JP3871940B2 - 照明装置および表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置および表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、データないしテレビジョン等の画像表示用の拡大投影装置やヘッドマウントディスプレイ等に広く使用され、光源部から出射した光により画像表示素子を照明し、この画像表示素子の画像情報を拡大表示するようにした表示装置がある。
【0003】
このような表示装置には、例えば、図20に示すように、光源部100から照射した光をダイクロイックミラー101によりR,G,Bの各色の光に分光し、ミラー102やレンズ103を介して液晶パネル等のライトバルブ104にそれぞれ照射し、各ライトバルブ104を透過した光をダイクロイックプリズム105により合成して、投射レンズ106により拡大してスクリーン107等に照射することで画像を表示させるようにした3板式の表示装置108がある。
【0004】
しかし、図20に示すような3板式の投射装置(表示装置)では、R,G,Bの各色に分光した光毎に光路を確保しなくてはならないため表示装置108が大型化してしまったり、光源部100から照射した光を一旦R,G,Bの各色に分光した後再度合成するために構造が複雑化してしまったり、3枚のライトバルブ104を必要とするために高コスト化してしまったりする等の不具合がある。
【0005】
これに対し、従来では、例えば、各色の光に応じた複数種のカラーフィルタを単一のライトバルブの各画素に対応させて設け、ライトバルブの動作によって透過させる光の色および画像を制御することで、装置の小型化を図るようにしたマイクロカラーフィルター方式の表示装置がある。
【0006】
また、例えば、特開平4−60538号公報に開示されているように、入射角に応じて異なる方向に光を透過させるマイクロレンズに対して、ダイクロイックミラーをR,G,Bの各色の光に対応させてそれぞれ所定の角度で傾斜配置し、ダイクロイックミラーを介してマイクロレンズから出射された光をライトバルブに入射させるようにした表示装置や、特許第2864103号に開示されているように、特定偏光成分の光をそれぞれ異なる方向に偏光回析するホログラム素子を介して出射された光をライトバルブに入射させるようにした表示装置等が開示されている。
【0007】
他にも、例えば、実開平4−103083号公報、特表2000−510961に開示されているようなフィールドシーケンシャル方式の表示装置や、特開平6−319848号公報に開示されているようなカラースクロール方式の表示装置がある。
【0008】
図21に示すように、実開平4−103083号公報に開示されている表示装置111は、R,G,Bの各色に応じた画像を切替表示するライトバルブ104の画像切替のタイミングに同期させて、R,G,Bの各色に応じた複数のカラーフィルタが周期的に設けられた回転カラーフィルタ110を回転させ、回転カラーフィルタ110を介して出射された光をライトバルブ104に入射させる。特表2000−510961に開示されている表示装置は、位相差板が組み合わされたライトバルブを色毎に光軸方向に組み合わせた色選択性光変調器の各ライトバルブでの画像切替によって多色表示を行わせる。図22に示すように、特開平6−319848号公報に開示されている表示装置112は、光源部100から照射される白色光をダイクロイックミラー113によってR,G,Bの3色に分光し、分光された各色の光が照射されるキュービックプリズム114を回転させることによってライトバルブを偏光走査する。
【0009】
加えて、Society for Information Display 2001 International Symposium, Digest of Technical Papers,p1076に開示されているように、光源部から出射されてロッドレンズに設けられた開口部から入射された光を、ロッドレンズで均一化した後に、螺旋状のフィルターパターンを有する回転ダイクロイックフィルターを介して、ライトバルブ(デジタルミラーデバイス)に照射するようにした表示装置がある。該技術によれば、ロッドレンズの入射面の開口部以外の部分に鏡面加工を施し、回転ダイクロイックフィルターから反射された光をロッドレンズで往復させて再度回転ダイクロイックフィルターに入射させることで、光の再利用を行うようにしている。
【0010】
これらのような表示装置によれば、単一のライトバルブによって各色の画像を表示することが可能になるので、装置の小型化を図ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように、各色の光に応じた複数種のカラーフィルタを単一のライトバルブの各画素に対応させて設けた表示装置では、装置の小型化を図ることができるが、目的としない波長領域の光はカラーフィルタによって吸収されるため、光量の損失が大きい。
【0012】
この点、特開平4−60538号公報や特許第2864103号に開示された技術では、光量の損失を抑制して装置の小型化を図ることができるが、ライトバルブの画素数に対する実際の表示画素数が分光する色数に応じて減少してしまう。例えば、白色光をR,G,Bの3色に分光する場合、各色の実際の表示画素数は、ライトバルブの画素数に対して1/3となってしまう。
【0013】
この対策として、ライトバルブの画素数を増加させることにより表示させる画素数を増やすことが考えられるが、実際の技術的には容易ではない。
【0014】
また、別の対策として、ライトバルブの表示面積を変えず画素を高密度化することにより表示させる画素数を増やすことが考えられるが、ライトバルブにおける配線やスイッチング素子の寸法の制約等から、画素の開口率が高密度化に伴って低下するため、光の利用効率が低下してしまう。また、ライトバルブの加工技術的にも高精細化には限界があるため、実用的ではない。
【0015】
また、ライトバルブの精細度を変えず、ライトバルブ自体の表示面積を増やす方法もあるが、表示面積の大きなライトバルブは加工に際して欠陥が発生しやすくなるため、表示面積の増加に伴って歩留まりが低下し、非常にコストが高くなったり、光学部品の大型化によってコスト上昇を招いたりしてしまう。
【0016】
これに対し、上述したように、実開平4−103083号公報(図21参照)や特表2000−510961に開示された技術のようにフィールドシーケンシャル方式を採用した表示装置では、単一のライトバルブを用いることによる解像度低下という問題は生じないが、例えば、R,G,Bの3色の光で表示を行わせる場合の光の利用効率が、以下に説明する理由により原理上1/3以下となってしまうため、光利用効率が低い。
【0017】
すなわち、実開平4−103083号公報では、ライトバルブを照明する色以外の色の光が回転カラーフィルターによって反射されてしまうため、光源部から出射された光を有効に利用することができない。また、特表2000−510961に開示されている技術では、色選択性光変調器における複数の位相差板が光軸方向に組み合わされていることから、入射側に配置される位相板を透過した光は出射側に配置された位相板によって吸収されてしまうため、光源部から出射された光を有効に利用することができない。
【0018】
また、上述したように、特開平6−319848号公報に開示されている表示装置では、光学素子等による実際の光量損失を除いては、フィールドシーケンシャル方式のように非選択色光を損失することがないため、高い光利用効率を得ることが可能であるが、キュービックプリズムを回転させてライトバルブを走査するために装置が大型化してしまう。
【0019】
加えて、上述したように、Society for Information Display 2001 International Symposium, Digest of Technical Papers,p1076に開示されている技術では、光の再利用により利用効率を高くすることが可能で、比較的小型の表示装置を得ることができるが、回転ダイクロイックフィルターのパターンが複雑であるため、蒸着多層膜をパターン形成することで回転ダイクロイックフィルターを製造しなければならない。このため、回転ダイクロイックフィルターのコストが高くなってしまう。
【0020】
また、該技術では、液晶表示素子のような偏光照明を必要とするライトバルブを用いる場合、入射光を直線偏光で入射させたとしても、ロッドレンズによる偏光度低下により表示装置される画像のコントラストが低下してしまう。
【0021】
この対策として、光をランダム偏光で入射させ、回転ダイクロイックフィルターの出射側に偏光変換素子を設けることが考えられるが、一般的に、ライトバルブと回転ダイクロイックフィルターとは光学的に共役とする必要があるため、通常用いられる偏光ビームスプリッタと1/2波長板を組み合わせた偏光変換素子では正確な結象が得られなくなってしまう。
【0022】
さらに、回転ダイクロイックフィルターは、モーターを始めとする機械的動作部の動作によって回転されるため、稼動時には機械ノイズが発生してしまう。
【0023】
本発明は、光利用効率の向上を図ることができる照明装置および表示装置を得ることを目的とする。
【0024】
本発明は、光利用効率の向上を図るとともに色分離特性の向上を図ることができる照明装置および表示装置を得ることを目的とする。
【0025】
本発明は、光利用効率の向上を図るとともに静寂性に優れた照明装置および表示装置を得ることを目的とする。
【0026】
本発明は、光利用効率の向上および小型化を図ることができる照明装置および表示装置を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の照明装置は、偏光を出射する光源部と、前記光源部から出射された光量を均一化して出射面から出射するロッド型光学素子と、前記ロッド型光学素子の入射面側に設けられて前記光源から出射された偏光を透過させる開口部と、前記ロッド型光学素子の出射面側に設けられて特定波長域の光に対して1/2波長板として作用するとともに別の特定波長領域の光を透過する波長選択性を有する複数の選択波長領域を複数種類の特定波長域に対応付けて備える波長選択性位相差手段と、前記波長選択性位相差手段の出射面側に設けられて所定方向に偏光する直線偏光を透過させるとともにこの直線偏光に直交する偏光方向の光を入射面側に反射する反射型偏光分離手段と、前記ロッド型光学素子の入射面側で前記開口部とは異なる位置に設けられて前記反射型偏光分離手段から反射された光を出射面側へ反射する光反射手段と、を具備する。
【0028】
したがって、光源部から出射されて開口部を介してロッド型光学素子に入射された偏光のうち、各選択波長領域の波長選択性に応じて位相差を生じて波長選択性位相差手段を透過した特定波長の光が、ロッド型光学素子の出射面側から偏光量が均一化されて出射され、該特定波長以外の波長の光が反射型偏光分離手段によって入射面側に反射されて光反射手段によって再びロッド型光学素子の出射面側へ反射される。
【0029】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記反射型偏光分離手段は、前記波長選択性位相差手段の作用により1/2波長の位相差が生じた波長域の偏光を前記所定方向に偏光する直線偏光として透過させる。
【0030】
したがって、波長選択性位相差手段の作用により1/2波長の位相差が生じた波長域の偏光が反射型偏光分離手段を透過する。
【0031】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の照明装置において、前記反射型偏光分離手段からの反射光路上であり前記開口部を透過した光が前記反射型偏光分離手段に到達する光路とは異なる位置に設けられて、前記開口部を透過して前記反射型偏光分離手段に向かう光と、前記波長選択性位相差手段と前記反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射された光との位相差を低減する位相差調整手段を具備する。
【0032】
したがって、開口部を透過して反射型偏光分離手段に向かう光と、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射された光との位相差が、位相差調整手段によって低減される。
【0033】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の照明装置において、前記位相差調整手段は、前記波長選択性位相差手段の遅相軸に対して略直交する遅相軸を有して、前記反射型偏光分離手段からの反射光の波長域に対する前記波長選択性位相差手段の位相差と略等しい位相差を有する。
【0034】
したがって、開口部を透過して反射型偏光分離手段に向かう光と、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射された光との位相差がキャンセルされる。
【0035】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の照明装置において、前記波長選択性位相差手段を透過した光が照射される被照射体に対する前記波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した各光の照射位置を変位させる変位手段を具備する。
【0036】
したがって、波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した光の結像位置が、変位手段によって被照射体上で変位される。
【0037】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記変位手段は、前記被照射体に対して前記波長選択性位相差手段を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる。
【0038】
したがって、変位手段によって、被照射体に対して波長選択性位相差手段が変位されることによって被照射体に対する各光の照射位置が変位される。
【0039】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記変位手段は、前記波長選択性位相差手段に対して前記被照射体を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる。
【0040】
したがって、変位手段によって、波長選択性位相差手段に対して被照射体が変位されることによって被照射体に対する各光の照射位置が変位される。
【0041】
請求項8記載の発明は、請求項5の照明装置において、前記波長選択性位相差板を透過して前記被照射体に照射される光路上に設けられる中間光学素子を具備し、前記変位手段は、前記波長選択性位相差板および前記被照射体に対して前記中間光学素子を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる。
【0042】
したがって、変位手段によって、波長選択性位相差板および被照射体に対して光学素子が変位されることによって被照射体に対する各光の照射位置が変位される。
【0043】
請求項9記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記波長選択性位相差板を透過して前記被照射体に照射される光路上に設けられて電圧の印加により入射された光の光路をシフトさせる電気光学素子を具備し、前記変位手段は、前記電気光学素子に電圧を印加することにより前記波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した各光の照射位置を変位させる。
【0044】
したがって、変位手段によって、電気光学素子に電圧が印加されることによって電気光学素子に入射された光の光路が電気的にシフトされる。
【0045】
請求項10記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記波長選択性位相差手段は各選択波長領域の分割パターンを変更可能な分割パターン変更手段を具備し、前記変位手段は、前記分割パターン変更手段による各選択波長領域の分割パターンを変更させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる。
【0046】
したがって、波長選択性位相差手段における各選択波長領域の分割パターンを変更することで被照射体に対する各光の照射位置が変位される。
【0047】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の照明装置において、前記分割パターン変更手段は、特定波長域の光に対して位相差を与える位相板と二次元的に配列された複数の液晶素子を備える液晶パネルとを組み合わせることにより構成され、前記変位手段は、各前記液晶素子が備える電極に対して選択的に電圧を印加することで各選択波長領域の分割パターンを変更させる。
【0048】
したがって、液晶パネルを構成する各液晶素子の電極に対して選択的に電圧を印加することにより、電圧が印加された液晶素子に入射された光の偏光面が該当する特定選択波長領域の分割パターンで選択的に変調される。
【0049】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか一に記載の照明装置において、前記光源部から出射された偏光を前記開口部で集光して前記ロッド型光学素子に入射させる集光光学系を具備する。
【0050】
したがって、光源部から出射された偏光は、集光光学系によって開口部に集光されてロッド型光学素子に入射される。
【0051】
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか一に記載の照明装置において、前記反射型偏光分離手段は、ワイヤグリッド型光学素子である。
【0052】
したがって、薄型の偏光子であるワイヤグリッド型光学素子を用いることにより、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との距離を短くすることが可能になる。
【0053】
請求項14記載の発明の表示装置は、請求項1ないし13のいずれか一に記載の照明装置と、二次元的に配列された複数の画像表示素子を有し、各画像表示素子の光学特性を選択的に変化させることにより前記照明装置から出射される光が照射される光の色に応じた画像情報をこの光が照射される照射領域に形成する被照射体と、前記被照射体に形成される画像を拡大表示するレンズと、を具備する。
【0054】
したがって、請求項1ないし13のいずれか一に記載の発明の作用を有する光利用効率の高い表示装置を提供することが可能になる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について図1および図2を参照して説明する。本実施の形態は、照明装置への適用例を示す。
【0056】
図1は、本発明の第一の実施の形態の照明装置を概略的に示すブロック図である。照明装置Aは、偏光を出射する光源部1と、光源部1から出射された偏光が入射されるロッド型光学素子3とを備えている。
【0057】
本実施の形態の光源部1は、ランプ光源4と集光光学系としての楕円型リフレクタ5とランプ光源4から出射された光を直線偏光化する偏光手段2とを組み合わせることにより構成されている。光源部1から出射される光自体が偏光している場合には、偏光手段2を省略することができる。
【0058】
なお、集光光学系としては、図1に示すような楕円型リフレクタ5に限るものではなく、例えば、ランプ光源4から出射された光束を平行光束とする図示しない放物型リフレクタと平行光束を集光させる図示しないコンデンサレンズと組み合わせて集光させる集光光学系や、非球面形状のリフレクタにより発散光または収束光とした後にこれとは別のレンズによって集光させる集光光学系(いずれも図示せず)を用いることもできる。また、これらのリフレクタを用いずに、通常のガラスレンズ、プラスチックレンズ、さらに回折格子やホログラム等を集光光学系として用いてもよい。
【0059】
また、集光光学系は必要に応じて適宜設けられるものであり、例えば、半導体レーザーや発光ダイオード等の小径光源を光源として用いた場合には、このような集光光学系は必ずしも必要ではない。
【0060】
公知の技術であるため図示および説明を省略するが、偏光手段2としては、例えば、後述する反射型偏光分離手段としての反射型偏光分離素子9と同様の反射型偏光手段や吸収型偏光板あるいは偏光ビームスプリッタ等に加えて、偏光ビームスプリッタと位相差板とを組み合わせた偏光変換素子、および、偏光変換素子と他の偏光手段とを組み合わせることによって形成される偏光手段等も好ましく用いられる。
【0061】
ロッド型光学素子3としては、例えば、ガラスロッドやカライドスコープ等が用いられる。
【0062】
ロッド型光学素子3の光源部1側の面(以降、入射面とする)には、光源部1から出射された光束をロッド型光学素子3へ向けて透過させる開口部6が設けられている。開口部6とロッド型光学素子3との断面積から決定される開口率は、光源部1の近視野形状と遠視野形状、および、被照明物体の大きさと照明角度分布への仕様、および、後述する反射型偏光分離素子9の反射率と透過率、戻り光の反射率等から、最大効率になるように最適化されている。開口部6の開口率は、70〜98%に設定されていることが好ましく、80〜95%に設定されていることがより好ましい。
【0063】
ところで、本実施の形態のようにランプ光源4と楕円型リフレクタ5とを組み合わせた光源部1を用いた場合、ランプ光源4から出射される光は、ロッド型光学素子3の開口部6に対して大きくなるため、ランプ光源4から出射された光を集光して入射させる集光光学系が必要となる。本実施の形態では、楕円型リフレクタ5によって集光光学系が実現されている。これにより、ロッド型光学素子3の開口部6に対して大きい光を発する光源を用いた場合にも、光利用効率の向上を図ることができる。
【0064】
ロッド型光学素子3の入射面側には、開口部6以外の少なくとも一部に、光反射手段7が設けられている。本実施の形態の光反射手段7は、ロッド型光学素子3の入射面の開口部6以外の部分に設けられた金属層によって実現されている。これにより、製造の容易性および良好な反射効率を確保することができる。金属層は、例えば、蒸着法等を用いて、ロッド型光学素子3の入射面に単層ないし多層膜の金属反射膜を成膜することによって形成することができる。
【0065】
ロッド型光学素子3の光源部1と反対側の面(以降、出射面とする)には、特定波長域の照明光に対して実質的に1/2波長板として作用する波長選択性位相差手段としての波長選択性位相差板8が設けられている。波長選択性位相差板8は、それぞれ異なる特定波長域の光を透過させる波長選択性を有する波長選択性位相差板8B,8G,8Rによって複数の領域に分割されている。これによって、波長選択性位相差板8は、複数の分光特性を有する。本実施の形態では、波長選択性位相差板8Bは、青の光に対しては位相差を生ぜず緑と赤に対して1/2波長板として作用する。波長選択性位相差板8Gは、緑の光に対しては位相差を生ぜず青と赤に対して1/2波長板として作用する。波長選択性位相差板8Rは、赤の光に対しては位相差を生ぜず青と緑に対して1/2波長板として作用する。
【0066】
波長選択性位相差板8としては、例えば、市販されているカラーセレクト(商品名:米国カラーリンク社)のように、複数の位相差板の各遅相軸をずらして重ね合わせた積層型位相差板を用いることで、高い色純度とシャープな波長特性および高い偏光特性を付与することができる。なお、カラーセレクトについては、USP第5953083号に開示されているため、ここでは説明を省略する。
【0067】
本実施の形態の波長選択性位相差板8は、波長選択性位相差板8B,8G,8Rを、ロッド型光学素子3の光軸方向に対して直交する方向に配列することにより、ロッド型光学素子3の光軸方向において分割されている。波長選択性位相差板8の領域分割は、マトリクス状の二次元的であってもよいし、ストライプ状の一次元的であってもよい。なお、波長選択性位相差板8の領域分割は、一次元的である方が画像表示素子のデータ書き込みを行い易いため、より好ましい。
【0068】
波長選択性位相差板8の分割数は、波長選択性位相差板の作製方法にも依存するが、例えば、プロジェクタ等の表示装置に適用した場合に、表示装置が備える画像表示素子の画素数を上限とする範囲内の数に分割されている。波長選択性位相差板8の分割数が上限を越えた場合、混色を生ずることになる。
【0069】
波長選択性位相差板8は、利用する波長域の光に対応する波長選択性位相差板8B,8G,8Rを一つずつ含むアレイ群を「一組」とした場合に、利用する波長域の光に応じた波長選択性を有する各波長選択性位相差板8B,8G,8Rが、ロッド型光学素子3から出射された光の照射領域中に、少なくとも一組以上存在するように配列されている。
【0070】
本実施の形態では、典型的な赤、緑、青の光の3原色を利用するものとし、赤、緑、青の波長域の光に対応した3つの波長選択性位相差板8B,8G,8Rによって構成されるアレイ群が「一組」とされ、この「組」が、ロッド型光学素子3から出射された光の照明領域内に存在する。
【0071】
なお、アレイ群は、照射領域内に一組以上存在することが好ましいが、これに限るものではない。
【0072】
波長選択性位相差板8の出射側には、所望の偏光方向の直線偏光を透過し、該直線偏光に直交する偏光方向の光を反射する性質を有する反射型偏光分離素子9が設けられている。反射型偏光分離素子9は、波長選択性位相差板8から出射される二つの直交する出射直線偏光のうち、位相差を生じることなくロッド型光学素子3から出射された偏光と同じ偏光面の光を透過させ、この光に直交する偏光を反射するように配置されている。すなわち、反射型偏光分離素子9は、反射型偏光分離素子9の透過軸が、波長選択性位相差板8の透過軸と等しくなるように配置されている。
【0073】
反射型偏光分離素子9としては、例えば、図2に示すような偏光ビームスプリッタ10を用いることができる。偏光ビームスプリッタ10は、図2に示すように、偏光分離膜11aを有する偏光ビームスプリッタプリズム11と反射ミラー12とから構成されている。本実施の形態では、反射型偏光分離素子9としての偏光ビームスプリッタ10が、入射s偏光を偏光分離膜11aおよび反射ミラー12で偏光反射させて入射側から出射し、p偏光を出射側へ透過させるように配置されている。
【0074】
なお、本実施の形態の反射型偏光分離素子9は、入射s偏光を偏光分離膜11aおよび反射ミラー12で偏光反射させて入射側から出射し、p偏光を出射側へ透過させるように偏光ビームスプリッタ10を配置するようにしたが、これに限るものではなく、偏光ビームスプリッタ10の光軸に対する配置方向により、p偏光を反射し、s偏光を透過させることもできる。
【0075】
また、本実施の形態では、反射型偏光分離素子9として偏光ビームスプリッタ10を用いたが、これに限るものではなく、例えば、図示しないホログラム型反射偏光子を用いてもよい。ホログラム型反射偏光子は、波長選択性位相差板8の実際の空気中への出射面に設けられている必要はなく、波長選択性位相差板8から離間させて配置することもできる。ホログラム型反射偏光子の場合は、ホログラム型反射偏光子を光軸に対して傾けることにより光利用効率と選択分離比とを向上させることができるので、より好ましい。
【0076】
さらに、本実施の形態では、反射型偏光分離手段として偏光ビームスプリッタ10を用いたが、これに限るものではなく、例えば、図示しないワイヤグリッド型偏光子を用いてもよい。ここで、ワイヤグリッド型偏光子とは、例えば、Proflux(商品名:米国Moxtex社)等のように、ガラス等の基板に0.1μm程度のピッチでアルミニウム等の金属がライン形状に設けられた偏光子である。なお、Profluxについては、米国特許第6,243,199号に開示されており、公知の技術であるため説明を省略する。反射型偏光分離手段としてワイヤグリッド型偏光子を用いることにより、極めて薄い反射型偏光分離手段を実現することができる。これによって、波長選択性位相差板8とワイヤグリッド型偏光子の出射側の面との距離を短くすることができるので、混色を生ずることが無く、光利用効率の向上を図ることができる。
【0077】
また、上述した光反射手段7は、光源部1から出射されて開口部6から入射された光が反射型偏光分離素子9に直接入射するまでの光路に干渉しない位置に設けられている。これにより、開口部6から入射された光は、反射手段7によって遮られることなく、反射型偏光分離素子9に入射される。
【0078】
加えて、本実施の形態では、ロッド型光学素子3の入射面側に反射手段7を接触状態で設けたが、反射手段7の位置はこれに限るものではなく、光源部1から出射されて開口部6を透過した光が反射型偏光分離素子9に直接入射するまでの光路に干渉しない位置であって、反射型偏光分離素子9からの反射光の光路上の位置に設けられているものであればよい。
【0079】
このような構成において、ランプ光源4から出射された光は、図1に示すように、偏光手段2によって直線偏光化されて、開口部6を介してロッド型光学素子3に入射される。ロッド型光学素子3に入射された光は、ロッド型光学素子3内で反射を繰り返すことで、強度分布が均一化されて出射される。
【0080】
ロッド型光学素子3から出射された光は、波長選択性位相差板8に入射される。例えば、波長選択性位相差板8Gに入射される光Lのうち、緑の光は偏光方向を変えられることなく波長選択性位相差板8Gを透過し、その他の光は1/2波長位相差が生じる。
【0081】
反射型偏光分離素子9は、反射型偏光分離素子9の透過軸が波長選択性位相差板8の透過軸と等しくなるように配置されているため、位相差を生じることなく波長選択性位相差板8Gを透過した緑の光は、偏光方向を変えられることなく反射型偏光分離素子9を透過して外方へ出射される(図1中LG参照)。
【0082】
なお、本実施の形態では、波長選択性位相差板8Gに対する緑の光について具体的に説明したが、波長選択性位相差板8Bに対する青の光、および、波長選択性位相差板8Rに対する赤の光についても同様である。
【0083】
一方、波長選択性位相差板8Gにより1/2波長の位相差を生じた青と赤の光は、緑の光に対して偏光方向が直交しているため、反射型偏光分離素子9によって反射され、波長選択性位相差板8を透過して、再びロッド型光学素子3に入射される。このとき、青と赤の光は、波長選択性位相差板8を往復で透過するため、偏光面が180°偏光され入射光と同じ偏光方向の光として再度ロッド型光学素子3に入射される(図1中LR,LB参照)。以降、反射型偏光分離素子9によって反射されて、再度ロッド型光学素子3に入射された光を戻り光L’とする。
【0084】
なお、本実施の形態では、波長選択性位相差板8Gが緑の光を透過し青、赤の光を反射する場合について具体的に説明したが、波長選択性位相差板8Bが青の光を透過し緑、赤の光を反射する場合、および、波長選択性位相差板8Rが赤の光を透過し青、緑の光を反射する場合も同様である。
【0085】
戻り光L’のうち光反射手段7に入射された戻り光L’は、光反射手段7によって反射されて、再度波長選択性位相差板8に入射される。
【0086】
ここで、戻り光L’が、波長選択性位相差板8Rに入射した場合、赤と青の光のうち赤の光は位相差を生じることなく波長選択性位相差板8Rおよび反射型偏光分離素子9を透過して外方へ出射される(図1中LR参照)。
【0087】
これによって、波長選択性位相差板8と反射型偏光分離素子9とを組み合わせることで、直線偏光に対して、ダイクロイックミラーと同様の作用を行わせることができ、光源部1から出射されて直接波長選択性位相差板8に入射された光のうち、使用されなかった光を戻り光L’としてロッド型光学素子3内を往復させ、再度波長選択性位相差板8に入射させることで、光を再利用することができるので、光利用効率の向上を図ることができる。
【0088】
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。なお、第一の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。以下、同様とする。
【0089】
本実施の形態の波長選択性位相差板8は、第一の実施の形態の波長選択性位相差板8の作用を反転させた性質を有しており、青の光に対しては1/2波長板として作用し緑と赤に対して位相差を生じない波長選択性位相差板8Bと、緑の光に対しては1/2波長板として作用し青と赤に対して位相差を生じない波長選択性位相差板8Gと、赤の光に対しては1/2波長板として作用し青と緑に対して位相差を生じない波長選択性位相差板8Bとによって複数の領域に分割されている。
【0090】
反射型偏光分離素子9は、波長選択性位相差板8が1/2波長板として作用することにより入射光Lの偏光方向に対して直交方向の偏光を透過させるように設けられている。
【0091】
このような構成において、反射型偏光分離素子9から反射された戻り光L’は、ロッド型光学素子3において位相差を生じることなく、再び波長選択性位相差板8に入射される。
【0092】
ところで、波長選択性位相差板8を往復することによって、開口部6から波長選択性位相差板8に直接入射する光Lと波長選択性位相差板8からの戻り光L’とに位相差を生じた場合、直接入射する光Lと戻り光L’との偏光状態が一致しなくなるため、直接入射光Lに対する戻り光L’の偏光度が低下してしまうことが懸念される。
【0093】
本実施の形態では、直接入射光Lと戻り光L’との偏光状態が一致しているため、偏光度による混色の発生を防止して、より高い偏光度を維持することができる。これによって、より色純度の高い照明光を得ることができる。
【0094】
次に、本発明の第三の実施の形態について図3を参照して説明する。本実施の形態は、照明装置への適用例を示す。
【0095】
図3は、本実施の形態の照明装置を概略的に示すブロック図である。本実施の形態の照明装置Bのロッド型光学素子3の入射面側には、光反射手段7に加えて、光反射手段7よりも出射側に位相差調整手段としての位相差調整用位相差板13が設けられている。位相差調整用位相差板13は、反射型偏光分離素子9で反射された戻り光が光反射手段7に入射するまでの光路中であり、光源部1から開口部6を介して直接反射型偏光分離素子9に入射される光Lの光路ではない位置に設けられている。位相差調整用位相差板13は、波長選択性位相差板8の遅相軸に対してほぼ直交する方向に遅相軸を有し、波長選択性位相差板8と略等しい位相差を有している。位相差調整用位相差板13の位相差は、波長選択性位相差板8に対して、80%〜120%の位相差を有していることが好ましい。
【0096】
なお、本実施の形態の位相差調整用位相差板13は、λ/2の位相差を有している。
【0097】
このような構成において、反射型偏光分離素子9で反射された戻り光は、波長選択性位相差板8を往復することによりλの位相差が生じた状態で位相差調整用位相差板13に入射される。位相差調整用位相差板13に入射された戻り光は、位相差調整用位相差板13を透過して反射手段で反射され、再び位相差調整用位相差板13を透過して波長選択性位相差板8に入射される。
【0098】
本実施の形態の位相差調整用位相差板13は、λ/2の位相差を有しているため、位相差調整用位相差板13を往復した光は、位相差調整用位相差板13に入射する前後でλの位相差を生じる。
【0099】
これにより、波長選択性位相差板8を往復することにより生じる偏光の位相差が、位相差調整用位相差板13を往復することにより生じる位相差によってキャンセルされるので、波長選択性位相差板8を往復することにより生じる偏光の位相差を光学的に補償することとができる。
【0100】
これによって、戻り光が再度波長選択性位相差板8に入射する際の偏光度を上げることができるので、光利用効率の向上を図るとともに、高い色純度の照明光を得ることができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、第一の実施の形態の照明装置Aに対して位相差調整用位相差板13を設けるようにしたが、これに限るものではなく、第二の実施の形態の照明装置Bに位相差調整用位相差板13を設けてもよい。これによって、例えば、波長選択性位相差板8の性能が不完全であった場合等に、この不完全さに起因して戻り光に位相差が生じた場合にもこれをキャンセルすることが可能となるため、同様の作用を得ることができ、より高い色純度の照明光および高い色純度の表示装置を得ることができる。
【0102】
次に、本発明の第四の実施の形態について図4を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0103】
図4は、本実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。本発明の第四の実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクタ20は、照明装置Cと、リレーレンズ21と、被照射体としての反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、レンズとしての投射レンズ24と、を備えている。波長選択性位相差板8と反射型液晶表示パネル22とは、リレーレンズ21により光学的に共役の関係におかれている。
【0104】
公知の技術であるため説明を省略するが、反射型液晶表示パネル22は、二次元的に配列された複数の液晶素子(画像表示素子)によって構成されており、図示しない表示制御装置によって駆動制御される。表示制御装置は、照明装置Cから出射される光の色と照射位置とに応じた画像データを表示するように、複数の液晶素子に対して選択的に電圧を印加する。
【0105】
また、同様に、公知の技術であるため説明を省略するが、液晶素子の駆動方法は、液晶素子に対して直接制御電圧を印加するようにしてもよいし、トランジスタなどのアクティブ素子を液晶素子に直結してこのアクティブ素子を介して液晶素子を駆動するようにしてもよい。
【0106】
偏光ビームスプリッタ23は、照明装置Cから出射される特定方向の偏光を反射型液晶表示パネル22方向へ向けて偏光反射するとともに、反射型液晶表示パネル22から反射された光を透過させる偏光分離膜23aを有している。
【0107】
照明装置Cは、図1に示す照明装置Aに加えて、光源部1と偏光手段2との間に設けられて、光源部1から出射された光に対してλ/4の位相差を生じさせるλ/4波長板25を備えている。偏光手段2に対しては、λ/4波長板25によりλ/4の位相差が生じた光が入射される。
【0108】
図4中、26は、投射レンズ24を透過した光が結像されるスクリーンである。
【0109】
このような構成において、照明装置Cから出射された光は、偏光ビームスプリッタ23の作用により反射型液晶表示パネル22方向へ向けて偏光反射される。
【0110】
反射型液晶表示パネル22に入射された光は、反射型液晶表示パネル22によって反射され、偏光ビームスプリッタ23を透過し、投射レンズ24を介してスクリーン26に向けて照射される。このとき、反射型液晶表示パネル22は、表示制御装置によって、照明装置Cから出射される光の色と照射位置とに応じた画像データを表示するように駆動制御されているため、スクリーン26上には、反射型液晶表示パネル22に表示された画像が照明装置Cから出射される光の色で表示される。
【0111】
これによって、照明装置Cを用いることにより、色分離特性の高い光をスクリーン26を投射することができるため、鮮明な画像を表示することができる。
【0112】
なお、本実施の形態では、照明装置Cを用いたが、これに限るものではなく、第一の実施の形態の照明装置Aや第三の実施の形態の照明装置Bのように位相差を調整する機能ないし手段を有する照明装置(図3参照)を用いてもよい。
【0113】
次に、本発明の第五の実施の形態について図5ないし図7を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0114】
図5は、本実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクタ30は、照明装置Dと、リレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、を備えている。
【0115】
照明装置Dは、図1に示す照明装置Aに加えて、光源部1と偏光手段2との間に設けられて、光源部1から出射された光に対してλ/4の位相差を生じさせるλ/4波長板25を備えている。偏光手段2に対しては、λ/4波長板25によりλ/4の位相差が生じた光が入射される。
【0116】
また、照明装置Dは、ロッド型光学素子3の出射側の面に設けられて、各波長選択性位相差板31R,31G,31Bが、図6に示すように、R,B,Gの繰り返し単位で光軸に直交する方向に沿ってストライプ状に配列された分割パターンを有する波長選択性位相差手段としての波長選択性位相差板31を備えている。この波長選択性位相差板31は、各波長選択性位相差板31R,31G,31Bの繰り返し方向(図5中矢印X方向)に沿って、ロッド型光学素子3および反射型偏光分離素子9に対して往復動自在に設けられている(図7参照)。
【0117】
さらに、照明装置Dは、波長選択性位相差板31を図5中矢印X方向に変位させる変位手段32を備えている。変位手段32としては、例えば、電圧を印加することにより変位を発生させるピエゾ素子のように、波長選択性位相差板31を電気的に往復動させる手段ないし機構を用いることができる。また、別に、変位手段32としては、波長選択性位相差板31を機械的に往復動させる手段ないし機構を用いることもできる。なお、波長選択性位相差板31を往復動させる手段ないし機構については、公知の技術を用いて容易に実現することができるためここでは説明を省略する。
【0118】
本実施の形態においても反射型液晶表示パネル22を駆動制御する図示しない表示制御装置は、照明装置Dから出射される光の色と照射位置とに応じた画像データを表示するように、複数の液晶素子に対して選択的に電圧を印加するが、表示制御装置および変位手段32は、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示領域および表示タイミングと、図7(a)〜(c)に示すように反射型液晶表示パネル22の照射パターンおよび切り替えタイミングとを同期させるように動作する。
【0119】
このような構成において、スクリーン26への画像投射に際して照明装置Dから出射される光によりある時間において図7(a)に示す照射パターンAで照射される反射型液晶表示パネル22は、変位手段32によって波長選択性位相差板31が往復動されることにより、別の時間では図7(b)または図7(c)に示す照射パターンB,Cで照射される。図7(a)〜(c)に示す照射パターンA,B,Cでは、波長選択性位相差板31Rを透過した光によって照射される領域22Rと、波長選択性位相差板31Gを透過した光によって照射される領域22Gと、波長選択性位相差板31Bを透過した光によって照射される領域22Bと、がRBGの繰り返し単位に準じたストライプ状に配列されている。
【0120】
反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示領域および表示タイミングと、図7(a)〜(c)に示すように反射型液晶表示パネル22を照射する照射パターンA,B,Cおよび切り替えタイミングとを同期させることで、スクリーン26上に鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0121】
なお、本実施の形態では、波長選択性位相差板31を矢印X方向に往復動させることにより反射型液晶表示パネル22を照射する照射パターンA,B,Cを切り替えるようにしたが、照射パターンの切り替え方法はこれに限るものではなく、例えば、図8(a)に示すように、波長選択性位相差板31R,31G,31Bに相当する領域R,G,Bを円盤上に放射状にパターン形成したり、図8(b)に示すように、波長選択性位相差板31R,31G,31Bに相当する領域R,G,Bを円盤上に渦巻き状にパターン形成したりした波長選択性位相差板33,34を回転させることによっても実現することが可能である。照明装置Dから出射された光は、図8中Sで示す領域内を照射する。なお、これらのカラースクロール方式については、公知の技術であるため説明を省略する。
【0122】
次に、本発明の第六の実施の形態について図9を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0123】
図9は、本実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクタ40は、照明装置Cと、リレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、を備えている。
【0124】
反射型液晶表示パネル22は、偏光ビームスプリッタ23側から照射される光の光軸に対して直交する方向(図9中矢印Y方向)に往復動自在に設けられている。
【0125】
プロジェクタ40は、反射型液晶表示パネル22を矢印Y方向に変位させる変位手段41を備えている。変位手段41としては、第五の実施の形態の変位手段32と同様の各種手段ないし機構を用いることができる。
【0126】
本実施の形態においても反射型液晶表示パネル22を駆動制御する図示しない表示制御装置は、照明装置Cから出射される光の色と照射位置とに応じた画像データを表示するように、複数の液晶素子に対して選択的に電圧を印加する。
【0127】
表示制御装置および変位手段41は、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示領域および表示タイミングと、反射型液晶表示パネル22の照射パターンおよび切り替えタイミングとを同期させるように動作する。
【0128】
このような構成において、スクリーン26への画像投射に際して、照明装置Cから光を出射するとともに、変位手段41によって反射型液晶表示パネル22を矢印Y方向にタイミングを同期させて往復動させることにより、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示領域および表示タイミングと、反射型液晶表示パネル22を照射する照射パターンおよび切り替えタイミングとが同期されて、スクリーン26上に鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0129】
次に、本発明の第七の実施の形態について図10を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0130】
図10は、本実施の形態のプロジェクタを示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクタ50は、照明装置Cと、中間光学素子としてのリレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、を備えている。
【0131】
リレーレンズ21は、波長選択性位相差板8と反射型液晶表示パネル22との間で、照明装置Cから出射される光の光軸方向に直交する方向(図10中矢印Z方向)に往復動自在に設けられており、変位手段51によって矢印Z方向に往復動される。
【0132】
変位手段51は、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示位置と、照明装置Cから出射された各色の光の反射型液晶表示パネル22に対する照射位置とのタイミングを同期させるように、リレーレンズ21を往復動させる。
【0133】
このような構成において、スクリーン26への画像投射に際して、照明装置Cから光を出射するとともに、変位手段51によってリレーレンズ21を矢印Z方向にタイミングを同期させて往復動させることにより、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示位置と、照明装置Cから出射された各色の光の反射型液晶表示パネル22に対する照射位置とが同期されて、スクリーン26上に鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0134】
次に、本発明の第八の実施の形態について図11および図12を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0135】
図11は、本実施の形態のプロジェクタを示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクタ60は、照明装置Cと、リレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、に加えて、変位手段としての結像位置変位機構61を備えている。
【0136】
結像位置変位機構61は、図12に示すように、照明装置Cから出射された光が入射する位置に設けられた平行平板62と、この平行平板62の光透過面62aの光軸に対する傾斜角を調整する図示しない角度調整手段とを備えている。平行平板62は、図示しない支点を回動中心として、矢印W方向に回動自在に設けられている。本実施の形態では、平行平板62が、照明装置Cと反射型液晶表示パネル22との間に設けられた光学素子を実現している。
【0137】
なお、本実施の形態では、照明装置Cとリレーレンズ21との間に変位手段としての結像位置変位機構61を設けるようにしたが、これに限るものではなく、変位手段は、照明装置Cと反射型液晶表示パネル22との間に設けられていればよい。
【0138】
角度調整手段は、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示位置と、照明装置Cから出射された各色の光の反射型液晶表示パネル22に対する照射位置とのタイミングを同期させるように平行平板62を回転させ、光軸に対する平行平板62の傾斜角を調整する。
【0139】
このような構成において、スクリーン26への画像投射に際して、照明装置Cから光を出射するとともに、角度調整手段によって平行平板62を矢印W方向にタイミングを同期させて回動させて反射型液晶表示パネル22における結像位置を変化させることにより、反射型液晶表示パネル22における各色の光に応じた画像の表示位置と、照明装置Cから出射された各色の光の反射型液晶表示パネル22に対する照射位置とが同期されて、スクリーン26上に鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0140】
なお、本実施の形態では、平行平板62と、この平行平板62の傾斜角を変化させる角度調整手段とによって構成される結像位置変位機構61を変位手段としたが、これに限るものではなく、例えば、図示しないミラーを用いて傾斜角を調整しながら光路を折り返すことにより反射型液晶表示パネル22における結像位置を変化させたり、ホログラムのような回折光学素子を傾斜させることにより反射型液晶表示パネル22における結像位置を変化させたりすることもできる。いずれの場合にも、変位手段は、照明装置Cと反射型液晶表示パネル22との間に設けられていればよい。
【0141】
次に、本発明の第九の実施の形態について図13を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0142】
本実施の形態のプロジェクタは、図11に示すプロジェクタ60と同様であるため特に全体図を図示しないが、照明装置Cと、リレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、に加えて、照明装置Cと反射型液晶表示パネル22との間に設けられた変位手段としての光路シフト部材71を備えている。
【0143】
光路シフト部材71は、図13に示すように、入射偏光の偏光面を90°変調可能な液晶素子72A,72B,72Cと、矢印V方向に主光軸を有する一軸性の光学結晶73A,73Bとを備えている。液晶素子72A,72B,72Cは、図示しない制御回路によって駆動制御され、電圧が印加されることによって入射偏光の偏光面を90°変調させる。
【0144】
本実施の形態の光路シフト部材71は、一対の液晶素子72A(または72B)と光学結晶73A(または73B)とからなる2組の光路シフトデバイス74を組み合わせることによって構成されており、以下に説明する3通りの光路の選択が可能となる。
【0145】
液晶素子72A,72B,72Cに電圧が印加されていない状態で、照明装置Cから出射されて光路シフト部材71に入射された光は、偏光面の変調および光路シフトのいずれの作用も受けずに光路シフト部材71の外方へ出射される(図13中La参照)。
【0146】
液晶素子72A,72Bに電圧が印加されている状態で、照明装置Cから出射されて光路シフト部材71に入射された光は、液晶素子72Aで偏光面が90°変調されるため、光学結晶73Aで光路シフトを受けて液晶素子72Bに入射される。その後、液晶素子72Bで偏光面が90°変調されて偏光面が紙面表裏方向となるため、光路シフトを受けることなく液晶素子72Cを介して光路シフト部材71の外方へ出射される(図13中Lb参照)。
【0147】
液晶素子72A,72Cに電圧が印加されている状態で、照明装置Cから出射されて光路シフト部材71に入射された光は、液晶素子72Aで偏光面が90°変調されるため、光学結晶73Aで光路シフトを受けて液晶素子72Bに入射される。その後、偏光面は変調されないため光学結晶73Bで光路シフトを受けて、液晶素子72Cを介して光路シフト部材71の外方へ出射される(図13中Lc参照)。
【0148】
このように光路シフト部材71に入射した偏光は、液晶素子72A,72B,72Cによって偏光面を制御することで、光学結晶73A,73Bによる光路シフトが可能となる。
【0149】
本実施の形態では、一対の液晶素子72A(または72B)と光学結晶73A(または73B)とからなる光路シフトデバイス74を2組組み合わせることで3通りの光路の選択が可能となる光路シフト部材71について示したが、これに限るものではなく、例えば、光路シフトデバイス74の組み合わせ数、液晶素子や光学結晶の性質を調整することにより複数通りの光路の選択が可能となる。
【0150】
いずれの場合にも、液晶素子72Cを設けることで、光路シフト部材71から出射される偏光を所望の偏光方向に揃えることができる。
【0151】
なお、光路シフト部材71から出射される偏光を所望の偏光方向に揃えるための液晶素子72Cは、必要に応じて適宜設けられるものである。
【0152】
このような光路シフト部材71を用いることにより、入射光の光路を電気光学的に制御することが可能になるため、機械的に光学素子を動作させることで光路をシフトさせる場合と比較して、プロジェクタから発せられる騒音を低減することができる。
【0153】
また、光路シフト部材71は、一対の液晶素子72A(または72B)と光学結晶73A(または73B)とからなる光路シフトデバイス74を複数積層することで作製することができるため、公知の技術により容易に製造することができる。
【0154】
光路シフト部材71の製造に際しては、領域毎に作製した光路シフトデバイス74を繋ぎ合わせることで領域分割した光路シフト部材71を作製したり、液晶素子や光学素子を領域毎に積層して光路シフト部材71を作製したり、等方性基板上にパターン状に貼り付けた位相差板を積層して光路シフト部材71を作製したりする等、公知の技術を用いて比較的簡便に作製することができる。このため、干渉膜をパターン形成する場合と比べて、光路シフト部材71を低コストで製造することができる。
【0155】
なお、いずれの場合にも、光路シフト部材71の領域分割数の上限は、原理上、反射型液晶表示パネル22の画素数が上限となる。また、利用する各色の光に対応する領域を一つずつ備える「組」が、照射領域内に少なくとも一組以上存在することが好ましい。また、1色の照明領域の幅は画像表示素子の画素ピッチの倍数であることが好ましい。
【0156】
次に、本発明の第十の実施の形態について図14および図15を参照して説明する。本実施の形態は、表示装置としてプロジェクタへの適用例を示す。
【0157】
本実施の形態のプロジェクタは、図11に示すプロジェクタ60と同様であるため特に全体図を図示しないが、照明装置Cと、リレーレンズ21と、反射型液晶表示パネル22と、偏光ビームスプリッタ23と、投射レンズ24と、に加えて、照明装置Cと反射型液晶表示パネル22との間に設けられた分割パターン変更手段としての波長選択部材81を備えている。
【0158】
波長選択部材81は、図14に示すように、赤、緑、青の光に対してそれぞれ作用する位相差板としての波長選択性位相差板82R,82G,82Bと、入射する偏光の偏光面を変調するための液晶パネル83R,83G,83Bとを備えている。
【0159】
本実施の形態の波長選択性位相差板82R,82G,82Bは、特定波長域の光に対して位相差を生ずるように偏光方向を制御する。
【0160】
各液晶パネル83R,83G,83Bは、対をなす透光性基板84とその間に充填される液晶材料85とから構成される複数の液晶素子が二次元的に配列されて設けられており、透光性基板84には、領域分割パターンに応じたパターンで電極86が設けられている。各液晶パネル83R,83G,83Bは、電極86に対する電圧の印加の有無、印加される電圧の大きさや極性等によって、入射された直線偏光の偏光面を変調する。本実施の形態では、電圧が印加された電極に対向する液晶材料85を90°回転させるようにした。
【0161】
電極の分割数は、上述したように利用する色数が下限であり、反射型液晶表示素子画像表示素子の画素数が上限となる。また、1色の照明領域の幅は画像表示素子の画素ピッチの倍数であることが好ましい。
【0162】
なお、電極86の領域分割パターンは、本実施の形態のようにストライプ状であってもよいし、上下電極の組み合わせにより、マトリクス構造としてもよいし、それ以外のパターンであってもよい。また、電極86はパターン化されているものに限定されるものではない。
【0163】
ここで、図15は、波長選択部材81の動作を説明するために、波長選択性位相差板82Bおよび液晶パネル83Bによって構成される青色に対応する波長選択部材81’を示す説明図である。図15からも判るように、電極86に対して選択的に電圧を印加した状態で照明装置Cから出射された光が入射されると、入射された光は選択された電極86以外の部分を透過して、波長選択性位相差板82Bに入射される。波長選択性位相差板82Bに入射された光のうち、波長選択性位相差板82Bの波長特性に応じた波長範囲の光は、波長選択性位相差板82Bによって偏光面が90°回転される。
【0164】
これによって、光を透過させる領域に応じて電圧を印加する液晶パネル83R,83G,83Bおよび電極86を選択することで、照明光の領域分割パターンを変化させることができ、領域分割パターンの切り替えを迅速に行うとともに、領域分割パターンの切り替えに起因する騒音の発生を抑制することができる。ここに、変位手段としての機能が実行される。
【0165】
本実施の形態の波長選択部材81のように、利用する光に応じた波長選択部材81’を必要分積層した場合にも、領域分割パターンの切り替えを迅速に行うとともに、領域分割パターンの切り替えに起因する騒音の発生を抑制することができる。
【0166】
なお、波長選択部材81は、特表2000−510961に開示された技術を用いて容易に実現することが可能である。特表2000−510961に開示された技術は、既に商品化されて市場に出回っているカラースイッチ(商品名:米国カラーリンク社)として公知の技術であるため、ここでは説明を省略する。特表2000−510961に開示された技術によれば、領域分割パターンに準じて形成された電極を有さないため、本実施の形態の波長選択部材81は、特表2000−510961に開示された技術を参照して領域分割パターンに応じた電極86を形成することで容易に実現することができる。
【0167】
加えて、特に図示しないが、目的で電極86間に相当する部分に遮光構造を設けることで電極86間の漏れ光を防いだり、デフォーカスの配置としたり光学素子を波長選択性位相差板と画像表示素子の間に設けたりすることで電極86間が液晶表示素子パネル83R,83G,83Bの照明光に影響することを防いだりすることもできる。
【0168】
【実施例】
次に、本発明の照明装置および表示装置が奏する効果について実施例を参照して説明する。
【0169】
まず、実施例1について説明する。実施例1では、図4に示すプロジェクタ20と同様の構成を有する表示装置に適用した。光源部1は、アーク長約1.2mmで120Wの高圧水銀ランプと、開口部が50mmの角形とされ焦点距離が7mmに設定された集光光学系としての楕円形状リフレクタとによって構成されている。
【0170】
ロッド型光学素子3は、断面積13.7×18.3mm2、長さ100mmのガラス製のロッドレンズを用いた。このロッドレンズの入射面側には、1.5×2mm2の矩形状の開口部6が設けられており、この開口部6が楕円リフレクタの焦点から1mmの位置に位置付けられるようにロッドレンズを配置した。
【0171】
ロッドレンズの入射側の面の開口部6以外の位置には、アルミニウムを蒸着することによって形成された光反射手段7としての反射板が設けられている。
【0172】
ロッドレンズの出射側の面には、位相差板を積層して構成した波長選択性位相差板8が配置されている。リレーレンズ21はf=50mm,F4の対称型マクロレンズが等倍にレイアウトされたものを用い、反射型液晶表示パネル22は、大きさ13.7mm×18.3mm,画素数768×1024画素の液晶パネルを用いた。
【0173】
本実施例の波長選択性位相差板8は、同位相差板を平行した偏光子に挟んだときに、図16、図17および図18中のA1,A2,A3で示される特性を有する3種の位相差板を用い、垂直方向にストライプ状に各特性の波長選択性位相差板8が順次配列するよう構成した。同位相差板のピッチは反射型液晶表示パネル22の128画素に相当する2.28mmに設定されている。
【0174】
波長選択性位相差板8より出射側には、アルミニウム蒸着とエッチングによって作製された反射型偏光分離素子としてのグリッド偏光子が設けられている。グリッド偏光子は、アルミニウム側(金属面側)が空気側となるようにして密着されている。
【0175】
光源部1とロッドレンズとの間には、グリッド偏光子と、1/4波長板25とを設け、紙面に対して垂直な直線偏光がロッドレンズに入射するように構成した。
【0176】
特に図示しないが、本実施例1の表示装置によれば、反射型液晶表示パネル22の上に、R,G,B3色の合計6本の、ストライプ状で紙面垂直方向に偏光した照明光を得ることができた。
【0177】
また、特に図示しないが、本実施例1の表示装置によれば、波長選択性位相差板8を単色の波長選択性位相差板のみで構成した場合、および、同様の分光特性を有する単色のダイクロイックフィルターを用いた場合と比較して、1.3倍の照度を得ることができた。
【0178】
次に、実施例2について説明する。実施例2では、光反射手段7としての反射ミラーとロッドレンズとの間に、石英製の1/2波長板が、遅相軸が波長選択性位相差板8の遅相軸と直交するようにして配置され、その他は実施例1の表示装置と同様の構成を有する表示装置に適用した。
【0179】
本実施例2の表示装置によれば、各々単色の波長選択性位相差板のみで構成した場合および同様の分光特性を有する単色のダイクロイックフィルターを代わりに用いた場合と比較して、1.4倍の照度を得ることができ、より高い光利用効率が得られた。また、実施例1と比較しても、より高い色純度の照明光を得ることができた。
【0180】
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3は、実施例1の表示装置において、入射偏光を図3において上下方向とし、波長選択性位相差板8は同位相差板を直交した偏光子に挟んだときに図16、図17および図18中のA1,A2,A3で示される特性を有する3種の位相差板を用いた。
【0181】
本実施例3のプロジェクタによれば、反射型液晶表示パネル22上に、R,G,Bの3色の合計6本の、ストライプ状で紙面垂直方向に偏光した照明光を得ることができた。
【0182】
また、照度は、各々単色の波長選択性位相差板のみで構成した場合および同様の分光特性を有する単色のダイクロイックフィルターを代わりに用いた場合と比較して、1.5倍の照度を得ることができ、光利用効率がさらに向上されていることが判る。加えて、本実施例3の表示装置によれば、実施例1、2と比較しても、より高い色純度の照明光を得ることができた。
【0183】
次に、実施例4、5および6について説明する。実施例4、5および6は、図5に示すプロジェクタ30において、実施例1、2または3における波長選択性位相差板8をアクチュエーターに連結し、このアクチュエーターを動作させることで3ピッチに相当する距離だけ移動させるよう構成した。なお、このときの往復の周期は60Hzとし、反射型液晶表示パネル22の各画素を照明されている色光に対応する画像データが該位相差板の動作に応じて順次更新されるように制御した。
【0184】
特に図示しないが、本実施例4、5および6の表示装置によれば、液晶表示素子の全画素領域を赤、緑、青の帯状光で順次照明する際に、良好な多色表示を行うことができた。
【0185】
また、特に図示しないが、本実施例4、5および6の表示装置によれば、カラーホイールによって表示領域の全域に亘って照明光を順次切り替える方式と比較して、実施例4の構成では1.3倍、実施例5の構成では1.4倍、実施例6の構成では1.5倍の投射光の輝度を得ることができた。
【0186】
次に、実施例7について説明する。実施例7は、実施例3において、図8(b)に示すような円盤状の波長選択性位相差板を用いて、この波長選択性位相差板を回転させて各色に対応する波長特性を有する3つの領域が、同時に反射型液晶表示パネル22を照明するように制御するようにした。このとき、1色に対する照明領域を60Hzで繰り返すように制御した。その他は、実施例5と同様にプロジェクタを動作させた。
【0187】
特に図示しないが、本実施例7によれば、良好な多色表示を行うことができ、カラーホイールによって表示領域の全域に亘って照明光を順次切り替える方式と比較して、1.5倍の投射光の輝度を得ることができた。
【0188】
次に、実施例8について説明する。実施例8は、図9に示すプロジェクタに適用し、波長選択性位相差板8のピッチを1.14mmで構成するとともに、アクチュエーターに連結された反射型液晶表示パネル22を、アクチュエーターによって3.42mmの振幅で水平方向に動作させ、その他は実施例3と同様とした。なお、反射型液晶表示パネル22の各画素は照明されている色光に対応する画像データが反射型液晶表示パネル22の動作に応じて順次更新されるよう構成した。
【0189】
特に図示しないが、本実施例7の表示装置によれば、液晶表示素子の全画素領域を赤、緑、青の帯状光で順次照明する際に、良好な多色表示を行うことができた。また、本実施例4、5および6によれば、カラーホイールによって表示領域の全域に亘って照明光を順次切り替える方式と比較して、実施例4の構成では1.3倍、実施例5の構成では1.4倍、実施例6の構成では1.5倍の投射光の輝度を得ることができた。
【0190】
次に、本発明の実施例9について説明する。実施例9では、実施例3において、波長選択性位相差板8のピッチを1.14mmで構成するとともに、リレーレンズ21を光軸に垂直で画像表示素子に走査線の方向に3.42mmの振幅でアクチュエーターにより往復動させた。
【0191】
特に図示しないが、本実施例9の表示装置によれば、実施例8と同様に良好な光利用効率を得ることができた。
【0192】
次に、本発明の実施例10について説明する。実施例10は、実施例3の表示装置における波長選択性位相差板8のピッチを1.14mmで構成するとともに、リレーレンズ21とワイヤグリッド偏光子との間に厚さ27mm、屈折率1.52のガラス製の平行平板62を挿入し、この平行平板62を角度調整手段によって約10°の角度範囲で回転するように制御した。加えて、反射型液晶表示パネル22の各画素が、照明されている色光に対応する画像データが該位相差板の動作に応じて順次更新されるように制御した。
【0193】
このような構成および動作によって、反射型液晶表示パネル22の全画素領域が赤、緑、青の帯状光で順次照明される。
【0194】
特に図示しないが、本実施例10の表示装置によれば、良好な多色表示が行えた。また、このときの投射光の輝度は、カラーホイールによって順次照明光を全域に渡って切り替える方式に比べて1.5倍の輝度が得られた。
【0195】
次に、本発明の実施例11について説明する。実施例11は、実施例3に示す光路変調手段を作製した。液晶素子には1/2波長板として作用する強誘電性液晶素子を用い、複屈折板には水晶を光軸に対して45°傾斜するよう切り出したものを用いた。この素子を実施例10における平行平板62の位置に設け、液晶素子を動作させることで図3のような光路変調を行った。この素子においても実施例10と同様の高い照明効率が得られた。加えて、本実施例11によれば、騒音が良好に抑制された。
【0196】
次に、本発明の実施例12について図19を参照して説明する。実施例12は、実施例3の表示装置における波長選択性位相差板81と同様の電気的に制御可能な波長選択性位相差板90を用いた。液晶素子には、各色に対して1/2波長板として作用する強誘電性液晶91R,91G,91Bを用いた。各液晶91R,91G,91Bには、ピッチ2.28mmのストライプ状電極94が形成されている。位相差板には、図16、図17および図18中のA1,A2,A3で示される特性を有する位相差板92R,92G,92Bを用いた。
【0197】
このような波長選択性位相差板90の各液晶91R,91G,91Bに印加する電圧を制御することで、縞状の照明光を得るようにした。このとき、図19のt1,t2,t3で示す照明光配置を1周期として、この周期を60Hzで繰り返した。
【0198】
特に図示しないが、本実施例12の表示装置によれば、実施例6の表示装置と同様の高い照明効率が得られ、加えて、騒音のない静寂性の良好な表示装置を得ることができた。
【0199】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の照明装置によれば、光源部から出射されて開口部を介してロッド型光学素子に入射された偏光のうち、各選択波長領域の波長選択性に応じて位相差を生じて波長選択性位相差手段を透過した特定波長の光を、ロッド型光学素子の出射面側から光量を均一化して出射し、該特定波長以外の波長の光を反射型偏光分離手段によって入射面側に反射して光反射手段によって再びロッド型光学素子の出射面側へ反射することにより、特定波長域以外の波長域の光を再度波長選択性位相差手段に入射させることが可能になるので、光利用効率の向上を図ることができる。
【0200】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、波長選択性位相差手段の作用によって1/2波長の位相差を生じた波長域の偏光を反射型偏光分離手段を透過させることにより、反射型偏光分離手段や波長選択性位相差手段から入射側へ向けて反射される光の偏光度を高く保つことが可能になるので、光利用効率の向上を図るとともに色分離特性の向上を図ることができる。
【0201】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の照明装置において、開口部を透過して反射型偏光分離手段に向かう光と、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射した光との位相差を、位相差調整手段によって低減することにより、反射型偏光分離手段や波長選択性位相差手段から入射側へ向けて反射される光の偏光度を高く保つことが可能になるので、光利用効率の向上を図るとともに色分離特性の向上を図ることができる。
【0202】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の照明装置において、開口部を透過して反射型偏光分離手段に向かう光と、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射した光との位相差を位相差調整手段によってキャンセルして、反射型偏光分離手段や波長選択性位相差手段から入射側へ向けて反射される光の偏光度をより高く保つことが可能になるので、光利用効率の向上を図るとともに色分離特性の向上をより効果的に図ることができる。
【0203】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2、3または4記載の照明装置において、波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した光の被照射体上での結像位置を、変位手段によって変位させることにより、請求項1、2、3または4記載の発明の作用を有する光のカラースクロール方式の照明装置を実現することが可能になるので、例えば、請求項14に示すように、照明装置から出射される光が照射される被照射体の画像表示用素子等と組合せた場合に、各色の光が照射する画素をずらす画素シフトを簡単に行わせることができる。
【0204】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の照明装置において、変位手段によって、被照射体に対して波長選択性位相差手段を変位させることによって被照射体に対する各光の照射位置を変位させることにより、実用上、簡易な構成でカラースクロール方式の照明装置を実現することが可能になる。
【0205】
請求項7記載の発明によれば、請求項5記載の照明装置において、変位手段によって、波長選択性位相差手段に対して被照射体を変位させることによって被照射体に対する各光の照射位置を変位させることにより、実用上、簡易な構成でカラースクロール方式の照明装置を実現することができる。
【0206】
請求項8記載の発明によれば、請求項5記載の照明装置において、変位手段によって、波長選択性位相差板および被照射体に対して中間光学素子を変位させることによって被照射体に対する各光の照射位置を変位させることにより、実用上、簡易な構成でカラースクロール方式の照明装置を実現することができる。
【0207】
請求項9記載の発明によれば、請求項5記載の照明装置において、変位手段によって、電気光学素子に電圧を印加することによって電気光学素子に入射された光の光路を電気的にシフトさせることにより、実用上、簡易な構成でカラースクロール方式の照明装置を実現するとともに、機械的な可動部を介することなく電気光学素子に入射された光の光路をシフトさせることができるので静寂性に優れた照明装置を提供することができる。
【0208】
請求項10記載の発明によれば、請求項5記載の照明装置において、波長選択性位相差手段における各選択波長領域の分割パターンを変更することで被照射体に対する各光の照射位置が変位させることにより、実用上、簡易な構成でカラースクロール方式の照明装置を実現することができる。
【0209】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の照明装置において、液晶パネルを構成する各液晶素子の電極に対して選択的に電圧を印加して、電圧が印加された液晶素子の偏光面を変調させることで、液晶パネルに入射された光の分割パターンを偏光することが可能になるので、静寂性に優れた照明装置を提供することができる。
【0210】
請求項12記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれか一に記載の照明装置において、光源部から出射された偏光を、集光光学系によって開口部に集光させて、ロッド型光学素子に入射させることにより、例えば、光源部としてランプ光源等の比較的大きな光源を用いた場合にも、光利用効率の向上を図ることができる。
【0211】
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし12のいずれか一に記載の照明装置において、薄型の偏光子であるワイヤグリッド型光学素子を反射型偏光分離手段として用いることにより、波長選択性位相差手段と反射型偏光分離手段との距離を短くすることが可能になるので、照明装置の小型化を図るとともに、混色の発生を低減して色分離特性の向上を図ることができる。
【0212】
請求項14記載の発明の表示装置によれば、請求項1ないし13のいずれか一に記載の発明の効果を奏する光利用効率の高い表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の照明装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】偏光ビームスプリッタを示す側面図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態の照明装置を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の第四の実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明の第五の実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。
【図6】波長選択性位相差板を示す正面図である。
【図7】反射型液晶表示素子の照射パターンを示す正面図である。
【図8】別の波長選択性位相差板を示す正面図である。
【図9】本発明の第六の実施の形態のプロジェクタを概略的に示すブロック図である。
【図10】本発明の第七の実施の形態のプロジェクタを示すブロック図である。
【図11】本発明の第八の実施の形態のプロジェクタを示すブロック図である。
【図12】結像位置変位機構を示す側面図である。
【図13】本発明の第九の実施の形態の光路シフト部材を示す側面図である。
【図14】本発明の第十の実施の形態の波長選択性位相差板を示す側面図である。
【図15】その一部を示す斜視図である。
【図16】位相差板の光学特性を示す特性図である。
【図17】別の位相差板の光学特性を示す特性図である。
【図18】別の位相差板の光学特性を示す特性図である。
【図19】本発明の実施例の波長選択性位相差板を示す側面図である。
【図20】従来の3板式の表示装置を例示するブロック図である。
【図21】従来の表示装置を示す側面図である。
【図22】従来の別の表示装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1 光源部
3 ロッド型光学素子
5 集光光学系
6 開口部
7 光反射手段
8 波長選択性位相差手段
9 反射型偏光分離手段
13 位相差調整手段
20 表示装置
30 表示装置
32 変位手段
31 波長選択性位相差手段
40 表示装置
41 変位手段
51 変位手段
60 表示装置
61 変位手段
71 変位手段
81 分割パターン変更手段
82R,82G,82B 位相差板
83R,83G,83B 液晶パネル
A 照明装置
B 照明装置
C 照明装置
D 照明装置
Claims (14)
- 偏光を出射する光源部と、
前記光源部から出射された光量を均一化して出射面から出射するロッド型光学素子と、
前記ロッド型光学素子の入射面側に設けられて前記光源から出射された偏光を透過させる開口部と、
前記ロッド型光学素子の出射面側に設けられて特定波長域の光に対して1/2波長板として作用するとともに別の特定波長領域の光を透過する波長選択性を有する複数の選択波長領域を複数種類の特定波長域に対応付けて備える波長選択性位相差手段と、
前記波長選択性位相差手段の出射面側に設けられて所定方向に偏光する直線偏光を透過させるとともにこの直線偏光に直交する偏光方向の光を入射面側に反射する反射型偏光分離手段と、
前記ロッド型光学素子の入射面側で前記開口部とは異なる位置に設けられて前記反射型偏光分離手段から反射された光を出射面側へ反射する光反射手段と、
を具備する照明装置。 - 前記反射型偏光分離手段は、前記波長選択性位相差手段の作用により1/2波長の位相差が生じた波長域の偏光を前記所定方向に偏光する直線偏光として透過させる請求項1記載の照明装置。
- 前記反射型偏光分離手段からの反射光路上であり前記開口部を透過した光が前記反射型偏光分離手段に到達する光路とは異なる位置に設けられて、前記開口部を透過して前記反射型偏光分離手段に向かう光と、前記波長選択性位相差手段と前記反射型偏光分離手段との界面で入射側に反射された光との位相差を低減する位相差調整手段を具備する請求項1または2記載の照明装置。
- 前記位相差調整手段は、前記波長選択性位相差手段の遅相軸に対して略直交する遅相軸を有して、前記反射型偏光分離手段からの反射光の波長域に対する前記波長選択性位相差手段の位相差と略等しい位相差を有する請求項3記載の照明装置。
- 前記波長選択性位相差手段を透過した光が照射される被照射体に対する前記波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した各光の照射位置を変位させる変位手段を具備する請求項1、2、3または4記載の照明装置。
- 前記変位手段は、前記被照射体に対して前記波長選択性位相差手段を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる請求項5記載の照明装置。
- 前記変位手段は、前記波長選択性位相差手段に対して前記被照射体を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる請求項5記載の照明装置。
- 前記波長選択性位相差板を透過して前記被照射体に照射される光路上に設けられる中間光学素子を具備し、
前記変位手段は、前記波長選択性位相差板および前記被照射体に対して前記中間光学素子を変位させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる請求項5記載の照明装置。 - 前記波長選択性位相差板を透過して前記被照射体に照射される光路上に設けられて電圧の印加により入射された光の光路をシフトさせる電気光学素子を具備し、
前記変位手段は、前記電気光学素子に電圧を印加することにより前記波長選択性位相差手段の各選択波長領域を透過した各光の照射位置を変位させる請求項5記載の照明装置。 - 前記波長選択性位相差手段は各選択波長領域の分割パターンを変更する分割パターン変更手段を具備し、前記変位手段は、前記分割パターン変更手段による各選択波長領域の分割パターンを変更させることにより前記被照射体に対する前記各光の照射位置を変位させる請求項5記載の照明装置。
- 前記分割パターン変更手段は、特定波長域の光に対して位相差を与える位相板と二次元的に配列された複数の液晶素子を備える液晶パネルとを組み合わせることにより構成され、前記変位手段は、各前記液晶素子が備える電極に対して選択的に電圧を印加することで各選択波長領域の分割パターンを変更させる請求項10記載の照明装置。
- 前記光源部から出射された偏光を前記開口部で集光して前記ロッド型光学素子に入射させる集光光学系を具備する請求項1ないし11のいずれか一に記載の照明装置。
- 前記反射型偏光分離手段は、ワイヤグリッド型光学素子である請求項1ないし12のいずれか一に記載の照明装置。
- 請求項1ないし13のいずれか一に記載の照明装置と、
二次元的に配列された複数の画像表示素子を有し、各画像表示素子の光学特性を選択的に変化させることにより前記照明装置から出射される光が照射される光の色に応じた画像情報をこの光が照射される照射領域に形成する被照射体と、
前記被照射体に形成される画像を拡大表示するレンズと、
を具備する表示装置。
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