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JP3861798B2 - レジスト現像処理装置とその方法 - Google Patents

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JP3861798B2
JP3861798B2 JP2002334781A JP2002334781A JP3861798B2 JP 3861798 B2 JP3861798 B2 JP 3861798B2 JP 2002334781 A JP2002334781 A JP 2002334781A JP 2002334781 A JP2002334781 A JP 2002334781A JP 3861798 B2 JP3861798 B2 JP 3861798B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI等を製作する新規なレジスト基板の現像処理装置とその方法及び表面処理装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−284739号公報
【特許文献2】
特開平9−139374号公報
【特許文献3】
特開平11−87306号公報
【特許文献4】
特開平1−220828号公報
【0003】
従来、大規模で高密度、高性能デバイスを製作するには、シリコンウエハ上に製膜したレジストに対して露光、現像、リンス洗浄及び乾燥を経てパターンを形成した後、コーティング・エッチング、リンス洗浄、乾燥等のプロセスを経て製造していた。レジストとは、光、X線、電子線などに感光する高分子材料を指す。
これらの各工程において、工程毎に専用の処理装置を必要とし、現像、リンス洗浄工程では現像液、リンス液等の薬液を使用していたため、リンス洗浄工程後は乾燥工程が必須である。
【0004】
【特許文献1】には超臨界状態の洗浄媒質を用いた半導体素子、液晶デスプレイなどの微細加工品を洗浄する洗浄装置が示されている。
【特許文献2】には微少構造体の形成、半導体素子の製造における超臨界流体を用いた乾燥方法とその装置が示されている。
【特許文献3】には半導体素子の製造における超臨界流体を用いた乾燥装置が示されている。
【特許文献4】には超臨界流体による現像によってレジストのパターンを形成する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【特許文献1】〜【特許文献3】には、超臨界流体を用いた洗浄、乾燥が示されているが、露光されたレジストを有するレジスト基板を超臨界流体を用いて現像することは示されていない。
【0006】
又、本願発明者等は、上述の乾燥工程において、レジスト上に形成したパターン間に残存する上記薬液の表面張力の作用により、パターン倒れが生ずる問題があること、更にパターン倒れを防止するため、パターン間に作用する表面張力を軽減した乾燥工程の一手段として超臨界二酸化炭素を用いた乾燥方法が利用されるが、アルカリ現像、水リンスの後に超臨界二酸化炭素による乾燥を適用してもパターン間の水の排出が完全には行なえず、パターン倒れを抑制できないため、上記の超臨界流体による乾燥の利用が難しいことを見出した。
【0007】
又、【特許文献4】に記載の超臨界二酸化炭素を用いた微細な構造を持つレジスト基板の現像においては、現像室に導入した二酸化炭素を現像室そのものの加熱によって行っており、その熱容量が大きくなると、臨界温度以上である設定温度への昇温中に、目的の溶解度=現像条件に対して、制御外の溶解度となる時間が長くなるため、十分な結果が得られない問題があること、特に、200mm以上の複数枚数の大口径レジスト基板を現像するには、液体の二酸化炭素導入時に、レジスト基板の一部が液体の二酸化炭素が触れることによって制御外現像が発生して、現像結果にバラツキが生ずる問題があることを見出した。
【0008】
本発明の目的は、薬液を使用しないで廃液処理設備が不要となる二酸化炭素等の超臨界流体を使用して微細なレジスト現像を短時間で、且つバラツキが少なく、高精度にできるレジスト現像処理装置とその方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、超臨界二酸化炭素を用いることにより、上記のプロセスにおいて、パターン倒れを防止し、現像液やリンス液等の液体を使用せずに、超臨界流体で露光後のレジスト基板の現像を迅速に行う装置及びその方法を見出した。現像においては、露光された部分又は露光されない部分のどちらのレジストの除去を行うことができる。
【0010】
溶媒の溶質に対する溶解度は、溶媒の温度及び密度に依存する。ある溶媒をレジストの現像を目的として使用する場合、レジスト基板の現像処理に適した溶解度を得るための条件下では、現像液である溶媒が臨界点を超えた状態、即ち超臨界状態と呼ばれる状態となる場合がある。超臨界流体は圧力、温度を制御することにより密度を変えることができ、選択的に溶解度を得ることができる。
【0011】
また、超臨界流体は気体と同程度の拡散性を持ち、液体から気体への平衡線を通過せずに状態を変化させることができる。即ち、流体の温度を臨界温度以上に保ちながら、流体の圧力を臨界圧力以下に制御することにより気体に状態を変化させることができる。この状態変化では表面張力を作用させることが無い。
【0012】
レジスト基板等の微細な構造を有するデバイスを、超臨界流体を用いて現像する場合の溶媒としては、常温、大気圧で気体となり、臨界圧、臨界温度が比較的低い二酸化炭素等の物質が適している。二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.3MPaである。現像溶媒として二酸化炭素を使用する場合のレジストの材質としては、液体又は超臨界状態の二酸化炭素に可溶な例えばフッ素系高分子レジストが適している。
【0013】
現像溶媒である二酸化炭素の状態が気体の場合、液体及び超臨界状態に対して密度が低いため溶解度は極めて小さい。現像溶媒である二酸化炭素が超臨界状態又は液体である場合のみ、レジストの現像効果を得ることができる。
【0014】
即ち、レジスト基板を設置した現像処理室を液体又は超臨界状態の二酸化炭素で満たすとレジスト現像が行なわれ、現像室を満たしている二酸化炭素の状態を気体へ変化させると、レジストを溶解しないため、レジスト現像が停止する。即ち、現像室を液体又は超臨界状態の二酸化炭素で満たしている時間がレジストの現像時間となる。
【0015】
超臨界二酸化炭素によるレジスト現像は、例えばフッ素系高分子等の二酸化炭素に可溶なレジストを塗布したレジスト基板を露光してから現像室に設置した後、現像室内を超臨界二酸化炭素で満たして、超臨界二酸化炭素のフッ素系高分子に対する溶解性を利用することで行う。
【0016】
現像の停止は現像室内の超臨界二酸化炭素を排出して現像室内の圧力を下げて、二酸化炭素の状態を気体に変化させることで行う。更に、現像室内の二酸化炭素を排出して大気圧になったらレジスト基板を現像室より取り出して現像処理が終了する。
【0017】
二酸化炭素のフッ素系高分子に対する溶解度はヘキサン程度であり、特に複数枚の200mm以上の大口径レジスト基板を現像するには多量の超臨界二酸化炭素を必要とする。現像室となる高圧容器は、現像に必要となる超臨界二酸化炭素を充填する容積を持つことが必要となり、これに伴い現像室も大型化し熱容量も大きくなる。
【0018】
現像溶媒となる二酸化炭素は、サイフォン式液体二酸化炭素容器から、液体で現像室に導入した後、現像室を臨界温度以上の設定温度に制御して、二酸化炭素の状態を液体から超臨界へと変化させる。昇温により、現像室の圧力も昇圧する。現像室内の圧力は背圧制御弁により臨界圧力以上である設定圧力に保つ。
【0019】
サイフォン式液体二酸化炭素容器から現像室への二酸化炭素の導入は、双方の圧力が等しくなるまで液体二酸化炭素が現像室に導入される。このとき、現像室を満たす液体二酸化炭素の割合が、現像室の容積の少なくとも50%以上ないと、現像室を臨界温度以上に昇温させても超臨界状態とはならない。
【0020】
現像室内の液体二酸化炭素の割合は、二酸化炭素の飽和蒸気圧特性に依存するものであるから、サイフォン式二酸化炭素容器の温度は25℃以上に制御すれば内圧が6MPa以上となり、現像室の温度を20℃程度に制御すれば、現像室を満たす液体二酸化炭素の割合は80%程度となる。この状態で、現像室を35℃程度に昇温させれば10MPa程度の超臨界二酸化炭素で満たされる。
【0021】
上記より、液体二酸化炭素を現像室に導入する時は、現像室を20℃程度に制御する必要がある。従って、複数枚数の200mm以上の大口径レジスト基板を現像する容積を持つ現像室を臨界温度以上に昇温させるためには多量の熱供給が必要となり、図2に示すように長時間を要することになる。液体二酸化炭素導入から設定温度までの制御時間は、高圧容器の熱容量及びヒーターの容量、及び熱伝達効率から単純に算出できるが、現像室の熱容量が小さい方が、現像室を満たしている二酸化炭素の状態を液体から超臨界状態に変化させるための温度制御に要する時間を少なくできることは明らかであるが、現像室の熱容量が大きくなること更に、200mm以上の複数枚数の大口径レジスト基板の現像には、以下の装置及び方法によって解決される。
【0022】
本発明は、基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納し超臨界流体からなる現像溶媒によって露光後のレジストを現像する現像室と、該現像室にバルブを介して接続された前記超臨界流体を収納する超臨界流体容器と、前記現像室にバルブを介して接続された前記現像溶媒の高圧気体を収納する高圧気体容器と、前記現像室にバルブを介して接続された高圧によって液化した前記現像溶媒の液体を収納する液体容器と、前記現像室と高圧気体容器との間に接続された前記バルブの開放によって前記現像室内の前記超臨界流体を液化させずに気体に変化させる前記高圧気体容器に設けられた背圧制御バルブと、前記現像室内の前記超臨界流体を臨界温度以上に維持しながら液化させずに前記高圧気体容器に排出させる前記現像室に設けられた温度調整器と、前記現像室に液体状態の前記現像溶媒を導入する際、前記液体状態の現像溶媒が前記レジスト基板に接触するのを防止する前記現像室に設けられた前記レジスト基板を保持する保持手段とを有することを特徴とするレジスト現像処理装置にある
【0023】
即ち、露光後のレジスト基板を設置した現像室に直接超臨界流体を導入して、導入する流体の溶解特性を利用するレジスト現像処理装置にあり、現像室にバルブを介して配管された超臨界流体容器に超臨界流体を充填しておき、バルブを開放することにより、現像室が設定した密度及び温度の超臨界流体で満たされることを特徴とする。この現像室にバルブを介して配管された高圧容器に、気体状態の現像溶媒を高圧充填しておき、バルブを開放することにより、現像室を満たしていた超臨界流体を液化させずに気体へ状態変化させる背圧制御バルブを有すること、上記レジスト現像処理室を満たした高圧の気体の排出時に、レジスト現像処理室の気体の温度を臨界点以上に制御しながら排出することにより、気体を液化させずにレジスト現像処理室内から排気する温度調整器を有すること、上記現像室へ現像溶媒となる液体導入時、又はレジスト現像室の圧力昇圧時に、液体の現像溶媒が、レジスト基板に接することを防止する保持手段を有すること、上記レジスト乾燥室に液体の現像溶媒を圧送するための高圧ポンプを装備すること、前記現像室に供給される各容器からの前記現像溶媒の温度差をより小さく調整する温度調整器を有することが好ましい。高圧ポンプで現像溶媒を現像室に圧送することにより、現像室の容積及び熱容量を最小化できる。
【0026】
より具体的には、基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納する現像室への超臨界流体からなる現像溶媒の導入によって現像するレジスト現像処理方法において、
前記現像室に前記現像溶媒の液体を前記レジスト基板に接触しないように充填する工程と、
前記超臨界流体を前記現像室に前記超臨界流体を導入する工程と、
前記現像室に前記液体状態の現像溶媒を圧送する工程と、
前記現像室内の温度を臨界温度以上に維持しながら前記超臨界流体を液化させずに排出させる工程とを順次有することを特徴とするレジスト現像処理方法にある。
【0027】
更に、本発明は、基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納する現像室への超臨界流体からなる現像溶媒の導入によって現像するレジスト現像処理方法において、
前記露光後のレジスト基板を前記現像室に収納する工程と、
前記現像室に液体二酸化炭素が前記レジスト基板に接触しないように導入する工程と、
前記現像室に超臨界二酸化炭素を導入し前記現像を行う工程と、
前記現像室に液体二酸化炭素を圧送し前記超臨界二酸化炭素と混合する工程と、
前記現像室の超臨界二酸化炭素を高圧二酸化炭素ガスが充填された高圧二酸化炭素ガス容器に排出し前記現像室内の前記超臨界二酸化炭素を気体状態に変化させ前記現像を停止する工程と、
前記現像室温度を臨界温度以上に維持しながら前記超臨界二酸化炭素を液化させずに気体状態で排出する工程と、を順次有することを特徴とするレジスト現像処理方法にある。
【0028】
本発明の方法においては、前記現像室中の前記レジスト基板の温度変化を10℃以内、より好ましくは5℃以内になるように現像室に供給される現像溶媒の温度を調整される。
【0031】
本発明の超臨界流体によるレジスト現像装置及びその方法、レジスト現像時の現像溶媒である超臨界流体の溶解度を精度よく制御できる。その結果、特にレジスト幅として100nmから将来20nmという微細なパターン形成において高性能な特性が要求されるレジストパターンをバラツキ無く現像できる。あるいは表面処理装置及びその方法では、前述の現像とは別に洗浄及び乾燥においても迅速な処理ができると共に、微細なパターンの形成に対しても対応できるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の超臨界レジスト現像装置の構成図である。例えば20MPa、40℃の超臨界二酸化炭素13を充填した超臨界二酸化炭素容器3は、バルブ4を介して36℃に制御された現像室1に接続される。露光後のフッ素系高分子を塗布したレジスト基板5を、現像室1内の基板保持部6に設置後、現像室1を蓋2で密閉する。現像室1に接続されたバルブ4、8、11、12、23を閉じ、高圧二酸化炭素ガス容器10に接続されたバルブ20を開放する。
【0033】
サイフォン式液体二酸化炭素容器9は温度調整器22で25℃に制御することで内部圧力を二酸化炭素の飽和蒸気圧特性から6MPaに設定できる。バルブ8を開放すると、サイフォン式液体二酸化炭素容器9から液体二酸化炭素14が現像室1に導入される。現像室1の圧力がサイフォン式液体二酸化炭素容器9と同じ6MPaとなったらバルブ8を閉じる。現像室1は36℃に制御しているため、導入した液体二酸化炭素は飽和蒸気圧特性から気体となり、6MPa、36℃の気体二酸化炭素で現像室が満たされる。
【0034】
40℃、20MPaの超臨界状態の二酸化炭素13を充填した超臨界二酸化炭素容器3はバルブ4を介して現像室1に接続される。バルブ4を開放すると、超臨界状態の二酸化炭素13が現像室1に導入され、現像室は14MPa、38℃の超臨界二酸化炭素で満たされ、レジスト基板5の現像が始まる。
【0035】
現像室1と超臨界二酸化炭素容器3の圧力が等しくなったらバルブ4を閉じる。このとき、現像室1を満たしている超臨界状態の二酸化炭素がレジストを溶解しても溶解度が変化せずに一定に保つため、バルブ8を開放して高圧ポンプ7で現像室1に毎分50mlの液体二酸化炭素14を圧送する。現像室1に導入された液体二酸化炭素は熱伝導により超臨界状態に変化し、現像室1を満たしている超臨界二酸化炭素と混合する。
【0036】
高圧ポンプ7で液体二酸化炭素の圧送を開始すると同時にバルブ12を開放する。高圧ポンプ7で液体二酸化炭素を圧送することにより現像室1の圧力は昇圧するが、14MPaに設定した背圧制御バルブ33より排出され、現像室1は設定圧力である14MPaに保たれる。200秒間、高圧ポンプ7で液体二酸化炭素の圧送を続けた後、バルブ8を閉じ圧送を停止する。
【0037】
現像を停止するには、現像室1を満たしている二酸化炭素の状態を気体に変化させる。36℃、4MPaの気体二酸化炭素15を充填した高圧二酸化炭素ガス容器10は、バルブ11を介して現像室1に接続される。バルブ11を短時間開放すると、現像室1を満たしている超臨界状態の二酸化炭素が高圧二酸化炭素ガス容器10に排出され、現像室1を満たしていた超臨界二酸化炭素は、6MPa、35℃の気体に状態が変化して現像が停止する。このとき、高圧二酸化炭素ガス容器10は導入される超臨界二酸化炭素のため昇圧するが、4MPaに設定してある背圧制御弁26から排出され4MPaに保たれる。
【0038】
現像を停止したら、現像室1を満たしている二酸化炭素を排出する。バルブ23を開放して圧力制御バルブ24から二酸化炭素を排出する。排出時に現像室1を満たしている二酸化炭素が液化しないように現像室は臨界温度以上の36℃に制御する。
【0039】
現像室1が大気圧になったら現像室蓋2を開けてレジスト基板5を取り出し現像完了となる。
【0040】
図4は超臨界二酸化炭素容器への超臨界二酸化炭素を充填する本発明のレジスト現像装置の構成の一部を示す断面図である。超臨界二酸化炭素容器3は、温度調整器27で20℃に制御する。サイフォン式液体二酸化炭素容器30は図1に示すサイフォン式液体二酸化炭素容器9とは別個に設けられたものであり、温度調整器32で25℃程度に制御される。バルブ4、バルブ18を閉じ、バルブ19を開放すると液体二酸化炭素31が超臨界二酸化炭素容器3に導入される。液体二酸化炭素容器30と超臨界二酸化炭素容器3の圧力が等しくなったら、バルブ18を開放して高圧ポンプ29で液体二酸化炭素31を超臨界二酸化炭素容器3に圧送する。高圧ポンプ29の圧送の開始と同時に温度調整器27で超臨界二酸化炭素容器3を40℃に制御することにより超臨界二酸化炭素容器3内に導入された液体二酸化炭素は超臨界二酸化炭素13へと状態が変化し、圧力は背圧制御バルブ25で20MPaに保たれる。超臨界二酸化炭素容器3内を満たす二酸化炭素が20MPa、40℃になったら充填が完了する。サイフォン式液体二酸化炭素容器30は図1に示すサイフォン式液体二酸化炭素容器9とは別個に設けられるが、サイフォン式液体二酸化炭素容器9の高圧ポンプ7を介して接続させることができる。
【0041】
図5は高圧二酸化炭素ガス容器への高圧二酸化炭素ガスを充填する本発明のレジスト現像装置の構成の一部を示す断面図である。バルブ21を開放すると液体二酸化炭素容器34と高圧二酸化炭素ガス容器10が等圧になるまで気体の二酸化炭素36が導入される。液体二酸化炭素容器34は設定圧力である4MPaを超えて導入される二酸化炭素ガスはバルブ20を開放することにより、背圧制御バルブ26から排出され、4MPaに保たれる。液体二酸化炭素容器34は図1に示す液体二酸化炭素容器9とは別個に設けたものであるが、液体二酸化炭素容器9の気体状態の部分に接続させることができる。
【0042】
図6は液体二酸化炭素容器内への液体二酸化炭素を充填する本発明のレジスト現像装置のレジスト現像中の現像室内部を満たす二酸化炭素の状態を示す模式図である。現像中、液体二酸化炭素導入口39から高圧ポンプ7で液体二酸化炭素14を現像室1に圧送するが、導入直後は液体の状態で現像室底面に貯まる。レジスト基板保持部の形状が、図7に示すように平坦な板状の形状であると、レジスト基板5が液体二酸化炭素38に浸り制御外現像が発生するので、図6に示すように本発明ではレジスト基板5が液体二酸化炭素38に浸らないようにレジスト基板保持部6の形状を椀状としたものである。
【0043】
図3は、このときの現像室内の二酸化炭素の温度状態を示す線図である。現像開始はバルブ4を開放することで始まり、バルブ11を開放することで現像が停止するものであるが、前述のように超臨界二酸化炭素が現像室に導入されて現像を行い、現像の停止に際してはその超臨界二酸化炭素を気体として排出することによって現像室を気体状態にすることによって現像が停止される。即ち、図2に示すように液体状態の二酸化炭素を現像室の加熱によって超臨界二酸化炭素にするにはかなりの時間が必要となるため制御外現像時間が生じるが、本実施例ではこのような時間がほとんど生じないので、その時間を最小化できると共に、現像時間の正確な設定が可能となり最適な現像結果を得ることができる。
【0044】
本実施例によれば、二酸化炭素等の超臨界流体を使用して微細なレジスト現像が、最適なレジスト現像条件の制御で可能になる。特に、現像に用いる超臨界流体の溶解度の時間制御が可能となるので、現像結果のばらつきが無いものを製造できる。
【0045】
又、前述のように、露光後の例えばフッ素系高分子等の二酸化炭素に可溶なレジストを塗布したレジスト基板を超臨界二酸化炭素で現像できると共に、現像処理工程で薬液を使用しないので廃液処理設備が不要となる。
【0046】
更に、本実施例に示すように、現像及びリンス工程で薬液を使用しないので、従来型の乾燥プロセスが不要となり、乾燥時に問題となる微細パターンの倒れを無くすことができ、又、従来の技術では上記の現像処理においては、少なくともその後に洗浄と乾燥の各工程における複数の処理のための装置が必要であるが、本実施例では一つの現像処理装置で現像、洗浄及び乾燥が同時に処理ができるものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、二酸化炭素等の超臨界流体を使用して200mm以上の大口径レジスト基板の微細なレジスト現像が、複数枚数を同時に最適なレジスト現像条件の制御で可能になる。特に、現像に用いる超臨界流体の溶解度の時間制御が可能となり、現像条件を精度良く設定できる。
又、前述のように、露光後の例えばフッ素系高分子等の二酸化炭素に可溶なレジストを塗布したレジスト基板を超臨界二酸化炭素で現像できると共に、現像処理工程で薬液を使用しないので廃液処理設備が不要となる。
更に、本発明によれば、現像及びリンス工程で薬液を使用しないので、従来型の乾燥プロセスが不要となり、乾燥時に問題となる微細パターンの倒れを無くすことができ、又、従来の技術では上記各工程において複数の処理装置が必要であるが、本発明では一つの装置で処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレジスト現像装置の構成図である。
【図2】 レジスト現像室内の二酸化炭素の状態変化を示す線図である。
【図3】 図1のレジスト現像室内の二酸化炭素の状態変化を示す線図である。
【図4】 超臨界二酸化炭素容器と液体二酸化炭素容器との接続を示す本発明のレジスト現像装置の構成図である。
【図5】 高圧二酸化炭素容器と液体二酸化炭素容器との接続を示す本発明のレジスト現像装置の構成図である。
【図6】 レジスト現像室内の二酸化炭素の状態を示す本発明のレジスト現像装置の構成図である。
【図7】 レジスト現像室内の二酸化炭素の状態を示す比較のレジスト現像装置の構成図である。
【符号の説明】
1…現像室、2…現像室蓋、3…超臨界二酸化炭素容器、4、11、12、18、19、20、21、23…バルブ、5…レジスト基板、6、40…レジスト基板保持部、7…高圧ポンプ、8…バルブ、9、30、34…サイフォン式液体二酸化炭素容器、10…高圧二酸化炭素ガス容器、13、37…超臨界二酸化炭素、14、31、38…液体二酸化炭素、15、36…高圧二酸化炭素ガス、16、17、22、27、32…温度調整器、24…圧力制御バルブ、25、26、33…背圧制御バルブ、28、35…逆止バルブ、29…高圧ポンプ、39…液体二酸化炭素導入口。

Claims (7)

  1. 基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納し超臨界流体からなる現像溶媒によって前記露光後のレジストを現像する現像室と、該現像室にバルブを介して接続された前記超臨界流体を収納する超臨界流体容器と、前記現像室にバルブを介して接続された前記現像溶媒の高圧気体を収納する高圧気体容器と、前記現像室にバルブを介して接続された前記現像溶媒の液体を収納する液体容器と、前記現像室と高圧気体容器との間に接続された前記バルブの開放によって前記現像室内の前記超臨界流体を液化させずに気体に変化させる前記高圧気体容器に設けられた背圧制御バルブと、前記現像室内の前記超臨界流体を臨界温度以上に維持しながら液化させずに前記高圧気体容器に排出させる前記現像室に設けられた温度調整器と、前記現像室に液体状態の前記現像溶媒を導入する際、前記液体状態の現像溶媒が前記レジスト基板に接触するのを防止する前記現像室に設けられた前記レジスト基板を保持する保持手段とを有することを特徴とするレジスト現像処理装置。
  2. 請求項1において、前記現像室と前記液体容器とは、前記液体容器内の前記液体状態の現像溶媒を前記現像室に導入する高圧ポンプを介して接続されていることを特徴とするレジスト現像処理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記液体容器と前記超臨界流体容器とは、前記液体容器内の前記液体状態の現像溶媒を前記超臨界流体容器に導入するバルブ及び高圧ポンプを介して接続されていることを特徴とするレジスト現像処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記液体容器内には前記現像溶媒の液体と気体とが収納され、前記液体容器と前記高圧気体容器とはバルブを介して接続され、前記液体容器内の前記気体を前記高圧気体容器に導入することを特徴とするレジスト現像処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記超臨界流体容器及び液体容器は、これらの容器内の前記現像溶媒の温度を調整する温度調整器を有することを特徴とするレジスト現像処理装置。
  6. 基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納する現像室への超臨界流体からなる現像溶媒の導入によって現像するレジスト現像処理方法において、
    前記露光後のレジスト基板を前記現像室に収納する工程と、
    前記現像室に前記現像溶媒の液体を前記レジスト基板に接触しないように充填する工程と、
    前記現像室に前記超臨界流体を導入する工程と、
    前記現像室に前記液体状態の現像溶媒を圧送する工程と、
    前記現像室内の温度を臨界温度以上に維持しながら前記超臨界流体を液化させずに排出させる工程と、
    を順次有することを特徴とするレジスト現像処理方法。
  7. 基板上に露光後のレジストを有するレジスト基板を収納する現像室への超臨界二酸化炭素の導入によって現像するレジスト現像処理方法において、
    前記露光後のレジスト基板を前記現像室に収納する工程と、
    前記現像室に液体二酸化炭素が前記レジスト基板に接触しないように充填する工程と、
    前記現像室に前記超臨界二酸化炭素を導入し前記現像を行う工程と、
    前記現像室に液体二酸化炭素を圧送し前記超臨界二酸化炭素と混合する工程と、
    前記現像室の超臨界二酸化炭素を高圧二酸化炭素ガスが充填された高圧二酸化炭素ガス容器に排出し前記現像室内の前記超臨界二酸化炭素を気体状態に変化させ前記現像を停止する工程と、
    前記現像室内の温度を臨界温度以上に維持しながら前記超臨界二酸化炭素を液化させずに気体状態で排出する工程と、
    を順次有することを特徴とするレジスト現像処理方法。
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