JP3393784B2 - 電子部品収納用パッケージ - Google Patents
電子部品収納用パッケージInfo
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- JP3393784B2 JP3393784B2 JP04367997A JP4367997A JP3393784B2 JP 3393784 B2 JP3393784 B2 JP 3393784B2 JP 04367997 A JP04367997 A JP 04367997A JP 4367997 A JP4367997 A JP 4367997A JP 3393784 B2 JP3393784 B2 JP 3393784B2
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- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
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- Semiconductor Lasers (AREA)
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- Led Device Packages (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は光半導体素子や圧電
振動子等の電子部品を収容するための電子部品収納用パ
ッケージに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、光半導体素子や圧電振動子等の電
子部品を収容するための電子部品収納用パッケージは、
図２に断面図で示すように、酸化アルミニウム質焼結体
や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化
珪素質焼結体・ガラスセラミックス質焼結体等の電気絶
縁材料から成り、その上面中央部に電子部品を搭載する
ための搭載部11ａおよびこの搭載部11ａ上面から下面に
かけて導出するメタライズ配線層12を有する略円板状ま
たは角板状の絶縁基体11と、この絶縁基体11の下面に導
出したメタライズ配線層12に銀ろう等のろう材を介して
取着された外部リード端子13と、絶縁基体11の上面外周
縁に銀ろう等のろう材を介して取着され、絶縁基体11の
外周縁から水平方向に全周にわたって絶縁基体11の外側
に突出する外周部14ａを有する平板環状のフランジ部材
14と、下端部にフランジ部材14と略同じ外周寸法の鍔部
15ａを有する金属キャップ15とから構成されており、絶
縁基体11の搭載部11ａ底面に光半導体素子等の電子部品
16をろう材・ガラス・樹脂等の接着剤を介して接着固定
するとともに電子部品16の電極をボンディングワイヤ17
を介してメタライズ配線層12に電気的に接続し、しかる
後、絶縁基体11に取着されたフランジ部材14の外周部14
ａに金属キャップ15の鍔部15ａを溶接し、絶縁基体11と
金属キャップ15とから主に成る容器内部に電子部品16を
気密に封止することによって製品としての電子装置とな
る。 【０００３】また、絶縁基体11に取着されたフランジ部
材14と金属キャップ15との溶接は、フランジ部材14の外
周部14ａと金属キャップ15の鍔部15ａの外周部とを互い
に圧接しながらフランジ部材14と金属キャップ15との間
に大電流を印加し、これによってフランジ部材14と金属
キャップ15との接触部においてジュール熱を発生させ、
このジュール熱によりフランジ部材14の外周部14ａと金
属キャップ15の鍔部15ａとの接触部近傍を溶融させるこ
とによって行なわれる。 【０００４】なお、この従来の電子部品収納用パッケー
ジにおいては、パッケージの取扱いの際等にフランジ部
材14の外周部14ａに外力が印加された場合でもその外力
によって外周部14ａが容易に変形してフランジ部材14と
金属キャップ15との良好な溶接が不可能となるのを防止
するために、フランジ部材14の厚みを通常約0.2 ｍｍ以
上の厚いものとしている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の電子部品収納用パッケージにおいては、フランジ部
材14の厚みが約0.2 ｍｍ以上と厚いことから、電子装置
の小型化を図るためにフランジ部材の外周寸法を小さい
ものとした場合、その結果として外周部14ａが絶縁基体
11から突出する突出幅が約0.5 ｍｍ未満の狭いものとな
るとフランジ部材14の外周部14ａが撓みにくいものとな
るため、フランジ部材14に金属キャップ15を溶接する際
の熱によりフランジ部材14に大きな熱応力が印加される
と、その応力の大部分がフランジ部材14に吸収されるこ
となく絶縁基体11とフランジ部材14との接合部に印加さ
れることとなり、フランジ部材14が絶縁基体11から剥が
れたり絶縁基体11にクラックが発生したりして、容器の
気密が破れてしまうという欠点を誘発していた。 【０００６】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、フランジ部材の外周寸法を小さい
ものとした場合でも溶接の際にフランジ部材の剥がれや
絶縁基体のクラックが発生することがない、小型で気密
性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することに
ある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明の電子部品収納用
パッケージは、上面に電子部品が搭載される搭載部を有
する絶縁基体と、該絶縁基体の外周縁に取着され、外周
部が絶縁基体の外側に突出する平板環状のフランジ部材
と、該フランジ部材と略同じ外周寸法の鍔部を下端に有
し、該鍔部が圧接しながらの溶接によりフランジ部材に
接合される金属キャップとから成る電子部品収納用パッ
ケージにおいて、前記フランジ部材は、前記外周部の外
周側の厚みが内周側の厚みより厚いことを特徴とするも
のである。 【０００８】本発明の電子部品収納用パッケージによれ
ば、金属キャップが溶接されるフランジ部材は、その厚
みが外周部の外周側が内周側よりも厚いことから、溶接
時の熱による熱応力がフランジ部材に作用したとしても
その応力はフランジ部材の外周部の内側の厚みの薄い部
分が撓むことにより良好に吸収緩和されるとともに、外
周部の外周側の厚みが厚いことからフランジ部材の機械
的強度が保たれる。従って、溶接の際のフランジ部材の
剥がれや絶縁基体のクラックが発生することがない小型
で気密性に優れた電子部品収納用パッケージとなる。 【０００９】 【発明の実施の形態】次に本発明を添付の図面を基に説
明する。図１は本発明の電子部品収納用パッケージを光
半導体素子を収容するための電子部品収納用パッケージ
に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。同図において１は絶縁基体、２は金属キャップであ
り、主にこの絶縁基体１と金属キャップ２とで内部に電
子部品（光半導体素子）４を気密に収容する容器３が構
成される。 【００１０】絶縁基体１にはその上面中央部に光半導体
素子４を搭載するための搭載部１ａが設けてあり、この
搭載部１ａ上面には光半導体素子４が導電性のろう材や
樹脂・ガラス等の接着剤を介して接着固定される。 【００１１】絶縁基体１は、酸化アルミニウム質焼結体
・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化
珪素質焼結体・ガラスセラミック焼結体等の電気絶縁材
料から成る略円板体または角板体であり、例えば酸化ア
ルミニウム質焼結体から成る場合は、酸化アルミニウム
・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原
料粉末に適当なバインダや溶剤を添加混合して泥漿状と
なすとともにこれを従来周知のドクターブレード法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得、しかる後、これらセラミックグ
リーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すととも
にこれらを上下に積層し、高温（約1600℃）で焼成する
ことによって製作される。 【００１２】また絶縁基体１には搭載部１ａ上面から下
面にかけて複数個のメタライズ配線５が被着形成されて
おり、このメタライズ配線５の搭載部１ａ上面の部位に
は光半導体素子４の底面および電極が導電性の接着剤お
よびボンディングワイヤ６を介して電気的に接続され、
他方、絶縁基体１の下面に導出された部位には外部電気
回路基板に接続されるピン状の外部リード端子７が銀ろ
う等のろう材を介して取着されている。 【００１３】メタライズ配線５はタングステンやモリブ
デン・モリブデン−マンガン・銅・銀・銀−パラジウム
等の金属粉末焼結体から成り、例えばタングステンから
成る場合は、タングステン粉末に適当な有機バインダや
溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体１とな
るセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリー
ン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、これをセラ
ミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶
縁基体１の搭載部１ａ上面から下面にかけて被着形成さ
れる。 【００１４】なお、メタライズ配線５には通常、メタラ
イズ配線５が酸化腐食するのを有効に防止するとともに
メタライズ配線５と導電性接着剤およびボンディングワ
イヤ６との接続性を良好なものとするために、その露出
表面にニッケルめっき層と金めっき層とが順次被着され
ている。 【００１５】絶縁基体１は、またその上面の外周縁に環
状のメタライズ金属層８が被着形成されており、このメ
タライズ金属層８にフランジ部材９が銀ろう等のろう材
を介して取着されている。 【００１６】この環状のメタライズ金属層８はタングス
テンやモリブデン・モリブデン−マンガン・銅・銀・銀
−パラジウム等の金属粉末焼結体から成り、絶縁基体１
にフランジ部材９を接合させるための下地金属として作
用する。例えばタングステンから成る場合は、タングス
テン粉末に適当なバインダや溶剤を添加混合して得た金
属ペーストを絶縁基体１となるセラミックグリーンシー
ト上に所定パターンに印刷し、これをセラミックグリー
ンシートと同時に焼成することによって絶縁基体１の上
面の外周縁に環状に被着される。 【００１７】なお、この環状のメタライズ金属層８は必
要に応じてメタライズ配線層５の一部に電気的に接続さ
れており、通常、その表面にはニッケルめっき層や金め
っき層等のろう材との濡れ性に優れ且つ耐食性に優れる
めっき金属層が被着されている。 【００１８】また、メタライズ金属層８にろう付取着さ
れたフランジ部材９は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケ
ル−コバルト合金等の金属から成り、絶縁基体１の外周
縁から水平方向に全周にわたり絶縁基体の外側に突出す
る外周部９ａを有する平板環状体であり、更に外周部９
ａの内周側でその厚みが例えば0.1 ｍｍ程度と薄く、ま
た外周部９ａの外周側でその厚みが例えば0.2 ｍｍ程度
と厚いものとなっている。 【００１９】このフランジ部材９は金属キャップ２を絶
縁基体１に接合させるための接合金具として作用し、そ
の外周部９ａには金属キャップ２が溶接により接合され
る。 【００２０】ここで、フランジ部材９はその厚みが外周
部９ａの内周側で薄いことから、外周部９ａに金属キャ
ップ２を溶接する際に溶接の熱による熱応力が外周部９
ａに作用したとしてもその応力は外周部９ａの厚みが薄
い内周側が撓むことにより良好に吸収緩和され、その結
果、フランジ部材９が絶縁基体１から剥がれたり絶縁基
体１にクラックが発生することが有効に防止される。 【００２１】フランジ部材９は、その外周部９ａの内周
側で厚みの薄い部分の幅がその部分の厚みに対して2.5
倍未満となると、外周部９ａの内周側が撓みにくいもの
となって、外周部９ａに金属キャップ２を溶接する際に
溶接の熱による応力を撓むことにより良好に吸収緩和す
ることが困難となる傾向にある。従って、フランジ部材
９は、その外周部９ａの内周側で厚みの薄い部分の幅が
その部分の厚みに対して2.5 倍以上の幅であることが好
ましい。 【００２２】また、フランジ部材９は、その厚みが外周
部９ａの外周側で厚いことから、この厚みの厚い外周側
で外周部９ａの機械的強度が保たれ、その結果、パッケ
ージの取り扱いの際等にフランジ部材９の外周部９ａに
外力が印加されてもその外力により外周部９ａが容易に
変形することはなく、従って、フランジ部材９と金属キ
ャップ２とを溶接により接合する際にフランジ部材９と
金属キャップ２とを良好に溶接させることが可能とな
る。 【００２３】フランジ部材９は、その外周部９ａの外周
側で厚みの厚い部分の厚みが0.2 ｍｍ未満では、外周部
９ａに外力が印加された際に外周部９ａが容易に変形し
易い傾向にある。従ってフランジ部材９は、その外周部
９ａの外周側で厚みの厚い部分の厚みが0.2 ｍｍ以上で
あることが好ましい。 【００２４】なお、フランジ部材９の絶縁基体１への取
着は、例えば絶縁基体１の上面に被着させたメタライズ
金属層８上に銀ろう等のろう材箔を環状に形成したろう
材プリフォームとフランジ部材９とを順次載置し、しか
る後、このろう材プリフォームを加熱溶融させることに
よってメタライズ金属層８上に取着され、絶縁基体１の
外周縁に取着される。 【００２５】フランジ部材９に溶接される金属キャップ
２は、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバル
ト合金等の金属から成り、下端部にこのフランジ部材９
と略同じ外周寸法の鍔部２ａを、上端部にガラス等の透
光性材料から成る窓部材２ｂを有するシルクハット形状
の容器部材であり、内部に光半導体素子４を収容するた
めの空所が形成されており、絶縁基体１に取着されたフ
ランジ部材９に鍔部２ａが溶接されることにより、絶縁
基体１と金属キャップ２とから主に成る容器３内部に光
半導体素子４が気密に封止され、また窓部材９ｂを透し
て光半導体素子４と外部との光信号の授受を行なうこと
が可能となる。 【００２６】なお、金属キャップ２のフランジ部材９へ
の溶接は、フランジ部材９の外周部９ａの外周部と金属
キャップ２の鍔部２ａの外周部とを互いに圧接しなが
ら、フランジ部材９と金属キャップ２との間に大電流を
印加し、これによってフランジ部材９と金属キャップ２
との接触部においてジュール熱を発生させ、このジュー
ル発熱によりフランジ部材９および金属キャップ２の接
触部近傍を溶融させることによって行なわれる。 【００２７】かくして本発明の電子部品収納用パッケー
ジによれば、絶縁基体１の搭載部１ａ上面に光半導体素
子４を接着剤を介して接着固定するとともに光半導体素
子４の各電極をボンディングワイヤ６を介してメタライ
ズ配線層５に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体１に
取着させたフランジ部材９に金属キャップ２を溶接し、
絶縁基体１と金属キャップ２とから成る容器３内部に光
半導体素子４を気密に封止することによって製品として
の電子装置となる。 【００２８】なお、本発明は上述の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施
の形態の例では光半導体素子を収容する電子部品収納用
パッケージを例に説明したが、本発明の電子部品収納用
パッケージは圧電振動子等の他の電子部品を収容する電
子部品収納用パッケージに適用され得ることは言うまで
もない。 【００２９】 【発明の効果】本発明の電子部品収納用パッケージによ
れば、絶縁基体の外周縁に取着され金属キャップが溶接
される平板環状のフランジ部材の厚みが外周部の外周側
が内周側より厚いことから、電子装置の小型化を図るた
めにフランジ部材の外周寸法を小さいものとした結果、
外周部が絶縁基体から突出する突出幅が狭いものとなっ
たとしても、この外周部に金属キャップを溶接する際に
溶接の熱により発生する熱応力はフランジ部材の外周部
の厚みが薄い内周側が撓むことにより良好に吸収緩和さ
れ、その結果、フランジ部材が絶縁基体から剥がれたり
絶縁基体にクラックが発生することが有効に防止され
る。更に、フランジ部材はその厚みが外周部の外周側で
厚いことから、この厚みの厚い外周側で外周部の機械的
強度が保たれる結果、パッケージの取扱いの際等にフラ
ンジ部材の外周部に外力が印加されてもその外力により
外周部が容易に変形することはない。従って、フランジ
部材と金属キャップとを溶接により接合する際、フラン
ジ部材と金属キャップとを良好に溶接させることが可能
となり、小型で気密性に優れる電子部品収納用パッケー
ジが実現できる。
振動子等の電子部品を収容するための電子部品収納用パ
ッケージに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、光半導体素子や圧電振動子等の電
子部品を収容するための電子部品収納用パッケージは、
図２に断面図で示すように、酸化アルミニウム質焼結体
や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化
珪素質焼結体・ガラスセラミックス質焼結体等の電気絶
縁材料から成り、その上面中央部に電子部品を搭載する
ための搭載部11ａおよびこの搭載部11ａ上面から下面に
かけて導出するメタライズ配線層12を有する略円板状ま
たは角板状の絶縁基体11と、この絶縁基体11の下面に導
出したメタライズ配線層12に銀ろう等のろう材を介して
取着された外部リード端子13と、絶縁基体11の上面外周
縁に銀ろう等のろう材を介して取着され、絶縁基体11の
外周縁から水平方向に全周にわたって絶縁基体11の外側
に突出する外周部14ａを有する平板環状のフランジ部材
14と、下端部にフランジ部材14と略同じ外周寸法の鍔部
15ａを有する金属キャップ15とから構成されており、絶
縁基体11の搭載部11ａ底面に光半導体素子等の電子部品
16をろう材・ガラス・樹脂等の接着剤を介して接着固定
するとともに電子部品16の電極をボンディングワイヤ17
を介してメタライズ配線層12に電気的に接続し、しかる
後、絶縁基体11に取着されたフランジ部材14の外周部14
ａに金属キャップ15の鍔部15ａを溶接し、絶縁基体11と
金属キャップ15とから主に成る容器内部に電子部品16を
気密に封止することによって製品としての電子装置とな
る。 【０００３】また、絶縁基体11に取着されたフランジ部
材14と金属キャップ15との溶接は、フランジ部材14の外
周部14ａと金属キャップ15の鍔部15ａの外周部とを互い
に圧接しながらフランジ部材14と金属キャップ15との間
に大電流を印加し、これによってフランジ部材14と金属
キャップ15との接触部においてジュール熱を発生させ、
このジュール熱によりフランジ部材14の外周部14ａと金
属キャップ15の鍔部15ａとの接触部近傍を溶融させるこ
とによって行なわれる。 【０００４】なお、この従来の電子部品収納用パッケー
ジにおいては、パッケージの取扱いの際等にフランジ部
材14の外周部14ａに外力が印加された場合でもその外力
によって外周部14ａが容易に変形してフランジ部材14と
金属キャップ15との良好な溶接が不可能となるのを防止
するために、フランジ部材14の厚みを通常約0.2 ｍｍ以
上の厚いものとしている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の電子部品収納用パッケージにおいては、フランジ部
材14の厚みが約0.2 ｍｍ以上と厚いことから、電子装置
の小型化を図るためにフランジ部材の外周寸法を小さい
ものとした場合、その結果として外周部14ａが絶縁基体
11から突出する突出幅が約0.5 ｍｍ未満の狭いものとな
るとフランジ部材14の外周部14ａが撓みにくいものとな
るため、フランジ部材14に金属キャップ15を溶接する際
の熱によりフランジ部材14に大きな熱応力が印加される
と、その応力の大部分がフランジ部材14に吸収されるこ
となく絶縁基体11とフランジ部材14との接合部に印加さ
れることとなり、フランジ部材14が絶縁基体11から剥が
れたり絶縁基体11にクラックが発生したりして、容器の
気密が破れてしまうという欠点を誘発していた。 【０００６】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、フランジ部材の外周寸法を小さい
ものとした場合でも溶接の際にフランジ部材の剥がれや
絶縁基体のクラックが発生することがない、小型で気密
性に優れた電子部品収納用パッケージを提供することに
ある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明の電子部品収納用
パッケージは、上面に電子部品が搭載される搭載部を有
する絶縁基体と、該絶縁基体の外周縁に取着され、外周
部が絶縁基体の外側に突出する平板環状のフランジ部材
と、該フランジ部材と略同じ外周寸法の鍔部を下端に有
し、該鍔部が圧接しながらの溶接によりフランジ部材に
接合される金属キャップとから成る電子部品収納用パッ
ケージにおいて、前記フランジ部材は、前記外周部の外
周側の厚みが内周側の厚みより厚いことを特徴とするも
のである。 【０００８】本発明の電子部品収納用パッケージによれ
ば、金属キャップが溶接されるフランジ部材は、その厚
みが外周部の外周側が内周側よりも厚いことから、溶接
時の熱による熱応力がフランジ部材に作用したとしても
その応力はフランジ部材の外周部の内側の厚みの薄い部
分が撓むことにより良好に吸収緩和されるとともに、外
周部の外周側の厚みが厚いことからフランジ部材の機械
的強度が保たれる。従って、溶接の際のフランジ部材の
剥がれや絶縁基体のクラックが発生することがない小型
で気密性に優れた電子部品収納用パッケージとなる。 【０００９】 【発明の実施の形態】次に本発明を添付の図面を基に説
明する。図１は本発明の電子部品収納用パッケージを光
半導体素子を収容するための電子部品収納用パッケージ
に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。同図において１は絶縁基体、２は金属キャップであ
り、主にこの絶縁基体１と金属キャップ２とで内部に電
子部品（光半導体素子）４を気密に収容する容器３が構
成される。 【００１０】絶縁基体１にはその上面中央部に光半導体
素子４を搭載するための搭載部１ａが設けてあり、この
搭載部１ａ上面には光半導体素子４が導電性のろう材や
樹脂・ガラス等の接着剤を介して接着固定される。 【００１１】絶縁基体１は、酸化アルミニウム質焼結体
・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化
珪素質焼結体・ガラスセラミック焼結体等の電気絶縁材
料から成る略円板体または角板体であり、例えば酸化ア
ルミニウム質焼結体から成る場合は、酸化アルミニウム
・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原
料粉末に適当なバインダや溶剤を添加混合して泥漿状と
なすとともにこれを従来周知のドクターブレード法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得、しかる後、これらセラミックグ
リーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すととも
にこれらを上下に積層し、高温（約1600℃）で焼成する
ことによって製作される。 【００１２】また絶縁基体１には搭載部１ａ上面から下
面にかけて複数個のメタライズ配線５が被着形成されて
おり、このメタライズ配線５の搭載部１ａ上面の部位に
は光半導体素子４の底面および電極が導電性の接着剤お
よびボンディングワイヤ６を介して電気的に接続され、
他方、絶縁基体１の下面に導出された部位には外部電気
回路基板に接続されるピン状の外部リード端子７が銀ろ
う等のろう材を介して取着されている。 【００１３】メタライズ配線５はタングステンやモリブ
デン・モリブデン−マンガン・銅・銀・銀−パラジウム
等の金属粉末焼結体から成り、例えばタングステンから
成る場合は、タングステン粉末に適当な有機バインダや
溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体１とな
るセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリー
ン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、これをセラ
ミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶
縁基体１の搭載部１ａ上面から下面にかけて被着形成さ
れる。 【００１４】なお、メタライズ配線５には通常、メタラ
イズ配線５が酸化腐食するのを有効に防止するとともに
メタライズ配線５と導電性接着剤およびボンディングワ
イヤ６との接続性を良好なものとするために、その露出
表面にニッケルめっき層と金めっき層とが順次被着され
ている。 【００１５】絶縁基体１は、またその上面の外周縁に環
状のメタライズ金属層８が被着形成されており、このメ
タライズ金属層８にフランジ部材９が銀ろう等のろう材
を介して取着されている。 【００１６】この環状のメタライズ金属層８はタングス
テンやモリブデン・モリブデン−マンガン・銅・銀・銀
−パラジウム等の金属粉末焼結体から成り、絶縁基体１
にフランジ部材９を接合させるための下地金属として作
用する。例えばタングステンから成る場合は、タングス
テン粉末に適当なバインダや溶剤を添加混合して得た金
属ペーストを絶縁基体１となるセラミックグリーンシー
ト上に所定パターンに印刷し、これをセラミックグリー
ンシートと同時に焼成することによって絶縁基体１の上
面の外周縁に環状に被着される。 【００１７】なお、この環状のメタライズ金属層８は必
要に応じてメタライズ配線層５の一部に電気的に接続さ
れており、通常、その表面にはニッケルめっき層や金め
っき層等のろう材との濡れ性に優れ且つ耐食性に優れる
めっき金属層が被着されている。 【００１８】また、メタライズ金属層８にろう付取着さ
れたフランジ部材９は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケ
ル−コバルト合金等の金属から成り、絶縁基体１の外周
縁から水平方向に全周にわたり絶縁基体の外側に突出す
る外周部９ａを有する平板環状体であり、更に外周部９
ａの内周側でその厚みが例えば0.1 ｍｍ程度と薄く、ま
た外周部９ａの外周側でその厚みが例えば0.2 ｍｍ程度
と厚いものとなっている。 【００１９】このフランジ部材９は金属キャップ２を絶
縁基体１に接合させるための接合金具として作用し、そ
の外周部９ａには金属キャップ２が溶接により接合され
る。 【００２０】ここで、フランジ部材９はその厚みが外周
部９ａの内周側で薄いことから、外周部９ａに金属キャ
ップ２を溶接する際に溶接の熱による熱応力が外周部９
ａに作用したとしてもその応力は外周部９ａの厚みが薄
い内周側が撓むことにより良好に吸収緩和され、その結
果、フランジ部材９が絶縁基体１から剥がれたり絶縁基
体１にクラックが発生することが有効に防止される。 【００２１】フランジ部材９は、その外周部９ａの内周
側で厚みの薄い部分の幅がその部分の厚みに対して2.5
倍未満となると、外周部９ａの内周側が撓みにくいもの
となって、外周部９ａに金属キャップ２を溶接する際に
溶接の熱による応力を撓むことにより良好に吸収緩和す
ることが困難となる傾向にある。従って、フランジ部材
９は、その外周部９ａの内周側で厚みの薄い部分の幅が
その部分の厚みに対して2.5 倍以上の幅であることが好
ましい。 【００２２】また、フランジ部材９は、その厚みが外周
部９ａの外周側で厚いことから、この厚みの厚い外周側
で外周部９ａの機械的強度が保たれ、その結果、パッケ
ージの取り扱いの際等にフランジ部材９の外周部９ａに
外力が印加されてもその外力により外周部９ａが容易に
変形することはなく、従って、フランジ部材９と金属キ
ャップ２とを溶接により接合する際にフランジ部材９と
金属キャップ２とを良好に溶接させることが可能とな
る。 【００２３】フランジ部材９は、その外周部９ａの外周
側で厚みの厚い部分の厚みが0.2 ｍｍ未満では、外周部
９ａに外力が印加された際に外周部９ａが容易に変形し
易い傾向にある。従ってフランジ部材９は、その外周部
９ａの外周側で厚みの厚い部分の厚みが0.2 ｍｍ以上で
あることが好ましい。 【００２４】なお、フランジ部材９の絶縁基体１への取
着は、例えば絶縁基体１の上面に被着させたメタライズ
金属層８上に銀ろう等のろう材箔を環状に形成したろう
材プリフォームとフランジ部材９とを順次載置し、しか
る後、このろう材プリフォームを加熱溶融させることに
よってメタライズ金属層８上に取着され、絶縁基体１の
外周縁に取着される。 【００２５】フランジ部材９に溶接される金属キャップ
２は、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバル
ト合金等の金属から成り、下端部にこのフランジ部材９
と略同じ外周寸法の鍔部２ａを、上端部にガラス等の透
光性材料から成る窓部材２ｂを有するシルクハット形状
の容器部材であり、内部に光半導体素子４を収容するた
めの空所が形成されており、絶縁基体１に取着されたフ
ランジ部材９に鍔部２ａが溶接されることにより、絶縁
基体１と金属キャップ２とから主に成る容器３内部に光
半導体素子４が気密に封止され、また窓部材９ｂを透し
て光半導体素子４と外部との光信号の授受を行なうこと
が可能となる。 【００２６】なお、金属キャップ２のフランジ部材９へ
の溶接は、フランジ部材９の外周部９ａの外周部と金属
キャップ２の鍔部２ａの外周部とを互いに圧接しなが
ら、フランジ部材９と金属キャップ２との間に大電流を
印加し、これによってフランジ部材９と金属キャップ２
との接触部においてジュール熱を発生させ、このジュー
ル発熱によりフランジ部材９および金属キャップ２の接
触部近傍を溶融させることによって行なわれる。 【００２７】かくして本発明の電子部品収納用パッケー
ジによれば、絶縁基体１の搭載部１ａ上面に光半導体素
子４を接着剤を介して接着固定するとともに光半導体素
子４の各電極をボンディングワイヤ６を介してメタライ
ズ配線層５に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体１に
取着させたフランジ部材９に金属キャップ２を溶接し、
絶縁基体１と金属キャップ２とから成る容器３内部に光
半導体素子４を気密に封止することによって製品として
の電子装置となる。 【００２８】なお、本発明は上述の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施
の形態の例では光半導体素子を収容する電子部品収納用
パッケージを例に説明したが、本発明の電子部品収納用
パッケージは圧電振動子等の他の電子部品を収容する電
子部品収納用パッケージに適用され得ることは言うまで
もない。 【００２９】 【発明の効果】本発明の電子部品収納用パッケージによ
れば、絶縁基体の外周縁に取着され金属キャップが溶接
される平板環状のフランジ部材の厚みが外周部の外周側
が内周側より厚いことから、電子装置の小型化を図るた
めにフランジ部材の外周寸法を小さいものとした結果、
外周部が絶縁基体から突出する突出幅が狭いものとなっ
たとしても、この外周部に金属キャップを溶接する際に
溶接の熱により発生する熱応力はフランジ部材の外周部
の厚みが薄い内周側が撓むことにより良好に吸収緩和さ
れ、その結果、フランジ部材が絶縁基体から剥がれたり
絶縁基体にクラックが発生することが有効に防止され
る。更に、フランジ部材はその厚みが外周部の外周側で
厚いことから、この厚みの厚い外周側で外周部の機械的
強度が保たれる結果、パッケージの取扱いの際等にフラ
ンジ部材の外周部に外力が印加されてもその外力により
外周部が容易に変形することはない。従って、フランジ
部材と金属キャップとを溶接により接合する際、フラン
ジ部材と金属キャップとを良好に溶接させることが可能
となり、小型で気密性に優れる電子部品収納用パッケー
ジが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の電子部品収納用パッケージを光半導体
素子を収容する電子部品収納用パッケージに適用した場
合の実施の形態の一例を示す断面図である。 【図２】従来の電子部品収納用パッケージを示す断面図
である。 【符号の説明】 １・・・・絶縁基体 ２・・・・金属キャップ ２ａ・・・鍔部 ３・・・・容器 ４・・・・光半導体素子（電子部品） ９・・・・フランジ部材 ９ａ・・・外周部
素子を収容する電子部品収納用パッケージに適用した場
合の実施の形態の一例を示す断面図である。 【図２】従来の電子部品収納用パッケージを示す断面図
である。 【符号の説明】 １・・・・絶縁基体 ２・・・・金属キャップ ２ａ・・・鍔部 ３・・・・容器 ４・・・・光半導体素子（電子部品） ９・・・・フランジ部材 ９ａ・・・外周部
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 上面に電子部品が搭載される搭載部を有
する絶縁基体と、該絶縁基体の外周縁に取着され、外周
部が絶縁基体の外側に突出する平板環状のフランジ部材
と、該フランジ部材と略同じ外周寸法の鍔部を下端に有
し、該鍔部が圧接しながらの溶接によりフランジ部材に
接合される金属キャップとから成る電子部品収納用パッ
ケージにおいて、前記フランジ部材は、前記外周部の外
周側の厚みが内周側の厚みより厚いことを特徴とする電
子部品収納用パッケージ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04367997A JP3393784B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 電子部品収納用パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04367997A JP3393784B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 電子部品収納用パッケージ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10242318A JPH10242318A (ja) | 1998-09-11 |
| JP3393784B2 true JP3393784B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=12670533
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04367997A Expired - Fee Related JP3393784B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 電子部品収納用パッケージ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3393784B2 (ja) |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP04367997A patent/JP3393784B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10242318A (ja) | 1998-09-11 |
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