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JP3855201B2 - 糸、布帛又は繊維製品の製造方法 - Google Patents

糸、布帛又は繊維製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、着色された天然繊維の粒子が固着されていることによって色彩を帯びている繊維製品の製造方法に属する。
これまで外衣のファッション性を高めるために様々な工夫が行われてきたが、近年では着古し調、むら染め風、玉虫色調などの変わった見え方の色彩が消費者の人気を得ている。着古し調の布帛および製品を得る代表的な方法としては、ストーンウォッシュやサンドウォッシュといった物理的方法により部分的に脱色する方法や、微生物や酵素の働きを利用して色褪せや触感変化を生じさせるバイオウォッシュなどがある。むら染めの方法としては、伝統的な籠染めや細かく折り畳んで袋に詰めて染色する方法などの様々な方法があり、一度糸や布帛を染色した後に薬液で部分的に脱色するような方法も行われている。玉虫色調の布帛を製造する方法としては、特許文献1記載の織物の経糸と緯糸を異なる色に染色する方法や、特許文献2記載の第一染色工程、バイオ処理、脱色工程、第二染色工程等からなる後加工による方法がある。
特開平8−60563 特開平10−280276
着古し調の色彩を得るための従来のストーンウォッシュなどの洗い加工は、丈夫なデニム素材等には有効であるが、布帛に物理的ダメージを与えてしまうために柔軟でデリケートな素材に応用することは困難であった。むら染めに関しては、従来の方法では大まかなむら模様になりやすく、一見均一に見えるような微細なむら染め効果を再現性良く得ることが難しかった。玉虫色調の異色効果を得る従来法は、経糸と緯糸を異なる色に染色する方法では織物設計の段階から製品企画に大きな制約を伴い、また、後加工による方法でも多段階の煩雑な工程が必要であった。
本発明は、上記の従来の事情に鑑み、柔軟でデリケートな素材に対しても繊維を傷めることなく、着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を得るために、色素で着色された天然繊維の粒子を固着した糸、布帛又は繊維製品の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明では従来から用いられている染料や顔料による着色方法とは異なり、色素を吸着した天然繊維の粒子と糸、布帛又は繊維製品を水浴中で正負の対としてイオン化させ、クーロン引力によって粒子を糸、布帛又は繊維製品に吸着させ、続いてバインダーで固着した。また、吸着した粒子を部分的に洗い落としたり、糸、布帛又は繊維製品のイオン化を不均一に処理することによって、繊維製品に着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を与えた。
天然繊維の粒子としては、麻やケナフなどのセルロース繊維や絹や羊毛などのタンパク質繊維を微粉砕して得られる粒子の他、カニの甲殻などの繊維質であるキチンを処理して得られるキトサンの粒子も用いることができた。天然繊維の粒子径は着古し感やむら染め効果を得るためには適度に大きい方が良いが、大き過ぎると水浴中で沈殿しやすくなり吸着処理の効率が低下する。そのため、粒子径1〜20μm程度の適度に粉砕された粒子を用いた。
天然繊維の粒子の着色に使用する色素は、粒子の素材の性質、色調、染色堅ろう性などを製品の用途と要求される消費科学的性能とともに検討して、通常の染色に用いられる合成染料および天然色素の中から選択して用いた。天然色素の吸着量を増加させ且つ染色堅ろう性を向上させるためには、必要に応じて色素吸着の前に天然繊維の粒子をカチオン化やアニオン化処理した。また、通常の天然染料による染色と同様に、金属媒染によって色相を変化させたり、染色堅ろう性を向上させることもできた。
着色粒子の布帛や繊維製品への吸着は、水浴中に両者を共存させて撹拌しながら行った。効率良く粒子を繊維又は布帛に吸着させるためには両者の間に引力が必要であり、本発明ではこの引力としてクーロン力を利用した。水中で正負の対としてイオン性を帯びる着色粒子と糸、布帛又は繊維製品を同浴中で撹拌することによって、粒子を繊維間に吸着させた。着色粒子と糸、布帛又は繊維製品がイオン性を有さない場合には、それぞれを反対の電荷を帯びるようにアニオン化又はカチオン化する必要があった。しかし、例えば、絹のように素材自体がイオン性を有する場合には、イオン化処理をしなくても着色粒子の吸着処理を行うこともできた。
着色粒子を吸着させた布帛又は繊維製品に着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を付与するためには、以下のような手法によって行った。微細なむら状の仕上がりを得るには、布帛や繊維製品のイオン化処理を均一に行い、適度に調整された撹拌状態で着色粒子の吸着を行った。着古し調の色彩を得るためには、バインダーによる固着を行う前の段階で、布帛や繊維製品に吸着した着色粒子を部分的に洗い落とした。模様状のむらを表現するためには、布帛又は繊維製品のイオン化処理を不均一に行って、予めデザインされたパターンを得た。不均一に処理する方法としては、絞り、捺染、スプレーによる吹き付けといった従来の技法を用いることができた。玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩は、着色粒子が吸着されて保持されやすい繊維束内部に高濃度で局在することによって得られた。異なる色の2種類以上の着色粒子を吸着させたり、通常の染色と着色粒子による着色を組み合わせることによって、より効果的に玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩が得られた。
クーロン引力によって吸着された着色粒子を糸、布帛又は繊維製品上に十分な堅ろう性をもって固着させるためには、バインダーによる処理を行った。バインダー処理は粒子の糸、布帛又は繊維製品への吸着後、又は着古し調やむら染め風の効果を付与する工程後に、バインダーを含有する溶液に浸漬した後に乾燥又は加熱処理して行った。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
粒子径1〜20μm程度の天然繊維の粒子をクーロン力によって吸着させて着色することによって、着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を付与できる。糸、布帛又は繊維製品のアニオン化又はカチオン化を均一に処理して着色粒子を吸着させた場合では、天然繊維の粒子が染料や顔料より非常に大きいために、一見、均一に見えながら微細なむら染め風の仕上がりを再現性良く得ることができる。
布帛又は繊維製品にクーロン力で吸着させた着色粒子は、強力に固着していないので、部分的に洗い落とすことによって着古して色褪せた感じが表現できる。本方法は従来の洗い加工とは異なり、繊維素材を傷める程の物理的力を与えることがないので、ニットなどの柔軟でデリケートな素材でも色褪せたような独特の色彩表現を付与できる。
着色粒子を吸着させる糸、布帛又は繊維製品の前処理としてアニオン化又はカチオン化を、予めデザインされたパターンに従って絞り、捺染、スプレーによる吹き付けといった従来の技法を用いて不均一に処理することにより、粒子の吸着をデザイン通りのむら染め風に仕上げることができる。
着色された天然繊維の粒子を布帛の表層と内部で濃度差のある不均一な状態で固着させることによって、見る角度の違いで異なる色に見える玉虫色調や陰影の明瞭な立体的な色彩を帯びさせることができる。従来法では、織物設計の段階から製品企画に大きな制約が伴ったり、多段階の煩雑な後加工の工程が必要であったが、本発明の方法では簡単な工程で同様の効果を得ることができる。
着色粒子を吸着させた糸、布帛又は繊維製品は、着色粒子が染料や顔料に比べて非常に大きいにも拘わらず、その粒子が天然繊維を粉砕したものであるために、吸着した布帛や繊維製品の風合いを大きく変えることがない。また、粒径が大きくても軽いため、水中での撹拌によって簡単に浮遊させることができ、効率的且つ再現性の良い処理ができる。
本発明で利用する天然繊維の粒子としては、麻やケナフなどのセルロース繊維や絹や羊毛などのタンパク質繊維を微粉砕して得られる粒子の他、カニの甲殻などの繊維質であるキチンを処理して得られるキトサンの粒子も用いることができる。天然繊維の粒子径は着古し調やむら染め効果を得るためには適度に大きい方が良いが、大き過ぎると水浴中で沈殿しやすくなるために繊維や布帛への吸着に不都合が生じる。水浴中で軽く撹拌して浮遊できるためには、5〜15μm程度の粒子径に粉砕されたものが好ましい。化粧品や食品の用途として市販されている(株)トスコ中央研究所製のセルロースパウダー、シルクパウダー、キトサンパウダーは、平均粒子径10μm前後に粉砕されているため、そのまま用いることができる。
本発明で用いる天然繊維の粒子の着色に利用する色素としては、粒子素材の性質に応じて、合成染料や天然色素の中から染着性の良好なものが選択されて用いられる。合成染料を用いて染色する場合には、セルロース繊維やタンパク質繊維を染色する場合と同様に、直接染料、反応染料、酸性染料などを用いることができる。天然色素を吸着させる場合には、アントシアニン色素、フラボノイド色素、キノン系色素、ジフェニル系色素、ベンゾピラン系色素、タンニン類、インジゴ、貝紫、カルタミン、ハーブ植物に含有される色素などの中から選ぶことができる。通常の天然染料染色の場合と同様に、金属媒染によって天然色素の色相を変化させたり、染色堅ろう性を向上させることもできる。
本発明で着色粒子を吸着させる糸、布帛又は繊維製品を構成する繊維素材としては、カチオン化又はアニオン化されて着色粒子を吸着できるものであれば、特に制限されることなく使用できる。具体的には、綿、麻、レーヨン、キュプラ、和紙などのセルロース繊維、絹、毛などのタンパク質繊維、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸などの合成繊維及びそれらの混用素材の中から選ぶことができる。
着色粒子を糸、布帛又は繊維製品に吸着させるために前処理として行うイオン化処理は、着色粒子と被吸着物の水中でのイオン性が正負の対になるように行う。着色粒子と糸、布帛又は繊維製品のイオン性は、正負の対であれば、いずれが正でいずれが負であっても良い。使用する薬剤には特に制限はなく、通常のアニオン化又はカチオン化処理に利用される薬剤の中で、着色粒子および糸、布帛又は繊維製品の素材に適した種類のものを選択して用いることができる。カチオン化剤としては、第4級アンモニウム塩、多官能第4級アンモニウム塩、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、カチオン性界面活性剤などの反応性含窒素化合物を利用できる。また、アニオン化剤としては、サンドスペースR(クラリアントジャパン(株)製)などのトリアジン誘導体、EMACOL CT AGENT TR Conc 20(山陽色素(株)製)などの市販のアニオン化処理剤、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのポリアニオン化合物およびこれらのアルカリ金属塩、1,4−ブタンサルトンなどのスルホン化剤が使用可能である。また、処理を行わなくてもイオン性を帯びている繊維および粒子は、前処理を省略して吸着処理を行うこともできる。
天然色素の吸着量を増加させ、且つ染色堅ろう性を向上させるために、色素吸着の前に天然繊維の粒子をカチオン化やアニオン化処理を行うこともできる。カチオン化及びアニオン化処理は、前記の着色粒子を吸着させるための前処理として行うイオン化処理と同様に行うことができる。
着色粒子の糸、布帛又は繊維製品への吸着は、水浴中に両者を共存させて撹拌しながら吸着させる方法で行う。浴の種類としては、通常、糸染め、布染めおよび製品染めの浸染法に用いられる染色機を利用できる。浴比は染色機に合わせて適当な条件に設定できるが、クーロン引力によって吸着速度が高まるため、通常の染色条件より高い浴比でも効率的な処理ができる。着色粒子の使用量は多すぎるとバインダーによる固着が困難になるため、最大でも被吸着物の重量の20%を限度とし、好ましくは0.1〜10%の範囲で処理を行う。均一な吸着処理を行うためには、着色粒子を水浴に分割投与してもよい。助剤として、通常の染色に使用される酢酸などの酸性助剤、ソーダ灰などのアルカリ性助剤、非イオン系界面活性剤などを浴中に投入することもできる。吸着処理を行う際の処理液の温度は室温でも可能であり、季節間の温度変動に影響されることなく処理の再現性を高く保つために40℃以上の温度に昇温しても良い。
着色粒子を吸着させる布帛又は繊維製品は、以下のような手法とそれらを組み合わせた手法によって、着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を得ることができる。微細なむら状の仕上がりは、布帛や繊維製品のアニオン化又はカチオン化処理は均一に行い、適度に調整された撹拌状態で着色粒子を吸着させ、着色粒子が従来の染料や顔料に比べて大きいことで生じる微妙なむら効果を利用することで得られる。着古し調の色彩は、クーロン引力による着色粒子の布帛への吸着は完全な接着ではないことを利用し、バインダーによる固着を行う前の段階で布帛や繊維製品に吸着した着色粒子を部分的に洗い落とすことによって得られる。模様状のむら染め風の色彩は、布帛又は繊維製品のアニオン化又はカチオン化処理を、予めデザインされたパターンに従って行うことによって得られる。デザインされたパターンに従ってイオン化処理する方法としては、従来から行われている様々な捺染技法を応用することができ、絞り染めの技法、のりやろうを用いた防染手法、スプレーによる吹き付けといった方法で行うことができる。玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩は、着色粒子が繊維の密集領域に吸着されやすく、布帛又は繊維製品の表層と内部において濃度差のある不均一な状態で固着することによって得られる。異なる色の2種類以上の着色粒子を吸着させたり、通常の染色と着色粒子による着色を組み合わせることによって、より効果的に玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を得ることができる。
バインダー処理は、着色粒子の糸、布帛又は繊維製品への吸着後、あるいは着古し調やむら染め風効果を付与する工程の後に、バインダーを含有する溶液中で処理した後に脱水、自然乾燥又は加熱処理して行う。バインダーとしては、顔料捺染で顔料を繊維に接着させるために使用されるもので、適当な硬さ、柔軟性、接着力、各種耐久力や安定性があるものであれば、特に制限されることなく使用できる。具体的な組成は一概にはいえないが、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
以下に、発明の実施の形態を実施例に基づき、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。(株)トスコ中央研究所製の平均粒子径10μmのセルロースパウダーの着色は、セルロースパウダー100重量部に対して住友化学工業(株)製の反応染料スミフィックス・スプラ・レッド3BF20重量部を用いて、浴比1:10、炭酸ナトリウム40g/L、硫酸ナトリウム80g/Lの条件で、60℃で45分の染色を行い、続いて水洗、脱水、乾燥によって着色粒子を得た。着色粒子のアニオン化は、クラリアントジャパン(株)製のサンドスペースRの50g/L水溶液中、浴比1:20で、100℃で20分の処理を行った。セルロース生地のカチオン化は、生地100重量部に対してセンカ(株)製のカチオン化剤KZ−76を10重量部用いて、浴比1:20、100℃で20分の処理を行った。アニオン化した着色粒子のカチオン化生地への吸着処理は、生地100重量部に対して着色粒子5重量部を用いて、浴比1:40、室温で軽く撹拌しながら10分の処理を行った。続いて全体を軽く水洗し、部分的に強く洗って着色粒子を脱落させた。バインダー処理は、生地100重量部に対して大和化学工業(株)製のアクリル系樹脂であるファイコート100Tを7重量部用いて、浴比1:40、80℃で20分の処理を行った後、110℃で乾燥して着色粒子を固着させた。繊維間に固着した着色粒子の様子を、布帛の拡大断面図として図1に示す。得られた布は、強く洗浄した部分は着古して色褪せたような感じの色合いとなり、着色粒子が均一に固着した他の部分は微妙なむら状に仕上がった。
本発明の実施例2を以下に示す。(株)トスコ中央研究所製の平均粒子径10μm以下のシルクパウダーのアニオン化は、山陽色素(株)製のEMACOL CT AGENT TR Conc 20の10g/L水溶液中、浴比1:10、70℃で20分の処理を行った。続いてパウダーの着色は、シルクパウダー100重量部に対してキリヤ化学(株)製のムラサキイモ色素、キリヤスレッドPSPを5重量部を用いて、浴比1:10、pH2、70℃で20分の処理を行い、水洗、脱水、乾燥によって着色粒子を得た。ナイロン編物のカチオン化は、むら状にカチオン化するためにナイロン編物を部分的に紐で括って絞り、編物100重量部に対してカチオン化剤KZ−76を7重量部用いて、浴比1:20、70℃で20分の処理を行った。着色粒子のカチオン化生地への吸着処理は、生地100重量部に対して着色粒子10重量部を用いて、浴比1:40、室温で軽く撹拌しながら10分の処理を行った。バインダー処理は、生地100重量部に対してファイコート100Tを7重量部用いて、浴比1:40、80℃で20分の処理を行った後、110℃で乾燥して着色粒子を固着させた。着色されたナイロン編物は、桃色の模様状むら染め風の仕上がりとなった。
本発明の実施例3を以下に示す。 (株)トスコ中央研究所製の平均粒子径10μm以下のシルクパウダーの着色は、シルクパウダー80重量部に対して住友化学工業(株)製の反応染料スミフィックス・スプラシリーズの3原色、イエロー3RF、レッド3BF、ブルーBRFをそれぞれ20重量部ずつ用いて、浴比1:20、炭酸ナトリウム20g/L、ボウ硝80g/Lの条件で、60℃で60分の染色を行い、続いて水洗、脱水、乾燥によって3原色の着色粒子を得た。綿のTシャツのカチオン化は、Tシャツ100重量部に対してセンカ(株)製のカチオン化剤KZ−76を7重量部用いて、浴比1:20、70℃で20分の処理を行った。3原色の着色粒子のアニオン化処理は行わず、シルクパウダーが本来有するアニオン性を利用してカチオン化されたTシャツに吸着させた。吸着処理は、Tシャツ100重量部に対して着色粒子のイエロー3重量部、レッド2.5重量部、ブルー3重量部、炭酸ナトリウム2重量部を用いて、浴比1:20、60℃で40分の処理を行った。バインダー処理は、生地100重量部に対してファイコート100Tを7重量部用いて、浴比1:40、80℃で20分の処理を行った後、脱水、自然乾燥して着色粒子を固着させた。得られたTシャツは、見る角度によって微妙に異なる色に見える玉虫色調で陰影の明瞭な色彩に仕上がった。
本発明の着色された天然繊維の粒子を固着させる繊維の着色方法は、柔軟でデリケートな素材に対しても、繊維を傷めることなく着古し調、むら染め風、玉虫色調の色彩や陰影の明瞭な立体的な色彩を付与できる。このようにして得られる新規な色彩の繊維素材や繊維製品は、様々な種類の素材に応用可能であることから、衣料用途における高感性なファッション素材あるいは製品として、またインテリア用途の繊維素材として広く利用される可能性がある。
着色粒子を繊維間に固着させた布帛の拡大断面図
符号の説明
1 布帛を構成する単繊維の断面
2 色素で着色された天然繊維の粒子
3 バインダー

Claims (1)

  1. 着色された天然繊維の粒子と、糸、布帛又は繊維製品を水浴中で正負の対としてイオン化し、クーロン引力によって粒子を糸、布帛又は繊維製品に吸着させ、続いてバインダーで固着させることを特徴とする糸、布帛又は繊維製品の製造方法。
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