JP3874765B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマ表示装置の製造方法 - Google Patents
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図4は、ストライプ隔壁型プラズマディスプレイパネルの概略的な構造を示す分解斜視図である。
図4に示すプラズマディスプレイパネル100は、前面基板101と、背面基板102とから概略構成されている。
蛍光体層108は、前面基板101と背面基板102との間に封入された放電ガスの放電によって発生する紫外線を可視光に変換するものであって、表示セルごとに、例えば光の3原色である赤(R),緑(G)及び青(B)の3色に塗り分けられている。
前面基板101と背面基板102との間に形成される空間は、放電ガス空間となるものであり、この放電ガス空間内には、ヘリウム,ネオン,キセノンまたはこれらの混合ガスからなる放電ガスが充填されている。
背面基板102を構成する透明ガラス基板104には、適当な箇所に通気孔が形成されているとともに、透明ガラス基板104の外側表面には、図4では省略されているが、通気孔と位置を合わせて、通気管が気密状態を保った状態で取り付けられている。
そして、排気・ガス充填装置によって、放電ガス空間を真空状態に排気したのち、放電ガス空間に放電ガスを充填する。放電ガスの充填が終了したのち、通気管は加熱溶融してチップオフされて、開口端部が閉塞される。
このようにして、放電ガス空間に放電ガスが充填されることによって、プラズマディスプレイ100が完成する。
まず、前面基板101を通常知られた方法で製作する。そして前面基板101上に、走査電極112および維持電極122を形成したのち、周知のスクリーン印刷技法を使用して、走査電極112上にバス電極111を形成し、維持電極122上にバス電極121を形成する。
同様に、背面基板102を通常知られた方法で製作する。この際、データ電極105を、周知のスクリーン印刷技法を使用して形成する。
前面基板101,背面基板102のいずれか一方、または両方の周辺部に融着用部材を塗布したのち、クリップを用いて前面基板101と背面基板102を相互に対向した状態で固定する。
次いで、通気管及び通気孔を経て、プラズマディスプレイパネルの内部を排気したのち、放電ガスを充填する。
このようにして、プラズマディスプレイパネルが完成する。
図5は、従来の、および本発明が適用される格子状隔壁型プラズマディスプレイパネルの概略的な構造を示す分解斜視図である。以下においては、主として、図4に示されたストライプ隔壁型プラズマディスプレイパネルとの相違点について説明するものとし、図4におけると同じものは同じ番号で示している。
そして、前面基板101に設けられた、バス電極111に接続された走査電極112と、バス電極121に接続された維持電極122とが、それぞれの放電空間140の上側に位置して、背面基板102に設けられた、対応する位置に延在するデータ電極105と、放電空間140を介して向かい合うような位置関係になっている。
このように、格子状隔壁109内の放電空間140は、プラズマディスプレイパネルにおける、1画素を構成する3色のうちの一つの色の発光表示を行うので、単位表示セルと呼ばれる。また、走査電極および維持電極は、バス電極を介して画面を構成する画素の行方向に制御されるので行電極とも呼ばれる。これに対してデータ電極は、画面を構成する画素の列方向に制御されるので列電極とも呼ばれる。
背面基板102上にデータ電極105を形成したのち、その上に白色誘電体層106を形成し、さらにその上に絶縁性ガラス粉末とバインダとを混合してなる隔壁材料を所定の厚みに塗布してから、隔壁材料上に感光性ドライフィルムを貼り付ける。
そして、所望のパターンが描かれたフォトマスクを介して、感光性ドライフィルムを露光して硬化させたのち現像処理を行って、隔壁材料上にパターン化されたレジストマスク層を形成する。
そして、このようにして形成された格子状隔壁の内部に、それぞれの放電空間の発光色に応じた色の蛍光体を塗布して乾燥させることによって、表示セル内の白色誘電体層106上と格子状隔壁109の側壁とに、蛍光体層108を形成する。
なお、このような格子状隔壁を有するプラズマディスプレイパネルについては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
プラズマディスプレイパネルにおいて、格子状隔壁を形成するために、従来、用いられていたレジストマスク145は、図6に示すような形状を有するものであって、図5に示された放電空間140を形成する格子状隔壁109の上端の形状に対応するパターンからなる遮光部146と、遮光部以外の開口部147とからなることが示されている。
格子状隔壁を持つプラズマディスプレイパネルに対して、図6に示すような直線的な構成のレジストマスクを用いて、サンドブラスト法によって格子状隔壁の加工を行った場合、背面基板102上に形成される格子状隔壁148は、図7に示すように、格子状隔壁のコーナー部が丸くなっていて、図6のレジストマスク145に示されるような、コーナー部が角形に描かれたパターンに正しく対応した形状に形成されなくなり、これに伴って、隔壁内に形成される蛍光体層149もコーナー部が丸みを帯びたものとなっている。
図8は、この従来技術において使用されるレジストマスク151を示したものであって、レジストマスク151の遮光部152の内側に形成される開口部153のコーナー部に、切れ込み154を設けたことが示されている。
このようなレジストマスク151を使用してサンドブラスト法によって格子状隔壁を形成すると、切れ込み154を設けたことによって空間が広がるため、コーナー部付近で発生する切削材粒子の相互衝突による速度低下に基づく、隔壁材料の切削速度の低下が低減されるので、格子状隔壁のコーナー部に切れ込みが形成されるようになる。
図10に示すプラズマ表示装置200は、アナログインタフェース220と、プラズマディスプレイパネルモジュール230とから概略構成されている。プラズマディスプレイパネルモジュール230は、プラズマディスプレイパネル250を含んでいる。
アナログインタフェース220は、概略的には、受信したアナログ映像信号をディジタル信号に変換したのち、これをプラズマディスプレイパネルモジュール230に供給する機能を有している。
その後、プラズマディスプレイパネルモジュール230の画素構成と映像信号の画素構成とが異なる場合には、画像フォーマット変換回路224において、必要な画像フォーマットの変換の処理が行われる。
そこで、A/D変換回路222において、映像信号のA/D変換を行ったのち、逆γ変換回路225において、映像信号に対して逆γ変換を施して、線形特性に復元されたディジタル映像信号を生成する。このようにして生成されたディジタル映像信号は、RGB映像信号として、プラズマディスプレイパネルモジュール230に出力される。
アナログインタフェース220のPLE制御回路227は、プラズマディスプレイパネルの輝度制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には、表示輝度を低下させるように制御する。
システム・コントロール回路226は、プラズマディスプレイパネルモジュール230に対して、各種制御信号を出力する。
ディジタル信号処理・制御回路231は、入力インタフェース信号処理回路234と、フレームメモリ235と、メモリ制御回路236と、ドライバ制御回路237とを含んでいる。
また、PLE制御回路227は、平均輝度レベルに応じてPLE制御データを設定して、入力インタフェース信号処理回路234内の輝度レベル制御回路(不図示)に供給する。
なお、ロジック用電源(不図示)が、ディジタル信号処理・制御回路231およびパネル部232にロジック用電力を供給している。さらに、モジュール内電源回路233は、表示用電源から直流電力を供給されて、この直流電力の電圧を所定の電圧に変換したのち、パネル部232に供給している。
まず、前述のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製作したプラズマディスプレイパネル250と、走査ドライバ238と、データドライバ239と、高圧パルス回路240と、電力回収回路241とを基板上に配置して、パネル部232を形成する。さらに、パネル部232とは別個に、ディジタル信号処理・制御回路231を形成する。
さらに、プラズマディスプレイパネルモジュール230とは別個に、アナログインタフェース220を形成する。
このように、プラズマディスプレイパネル250をモジュール化することによって、プラズマディスプレイパネル250を、プラズマ表示装置200を形成する他の構成部品とは別個独立に製作することが可能になる。
従って、例えば、プラズマ表示装置200において、プラズマディスプレイパネル250が故障した場合には、プラズマディスプレイパネルモジュール230ごと交換することによって、補修の簡素化および補修期間の短縮を図ることができるようになる。
これは、サンドブラスト法において使用される切削材の粒度をあまり細かくできないとともに、コーナー部では塗布された隔壁材料上のレジストパターンの開口率が小さくなるため、他の部分と比べて切削速度が低下するのと、前工程の感光性ドライフィルムの現像処理時、そのコーナー部の現像速度が他の部分と比べて遅くなるので、その部分の解像度が低下して、現像結果のレジストパターンのコーナー部が丸みを帯びたものとなるためである。
これは、サンドブラスト加工時に、このようなコーナー部分には、切削材が入り込みにくいためである。
また、切削材は吹き付けられたのち、基板に衝突して跳ね返って排出されるが、長方形の格子状隔壁の場合、ノズルの走行方向は格子の長辺方向とされる。これは、ノズルの走行方向を格子の短辺方向とすると、切削材が排出されにくくなるため、切削速度が低下するためである。
また、サンドブラスト加工時、基板は行電極の配列方向に移動し、ノズルは基板の移動方向とは直交する方向に往復運動を行うので、隔壁に設ける切れ込みの方向も列方向とした方が、制御を容易にする上で好都合であるが、従来、サンドブラスト加工時のマスク形状に、これらの点についての配慮が施されることはなかった。
この発明における、プラズマディスプレイパネルの構成およびその製造方法、ならびにプラズマ表示装置の構成およびその製造方法は、図5および図10に示された従来例の場合と同様なので、以下においては、これらについての詳細な説明を省略する。本発明は、従来技術と比較して、プラズマディスプレイパネルの背面基板に形成される格子状隔壁の製造方法、さらに詳しくは格子状隔壁を形成する際に用いられるサンドブラスト用レジストマスクの形状に、特に特徴があるものであり、以下においては、主としてこの点について詳細に説明する。
図1に示されたレジストマスク1を使用して、サンドブラスト法によって格子状隔壁を形成する場合には、レジストマスク1のコーナー部に切れ込み13が設けられているので、空間が拡がるため噴射される切削材に対する開口率が大きくなる。そのため、コーナー部付近において、吹きつけられる切削材による、隔壁材料の切削速度の低下を少なくすることができる。
格子状隔壁の場合、データ電極と平行方向(以下、これを列方向とする)の隔壁幅は、十分な輝度を得るために50〜80μmとされるのに対し、輝度にはそれほど影響を与えない、データ電極と交わる方向(以下、これを行方向とする)の隔壁幅は、列方向の隣接セルとの干渉を抑制するために太めにして、50〜200μmに設定することができる。
また、切れ込み13は、図1(b)に示すように、切れ込み量aで示されるその幅と、切れ込み量bで示されるその深さ(奥行き)とは、表示セルサイズおよび隔壁幅に応じて、30〜50μmの範囲に形成することが望ましい。
図2は、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法によった場合の、格子状隔壁21と、その内部に形成された蛍光体層22とを例示したものであって、格子状隔壁21と蛍光体層22とが、正しい角形に形成されていることが示されている。
図3は、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法における、格子状隔壁形成のための、サンドブラスト用レジストマスクの一部を拡大して示したものである。
しかしながら、この例のレジストマス1Aの場合は、コーナー部の切れ込み量が列方向のパターンに近い側ほど大きくなっているので、サンドブラスト時の切削量が列方向のパターンに近い側ほど大きくなり、従って、切れ込み量が、列方向のパターンに近い側と遠い側とが同じである第1実施例の場合と比較して、より容易にサンドブラスト加工後のコーナー部を歪みのない角形状に形成することができる。
11,11A 遮光部
12,12A 開口部
13,13A 切れ込み
21 格子状隔壁
22 蛍光体層
100A 格子状隔壁型プラズマディスプレイパネル
101 前面基板
102 背面基板
105 データ電極(列電極)
109 格子状隔壁
111,121 バス電極
112 走査電極(行電極)
122 維持電極(行電極)
Claims (8)
- 行電極を備えた前面基板と、前記行電極と交わる方向に延在する列電極を備えた背面基板とを、格子状隔壁を介して対向して配置したプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
所定のフォトマスクを用いて、隔壁材料上に、前記格子状隔壁の形状に対応する格子状の開口部を有するレジストマスクパターン層を形成し、サンドブラスト法により前記レジストマスクパターン層によって被覆されていない前記隔壁材料を切削除去することで、前記格子状隔壁の形成を行うと共に、
前記フォトマスクのパターンを反映して、前記開口部のコーナー部には、切り込みが設けられていて、かつ、前記各切れ込みの一辺が、前記開口部の四辺のうち、前記列電極と平行な一辺と同一直線上に、かつ、前記平行な一辺に連続して延設されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記格子状隔壁の前記列電極と交わる方向のパターン幅が、前記列電極と平行する方向のパターン幅より広い幅を有するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 前記切れ込みが、方形状、又は三角形状をなすように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 行電極を備えた前面基板と、前記行電極と交わる方向に延在する列電極を備えた背面基板とを、行方向の幅が列方向の幅よりも大きい格子状隔壁を介して対向して配置したプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
所定のフォトマスクを用いて、隔壁材料上に、前記格子状隔壁の形状に対応する格子状の開口部を有するレジストマスクパターン層を形成し、サンドブラスト法により前記レジストマスクパターン層によって被覆されていない前記隔壁材料を切削除去することで、前記格子状隔壁の形成を行うと共に、
前記フォトマスクのパターンを反映して、前記開口部のコーナー部には、切り込みが設けられていて、かつ、前記各切れ込みの一辺が、前記開口部の四辺のうち、前記列電極と平行な一辺と同一直線上に、かつ、前記平行な一辺に連続して延設されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記切れ込みの幅と深さが30μm以上50μm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 前記列方向に走行するノズルから前記隔壁材料及び前記レジストマスクパターン層に切削材を吹き付けることによって隔壁を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 前記フォトマスクは、前記格子状隔壁の形状に対応する格子状の開口部パターンを有すると共に、前記開口部のコーナー部には、切り込みが設けられていて、かつ、前記各切れ込みの一辺が、前記開口部の四辺のうち、前記列電極と平行な一辺と同一直線上に、かつ、前記平行な一辺に連続して延設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- プラズマディスプレイパネルを製造する第1の過程と、
前記プラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルを駆動する回路とを一つのモジュールとして製造する第2の過程と、
画像信号のフォーマット変換を行って前記モジュールに送信するインタフェースを、前記モジュールに電気的に接続する第3の過程とを備えるプラズマ表示装置の製造方法であって、
請求項1乃至6のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を用いて、前記第1の過程を実施することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
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