JP3739867B2 - 浴水清浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は浴水浄化装置に関する。
浴槽の湯を汲み上げて所定の浄化機構に通した上で、再び浴槽に戻す行程を繰り返して、浴槽の湯を絶えず清浄に保つ浴水浄化装置が近年広く普及している。
このような浴水浄化装置においては、循環ポンプにより浴水を強制的に循環させ、活性炭等によるろ過やオゾン等による殺菌を行うと同時に電気ヒータにより所定の温度を保つようになっているのが普通である。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の浄化装置では、湯を適温に保つために電気ヒータにより常に加熱を行っている必要があり、ランニングコストが高価になる問題があった。
そのため、近年深夜電力等の低コストの熱源を用いて、蓄熱槽において浴水を加熱し、これを蓄えておき適宜浴槽に供給することにより加熱を行うシステムが提案されている。
しかし、このようなシステムにおいて、循環経路が故障等何らかの要因で閉鎖された場合、加熱過程における膨張圧力は逃げる経路を失い、蓄熱槽や装置内部は膨張分だけ加圧されることになる。その結果、循環路のどこかが破損したり、あるいは蓄熱槽が破損することが予想され、この際加熱されていた熱水が外部に飛散し、使用者や周囲の他の機器に損傷を与えることが考えられ非常に危険な状態となる問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、浴水を浴槽と清浄化機構の間を循環させて浄化する浴水清浄化装置において、前記浴水を導入して所定温度に加熱し、蓄えるための手段と、該蓄えるための手段における蓄湯温度を検出するための手段と、該蓄えるための手段からの所定温度の湯を浴槽に供給するための手段と、前記蓄えるための手段への浴水の入水管路側で入水温度を検出するための手段と、前記蓄えるための手段の出水管路側で出水温度を検出するための手段と、前記蓄えるための手段における加熱に際して、前記蓄湯温度が所定の温度に達した時、前記供給するための手段による供給動作を所定時間実行させ、前記入水温度と出水温度とを比較し、所定温度以上の温度差があることを検出するための手段と、前記入水温度と出水温度とに所定温度以上の温度差があることを検出しなかった時、前記蓄えるための手段における加熱を停止させるための手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成において、前記蓄えるための手段は、適当なときに加熱動作を実行して、該加熱された湯を蓄えるため、例えば深夜電力などを利用することができ、加熱に要するコストを低減できる。
そして、蓄えるための手段における加熱に際しては、蓄湯が所定温度(例えば60℃)に達した時、所定時間供給動作を行わせ、蓄えるための手段の入水側と出水側の温度を検出し、温度差が所定値以上あるか否かによって循環経路の閉鎖を判定する。即ち温度差がない時は、湯の出入がなく、管路が閉鎖されていると判断し、蓄えるための手段における加熱を停止する。これにより蓄えるための手段に等における破損や熱水の飛散等を防止することができる等の効果がある。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本体1は通常屋外に設置され、浴槽2とは、入水管3、出水管4によりつながっている。使用者は浴室の壁面に取り付けられたリモコン5により、運転、停止及び浴水の保温を行うか否かの選択、浴水の保温温度の設定等を行うようになっている。リモコン5は、本体内の制御ボード6とコードにより接続されており、本体内の運転状態・湯温・時刻・各種警告等の表示を行うようになっている。入水管3の先の浴槽内には、プレフィルター7を内蔵した吸水口8が接続され、髪の毛等を取り除いた浴水が本体に吸い込まれるようになっている
。
【0005】
入水管3の他方の本体内には、循環ポンプ9が取り付けられ、また入水管3の途中には、循環ポンプ停止時に本体内の浴水が浴槽内に戻らないように、水用逆止弁10が取り付けられている。循環ポンプ9の出側は絞り11を介して、濾過材タンク12へ連結されている。濾過材タンク12の出側は蓄熱槽13の下部の入水側に、加温バルブ27を介してつながれている。加温バルブ27は出水側が2方にわかれた切換弁になっており、一方は出水管4に接続し、他方側が蓄熱槽13とミキシングバルブ17とに接続している。加温バルブ27は通常は出水管4側に接続しているが、加温が必要な時に蓄熱槽13側に接続して、浴水を下側から蓄熱槽13に供給し、これと同時にミキシングバルブ17に浴水を供給するようになっている。
【0006】
濾過材タンク12の中には、セラミックボール・活性炭等の濾過材15が入っており、浴水の浄化を行うようになっている。
【0007】
なお循環ポンプ9には並列に水不足センサ14が設けられ、浴水の水位低下を検出できるようになっている。この水不足センサ14は循環ポンプ9の差圧を検知する方式のもので、一方のチューブは循環ポンプ9入水側に、他方のチューブは循環ポンプ9出水側に接続されている。
【0008】
蓄熱槽13には下部に蓄熱ヒータ18と蓄熱槽下部湯温センサ19が装着されており、深夜電力を利用して、槽内の浴水を所定の温度に加熱し熱水にする。尚、浴水(40°C程度)と熱水は密度が異なるため、蓄熱槽13に入った浴水分だけ熱水が蓄熱槽13から出ていき、蓄熱槽13内で浴水と熱水は混合しない。蓄熱槽13上部はミキシングバルブ17の他方の入水側とホースにて接続されている。ミキシングバルブ17は、濾過材タンク12を通って、加温バルブ27を介して導入された浴水と蓄熱槽13上部より出てきた熱水を、内部の弁を調節して、適切な所定の湯温にして、ジェットノズル21より浴槽2に吐出させるようになっている。
なお、この実施形態では蓄熱槽13の上部に蓄熱槽上部湯温センサ29を設け、
これにより蓄湯の温度を検出するようになっている。
加温バルブ27とミキシングバルブ17は後記するように制御ボード6により制御されている。
【0009】
前記制御ボード6には加熱制御装置26が設けられており、加熱制御を行うようになっている。
入水管3には、入水側湯温センサ20が取り付けられており入水温度を検出するようになっている。使用者が設定した保温温度より、入水側湯温センサ20で検知したこの入水温度が下がった場合は、加温バルブ27を蓄熱槽13側に切換えて、浴水を蓄熱槽13に供給すると共にミキシングバルブ17に供給するようになっている。そしてミキシングバルブ17の開度を調整して浴水と蓄熱槽13からの熱水を混合して所定温度とし、浴槽に吐出するように構成されている。浴水温度が保温温度より所定値(0.5°C程度)上回ったら、再び加温バルブ27を出水管4側に切換え、濾過材タンク12からの浴水を直接出水管4に供給して循環させるようになっている。これらの制御は加熱制御装置26により行われるようになっている。ミキシングバルブ17の弁は、パルスモータ等で制御され、図2に示すようにその初期位相を決定するための位相検知センサが内蔵されている。またミキシングバルブ17の吐出側は、出水管4を経由してジェットノズル21につながっている。ミキシングバルブ17の吐出側に、出水側湯温センサ22が取り付けられており、これにより吐出される浴水の出水温度を検知するようになっている。
なお、ミキシングバルブ17としては、一定温度となるように機械的に調整する構造のものも使用可能であるし、単に配管を合流させ、その管径の設定により一定の配合率としたような構造であっても良い。
【0010】
加熱制御装置26は予め決められた所定の時間、この実施例では深夜電力時間帯に蓄熱ヒータ18による加熱を実行させるようになっている。その際蓄熱槽上部湯温センサ29の温度が所定温度(例えば60℃)に達したら、加温バルブ27とミキシングバルブ17を制御して所定時間熱水の供給動作を行わせ、その後入水側湯温センサ20と出水側湯温センサ22からの検出温度を入力するようになっている。そして、この温度を比較し、温度差を検出するようになっている。即ち出水側湯温センサ22の温度が入水側湯温センサ20の温度より所定値以上大きければ、入水側湯温センサ20から出水側湯温センサ22に至る経路に閉鎖が生じていないと判断するようになっている。この場合には、加熱が続行される。
一方出水側湯温センサ22の温度が入水側湯温センサ20より所定値以上大きくない場合には、入水側湯温センサ20から出水側湯温センサ22に至る経路に閉鎖が生じている可能性があり、このまま加熱を続行すると膨張圧力により機器破損、熱水の飛散等の事故が生じる危険がある。そのため、この場合には加熱制御装置26は蓄熱ヒータ18の稼動を停止させ、蓄熱槽13における加熱を中止させると共に、リモコン5にその旨の表示やブザーによる警報を発生させるように構成されている。
なお、前記蓄熱槽上部湯温センサ29の所定温度は、前記したように60℃程度とし、加熱による圧力があまり高くならない温度とする。また、温度比較の際はミキシングバルブ17は蓄熱槽13の熱水のみを出力するようにし、出水側湯温センサ22において浴水の混合していない熱水の温度を検出することが望ましい。
【0011】
なおジェット用電磁弁23、オゾン発生器24がジェットノズル21にエアーチューブ25を介して接続され、入浴時以外のクリーン運転中には、ジェット用電磁弁23とオゾン発生器24をオンして、オゾンの混じった空気をジェットノズル21より出して、浴水を殺菌するようになっている。入浴時は、オゾン発生器24をオフし、リモコン5のジェットキーによりジェット用電磁弁23をオンオフして、ジェット有り無しを選べるようにしている。ジェットノズル21は、内径を細くして空気が混入するようになっている。
【0012】
図2に電気ブロック図を示す。
リモコン5は、本体1内の制御ボード6とは通信コード101により接続されており、通信インターフェース102を介して、CPU103に接続されている。CPU103はROM、RAMを内蔵したワンチップマイコンである。キー104と制御ボード内のCPU201からの情報により、ドライバ105を介して、LCD106、LED107に所定の表示をすると共に、ブザー108を鳴らすようになっている。キー104には、運転キー、ジェットキー、入浴キー、保温を行うか否か選択する保温キー、及びその保温温度設定キー等がある。
【0013】
本体内の制御ボード6には、水不足センサ14、入水側湯温センサ20、出水側湯温センサ22、蓄熱槽下部湯温センサ19、蓄熱槽上部湯温センサ29、ミキシングバルブ17の位相検知センサ等と、出力装置である蓄熱ヒータ18、循環ポンプ9、殺菌装置であるオゾン発生器24、ジェット用電磁弁23、加温バルブ27、ミキシングバルブ17等がリレーやドライバ等を介して接続されている。そしてAC100V交流電源側漏電ブレーカ202を経由したAC100V、トランス203及びAC200V深夜電力側漏電ブレーカ204が接続されている。
【0014】
次に制御ボード6内の説明を行う。
直流電源205はトランス2次電圧を受け、回路電圧Vcc(+5V)、殺菌装置やジェット用電磁弁の電源であるVd(+12V)、ミキシングバルブ17のステッピングモータの電源であるVb(+36V)を発生している。リモコン5側からの通信コード101は、通信インタフェース206を介して、CPU201に接続され、リモコン側のCPU103と情報交換を行うようになっている。各湯温センサ20、22、19、29は、必要とする温度範囲にわたって電圧が変化するように、電圧変換器207を経由してCPU201のAD入力端子につながっている。
【0015】
通電開始検知器208は、深夜電力AC200Vの通電開始を検知し、加熱制御装置26は所定の判断を行った上、ドライバ209により、蓄熱用ヒータリレー210を制御する構成となっている。通電開始を検知(午後11時)し、かつ加熱可能の判断をするとその時の蓄熱槽下部湯温センサ19からの蓄熱槽13下部の湯温を調べて、蓄熱槽内の湯を所定温度まで沸きあげるのに必要な通電時間を算出して、リレー210のオン時間Tを決定するようになっている。蓄熱槽13内に熱水が残っていなく、全て、蓄熱槽13下部と同じ湯温であるならば、午後11時より(8−T)時間遅れてリレー210はオンし、その後は蓄熱槽下部湯温センサ19が所定温度を検出するまで蓄熱ヒータ18は通電される。
【0016】
加熱制御装置26は、前記したように蓄熱槽上部湯温センサ29からの検出温度が所定温度に達するとドライバ217を制御して加温バルブ27を蓄熱槽13側に切換え、所定時間後入水側湯温センサ20と出水側湯温センサ22からの検出温度を比較し、前述した判断を実行する。加熱可能な場合は前記蓄熱ヒータ18による加熱を行わせ、不可の場合には蓄熱ヒータ18による加熱を中止し、その旨の告知を行わせるようになっている。
【0017】
リモコン5内の運転キーを押して、運転モードにすると、リレー211がオンして循環ポンプ9が通電され、浴水を循環する。通常は、ドライバ212をオンしてオゾン発生器24を動作させて浴水を殺菌しているが、リモコン内の入浴キーを押すと入浴モードとなり、1時間の間ドライバ212をオフして殺菌装置を止め、使用者がオゾンをかがないようになっている。
【0018】
入浴モード中、ジェットキーを押すとドライバ213がオンしてジェット用電磁弁23に通電し、空気をジェットノズルに与え泡のある水流を楽しめるようになっている。そしてもう1度押すとドライバ213はオフして、泡のない水流となる。なお、入浴キーを押して1時間以降はクリーンモードに自動的に替わり、ドライバ212、ドライバ213がオンしてオゾンの混じった空気がジェットノズルに与えられ、浴水が殺菌される。
【0019】
電源投入時にミキシングバルブ17内のモータを動かし、位相検知センサの信号を受けて初期セットする。循環ポンプ9運転中は、リモコン内の温度設定キーにより設定された保温温度と、入水側湯温センサ20の検知温度を比較し、ミキシングバルブ17内のモータを動かし、弁を調節して浴水温度を保温温度〜保温温度+0.5°Cの範囲に制御するように構成されている。
なお、216はEEPROMで使用者の設定した保温温度や運転モード等の設定値を記憶しており、停電後の再通電時に再設定しなくても済むようにしている。
【0020】
図3により、加熱動作を説明する。
深夜電力時間になると、蓄熱ヒータ18の通電が開始され(ステップS1)、蓄熱槽上部湯温センサ29の温度を検出して所定温度(60℃)になったか否かチェックする(ステップS2)。60℃以上になったら、加温バルブ27を蓄熱槽13側に切換え(ステップS3)、出水側湯温センサ22と入水側湯温センサ20の温度を比較する(ステップS4)。出水側湯温センサ22側の温度が所定値以上高くない場合には、循環経路に閉鎖が生じていると判断され、加温バルブ27を元に戻し(ステップS5)、蓄熱ヒータ18による加熱を停止する(ステップS8)。出水側湯温センサ22側の温度が所定値以上高い場合には加温バルブ27を元に戻し(ステップS6)、蓄熱ヒータ18により蓄熱槽13の加熱を継続し、蓄熱槽上部湯温センサ29の検出温度が所定温度(90℃以上)になるまで加熱する(ステップS7)。
以上の構成により、経路閉鎖を的確に検出でき、それに伴う機器の破損や熱水の飛散等を未然に防止することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の浴水浄化装置によれば、蓄えるための手段における加熱熱源として深夜電力等を利用できるから、加熱に要する費用を低減でき、ランニングコストを下げることが可能になる。また、循環経路の閉鎖等を的確に検出でき、それに伴う事故等を防止できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略ブロック図。
【図2】本発明の一実施形態における、本体1、リモコン5、制御ボード6の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態の動作を説明するフローチャート図。
【符号の説明】
1:本体、2:浴槽、3:入水管、4:出水管、5:リモコン、6:制御ボード、7:プレフィルター、8:吸水口、9:循環ポンプ、10:水用逆止弁、11:絞り、12:濾過材タンク、13:蓄熱槽、14:水不足センサ、15:濾過材、17:ミキシングバルブ、18:蓄熱ヒータ、19:蓄熱槽下部湯温センサ、20:入水側湯温センサ、21:ジェットノズル、22:出水側湯温センサ、23:ジェット用電磁弁、24:オゾン発生器、25:エアーチューブ、26:加熱制御装置、27:加温バルブ、29:蓄熱槽上部湯温センサ、101:通信コード、102:通信インターフェース、103:CPU、104:キー、105:ドライバ、106:LCD、107:LED、108:ブザー、201:CPU、202:漏電ブレーカ、203:トランス、204:漏電ブレーカ、205:直流電源、206:通信インタフェース、207:電圧変換器、208:通電開始検知器、209:ドライバ、210:蓄熱用ヒータリレー、211:リレー、212:ドライバ、213:ドライバ、214:ドライバ、215:波形整形回路、216:EEPROM、217:ドライバ。
Claims (1)
- 浴水を浴槽と清浄化機構の間を循環させて浄化する浴水清浄化装置において、
前記浴水を導入して所定温度に加熱し、蓄えるための手段と、
該蓄えるための手段における蓄湯温度を検出するための手段と、
該蓄えるための手段からの所定温度の湯を浴槽に供給するための手段と、
前記蓄えるための手段への浴水の入水管路側で入水温度を検出するための手段と、
前記蓄えるための手段の出水管路側で出水温度を検出するための手段と、
前記蓄えるための手段における加熱に際して、前記蓄湯温度が所定の温度に達した時、前記供給するための手段による供給動作を所定時間実行させ、前記入水温度と出水温度とを比較し、所定温度以上の温度差があることを検出するための手段と、
前記入水温度と出水温度とに所定温度以上の温度差があることを検出しなかった時、前記蓄えるための手段における加熱を停止させるための手段と、
を備えたことを特徴とする浴水浄化装置。
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