等辺三角形の底辺と図5(b)における二等辺三角形の底辺とで形成される四角形がカメラの撮影範囲となる。
【0062】
このような、AH、AV、fの値は、レンズ1aから出力され、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7に入力されたレンズの焦点距離または視野に関するレンズ位置データにより算出される。または、オペレータの操作により設定されたレンズの倍率、焦点距離に基づいてコンピュータ7が算出しても良い。また、二等辺三角形の方向は、雲台2から出力され、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してコンピュータ7に入力された雲台位置データにより算出される。または、オペレータの操作により設定された目標角度を用いてコンピュータ7が算出してもよい。
【0063】
図2に示すように、チルト操作用スクロールバー11fは雲台2の垂直回動方向と一致するようにモニタ映像上に垂直方向に、また、パン操作用スクロールバー11gは、雲台2の水平回動方向と一致するようにモニタ映像上に水平方向にそれぞれ配置される。チルト操作用スクロールバー11fとパン操作用スクロールバー11gは、スクロール用のつまみやスクロールアローをマウス10でドラッグすることにより撮影位置を選択指示する。
【0064】
ズーム操作用スクロールバー11hは、レンズのズーム倍率を設定するために設けられており、スクロール用のつまみやスクロールアローをマウス10でドラッグすることにより設定を行う。フォーカス操作用スクロールバー11iは、マニュアルフォーカス操作において、焦点距離を移動させるために設けられており、スクロール用のつまみやスクロールアローをマウス10でドラッグすることにより移動させる。オートフォーカス設定用ボタン11jは、レンズ1aをオートフォーカスにするかマニュアルフォーカスにするかを設定するために設けられている。
【0065】
次に、カメラ制御システムにおけるスクロールバーを用いるオペレータのパン操作およびカメラ制御システムの動作について、図2および図6を用いて説明する。パン操作用スクロールバー11gのつまみは、パン方向における雲台2の現在位置を表している。垂直方向および水平方向に回動する雲台2の現在位置は、絶対角度で表される。このスクロールバーのつまみをマウス10でドラッグして移動させると、ドラッグした方向につまみが移動すると共に、図6(a)に示すように、平面図用ウィンドウ11a上のカメラおよび二等辺三角形は、それに対応して移動する。
【0066】
ドラッグにより移動する間、図6(b)に示すように、現在位置のカメラおよび二等辺三角形は実線で表示され、ドラッグ中のつまみに対応したカメラおよび二等辺三角形は、点線で表示される。オペレータは平面図用ウィンドウ11aを見ながら所望の監視対象に二等辺三角形が向く位置でつまみをドロップするようにマウス10を操作する。このとき、図2に図示しないものの、垂直方向および水平方向の絶対角度を表示するようにしても良い。なお、ドラッグ中は、雲台2自体は回動しない。
【0067】
つまみがドロップされたとき、コンピュータ7は、この絶対角度を目標角度とし、この目標角度に基づく雲台制御信号を生成し、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介して雲台制御装置4へ伝送する。このように、オペレータは、監視対象が撮影範囲に入るような最適な撮影位置を選択することで目標角度を容易に選択できる。雲台制御装置4は、その位置へスクロールバーによるパン動作を行うように雲台2を制御する。このとき、雲台2の動作速度はその雲台2の持ち得る最大速度で水平回動させるが、目標は既に設定されているため、映像が流れたとしても、目標位置に到達するので操作性には影響はない。むしろ、極力早く設定された位置まで達するように最大速度にすることが望ましい。
【0068】
雲台2がパン動作を終了した時点で、図6(c)に示すように、実線で表示されたカメラ1とカメラ1の撮影範囲である二等辺三角形の表示を消し、点線で表示されていたカメラ1とカメラ1の撮影範囲を示す二等辺三角形とを実線に変更して表示し、パン動作が終了したことを容易に認識できるようにする。その後、記憶部8に予め記憶している側面図用データベースからカメラ1のパン動作により変更された監視対象の側面図に関する画像データや描画データを読み出し、側面図用ウィンドウ11cに新しい側面図を表示する。この側面図データベースに記憶されているデータとは、例えば、図2の平面図用ウィンドウ11a上において図示される4つの監視対象それぞれの側面図である。このように、全ての監視対象の側面図を記憶し、平面図用ウィンドウ11aにおいて選択された監視対象の側面図を表示する。
【0069】
スクロールバーの両端に配置されたスクロールアローボタンは所定距離のパン動作を行うために用いられる。ここに1つのアローをシングルアローといい、2つのアローをダブルアローという。このシングルアローボタンをクリックすると表示された映像の1/4画面だけパン動作を行い、ダブルアローボタンをクリックすると1画面だけパン動作を行うように制御する。この動作において、実際に回動する角度はレンズのズーム倍率によって異なるため、コンピュータ7はレンズ1aのズーム倍率から回動させるべき角度を算出してからレンズ制御信号を生成し、レンズ制御装置3へ出力する。
【0070】
次に、カメラ制御システムにおけるスクロールバーを用いるオペレータのチルト操作およびカメラ制御システムの動作について説明する。スクロールバーを用いるオペレータのチルト操作については基本的にスクロールバーを用いるオペレータのパン操作と同じである。ただし、カメラ1およびカメラ1の撮影範囲を示す二等辺三角形の移動描写は側面図用ウィンドウ11cにおいて行なわれる。また、マウス10によるドラッグが行われている間は平面図用ウィンドウ11a上の二等辺三角形も形状が変わる。このとき雲台2は垂直回動を行う。
【0071】
このようにスクロールバーを用いるオペレータのチルト操作・パン操作において、オペレータは、パン操作においては表示部11の平面図用ウィンドウ11aを見ながら、また、チルト操作においては、表示部11の側面図用ウィンドウ11cを見ながら、スクロールバーのつまみで方向を設定する。
【0072】
次に、カメラ制御システムにおける平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11c、または映像用ウィンドウ11dを用いるオペレータのパン操作、チルト操作、およびカメラ制御システムの動作について説明する。平面図用ウィンドウ11aまたは側面図用ウィンドウ11cを用いるオペレータのパン操作、チルト操作は、地図指定方式であり、映像用ウィンドウ11dを用いるオペレータのパン操作、チルト操作は映像指定方式である。まず地図指定方式について説明する。
【0073】
地図指定方式において、図7(a)に示すように、平面図用ウィンドウ11aまたは側面図用ウィンドウ11c上の任意の撮影位置にマウスカーソル11lを移動し、所望の撮影位置でマウス10をダブルクリックするとき、コンピュータ7は、雲台2の目標角度を算出する。図上の二等辺三角形の方向と目標角度とは対応するように構成されているので目標角度は容易に求まる。そして、この目標角度へ雲台回動するように雲台制御装置4へ雲台制御信号を出力する。平面図用ウィンドウ11a上において撮影位置が指定された場合はパン動作のみを行い、側面図用ウィンドウ11c上において撮影位置が指定された場合はチルト動作のみを行う。
【0074】
ただし、平面図用ウィンドウ11aまたは側面図用ウィンドウ11cにおける設備の座標データとマウスカーソル11lが指示する座標とデータが一致するとき、図3に示すように、コンピュータ7は、設備名称用文字枠11mに設備名称のテキストデータを表示させる。オペレータが、その設備の名称が表示されているときにマウス10によりダブルクリックした場合は、コンピュータ7は、記憶部8に予め記憶された雲台2の水平方向および垂直方向の目標角度を読み出し、このカメラ1がこの目標角度に方向を向けるための雲台制御信号を生成し、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介して雲台制御装置4へ伝送する。雲台2は、その指定された設備にカメラ1を向けるようにパン動作、チルト動作を一括して行う。
【0075】
映像指定方式は、図8に示すように、映像用ウィンドウ11d上の任意の点を撮影位置としてマウス10によりダブルクリックすることで、その指定した撮影位置が映像の中心位置になるように雲台2が雲台回動を行うように制御される。コンピュータ7は、前述の平面用ウィンドウ11aおよび側面図用ウィンドウ11cにおける二等辺三角形を表示するために求めたカメラの撮影範囲枠の座標データ、撮影範囲の中心の座標データ、および予め記憶している設備の位置座標データを既に算出している。これら座標データと、映像用ウィンドウ11dの撮影範囲の枠の座標データ、撮影範囲の中心の座標データ等とを対比させて映像用ウィンドウ11dにおいて選択された座標データに対応する絶対角度を算出し、この絶対角度を目標角度とし、平面用ウィンドウ11aおよび側面図用ウィンドウ11cにおける二等辺三角形の表示と雲台制御信号の生成を行うことができる。映像用ウィンドウ11d上において撮影位置が指定された場合はパン動作およびチルト動作を同時に行う。
【0076】
ただし、映像用ウィンドウ11dにおける設備の座標データとマウスカーソル11lが指示する座標とデータが一致するとき、図4に示すように、コンピュータ7は、設備の名称を表示する設備名称用文字枠11eに設備名称のテキストデータを表示させる。オペレータがその設備の名称が表示されているときにマウス10によりダブルクリックしたときは、コンピュータ7は、記憶部8に予め記憶された雲台2の新しい撮影位置に関する目標角度を読み出し、この目標角度へ移動させるための雲台制御信号を生成し、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介して雲台制御装置4へ伝送する。雲台2は、カメラ1が、その指定された設備にカメラ1を向けるようにパン動作・チルト動作を行う。この映像指定方式は、スクロールバーを用いるパン操作・チルト操作による位置決めの微調整のために行われる。
【0077】
このように地図指定方式および映像指定方式とにより、オペレータにとっては平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11cに表示される監視対象を設備名称用文字枠11mで、または、映像用ウィンドウ11dに表示される監視対象を設備名称用文字枠11eで確認しながら直接選択できるので、操作性が良い。また、監視対象の最適な撮影位置に関する目標角度を予め登録しておくことで、すぐに最適な目標角度を得ることができる。また、従来のように移動するモニタ映像を見ながら目標角度を決定するのではなく、目標角度を最初に決定してその目標角度へ移動する制御信号を送信し、それ以降は完結した制御系である雲台2と雲台制御装置4との間で、プリセット制御による制御が行われるために、伝送系に起因する伝送遅延による行き過ぎは回避され操作性が良い。
【0078】
次に、カメラ制御システムのスクロールバーを用いるオペレータのレンズズーム操作について説明する。ズーム用スクロールバーのつまみは現在のズーム倍率を表している。ただし、最大広角の場合をズーム倍率を1倍として正規化して表示している。スクロールバーのつまみをマウス10でドラッグしてつまみを移動させて倍率を変更させるとき、コンピュータ7は、水平画角と垂直画角を変更し、図9に示すように、平面図用ウィンドウ11aおよび側面図用ウィンドウ11c上のレンズ撮影視野の範囲を示す二等辺三角形の形状を変化させて表示する。形状の変化につれて水平画角AHおよび垂直画角AVの値も変わる。この時点では現在の撮影範囲を示す二等辺三角形は実線で表され、ドラッグしているつまみに対応する二等辺三角形は、点線で表されている。
【0079】
ズーム用スクロールバーのつまみが望遠方向に移動した場合は、図10に示すように、映像用ウィンドウ11d上のモニタ映像においてもドラッグしているつまみの位置に対応した撮影範囲を示す長方形を点線で図示する。マウス10によってつまみがドロップされたとき、コンピュータ7は、そのスクロールバーのつまみに対応した設定倍率となるようなレンズ制御信号を生成し、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してレンズ制御装置3へ伝送する。
【0080】
レンズ制御装置3は、ズーム用スクロールバーで設定された倍率になるようにズーム動作を行う。このとき、レンズ1aのズーム動作は最大速度で行う。その理由は、スクロールバーによるパン操作について説明した理由と同じである。レンズ1aがズーム動作を終了した時点で、初期の実線で表示された撮影範囲を示す二等辺三角形を消し、点線で表示された二等辺三角形を実線に変更し、ズーム動作が終了したことを表す。映像用ウィンドウ11d上に表示した点線で表示された四角形はズーム動作が開始された時点で消滅する。
【0081】
ズーム用スクロールバーの上下両端に配置されたスクロールアローボタンは、一定のズーム動作を行うためのものである。スクロールアローボタンをクリックすると、ある決められたズーム倍率となるように望遠方向または広角方向への移動を行う。例えば、1倍、1.4倍、2倍といった等比的な倍率設定を行う。1倍、2倍、3倍と等差的に動作しない理由は、低倍率の場合にはモニタ映像の変化が大きいのに対し、高倍率の場合は変化が少なく、操作上の違和感が発生するためである。
【0082】
次に、カメラ制御システムにおける平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11c、または映像用ウィンドウ11dを用いるレンズズーム操作およびカメラ制御システムの動作について説明する。先に説明した平面図用ウィンドウ11a、または側面図用ウィンドウ11cを用いるオペレータのパン操作・チルト操作の地図指定方式および映像用ウィンドウ11dを用いるパン操作・チルト操作の映像指定方式において、設備名称用文字枠11mまたは設備名称用文字枠11eが表示される状態で監視対象を指定したとき、コンピュータ7は、記憶部8に記憶され、この監視対象用に設定されたレンズ1aのズーム倍率であるレンズの設定値を読み出し、レンズ制御装置3がこの設定値によるズーム倍率となるようにレンズ1aを調節するようなレンズ制御信号を、レンズ制御装置3へ出力する。レンズ制御装置3は、レンズ1aが、所定のズーム倍率となるようにレンズを調節する。
【0083】
このように地図指定方式および映像指定方式とにより、オペレータにとっては監視対象を設備名称用文字枠11eまたは設備名称用文字枠11mで確認しながら、直接選択するだけでズーム倍率が選択できるので、操作性が良い。また、監視対象の最適な撮影位置に関するズーム倍率を予め登録しておくことで、すぐに最適なズーム倍率を得ることができる。また、従来のように移動するモニタ映像を見ながらズーム倍率を決定するのではなく、ズーム倍率を最初に設定し、そのズーム倍率となるように調節する制御信号を送信し、それ以降は、完結した制御系であるレンズ1とレンズ制御装置3との間で、プリセット制御による制御が行われるために、伝送遅延による行き過ぎは回避され操作性が良い。このレンズズーム操作は、平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11c、または映像用ウィンドウ11dを用いるパン操作、チルト操作と一括して行うと操作がより簡単迅速になる。
【0084】
次に、カメラ制御システムのレンズフォーカス動作について説明する。レンズのフォーカス動作は、オートフォーカスが標準であり、レンズ制御装置3は、監視対象に常に合焦するようにレンズ1aを制御する。オートフォーカス動作についてはカメラ1から出力されるフォーカスエラー信号をレンズ制御装置3が検出し、レンズ制御装置3がレンズ1aのフォーカス制御を行うため、レンズ1aとレンズ制御装置3との間のみで制御系が形成され、コンピュータ7がオートフォーカスに関する制御を行うことはない。
【0085】
オートフォーカス動作時にマウス10によりフォーカス操作用スクロールバー11iのつまみやスクロールアローがクリックされた場合には、例えば、オートフォーカス設定用ボタン11jが反転してマニュアルフォーカス動作中であることが表示された上で、オートフォーカス動作からマニュアルフォーカス動作へ切り替わる。オペレータは、フォーカス操作用スクロールバー11iのつまみやスクロールアローをマウスでドラッグしてレンズの焦点距離を合わせることができる。フォーカス操作用スクロールバー11iのつまみは、オートフォーカスまたはマニュアルフォーカスフォーカスのいずれの場合においても、現在の焦点距離の位置を表している。
【0086】
フォーカス操作用スクロールバー11iのドラッグしているつまみが移動するとき、図11に示すように、平面図用ウィンドウ11a上および側面図用ウィンドウ11c上の撮影範囲を示す二等辺三角形の底辺も移動する。このとき、現在の焦点距離を示す底辺を実線で表示し、ドラッグ中のつまみに対応する底辺を点線で表示する。マウス10によってつまみがドロップされたとき、コンピュータ7は、そのスクロールバーのつまみに対応した焦点距離となるようなレンズ制御信号を生成し、第1伝送装置5および第2伝送装置6を介してレンズ制御装置3へ伝送する。オペレータが、レンズ1aのマニュアルフォーカス動作を終了させた時、実線で表示された初期の撮影範囲を示す二等辺三角形の底辺を消し、点線で表示された底辺を実線の底辺に変更し、フォーカス動作が終了したことを表示する。
【0087】
スクロールバーの両端に配置されたスクロールアローは、焦点距離が所定距離の移動量だけ移動するように構成されている。スクロールアローがクリックされると、コンピュータ7は、焦点距離が移動するようにレンズ1aを制御するレンズ制御信号をレンズ制御装置3へ出力する。この移動量はズーム倍率によって変わる。これは望遠側と広角側とでは被写界深度が異なるためであり、望遠では被写界深度が浅くなるため移動量を小さくし、広角では被写界深度が深いため移動量を大きくし、操作性の向上を図る。
【0088】
次に、カメラ制御システムにおける平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11c、または映像用ウィンドウ11dを用いるマニュアルフォーカス操作およびカメラ制御システムの動作について説明する。先に説明した地図指定方式または映像指定方式によるオペレータのパン操作またはチルト操作において、設備名称用文字枠11mまたは設備名称用文字枠11eが表示される状態で監視対象を指定したとき、コンピュータ7は、この監視対象に関連づけて記憶部8に予め記憶され、この監視対象用に設定されたレンズ1aの焦点距離であるレンズの設定値を読み出し、レンズ制御装置3がレンズ1aの焦点距離を調節するレンズ制御信号をレンズ制御装置3へ出力する。レンズ制御装置3は、レンズ1aの焦点距離を調整するように制御する。
【0089】
このように地図指定方式および映像指定方式とにより、オペレータにとっては平面図用ウィンドウ11aおよび側面図用ウィンドウ11c上に表示される設備名称用文字枠11m、または、映像用ウィンドウ11dの上側に表示される設備名称用文字枠11eで確認しながら直接選択することで最適な焦点距離が設定できるので、操作性が良い。また、監視対象の最適な撮影位置に関する焦点距離を予め登録しておくことで、すぐに最適な焦点距離を得ることができる。また、従来のように移動するモニタ映像を見ながら焦点距離を決定するのではなく、焦点距離を最初に指定してその焦点距離となるように調節するレンズ制御信号を送信し、それ以降は完結した制御系であるレンズ1aとレンズ制御装置3との間でプリセット制御が行われるために、伝送遅延による行き過ぎは回避され、操作性が良い。このマニュアルフォーカス操作は、カメラ制御システムにおける平面図用ウィンドウ11a、側面図用ウィンドウ11c、または映像用ウィンドウ11dを用いるパン操作、チルト操作、レンズズーム操作と一括して行うと操作がより簡単迅速になる。
【0090】
なお、本発明の一実施形態のカメラ制御システムの説明ではカメラは1台であるとして説明しているが、複数台のカメラを用いるカメラ制御システムであっても良い。複数台のカメラを用いるカメラ制御システムの場合、表示部11上に表示するカメラ設置場所を選択する選択ボタンを任意の位置に追加し、設置場所名称用文字枠11bでカメラの設置場所を確認しながら選択する構成とすれば、所望の監視対象の設置場所を容易に指定できる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明のカメラ制御システムによれば、所望の監視対象を迅速かつ容易に指定でき、システム本体特有の伝送遅延に起因するカメラ動作の行き過ぎを回避して迅速にカメラ動作を終了するカメラ制御システムを提供することことができる。また、オペレータの操作に支障を来すことがなく、雲台を高速回動させることができる。加えて監視対象の探索や識別を容易に行えるカメラ制御システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカメラ制御システムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のカメラ制御システムにおけるモニタ映像を説明する説明図である。
【図3】設備名称の名称用文字枠を表示するモニタ映像を説明する説明図である。
【図4】設備名称の名称用文字枠を表示するモニタ映像を説明する説明図である。
【図5】モニタ映像の撮影範囲を説明する説明図である。
【図6】モニタ映像を介したパン・チルト操作を説明する説明図である。
【図7】モニタ映像を介したパン・チルト操作を説明する説明図である。
【図8】モニタ映像を介したパン・チルト操作を説明する説明図である。
【図9】モニタ映像を介したレンズのズーム操作を説明する説明図である。
【図10】モニタ映像を介したレンズのズーム操作を説明する説明図である。
【図11】モニタ映像を介したレンズのフォーカス操作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 雲台
3 レンズ制御装置
4 雲台制御装置
5 第1伝送装置
6 第2伝送装置
7 コンピュータ
8 記憶部
9 映像入力装置
10 マウス
11 表示部

Claims (12)

  1. カメラと、
    前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
    前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
    前記雲台の位置を決定するための垂直回動の目標角度を設定するチルト操作用スクロールバー、水平回動の目標角度を設定するパン操作用スクロールバー、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部のチルト操作用スクロールバーのつまみ、および/または、パン操作用スクロールバーのつまみを移動させる選択指示を行う選択指示部と、
    前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部のチルト操作用スクロールバーのつまみを移動させて垂直回動の目標角度を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲を操作に応じて移動表示させ、目標角度が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記雲台を目標角度に垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部のパン操作用スクロールバーのつまみを移動させて水平回動の目標角度を指示する操作途中では前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲を操作に応じて移動表示させ、目標角度が選択指示されたときに前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記雲台を目標角度に水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  2. カメラと、
    前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
    前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
    前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
    前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウ上で選択指示された撮影位置に基づいて前記雲台の垂直方向の位置を決定するための目標角度を算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された撮影位置に基づいて前記雲台の水平方向の位置を決定するための目標角度を算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  3. 映像信号を出力するカメラと、
    前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および水平回動により行う雲台と、
    前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
    前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
    前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
    前記雲台制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上において選択指示された撮影位置に基づいて撮影位置がモニタ映像上の中心位置となるように前記雲台の垂直方向および水平方向の目標角度をそれぞれ算出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび水平用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動および水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および垂直回動させる制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  4. カメラと、
    前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および/または水平回動により行う雲台と、
    前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
    前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
    前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウにある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を撮影する目標角度を予め記憶する記憶部と、
    前記雲台制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および/または垂直回動させる制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  5. 映像信号を出力するカメラと、
    前記カメラの撮影位置の決定動作を垂直回動および水平回動により行う雲台と、
    前記雲台の位置動作を制御する雲台制御装置と、
    前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
    前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
    前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を撮影する目標角度を予め記憶する記憶部と、
    前記雲台制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上において選択指示された監視対象についての目標角度を前記記憶部から読み出し、前記目標角度を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で表示させるとともに前記雲台を垂直回動および水平回動させる雲台制御信号を前記雲台制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記雲台制御信号が入力された前記雲台制御装置は、目標角度を満たすように前記雲台を水平回動および垂直回動させる制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  6. 請求項4または請求項5に記載のカメラ制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記選択指示部により監視対象が選択指示されるとき、前記表示部に前記監視対象の名称を表示するように制御することを特徴とするカメラ制御システム。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のカメラ制御システムにおいて、
    前記雲台制御装置と前記制御装置との間に、通信用の第1伝送装置と、第2伝送装置とを備え、
    前記制御装置は、前記第1伝送装置と前記第2伝送装置とを介して、前記雲台制御装置に雲台制御信号を出力することを特徴とするカメラ制御システム。
  8. 監視対象に対し焦点距離および/または視野の決定動作を行うレンズを備えるカメラと、
    前記カメラのレンズの焦点距離および/または視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
    前記レンズの焦点距離を決定するためのレンズの設定値を設定するフォーカス操作用スクロールバー、前記レンズの視野を決定するためのレンズの設定値を設定するズーム操作用スクロールバー、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部のフォーカス操作用スクロールバーのつまみ、および/または、ズーム操作用スクロールバーのつまみを移動させる選択指示を行う選択指示部と、
    前記レンズ制御装置、前記表示部および前記選択指示部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部のフォーカス操作用スクロールバーのつまみを移動させて焦点距離を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を操作に応じて移動表示させ、焦点距離が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向けた状態で停止表示させるとともに前記レンズの焦点距離を調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部のズーム操作用スクロールバーのつまみを移動させて視野を指示する操作途中では前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の二等辺を操作に応じて移動表示させ、視野が選択指示されたときに前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズの視野を調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および/または視野を調節する制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  9. 監視対象に対し焦点距離および視野の決定動作を行うレンズを備えるカメラと、
    前記カメラのレンズの焦点距離および視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
    前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の側面図用ウィンドウ上、および/または、平面図用ウィンドウ上の監視対象の撮影位置の選択指示を行う選択指示部と、
    前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウにある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を最適に撮影するレンズの設定値を予め記憶する記憶部と、
    前記レンズ制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の側面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力し、および/または、前記選択指示部により前記表示部の平面図用ウィンドウで選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を 監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および視野を調節する制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  10. 監視対象に対し焦点距離および視野の決定動作を行うレンズを備え、映像信号を出力するカメラと、
    前記カメラのレンズの焦点距離および視野の決定動作を制御するレンズ制御装置と、
    前記カメラから出力される映像信号をディジタル映像データに変換して出力する映像入力装置と、
    前記映像入力装置から出力されたディジタル映像データによる前記カメラのモニタ映像を表示する映像用ウィンドウ、前記カメラが垂直方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の垂直方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の側面図とを表す側面図用ウィンドウ、および、前記カメラが水平方向で撮影可能とする撮影画角を頂角と、視野を二等辺と、また、焦点距離での画像の水平方向長さを底辺とする二等辺三角形の撮影範囲とともにカメラ設置場所近辺と監視対象の平面図とを表す平面図用ウィンドウを表示する表示部と、
    操作に応じて前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象の中から一つの監視対象の選択指示を行う選択指示部と、
    前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上にある複数の監視対象に関連づけられ、それぞれの監視対象を最適に撮影するレンズの設定値を予め記憶する記憶部と、
    前記レンズ制御装置、前記表示部、前記選択指示部および前記記憶部とそれぞれ通信し、前記選択指示部により前記表示部の映像用ウィンドウのモニタ映像上で選択指示された監視対象についての前記レンズの設定値を前記記憶部から読み出し、前記レンズの設定値を満たすように前記表示部の側面図用ウィンドウおよび平面図用ウィンドウの撮影範囲の底辺を監視対象に向け、かつ二等辺を停止させた状態で表示させるとともに前記レンズを調節するレンズ制御信号を前記レンズ制御装置へ出力する制御装置と、
    を備えるカメラ制御システムであって、
    前記レンズ制御信号が入力された前記レンズ制御装置は、前記レンズの設定値を満たすように前記レンズの焦点距離および視野を調節する制御を行うことを特徴とするカメラ制御システム。
  11. 請求項9または請求項10に記載のカメラ制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記選択指示部により監視対象が選択指示がされるとき、前記表示部に前記監視対象の名称を表示するように制御することを特徴とするカメラ制御システム。
  12. 請求項8〜請求項11の何れか一項に記載のカメラ制御システムにおいて、
    前記レンズ制御装置と前記制御装置との間に、通信用の第1伝送装置と、第2伝送装置とを備え、
    前記制御装置は、前記第1伝送装置と前記第2伝送装置とを介して、前記レンズ制御装置にレンズ制御信号を出力することを特徴とするカメラ制御システム。
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