JP3737803B2 - 球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料及びその製造方法に関し、その目的は、オーステナイト基地中に球状のバナジウム炭化物を晶出させることにより、耐摩耗性や靭性などの機械的特性に優れるとともに、非磁性であり、しかも、非磁性の高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)を得る際に必要とされた水靭熱処理を必要としない球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料及びその製造方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
マンガンを10重量%以上含有する高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)は、ハッドフィールド鋼の名称で知られている。ハッドフィールド鋼は、Cを0.9〜1.4重量%の範囲内で、Mnを10〜15重量%の範囲内で、それぞれ含み、経済性の面からCを1.1〜1.2重量%、Mnを12〜13重量%程度含むものが最も多く製造されている。
【0003】
ハッドフィールド鋼は、鋳造、鍛造又は圧延のいずれの方法でも製造することができるが、成形のままでは結晶粒界に炭化物が析出したり、オーステナイトがマルテンサイトに変態したりする。この結果、引張り強さは400〜500N/mm2であり、伸びは1%以下となり、非常にもろい。このために、1273〜1473K付近から水冷する(水靭又は水鈍と呼ばれる)熱処理が行われる(非特許文献1参照)。
1273〜1473K付近から水冷処理することにより製造されたハッドフィールド鋼は、オーステナイト基地を有し、靭性、加工硬化性、耐摩耗性が大きい。また耐力が295N/mm2であり、18−8ステンレス鋼よりも約100N/mm2大きい。
ハッドフィールド鋼は非磁性であるため、超伝導装置の構造材として、或いはリニアモーター軌道用構造材、極低温強磁場構造材等としての用途がある。透磁率は1.5以下であり、各種機械加工によっても殆ど変化しない。
【0004】
現在のところ、高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)としては、14Mn系、18Mn系、25Mn系等が知られており、さらに目的や用途に応じてNi、Cr、Nb、V、N等が添加されている。
例えば、Niを添加したものとして、ASTM A−128 (1969) D等が知られている。Crを添加したものとして、JIS G−5131 (1969) SCMnH11並びにSCMnH21及びASTM A−128 (1969) C等が知られている。Vを添加したものとして、JIS G−5131 (1969) SCMnH21等が知られている。
この他、高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)に各種合金元素を添加した例としては、Fe−12重量%MnにCを1.2〜5.0重量%、Vを0〜7.5重量%添加した合金の凝固組織及び凝固過程に関する研究報告が存在する(非特許文献2参照)。
【0005】
一方、本出願人らは、特願2001−204291において、C:0.6〜4.0重量%、V:4〜15重量%、Al:0.05〜1.0重量%、Mg:0.01〜0.2重量%、Si:0.2〜4.5重量%、Cr:13〜30重量%、Mn:0.2〜3.0重量%、Ni:4〜15重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなり、その組織中に共有結合性の球状バナジウム炭化物を晶出させた球状炭化物鋳鉄材料を提案している。この球状炭化物鋳鉄材料は、耐食性、耐摩耗性、靱性といった特性を充分に兼ね備えた鋳鉄であった。
【0006】
【非特許文献1】
日本鉄鋼協会編,「鋼の熱処理」,丸善株式会社,昭和56年8月20日,p.447−450
【非特許文献2】
沢本章,大城桂作,松田公扶,平木道幸,「含バナジウム高マンガン鋳鋼の凝固組織」,鋳物、第54巻,1982年,第3号,p.167−172
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)には以下のような問題が存在した。まず、高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)は衝撃荷重により鋼表面に加工硬化を生じ、耐摩耗性が発現するものである。従って、加工硬化を生じないような摺動摩耗、アブレーシブ摩耗のような環境下等では耐摩耗性に劣った。また、鋳造により成形した場合、炭化物が多く析出し機械的性質が劣化するため、炭化物を除去する水靭又は水鈍と呼ばれる熱処理が必要とされた。
水靭又は水鈍と呼ばれる熱処理を行わないと、非常にもろく、しかも、透磁率が1.5〜2.5となり、非磁性の高マンガン鋼を得ることはできない。
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、本出願人らが先に見出しているバナジウム炭化物の球状化処理を高マンガン鋳鋼に適用することにより、オーステナイト基地中に球状バナジウム炭化物を分散して晶出させた高マンガン鋳鉄が得られ、この高マンガン鋳鉄が、従来の高マンガン鋳鋼の調製の際に必要とされた水靭(水鈍)と呼ばれる熱処理を行わなくても、従来の高マンガン鋳鋼に比べて耐摩耗性や靭性などの機械的特性に優れるとともに、しかも非磁性であることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明は、C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、Mg:0.01〜0.1重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなり、その組織中に球状のバナジウム炭化物を晶出させてなることを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料に関する。
請求項2に係る発明は、(a)Ni:0.5〜8.0重量%、(b)Mo:0.5〜4.0重量%、(c)Ta、Ti、W、Nbからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.5〜3.5重量%、(d)Ca、Ba、Srからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.01〜0.1重量%、の(a)〜(d)の中から選択された一以上の合金元素と、C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、Mg:0.01〜0.1重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物とからなり、その組織中に球状のバナジウム炭化物を晶出させてなることを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料に関する。
請求項3に係る発明は、C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなる合金原料を1773〜2073Kで溶解後、Mgを添加して0.01〜0.1重量%とした後、鋳造することを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、(a)Ni:0.5〜8.0重量%、(b)Mo:0.5〜4.0重量%、(c)Ta、Ti、W、Nbからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.5〜3.5重量%、(d)Ca、Ba、Srからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.01〜0.1重量%、の(a)〜(d)の中から選択された一以上の合金元素と、C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物とからなる合金原料を1773〜2073Kで溶解後、Mgを添加して0.01〜0.1重量%とした後、鋳造することを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法に関する。
請求項5に係る発明は、前記合金原料を1773〜2073Kで溶解鋳造後、鋳放しで使用に供することを特徴とする請求項3又は4に記載の球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料及びその製造方法について詳述する。
本発明に係る球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料は、C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、Mg:0.01〜0.1重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなる。
【0011】
C及びVは、球状のバナジウム炭化物を晶出させるために配合される。
炭素(C)の含有量は、1.5〜4.0重量%、好ましくは1.9〜3.5重量%、より好ましくは2.1〜3.3重量%とされる。含有量が1.5重量%未満の場合、球状化不良のバナジウム炭化物が多くなり、1.5重量%を超えるとバナジウム炭化物の球状化が安定する。また、含有量が4.0重量%を超えると、一部のCはFe−C系板状炭化物(セメンタイト)となり、靱性を低下させてしまう。
【0012】
バナジウム(V)の含有量は、6.0〜15重量%、好ましくは8〜14重量%、より好ましくは、9〜13.5重量%とされる。この理由は、含有量が6.0重量%未満の場合、バナジウム炭化物を球状で晶出させることができず、15重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は期待できず、逆に偏析を起しやすくなり、いずれの場合も好ましくない。
また、球状のバナジウム炭化物は、VとCの原子数比が約1:1(重量比4:1)であるため、Vの含有量がCの含有量の3〜6重量倍、好ましくは3.5〜5.5重量倍、より好ましくは約4重量倍になるように配合するとよい。
【0013】
ケイ素(Si)、マンガン(Mn)は溶解鋳造性や耐摩耗性や靭性などの機械的特性向上のために配合される。
【0014】
ケイ素(Si)は溶解時の酸化防止と脱酸および鋳造性確保のために配合される。Siの含有量は0.2〜4.0重量%、好ましくは0.5〜4.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%とされる。この理由は、0.2重量%未満の場合、Vの歩留りを悪化させるためにSi含有による効果を発揮することができず、一方、4.0重量%を超えると靱性が低下してしまい、いずれの場合も好ましくない。
【0015】
マンガン(Mn)は基地をオーステナイトとするのために配合される。Mnの含有量は10〜18重量%、好ましくは11〜16重量%、より好ましくは12〜15重量%とされる。この理由は、10重量%未満の含有量では、安定してオーステナイト単相とはなりにくく、また18重量%を超えて含有すると、鋳放し状態ではマンガンの偏析が生じやすくなるため、いずれの場合も好ましくない。
【0016】
マグネシウム(Mg)はバナジウム炭化物を球状化するために必須である。Mgの含有量は0.01〜0.1重量%、好ましくは0.02〜0.08重量%、より好ましくは0.03〜0.08重量%とされる。この理由は0.01重量%未満の場合にはバナジウム炭化物の球状化が不完全となり、また0.1重量%を超えることはマグネシウムの酸化物が多く散在することになり材質上好ましくない。
【0017】
以上の合金元素が主成分である鉄(Fe)に含有させる必須成分である。
尚、本発明では、上記した必須成分にP及びSを含有しても構わない。
リン(P)の含有量は0.02〜0.1重量%、好ましくは0.02〜0.08重量%、より好ましくは0.02〜0.06重量%とされる。この理由は、0.01重量%未満にすることは現在用いる材料上困難なことであり、一方、0.1重量%を超えると偏析や脆性を起すために、いずれの場合も好ましくない。
硫黄(S)の含有量は0.006〜0.08重量%、好ましくは0.015〜0.05重量%とされる。この理由は、0.006重量%未満にすることは現在用いる材料上困難なことであり、0.08重量%を超えると、MnS(硫化マンガン)を晶出しやすくなり、耐摩耗性が低下するために、いずれの場合も好ましくない。
【0018】
さらに、本発明では上記した各成分に加えて、(a)Ni:0.5〜8.0重量%、(b)Mo:0.5〜4.0重量%、(c)Ta、Ti、W、Nbからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.5〜3.5重量%、(d)Ca、Ba、Srからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.01〜0.1重量%、の(a)〜(d)の中から選択された一以上の合金元素を配合することができる。
【0019】
ニッケル(Ni)を含有する場合、Niの含有量は0.5〜8.0重量%、好ましくは0.5〜6.0重量%、より好ましくは0.5〜4.0重量%とされる。この理由は、含有量が0.5重量%未満の場合、Ni配合による効果が得られず、一方8.0重量%を超えると偏析を助長するために、いずれの場合も好ましくない。
【0020】
モリブデン(Mo)はキッシュ黒鉛析出防止及び基地を安定させるのに有効であり、Moを含有させる場合、その含有量は0.5〜4.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%とされる。この理由は、0.5重量%未満の場合、Mo配合による効果が得られず、逆に4.0重量%を超えると、球状バナジウム炭化物以外の炭化物を晶出させるため、いずれの場合も好ましくない。
【0021】
タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)は、脱窒素と金属組織の微細化に有効である。
これらの合金元素は単独で配合しても効果はあるが、複数組み合わせて配合することにより、より優れた効果を得ることができるので、本発明では二種以上の元素を組み合わせて配合する。但し、いたずらに配合しても効果があるとは限らないため、二種以上の合金元素の合計の含有量は0.5〜3.5重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%とされ、より好ましくは0.5〜1.5重量%とされる。
【0022】
カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)については、マグネシウム気泡安定材として配合される。
カルシウム(Ca)は殆ど溶湯中に溶けないが、Caを添加することにより結合の強いCa−Si結合が増加する。このために、Mg合金の融点が上昇し、溶湯中の微細気泡の生成を穏やかに進行させることができる。
【0023】
バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)の沸点はMgより高いが、融点が低く、微細な気泡を分散させる効果を得ることができる。特に、Mgに発生するフェイディング現象を緩和することができる。
【0024】
上述したCa、Ba、Srは、それぞれ単独で配合しても効果が得られるが、二種以上の合金元素を共に配合すると、より高い効果が得られる。本発明では、Ca、Ba、Srを配合する場合、Ca、Ba、Srからなる群から選択される二種以上の合金元素を0.01〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.08重量%、より好ましくは0.01〜0.05重量%配合される。
【0025】
特に、球状バナジウム炭化物の安定化にはCa、Ba、Srの配合が、耐摩耗性や靭性等の機械的特性の向上には、Mo、Ti、W、Taの配合が有効である。
【0026】
上記した組成からなる原料を用いて、本発明に係る球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料を製造するには、マグネシウム(Mg)の添加が必須である。この理由は、Mgは沸点(1373K)が比較的低いために、1773〜2073Kの溶湯中では気泡となる。Mg添加により、積極的に溶湯中にMg気泡の微細な球状空間を分散させ、この気泡の球状空間に共有結合性の球状バナジウム炭化物を優先的に晶出させることで、球状バナジウム炭化物をマトリックス中に均一に分散させることができる。この理由により、Mgは炭化物の球状化能が極めて高く、本合金には必須である。
Mgは、純マグネシウム、Mg合金、Mgの塩化物、Mgのフッ化物等を使用することができ、Mg合金としては、塊状又はブリケットのMg−Ni、Mg−Fe、Mg−Si−Fe、Mg−Cu、Mg−Alなどを例示することができる。
【0027】
即ち、本発明に係る球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料を製造するには、Mgを除く上記組成からなる合金原料を、Mgガス気泡を発生させる気泡化反応温度で溶解した後、Mgを添加して鋳造を行う。
具体的な気泡化反応温度は、1773〜2073K、好ましくは1773〜1950K、より好ましくは1873〜1950Kである。溶解温度が1773K未満であると微細なマグネシウム気泡が分散されないために球状バナジウム炭化物が形成されず、非球状のバナジウム炭化物がマトリックス中に晶出するとともに、処理溶湯の流動性が悪化し、鋳造することが困難となる。一方、2073Kを超えた場合は、球状化に問題はないがマグネシウム気泡の歩留まりが悪化し、好ましくない。
【0028】
本発明においては、オーステナイト基地中に硬質な炭素粒子である球状バナジウム炭化物が略均一に分散して含まれているため、従来の高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)に比べて耐摩耗性や靭性などの機械的特性に優れる。しかも、炭素量の殆ど全てが晶出バナジウム炭化物を構成するために使用されるために、基地中の炭素量が著しく低下する。その結果、従来の高マンガン鋼(高マンガン鋳鋼)とは異なり、熱処理を行うことなく、鋳放しで透磁率が約1.5以下、好ましくは約1.1以下となり、非磁性の材料を得ることができる。
【0029】
上記組成からなる球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料は、常法に準じて、鋳型内に溶湯を注ぎ込み、その後冷却する鋳放しにより得ることができる。鋳放し組織はオーステナイト(γ)+バナジウム炭化物複合体である。本発明では水靭処理は必要とはされない。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、配合量は重量%である。
【0031】
(溶製条件と供試材)
表1及び表2に記載した組成に従い、実施例1〜17及び比較例1、2の試料を調製した。各試料の調製方法は、まず上記調製した各試料を、5kg高周波誘導炉(マグネシア坩堝)を用いて溶解した。実施例1〜17については、Mgを除く各合金元素を1923Kに昇温溶解した後、Mgを添加して1873Kでミクロ組織観察試験片、機械的試験片(60×10×70mm)及び耐摩耗性試験片(55×55×11mm)を砂型で採取した。
比較例1の試料は、SS400と呼称される一般構造用圧延鋼材であり、JIS G−3101に規定されるものである。
比較例2の試料は、100kg高周波誘導炉(ラミング材MgO)を用いて溶解した。各合金元素を1923Kに昇温溶解した後、1873Kでミクロ組織観察試験片、機械的試験片(60×10×70mm)及び耐摩耗性試験片(55×55×11mm)を砂型で採取して1323Kで水靭処理することにより製造した。尚、比較例2は、JIS G−5131 SCMnH12に相当する高マンガン鋳鋼である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
(試験例1:光学顕微鏡観察)
ミクロ組織の観察のために、上記調製した実施例1〜17及び比較例2の供試材の側部より12mm部を切断して、研磨後、光学顕微鏡で観察した。
実施例1〜17及び比較例2の結果をそれぞれ図1〜18に示す。
【0035】
図1〜17に示されるように、実施例の各試料では、組織中に球状の晶出物が晶出していることが確認された。一方、図18に示されるように、比較例2の試料では、組織中に球状の晶出物は確認されなかった。
【0036】
(試験例2:硬さ試験)
実施例1〜17及び比較例1で得られた合金鋳鉄の硬度をそれぞれ測定した。硬度の指標としては「ロックウエル硬さ(HR)」の「Cスケール」(HRC)を用い、試験方法は、「JIS Z−2245」に示される「ロックウエル硬さ試験方法」(ダイヤモンド圧子又は球圧子を用いて、まず基準荷重を加え、次に試験荷重を加え、再び基準荷重に戻したとき、前後2回の基準荷重における圧子の侵入深さの差によって定義式から求める)に準じて試験を行った。結果を表3に記載する。
【0037】
【表3】
【0038】
(試験例3:耐摩耗性試験)
サンドブラスト(不二製作所社製、商品名SGK−3)を用いた粒子噴射試験(ブラスト材噴射試験)を行い、各試料の耐摩耗性試験を行った。試験方法は、まず、供試材である比較例1〜2及び実施例1〜17の各試料(55×55×11mm)を、サンドブラストに取り付け、以下の条件でブラスト材を各供試材に噴射した。ブラスト材の噴射による摩耗減量を測定するとともに、摩耗痕を比較した。
【0039】
<ブラスト材噴射条件>
ブラスト材:マルテンサイトスチールショット180μmφ,噴射圧力:0.466MPa,噴射角度:30°,45°,60°,90°,ブラスト材噴射量:3.57×10−2kg/s,噴射時間:1.8ks,噴射ノズル−供試材間距離:5×10−2m,噴射ノズル径:7×10−3m
【0040】
ブラスト材噴射角度がそれぞれ30°,45°,60°,90°の場合の摩耗減量を表4に記載する。
比較例1〜2及び実施例11の試料の摩耗試験終了後の表面写真を図19(a),(b),(c)にそれぞれ示す。
各試料の耐摩耗特性を図20〜29に示す。図20〜23は、ブラスト材噴射角度がそれぞれ30°,45°,60°,90°の場合について、比較例1の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗性(耐摩耗減量比)をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
図24〜27は、ブラスト材噴射角度がそれぞれ30°,45°,60°,90°の場合について、比較例2の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗性(耐摩耗減量比)をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
図28、29はそれぞれ実施例7と15について各ブラスト材噴射角度における摩耗減量(g)を比較例1及び比較例2の摩耗減量(g)と併記したグラフである。
【0041】
【表4】
【0042】
表4及び図20〜29に示されるように、実施例の各試料の耐摩耗性は比較例1の一般構造用圧延鋼材(SS400)及び比較例2の高マンガン鋳鋼SCMnH12の耐摩耗性よりも優れている。
【0043】
(試験例4:X線回折試験)
上記調製した実施例の基地組織及び晶出相を同定するために、各試料のX線回折試験を以下の条件で行った。
線源:Cukα40kV 150mA,カウンター:シンチレーションカウンター,スキャンスピード:4.000deg/min,スキャンステップ:0.020deg/step,走査軸:2θ,走査範囲:10.000〜100.000deg
結果の一例として実施例9及び11のX線回折結果をそれぞれ図30及び31に記載する。
【0044】
図30及び31に示されるように、実施例の試料のX線回折結果では、実施例9及び11の基地組織はオーステナイト基地であり、晶出物はバナジウム炭化物であると同定された。
【0045】
(試験例5:透磁率測定試験)
試料振動型磁力計(理研電子株式会社製、model BHV−50H)を使用して、印加磁界Ho(Oe)における5mmφ×5mm(反磁場係数(k)=0.27(MKSA))の試料の磁化M(emu)を測定した。
有効磁界Heff(Oe)と磁束密度B(Gauss)を次式1(数1)に従って算出した。
【数1】
(尚、I=4πM/V(Gauss)であり、Vは試料体積(cm3)である。)
透磁率(μ)を次式2(数2)に従って算出した。
【数2】
図32に透磁率(μ)に及ぼすバナジウム量及び炭素量の影響を示す。
【0046】
図32の結果に示されるように、実施例の各試料の透磁率は1.007以下であり、実施例の試料は非磁性である。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に係る発明は、オーステナイト基地中に球状のバナジウム炭化物を晶出させることにより、耐摩耗性や靭性などの機械的特性に優れるとともに、非磁性の球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料を得ることができる。
請求項2に係る発明は、目的に応じて、耐摩耗性や靭性等の機械的特性を向上させた球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料を得ることができる。
請求項3乃至5に係る発明は、オーステナイト基地中に球状のバナジウム炭化物を晶出させることにより、耐摩耗性や靭性などの機械的特性に優れるとともに、非磁性の球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料を得ることができる。また非磁性の高マンガン鋼を得る際に必要とされた水靭熱処理を必要とせず、合金原料を鋳造溶解後、鋳放しにより製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図2】実施例2の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図3】実施例3の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図4】実施例4の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図5】実施例5の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図6】実施例6の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図7】実施例7の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図8】実施例8の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図9】実施例9の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図10】実施例10の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図11】実施例11の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図12】実施例12の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図13】実施例13の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図14】実施例14の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図15】実施例15の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図16】実施例16の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図17】実施例17の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図18】比較例2の金属組織の光学顕微鏡写真である。
【図19】(a)、(b)及び(c)は、サンドブラストによる耐摩耗性試験を行った試料の表面写真であり、(a)は比較例1の試料の表面写真、(b)は比較例2の試料の表面写真、(c)は実施例11の試料の表面写真である。
【図20】ブラスト材噴射角度が30°の場合について、比較例1の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図21】ブラスト材噴射角度が45°の場合について、比較例1の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図22】ブラスト材噴射角度が60°の場合について、比較例1の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図23】ブラスト材噴射角度90°の場合について、比較例1の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図24】ブラスト材噴射角度が30°の場合について、比較例2の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図25】ブラスト材噴射角度が45°の場合について、比較例2の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図26】ブラスト材噴射角度が60°の場合について、比較例2の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図27】ブラスト材噴射角度が90°の場合について、比較例2の摩耗減量を各実施例の摩耗減量で除した数値で表記した耐摩耗減量比をバナジウム量及び炭素量の関係で表記したグラフである。
【図28】実施例7について、各ブラスト材噴射角度における摩耗減量(g)を比較例1及び比較例2と併記したグラフである。
【図29】実施例15について、各ブラスト材噴射角度における摩耗減量(g)を比較例1及び比較例2と併記したグラフである。
【図30】実施例9のX線回折結果である。
【図31】実施例11のX線回折結果である。
【図32】透磁率(μ)に及ぼすバナジウム量及び炭素量の影響を示したグラフである。
Claims (5)
- C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、Mg:0.01〜0.1重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなり、その組織中に球状のバナジウム炭化物を晶出させてなることを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料。
- (a)Ni:0.5〜8.0重量%、(b)Mo:0.5〜4.0重量%、(c)Ta、Ti、W、Nbからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.5〜3.5重量%、(d)Ca、Ba、Srからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.01〜0.1重量%、の(a)〜(d)の中から選択された一以上の合金元素と、
C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、Mg:0.01〜0.1重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物とからなり、その組織中に球状のバナジウム炭化物を晶出させてなることを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料。 - C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物からなる合金原料を1773〜2073Kで溶解後、Mgを添加して0.01〜0.1重量%とした後、鋳造することを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法。
- (a)Ni:0.5〜8.0重量%、(b)Mo:0.5〜4.0重量%、(c)Ta、Ti、W、Nbからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.5〜3.5重量%、(d)Ca、Ba、Srからなる群から選択される少なくとも二種以上の合金元素:0.01〜0.1重量%、の(a)〜(d)の中から選択された一以上の合金元素と、
C:1.5〜4.0重量%、V:6〜15重量%、Si:0.2〜4.0重量%、Mn:10〜18重量%、残部鉄(Fe)及び不可避不純物とからなる合金原料を1773〜2073Kで溶解後、Mgを添加して0.01〜0.1重量%とした後、鋳造することを特徴とする球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法。 - 前記合金原料を1773〜2073Kで溶解鋳造後、鋳放しで使用に供することを特徴とする請求項3又は4に記載の球状バナジウム炭化物含有高マンガン鋳鉄材料の製造方法。
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