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JP3865243B2 - 電子部品用セラミックパッケージ及び電子装置 - Google Patents

電子部品用セラミックパッケージ及び電子装置 Download PDF

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JP3865243B2 JP2003047378A JP2003047378A JP3865243B2 JP 3865243 B2 JP3865243 B2 JP 3865243B2 JP 2003047378 A JP2003047378 A JP 2003047378A JP 2003047378 A JP2003047378 A JP 2003047378A JP 3865243 B2 JP3865243 B2 JP 3865243B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装するための電子部品用セラミックパッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車には、各種制御用の電子装置が搭載されており、これらの電子装置の内、Gセンサ等の電子部品は、通常、セラミックス等からなるパッケージ内に収納されている。例えば、図6に示す従来の電子部品用セラミックパッケージ(以下、セラミックパッケージと略記する)101は、上面が開放された略箱形をなすセラミック材料からなるセラミックパッケージ本体(以下、本体と略記する)102と、その本体102の略箱形の内側(底面側)と外側(下面側)との間を接続する為に設けられた金属材料からなるビア103と、ビア103の露出部を含む本体102の内部表面に印刷された内部回路104と、ビア103の露出部を含む本体102の下面側表面に印刷及び表面処理によって形成された金属電極105と、本体102の開口形状に沿う枠状部材であって本体102の上面部にろう付けされた金属リング106とから構成されている。そして、このような構造を有するセラミックパッケージ101を用いて構成された回路装置110は、例えば、図7に示すように、本体102の底面上に回路チップ111が接着剤により接着され、回路チップ111と内部回路104とがワイヤボンディング112により接続されると共に、本体102の開口形状に沿って設けられた金属リング106に平板状の金属リッド113が溶接される。これにより、回路チップ111は、略箱形をなす本体102内部に密閉状に収納される。一方、金属電極105と他の部材(例えば、P板、コネクタターミナル等)とを電気的に接続する為のリード114は、ろう付け、又ははんだ付けにより金属電極105へ接合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電子部品用セラミックパッケージ101において、金属電極105に対するリード114の接合をろう付けで行う場合、高温(例えば、500〜800℃)で接合を行う必要があるため、回路チップ111をセラミックパッケージ本体102に耐熱温度300℃前後の接着剤により実装する前にリード114の接合を行わなければならない。そうすると、セラミックパッケージの製造取り数が大幅に減少する為コストアップにつながる。また、リード114が接合済みのセラミックパッケージ101に対して回路チップ111を搭載することになり、回路チップ111を搭載するための組み付け設備は、様々なリード形状に対応可能とするために特注設備とならざるを得ず、組み付け設備費が高くなると共に、組み付け工数が増大し、コストアップにつながるという問題がある。一方、はんだ付けでリード114の接合を行う場合は、回路装置110全体を樹脂モールドする場合に、はんだ付けされたリード114と金属電極105との接合部が樹脂成形圧や樹脂成形熱によって破壊される可能性があり、接合強度の面において信頼性が低いという問題がある。すなわち、樹脂成形温度が260℃程度であるのに対し、はんだの溶融温度はこれより低い220〜250℃程度であり、樹脂成形熱によって接合部のはんだが溶融し、さらに樹脂成形圧が加わるからである。
【0004】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、電子回路等を組み込んだ後でもリード等を後溶接可能な金属電極を備えた電子部品用セラミックパッケージを提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の電子部品用セラミックパッケージは、上面が開放された略箱形をなすセラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされていると共に、前記金属電極に、リードが抵抗溶接されていることを特徴とする。
従って、上面が開放された略箱形をなすセラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされ、強度に優れているので、セラミックパッケージに回路チップ等の電子部品を実装した後でも、金属電極にリードを抵抗溶接することができる。例えば、電子部品が実装された回路装置全体を樹脂モールドする場合にも、樹脂成形圧や樹脂成形熱によって接合部が破壊されることがない。そして、金属電極にリードが抵抗溶接されることによって、金属電極と他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板やコネクタターミナル等)に接続するためのリード間に強固な接合が達成される。
【0006】
また、請求項2に記載の電子装置は、請求項1に記載の電子部品用セラミックパッケージに、前記電子部品が実装されると共に、前記セラミックパッケージ本体の上面に設けられた金属リングに金属リッドを溶接した回路装置が、樹脂モールドされていることを特徴とする。
従って、請求項1に記載の電子部品用セラミックパッケージに、電子部品が実装されると共に、セラミックパッケージ本体の上面に設けられた金属リングに金属リッドを溶接した回路装置が、樹脂成形圧や樹脂成形熱によって金属電極の接合部が破壊されることなく、樹脂モールドされている。
【0007】
また、請求項3に記載の電子部品用セラミックパッケージは、前記電子部品が、Gセンサであることを特徴とする。
従って、セラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされているので、セラミックパッケージにGセンサを実装した後でも、金属電極に、他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板やコネクタターミナル等)に接続するためのリードを抵抗溶接により強固に接合することができる。
【0008】
また、請求項4に記載の電子装置は、前記電子部品が、Gセンサであることを特徴とする。
従って、セラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされているので、セラミックパッケージにGセンサを実装した後でも、金属電極に、他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板やコネクタターミナル等)に接続するためのリードを抵抗溶接により強固に接合することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子部品用セラミックパッケージを具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
本実施形態の電子部品用セラミックパッケージ(以下、セラミックパッケージと略記する)1は、図1に示すように、セラミックパッケージ本体(以下、本体と略記する)2と、ビア3と、内部回路4と、金属電極5と、金属リング6とから構成されている。尚、図1(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図であり、(d)は金属電極の配設位置を変更した例を示す側面図である。
【0011】
本体2は、上面が開放された略箱形をなすセラミック材料(例えば、アルミナ)からなる部材であって、回路チップ等の電子部品が搭載される部材である。本体2は、例えば、複数のセラミックシートにそれぞれ配線パターンを印刷により形成し、これらのセラミックシートを積層して焼成することにより作製される。
【0012】
ビア3は、金属材料からなり、本体2の略箱形の内側(底面側)と外側(下面側)との間を接続する為に設けられている。ビア3は、焼成前の本体2(すなわち、セラミックシート)に打ち込まれて本体2と共に焼成される。
【0013】
内部回路4は、ビア3の露出部を含む本体2の略箱形の内側(上面側)表面に印刷によって形成されている。
【0014】
金属電極5は、ビア3の露出部を含む本体2の下面側表面に、金属材料がろう付けされることにより形成されている。金属電極5をなす金属材料としては、例えば、鉄、ニッケル及びコバルトを主成分とする金属材料(コバールと称される)や、鉄及びニッケルを主成分とする金属材料等を用いることができ、表面にニッケルめっき、金めっき等の処理が施される。また、金属電極5のろう付けは、銀ろう等をろう材として用い、500〜800℃の温度で行われる。尚、本実施形態では、ビア3及び金属電極をそれぞれ4箇所に設けた例を示したが、これらは必要に応じて任意の数に設定される。
【0015】
一方、図1(d)は、金属電極5の配設位置を変更した変形例であり、本体2の側面に金属材料をろう付けすることにより金属電極5を設けている。
【0016】
金属リング6は、本体2の開口形状に沿った枠状をなす金属材料からなる部材であって、本体2の上面部にろう付けされている。金属リング6は、本体2の開口部を覆うように設けられる金属リッド13(後述する)を溶接するために設けられるものである。金属リング6及び上述したビア3は、金属電極5と同一の金属材料若しくは略等しい熱膨張係数を有する金属材料が好適に用いられる。尚、金属電極5のろう付け及び金属リング6のろう付けは、同一工程において行うことができるため、製造コストを抑えることが可能となる。
【0017】
次に、上述した構成を有するセラミックパッケージ1に回路チップ等を搭載した回路装置10の構成及び作製方法について、図2を参照しつつ説明する。尚、図2(a)は回路装置10の上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は金属電極の配設位置を変更した例を示す側面図である。
【0018】
まず、図1に示すセラミックパッケージ1に回路チップ11を搭載する。すなわち、本体2の底面上に回路チップ11を接着剤(耐熱温度300℃前後)により接着し、続いて、回路チップ11と内部回路4とをワイヤボンディング12によりそれぞれ接続する。このとき、セラミックパッケージ1にはリード14が接合されていないので、セラミックパッケージ1の外形に突起部分が無く、回路チップ搭載装置における扱いが極めて容易であり、一つの搭載装置で他種類の回路チップの組付けに対応可能である。
【0019】
次に、本体2上面に設けられた金属リング6に、平面視矩形状の平板形状をなす金属リッド13を溶接し、本体2の上面開放部分を覆う。これにより、回路チップ11は、略箱形をなす本体2内部に密閉状に収納される。
【0020】
次に、各金属電極5と他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板、コネクタターミナル等)とを電気的に接続する為のリード14を、抵抗溶接により金属電極5へ接合する。より詳細には、図3に示すように、各金属電極5の一部に溶接用の電極アースを設けておき、リード14を金属電極5に当接させ且つ機械的圧力を加えた状態で電極+より電流を流し、電流を通じて発生する熱によって、リード14を金属電極5へ溶接接合する。そして、リード4の抵抗溶接を、4箇所の金属電極5のそれぞれについて一箇所ずつ行う。このとき、金属電極5にアースが設けられているため、ビア3を介して回路チップ11に電流が流れることがないので、回路チップ11の内部回路が溶接時の電流、電圧によって破壊されることが確実に防止される。
【0021】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、セラミックパッケージ本体2に後溶接可能な金属電極5を設けたので、セラミックパッケージ1に回路チップ11等の電子部品を実装した後でも、金属電極5に、他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板やコネクタターミナル等)に接続するためのリード14を溶接により強固に接合することができる。
【0022】
また、本実施形態によれば、金属電極5がセラミックパッケージ本体2にろう付けされ、強度に優れているので、金属電極5にリード等を後溶接することができる。
【0023】
次に、セラミックパッケージ1にGセンサを搭載した回路装置10を筐体へ組付けたGセンサ装置の各実施例について説明する。
【0024】
図4に示す第一の実施例は、セラミックパッケージ1の金属電極5に溶接されたリード14をコネクタターミナルと接合し、Gセンサが実装された回路装置10全体を樹脂材料により一体モールド成形したものである。金属電極5は、本体2にろう付けにより接合されているので、樹脂成形圧や樹脂成形熱によって接合部が破壊されることなく、回路装置10を樹脂モールドすることができる。尚、コネクタターミナルの仕様によっては、リード14とコネクタターミナルとを一体化することも可能である。
【0025】
図5に示す第二の実施例は、セラミックパッケージ1の金属電極5に溶接されたリード14をP板(ガラスエポキシ系基板)搭載用のフレームとして使用し、リード14をP板にフロー又はリフローはんだにて実装したものである。また、Gセンサが実装された回路装置10を搭載したP板は、筐体の内部空間に収納されると共に、ターミナルコネクタによるクリンチ及びはんだ付けにより筐体に固定される。尚、図5(a)は、回路装置10を水平実装(回路装置10をP板に平行に実装)した実施例を示しており、(b)はリード14の形状を変更することにより、回路装置10を縦実装(回路装置10をP板に鉛直に実装)した実施例を示している。
【0026】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0027】
例えば、金属電極5の金属材料、及び金属電極5のろう付けに用いるろう材は、上述したものに限られず、目的、用途等に応じて公知の材料を適宜選択して用いることが可能である。
【0028】
また、前記各実施例ではGセンサ装置に本発明を適用した例を示したが、これには限られず、セラミックパッケージを使用した電子装置一般に広く適用可能であることは云うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の電子部品用セラミックパッケージによれば、上面が開放された略箱形をなすセラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされ、強度に優れているので、セラミックパッケージに回路チップ等の電子部品を実装した後でも、金属電極にリードを抵抗溶接することができる。例えば、電子部品が実装された回路装置全体を樹脂モールドする場合にも、樹脂成形圧や樹脂成形熱によって接合部が破壊されることがない。そして、金属電極にリードが抵抗溶接されることによって、金属電極と他の部材(例えば、ガラスエポキシ系基板やコネクタターミナル等)に接続するためのリード間に強固な接合が達成される。
また、本発明の電子装置によれば、本発明の電子部品用セラミックパッケージに、電子部品が実装されると共に、セラミックパッケージ本体の上面に設けられた金属リングに金属リッドを溶接した回路装置が、樹脂成形圧や樹脂成形熱によって金属電極の接合部が破壊されることなく、樹脂モールドされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における電子部品用セラミックパッケージの構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は金属電極の配設位置を変更した例を示す側面図である。
【図2】 本実施形態のセラミックパッケージを用いた回路装置の一例の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は金属電極の配設位置を変更した例を示す側面図である。
【図3】 抵抗溶接によりリードを金属電極へ接合する工程を説明するための説明図である。
【図4】 本発明をGセンサ装置に適用した第一の実施例の概略構成を示す側面図である。
【図5】 本発明をGセンサ装置に適用した第二の実施例の概略構成を示す側面図であり、(a)は回路装置を水平実装した例を、(b)は縦実装した例をそれぞれ示している。
【図6】 従来技術におけるセラミックパッケージの構成を示す側面図である。
【図7】 従来技術におけるセラミックパッケージを用いた回路装置の一例の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1…電子部品用セラミックパッケージ、2…セラミックパッケージ本体、5…金属電極。

Claims (4)

  1. 電子部品を実装するためのセラミックパッケージであって、
    上面が開放された略箱形をなすセラミックパッケージ本体に、後抵抗溶接可能な金属電極がろう付けされていると共に、前記金属電極に、リードが抵抗溶接されていることを特徴とする電子部品用セラミックパッケージ。
  2. 請求項1に記載の電子部品用セラミックパッケージに、前記電子部品が実装されると共に、前記セラミックパッケージ本体の上面に設けられた金属リングに金属リッドを溶接した回路装置が樹脂モールドされていることを特徴とする電子装置
  3. 前記電子部品は、Gセンサであることを特徴とする請求項に記載の電子部品用セラミックパッケージ。
  4. 前記電子部品は、Gセンサであることを特徴とする請求項に記載の電子装置。
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