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JP3874119B2 - 変調光信号発生装置,及びfsk変調信号発生装置 - Google Patents

変調光信号発生装置,及びfsk変調信号発生装置 Download PDF

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JP3874119B2 JP2004192376A JP2004192376A JP3874119B2 JP 3874119 B2 JP3874119 B2 JP 3874119B2 JP 2004192376 A JP2004192376 A JP 2004192376A JP 2004192376 A JP2004192376 A JP 2004192376A JP 3874119 B2 JP3874119 B2 JP 3874119B2
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Description

本発明は,変調光信号発生装置などに関する。より詳しくは,本発明は,逓倍光変調装置の仕組みを利用した変調光信号発生装置,及び変調光信号発生装置を利用したミリ波などを出力し得る周波数シフトキーング(FSK)変調信号発生装置に関する。
逓倍変調による光変調を行う光逓倍変調器が知られている(下記特許文献1〜特許文献4参照)。図8に従来の逓倍変調による光周波数変換装置の基本原理を示すブロック図(特許文献1の図1)を示す。この光逓倍変調器は,予め決めた周波数の光を変調して,その第2次側帯波群を得る構成と,当該第n次側帯波群を変調して第n+1次側帯群を得る構成と,狭帯域フィルタを用いて多数の側帯波群のなかから特定の単一の側帯波を選択する構成とを備える逓倍変調による周波数変換装置である(特許文献1の請求項1)。
図8に示されるように,光逓倍変調器(101)のより具体的な基本構成は,光変調器(102)と,光変調器に入出力される光を制御するための第1のフィルタ(103)と,光変調器に入出力される光を制御するための第2のフィルタ(104)と,変調信号を光変調器に入力するための変調信号源(105)とを具備するものである。そして,第1のフィルタ(103)は,ある周波数f0からわずかにずれた光を反射し,それ以外の周波数を有する光を透過するという特性をもった狭帯域フィルタである。また,光変調器(102)は,左向きあるいは右向きのどちら向きの入力光についても変調周波数fmの特性で変調できる光強度変調器(又は光位相変調器)である。第2のフィルタ(104)は,特定の周波数を有する光(例えば,第3次の測帯波)を透過するが,それ以外の光を反射する特性をもつもの(帯域制限フィルタ)である。
そして,光逓倍変調器の基本動作は,以下のとおりである。図9は,光逓倍変調器の基本動作を示す概念図である。図9(A)に示されるように,入力光は単一の周波数f0[Hz]を持った光である。第1のフィルタ(103)を通して入力された周波数f0の光は,光変調器(102)により変調され,図9(B)に示されるような側帯波を生じる(なお,簡単のため搬送波f0と,第1次側帯波群(f0−fm及びf0+fm)のみが発生するものとする)。この搬送波と第1次側帯波群は,第2のフィルタ(104)によって反射され,再び光変調器を通過する。これらの光が光変調器を通過する際に,それぞれ変調を受け図9(C)に示すスペクトルを有する光として出力される。これらの光のうち,搬送波f0は第1のフィルタ(103)を通過する。すなわち,第1のフィルタ(103)によって反射される光のスペクトルは,図9(D)に示すとおりである。これら第1のフィルタ(103)によって反射された光は,再び光変調器(102)を通過する。すると,これらの光は光変調器により変調を受け図9(E)で示されるスペクトルを有する光となる。すなわち,図9(E)で示される光群は,第1次の側帯波群(f0±fm)と第3次の側帯波群(f0±3fm)とを有する。このうち,図9(F)で示される第1次側帯波群は,第2のフィルタ(104)により反射される。なお,これらの光群は図9(B)で示される光群と同様の周波数を持つ光である。一方,図9(G)で示される第3次側帯波は,第2のフィルタ(104)を通過する。このようにして,第3次側帯波が,出力光として光逓倍変調器から出力される。第2のフィルタ(104)の透過領域を制御すれば,出力光として得られる光の周波数を制御できる。すなわち,このように,光逓倍変調器を用いれば,高次の側帯波群を計画的に得ることができる。なお,光変調器(102)としては,強度変調器や位相変調器などの変調器があげられる。
FSK(周波数シフトキーイング)技術は,既に知られている。例えば,特開平11-331089号公報(特許文献5)には,広帯域,高周波用の電気部品を使用せずに良好な復調を行える光伝送システムに関する発明が開示されている。そして,角度変調信号として,デジタル信号を周波数変調したFSK変調信号を用いている。
また,特開平10-150380号公報(特許文献6)には,多重反射の発生する構内通信で高品質な通信が求められるミリ波対の親局1台と子局N台とが無線にて通信を行うミリ波FSK送受信システムが開示されている。
また,特開平09-224059号公報(特許文献7)には,直接変換受信法によりFSK信号を受信する受信器を構成するための回路構成技術が開示されている。
特許第3404528号公報 特許第3343241号公報 特開2002-148572号公報 特許第3496053号公報 特開平11-331089号公報(請求項1,請求項4,請求項33,請求項36,及び図1) 特開平10-150380号公報(請求項1) 特開平09-224059号公報
これまで説明したように,従来から逓倍光変調装置は知られているが,逓倍光変調装置の原理を利用した周波数シフトキーイング装置は知られていなかった。そこで,本発明は,逓倍光変調装置の仕組みを利用したFSK変調光信号発生装置,及びFSK変調光信号発生装置を利用したミリ波などを出力し得るFSK変調信号発生装置を提供することを目的とする。
本発明は,逓倍光変調装置の仕組みを利用すれば,変調周波数の数倍の変調を持った変調光信号を得られるという知見に基づくものである。
[1]すなわち,上記の課題を解決するため本発明の光周波数シフトキーイング変調装置は,逓倍光変調器と,前記逓倍光変調器に入力される変調信号の周波数を制御するためのRF信号源と,を具備し,前記逓倍光変調器は,前記第1のフィルタを通して入力された光が,光変調器により変調され,前記光変調器により変調された光が,前記第2のフィルタに到達し,前記第2のフィルタに到達した光の一部は,前記第2のフィルタと透過するとともに,前記第2のフィルタに到達した光の残りは,前記第2のフィルタによって反射され,前記第2のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第1のフィルタに到達し,前記第1のフィルタに到達した光の一部は,前記第1のフィルタと透過するとともに,前記第1のフィルタに到達した光の残りは,前記第1のフィルタによって反射され,前記第1のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第2のフィルタに到達するように,前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタと,それら2つのフィルタの間に設けられた前記光変調器とを具備し,
前記変調信号の周波数を制御することにより前記逓倍変調器から出力される信号の周波数を制御する往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置である
従来の逓倍光変調器は,搬送波の数倍の周波数を有する信号を出力できた。一方,逓倍光変調器に入力する変調信号の強度又は位相を変化させると逓倍光変調器内で光が干渉し合い出力の強度または位相の変化は変調信号の強度または位相変化と一致しないと考えられており,変調信号の変化で情報伝送させるという発想はなかった。本発明の変調光信号発生装置は,逓倍光変調器に入力する変調信号の周波数を変化させても,出力の周波数変化は変調信号の周波数変化と一対一で対応し、変調信号の周波数変化で情報伝送ができるというこれまでない知見に基づくものである。これにより,変調周波数を変化させると,その周波数変化の数倍にあたるシフトをもった出力光を得ることができることとなる。
[2] 本発明の光周波数シフトキーイング変調装置の別の態様は,変調信号の周波数を制御することにより出力される光を変調する光変調器(2)と,前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光のうち所定の周波数領域の光を透過し,それ以外の周波数の光を反射する第1の光フィルタ(3)と,前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光のうち所定の周波数領域の光を透過し,それ以外の周波数の光を反射する第2の光フィルタ(4)と,を具備し,前記第1のフィルタを通して入力された光は,光変調器により変調され,前記光変調器により変調された光は,前記第2のフィルタに到達し, 前記第2のフィルタに到達した光の一部は,前記第2のフィルタと透過するとともに,前記第2のフィルタに到達した光の残りは,前記第2のフィルタによって反射され,前記第2のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第1のフィルタに到達し,前記第1のフィルタに到達した光の一部は,前記第1のフィルタと透過するとともに,前記第1のフィルタに到達した光の残りは,前記第1のフィルタによって反射され,前記第1のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第2のフィルタに到達するように前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタと,それら2つのフィルタの間に前記光変調器が設けられ,さらに,前記光変調器(2)に入力される変調信号を生成するRF信号源(5)と,を具備し,前記光変調器に入力される変調信号の周波数を制御することにより前記第2の光フィルタから出力される逓倍光変調の周波数を制御する往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置に関する。本発明の光周波数シフトキーイング変調装置は,光変調器(2)にRF信号源(5)からの変調信号を入力できるので,2つのフィルタ間での変調周波数変化量を制御でき,この変調信号の数倍の変調量を持った変調信号を出力できる。
[3] 本発明の光周波数シフトキーイング変調装置の好ましい別の態様は,前記第1のフィルタは,狭帯域フィルタであり,前記第2のフィルタは,帯域制限フィルタである上記[2]に記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置である。
[4] 本発明の光周波数シフトキーイング変調装置の好ましい別の態様は,前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光の強度を増幅する、前記光変調器と前記第2のフィルタとの間に設けられた、光増幅器(6)を含む上記[2]に記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置である。
[5] 上記の課題を解決するため,本発明のFSK変調信号発生装置は,上記[1]〜[4]のいずれかに記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置を利用した光周波数シフトキーイング変調装置と,前記変調光信号発生装置の出力光を検出し,電気信号に変換する光検出器(3)と,前記光検出器が変換した電気信号を,無線信号として放出するアンテナ(4)と,を具備し,前記往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置の変調周波数を制御することで,前記逓倍光変調装置から出力される光信号の周波数を制御し,アンテナから放出される前記無線信号の周波数を制御することにより周波数シフトキーイングを行うFSK変調信号発生装置である。
本発明によれば,逓倍光変調装置の仕組みを利用した変調光信号発生装置,及び変調光信号発生装置を利用したミリ波などを出力し得るFSK変調信号発生装置を提供することができる。
1.変調光信号発生装置
図1に,第一の実施態様に係る本発明の変調光信号発生装置の基本構成を示す。図1に示されるように本発明の変調光信号発生装置は,光変調器(2)と,第1の光フィルタ(3)と,第2の光フィルタ(4)と,RF信号源(5)と,を具備し,前記光変調器に入力される変調信号の周波数を制御することにより前記第2の光フィルタから出力される逓倍光変調の周波数を制御する変調光信号発生装置である。なお,上記の構成は,基本的には逓倍光変調器と,前記逓倍光変調器に入力される変調信号の周波数を制御するためのRF信号源とを具備するものであり,逓倍光変調器として,例えば上記にあげた公知の逓倍光変調器を適宜用いることができる。
1.1.光変調器
光変調器は,光の周波数,光の強度,及び光の位相のうち少なくともひとつに変調を加えるための装置である。このような光変調器として,周波数変調器,強度変調器,及び位相変調器があげられる。図1では,強度変調器(IM)を記載しているが,光変調器は,IMに限定されるものではない。光変調器(2)は,RF信号源(5)と連結されている。RF信号源(5)は,光変調器(2)に入力される変調信号を生成するための信号源である。この光変調器を通る光は,従来の光逓倍変調器における光変調器と同様,その周波数が所定量シフトする。
なお,光変調器には,共振型の変調器と,進行波型の変調器とがある。共振型光変調器は,変調信号の共振を用いて変調を行う変調器である。共振型変調器として,公知のものを採用でき,例えば特開2002-268025号公報,「川西哲也,及川哲,井筒雅之,"平面構造共振型光変調器",信学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE, IQE2001-3(2001-05)」に記載のものを採用できる。進行波型光変調器は,光波と電気信号を同方向に導波させ導波している間に光を変調する変調器である(例えば,西原浩,春名正光,栖原敏明著,「光集積回路」(改訂増補版)オーム社,119頁〜120頁)。進行波型変調器は,公知のものを採用でき,例えば,特開平11−295674号公報,特開平11−295674号公報,特開2002−169133号公報,特開2002-40381号公報,特開2000-267056号公報,特開2000-471159号公報,特開平10-133159号公報などに開示されたものを用いることができる。進行波型の変調器は,両端の電極から変調信号を入力することで,どちらの向きから入力する光に対しても同じ特性で変調できるので好ましい。
2つの光フィルタ間を光が伝搬するのにかかる時間(すなわち,反射が起こる時間)をT[s]とする。効率よく往復逓倍変調がかかる変調周波数fm[Hz]は,1/Tの偶数倍か奇数倍である。したがって,fmとして,1/Tの偶数倍か奇数倍が好ましい。2つの光フィルタに挟まれた光変調器での変調が,順方向及び逆方向に光が進行するいずれの場合についても同相にかかる場合は,fmとして,1/Tの偶数倍が好ましい。また,2つの光フィルタに挟まれた光変調器での変調が,順方向及び逆方向に光が進行する場合について逆相にかかる場合は,fmとして,1/Tの奇数倍が好ましい。また,変調信号の変調可能な帯域として,前記好ましい周波数を中心として一定の範囲があげられ,この範囲で変調周波数をシフトさせることがあげられる。このような周波数のシフト範囲として,0以上1/T以下があげられ、また0以上1/4T以下,0以上1/10T以下,0以上1/100T以下,1/100T以上1/T以下,1/100T以上1/4T以下,1/100T以上1/10T以下,1/10T以上1/4T以下,1/10T以上1/T以下,及び1/4T以上1/T以下があげられる。
1.2.光フィルタ
光フィルタとして,狭帯域フィルタや,帯域制限フィルタがあげられる。より具体的な,光フィルタとして,ファイバグレーティングがあげられ,より好ましい光フィルタとして変調可能なファイバグレーティングがあげられる。狭帯域フィルタは,電圧,電流,温度,磁場,圧力,電磁波などを印加することにより,透過スペクトル特性を制御できるものが好ましい。狭帯域フィルタとして,例えば特開平11-95184号公報に記載のものがあげられる。具体的な帯域制限フィルタとして,特開2001-16073号公報,特開2001-86094号公報,特開2000-244590号公報,及び特開平1-246988号公報に記載のものがあげられる。なお,第1のフィルタ(3)は,狭帯域フィルタであることが好ましい。また,第2のフィルタ(4)は,帯域制限フィルタであることが好ましい。
1.3.光源
変調光信号発生装置の光源として,公知の光源を採用できる。好ましい変調光信号発生装置は,ダイオード,レーザーダイオードなどである。
1.4.別の実施態様
図2は,別の実施態様に係る本発明の変調光信号発生装置の基本構成を示す概略図である。図2に示されるように,この態様の変調光信号発生装置は,図1に示される変調光信号発生装置において,別の光変調器(6)を光変調器(2)と第2のフィルタ(4)との間に具備するものである。なお,特に図示しないが,光変調器(6)は,光変調器(2)と第1のフィルタ(3)との間に設けられても良い。また,光変調器(6)は,光変調器(2)と第1のフィルタ(3)との間,及び光変調器(2)と第2のフィルタ(4)との間に設けられていても良い。
1.5.光変調器
この実施態様に用いられる光変調器(6)として,強度変調器(光増幅器など),位相変調器,分散補償器などがあげられる。光変調器(6)は,ひとつ用いても,ふたつ以上用いてもよい。光増幅器を用いれば,変調器により減衰した光の強度を補償できる。また,強度変調により出力光の強度変調を行うことができる。また,位相変調器を用いれば,位相変調器に変調信号を供給することにより出力光を変調し,新たな情報を載せることができる。分散補償器は,分散を打ち消すためのものである。ただし,分散補償器を設けなくとも,他の構成部品に分散補償機能を持たせれば,分散補償器を設けたのと同様の効果を得ることができる。
1.6.その他
本発明の変調光信号発生装置には,光学デバイスに用いられる上記以外の部品を適宜用いることができる。
2.FSK変調信号発生装置
FSK変調信号発生装置として,例えば,米国特許5,883,922号明細書,米国特許5,852,636号明細書,米国特許5,706,310号明細書,米国特許5,539,770号明細書,米国特許5,450,032号明細書,及び特開平11-17746号公報に記載のものがあげられる。本発明のFSK変調信号発生装置は,これらの文献に記載された構成を適宜採用できる。
図3は,本発明のFSK変調信号発生装置の基本構成を示す概略図である。図3に示されるように,この態様のFSK変調信号発生装置は,変調光信号発生装置(22)と,光検出器(23)と,アンテナ(24)とを具備し,変調光信号発生装置の変調周波数を制御することで,前記逓倍光変調装置から出力される光信号の周波数を制御し,アンテナから放出される前記無線信号の周波数を制御することにより周波数シフトキーイングを行うFSK変調信号発生装置である。なお,図3中,M(25)は光増強器などの変調器を示し,LS(26)は光源を示し,27はSMF(シンク゛ルモート゛ファイハ゛)などの伝送路を示す。
2.1.変調光信号発生装置
変調光信号発生装置として,先に説明したものを用いることができる。
2.2.光検出器
光検出器は,変調光信号発生装置の出力光を検出し,電気信号に変換するための手段である。光検出器として,公知のものを採用できる。光検出器として,例えばフォトダイオードを含むデバイスを採用できる。光検出器は,例えば,光信号を検出し,電気信号に変換するものがあげられる。光検出器によって,光信号の強度,周波数などを検出できる。光検出器として,たとえば「米津宏雄著”光通信素子工学”−発光・受光素子−,工学図書株式会社,第6版,平成12年発行」に記載されているものを適宜採用できる。
2.3.アンテナ
アンテナは,光検出器が変換した電気信号を,無線信号として放出するための手段である。アンテナとして,公知のアンテナを用いることができる。
3.作用
図4は,本発明の変調光信号発生装置内での信号の変遷状態の一例を示す概念図である。
図4(A)に示されるように,入力光は単一の周波数f0[Hz]を持った光である。第1のフィルタ(3)を通して入力された周波数f0の光は,光変調器(2)により変調され,図4(B)に示されるような側帯波(f-1:f0−fm,及びf1:f0+fm)を生じる。図4(D)に示される第1次側帯波(f1:f0+fm)は,第2のフィルタ(4)によって反射され,再び光変調器を通過する。この光が光変調器を通過する際に,変調を受け,搬送波及び第1次側帯波と合わさることで,図4(C)に示すスペクトルを有する光(f-1,f0,f1:及びf2:f0+3fm)となる。この光のうち,図4(E)に示されるf0,f1及びf2は,第1のフィルタ(3)によって反射される。第1のフィルタ(3)によって反射された光は,再び光変調器(2)を通過する。すると,この光は光変調器により変調を受け,図4(F)で示されるスペクトルを有する光となる。これらの光のうち,第3次の側帯波(f0+3fm)を有する光は,第2のフィルタ(4)を通過する。このようにして,第3次上側帯波の光が,出力光として変調光信号発生装置から出力される。
なお,RF信号源(5)から出力される変調信号の周波数fmを変化させれば,変調光信号発生装置から出力される出力光の周波数を変化させることができる。また,光変調器に印加される変調信号を変化させると,第3次下側帯波の光(f0−3fm)が,変調光信号発生装置から出力される。この変調信号を高速に変化させることで,変調光信号発生装置から出力される出力光の周波数を高速に変化させることができる。なお,この動作例では第3次の側帯波領域の光を用いた変調光信号発生装置の例を説明したが,第2のフィルタ(4)の透過領域を変化させることで,出力光の周波数をも変化させることができる。
なお,変調信号発生装置の動作は,上記したとおり変調光信号発生装置により高次側帯波を発生させ,それを光検出器やアンテナにより無線信号に変換して放出するものである。
図5は,本発明を実証する変調信号発生装置の構成を示す図である。図5(A)は,装置の概略構成図である。図5(B)は,実際の2つのT−FBG(光フィルタに相当する),及びPMの構成例を示す図である。図5(A)中,T−FBGは,変調可能なフィアハ゛ク゛レーティンク゛を示し,PMは位相変調器を示し,進行波型のものを用いた。RF信号は,RF信号入力ポート及びRF信号出力ポートの両方のポートに入力した。図5(A)において,LS(26)は光源を示す。光源からの光(波長1550nm:その周波数をこの実施例においてf0とする)を,図示しないアイソレータを通過させた。アイソレータは,ニューポート社製のアイソレータを用いた。この光をT−FBG間で反射させ,FSK変調器を複数回通過させた。このT−FBGは,その半値全幅が47GHzであり,3M社製のものを用いた。また,2つのT−FBGにおける光遅延は,454.5psであった。光変調器は,住友大阪セメント社製のものを用いた。変調信号(fm)として,4.4GHz,出力21.4dBmのものを印加した。この際の帯域幅は,およそ20MHz〜100MHzであった。図6は,変調信号発生装置からの出力光のスペクトルである。図6では,第12高調波など搬送波に比べ,変調信号の定数倍シフトした複数の光が出力されおり,FBGの反射領域の光はFBGにより反射されるため出力が抑えられている。また,変調信号の周波数をシフトさせても,安定した出力を得ることができたが,効率よく変調がかかる周波数は,2.2GHz,4.4GHz,及び6.6GHzであった。なお,この実施例において,位相変調器の変わりに,強度変調器などの光変調器を用いても,同様に上側波帯,及び下側波帯を得ることができる。
図7は,出力電波信号の状態を表す測定結果である。図7(A)は,出力スペクトルを表すスペクトル図である。図7(B)は,出力電波信号の時間変化を表すグラフである。図7(A)から,本実施例の変調信号発生装置では,信号純度の高いミリ波信号(電波信号)を得ることができたことがわかる。また,図7(B)からそのミリ波信号の出力として,一定の出力を維持できることがわかる。
本発明の変調光信号発生装置は,光情報通信の分野で利用され得る。本発明のFSK変調信号発生装置は,ミリ波源などとして無線情報通信などの分野で利用され得る。
図1は,第一の実施態様に係る本発明の変調光信号発生装置の基本構成を示す概略図である。 図2は,別の実施態様に係る本発明の変調光信号発生装置の基本構成を示す概略図である。 図3は,本発明のFSK変調信号発生装置の基本構成を示す概略図である。 図4は,本発明の変調光信号発生装置内での信号の変遷状態を示す概念図である。図4(A)は,入力光のスペクトルを示す図である。図4(B)は,上側帯波(f0+fm)のスペクトルを示す図である。図4(C)は,第2次上側帯波のスペクトルを示す図である。図4(D)は,第3次上側帯波のスペクトルを示す図である。図4(E)は,第3次下側帯波のスペクトルを示す図である。 図5は,本発明を実証するFSK変調信号発生装置の構成を示す図である。図5(A)は,装置の概略構成図である。図5(B)は,実際の2つのT−FBG(光フィルタに相当する),及びPMの構成例を示す図である。 図6は,出力光の状態を示すスペクトル図である。 図7は,出力電波信号の状態を表す測定結果である。図7(A)は,出力スペクトルを表すスペクトル図である。図7(B)は,出力電波信号の時間変化を表すグラフである。 図8は,従来の逓倍変調による光周波数変換装置の基本原理を示すブロック図(特許文献1の図1)を示す図である。 図9は,光逓倍変調器の基本動作を示す概念図である。図9(A)〜図9(G)は,それぞれの工程における光を表す概念図である。
符号の説明
1 変調光信号発生装置
2 光変調器
3 第1のフィルタ
4 第2のフィルタ
5 RF信号源
6 光変調器
21 変調信号発生装置
22 変調光信号発生装置
23 光検出器
24 アンテナ
25 変調器
26 光源
27 伝送路
101 光逓倍変調器
102 光変調器
103 第1のフィルタ
104 第2のフィルタ
105 変調信号源

Claims (5)

  1. 逓倍光変調器と,前記逓倍光変調器に入力される変調信号の周波数を制御するためのRF信号源と,を具備し,
    前記逓倍光変調器は,前記第1のフィルタを通して入力された光が,光変調器により変調され,前記光変調器により変調された光が,
    前記第2のフィルタに到達し,
    前記第2のフィルタに到達した光の一部は,前記第2のフィルタと透過するとともに,
    前記第2のフィルタに到達した光の残りは,前記第2のフィルタによって反射され,
    前記第2のフィルタによって反射された光は,
    前記光変調器を通過して前記第1のフィルタに到達し,
    前記第1のフィルタに到達した光の一部は,前記第1のフィルタと透過するとともに,
    前記第1のフィルタに到達した光の残りは,前記第1のフィルタによって反射され,
    前記第1のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第2のフィルタに到達するように,
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタと,それら2つのフィルタの間に設けられた前記光変調器とを具備し,
    前記変調信号の周波数を制御することにより前記逓倍変調器から出力される信号の周波数を制御する往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置
  2. 変調信号の周波数を制御することにより出力される光を変調する光変調器(2)と,
    前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光のうち所定の周波数領域の光を透過し,それ以外の周波数の光を反射する第1の光フィルタ(3)と,
    前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光のうち所定の周波数領域の光を透過し,それ以外の周波数の光を反射する第2の光フィルタ(4)と,
    を具備し,
    前記第1のフィルタを通して入力された光は,光変調器により変調され,前記光変調器により変調された光は,
    前記第2のフィルタに到達し,
    前記第2のフィルタに到達した光の一部は,前記第2のフィルタと透過するとともに,
    前記第2のフィルタに到達した光の残りは,前記第2のフィルタによって反射され,
    前記第2のフィルタによって反射された光は,
    前記光変調器を通過して前記第1のフィルタに到達し,
    前記第1のフィルタに到達した光の一部は,前記第1のフィルタと透過するとともに,
    前記第1のフィルタに到達した光の残りは,前記第1のフィルタによって反射され,
    前記第1のフィルタによって反射された光は,前記光変調器を通過して前記第2のフィルタに到達するように
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタと,それら2つのフィルタの間に前記光変調器が設けられ,
    さらに,
    前記光変調器(2)に入力される変調信号を生成するRF信号源(5)と,
    を具備し,
    前記光変調器に入力される変調信号の周波数を制御することにより前記第2の光フィルタから出力される逓倍光変調の周波数を制御する往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置
  3. 前記第1のフィルタは,狭帯域フィルタであり,
    前記第2のフィルタは,帯域制限フィルタである請求項2に記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置
  4. 前記光変調器に入力される光,及び前記光変調器から出力された光の強度を増幅する、前記光変調器と前記第2のフィルタとの間に設けられた、光増幅器(6)を含む請求項2に記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置を利用した光周波数シフトキーイング変調装置と,
    前記変調光信号発生装置の出力光を検出し,電気信号に変換する光検出器(3)と,
    前記光検出器が変換した電気信号を,無線信号として放出するアンテナ(4)と,
    を具備し,
    前記往復逓倍変調を利用した光周波数シフトキーイング変調装置の変調周波数を制御することで,前記逓倍光変調装置から出力される光信号の周波数を制御し,アンテナから放出される前記無線信号の周波数を制御することにより周波数シフトキーイングを行うFSK変調信号発生装置。
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