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JP3738357B2 - 携帯型検体分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯型検体分析装置に係り、特に、検体がかけられることで発色する試験片を有するスティック状の検体成分試験紙を用いる携帯型検体分析装置に関し、さらに特には、携帯型尿分析装置に係り、特に、尿がかけられることで発色する試験片を有するスティック状の尿成分試験紙を用いる携帯型尿分析装置に関する。
人や動物の体液、例えばその血液、汗、尿等に含まれる成分、あるいは上下水道、工場廃水、土壌中に含まれる成分等を簡易に分析する手段として、呈色試験紙が用いられる。呈色試験紙とは、リトマス試験紙がその代表的なものとしてよく知られているが、スティック状の紙の先端に、検体をかけることで発色する試薬を含ませた試験片が取り付けられたものであり、発色の色調変化から検体に含まれる成分を分析することができる。
例えば、血糖値を非観血法で調べる方法として尿成分試験紙による尿糖値の測定が行われる。尿糖値を調べる尿成分試験紙は、スティック状の紙の先端に、試薬を含んだ試験片が添付されたものである。その試験片の部分に尿がかけられると、その尿に含まれる糖分(ブドウ糖)の量に応じて異なる色調で発色する。発色の色調と尿糖値とを関係付けるため、標準色調表が作成され、その発色の色調に応じて、−、±、(+)、+、++、+++等の色調表記号がつけられる。例えば、±のときは50mg/デシリットルの尿糖値等と判定される。このように、尿成分試験紙による尿糖値の測定は簡便なため、被検者が自分で血糖値の変化を把握するためにも用いられる。
しかし、尿成分試験紙による尿糖値の測定は、試薬を含んだ試験片の部分に尿をかけ、尿と試薬との反応による発色を利用するため、時間の経過とともに時々刻々その発色の色調が変化する。そのため、発色による尿糖値の判定を同一条件とするには、例えば、尿をかけ始めてから30秒後における試験片の発色の色調を色調表と比較すること、といった判定のための基準時間が設けられている。このように、発色による尿糖値の判定には、秒単位の時間管理が必要とされる。
したがって、被検者は、測定のたびにコップ等を用意し、その中に適量の尿を採取し、排尿が終了した後、例えばストップウオッチ等を用意し、尿成分試験紙をコップ等の中の尿に浸したときにストップウオッチを始動させ、上記の例では30秒経過するのを確認して発色の色調を見る必要がある。あるいは、コップ等の煩雑な準備を避けるため、排尿時に直接尿成分試験紙に尿をかけることもできるが、この場合も、尿成分試験紙に尿をかけ始めたときから30秒といった時間管理が必要であるため、尿をかけ始めたときにストップウオッチを始動させ、30秒経過するのを確認したら一旦排尿をとめて発色の色調を見るか、あるいは他人に計時と色調確認を依頼する必要がある。このように、尿成分試験紙に尿をかけてから発色の色調を見る基準時間を守ることが容易でないことがあり、そのときには測定の条件を同一に出来ず、尿糖値の比較に問題が生じていた。
また、尿糖値は、摂食後の時間に依存する面があり、その条件を同一にするため、例えば、摂食後2時間経過したときの尿における尿糖値を測定することが求められる。しかし、食事をしたときの水分摂取量、気候、体調あるいは仕事の都合等で、排尿の時間が一定しないことも多く、必ずしも2時間といった時間を守ることが容易でないことがある。そのときには測定の条件を同一に出来ず、尿糖値の比較に問題が生じていた。
さらに、尿成分試験紙の発色と尿糖値との関係は、尿糖値が高くなるにつれその発色の変化が飽和する特性を有する。例えば上記の色調表記号において++は500mg/dlで、+++は2000mg/dlとされる。すなわち、500mg/dlから2000mg/dlの間で尿糖値の差異があっても、肉眼による色調の差異の判別は困難であるため、これらの範囲の尿糖値は代表して2000mg/dlとされる。このように、高尿糖値において、現実に大きな尿糖値の差異があるにもかかわらず、従来の肉眼による色調判別ではその差異を判別できない。
このように、呈色試験紙に検体をかけ、その発色の色調変化から検体の成分を分析する方法において、正確な分析には秒単位の時間管理と色調変化の差異の適切な判別が必要であり、人手による時間管理と肉眼による色調判別には限界がある。したがって、呈色試験紙の利便性を生かして検体採取の現場で即時的に分析を行う場合には、ごく概略的な判別に用いられているのが実情であった。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、呈色試験紙に検体をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理を容易にする携帯型検体分析装置を提供することである。他の目的は、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理を容易にする携帯型尿分析装置を提供することである。
更なる他の目的は、摂食後から尿成分試験紙による測定までの時間管理を容易にする携帯型尿分析装置を提供することである。更なる他の目的は、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行う時間が異なっても、測定の条件を同じに揃えることができる携帯型尿分析装置を提供することである。また更なる他の目的は、摂食後から尿成分試験紙による測定までの時間が異なっても、測定の条件を同じに揃えることができる携帯型尿分析装置を提供することである。また更なる他の目的は、高尿糖値における尿糖値の差異を判別できる携帯型尿分析装置を提供することである。
また、更なる他の目的は、発色計測におけるバックグランド光の影響を抑制することである。また更なる他の目的は、発色計測における尿の色の影響を抑制することである。また更なる他の目的は、発色計測における携帯型尿分析装置と尿の温度の差異の影響を抑制することである。
以下の請求項に記載される発明は、上記目的の少なくとも1つの目的を達成するために貢献するものである。
発明に係る携帯型検体分析装置は、片手で把持するための把持部を有する防水構造のハウジングと、前記ハウジングに設けられ、検体がかけられることで発色する試験片を先端部分に有するスティック状の検体成分試験紙を保持する試験紙保持部と、前記ハウジングに設けられ、かけられた検体をためるくぼみ形状の検体たまり部と、前記ハウジングから突き出して前記試験紙保持部の近傍に設けられ、相互に絶縁された一対の導電性端子と、前記一対の導電性端子間の電気伝導度を測定することで、検体がかけられたことを検出する検体検出器と、前記検体検出器が検体を検出してからの検出経過時間を計時する検体検出経過タイマと、前記検出経過時間が前記発色を計測する計測基準時間に達したことを表示する基準時間経過表示部と、を備え、前記防水構造のハウジング内部に前記検体検出器と前記検体検出経過タイマとが収納されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る携帯型検体分析装置は、片手で把持するための把持部を有する防水構造のハウジングと、前記ハウジングに設けられ、検体がかけられることで発色する試験片を先端部分に有するスティック状の検体成分試験紙を保持する試験紙保持部と、前記ハウジングに設けられ、かけられた検体をためるくぼみ形状の検体たまり部と、前記ハウジングの一部に設けられ、光を通す検出窓と、前記ハウジングに設けられ、前記検体たまり部から前記検出窓に向けて検体を導く検体流し路と、前記検体流し路上に、前記ハウジングから突き出して設けられ、相互に絶縁された一対の導電性端子と、前記検出窓を介して前記試験片の発色を計測するセンサ部と、前記一対の導電性端子間の電気伝導度を測定することで、検体がかけられたことを検出する検体検出器と、前記検体検出器が検体を検出してからの検出経過時間を計時する検体検出経過タイマと、前記計時された検出経過時間と、その検出経過時間において計測された前記試験片の発色計測値に基づいて、前記試験片にかけられた検体検体成分を算出し出力する検体成分算出部と、を備え、前記防水構造のハウジング内部に前記センサ部、前記検体検出器、前記検体検出経過タイマおよび前記検体成分算出部とが収納されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る携帯型検体分析装置において、前記検体成分試験紙はスティック状の片側面に前記試験片を有し、前記試験紙保持部は、前記試験片を前記検出窓に向かい合うように検体流し路の上に前記検体成分試験紙を保持し、さらに、前記ハウジングと組み合わされ、検体流し路の上に保持された前記検体成分試験紙を覆う遮光カバーと、前記ハウジングと前記遮光カバーとで形成される検体出口と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る携帯型検体分析装置において、検体がかけられる側に設けられ、検体がかけられた状態を表示する検体検出表示器を備えることが好ましい。
また、前記検体成分算出部は、前記検出経過時間が所定の計測基準時間に達したときの発色計測値に基づき、前記検体成分を算出し出力することが好ましい。
また、前記検体成分算出部は、発色計測値が飽和に至る前の発色計測値を所定の基準計測値として設定し、前記発色計測値が前記基準計測値に達したときの検出経過時間に基づき、前記検体成分を算出し出力することが好ましい。
また、前記センサ部は、前記検出経過時間の計時開始を起点として、第1の所定時間第2の所定時間の計測タイミングでそれぞれ発色を計測し、ここで第1の所定時間及び第2の所定時間は、検体がかけつづけられることで検体の温度と携帯型検体分析装置の温度との温度差が少なくなり試験片の発色反応が安定する時間範囲の中で設定されることが好ましい。
また、前記ハウジングは、内部に前記検体成分試験紙を収納する試験紙収納室を備えるハウジング本体と、前記ハウジング本体と着脱可能で、前記試験紙収納室の前記検体成分試験紙の出し入れ口を覆う蓋と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る携帯型検体分析装置は、前記蓋を着脱したことを検出する蓋着脱検出器と、前記蓋を着脱したときからの蓋着脱経過時間を計時する蓋着脱経過タイマと、前記蓋着脱経過時間が予め定められた検体をかける予定時間に達したことを表示する予定時間経過表示部と、を備えることを特徴とする。
また、前記検体成分算出部は、前記予定時間と異なる蓋着脱経過時間に検体がかけられたときに、予め記憶された予定時間と検体成分とに関する較正データに基づき、前記検体検出器により検体がかけられたことを検出した時の蓋着脱経過時間と前記予定時間との差を補正し、前記予定時間における検体成分の推定値を算出することが好ましい。
また、前記センサ部は、前記試験片に検体がかけられたときの発色の波長スペクトルの範囲の中で、検体の色により影響を受けない波長の光を放射する発光素子と、受光素子と、前記受光素子の前面に設けられ、前記発光素子の波長帯域を通過させる光学フィルタと、を含む受発光型センサであることが好ましい。
また、本発明に係る携帯型検体分析装置は、前記遮光カバーに設けられた発光素子であって、前記試験片に検体がかけられたときの発色の波長スペクトルの範囲の中で、検体の色により影響を受けない波長の光を放射する発光素子を備え、前記センサ部は、前記発光素子から放射される光が前記試験片を通過する通過光を用いて前記試験片の発色を検出することが好ましい。
上記構成の少なくとも1つにより、呈色試験紙に尿がかけられたことを一対の導電性端子の間の電気伝導度の変化から検出し、検体検出経過タイマを始動させる。したがって、計測基準時間に至るまでの時間を容易に計時でき、呈色試験紙に検体をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、尿成分試験紙に尿がかけられたことを一対の導電性端子の間の電気伝導度の変化から検出し、尿検出経過タイマを始動させる。したがって、計測基準時間に至るまでの時間を容易に計時でき、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、尿たまり部にかけられた尿をため、尿成分試験紙に尿がかけられたことを一対の導電性端子の間の電気伝導度の変化から検出し、尿検出経過タイマを始動させる。したがって、計測基準時間に至るまでの時間を容易に計時でき、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になるとともに、尿たまり部から尿成分試験紙に十分な尿が供給され、尿成分の分析がより確実にできる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、例えば、尿成分試験紙の試験片が備えられる面が検出窓に対向し、このことで尿成分試験紙に尿がかけられる面が試験片の備えられる面と反対側の面となる構成をとる場合においても、尿たまり部に尿をため、ためられた尿を尿流し路に沿って検出窓の方向、すなわち試験片の方向に流すことができる。したがって、尿たまり部から試験片に十分な尿が供給され、尿成分の分析がより確実にできる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、ハウジングと組み合わされ尿流し路の上に保持された尿成分試験紙を覆う遮光カバーを備える。したがって、発色計測におけるバックグランド光の影響を抑制することができる。
また、尿成分試験紙等の呈色試験紙の発色計測はハウジング内部で行われ、検体や尿がかけられた状態を知ることが難しい。上記構成の少なくとも1つにより、検体または尿がかけられる側に、検体または尿がかけられた状態を表示する尿検出表示器を備えるので、検体または尿がかけられた状態を速やかに容易に知ることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、尿成分試験紙に尿がかけられたことを一対の導電性端子の間の電気伝導度の変化から検出して尿検出経過タイマを始動させ、検出窓から試験片の発色を計測して、尿成分を算出する。尿成分の算出は、検出経過時間が所定の計測基準時間に達したときの発色計測値に基づいて行う。したがって、尿成分試験紙に尿をかけるだけで、計測基準時間における尿成分を自動的に算出し、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、高尿糖値の場合は、計測基準時間に至る前に発色が飽和するので、発色が飽和しない所定の基準計測値を設け、その値に達した検出経過時間を比較する。この構成により、高尿糖値における尿糖値の差異を判別できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、例えば計測基準時間が30秒の場合、たまたま検出経過時間が30秒の時点での発色の計測データが欠けているときあるいは他の計測データからみて異常な値であるときにも、他の複数の計測タイミングにおける計測データ、例えば5秒おきの計測データから補間、内挿、外挿等により、計測基準時間における計測データを補うことができる。したがって、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行う時間が計測基準時間と異なっても、補間等により測定の条件を同じに揃えることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、予め定めた較正曲線と計測データとを統計処理等で比較することで、最も確からしい尿成分の推定を行う。したがって、尿成分がより正確に、あるいは迅速に算出することができる。
また、携帯型尿分析装置の温度が尿の温度と異なるときは、発色反応が影響を受ける。そこで、尿の温度を利用し、ある一定時間以上尿をかけつづけることでこの温度差を少なくすることができる。上記構成の少なくとも1つにより、尿がかけつづけられることで尿の温度と携帯型尿分析装置の温度との温度差が少なくなって試験片の発色反応が安定する範囲の中において第1の所定時間及び第2の所定時間を設定し、その間の複数の計測タイミングを用いて発色計測を行う。したがって、発色計測における携帯型尿分析装置と尿の温度の差異の影響を抑制することができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、蓋とハウジング本体とを着脱可能にし、試験紙収納ケースと尿分析装置を一体化して携帯性を向上でき、また、蓋とハウジング本体を用いてハウジングに尿成分試験紙を位置決めして保持できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、蓋の着脱からの経過時間を計時し表示するので、この時間を用いて摂食後から尿成分試験紙の計測までの時間に利用できる。例えば食事をしたときに蓋を開けて尿成分試験紙を取り出し、蓋を閉めて尿成分試験紙をハウジングにセットすれば、そのときからの経過時間を計時してくれるので、予定時間、例えば摂食後2時間経過後に尿成分試験紙に尿をかければよいことが容易に管理できる。したがって、摂食後から尿成分試験紙による測定までの時間管理が容易になる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、摂食後から尿成分試験紙による測定までの時間が異なっても、較正データに基づいて測定の条件を同じ、例えば摂食後の経過時間を同じに揃えて尿成分を算出することができる。また、上記構成の少なくとも1つにより、試験片の試薬と尿との反応による発色以外の色調の影響、例えば尿の色等の影響を排除できる。また、上記構成の少なくとも1つにより、尿に含まれる電解質等の成分の差異を電気伝導度により把握できる。
このように、本発明に係る携帯型検体分析装置によれば、呈色試験紙に検体をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になる。本発明に係る携帯型尿分析装置によれば、尿成分試験紙に尿をかけ始めてから発色の色調判定を行うための時間管理が容易になる。本発明に係る携帯型尿分析装置によれば、摂食後から尿成分試験紙による測定までの時間管理が容易になる。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、検体が尿である場合、すなわち携帯型尿分析装置について説明するが、尿以外の検体の場合においても、検体に対応する呈色試験紙を用い、その呈色試験紙の特性に適合したパラメータ、例えば後述の計測基準時間等が設定された携帯型検体分析装置にも本発明が実施できる。
携帯型検体分析装置に取り付けられる呈色試験紙として、PH試験紙、半定量イオン試験紙、分析用試験紙、簡易水質検査試験紙等を対象とすることができる。半定量イオン試験紙には、食品添加物中の亜硝酸濃度を検出する亜硝酸イオン用試験紙、土壌中の硝酸態窒素濃度を検出する硝酸イオン用試験紙、飲料水や工業排水中の金属イオン濃度を検出するアルミニウムイオン用試験紙、銅イオン用試験紙、ニッケルイオン用試験紙等の金属イオン用試験紙、果汁等に含まれるビタミンC濃度を検出するアスコルビン酸イオン試験紙等を含む。分析用試験紙には、亜鉛成分を分析する亜鉛用試験紙、残留塩素を分析する塩素用試験紙、錫成分を分析する錫用試験紙、六価クロム成分を分析する六価クロム用試験紙等を含む。
携帯型検体分析装置に取り付けられた呈色試験紙にかけられる検体としては、例えば工場廃水等の液体についてはそのまま検体として用いることができる。また、例えば土壌中の成分を対象とするときは、検査対象の土壌を乾燥させて精製水を加えて十分に攪拌し、その土壌溶液を適当なろ紙等でろ過し、これを検体とすることができる。
呈色試験紙に検体をかけるには、文字通り検体を呈色試験紙に注ぐようにしてかける他、例えば容器に工業排水等の検体を採取し、その容器中の検体に呈色試験紙を取り付けた携帯型検体分析装置を浸すことでもよい。
本発明に係る携帯型尿分析装置は、尿成分試験紙を用いて尿成分を分析する装置である。図1は、尿成分試験紙12を示す図で(a)は側面図、(b)は平面図である。図に示すように、尿成分試験紙12は、尿がかけられることで発色する試薬を含む試験片14を先端部分に有するスティック状の試験紙である。試験片14に含まれる試薬は、検出しようとする尿成分により異なる。例えばブトウ糖(尿糖)、蛋白質、潜血、尿中ウロブリノーゲン、ケトン体、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球等の検出対象毎に異なる試験片または試験紙が市販されている。また、1枚の試験紙に複数の試験片を設け、複数の検出対象に対応できる試験紙も市販されている。以下では、尿糖値を検出できる尿成分試験紙について説明するが、それ以外の検出対象用の尿成分試験紙であっても良い。
図2は、携帯型尿分析装置10の外観図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)と(e)は側面図である。携帯型尿分析装置10は、ともに樹脂製のハウジング16とクリップ付ホルダ17から構成される。クリップ付ホルダ17はハウジング16をしっかりとはめ込むことができる部材で、クリップ19を備える。このクリップ19を用いることでクリップ付ホルダ17とハウジング16を例えば衣服のポケットに掛けておくことができる。クリップ付ホルダ17の他の機能については後述する。
ハウジング16は、その側壁等を手で把持することで、片手で保持できる程度の大きさである。ハウジング16は、ハウジング本体18と、ハウジング本体18と着脱可能な蓋20からなり、蓋20とハウジング本体18との間の着脱部分はしっかりはまりあい、内部に尿、水等が進入しない防水構造となっている。ハウジング本体18の底面には、電源ボタン22、過去の尿分析結果を読み出すためのメモリ呼び出しボタン24および、液晶ディスプレイ26が設けられる。液晶ディスプレイの代わりに例えばLED等の電子表示手段を用いることもできる。
図3は、携帯型尿分析装置10の断面図で、図に示すように、防水構造のハウジング16内部は上部と下部に分かれ、上部は予備の尿成分試験紙を収納する試験紙収納室27が設けられ、下部には、回路基板、各種センサ、専用LSI等の各種電子部品等からなる電子回路部と電池とが収納される回路収納室28が設けられる。電子回路部の構成と機能については後述する。
図4は、携帯型尿分析装置10を、クリップ付ホルダ17、ハウジング本体18、蓋20をそれぞれはめあいから外して分離した状態で示した図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。なおハウジング本体18の外形とクリップ付ホルダ17の内面および蓋20の内面との相互のはめあいの関係を理解しやすくするため、ハウジング本体18は外形図を、クリップ付ホルダ17と蓋20は断面図を用いてそれぞれ示した。図に示すように、ハウジング本体18の外形は、全体の中央に位置しハウジング本体18を手で把持する際の把持部に当たるほぼ矩形の部分30と、クリップ付ホルダ17に対応する一方の端部のテーパ部分32と、蓋20に対応する他方の端部の矩形部分34からなる。
クリップ付ホルダ17は、ハウジング本体18の一方の端部におけるテーパ部分32の外形を収納する空間36を有し、テーパ部分32に対向する部分に楔状のリブ40を備える。楔状のリブ40は、後述する尿成分試験紙12の取り付けの際において、溝56から張出部62bに尿成分試験紙12を導くための機能を有する。また、空間36の底部分に錘42が配置され、この錘により、クリップ付ホルダ17は、錘42を備えた面43を底にし、空間36を上方に向けて例えば床面に安定して置くことができる。その様子を図5に示す。このように、クリップ付ホルダ17は、ハウジング本体をはめ込んで保持しておく機能を有する部材でもある。また、クリップ付ホルダ17のクリップ19を用いて、携帯型尿分析装置10を見やすい姿勢で横置きにすることもできる。その様子を図6に示す。
再び図4に戻り、蓋20は、ハウジング本体18の他方の端部における矩形部分34の外形を収納する空間44を有し、ハウジング本体の中央部分の溝52に対向する部分に腕部46を備え、腕部46には略半球状の押さえ部48が設けられている。
ハウジング本体18は、ほぼ矩形の部分30とテーパ部分32の上面の中央に、ハウジング本体の長手方向に沿って溝50,52,54,56を有する。これらの溝は、尿成分試験紙をハウジング16に取り付ける部分に対応する。
溝50は最もキャップ側に配置される溝で、溝幅は尿成分試験紙の幅とほぼ同じで、溝深さは尿成分試験紙の厚みよりやや大きめの寸法に設定され、その溝端は突き当て壁58となっている。この突き当て壁58は、最もクリップ付ホルダ側に配置される溝56に設けられる突き当て部60と対向している。すなわち、突き当て壁58と突き当て部60とが対向する長さは、尿成分試験紙の長さに設定され、突き当て壁58と突き当て部60を用いて尿成分試験紙の長手方向の位置決めが行われる。
溝52は溝50に隣り合う溝で、尿成分試験紙をセットしやすいようにやや幅広で、長手方向も十分に広く取られている。溝54は、溝52に隣り合う溝で、溝幅は尿成分試験紙の幅とほぼ同じにとられる。溝52と溝54の溝深さは、尿成分試験紙の厚みよりやや大きめの寸法に設定される。
溝56は、テーパ部分32に設けられたやや幅広の溝で、尿成分試験紙の試験片が位置決めされ、尿がかけられる部分に相当する。溝56の溝深さは溝の長手軸の中央部分が最も深く、溝の縁に行くほど浅いいわゆるU字溝の形状に設定される(後述の図9参照)。いわゆるV字溝の形状にすることもできる。溝56はテーパ部分32の端部61まで設けられる。このような構造により、溝56にかけられた尿や測定後に尿を洗い流すための洗浄水等を、この端部からスムーズに排出することができる。
溝52と溝54の境界付近には、溝の上部がやや狭くなるようにハウジング本体上面が溝の両側から張り出す張出部62aが設けられる。同様に溝56にも張出部62b,62cが設けられる。これらの張出部62a,62b,62cは、尿成分試験紙の幅方向の位置決めと押さえを兼ねた機能を有する。また、蓋20がハウジング本体18にはめ込まれた状態では、蓋20の腕部46の先端に設けられた押さえ部48が溝50の位置に配置され、尿成分試験紙を押さえる機能を果たしている。なお、突き当て部60の部分にハウジング本体上を張り出させて、突き当ての機能と押さえの機能を兼ねさせることもできる。
このように、尿成分試験紙をハウジング16に取り付けるにあたり、溝50,52,54,56を用いて、突き当て壁58と突き当て部60が長手方向の位置決めを行い、張出部62a,62b,62cが幅方向の位置決めと押さえを行い、蓋20の腕部46の先端に設けられた押さえ部48が押さえを行い、これらがハウジング16に設けられた試験紙保持部としての機能を有している。また、クリップ付ホルダ17をはめた状態で尿成分試験紙をハウジング16に取り付ける際には、上記のように、クリップ付ホルダ17の内面に設けられた楔状のリブ40が尿成分試験紙の案内および保持の機能を有する。
なお、試験紙保持部として上記の構造以外に、例えば、蓋にめくら溝を設け、めくら溝の底を突き当て部とし、一方ハウジング本体には底が一部開口する溝を設けその開口していない部分を突き当て部として、蓋のめくら溝底の突き当て部と対向させる構造とすることもできる。この場合は、尿成分試験紙の試験片が設けられた一方側の端部をハウジング本体の溝にさし込み、他方側の端部を蓋のめくら溝にさし込む。そして、蓋をハウジング本体にはめ込むとともに尿成分試験紙の長手方向の位置決めを対向する突き当て部で行い、保持はめくら溝と溝によって行うことができる。
図7は、携帯型尿分析装置10において、蓋20を外した状態を示す。蓋20がはまり込むハウジング本体の矩形部分34には、ハウジング本体18と蓋20の着脱を検出する蓋着脱検出器70が設けられる。蓋着脱検出器70は、プッシュスイッチ、近接センサ等を用いることができる。蓋着脱検出器70は蓋20の側に設けることもできる。蓋20を外すことで、ハウジング本体18内部の試験紙収納室に収納されている予備の尿成分試験紙12を取り出すことができる。
図8は、尿成分試験紙12をハウジング16にセットする手順を説明する図である。(a)は取り付けようとする尿成分試験紙12である。(b)は、尿成分試験紙12をハウジング本体18に取り付ける手順を示し、(c)は、蓋20をはめ込んで尿成分試験紙12を保持する様子を示す図である。
尿成分試験紙12は、試験片14が取り付けられた面をハウジング上面に対向するようにして、張出部62a等をくぐらせながら、試験片14が取り付けられた一方側の端部をクリップ付ホルダ17でカバーされた溝56(図示していない)に差込む。そして、突き当て部60に突き当たるまで奥に入れる。次に、尿成分試験紙12の他方側の端部を突き当て壁58の位置にあわせる。そして蓋20をハウジング本体18にはめ込み、押さえ部48で尿成分試験紙の他端側の端部を押さえて保持する。
図9は、携帯型尿分析装置10と尿成分試験紙12との位置関係を説明する図である。上記のように、尿成分試験紙12は突き当て部60、張出部62c等で位置決めされ、試験片14の部分がハウジング本体18の上面に向き合って溝56の中に配置される。この試験片14が位置決めされる溝56の部分に、一対の導電性端子72a,72bと、光を通す検出窓74が設けられている。
図10は、ハウジング本体18の溝56近傍の断面図である。一対の導電性端子72a,72bおよび検出窓74が配置される部分に対応するハウジング本体18の内部は、回路収納室28に相当し、回路基板75が収納されている。
一対の導電性端子72a,72bは、その端子間の電気伝導度を測定する尿検出器における検出端子の機能を有する導電性材料からなる一対の棒状部材である。例えば、表面にニッケル下地の金メッキが施された直径約1mmの金属棒を2mm間隔で配置したものを用いることができる。一対の導電性端子72a,72bは、樹脂製のハウジング本体18の壁を貫いて、その一端が溝56の中に突き出し、他端は回路基板75の配線パターンに半田付け等で接続され、配線パターンを経由して図示されていない尿検出器に接続される。尿検出器は、抵抗計あるいは導電計の機能を有する測定器あるいは測定回路である。一対の導電性端子72a,72bは、ハウジング本体18にインサートモールドにより形成してもよく、あるいは接着剤等でハウジング本体18に固定してもよい。
上記の寸法的条件の下で、一対の導電性端子72a,72bに水等の導電性物質が存在しないときは、その端子間の抵抗はほとんど無限大の値となる。水が存在すると、その端子間の抵抗は、例えば約2MΩである。水の代わりに尿が存在すると、尿は電解質であるので、その端子間の抵抗は例えば約100kΩ程度と低くなる。尿の抵抗値は、尿に含まれる電解質の状態により幅がある。このように、一対の導電性端子72a,72b間の抵抗値あるいは導電率を測定することで、水と尿の区別、尿の状態の判定を行うことができる。
検出窓74は、その位置に対向して配置される試験片14に光を入射し、反射した光を受光する受発光型センサ76を防水構造で保護するために設けられた光を通すためのガラス窓である。受発光型センサ76は、回路基板上に配置されて図示されていない発色計測回路に接続される。受発光型センサ76の内部には1組の発光素子と受光素子が含まれ、発光素子から試験片14に光をあて、反射光を受光素子で受取り、その反射強度を図示されていない発色計測回路で計測し、尿糖値等の尿成分の値に換算する。
反射強度と発色の色調との関係は、受発光型センサ76と発色計測回路の組合せにより異なるが、例えば反射強度を電圧値で出力する場合、発色の色調が強いほど出力する電圧値が低くなるようにできる。試験片14の発色は、尿をかけてからの時間である検出経過時間とともに変化するので、検出経過時間とともに反射強度が変化する。この反射強度の変化から発色の色調の変化、すなわち尿糖値等の尿成分値の変化を算出できる。発色の計測、尿糖値の算出等の手順については後述する。
発光素子として、試験片14に尿がかけられたときの発色の波長スペクトルにあわせた波長の光を放射するLEDを用いることができる。また、受発光型センサ76において、受光素子の受光面の前面には、発光素子の波長帯域を通過させ、他の波長帯域を通過させない光学フィルタが設けられる。この特性の光学フィルタを、検出窓74のガラス窓に代えて用いることもできる。また、受発光型センサ76の内部において、発光素子と受光素子の境界に光の回りこみを防ぐための遮光壁が設けられる。また、検出窓74の近傍に、試験片14周辺の温度をモニタする温度センサ78が設けられる。
次に電子回路部の構成を説明する。図11は、電子回路部90のブロック図である。電子回路部90は、制御回路92と、入出力制御部94と、タイマ部96とメモリ部98とが回路基板上で相互に接続されて構成される。これらはそれぞれ独立したLSIで構成することもでき、あるいはマイコン、専用LSI等により集積化することもできる。また、その一部につきディスクリート電子部品を用いて構成しても良い。
入出力制御部94は、液晶ディスプレイ26、メモリ呼び出しボタン24、受発光型センサ76、尿検出器80、蓋着脱検出器70、温度センサ78および外部データ処理装置100に対する入出力インタフェイス回路である。
タイマ部96は、尿検出器80が尿を検出してからの検出経過時間を計時する尿検出経過タイマ110と、蓋着脱検出器70が蓋の着脱を検出してからの蓋着脱経過時間を計時する蓋着脱経過タイマ112を備える。
メモリ部98は、過去の尿成分計測結果、例えば過去1月分の計測結果を記憶する計測履歴メモリ114と、尿がかけられたことを検出してから例えば5秒間隔でおこなわれる尿成分算出結果を一時記憶する算出データメモリ116と、摂食後の経過時間と尿成分とに関する較正データを記憶する予定時間較正データメモリ118と、試験片の発色の温度特性に関する較正データを記憶する温度特性較正データメモリ120と、尿がかけられてからの時間における試験片の発色の程度と尿糖値との関係を表す発色時間較正データメモリ122とを備える。
制御回路92は、受発光型センサ76の受発光を制御する受発光制御部130と、受発光型センサ76が受光した試験片からの反射光の反射強度を計測する発色計測部132と、計測された反射強度を尿成分に換算して算出する尿成分算出部134と、液晶ディスプレイ26の表示制御を行う表示制御部136とを備える。
実施の形態に係る携帯型尿分析装置の動作、特に電子回路部の動作について、図12から図14のフローチャートを用いて説明する。最初に、電源ボタンが押されると、電子回路部90の初期化が行なわれる(S10)。液晶ディスプレイ26の表示、タイマ部96の各タイマ等がリセットされる。
次に、メモリ呼び出しボタン24が押されたか否かを判断する(S12)。メモリ呼び出しボタン24が押されていれば、押された回数に応じて、計測履歴メモリ114から過去の尿成分計測結果を読み出し、表示制御部136の制御に従い、液晶ディスプレイ26の表示の切り換えが行なわれ、過去の計測結果が表示される(S14)。例えば、メモリ呼び出しボタン24が1回押されていたときは、直前の計測結果が読み出され表示され、3回押されていれば、直前、その前、さらにその前、の計3つの過去の計測データが順次読み出され順次表示される。
次に、蓋着脱検出器70が蓋の着脱を検出したか否かを判断する(S16)。着脱の検出は、蓋が一度開けられ再び閉められたことを検出するのが望ましい。このことで、蓋が開けられて、尿成分試験紙がハウジングにセットされたことが電子的に確認される。着脱の検出がなされたときは、受発光制御部130の制御の下で受発光型センサ76に発光制御信号を送って動作をスタートさせる(S18)。そして、反射信号の有無から、尿成分試験紙を検出したか否かを判断する(S20)。尿成分試験紙を検出していないと判断したときは、液晶ディスプレイ26の表示を切り換え、エラー表示をする(S22)。
尿成分試験紙を検出したと判断したときは、バックグランド光によるノイズ成分を計測する(S23)。バックグランド光の要因としては太陽光、照明光等があり、これらの光の強さ、波長等は測定の場合により異なってくることがあり、発色計測の再現性、信頼性等に影響を及ぼすおそれがあるので、計測データから取り除くことが望ましいからである。すなわち、まだ尿がかけられていない状態の尿成分試験紙を通して計測できる反射強度を測定し、メモリに記憶する。記憶されたバックグランド光によるノイズ成分は、以後の発色計測(S48等)においてメモリから読み出され、実際に尿がかけられたときの反射強度についてバックグランド光によるノイズ成分を除去するのに用いられる。
また、クリップ付ホルダ17からハウジング16を外したことを検出するスイッチをクリップ付ホルダ17またはハウジング16に設け、そのスイッチがハウジング16の取り外しを検出したときにバックグランド光によるノイズ成分の計測を行うこととしてもよい。このことで尿をかける直前にノイズ成分の計測を行うことができる。
その後、受発光型センサ76の動作を止め(S24)、蓋着脱経過タイマ112の計時を開始する(S26)。そして、液晶ディスプレイ26の表示を切り換え、蓋着脱経過時間T1を表示する(S28)。T1が所定の予定時間、例えば2時間に到達したか否かを判断(S30)し、所定の予定時間に到達したときはその旨を表示する(S32)。この旨の表示は、例えばブザーや電子音で知らせることでも良く、あるいは、液晶ディスプレイ26を点滅させて知らせても良い。例えば食事のときに蓋を着脱し、尿成分試験紙をハウジングにセットするときは、摂食後の予定時間に至ったときにブザー等で知らせてくれるので、尿成分試験紙に尿をかけるタイミングであることが知らされる。
次に、尿を検出したか否かを判断する(S40)。尿が尿成分試験紙にかけられると、その近傍に設けられている一対の導電性端子の間が尿で満たされ、尿検出器80は、いままで無限大の抵抗値を検出していたのが例えば約100kΩの抵抗値に激変したことを検出するはずである。この抵抗値変化で、尿の検出が行なわれる。尿が検出されたと判断したときは、受発光型センサ76の動作をスタートさせ(S42)、尿検出経過タイマ110の計時を開始し(S44)、液晶ディスプレイ26の表示を切り換えて、検出経過時間T2を表示する(S46)。
そして、発色計測部132が、受発光型センサ76が受光した試験片からの反射光の反射強度の計測を開始する(S48)。反射強度の計測にあたっては、S23でメモリに記憶されたバックグランド光によるノイズ成分を読み出して、その分の補正を行う。例えば、尿がかけられた試験片からの反射強度から、尿がかけられていないバックグランド光による反射強度を差し引く等の処理を行う。所定の係数を用いて差し引く処理を行ってもよい。刻々変化する反射強度およびそれから算出された尿成分等のデータは、尿がかけられたことを検出してからの時間である検出経過時間に対応付けられて、算出データメモリ116に記憶される。
反射強度の計測と尿成分の算出の手順は、試験片にかけられた尿に含まれる尿糖値が高いか低いかにより3つのルートに分けられる。すなわち、尿成分試験紙の発色と尿糖値との関係は、直線的な関係でなく、尿糖値が高くなるにつれその発色の変化が飽和する特性を有するため、尿糖値により計測する時間を変えるほうが望ましいからである。
図15は、横軸に検出経過時間を取り、縦軸には反射強度を取って、尿成分試験紙の標準色調表における6段階の尿糖値をパラメータとして、反射強度と検出経過時間の関係を示したものである。尿糖値を測定する尿成分試験紙の判定のための計測基準時間は尿がかけられてから30秒である。図からわかるように、標準色調表の+++(2000mg/dl)と++(500mg/dl)の高尿糖値の場合は、検出経過時間が30秒になる前に反射強度の変化はほぼ飽和し、さらに計測基準時間において両者の反射強度が近い値となり、尿糖値が異なっていてもその差異の判別が困難になっている。これに対し、標準色調表の±(50mg/dl)や0(検出限界以下)では、検出経過時間が30秒になっても反射強度の変化が小さく、まだ変化が引き続き生じている。
したがって、図15に示すように、反射強度に2つの基準計測値A,Bを設け、試験片からの反射強度の変化が、基準計測値A,Bをいつ横切るかで、試験片に含まれる尿糖値を3つのグループに分類する。例えば図15において、基準計測値Aを反射強度=4(相対値)、基準計測値Bを反射強度=2(相対値)とする。反射強度は、検出経過時間が長くなるほどより低い値に変化する。高尿糖値である+++と++の反射強度の変化は、計測基準時間の30秒の前に基準計測値Aも基準計測値Bも横切る。中程度の尿糖値である+と(+)の反射強度の変化は、計測基準時間の30秒の前に基準計測値Aを横切るが、基準計測値Bまでは低下しない。低尿糖値である(±)と0の反射強度の変化は、計測基準時間の30秒の前に基準計測値Aも基準計測値Bも横切らない。
再び図14に戻り、発色計測において、反射強度と検出経過時間との関係を計測し、反射強度が基準計測値Aへ到達する時間が30秒以下か否かを判断する(S50)。30秒以下でないと判断されたときは、低尿糖値の場合であるので、発色計測を計測基準時間Tsの30秒後も継続し、所定の低尿糖値計測時間Taにおいて反射強度を計測し、尿成分を算出する(S51)。Taとしては、例えば計測基準時間Tsの倍の60秒とすることができる。Taにおける反射強度から尿成分を算出するには、予め求めておいた較正表を用いることができる。
反射強度が基準計測値Aへ到達する時間が30秒以下であると判断されたときは、次に、反射強度が基準計測値Bへ到達する時間が30秒以下か否かを判断する(S52)。30秒以下であると判断されたときは高尿糖値の場合であるので、反射強度が基準計測値Bへ到達した時間Tbを計測し、Tbに基づいて尿糖値を算出する(S53)。Tbから尿糖値を求めるには、あらかじめ求めておいた較正カーブを用いて行うことができる。図16に較正カーブの一例を示す。図において横軸にTbを、縦軸に尿糖値をとり、基準計測値がB=2(図15における相対値)のときのTbと尿糖値の関係が示される。かかる較正データは、発色時間較正データメモリ122に記憶され、必要に応じ読み出すことができる。
反射強度が基準計測値Aへ到達する時間が30秒以下でないと判断されたときは、中程度の尿糖値であるので、検出経過時間T2が30秒か否か判断し(S54)、30秒に達したときは、そのときの尿成分を算出する(S56)。
このようにして尿成分の値が算出されると、液晶ディスプレイ26の表示を切り換えて、尿成分表示が行われる(S58)。例えば、「700mg/dl」と算出された尿成分の値そのものが表示される。もちろん、標準色調表の判定に従って、「+++ 2000mg/dl」等と表示することもできる。また、算出された尿成分の値は、最新の尿成分計測値として、計測履歴メモリ114に記憶される。
ところで、たまたまT2が30秒のときに計測に失敗したとき等で、尿成分算出値が異常となることがある。この場合には、算出データメモリ116に記憶されている5秒おきの尿成分算出値を読み出し、補間により、T2が30秒のときの値を算出し、その値を計測基準時間における尿成分として表示する。また、その値は最新の尿成分計測値として、計測履歴メモリ114に記憶される。
T2が30秒のときのデータが異常のときにおける補間の例を図17に示す。図では横軸に検出経過時間T2を取り、縦軸に尿糖値を取った。(a)が生データで、(b)が補間後のデータである。この例では、計測を5秒おきに35秒まで行い、たまたま30秒のときのデータが異常であるので、他のデータから補間法によりT2が30秒のときの値を算出できた。この場合のように、内挿を用いてT2が30秒のときの値を算出するときは、発色計測は30秒より長い時間行うことが好ましい。外挿を用いてT2が30秒のときの値を算出することもできる。この場合は、発色計測を30秒で終えることができる。
再び図14に戻り、尿成分算出が終了すれば、使用済みの尿成分試験紙をハウジングから取外し、携帯型尿分析装置を洗浄する必要がある。そこで、洗浄水を検出したか否かを判断する(S60)。洗浄水がハウジングにかけられると、一対の導電性端子の間が水で満たされ、尿検出器80は、いままで例えば約100kΩの抵抗値を検出していたのが例えば約2MΩの抵抗値に激変したことを検出するはずである。この抵抗値変化で、洗浄水の検出が行なわれる。洗浄水が検出されたと判断したときは、受発光型センサ76の動作を止め、液晶ディスプレイ26の表示を切り換えて、洗浄済みの表示を行う。洗浄済みの表示がされないときは、洗浄がなされていないか、不十分であるので、洗浄を継続する必要があることが知らされる。
以上が標準的なフローチャートであるが、図12のS28から図13のS40の間において、蓋着脱経過時間T1が所定の予定時間、例えば2時間に到達する前に尿成分試験紙に尿をかける場合がありうる(図13でS70と示した)。あるいは逆に、T1が2時間を超えてから尿成分試験紙に尿をかける場合もありうる。このようなときは、予定時間較正データメモリ118から、予定時間と尿成分に関する較正データを読み出し、尿をかけたときの蓋着脱経過時間T1を当てはめて、所定の予定時間における尿成分値に補正することができる。
予定時間についての補正の例を図18に示す。図では横軸に蓋着脱経過時間を取り、縦軸に尿糖値を取った。(a)は蓋着脱経過時間が1時間のときの実測値、(b)は、予定時間と尿成分に関する較正データで、この場合予定時間を蓋着脱経過時間に置き換えてある。(c)は、(a)の実測値を(b)の較正データに当てはめて補正し、蓋着脱経過時間が2時間のときの尿糖値を算出したものを示す。
また、温度特性較正データメモリ120から試験片の発色の温度特性に関する較正データを読み出し、温度センサ78の検出温度を当てはめて、標準の温度、例えば20度における尿成分値に補正することができる。
また、尿検出器により計測される尿の抵抗値あるいは導電率を、液晶ディスプレイに表示することもできる。
次に、他の実施の形態につき図19から図24を用いて説明する。この実施の形態においては、ハウジング本体に、くぼみ形状の尿たまり部と、尿たまり部から検出窓に向けて尿を導く尿流し路とを設け、尿がかけられたことを検出するための一対の導電性端子がこの尿流し路上に配置されていることを特徴とする。
図19は、ハウジング本体218の上面図で、先ほどの図4(a)に対応する。図4(a)と共通の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、図の尺度は図4(a)より拡大して示してある。ハウジング本体218は、その長手方向に沿って溝50,52と、尿たまり部250及び尿流し路252とを有する。尿流し路252は、尿たまり部250から検出窓74の方向に向けて設けられ、その幅は尿成分試験紙の幅とほぼ同じ、例えば尿成分試験紙の幅より0.2mm程度大きめの幅に設定される。また、尿流し路252には、その端部61の手前にその流路を狭める一対の堰部254a,254bが配置される。これらは、尿成分試験紙をハウジングに取り付ける部分に対応するが、尿たまり部250は、尿成分試験紙の幅よりも大きい幅を有し、ハウジングに尿成分試験紙を取り付けた際に、尿成分試験紙の両側に十分な大きさのくぼみを有するようにその形状が形成されている。
また、相互に絶縁された一対の導電性端子272a,272bは、尿流し路252上の尿たまり部250側に設けられる。一対の導電性端子272a,272bは設けられる位置が異なるのみで、図9等で説明される一対の導電性端子72a,72bと同じ機能、すなわち尿検出器に接続され、導電性端子間の電気伝導度の変化から尿がかけられたことを検出するために用いられる。
図20から図22は、ハウジング本体218と尿成分試験紙12との位置関係を説明する図で、先ほどの図9に対応する。図20は、ハウジング本体218に2点鎖線で示した尿成分試験紙12が取り付けられた状態を示す上面図であり、図21、図22は、ハウジング本体218の断面図で、それぞれ図20のAA線、BB線における断面に対応する。図9と共通の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、図の尺度は図9より拡大して示してある。図に示すように、尿たまり部250は、ハウジング本体218を大きくくぼませ、尿成分試験紙12の幅に対し例えば約6倍の幅で設けられる。検出窓74の近傍の尿流し路252には、張出部256a,256bが設けられ、堰部254a,254bの部分とともに、尿成分試験紙12の位置決めを行うように構成される。
図23は、ハウジング本体218の尿たまり部250及び尿流し路252近傍の断面図で、先ほどの図10に対応する。図10と共通の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、図の尺度は図10より拡大して示してある。図に示すように、一対の導電性端子272a,272bは、尿たまり部250に近い尿流し路252上に設けられる。また、堰部254a,254bの高さは、尿成分試験紙12の試験片14の厚みよりやや厚い高さに設定される。すなわち、堰部254a,254bと張出部256a,256bとの間で尿成分試験紙12を挟んで位置決めしたとき、試験片14と検出窓74との間が一定の隙間に保持されるように、堰部254a,254bの高さが設定される。
図24は、尿たまり部250、尿流し路252、一対の導電性端子272a,272b等を備えた構成における作用を説明する図である。尿成分試験紙12が取り付けられたハウジング本体18に尿300がかけられると、その尿は尿たまり部250のくぼみにためられる。ためられた尿302は、細い尿流し路252を通り、端部61から用済みの尿304として排出される。図24から理解されるように、尿300のかけられる方向は、尿成分試験紙12の試験片14が取り付けられている面と反対側である。すなわち、尿300は直接には試験片14にかけられない。このような場合でも、尿たまり部250と尿流し路252を設けることで、十分な量の尿を試験片14に供給することができる。
また、堰部254a,254bにより尿流し路252はその流路が狭められ、いわば、尿たまり部250から水頭圧がかけられた状態で尿が流される。尿流し路252において、尿成分試験紙12の試験片14と、検出窓74とが対向する部分は隙間が小さいため、尿の表面張力が働くときは、尿が流れにくくなる。そこで、尿を十分な量ためられる体積を有する尿たまり部250と、堰部254a,254bとの間の水頭圧を利用することで表面張力の影響を排除し、試験片14と検出窓74との間に尿を滑らかに流すことができる。
一対の導電性端子272a,272bは、尿たまり部250側の尿流し路252上に設けられるので、尿300をかけ始めのとき、尿がまだ尿流し路252を流れて試験片14に到達する時のやや前の時点で、尿がかけられたことを検出することができる。したがって、尿がかけられたことが検出された時に、受発光型センサ76に発光制御信号を送って動作をスタートさせ、試験片14における発光計測の直前にバックグランド光によるノイズ成分を計測することができ、バックグランド光によるノイズ成分をより確実に除去できる。ちなみに、先ほどの図12のフローチャートにおけるバックグランドノイズ計測(S23)は、尿成分試験紙がハウジングに取り付けられたことを検出した時に行われる。
また、尿がかけられたことが検出された時を基準に、受発光型センサ76に発光制御信号を送って動作をスタートさせるタイミングを調整することもできる。例えば、尿がかけられたことが検出された時から一定時間後に、受発光型センサ76に発光制御信号を送って動作をスタートさせることができる。この一定時間の遅延を、試験片14に尿が到達し、試験片14の部分に尿の色、例えば無色〜黄色〜赤等の色が含まれるようになってから、受発光型センサ76に発光制御信号を送って動作をスタートさせる設定とすることで、試験片14における発光計測の直前に、尿の色を含めたバックグランド光によるノイズ成分を計測することができる。この一定時間の設定は、尿たまり部250から試験片の位置、すなわち受発光型センサ76の位置までの距離や、尿流し路252の流路抵抗等を考慮して、あらかじめ実験等で定めることができる。
また、尿流し路252の幅は、検出窓74の近傍において、上記のようにほぼ尿成分試験紙の幅と同じに設定されるので、外乱光が尿成分試験紙の側部から回りこんで、発色計測に影響を与えることをより少なくできる。
以上、1枚の試験紙の先端部分に1種類の試験片が設けられた尿成分試験紙を用いる場合の携帯型尿分析装置について説明したが、1枚の試験紙に複数の試験片が設けられた尿成分試験紙を用いる場合にも本発明が実施できる。例えば1枚の試験紙に尿糖値、蛋白質、潜血を検出対象とする試験片が計3個設けられている場合、携帯型尿分析装置の検出窓を3個にし、それぞれの受発光型センサについてその発光素子の波長、受光素子用のフィルタを対応する試験片の発色特性に合わせる。また、尿検出経過タイマにおける計測基準時間の設定を、蛋白質検出に対しては尿をかけてから10秒後、潜血検出に対しては尿をかけてから20秒後とする。このように検出対象に応じて最適な設定を行うことで、複数の尿成分の分析をほぼ同時に行うことができる。
次に更なる実施の形態の携帯型尿分析装置310につき説明する。この携帯型尿分析装置310は、尿成分試験紙12を遮光カバー317で覆って、バックグランド光が発色計測に影響を与えないようにしたところに主な特徴を有する。携帯型尿分析装置310の外観について図25に上面図、図26に正面図、図27に底面図を示す。携帯型尿分析装置310は、ハウジング本体318と、クリップ319を有する蓋320と、ハウジング本体318の底面にスライドしてはまりあう遮光カバー317を備える。これらが互いに接触する部分には、十分な防水性を確保するようなはまりあい構造が設けられる。
ハウジング本体318は、概略正方形に近い矩形断面の細長い箱状の部材であり、内部に尿成分算出のための電子回路部等を収納する防水型の筐体の機能を有する。かかるハウジング本体318は、樹脂成形により得ることができる。ハウジング本体318の長手方向の一方端にはクリップ319を有する蓋320がしっかりはまりあうはまりあい構造を有し、他方端の底面側には遮光カバーがしっかりはまりあうはまりあい構造を有する。また、ハウジング本体318の上面から底面に向かって貫通するテーパ状開口351は、尿を注ぎ込むためのものである。ここでハウジング本体318に遮光カバー317をしっかりはめ込むことで、その協働により注がれた尿をためる尿たまり350が形成される。
ハウジング本体318の底面に設けられる液晶ディスプレイ326は、尿成分の値や尿検出経過時間等を表示する表示器である。ハウジング本体318の上面に設けられるLED380は、尿がかけられた状態を表示する機能を有する尿検出表示器である。尿がかけられた状態の種類としては、尿がかけられたことが検出された状態、尿がかけられてから所定時間経過した状態、尿がかけられなくなった状態等を設定でき、LED380は、これらの状態の種類に応じて表示方法を変えてどの状態にあるかを表示する機能を有する。例えば、携帯型尿分析装置310の尿たまりに十分尿がたまれば、それ以上尿をかけつづけなくてもよいことが多いが、尿たまりを観察しにくい場合がある。LED380の発光は観察が容易なので、尿がきちんとかけられたことをLED380の点灯で示し、それから所定時間経過すれば尿たまりに十分な尿がたまったものとしてLED380の点滅で示し、尿成分の算出が終わったことをLED380の消灯で示すことができる。特に女性等の場合は、LED380の状態表示が有効である。具体的な表示例については、後述する。LED以外の発光素子を用いてもよく、複数色の発光で尿がかけられた状態を区別して表示してもよい。
遮光カバー317がはまりあうハウジング本体318の底面には、上記のテーパ状開口351の出口の他、尿成分試験紙12を保持する平行ガイドや、光を通す検出窓や、尿を検出するための一対の導電性端子等が設けられるが、その詳細は、遮光カバー317がはまりあう部分の説明のところで詳述する。
蓋320は、ハウジング本体318の一方端を開閉する部材で、このことによりハウジング本体318の内部に収納されている電池を交換し、あるいは尿成分試験紙を取り出すことを可能とする機能を有する。蓋320は、一方端にハウジング本体318にはまりあう矩形形状の開口を備え、概略底付き角筒の形状を有する部材である。かかる蓋320は、樹脂成形により得ることができる。
蓋320がハウジング本体318にはまりあう部分について図28から図30に示す。ここで図28と図30は正面図、図29は底面図で、ハウジング本体318から蓋320を図に示す矢印の方向に引き出したときの状態を示している。開口部には一対のアームが設けられ、そのアームの内側面にスライド駒384が設けられる。スライド駒384は、ハウジング本体318の両側面に設けられた一対の長円形のガイド溝382に対応し、この長円形のガイド溝382に沿って蓋320の移動を案内し、さらにその移動範囲を制限する機能を有する。すなわち、図28,29に示される矢印と反対方向に一杯移動することで、ハウジング本体318と蓋320とは図示されていないはめあい構造によりしっかりはめ合わされ、また、矢印方向に一杯移動しても蓋320がハウジング本体318から分離されることがない。
このように、一対の長円形のガイド溝382と一対のスライド駒384の作用により、図29に示されるように、蓋320を矢印の方向に移動させ、ハウジング本体318の底面側の内部に設けられた電池収納部386を露出させることができる。このことで、必要に応じ電池交換を行うことができる。また、図28に示す矢印の方向に蓋320を一杯移動させた後、図30に示す回転矢印の方向に蓋320を回すと、ハウジング本体318の上面側の内部に設けられた試験紙収納室327が開口する。したがって、必要に応じ、新しい尿成分試験紙12を試験紙収納室327より引き出すことができる。
蓋320に付けられたクリップ319は、携帯型尿分析装置310を例えば肌身に近いポケット等に掛けておくためのものである。このことで、携帯型尿分析装置310全体を体温に近い温度に保持でき、尿成分を検出する際における尿の温度と携帯型尿分析装置310の温度を近づけることができる。一般に、尿成分試験紙の発色に温度依存性があることが知られているので、このクリップを利用して携帯型尿分析装置310全体を体温に近い温度に保持することで、尿成分の計測をより安定したものとすることができる。
遮光カバー317は、ハウジング本体318の底面にはまりあう部材で、ハウジング本体318と協働することで尿成分試験紙12を位置決めして保持し、上記のように尿たまり部350を形成する機能を有する部材である。遮光カバー317はハウジング本体318の底面の3辺にはまりあう形状を備え、概略細長い底面の3辺に周壁を有する部材である。かかる遮光カバー317は、遮光性を有する材料を用いた樹脂成形品で得ることができる。遮光性の程度は、尿成分試験紙の発色を計測する際のノイズとならない程度に外部光を遮断できれば足りる。例えば黒色の樹脂成形品、あるいは光を十分遮断できる厚みを有する樹脂成形品、または、光を遮断する黒い薄膜等を貼り付けた樹脂成形品を用いることができる。
遮光カバー317がハウジング本体318にはまりあう部分について図31、図32に示す。ここで図31は正面図、図32は底面図で、ハウジング本体318から遮光カバー317を図に示す矢印方向に引き出した状態を示している。図31及び図32に示すように、遮光カバー317の両側の平行する周壁部分は、ハウジング本体318の底面側に設けられた一対のガイド溝388に案内される機能を有し、これにより、遮光カバー317は、ハウジング本体318の底面の外形に沿って図31、図32に示す矢印方向に移動することができる。矢印方向への移動範囲に制限はなく、遮光カバー317をハウジング本体318から取り外すこともできる。矢印と反対方向の移動は、ハウジング本体318に設けられた斜め壁部340により制限される。
遮光カバー317は、ハウジング本体318の斜め壁部340に突き当たる側と反対側の他端部に、尿成分試験紙12にかけられた尿を外部に排出するための尿出口361を有する。尿出口361の形状は矩形で、その幅は尿成分試験紙12の幅よりやや広めに設定される。
ここで遮光カバー317がはまりあうハウジング本体318の底面に設けられる各要素について、遮光カバー317とハウジング本体318との協働を含めて説明する。
ハウジング本体318の底面にはテーパ状開口351の出口側が設けられ、そこからハウジング本体318の長手方向に沿い、他方端に向かって順に2個の検出窓374と、一対の導電性端子372が配置される。そしてこれらを挟んで一対の平行ガイド356が設けられる。
検出窓374は、尿成分試験紙12の試験片14に光を入射し、反射した光を受光するための防水構造の光を通すガラス窓である。検出窓374のハウジング本体318の内側には試験片14の発色を計測するための受発光型センサが設けられる。2個の検出窓374のそれぞれは2種類の試験片14に対応する位置に設けられる。
一対の導電性端子372は、ハウジング本体318からその一部が突き出して設けられる導電性材料からなる一対の棒状部材である。ハウジング本体318の内部には尿検出器が設けられ、一対の導電性端子372はこれに接続される。
ハウジング本体318の底面に盛り上がって設けられる一対の平行ガイド356は、尿成分試験紙12を保持する機能を有する。平行ガイド356の断面は、ハウジング本体318の長手軸に対称な段付き形状を有する。この段付の平行間隔は、ハウジング本体318の底面側に近い段の平行間隔が試験片14の幅より広く尿成分試験紙12の幅より狭く設定され、ハウジング本体318の底面から離れている段の平行間隔が尿成分試験紙12の幅より広く設定される。この構造により、一対の平行ガイド356は、試験片14をハウジング本体318の底面側にむけて尿成分試験紙12を保持することができる。
この段つき平行ガイド356の配置は、ハウジング本体318に遮光カバー317をはめ込んだときの尿出口361の位置に対応するように設定される。すなわち、段つき平行ガイド356に尿成分試験紙12を保持したとき、尿成分試験紙12の延長がちょうど尿出口361の位置に対応するように設定される。別の観点から述べれば、ハウジング本体318に遮光カバー317をはめ込み、尿出口361から尿成分試験紙12を挿入すると、ちょうど段つき平行ガイド356によって尿成分試験紙12が保持されるようにそれぞれの配置設定が行われる。
具体的に尿成分試験紙12を携帯型尿分析装置310にセットするには次のように行う。最初に図32に示すように遮光カバー317をハウジング本体318に奥まで押し込んでおく。そして、遮光カバー317の他端部に設けられた尿出口361から尿成分試験紙12を試験片14がハウジング本体318の底面側、すなわち検出窓374に向かい合う向きで挿入する。挿入を続けると、尿成分試験紙12はハウジング本体318の斜め壁部340に到達し、その斜面に沿ってハウジング本体318の外側に進んでゆく。適当なところで尿成分試験紙12がストップするまでハウジング本体318より引き出して位置決めを行う。
図33は、拡大断面図で、ハウジング本体318と遮光カバー317との間に尿成分試験紙12を位置決めして保持し、ハウジング本体318に遮光カバー317をしっかりはめ込み、テーパ状開口351から尿300を注ぎいれた状態を示す図である。上記のように、遮光カバー317をハウジング本体318にしっかりはめ込むことで、テーパ状開口351のところに尿たまり部350が形成され、そこにためられた尿302は、ハウジング本体318の底面と遮光カバー317の内面とで形成される尿流し路352に流れ込み、そこに保持されている尿成分試験紙12の試験片14に尿をかけ、試験片14を尿成分に応じた発色を生じさせる。尿流し路352の尿はさらに流れて一対の導電性端子372に到達し、さらに進んで尿出口361から用済みの尿304として外部に排出される。
試験片14の発色は、検出窓74を介して受発光型センサ376により計測され、図示されていない尿成分算出部により尿成分が求められる。上記構成によれば、ハウジング本体318と遮光カバー317とがしっかりはまりあい、尿成分試験紙12の試験片14部分には外部からの光が遮断される。したがって、発色計測におけるバックグランド光によるノイズの影響が抑制され、実施例1で説明したバックグランドノイズ計測等の処理を行わなくてもよい。
受発光型センサ376は、内部に1組の発光素子と受光素子を含む素子で、発光素子から試験片14に光をあて、反射光を受光素子で受取り、その反射強度を計測する機能を有する。発光素子の波長スペクトルは、試験片14の発色スペクトルと、試験片14にかけられる尿の色とを考慮して選ばれる。すなわち、試験片に含まれる試薬の種類により同じ尿をかけても発色の色調、すなわち波長スペクトルが異なる。また、尿の色もさまざまなものがあることは周知である。発色変化を正確に計測するには、試験片14に尿がかけられたときの発色の波長スペクトルの範囲の中で、尿の色により影響を受けない波長の光を用いて反射を計測することが好ましい。
図34は、ある試験片を用いて、4種類の色を有する尿をかけ、その波長スペクトルを見た様子を示す図である。図34において縦軸は受光素子により計測される反射強度、横軸に波長をとり、波長による反射強度の変化を示してある。尿の色は、通常無色透明から黄色がかった色でその濃淡が異なるものであるが、その他にビタミン尿と呼ばれる黄緑がかった蛍光色、ビリルビン尿と呼ばれる褐色、血尿のように赤色を呈するもの等がある。図34では、波長スペクトルとして、尿をかける前の試験片そのもの400、尿糖度100mg/dlの条件の下での通常尿の濃い色402、ビタミン尿404、通常尿の薄い色406及び通常尿の無色透明408について示した。なお、赤色尿及び褐色尿は疾患の可能性があるので、図34の比較からは除外した。この試験片の例では、図34に示されるように、500−520nmの範囲の波長において、尿の色により、発色の波長スペクトルが影響を受けない。したがって、この場合を例にとれば、発光波長スペクトルが500−520nmの範囲にピークを有する発光素子を用い、受光素子についてはその前に500−520nmの光を通すフィルタを設けることが好ましい。
発色の計測タイミングと計測値を処理して尿成分を算出するにはいくつかの方法が用意される。具体的には、携帯型尿分析装置310の制御部がいくつかの尿成分算出プログラムを備え、ユーザの選択に応じ、あるいは内部に備える温度センサ等の状態センサによる状態検出結果に応じて自動的に1つのプログラムを選択することができる。
尿成分算出の方法のうち、(1)所定の計測基準時間、例えば尿がかけられてから30秒後における発色から尿成分を算出する方法、(2)尿糖値が高いときは計測基準時間より短い時間における発色、尿糖値が低いときは計測基準時間より長い時間における発色に基づいて尿成分を算出する方法については実施例1で説明した。
ここでは、さらに(3)複数の計測タイミングにおける発色計測から計測基準時間における尿成分を推定して算出する方法、(4)尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差を考慮して尿成分を算出する方法について説明する。
複数の計測タイミングにおける発色計測から計測基準時間における尿成分を推定して算出する方法においては、計測基準時間にいたるまでに複数の計測タイミングを設定し、その計測タイミングで発色を計測し、予め求めておいた較正曲線と比較して最も確からしい尿成分を求める。図35は、較正曲線の例であり、横軸に尿がかけられたことを検出してからの時間である検出経過時間、縦軸に反射強度を取り、尿糖度を変えたときの標準の変化曲線が示されている。例えば、計測基準時間を30秒とし、計測タイミングを、検出経過時間=0,5,15,20,25,30秒の6回に設定し、各検出経過時間における反射強度の計測を行う。そして、それぞれの反射強度データと、図35の較正曲線とを比較し、最も確からしい変化曲線を推定する。図35の黒丸の例では、最も確からしい尿成分として、尿糖度100mg/dl(±)と推定される。計測タイミングの取り方は、上記のように一定の時間間隔ごとに反射強度を計測してもよく、また、反射強度を常時計測し、一定間隔の反射強度ごとに経過時間を計測することにしてもよい。
このように計測された値と較正曲線との比較において、一致性が十分高いときは、計測タイミングをすべて行わず、途中で推定値を算出し、以後の計測を省略してもよい。図35の例では、検出経過時間20秒で十分推定が可能であるので、以後の測定を省略できる。較正曲線との一致性の評価、最も確からしい変化曲線の算出には、最小二乗法等の周知の統計的手法を用いることができる。
次に、尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差を考慮して尿成分を算出する方法について説明する。最初に、尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差が、発色計測すなわち反射強度にどのように影響するかを説明する。図36は、携帯型尿分析装置の温度を5℃,20℃,40℃として、尿糖度100mg/dlの尿を尿成分試験紙にかけたときの反射強度の時間変化を、縦軸に反射強度を取り、横軸に尿がかけられたことを検出してからの時間を取って示したものである。ここで、尿は「瞬時かけ」、つまり尿を携帯型尿分析装置のテーパ状開口351に瞬時かけたのち、すぐ尿かけをそらしてしまうようにした。この場合、尿の温度はほぼ体温であるが、試験片にかかる尿の容積そのものが少なく、熱容量が小さいので、携帯型尿分析装置の温度が低いとすぐ冷えてしまい、発色反応が抑制される。これに対し、携帯型尿分析装置の温度が体温に近いと、その温度に維持され発色反応が通常となる。このように、同じ尿であるにもかかわらず、尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差があると、反射強度に差異が生じ、時間が経過するにつれその差異が大きくなる。
ここで尿をかける時間を長くし、その後短い時間で発色計測を行えばよいのでは、という考えに基づいて実験した結果を図37に示す。図37の縦軸、横軸は図36と同じで、用いた尿の尿糖度も100mg/dlで同じとし、試験片も同じ物を用いた。ここで尿をかける時間を、尿がかけられたことが検出されてから3秒間とし、その後は尿かけをそらしている。図37の結果からは、尿を3秒間のみかけ、その後の約7秒間は、携帯型尿分析装置の温度が5−40℃の間で変化しても、反射強度にほとんど差異が見られない。なお、尿をそのままかけつづけていても、尿がかけられたことが検出されたときから4−9秒の間は、反射強度に携帯型尿分析装置の温度の影響があまり見られないことも確認された。
この尿がかけられたことが検出されたときから4−9秒の間に発色計測を数点行い、上記の較正曲線を用いて、最も確からしい尿成分を推定することで、尿温度と携帯型尿分析装置との間の温度差の影響を少なくすることができる。ここで、尿がかけられたことが検出されたときから4−9秒の範囲は、尿たまりの容量や、尿流し路における尿の流れ方、携帯型尿分析装置の熱容量等により前後した時間範囲となる。これらを考慮して実験的に第1の所定時間と第2の所定時間とを設定し、少なくとも3秒以上は尿をかけつづけ、第1の所定時間から第2の所定時間までの間に複数の計測タイミングをおいて、その発色計測に基づいて、尿成分を算出することが好ましい。
図25、図33に示すハウジング本体318の上面、すなわち検体をかける側に設けられるLED380を用いて第1の所定時間、第2の所定時間等を知らせると便利である。図38は、検体がかけられたことを検出してからの検出経過時間に伴うLED380の点灯状態を示す図である。図38において、検体かけのタイミング、導電性端子372における検体検出状態、受発光型センサ376による発光計測状態も示してある。すなわち、検体かけが始まってしばらくすると導電性端子372のところに検体が達し、検体検出が行われる。この時刻を起点時刻tとして検出経過時間が測定される。LED380は、tに点灯を開始し、測定者に、きちんと検体がかけられ試験片がぬれ始めており、そのまま検体をかけつづければよいことを知らせる。検体かけはその後も続けられるが、tから3秒経過した時刻TにおいてLED380は全点灯から点滅状態に切り替わる。すなわち、検体温度と携帯型検体分析装置との間の温度差の影響を少なくするために必要とされる十分な検体がかけられ、検体かけをそらしてもよいことを測定者に知らせる。なお、検体かけを続けてもよい。そして、時刻Tから7秒後の時刻時刻Tまでの間は、温度差の影響が少ない範囲であるので、その間の時刻t=4秒を第1の所定時間とし、時刻 =9秒を第の所定時間として、その間で受発光型センサ376を点灯し、発色計測を行う。発色計測が終了するとLED380は消灯する。図38の例では、時刻Tで消灯している。このことで必要な発色計測が終了したことが知らされ、ハウジング本体318をひっくり返せば、底面側の液晶ディスプレイ326に検体成分が表示されているのを見ることができる。
上記において、発色計測は、ハウジング本体内部に設けられた受発光型センサを用いて反射光を計測することとして説明したが、発光素子と受光素子をハウジング本体側と遮光カバー側に分離し、透過光を計測することとしてもよい。この場合には、発光素子側にも防水構造を設け、遮光カバーとハウジング本体とのはめあい部分等に電源や信号のやり取りができるインタフェイスを設ける。発光素子と受光素子を分離することで、発光素子−試験片−受光素子の配置を取ることが可能となり、発光素子と受光素子との間隔を一定に維持できる。したがって、尿成分試験紙の挿入、位置決めにばらつきがあって、試験片の位置が発光素子と受光素子との間でばらついても、発色計測への影響を少なくすることができる。
上記において、尿成分試験紙12を携帯型尿分析装置310にセットするには、尿成分試験紙12の指で持つ側、すなわちスティックの試験片14が設けられる側と反対側から尿出口361に挿入するものとして説明した。この他に、尿成分試験紙12の試験片14が設けられる側から尿出口361に挿入するものとすることもできる。この場合には、遮光カバー317の内面に位置決め用の段差357を設ける。その様子を図39と図40に示す。図39は、図32に対応し、図40は図33に対応して示されている。尿成分試験紙12は、試験片14が設けられる側から遮光カバー317の尿出口361に挿入される。そして、内面の段差357に突き当たるまで挿入を続けることで、尿成分試験紙12の位置決めが行われる。また、この構造では、遮光カバー317をハウジング本体318に対し、図40に示す矢印方向に単にずらすだけで、段差357の作用で尿成分試験紙12もともに矢印方向に移動するので、容易に尿成分試験紙12を取り外すことができる。
人や動物の体液、例えばその血液、汗、尿等に含まれる成分、あるいは上下水道、工場廃水、土壌中に含まれる成分等を分析する携帯型分析装置に用いることができる。
尿成分試験紙を示す図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置の上面図、正面図、底面図、側面図、である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置の断面図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置において、クリップ付ホルダ、ハウジング本体、蓋を分離したときの上面図、正面図、底面図等である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置において、クリップ付ホルダの機能を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置において、クリップ付ホルダの他の機能を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置の蓋を外したときの様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の携帯型尿分析装置において、尿成分試験紙の位置決めの様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の携帯型尿分析装置と尿成分試験紙との位置関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置の一部拡大断面図である。 本発明に係る実施の形態における携帯型尿分析装置の電子回路部のブロック図である。 本発明に係る実施の形態における尿分析のフローチャートである。 本発明に係る実施の形態における尿分析のフローチャートである。 本発明に係る実施の形態における尿分析のフローチャートである。 尿糖値をパラメータとして、反射強度と検出経過時間の関係を示す図である。 反射強度が基準計測値Bへ到達した時間Tbから尿糖値を求める較正カーブの一例を示す図である。 検出経過時間に関する補間の例を示す図である。 蓋着脱経過時間に関する補正の例を示す図である。 他の実施の形態におけるハウジング本体上面図である。 他の実施の形態におけるハウジング本体と尿成分試験紙との位置関係を説明する図である。 図20におけるAA線に沿った断面図である。 図20におけるBB線に沿った断面図である。 他の実施の形態におけるハウジング本体の尿たまり部及び尿流し路近傍の断面図である。 他の実施の形態における尿たまり部、尿流し路、一対の導電性端子等を備えた構成における作用を説明する図である。 さらに他の実施の形態における携帯型尿分析装置の上面図である。 さらに他の実施の形態における携帯型尿分析装置に正面図である。 さらに他の実施の形態における携帯型尿分析装置に底面図である。 さらに他の実施の形態において、蓋がハウジング本体にはまりあう部分の正面図である。 さらに他の実施の形態において、蓋がハウジング本体にはまりあう部分の底面図である。 さらに他の実施の形態において、蓋がハウジング本体にはまりあう部分の正面図である。 さらに他の実施の形態において、遮光カバーがハウジング本体にはまりあう部分の正面図である。 さらに他の実施の形態において、遮光カバーがハウジング本体にはまりあう部分の底面図である。 さらに他の実施の形態において、ハウジング本体と遮光カバーの部分の拡大断面図である。 発色の波長スペクトルにおける尿の色の影響を示す図である。 尿糖度をパラメータとして、反射強度と検出経過時間に関する較正曲線の例を示す図である。 尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差が反射強度に及ぼす影響を説明する図である。 さらに他の実施の形態において、尿温度と携帯型尿分析装置の温度の差が反射強度に及ぼす影響を抑制する方法を説明する図である。 さらに他の実施の形態において、尿がかけられたことを検出してからの検出経過時間に伴うLEDの点灯状態を示す図である。 さらに他の実施の形態において、尿成分試験紙の別の挿入法を説明する図である。 さらに他の実施の形態において、尿成分試験紙の別の挿入法を説明する断面図である。
符号の説明
10,310 携帯型尿分析装置、12 尿成分試験紙、14 試験片、16 ハウジング、17 クリップ付ホルダ、18,218,318 ハウジング本体、20,320 蓋、26,326 液晶ディスプレイ、27,327 試験紙収納室、28 回路収納室、50,52,54,56 溝、58 突き当て壁、60 突き当て部、62a,62b,62c,256a,256b 張出部、70 蓋着脱検出器、72a,72b,272a,272b,372 導電性端子、74,374 検出窓、76,376 受発光型センサ、80 尿検出器、90 電子回路部、92 制御回路、94 入出力制御部、110 尿検出経過タイマ、112 蓋着脱経過タイマ、116 算出データメモリ、118 予定時間較正データメモリ、122 発色時間較正データメモリ、130 受発光制御部、132 発色計測部、134 尿成分算出部、136 表示制御部、250,350 尿たまり部、252 尿流し路、254a,254b 堰部、300,302,304 尿、317 遮光カバー、319 クリップ、340 斜め壁部、351 テーパ状開口、356 平行ガイド、357 段差、361 尿出口、380 LED、382 ガイド溝、384 スライド駒、386 電池収納部。

Claims (12)

  1. 片手で把持するための把持部を有する防水構造のハウジングと、前記ハウジングに設けられ、検体がかけられることで発色する試験片を先端部分に有するスティック状の検体成分試験紙を保持する試験紙保持部と、前記ハウジングに設けられ、かけられた検体をためるくぼみ形状の検体たまり部と、前記ハウジングから突き出して前記試験紙保持部の近傍に設けられ、相互に絶縁された一対の導電性端子と、前記一対の導電性端子間の電気伝導度を測定することで、検体がかけられたことを検出する検体検出器と、前記検体検出器が検体を検出してからの検出経過時間を計時する検体検出経過タイマと、前記検出経過時間が前記発色を計測する計測基準時間に達したことを表示する基準時間経過表示部と、を備え、前記防水構造のハウジング内部に前記検体検出器と前記検体検出経過タイマとが収納されてなることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  2. 片手で把持するための把持部を有する防水構造のハウジングと、前記ハウジングに設けられ、検体がかけられることで発色する試験片を先端部分に有するスティック状の検体成分試験紙を保持する試験紙保持部と、前記ハウジングに設けられ、かけられた検体をためるくぼみ形状の検体たまり部と、前記ハウジングの一部に設けられ、光を通す検出窓と、前記ハウジングに設けられ、前記検体たまり部から前記検出窓に向けて検体を導く検体流し路と、前記検体流し路上に、前記ハウジングから突き出して設けられ、相互に絶縁された一対の導電性端子と、前記検出窓を介して前記試験片の発色を計測するセンサ部と、前記一対の導電性端子間の電気伝導度を測定することで、検体がかけられたことを検出する検体検出器と、前記検体検出器が検体を検出してからの検出経過時間を計時する検体検出経過タイマと、前記計時された検出経過時間と、その検出経過時間において計測された前記試験片の発色計測値に基づいて、前記試験片にかけられた検体の検体成分を算出し出力する検体成分算出部と、を備え、前記防水構造のハウジング内部に前記センサ部、前記検体検出器、前記検体検出経過タイマおよび前記検体成分算出部とが収納されてなることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  3. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記検体成分試験紙はスティック状の片側面に前記試験片を有し、前記試験紙保持部は、前記試験片を前記検出窓に向かい合うように検体流し路の上に前記検体成分試験紙を保持し、さらに、前記ハウジングと組み合わされ、検体流し路の上に保持された前記検体成分試験紙を覆う遮光カバーと、前記ハウジングと前記遮光カバーとで形成される検体出口と、を備えることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の携帯型検体分析装置において、検体がかけられる側に設けられ、検体がかけられた状態を表示する検体検出表示器を備えることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  5. 請求項2に記載の携帯型検体分析装置において、前記検体成分算出部は、前記検出経過時間が所定の計測基準時間に達したときの発色計測値に基づき、前記検体成分を算出し出力することを特徴とする携帯型検体分析装置。
  6. 請求項2に記載の携帯型検体分析装置において、前記検体成分算出部は、発色計測値が飽和に至る前の発色計測値を所定の基準計測値として設定し、前記発色計測値が前記基準計測値に達したときの検出経過時間に基づき、前記検体成分を算出し出力することを特徴とする携帯型検体分析装置。
  7. 請求項2に記載の携帯型検体分析装置において、前記センサ部は、前記検出経過時間の計時開始を起点として、第1の所定時間と第2の所定時間の計測タイミングでそれぞれ発色を計測し、ここで第1の所定時間及び第2の所定時間は、検体がかけつづけられることで検体の温度と携帯型検体分析装置の温度との温度差が少なくなり試験片の発色反応が安定する時間範囲の中で設定されることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  8. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記ハウジングは、内部に前記検体成分試験紙を収納する試験紙収納室を備えるハウジング本体と、前記ハウジング本体と着脱可能で、前記試験紙収納室の前記検体成分試験紙の出し入れ口を覆う蓋と、を含むことを特徴とする携帯型検体分析装置。
  9. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記蓋を着脱したことを検出する蓋着脱検出器と、前記蓋を着脱したときからの蓋着脱経過時間を計時する蓋着脱経過タイマと、前記蓋着脱経過時間が予め定められた検体をかける予定時間に達したことを表示する予定時間経過表示部と、を備えることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  10. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記検体成分算出部は、前記予定時間と異なる蓋着脱経過時間に検体がかけられたときに、予め記憶された予定時間と検体成分とに関する較正データに基づき、前記検体検出器により検体がかけられたことを検出した時の蓋着脱経過時間と前記予定時間との差を補正し、前記予定時間における検体成分の推定値を算出することを特徴とする携帯型検体分析装置。
  11. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記センサ部は、前記試験片に検体がかけられたときの発色の波長スペクトルの範囲の中で、検体の色により影響を受けない波長の光を放射する発光素子と、受光素子と、前記受光素子の前面に設けられ、前記発光素子の波長帯域を通過させる光学フィルタと、を含む受発光型センサであることを特徴とする携帯型検体分析装置。
  12. 請求項に記載の携帯型検体分析装置において、前記遮光カバーに設けられた発光素子であって、前記試験片に検体がかけられたときの発色の波長スペクトルの範囲の中で、検体の色により影響を受けない波長の光を放射する発光素子を備え、前記センサ部は、前記発光素子から放射される光が前記試験片を通過する通過光を用いて前記試験片の発色を検出することを特徴とする携帯型検体分析装置。
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