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JP3865095B2 - 着色樹脂組成物、着色画像形成材料、着色画像の製造法及びカラーフィルタの製造法 - Google Patents

着色樹脂組成物、着色画像形成材料、着色画像の製造法及びカラーフィルタの製造法 Download PDF

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JP3865095B2 JP30570797A JP30570797A JP3865095B2 JP 3865095 B2 JP3865095 B2 JP 3865095B2 JP 30570797 A JP30570797 A JP 30570797A JP 30570797 A JP30570797 A JP 30570797A JP 3865095 B2 JP3865095 B2 JP 3865095B2
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色樹脂組成物、着色画像形成材料、着色画像の製造法及びカラーフィルタの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示デバイス、センサー及び色分解デバイス等にカラーフィルタが多用されている。
このカラーフィルタの製造法として、従来は、染色可能な樹脂、例えば天然のゼラチンやカゼインをパターニングし、そこに、主に染料を用いて染色し、画素を得るという方法がとられていた。しかし、この方法で得た画素は、材料からの制約で、耐熱性、耐光性が低いという問題があった。
そこで、最近、耐熱性及び耐光性を改良する目的で、顔料を分散した感光材料を用いる方法が注目され、多くの検討が行われるようになった。この方法によれば、製造も簡略化され、得られたカラーフィルタも安定で、寿命の長いものになることが知られている。このように顔料を分散させたフォトレジストを利用した着色画像の作製が、得られる画像の安定性、寿命の長さから賞揚されている。
【0003】
しかし、顔料を分散させたフォトレジストにおいて、顔料を安定に分散させるための技術が難しく、顔料を分散させた着色画像形成用感光液では、特に顔料の分散性が低く、経時的に増粘し、顔料が凝集するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1又は請求項2における発明は、上記した従来の技術の問題を解消し、顔料の分散性、分散安定性を向上させ、塗膜の均一性を著しく高めることができるた着色樹脂組成物を提供するものである。
請求項3における発明は、上記した従来の技術の問題を解消し、顔料の分散性、分散安定性を向上させ、塗膜の均一性を著しく高めることができるた着色画像形成材料を提供するものである。
請求項4における発明は、画素の塗膜の顔料の分散がよく、従って光学特性の優れた着色画像の製造法を提供するものである。
請求項5における発明は画素の塗膜の顔料の分散がよく、従って光学特性の優れた高品位なカラーフィルタを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顔料と樹脂を混合後加温下に熟成してなる着色樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記の着色樹脂組成物において、樹脂が、酸価20〜300、重量平均分子量1,500〜200,000の樹脂である着色樹脂組成物に関する。
また、本発明は、これらの着色樹脂組成物に光重合性不飽和結合を分子内に1個以上含有するモノマー及び光開始剤が混合されてなる着色画像形成材料に関する。
また、本発明は、このの着色画像形成用材料から形成される感光層を基板上に形成し、露光現像する着色画像形成工程を複数含む着色画像の製造法に関する。
また、本発明は、上記の着色画像の製造法により同一基板上に複数の着色画像を作製することを特徴とするカラーフィルタの製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の着色樹脂組成物に用いられる樹脂としては、顔料分散性を有するものであれば特に制限はなく、さらに成膜性を有するものが好ましく、さらに、感光性を妨げず、現像性を有するものが好ましい。特に、以上の特性が、着色画像形成材料において発現するものが好ましい。このような樹脂としては、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を使用することができるが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーの単独重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸(アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。以下同様)、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーとの共重合体等が特に好ましい。
【0007】
前記マレイン酸モノアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜12のものが好ましく、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn−プロピル、マレイン酸モノイソプロピル、マレイン酸モノn−ブチル、マレイン酸モノn−ヘキシル、マレイン酸モノn−オクチル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシル、マレイン酸モノn−ノニル、マレイン酸モノn−ドデシル等が挙げられる。前記スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、m−又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−4−メチルスチレン等が挙げられる。
【0008】
また、前記の樹脂としては、光重合性不飽和結合を有するものを使用してもよい。このような樹脂の好ましい例としては、高酸価のカルボキシル基含有樹脂にグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルグリシジルエーテル等のオキシラン環とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物やアリルアルコール、2−ブテン−4−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物(不飽和アルコール)を反応させた樹脂、水酸基を有するカルボキシル基含有樹脂に遊離イソシアネート基含有不飽和化合物を反応させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加反応物に多塩基酸無水物を反応させた樹脂、共役ジエン重合体や共役ジエン共重合体と不飽和ジカルボン酸無水物との付加反応物に水酸基含有重合性モノマーを反応させた樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の不飽和当量は、600〜3000の範囲とすることが好ましく、800〜2000の範囲とすることがより好ましい。不飽和当量が小さすぎると感光材料の調整時特に、顔料を樹脂に分散させる時に一部硬化する傾向があり、不飽和当量が大きすぎると、不飽和基の導入による光重合性が十分に付与されない。なお、ここでいう不飽和当量とは、不飽和結合一つあたりの樹脂の分子量を意味している。
【0009】
前記の樹脂は、それ自身が光重合性を有する場合、また、後述するような着色画像形成材料のように組成物として感光性を付与された場合に、露光後アルカリ現像性を有するという観点から、酸価が20〜300の範囲内であることが好ましく、さらに40〜200の範囲内であることが好ましく、特に60〜150の範囲であることが好ましい。酸価が20未満ではアルカリ現像性が低下する傾向があり、また、300を超えるとアルカリ現像後の画像パターンの形状が不鮮明となる傾向がある。
【0010】
また、前記の樹脂の重量平均分子量は1,500〜200,000の範囲内であることが好ましく、さらに5,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、特に10,000〜50,000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量が1,500未満では顔料の分散安定性が低下する傾向があり、また、200,000を超えると感光液にしたときに粘度が高くなり、塗布性、特に、スピンコートする際の塗布性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0011】
酸価が20〜300、重量平均分子量が1,500〜200,000の樹脂としては、特に、下記一般式(I)
【化1】
Figure 0003865095
(ただし、式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基を示す)
及び下記一般式(II)
【化2】
Figure 0003865095
(ただし、式中、R3は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は光反応性不飽和結合を有する基を示す)
で表される繰り返し単位を、一般式(I)/一般式(II)が1/1〜5/1(モル比)の比率で有する樹脂が顔料の分散安定性、光感度の点で特に好ましい。
【0012】
上記一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂の製造法としては、例えば、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂の前駆体に、不飽和アルコール(アリルアルコール、2−ブテン−4−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等)をエステル化反応させて製造する方法、一般式(I)で表される樹脂の前駆体に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物(グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等)を付加反応させて製造する方法などが挙げられる。
【0013】
一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂の前駆体としては、スチレン又はその誘導体と、マレイン酸モノアルキルエステル(マレイン酸のハーフエステル)とを共重合することにより得ることができる。
スチレン誘導体としては、例えば、α−メチルスチレン、m又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−4−メチルスチレン等が挙げられる。
マレイン酸モノアルキルエステルとしては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノ−イソプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−n−オクチル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸モノ−n−ノニル、マレイン酸モノ−n−ドデシル等が挙げられる。
【0014】
また、本発明の着色樹脂組成物に使用する樹脂としては、前記した一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂を使用するとき、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、前記した樹脂のうち前記した一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂以外の樹脂が使用されるが、さらに、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を使用してもよい。他の樹脂は樹脂の総量100重量部に対して、50重量部以下で使用することが好ましい。
【0015】
次に、前記着色樹脂組成物に使用される顔料について説明する。顔料には無機顔料と有機顔料があり、いずれも使用することができるが、色調の豊富さ等から黒色のカーボンブラック(無機顔料)と有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・アゾメチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
カラーフィルターを製造する場合には、赤、緑、青及び黒色等の着色画像に適した各顔料系が選択して用いられる。
【0016】
赤色の着色画像の形成のために、顔料としては、単一の赤色顔料系を用いてもよく、黄色顔料系を赤色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
赤色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントレッド9、123、155、168、177、180、217、220、224等が挙げられる。
黄色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントイエロー20、24、83、93、109、110、117、125、139、147、154等が挙げられる。
これらの赤色顔料系及び黄色顔料系は、それぞれ2種類以上を混合して使用することもできる。なお、赤色顔料系と黄色顔料系を混合して使用する場合には、黄色顔料系を、赤色顔料系と黄色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で使用することが好ましい。
【0017】
緑色の着色画像の形成のために、顔料としては、単一の緑色顔料系を用いてもよく、上記の黄色顔料系を緑色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
緑色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントグリーン7、36、37等が挙げられる。
これらの緑色顔料系及び黄色顔料系は、それぞれ2種類以上を混合して使用することもできる。なお、緑色顔料系と黄色顔料系を混合して使用する場合には、黄色顔料系を、緑色顔料系と黄色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で使用することが好ましい。
【0018】
青色の着色画像の形成のために、顔料としては、単一の青色顔料系を用いてもよく、紫色顔料系を青色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
青色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60等が挙げられる。
紫色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントバイオレツド19、23、29、37、50等が挙げられる。
これらの青色顔料系及び紫色顔料系は、それぞれ2種類以上を混合して使用することもできる。なお、青色顔料系と紫色顔料系を混合して使用する場合には、紫色顔料系を、青色顔料系と紫色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で使用することが好ましい。
【0019】
黒色の着色画像の形成のために、顔料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、チタンカーボン、黒鉄、二酸化マンガン等の黒色顔料が使用される。
【0020】
前記着色樹脂組成物は、着色画像形成材料として使用できるが、さらに光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマー、光開始剤等を含有させて感光性の着色画像形成材料とすることができる。この着色画像形成材料に、さらに有機溶剤を含有させて着色画像形成用感光液とすることができる。この着色画像形成材料において樹脂がモノマーに溶解している場合、有機溶剤を使用しないでも着色画像形成用感光液とできる場合がある。
【0021】
前記着色画像形成材料に使用される光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーのうち、光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート、ベンジルメタクリレート等のアラルキルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルアクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルアクリレート、(ジエチレングリコールエチルエーテル)のメタクリル酸エステル、(トリエチレングリコールブチルエーテル)のメタクリル酸エステル、(ジプロピレングリコールメチルエーテル)のメタクリル酸エステル等の(ポリアルキレングリコールアルキルエーテル)のメタクリル酸エステル、(ジエチレングリコールエチルエーテル)のアクリル酸エステル、(トリエチレングリコールブチルエーテル)のアクリル酸エステル、(ジプロピレングリコールメチルエーテル)のアクリル酸エステル等の(ポリアルキレングリコールアルキルエーテル)のアクリル酸エステル、(ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル)のメタクリル酸エステル等の(ポリアルキレングリコールアリールエーテル)のメタクリル酸エステル、(ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル)のアクリル酸エステル等の(ポリアルキレングリコールアリールエーテル)のアクリル酸エステル、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、メトキシ化シクロデカトリエンメタクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシ化シクロデカトリエンアクリレート、グリセロールメタクリレート、グリセロールアクリレート、ヘプタデカフロロデシルメタクリレート等のフッ素化アルキルメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート等のフッ素化アルキルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等がある。
【0022】
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーのうち、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げらる。
【0023】
光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、さらに、一般式(a)
【化3】
Figure 0003865095
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)
で示されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジアクリレート、一般式(b)
【化4】
Figure 0003865095
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)
で示されるビスフェノールAのエピクロルヒドリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、一般式(c)
【化5】
Figure 0003865095
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)
で示されるリン酸のアルキレンオキシド付加物のジアクリレート、一般式(d)
【化6】
Figure 0003865095
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)
で示されるフタル酸のエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物、ポリエチレングリコールのジアクリレート、ポリプロピレングリコールのジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、一般式(e)
【化7】
Figure 0003865095
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)
で示される1,6−ヘキサンジオールのエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物(アクイリル基を一分子中に2個有するもの)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、一般式(f)
【化8】
Figure 0003865095
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、3個のmはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)
で示されるリン酸のアルキンオキシド付加物のトリアクリレート、一般式(g)
【化9】
Figure 0003865095
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m、m′及びm″はそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)
で示されるトリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが挙げられる。
これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
前記着色画像形成材料に使用される光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。
これらの光開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0025】
前記有機溶剤としては、例えば、ケトン化合物、アルキレングリコールエーテル化合物、、アルコール化合物、芳香族化合物などが挙げられる。具体的には、ケトン化合物として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジオキサン等があり、アルキレングリコールエーテル化合物として、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチゾレセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートエ等があり、ポリエチレングリコールアルキルエーテルアセテート化合物としては、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールiso−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールtert−ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールiso−プロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールtert−ブチルエーテルアセテート等があり、アルコール化合物として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフラン等があり、芳香族化合物として、ベンゼン、トルエン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン等があり、その他として、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチル等の有機溶剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
前記着色画像形成材料に使用される樹脂、顔料、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマー及び光開始剤の配合割合は、これらの総量に対して、
(a)樹脂は、好ましくは10〜85重量%、より好ましくは20〜60重量%、25〜50重量%、
(b)顔料は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%、
(c)光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーは、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%、
(d)光開始剤は、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%、特に好ましくは5〜10重量%
とされる。
【0027】
前記着色画像形成材料に樹脂が少なくなりすぎると顔料の分散安定性が低下する傾向があり、多すぎると感光液にしたときの粘度が高くなり、塗布性、特にスピンコートする際の塗布性が低下する傾向がある。
また、顔料が少なくなりすぎると画像の色濃度が低くなる傾向があり、多すぎると光感度が低下する傾向がある。
また、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーが少なくなりすぎると光感度が低くなる傾向があり、多すぎると顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
さらに、光開始剤少なすぎると光感度が低くなる傾向があり、多すぎると密着性が低下する傾向がある。
【0028】
有機溶剤は、感光液中の樹脂、顔料、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上含有するモノマー及び光開始剤を含む全固形分が5〜40重量%の範囲になるように用いられることが好ましい。全固形分が40重量%を超えると粘度が高くなり、塗布性が悪くなる傾向がある。全固形分が5重量%未満であると粘度が低くなり、塗布性が悪くなる傾向がある。
【0029】
本発明の着色画像形成材料及び着色画像形成用感光液には、暗反応を抑制するための熱重合禁止剤(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等)、基板との密着性を向上させるためのチタネートカップリング剤(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等を有したシランカップリング剤やイソプロピルトリメタクリロイルチタネート、ジイソプロピルイソステアロイル−4−アミノベンゾイルチタネート等)、膜の平滑性を向上させるための界面活性剤(フッ素系、シリコン系、炭化水素系等)及びその他、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添加剤を必要に応じて適宜使用することができる。
【0030】
次に、本発明に用いる着色樹脂組成物及び着色画像形成用感光液の製造法について説明する。
顔料を樹脂及び有機溶剤並びに必要に応じて分散剤と混合し、分散させる。このとき、混合物は超音波分散機、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ニーダー等の分散・混練装置を用いて混練することにより分散処理することが好ましい。このとき、顔料100重量部に対して樹脂を少なくとも20重量部用いることが好ましい。樹脂が少なすぎると顔料の分散安定性が低下する傾向がある。同様に有機溶剤も顔料の分散時に全量用いてもよく、また有機溶剤の一部を分散後に加えてもよい。ただし、有機溶剤は、分散時の顔料及ぴ樹脂の全量100重量部に対して、分散時に少なくとも100重量部用いることが好ましい。100重量部未満では分散時の粘度が高すぎて、特にボールミル、サンドミル、ピーズミルなどで分散する場合には分散が困難になる可能性がある。
【0031】
着色画像形成用感光液とするには、さらに、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマー及び光開始剤を混合するが、これらは、この分散処理の前に混合してもよく、分散処理後に混合してもよい。樹脂は前記分散時に全量使用せず、残りを後で、特に着色画像形成用感光液の製造時に混合してもよい。
各成分の使用量は最終的に前記した着色画像形成用感光液における配合割合になるように調整される。
【0032】
前記分散剤としては、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリスルホン酸型高分子界面活性剤等のアニオン系分散剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン系分散剤、アントラキノン系、ペリレン系、フタロシアニン系、キナクドリン系等の有機色素にカルボキシル基、スルホン酸塩基、カルボン酸アミド基、水酸基等の置換基を導入した有機色素の誘導体などがある。顔料の分散性や分散安定性が向上し、好ましい。これら顔料分散剤や有機色素の誘導体は、顔料100重量部に対して50重量部以下で用いることが好ましい。50重量部を超えると色度がずれる傾向がある。
【0033】
前記の分散処理に際して、樹脂は、その全量を分散処理時に顔料と共に用いてもよく、樹脂の一部を分散処理後に加えてもよい。ただし、分散処理時に樹脂は顔料100重量部に対して少なくとも20重量部用いることが好ましい。20重量部未満では顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
同様に有機溶剤もその全量を分散処理時に顔料と共に用いてもよく、有機溶剤の一部を分散処理後に加えてもよい。ただし、有機溶剤は、分散処理時の顔料及び樹脂の全量100重量部に対して、分散処理時に少なくとも100重量部用いることが好ましい。100重量部未満では分散処理時の粘度が高すぎて、特にボールミル、サンドミル、ビーズミルなどで分散する場合には分散が困難になる可能性がある。
【0034】
本発明における着色樹脂組成物は、上記の分散処理後加温下に熟成される。熟成の温度は、25〜80℃が好ましく、30〜80℃がより好ましく、40〜60℃が特に好ましい。25℃より温度が低いと熟成の効果が低く、100℃より高いとゲル化する傾向にある。熟成期間は、熟成温度により異なり、適宜決定される。熟成温度が25℃前後では30〜60日、40〜60℃で18時間〜30日(好ましくは1日以上)、80℃前後でl日程度が好ましく、25℃では60日前後、40〜60℃では3〜30日がより好ましく、40〜60℃では6〜14日が特に好ましい。
【0035】
本発明における基板上へ着色画像形成材料からなる感光層を積層するには、感光液を基板に直接塗布するか、あるいはその感光液を一旦支持体に塗布して成膜した後、基板に積層するなどして行うことができる。
上記の基板としては、用途により選択されるが、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス板、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。これらの基板には予めクロム蒸着等によりブラックマトリックスが形成されているものであってもよい。
【0036】
感光液を基板に塗布する方法としては、ロールコーター塗布、スピンコーター塗布、スプレー塗布、ホエラー塗布、ディップコーター塗布、カーテンフローコーター塗布、ワイヤーバーコーター塗布、グラビアコーター塗布、エアナイフコーター塗布などがある。塗布後、50〜130℃の温度で1〜30分乾燥することが好ましい。このようにして着色画像形成材料からなる膜を得ることができる。
このようにして形成された感光層の厚みは、用途によって適宜定まるが、0.1〜300μmの範囲とされることが好ましい。また、カラーフィルターに用いる場合には、0.2〜5μmの範囲とされることが好ましい。
【0037】
また、支持体上に上記と同様にして感光層を形成することができる。この感光層を前記の基板に積層するには、基板に膜を重ねてローラを通して圧着する方法がある。このとき、ローラを少し加熱することが好ましい。また、圧着を減圧下に行うことが好ましい。支持体は、基板に感光層を積層してから剥離することが好ましい。支持体としては、ポリエチレンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等を用いることができる。
【0038】
基板上に積層された感光層への露光は、その感光層に活性光線を画像状に照射することにより行うことができる。これにより露光部の膜を硬化させることができる。露光に際し、その膜の表面にポリビニルアルコール等の酸素遮断膜を0.5〜30μmの厚みで形成し、その上から露光してもよい。
活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、ラングステンランプ、可視光レーザーなどが好適である。これらの光源を用いてフォトマスクを介したパターン露光や走査による直接描写などにより画像状に活性光線が照射される。
【0039】
上記の露光に続いて現像工程を行う。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の無機アルカリ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の有機塩基、又は塩を含む水溶液(アルカリ現像液)、有機溶剤等の現像液を吹き付けるか、現像液に浸漬するなどして未露光部を除去し、画像に対応した硬化膜の着色画像パターンを得ることができる。
現像後、さらに、着色画像パターンをより強固に硬化させるため、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、60〜280℃の温度が好ましく、加熱時間は1〜60分間程度が好ましい。
【0040】
このような着色画像形成工程により着色画像が形成されるが、特に、カラーフィルターの製造法においては、着色画像形成工程を異なる3〜4色の着色画像について繰り返し行うことが好ましい。例えば、先にクロム蒸着などにより形成したブラックマトリックス上に赤、緑、青の着色画像が形成される。また、黒色の着色画像形成材料を用いてブラックマトリックスを形成した後、赤、緑、青の着色画像が形成される。さらに、赤、緑、青の着色画像を形成した後に、これらの着色画像の間隙に黒色の画像形成材料を用いてブラックマトリックスが形成される。赤、緑、青の着色画像の形成の順序は任意である。着色画像は各色について画素を形成するようにされる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
(1)使用する樹脂:スチレン50モル%−マレイン酸モノプロピルエステル20モル%−マレイン酸誘導体30モル%からなり、重量平均分子量が11000かつ酸価65の共重合体(以下、共重合体Aという)。
(2)上記マレイン酸誘導体に基づく繰り返し単位は次の構造を有するものである。
【化10】
Figure 0003865095
【0042】
実施例1〜5
樹脂として共重合体A40g及び顔料として顔料としてC.I.ピグメントグリーン36を15g及びC.I.ピグメントイエロー83を5g及び有機溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル147gをビーズミルを用いて2時間混練し、顔料を共重合体中に分散させて顔料分散物を作製し、次いでこれを熟成温度40℃で表1に示す期間放置して熟成し、着色樹脂組成物を得た。
この着色樹脂組成物、モノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート32g、光開始剤としてベンゾフェノン12g及びN,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン4g並びに有機溶剤であるジエチレングリコールジメチルエーテル253gを加えて混合し、緑色の着色画像形成用感光液を得た。
得られた感光液の安定性を、40℃で3日間、粘度の経時的変化で評価した。結果を表1に示す。
また、得られた感光液を、ガラス基板(コーニング社製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布した後、110℃で5分間の乾燥を行い、膜厚1.0μmの膜を形成し、塗布した際の塗膜の外観を目視にて評価した結果、良好であった。
【0043】
また、得られた膜に、ネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に600mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (東邦化学株式会社製、ノナール912A)を0.5重量%及び水酸化カリウムを0.3重量%含む水溶液により、現像を行い、緑色の画像パターンを得た。
【0044】
比較例1
表1に示す熟成温度(常温、20℃)と熟成期間としたこと以外は、実施例1に準じて着色樹脂組成物及び緑色の着色画像形成用感光液を得た。ただし、着色樹脂組成物の作製に引き続いて着色画像形成用感光液得を作製した。得られた感光液の安定性を、40℃で3日間、粘度の経時的変化で評価した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003865095
【0046】
実施例6〜9
熟成温度を25℃とし、熟成期間を表2に示す期間としたこと以外は実施例1に準じて、着色樹脂組成物を得た。
また、この着色樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1に準じて、緑色の着色画像形成用感光液を得た。
得られた感光液の安定性を、40℃で3日間、粘度の経時的変化で評価した。結果を表2に示す。
また、得られた感光液を、ガラス基板(コーニング社製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布した後、110℃で5分間の乾燥を行い、膜厚1.0μmの膜を形成し、塗布した際の塗膜の外観を目視にて評価した結果、良好であった。
【0047】
また、得られた膜に、ネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に600mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (東邦化学株式会社製、ノナール912A)を0.5重量%及び水酸化カリウムを0.3重量%含む水溶液により、現像を行い、緑色の画像パターンを得た。
【0048】
【表2】
Figure 0003865095
【0049】
実施例10
樹脂として、共重合体A40g、顔料としてカラーインデックス名でC.I.ピグメントブルー15−6を17g及びC.I.ピグメントバイオレット23を1g、有機溶剤であるジエチレングリコールエチルエーテルアセテート142gに加え、これをビーズミルを用いて2時間混練し、顔料を共重合体中に分散させて顔料分散物を作製し、次いでこれを熟成温度40℃で7日間放置して熟成し、を得た。
この着色樹脂組成物に、モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート34g、光開始剤としてベンゾフェノン6g及びN,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン2g並びに有機溶剤中の必須成分以外の有機溶剤であるジエチレングリコールエチルエーテルアセテート258gを加えて混合し、青色の着色画像形成用感光液を得た。得られた感光液を、実施例1と同様にして分散安定性を評価した。その結果初期粘度及び40℃で3日後の粘度とも17.4mPa・sであった。
また、得られた感光液を用いて、実施例1と同様にして、膜を形成し、塗布した際の塗膜の外観を目視にて評価した結果良好であった。
得られた膜に、実施例1と同様にして、露光した後、1重量%の炭酸ソーダを含む水溶液で現像を行い、青色の画像パターンを得た。
【0050】
【発明の効果】
請求項1又は請求項2における着色樹脂組成物は、顔料の分散性、分散安定性を向上させ、塗膜の均一性を著しく高めることができる。
請求項3における着色画像形成材料は、顔料の分散性、分散安定性を向上させ、塗膜の均一性を著しく高めることができる。
請求項4における製造法により、画素の塗膜の顔料の分散がよく、従って光学特性の優れた着色画像が得られる。。
請求項5における製造法により、画素の塗膜の顔料の分散がよく、従って光学特性の優れた高品位なカラーフィルタを得ることができる。

Claims (5)

  1. 顔料と樹脂を混合後加温下に熟成してなる着色樹脂組成物。
  2. 樹脂が、酸価20〜300、重量平均分子量1,500〜200,000の樹脂である請求項1記載の着色樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の着色樹脂組成物に光重合性不飽和結合を分子内に1個以上含有するモノマー及び光開始剤が混合されてなる着色画像形成材料。
  4. 請求項3記載の着色画像形成材料から形成される感光層を基板上に積層し、露光現像する着色画像形成工程を含む着色画像の製造法。
  5. 請求項4に記載の着色画像の製造法により同一基板上に複数の着色画像を作製することを特徴とするカラーフィルタの製造法。
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