JP3601576B2 - カラー画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示や撮像のためのシステム、その他の画像処理システム等に適用されるカラー画像表示装置に係り、特に反射方式のカラー画像表示装置において総合的な光利用率を向上させるための改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、屋外公衆用や管制業務用のディスプレイ、またハイビジョン等の高精細映像の表示用ディスプレイ等のように、映像を大画面に表示するための投射型表示装置の要望が高まっている。
その投射型表示装置には大別すると透過方式と反射方式のものがあるが、双方の方式とも、LCD(Liquid Crystal Display)パネルに読出し光を入射させ、映像信号に対応させて画素単位でその入射光を変調する構成が採用されている。
ここに、LCDパネルは、半導体基板に薄膜トランジスタ等のスイッチング素子とそのスイッチング素子によって電位が制御される画素電極を配列形成したアクティブマトリクス基板と、透明基板(ガラス基板等)に被膜形成された共通電極膜と、前記のアクティブマトリクス基板と共通電極膜の間に封止された液晶層からなり、共通電極膜と各画素電極の間の電位差を映像信号に対応させて画素電極毎に変化させ、液晶の配向を制御することで読出し光を変調するものである。
【0003】
透過方式と反射方式の相違は、前者がアクティブマトリクス基板を透明に構成してLCDパネルの透過光を投射光とするのに対し、後者がアクティブマトリクス基板の画素電極を反射電極又は誘電体ミラー膜等を介して液晶の配向を制御するための電極として構成し、LCDパネルでの反射光を投射光とする点にある。
一般に、反射方式は、透過方式と比較して、液晶層にブラックストライプを設ける必要がないために液晶セル部分の開口率が大きく、また読出し光の吸収による発熱が非常に少ないことから、発光出力が大きい読出し光を照射しながらより明るい映像が得られる。
【0004】
ところで、従来から透過式の投射型カラー画像表示装置では、3原色(R,G,B)に対応した3枚の透過型LCDパネルとその各透過光を合成する3色合成光学系を用いてカラー画像を得ていたが、装置が大型化すると共に製造コストも高くなるため、LCDパネルの各色に係る各透明画素電極をストライプ配列、モザイク配列、又はデルタ配列とし、その配列に対応させて各色のフィルタ要素を配列させた単板のカラーフィルタを設けることにより一系統でカラー投射光を得られるようにした装置が提案されている。尚、カラーフィルタの各色に係るフィルタ要素は平面上の異なる位置に隣接配置されているが、微小面積のサブ画素を構成するものであり、隣接したR,G,Bのフィルタ要素からの出射光は各色の混合色となった一画素として視覚される。
しかし、その構成による装置では、LCDパネルを透過してカラーフィルタに入射した読出し光(白色光)の内、カラーフィルタを透過する光は3原色の内の1色のみであり、他の2色の色成分は利用されないことになる。また、カラーフィルタ自体の透過率も低く、更に前記のように透過式のLCDパネルではストライプが施されているために表示装置の総合的な光利用率は非常に低いものとなる。
【0005】
そこで、透過方式の投射型カラー画像表示装置に関連して、透過型ホログラムを用いたカラーフィルタの提案がなされている(特表平2-500937号,特開平6-308332号)。
先ず、特開平6-308332号に開示されている投射型カラー画像表示装置の内の一例は図7に示され、LCDパネル51に対して透過型ホログラムで構成したカラーフィルタ52を対向配置させ、カラーフィルタ52がその透過型ホログラムの回折・分光機能によって入射した読出し光をR,G,Bの各成分に回折・分光し、LCDパネル51の対応色に係る透明画素電極51r,51g,51bに集光させる。
ここで、カラーフィルタ52の透過型ホログラムは、単位ホログラム52pがLCDパネル51側の透明画素電極51r,51g,51bの組の配設ピッチと同一ピッチでアレイ状に作成されており、その単位ホログラム52pがR,G,Bの各波長帯域成分を回折角を異ならせて各透明画素電極51r,51g,51bへ集光させるものである。
従って、この装置の構成によれば、入射光を無駄なく利用した投射型カラー画像表示装置が実現できることになる。
【0006】
一方、特表平2-500937号では透過型ホログラムをホログラフィレンズアレイで構成したカラーフィルタを用い、前記と同様の透過方式の表示装置を開示しているが、それと併せて反射方式の表示装置も開示している。
その反射方式に係る装置の一例は図8に示される。
同図において、61はホログラフィレンズアレイを3層構成したカラーフィルタ、62はガラス基板、63は反射方式のLCDパネルである。尚、LCDパネル63は透明な共通電極膜64と液晶層65と反射膜66とR,G,Bに係る画素電極67r,67g,67bを配列した画素電極層67を積層させた構造になっており、各画素電極67r,67g,67bはLCDパネル63の背後から走査される電子ビーム又は制御光ビームで電位が印加されるようになっている。
そして、カラーフィルタ61は、読出し光のR色成分のみを回折させるホログラフィレンズアレイ61rと、G色成分のみを回折させるホログラフィレンズアレイ61gと、B色成分のみを回折させるホログラフィレンズアレイ61bを積層させたものであり、図示するように、各アレイ61r,61g,61bのホログラフィレンズは画素電極67r,67g,67bのピッチに対して3倍のピッチで配列されている。
【0007】
この装置では、読出し光を各ホログラフィレンズアレイ61r,61g,61bの仮想的レンズがそのアレイに係る色成分のみを回折させて各レンズの光軸上に配置された対応画素電極67r,67g,67bへ集光させる。尚、各レンズの構成領域が重複しているが、各アレイ61r,61g,61bのレンズは読出し光の対応波長帯域成分のみを回折させるため、アレイ61rではR色成分のみが回折されてG,B成分は透過し、アレイ61gではG色成分のみが回折されてB成分は透過し、アレイ61bではB色成分を回折する。
その結果、ホログラフィレンズアレイ61r,61g,61bで回折されたR,G,Bの各成分光は液晶層65に入射し、各画素電極67r,67g,67bの領域に対応した反射膜66で反射されて再びアレイ61r,61g,61bへ入射するが、その間に液晶層65において画素単位での変調を受け、その変調された各成分光が各アレイ61r,61g,61bのレンズに再入射し、各レンズで再回折されて読出し光の光源方向へ戻ることになる。
【0008】
ところで、一般に、ホログラムでは、その回折効率(入射する再生照明光の光強度に対する1次回折光の光強度の比)を大きくするには、ホログラム作成時の参照光と物体光のなす角度を大きくする必要がある。
そのために、前記の装置では、カラーフィルタ61の各ホログラフィレンズを作成する際に参照光と物体光のなす角度(θ)を大きくとり、読出し光をカラーフィルタ61に対して入射角θをもって入射させるようにしている。
従って、前記の装置では、偏光ビームスプリッタ(図示せず)を介して読出し光をカラーフィルタ61へ入射し、またそれを介して射出光を投射する必要があるが、偏光ビームスプリッタを介在させるとその角度依存性によってコントラスト比が大きく低下すると共に光利用率も低下し、また偏光ビームスプリッタ自体が高価なものであることから装置全体のコストアップを招く。
【0009】
そこで、本願発明者は、ホログラムの回折効率の特性を詳細に検討した結果、ホログラムによる回折光のP偏光成分(入射面に平行な振動面を有する偏光成分)とS偏光成分(P偏光成分と垂直方向に振動する成分)の回折効率が異なることに着目し、光利用率が高く、ビームスプリッタも原則的に不要になって高いコントラスト比が得られる反射方式のカラー画像表示装置をカラーフィルタと併せて提案した(特願平7-315956号)。
この提案は、ホログラムによる回折現象に関して、ベンドアングル(入射光と回折光のなす角度)が大きい場合にはS偏光成分とP偏光成分の回折効率には殆ど差がみられないが、ベンドアングルが小さくなるにつれて差が顕著に現れるという特性に基づく。
【0010】
そして、その特性は図9を用いて説明される。
同図は、一例として、入射光の波長を540nm、ホログラム感材に対する屈折率の変調量Δnを0.03とし、各ベンドアングルにおいてS偏光成分の回折効率が100%となるようにホログラムの厚みtを設定した条件下で、P偏光成分の回折効率を計算によって求めたものである。
この図から明らかなように、ベンドアングルが大きいとS偏光成分とP偏向成分の両方をほぼ100%回折する特性が得られ、ベンドアングルを120°以下にするとP偏光成分の回折効率を50%以下にすることができ、90°に近づけることで0%にすることができる。
また、その回折効率の特性は入射光の波長に対して大きな依存性を示すが、逆にその波長依存性を利用することにより、所望の波長に対してS偏光成分が100%に近い回折効率で回折され、P偏光成分の回折効率が極めて小さくなるような最適設計を行うこともできる。
従って、透過型ホログラムで構成したカラーフィルタを、R,G,Bの各色について、それぞれの波長帯域のS偏光成分だけを高い回折効率で回折させると共にP偏光成分の回折効率を抑制させるようなホログラフィレンズアレイとして構成することができる。
図10から図12は、ベンドアングルを75°とした場合における最適設計条件に基づいたR,G,B用の各ホログラムの回折効率と入射光の波長の関係を示す。
各図において、実線はS偏光成分を、破線はP偏光成分を示し、それぞれR,G,Bの中心波長付近でS偏光成分について約100%の回折効率が得られ、P偏光成分の回折効率について約18%以下に抑制されている。
【0011】
前記の図10から図12の特性を有したホログラムで構成したカラーフィルタを反射方式の投射型カラー画像表示装置に用いた場合、読出し光のカラーフィルタに対する入射角θを75°(=180−105;ベンドアングル=105°)にすると、各色に係るホログラムはS偏光成分のみを主に回折させ、そのS偏光成分を対応色の画素電極側へ垂直に射出させることができる。
カラーフィルタから射出されて液晶層に入射したS偏光成分は液晶を介して画素電極側で反射し、更に液晶層を介して再びカラーフィルタへ入射するが、その経路で変調を受ける。即ち、例えば、液晶層に垂直配向処理された液晶を採用すると、R,G,Bに係る各画素電極に印加される映像信号に対応して液晶の配向状態が変化し、S偏光成分の光は映像信号に対応して変調され、その変調の度合いによって一部又は全部がP偏光成分となってカラーフィルタへ再入射する。
そして、カラーフィルタへ再入射したP偏光成分は、カラーフィルタがS偏光成分のみを主に回折させるものであるために、殆ど回折されることなくそのまま透過して射出される。
この特願平7-315956号の装置の大きな特徴は、カラーフィルタへ再入射して透過・射出されるP偏光成分の光を投射光として用い、投影レンズ等を介してスクリーンにカラー映像を表示させる点にある。
従って、投射光は読出し光の光源方向には戻らずにカラーフィルタの法線方向へ射出されるP偏向成分であり、結果的に偏光ビームスプリッタを介在させる必要がなく、光利用率が高く、コントラスト比も良好な映像表示が可能になる。
【0012】
尚、カラーフィルタへ入射した読出し光のP偏光成分は殆ど回折を受けないために0次光としてそのまま直進し、75°の入射角で入射したために画素電極側で同一の反射角度で反射されて再びカラーフィルタへ入射するが、カラーフィルタからみると−75°で入射することになるために、回折せずにそのまま透過する。従って、0次光となるP偏光成分は、投射光となるS偏光成分や読出し光の入射方向とは全く異なる方向へ射出するため、映像表示に影響を与えない。
また、液晶層での変調度に対応して生じるS偏向成分と、低い回折効率ではあるがカラーフィルタで回折されたP偏向成分が変調されることによって生じるS偏光成分もカラーフィルタに再入射するが、それらは読出し光の光源方向に戻る。
【0013】
以上のように、本願発明者は特願平7-315956号において、一定の条件下では入射光に対するホログラムの回折効率がP偏光成分とS偏光成分で著しく異なる点に着目し、透過型ホログラムを用いたカラーフィルタでR,G,Bの各波長帯域に回折・分光させると共に、S偏光成分のみを主に回折して対応した各色に係る画素電極側へ出射させ、そのS偏光成分を液晶層で変調した後のP偏光成分のみを投射光としてカラーフィルタから射出させるカラー画像表示装置をカラーフィルタと共に提案した。
【0014】
ところで、そのカラーフィルタではS偏光成分とP偏光成分の回折効率の差を大きくするために、カラーフィルタに対する読出し光の入射角θを60°以上で90°未満の範囲とし、望ましくは70°〜80°に設定することとした。
しかし、読出し光の入射角θをそのように大きくとると、読出し光の進行方向に垂直な断面面積が小さくなり、逆に照明効率が低下するという問題が生じる。即ち、読出し光の断面積Srとカラーフィルタに対する照射面積Saと入射角θの間にはSr=Sa・cosθの関係があり、Saが一定であることから入射角θが大きくなるとSrが極めて小さくなるが、Srが小さくなると次のような理由から照明光率の低下を招く。
【0015】
一般に、コントラスト比や色再現特性を向上させるためには、可能な限り平行光に近い読出し光が照射されることが望ましいが、光源は有限の大きさをもつために完全な平行光を得ることができない。
従って、投射型カラー画像表示装置に適用されるカラーフィルタのように小さい面積に対して読出し光を効率よく絞り込むことができず、読出し光の断面積Srは可能な限り大きくしておいた方が照明光の利用率が大きくなる。
【0016】
換言すれば、カラーフィルタにおいて、「可能な限りS偏光成分の回折効率を大きくし、P偏光成分の回折効率を小さくすることで投射光に寄与するS偏向成分のみを回折させるために入射角θを大きくとる」という本来の条件と、照明光の利用率を大きくするための条件とが相反した関係になる。
【0017】
この点について、本発明者等は、ホログラムによるP偏光成分とS偏光成分の回折効率の特性について更に検討を加えると、特願平 7-315956 号のカラーフィルタより有利な条件となるカラーフィルタが構成できることを見出した。
そのカラーフィルタは、ホログラムを用いたカラーフィルタであり、入射光を波長帯域が異なる複数の光に回折・分光し、その回折・分光された各波長帯域の光を対応した色画素位置へ選択的に集光させるカラーフィルタにおいて、そのホログラムが、入射光の内の入射面に平行な振動面を有するP偏光成分を主に回折・分光して対応した色画素位置へ集光させ、入射面に垂直な振動面を有するS偏光成分をそのまま透過させるものである。
【0018】
一般に、透過型ホログラムの回折効率ηは屈折率の変調量Δnと厚みtと入射角θに対する依存性を有するが、入射角θを60°乃至90°の範囲のように大きく設定した条件では、図13に示すように、P偏光成分の回折効率ηpとS偏光成分の回折効率ηsは、Δnとtを変数とした関数F(Δn,t)の変化に対して相互に位相を異にした周期的な変化傾向を有している。
一方、Δnとtを一定にして入射角θを0に近づけるとP偏光成分の回折効率ηpに係る位相がS偏光成分の回折効率ηsに係る位相へ近づき、θ=0では理論的に双方の回折効率が一致する。
そして、図13で示した各回折効率ηp,ηsの変化において、例えば、入射角θを75°に設定し、Δnとtの条件を選択して関数F(Δn,t)の値をA点にすると、従来技術で説明した特願平7-315956号で示した図9でベンドアングルを105°(=180-75)とした場合のP偏光成分の回折効率ηpとS偏光成分の回折効率ηsの差が得られ、更に図10から図12に示したようにR,G,Bに係るホログラムを作成することが可能になる。
【0019】
ところで、図13に示される各回折効率ηp,ηsの変化傾向を検討すると、A点近傍よりもB点近傍の方が|ηp−ηs|が大きくなっており、またB点に相当するような条件でホログラムを作成すればηpが100%でηsが0%となる。
即ち、特願平7-315956号ではS偏光成分を主に回折・分光させ、P偏光成分の回折を小さく抑制することを企図してホログラムを作成し、それをカラーフィルタに用いていたのであるが、逆にP偏光成分を主に回折・分光させ、S偏光成分の回折を小さく抑制する方式を採用すれば、より有利な条件を利用できることになる。
【0020】
従って、そのホログラムを適用したカラーフィルタを特願平 7-315956 号のカラー画像表 示装置と同様の構成を有した装置に適用すると、カラーフィルタで主にP偏光成分が回折・分光されるため、カラーフィルタと反射層の間を往復する過程において光変調層で変調を受けた後にカラーフィルタへ再入射する光はS偏光成分となり、S偏光成分を主に回折・分光させていた特願平 7-315956 号の装置より各偏光成分の回折効率の差が大きくなるために光利用率を高めることができる。
また、P偏光成分の回折効率を最大限に維持しながらS偏光成分の回折効率を小さく抑制できるような読出し光の入射角の範囲を広くとれるため、結果的に読出し光の入射角を小さくして照明効率を向上させることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、特願平 7-315956 号に示されているカラー画像表示装置と同様の基本構成を有したカラー画像表示装置では、カラーフィルタが何れの偏光成分を主に回折・分光するものであるかを問わないが、P偏光成分を主に回折・分光させて色画素位置に集光させるものの方が光利用率を高くできる。
ところで、そのカラー画像表示装置の光学的構成によれば、カラーフィルタにおいて読出し光の内の一方の偏光成分 ( ここでは「第1偏光成分」という ) を主に回折・分光して反射層の対応する色画素位置へ集光させるため、その焦点距離はカラーフィルタと反射層の間の光学的距離に設定されている。
【0022】
その場合、カラーフィルタの単位ホログラムは仮想的なレンズとみなせ、前記の第1偏光成分はカラーフィルタと反射層の間を往復する過程で光変調層で変調を受け、第1偏光成分と垂直な振動面を有する偏光成分 ( ここでは「第2偏光成分」という ) としてカラーフィルタへ再入射するが、その第2偏向成分の再入射光路は、同一位置に入射する読出し光が回折・分光されて第1偏向成分と僅かな第2偏向成分として光変調層へ射出される光路とほぼ同一になる。
ここで、注目すべきは、カラーフィルタが読出し光の第1偏向成分のみを回折させるのではなく、割合としては小さいが、第2偏向成分も回折させる作用を有していることである。例えば、特願平 7-315956 号の装置では第2偏向成分の回折効率が約15%程度あり、また、主にP偏光成分を回折・分光するように設計したカラーフィルタにおいても、理想的な設計条件では第2偏向成分の回折効率が0%になるが、実際には約3%乃至5%程度を見込んでおく必要がある。
【0023】
そして、光線逆進の法則に基づくと、カラーフィルタへ再入射する第2偏光成分はカラーフィルタの前記割合に相当する回折条件に合致し、その一部が読出し光の光源方向へ戻ってしまい、その現象はカラーフィルタにおける仮想的なレンズの全領域で生じるために、投射光となるべき第2偏光成分の一部がなくなって光利用率が低下することになる。
そこで、本発明は、前記カラー画像表示装置の光学的構成において前記現象が発生しないようにして光利用率を向上させることを目的として創作された。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、ホログラフィレンズアレイを用いたカラーフィルタと、光変調層と、反射層とを含んで構成され、前記カラーフィルタが、斜め方向から入射する読出し光の内の入射面に平行な振動面を有するP偏光成分又は入射面に垂直な振動面を有するS偏光成分の何れか一方の偏光成分を主に回折・分光して前記反射層における対応した色画素位置へ集光させ、他方の偏光成分をそのまま透過させるものであり、前記カラーフィルタで回折・分光された偏光成分が前記光変調層を通過して前記反射層で反射され、再び前記光変調層を通過して前記カラーフィルタへ入射した光の内、前記光変調層で変調されて前記カラーフィルタで回折されずに透過する偏光成分を投射光とするカラー画像表示装置において、前記ホログラフィレンズアレイの各ホログラフィレンズの光軸方向から見て、前記各ホログラフィレンズの中心とその各ホログラフィレンズに対応する前記反射層の各色画素の中心とを一致せしめると共に、前記カラーフィルタと前記反射層の間の光学的距離を前記カラーフィルタの回折機能による焦点距離よりも短く又は長くしたことを特徴とするカラー画像表示装置に係る。
【0025】
この発明によれば、カラーフィルタと反射層の間の光学的距離をカラーフィルタの回折機能による焦点距離と異ならしめることにより、光変調層で変調を受けてカラーフィルタへ再入射する上記の第2偏光成分の入射条件をカラーフィルタの回折条件から外すことができ、本来投射光となるべき第2偏光成分の一部が読出し光の光源方向へ戻って光利用率が低下することを防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図6を用いて詳細に説明する。但し、図1から図4はカラー画像表示装置の一般的構成を示すものであり、図5及び図6に本発明の特徴的構成が示されている。
先ず、図1は反射方式の投射型カラー画像表示装置の構造を模式的に表した断面図である。
同図において、1はLCDパネル、2は薄板ガラス層、3はカラーフィルタ、4はガラス基板、5はカップリングプリズムを示す。
ここに、LCDパネル1は、ガラス基板又はSi基板11と、その基板11上に形成されたアクティブマトリクス駆動回路12と、そのアクティブマトリクス駆動回路12によって選択的に制御駆動される画素電極13r,13g,13bを規則的に配列せしめた画素電極層13と、誘電体ミラー膜14と、配向膜15と、スペーサで液晶を封止した光変調層16と、配向膜17と、透明な共通電極膜18とを順に積層させた構造を有している。
【0027】
次に、前記の各構成要素の内、既に説明したものや自明のもの以外の構成要素について説明を加えておく。
画素電極層13の画素電極13r,13g,13bはR,G,Bの各色に対応したものであり、それらサブ画素が一組となって一画素を構成するものであるが、その平面的配列態様としては、図2の(A)〜(C)に示されるモザイク配列、ストライプ配列、又はデルタ配列が一般的であり、デルタ配列の場合には、図3に示すような六角稠密状の配設態様が採用されることが多い。この実施形態では、図3の配設態様を採用し、同図に示すように横方向にR,G,Bの順で整列すると共に、平面的にみると各画素電極13r,13g,13bが相互に隣接している。
また、画素電極層13とアクティブマトリクス駆動回路12の間には、読出し光が基板11へ浸入してフォトコンダクションを発生させることを防止するために遮光層を設けることもある。
【0028】
光変調層16には、TNモード、HFEモード、FLCモード、DSモード等の動作モードをとる液晶を適用できるが、配向膜15,17は適用される液晶の種類に応じて設けられるものであり、DSモードをとる散乱型液晶等を用いる場合には省略される。
カップリングプリズム5はガラス基板4と一体的に構成してもよい。尚、図1においては、ガラス基板4とカップリングプリズム5の厚みが薄板ガラス層2よりも薄く描かれているが、装置の構造と光学的機能を明確にするためにそのように描いたのであり、実際の装置では一般的にガラス基板4とカップリングプリズム5の厚みが薄板ガラス層2の厚みより大きくなっている。
【0029】
カラーフィルタ3は、特表平 2-500937 号と同様に透過型ホログラムをホログラフィレンズアレイで構成したものであり、R,G,Bの3原色を含んだ入射光を各原色毎に回折・分光し、LCDパネル1の対応した画素電極13r,13g,13bの位置へ略垂直に集光する機能を有している。即ち、光束の主光線を画素電極13r,13g,13bに対して略垂直に入射させ、且つそのレンズ作用によって光束を画素電極13r,13g,13bに集束させる。
尚、厳密には誘電体ミラー膜14が施されているためにその膜に集光させることになるが(図1ではそのように表現されている)、誘電体ミラー膜14の膜厚は画素電極13r,13g,13bのサイズと比較して極めて薄いものであるため、以降、画素電極13r,13g,13bの表面に集光させることとして説明する。
【0030】
そして、この透過型ホログラムはR用のホログラフィレンズアレイ層3rとG用のホログラフィレンズアレイ層3gとB用のホログラフィレンズアレイ層3rとからなる3層構造を有している。
各ホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bは単位ホログラムに相当するホログラフィレンズ3re,3ge,3beを平面的に配設させているが、各層3r,3g,3bの各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beの光軸はそれぞれのLCDパネル1側の対応した各画素電極13r,13g,13bの略中央を通過するように位置決めされている。
この実施形態の場合、各画素電極13r,13g,13bは図3に示した六角稠密状の配設態様が採用されているため、各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beもそれに応じて同図に示す配設態様となる。即ち、個々のホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bについてみると、そのホログラフィレンズがそれぞれの対応色に係る画素電極の縦横のピッチと同一ピッチで配設されているが、3層を積層させた状態で平面的にみると、各色に係るホログラフィレンズ3re,3ge,3beは相互間で部分的に重複し合い、1色の画素電極のピッチに対して3色のホログラフィレンズ3re,3ge,3beが1/3のピッチで配設された位置関係になっている。
【0031】
次に、前記の反射方式の投射型カラー画像表示装置による投射光の出力動作について説明する。
先ず、読出し光はカップリングプリズム5の入射面に入射し、そのプリズム5内を通過してカラーフィルタ3に斜め方向から入射する。
この実施形態では、読出し光のカラーフィルタ3に対する入射角を60°に設定してあり、カップリングプリズム5の入射面は読出し光の入射方向に対して垂直に形成されている。
【0032】
カラーフィルタ3に入射する読出し光は、先ずR色用のホログラフィレンズアレイ層3rによって分光・回折される。
そして、このアレイ層3rの各ホログラフィレンズ3reはR色に係る波長帯域の光の内のP偏光成分だけを主に回折させるものであり、読出し光に含まれている他の波長帯域の成分及びR色に係る波長帯域におけるS偏光成分はそのまま透過させる。
具体的には、各ホログラフィレンズ3reは、R色に係る波長帯域についてP偏光成分を100%に近い回折効率で回折させながら、S偏光成分の回折効率を5%以下に抑制した条件で回折させ、且つその回折光をレンズ機能によってその光軸上に位置するLCDパネル1側のR色の画素電極13rをターゲットとした集光性光束とする。
尚、R色に係る波長帯域のS偏光成分も僅かに回折光となってP偏光成分と同様に集束性光束となる。
従って、このアレイ層3rの各ホログラフィレンズ3reは、R色の波長帯域のP偏光成分とその帯域の僅かなS偏光成分からなる集束性光束をG色用のホログラフィレンズアレイ層3gへ垂直に入射させ、またR色の波長帯域以外の成分と回折しなかったR色の波長帯域のS偏光成分を透過させて読出し光の進行方向のままG色用のホログラフィレンズアレイ層3gへ入射させる。
【0033】
次に、G色用のホログラフィレンズアレイ層3gでは、その各ホログラフィレンズ3geがG色に係る波長帯域の光の内のP偏光成分だけを主に回折させるものであるため、R色用のホログラフィレンズアレイ層3rをそのまま透過した光の内のG色に係る波長帯域のP偏光成分を100%に近い回折効率で回折させながら、S偏光成分の回折効率を5%以下に抑制した条件で回折させ、そのレンズ3geの光軸上に位置するLCDパネル1側のG色の画素電極13gをターゲットとした集光性光束とする。
一方、垂直に入射したR色の波長帯域のP偏光成分とその帯域の僅かなS偏光成分からなる集束性光束はB色用のホログラフィレンズアレイ層3bへそのまま入射させ、またR色用のホログラフィレンズアレイ層3rをそのまま透過した光の内で、この層3gにおいて回折作用の対象外となった成分(R色とG色の波長帯域以外の成分,R色の波長帯域のS偏光成分,回折しなかったG色の波長帯域のS偏光成分)もそのまま透過させて読出し光の進行方向でB色用のホログラフィレンズアレイ層3bへ入射させる。
【0034】
次に、ホログラフィレンズアレイ層3bの各ホログラフィレンズ3beはB色に係る波長帯域の光の内のP偏光成分だけを主に回折させるものであるため、R色用とG色用の各ホログラフィレンズアレイ層3r,3gをそのまま透過した光の内のB色に係る波長帯域のP偏光成分を100%に近い回折効率で回折させながら、S偏光成分の回折効率を5%以下に抑制した条件で回折させ、そのレンズ3beの光軸上に位置するLCDパネル1側のG色の画素電極13bをターゲットとした集光性光束とする。
一方、垂直に入射したR色とG色に係る各集束性光束はそのまま薄板ガラス層2へ射出させ、またG色用のホログラフィレンズアレイ層3gをそのまま透過した光の内で、前記2層3r,3gにおいて回折作用の対象外となった成分(R色とG色とB色の波長帯域以外の成分,R色とG色の波長帯域のS偏光成分,回折しなかったB色の波長帯域のS偏光成分)もそのまま透過させて読出し光の進行方向で薄板ガラス層2へ射出させる。
【0035】
以上の結果、カラーフィルタ3からは、(1)R色の波長帯域のP偏光成分とその各帯域の僅かなS偏光成分からなり、画素電極13rをターゲットとした集束性光束、(2)G色の波長帯域のP偏光成分とその各帯域の僅かなS偏光成分からなり、画素電極13gをターゲットとした集束性光束、(3)B色の波長帯域のP偏光成分とその各帯域の僅かなS偏光成分からなり、画素電極13bをターゲットとした集束性光束、及び(4)各色の波長帯域以外の成分と各色の波長帯域のS偏光成分からなる0次光が射出されることになる。
【0036】
前記の(1)〜(3)の集光性光束は、薄板ガラス層2を介してLCDパネル1へ入射した後、共通電極膜18と配向膜17と光変調層16と配向膜15を通じて画素電極層13の対応した各画素電極13r,13g,13bへ集光せしめられ、各画素電極13r,13g,13bの表面の誘電体ミラー膜14で反射され、発散光束となってカラーフィルタ3の対応したホログラフィレンズ3re,3ge,3beへ再入射することになる。
但し、各画素電極13r,13g,13bにはアクティブマトリクス駆動回路12で一画素の状態を決定する映像信号に対応した制御電圧が個別に印加され、共通電極膜18と各画素電極13r,13g,13bとの間の電位によって光変調層の液晶が配向状態を変化させるため、前記の(1)〜(3)のP偏光成分はカラーフィルタ3とLCDパネル1の間を往復する過程で前記の制御電圧に対応した変調を受けてホログラフィレンズ3re,3ge,3beへ再入射することになる。即ち、X%の変調を受けた場合には、(100−X)%はP偏光成分のままであるが、X%がS偏光成分となってホログラフィレンズ3re,3ge,3beへ再入射する。
【0037】
そして、その状態をG色の波長帯域のP偏光成分について模式的に示すと図4のようになる。
ホログラフィレンズ3geで回折されたP偏光成分は、そのレンズの光軸上にある画素電極13gの略中心に集光せしめられるが、光変調層16の液晶によって変調を受けるとその一部又は全部がS偏光成分に変換されてホログラフィレンズ3geへ入射する。このとき、変調後の光線は前記の光軸に関して画素電極13gへの入射光路と対称な関係を有する光路を経てホログラフィレンズ3geに再入射する。
尚、図4では画素電極13gに対する入射角と反射角が大きく表現されているが、実際にはホログラフィレンズ3geが微小なものであるためにその角度は極めて小さい。
【0038】
ところで、ホログラフィレンズ3geは前記のようにP偏光成分だけを主に回折させるものであるため、変調により得られたS偏光成分はホログラフィレンズ3geをそのまま透過する。
また、以上の作用はR色とG色についても同様である。
その結果、変調により得られた各色に係るS偏光成分はカラーフィルタ3をそのまま透過することになり、図1に示すように、ガラス基板4からカップリングプリズム5を透過して射出される。
一方、変調されなかったP偏光成分と、僅かではあるがカラーフィルタ3で回折されたS偏光成分が変調されたP偏光成分は、カラーフィルタ3へ再入射して回折され、読出し光の光源方向へ戻ることになる。
【0039】
尚、(4)の0次光は薄板ガラス層2の中を進行して読出し光の入射角と同一の入射角60°でLCDパネル1に入射し、誘電体ミラー膜14で反射角60°で反射してカラーフィルタ3へ−60°の入射角で再入射するが、カラーフィルタ3を構成している各ホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bの各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beはその入射角(−60°)に対する回折特性を有しておらず、再入射した0次光はカラーフィルタ3を透過し、ガラス基板4からカップリングプリズム5を通過して読出し光の入射面とは反対側の端面から射出する。
【0040】
ところで、図4において、読出し光の光線は、ホログラフィレンズ3geに入射した後にその入射点で回折され、ホログラフィレンズ3geの光軸上に位置する画素電極13gの略中心に入射し、その画素電極13gで反射されてホログラフィレンズ3geへ再入射するが、その再入射点は最初の入射点のホログラフィレンズ3geの光軸に関する対称位置となる。
そして、その再入射点に対する入射方向は、読出し光の光線がその再入射点に入射した際に回折・分光されて画素電極13gの略中心へ向かう方向と合致する。
【0041】
その場合、ホログラフィレンズ3geに再入射する光は、光変調層16の変調度合いに対応したS偏向成分であり、ホログラフィレンズ3geはそのS偏向成分を透過させて投射光とする。
一方、ホログラフィレンズ3geは読出し光のP偏向成分を主に回折・分光するものであるが、最適な回折条件を与えたホログラフィレンズ3geを用いた場合であっても、S偏向成分の回折効率が約3%程度ある。
従って、変調を受けてホログラフィレンズ3geへ再入射する全てのS偏向成分がそのまま透過するのではなく、光逆進の原理に基づいてそのホログラフィレンズ3geが有しているS偏向成分の回折効率特性に対応した分だけ再入射点から読出し光の光源方向へ戻ってしまう。即ち、小さい回折効率ではあるが、再入射点では再入射するS偏向成分に対して最適の回折条件を与えることになる。
また、その再入射点の近傍領域では、最適条件ではないにしても近似した条件が成立し、同様の現象が生じることになる。
そして、その現象は他のホログラフィレンズ3re,3beでも同様に発生し、カラーフィルタ3から出射して投射光になるべきS偏向成分の一部が失われてしまい、当然に光の利用率の低下を招く。
【0042】
そこで、この実施形態では、カラーフィルタ3と画素電極層13の間の光学的距離(より厳密にはホログラフィレンズ3re,3ge,3beと画素電極層13の表面に被膜されている誘電体ミラー膜14との間の光学的距離)Lpをカラーフィルタ3の回折機能による焦点距離(より厳密には各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beの焦点距離)からずらせる手段を採用して前記の問題を解消させる。
【0043】
具体的には、図5及び図6にその模式的構成図を示す。
先ず、図5には前記の光学的距離Lpをホログラフィレンズ3geの焦点距離より短くした例を示してある。
この場合、ホログラフィレンズ3geの焦点距離はF1点で示され、ホログラフィレンズ3geへ入射した読出し光の光線はF1点に集光せしめられ、そのF1点から更に進行して画素電極13g側で反射し、その反射光線がホログラフィレンズ3geへ再入射することになる。
ここで、光軸以外の光路を通って再入射する光線についてみると、ホログラフィレンズ3geから出射する光線がF1点を通る限り、その出射する光線との関係でホログラフィレンズ3geの光軸に対して対称になることはあり得ない。即ち、再入射点へ入射する読出し光の光線は焦点F1へ向かうのに対し、画素電極13g側で反射して再入射する光線はF1を通過しないで再入射点に入射するものであり、ホログラフィレンズ3geの最適な回折条件から外れたものになる。
また、図5から明らかなように、ホログラフィレンズ3geの両端領域に入射する読出し光の光線は、画素電極13g側で反射した後に隣接した別のホログラフィレンズへ再入射するため、最適回折条件とは全くかけ離れてしまう。
従って、図5に示した構成を採用すれば、ホログラフィレンズ3geの光軸近傍の極めて狭い領域においてのみ投射光となるS偏向成分が3%程度失われるが、他の領域に再入射したS偏向成分の光線は全て投射光になることから光利用率の改善が図れる。
【0044】
次に、図6には前記の光学的距離Lpをホログラフィレンズ3geの焦点距離より長くした例を示してある。
この場合、ホログラフィレンズ3geの焦点距離はF2点で示され、ホログラフィレンズ3geへ入射した読出し光の光線はF2点に向かうが、F2点に到達する前に画素電極13gで反射されてホログラフィレンズ3geへ再入射することになる。
従って、この場合においても前記と同様に光軸の近傍領域以外では最適回折条件から外れたものになり、図5の場合と同様にホログラフィレンズ3geへ再入射したS偏向成分の殆どが投射光になり、光利用率の改善が図れる。
【0045】
尚、この実施形態では、読出し光の内のP偏光成分を主に回折するカラーフィルタを適用している場合について説明したが、その原理からみれば偏向成分を問わないことは明らかであり、特願平7-315956号の装置にも適用できる。特に、特願平7-315956号の装置ではホログラフィレンズでS偏向成分を主に回折させるようにしているが、図10から図12の回折効率特性に基づくと、そのS偏向成分が変調されて最終的に投射光となるP偏向成分の内の約15%程度が失われてしまうため、この実施形態の適用による光利用率の改善度合いは大きい。
【0046】
【発明の効果】
本発明のカラー画像表示装置は、以上の構成を有していることにより、次のような効果を奏する。
少なくとも、ホログラフィレンズアレイを用いたカラーフィルタと、光変調層と、反射層とを含んで構成され、前記カラーフィルタが、斜め方向から入射する読出し光の内の入射面に平行な振動面を有するP偏光成分又は入射面に垂直な振動面を有するS偏光成分の何れか一方の偏光成分を主に回折・分光して前記反射層における対応した色画素位置へ集光させ、他方の偏光成分をそのまま透過させるものであり、前記カラーフィルタで回折・分光された偏光成分が前記光変調層を通過して前記反射層で反射され、再び前記光変調層を通過して前記カラーフィルタへ入射した光の内、前記光変調層で変調されて前記カラーフィルタで回折されずに透過する偏光成分を投射光とするカラー画像表示装置において、カラーフィルタのホログラムの回折効率特性として一方の偏向成分だけを回折させて他方の偏向成分を全く回折しないような理想的な特性を得ることが困難であり、それに起因して投射光となるべき偏向成分の一部が読出し光の光源方向へ戻ってしまう現象をなくし、光利用率を高くすると共にコントラスト比の低下を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る反射方式の透過型カラー画像表示装置の構造を模式的に表した断面図である。
【図2】画素電極の基本的な配列態様を示す図である。
【図3】画素電極の六角稠密状の配設態様、及び各画素電極に対応するホログラフィレンズの平面的位置関係を示す図である。
【図4】 G色用のホログラフィレンズが読出し光を回折・分光してP変調成分を対応色の画素電極に集光せしめ、画素電極側で反射・変調されてホログラフィレンズへ再入射し、変調後のS偏向成分がホログラフィレンズを透過して投射光になる過程を示す模式図である。
【図5】図4と同様の体裁で本発明の実施形態の特徴的構成を示した模式図である。
【図6】図4と同様の体裁で本発明の実施形態の特徴的構成を示した模式図である。
【図7】特開平 6-308332 号に開示されている透過方式の投射型カラー画像表示装置の構成例を示す簡略模式図である。
【図8】特表平 2-500937 号に開示されている反射方式のカラー画像表示装置の構成例を示す模式図である。
【図9】ホログラムについて、入射光の波長λ=540 n m,屈折率の変調量Δn=0 . 03とし、厚みtを変化させてS偏向成分の回折効率η s を100%に保ちながら、ベンドアングルを変化させた場合のP偏向成分の回折効率η s の変化を示すグラフである。
【図10】ベンドアングルを75°として最適設計条件で作成したR色用ホログラムについて、入射光の波長帯域400 n m〜700 n mにおけるP偏光成分とS偏光成分の回折効率特性を示すグラフである。
【図11】ベンドアングルを75°として最適設計条件で作成したG色用ホログラムについて、入射光の波長帯域400 n m〜700 n mにおけるP偏光成分とS偏光成分の回折効率特性を示すグラフである。
【図12】ベンドアングルを75°として最適設計条件で作成したB色用ホログラムについて、入射光の波長帯域400 n m〜700 n mにおけるP偏光成分とS偏光成分の回折効率特性を示すグラフである。
【図13】入射光の入射角を60°乃至90°の範囲のように大きく設定し、ホログラムの屈折率の変調量Δnと厚みtを変数とした関数F ( Δn , t ) を変化させたときのS偏向成分の回折効率η s とP偏向成分の回折効率η p の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…LCDパネル、2…薄板ガラス層、3…カラーフィルタ、3r,3g,3b…各色(R,G,B)用のホログラフィレンズアレイ、3re,3ge,3be…各色(R,G,B)に係るホログラフィレンズ、4…ガラス基板、5…カップリングプリズム、11…ガラス基板又はSi基板、12…アクティブマトリクス駆動回路、13…画素電極層、13r,13g,13b…各色(R,G,B)に係る画素電極、14…誘電体ミラー膜、15,17…配向膜、16…光変調層、18…共通電極膜、51…LCDパネル、51r,51g,51b…透明画素電極、52…カラーフィルタ、52p…集光単位ホログラム、61…カラーフィルタ、61r,61g,61b…各色(R,G,B)用のホログラフィレンズアレイ、62…ガラス基板、63…LCDパネル、64…共通電極膜、65…液晶層、66…反射膜、67…画素電極層、67r,67g,67b…各色(R,G,B)に係る画素電極、F1,F2…焦点、Lp…ホログラフィレンズと画素電極層の表面に被膜されている誘電体ミラー膜との間の光学的距離、θ…読出し光の入射角。
Claims (2)
- 少なくとも、ホログラフィレンズアレイを用いたカラーフィルタと、光変調層と、反射層とを含んで構成され、前記カラーフィルタが、斜め方向から入射する読出し光の内の入射面に平行な振動面を有するP偏光成分又は入射面に垂直な振動面を有するS偏光成分の何れか一方の偏光成分を主に回折・分光して前記反射層における対応した色画素位置へ集光させ、他方の偏光成分をそのまま透過させるものであり、前記カラーフィルタで回折・分光された偏光成分が前記光変調層を通過して前記反射層で反射され、再び前記光変調層を通過して前記カラーフィルタへ入射した光の内、前記光変調層で変調されて前記カラーフィルタで回折されずに透過する偏光成分を投射光とするカラー画像表示装置において、
前記ホログラフィレンズアレイの各ホログラフィレンズの光軸方向から見て、前記各ホログラフィレンズの中心とその各ホログラフィレンズに対応する前記反射層の各色画素の中心とを一致せしめると共に、前記カラーフィルタと前記反射層の間の光学的距離を前記カラーフィルタの回折機能による焦点距離よりも短くしたことを特徴とするカラー画像表示装置。 - 少なくとも、ホログラフィレンズアレイを用いたカラーフィルタと、光変調層と、反射層とを含んで構成され、前記カラーフィルタが、斜め方向から入射する読出し光の内の入射面に平行な振動面を有するP偏光成分又は入射面に垂直な振動面を有するS偏光成分の何れか一方の偏光成分を主に回折・分光して前記反射層における対応した色画素位置へ集光させ、他方の偏光成分をそのまま透過させるものであり、前記カラーフィルタで回折・分光された偏光成分が前記光変調層を通過して前記反射層で反射され、再び前記光変調層を通過して前記カラーフィルタへ入射した光の内、前記光変調層で変調されて前記カラーフィルタで回折されずに透過する偏光成分を投射光とするカラー画像表示装置において、
前記ホログラフィレンズアレイの各ホログラフィレンズの光軸方向から見て、前記各ホログラフィレンズの中心とその各ホログラフィレンズに対応する前記反射層の各色画素の中心とを一致せしめると共に、前記カラーフィルタと前記反射層の間の光学的距離を前記カラーフィルタの回折機能による焦点距離よりも長くしたことを特徴とするカラー画像表示装置。
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