JP3865431B2 - 1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法 - Google Patents
1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬・農薬分野における重要中間体、特に農薬分野の殺虫剤分野における重要中間体(特開平7-179448、特開平7-173157等)であるニトロイソチオウレア類からの1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の新規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類は既に公知化合物であり、その製造法についても既にいくつかの方法が知られている。例えば反応式(1)(化3)
【0003】
【化3】
(式中、R1 、R2 はアルキル基等を表す)で表されるように、式(2)のニトロイソチオウレア類をまずはじめに環状ジカルボン酸クロリドと反応させイミド体である式(3)をつくり、これにアミン類を反応させることにより式(1)を製造する方法(特開平5-9173)や、反応式(2)(化4)
【0004】
【化4】
(式中、R1 、R2 はアルキル基等を表す)で表されるように、式(4)をアミン類と反応させることにより式(1)を製造する方法(特開平4-120054、特開平4-074158)などが報告されている。
【0005】
しかしながら、反応式(1)に示す方法では、式(2)は容易に製造できるが、式(2)から式(1)を製造するのに2段階必要とし、また反応式(2)に示す方法では、式(4)を製造する際のニトロ化が特殊な条件下で行わなければならないため、工業的に実施する場合には非常に不利であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、式(2)(化5)
【0007】
【化5】
(式中、R1 はアルキル基、フェニル基または少なくともN,O,Sを1つ含む5員環もしくは6員環の複素環を表す)で表されるニトロイソチオウレア類と、ハロゲン化アルキルもしくはジアルキル硫酸などのアルキル化剤を塩基存在下、種々の有機溶媒中で反応させることで式(1)(化6)
【0008】
【化6】
(式中、R1 は上記と同様の意味を表し、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で表される1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類を1段階で製造するという方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(2)(化9)
【0010】
【化7】
(式中、R1 はアルキル基、フェニル基または少なくともN,O,Sを1つ含む5員環もしくは6員環の複素環を表す)で表されるニトロイソチオウレア類と、ハロゲン化アルキルもしくはジアルキル硫酸などのアルキル化剤を塩基存在下、種々の有機溶媒中で反応させることで式(1)(化8)
【0011】
【化8】
(式中、R1 は上記と同様の意味を表し、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で表される1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類を1段階で製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、式(2)(化9)
【0013】
【化9】
(式中、R1 はアルキル基、フェニル基または少なくともN,O,Sを1つ含む5員環もしくは6員環の複素環を表す)で表されるニトロイソチオウレア類と、ハロゲン化アルキルもしくはジアルキル硫酸であるアルキル化剤を塩基存在下、有機溶媒中で反応させることを特徴とする式(1)(化10)
【0014】
【化10】
(式中、R1 は上記の意味を表し、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で表される1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるアルキル化剤の典型的な例としては、ヨウ化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸等のジアルキル硫酸である。
【0016】
本発明に係る有機溶媒としては、メタノール(MeOHと略記することがある)、エタノール(EtOHと略記することがある)、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMFと略記することがある)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSOと略記することがある)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMIと略記することがある)等の非プロトン性極性溶媒類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THFと略記することがある)、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリルのニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を単独でまたは任意の割合で混合して用いることができるが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒類を用いることが好ましい。
【0017】
塩基としては、トリエチルアミンやジアザビシクロウンデセン(DBU)等の有機塩基類、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化物類、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩類、リン酸カリウムやリン酸ナトリウム等のリン酸塩類、酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等の酢酸塩類、水素化ナトリウムや水素化カリウム等の水素化塩類等を単独でまたは任意の割合で混合して使用することができるが、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩類やリン酸カリウムやリン酸ナトリウム等のリン酸塩類を用いることが好ましい。
【0018】
有機溶媒と塩基との組み合わせは、好ましくは第1表(表1)〜第6表(表6)更に好ましくは第7表(表7)〜第10表(表10)である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
反応は−20〜200℃で行うことができるが、0〜100℃で行うのが望ましい。
反応時間は広範囲に変化させることもできるが、一般的には0.01〜50時間、好ましくは0.1〜5時間である。
反応圧力も特に限定はないが、好ましくは常圧である。
尚、塩基と有機溶媒の組み合わせによっては、収率が低下することもある。
【0029】
【実施例】
次に、実施例により本発明の内容を具体的に説明するが、これに限定するものではない。
実施例1
2−メチル−3−ニトロイソチオウレア15.0gおよびジメチル硫酸16.2gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)75mL溶液に室温にて炭酸カリウム16.9gを加え、1時間攪拌した。反応液を4M−HCl水溶液に氷冷下にて注ぎ、氷冷下にて攪拌した。析出した結晶をろ別することで、目的とする1,2−ジメチル−3−ニトロイソチオウレア6.25gを38%で得ることができた。
1H-NMR(CDCl3,ppm):2.53(3H,s),3.13(3H,d,J=5.1Hz).
IR(KBr,cm-1):3201,1308,1190,1053,1017.
なお、上記実施例と同様の操作で行った結果を第11表〜第12表(表11〜表16)に示した。
【0030】
【表11】
【0031】
【表12】
【0032】
【表13】
第11表(続き2)
【0033】
【表14】
【0034】
【表15】
【0035】
【化11】
【0036】
【表16】
尚、各々で生成したニトロイソチオウレア類の物性値は以下の通りであった。(1) 2−エチル−1−メチル−3−ニトロイソチオウレア
1H NMR(CDCl3,ppm):1.38(3H,t,J=7.3Hz),3.11(3H,d,J=5.1Hz),3.16(2H,q,J= 7.3Hz).
IR(neat,cm-1):3201,1308,1190,1053,1017.
(2) 2−ベンジル−1−メチル−3−ニトロイソチオウレア
1H NMR(CDCl3,ppm):3.09(3H,d,J=5.1Hz),4.38(2H,s),7.27-7.42(5H,m).
IR(neat,cm-1):3360,1751,1561,1476,1188,1159.
(3) 1−エチル−2−メチル−3−ニトロイソチオウレア
1H NMR(CDCl3,ppm):1.36(3H,t,J=7.3Hz),2.52(3H,s),3.43-3.53(2H,m).
IR(neat,cm-1):3355,1752,1562,1449,1201.
【0037】
【発明の効果】
本発明の方法により、医薬・農薬分野における重要中間体である1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類を1段階で製造することができる。
Claims (4)
- R1 が炭素数1〜4のアルキル基もしくはベンジル基であり、R2 が炭素数1〜4のアルキル基である請求項1記載の1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法。
- 塩基と有機溶媒の組み合わせが下記(1)〜(6)の何れかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法。
(1) 塩基がM2CO3(MはNa,KまたはCsを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。
(2) 塩基がMOH(MはLi,NaまたはKを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。
(3) 塩基がM3PO4(MはNa,KまたはCsを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。
(4) 塩基がCH3COOM(MはNa,KまたはCsを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。
(5) 塩基がMH(MはNaまたはKを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。
(6) 塩基がR3N(NはMeまたはEtを表す)である場合、有機溶媒がCH2Cl2、THF、DMF、DMSO、DMI、MeOH、EtOHまたはCH3CNである。 - 用いる塩基と有機溶媒の組み合わせが下記の(7)〜(10)の何れかであることを特徴とする請求項1または3記載の1,2−二置換−3−ニトロイソチオウレア類の製造法。
(7) 塩基がM2CO3(MはNa,KまたはCsを表す)である場合、有機溶媒がDMF、DMSOまたはDMIである。
(8) 塩基がMOH(MはLi,NaまたはKを表す)である場合、有機溶媒がDMF、DMSOまたはDMIである。
(9) 塩基がM3PO4(MはNa,KまたはCsを表す)である場合、有機溶媒がDMF、DMSOまたはDMIである。
(10) 塩基がMH(MはNaまたはKを表す)である場合、有機溶媒がDMF、DMSOまたはDMIである。
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